資料 -4 現地視察箇所説明資料 1. 尼崎閘門 ( 尼ロック ) 概要尼崎閘門は日本で最初の閘門式防潮堤と尼崎閘門して昭和 30 年 (1955) に造られました ( 旧第 1 閘門 ) その 10 年後には通航量が増加したため2つ目の閘門が造られました ( 旧第 2 閘門 ) 現在の閘門はそれらが老朽化したことや 耐震性などの問題を解決するために造り替えられたものです 第 2 閘門が平成 6 年 (1994) に 第 1 閘門が平成 14 年 (2002) にそれぞれ新しくなりました また 集中コントロールセンターが平成 17 年 (2005) に完成し 臨海部の防災拠点としての機能を果たします 2. 東浜排水機場 概要尼崎閘門の扉を閉鎖している時 降雨があると港内の水位が上昇するため 排水ポンプを運転し浸水を防止します 排水ポンプは 10 台設置されており 総排水量は 72m 3 /s となっています 東浜排水機場 尼崎閘門 東浜排水機場 防潮堤の状況 1
3. 松島排水機場 概要尼崎市域の約 1/3 がゼロメートル地帯であ松島排水機場り 内水を排水するためには 全てポンプ排水に頼らなければならないため 大阪高潮対策事業の一環として 昭和 44 年に建設されました その後 昭和 58 年の台風 10 号による豪雨を契機に治水計画の見直しが行われ 増改修の結果 国内では最大級の総排水量 91m 3 /s の排水機場となっています また 水質浄化短期対策事業の一環として 平成 5 年度に排水量 1m 3 /s の浄化用ポンプ 4 台が設置されました 庄下川水門を閉鎖して常時排水することにより 海水による水質悪化の影響を排除するとともに 庄下川の流れを創出することによって水質浄化を促します 2
4. 左門殿川 概要左門殿川は 江戸時代初期の元和 3 年 (1617) に開削された運河で 大阪府 兵庫県境 阪神間の臨海部を流れて佃の中州の南端で中島川右岸に注ぎます 一級河川の起点は神崎川からの分派点 ( 大阪市西淀川区御幣島 佃 尼崎市杭瀬寺島境 ) です 河川名の 左門殿 は 尼崎城主 戸田左門氏鉄が元和 3 年 (1617) に川を改修し 洪水禍から領民を救ったことに感謝して呼びならわされるようになったものと伝えられています 左門殿川 ( 辰巳橋上流 ) 阪神電鉄 左門殿川 No.3 10.00m 84.30 10.00m 現況断面 OP-4.488 暫定河床断面 (1/40) 全体計画断面 (1/200) 左門殿川標準断面図 ( 国道 43 号辰巳橋下流 ) 3
5. 中島川 概要中島川は 神崎川の分流と左門殿川を合流して大阪湾に注ぐ神崎川最下流部の派川です 神崎川からの分派点 ( 大阪市西淀川区佃 中島境 ) で神崎川から分かれ 南西流し 兵庫県尼崎市東海岸町と大阪市西淀川区中島の境で大阪湾に注ぎます 最下流部は運河を兼ね 流れはほとんどなく 潮汐の影響を受けています 中島川 ( 中島新橋下流 ) 阪神高速湾岸線 中島川 No.6 260.39 現況断面 OP-5.457 暫定河床断面 (1/40) 全体計画断面 (1/200) 中島川標準断面図 ( 中島新橋下流 ) 災害復旧助成事業について中島川 左門殿川においては 兵庫県南部地震直後から 潮位が高くなると漏水が発生し 工場や民家の床下にも浸水しました これに対して 現堤防より川側約 15m の場所に鋼矢板を打ち その間を O.P.+3.0m まで盛土する応急仮工事を直ちに着手し 約 10 日後に漏水を止めることができました しかし 当地域はゼロメートル地帯で堤内地が低く 次期出水に甚大な被害が想定されることから 再度の被害を防止するには 被災箇所だけの原形復旧では十分な効果を期待することができませんでした このため本事業は 低水護岸による堤体の強化 耐震性の向上 洪水に対する安全性の向上 さらに緊急時 ( 災害時 ) の防災機能 ( 消防車等 緊急車両の水辺への進入路整備等 ) や修景 緑化等に配慮した環境整備等を図ろうとしたものです このうち 環境整備のゾーニングと拠点整備は以下のとおりです 4
写真 1 写真 2 写真 4 写真 3 写真 1 写真 2 整備状況 ( 中島川 ) 防災ふれあい道路 ( 左門殿川 ) 写真 3 写真 4 階段護岸 ( 中島川 ) 人工干潟 ( 中島川 ) 5
6. 庄下川水門 概要庄下川の環境対策 水質改善を目的とし 河川と港湾域を分離させるため 松島排水機場の完成後 昭和 46 年に建設されました 水門の規模は 径間 16.5m 扉高 6.1m 形式はローラーゲートで 2 門あります 平常時は河川浄化のため閉鎖しており 豪雨時には開放して治水上の安全を図ります 庄下川水門 ローラーゲート鋼鉄などでできた開閉用ゲートの板に ローラーが付いたもので それをワイヤロープなどによって垂直に持ち上げて上下に開閉する ローラーが付いているため 摩擦抵抗が少なく大きな水圧がかかる大規模な水門にも利用できるほか 構造上止水が容易で信頼性が高く 河川構造物ではよく用いられている 6
7. ふるさとの川モデル事業 概要庄下川は昭和 63 年に ふるさとの川モデル河川 に指定され 市民生活に潤いや安らぎをもたらす水辺空間の創造を目的に 環境 街づくり 景観と一体となった整備が行われました この区間のうち上流部は ふるさとの川整備事業に移行しました 可動堰 上生嶋橋付近 ふるさとの川整備事業に移行 可動堰水質向上のため庄下川水門とポンプによ JR 橋梁上流の可動堰って中下流域の水位を下げて流れを創出すると 上流域においても水位が下がることになります このことは 上流域に見られる魚類にとって生息環境の変化となります そこで 一定の水深を確保して影響を緩和するため JR 橋梁の上流部に堰高 1m の可動堰が設置されることとなりました また 堰で流水を落下させることにより 曝気を促進することになり 水中の溶存酸素が増加し 水質の浄化を促しています なお 洪水時 ( 水位上昇時 ) には自動的に堰が転倒します 上生嶋橋付近ちびっこ広場を沿川に設け そのオープンスペースの中を せせらぎ のごとく流れる庄下川と一体の演出を図ることにより 緑と親水の拠点空間を創出しました また 修景を兼ねた噴水を設置し 水質の浄化を促しています 上生嶋橋付近 噴水 7
改修前後と現在の状況 ( 高松橋下流 ) 改修前の状況 改修直後の状況 現在の状況 22.5m 0.6m H.W.L 4.8m 改修前 改修後 8
8. 庄下川と富松川の状況富松川は 尼崎西部を流れる庄下川の支川で 尼崎北小前で庄下川に交差 ( 合流 分流 ) した後 阪急神戸線の南で庄下川に合流しています 富松川 庄下川 庄下川 富松川 庄下川 庄下川 富北橋から望む庄下川と富松川の状況 ( 尼崎北小前 ) 庄下川 富松川 高松橋から上流を望む ( 阪急神戸線の南 ) 9
9. 金岡雨水貯留施設 概要平成 6 年における局地的集中豪雨や平成 7 年の阪神 淡路大震災を教訓に 兵庫県下水道復興計画 における< 都市防災に貢献する下水道 >としての位置付けのもと計画されました 貯留管は県道山本 伊丹線の地下に埋設されており 雨水は 4 箇所の取水口から横越流堰方式で流入します 貯留容量は約 40,000m 3 です この貯留管は雨水を貯留する目的のほかに 防火用水の水源確保として貯留水の有効利用が位置付けられています また 貯留水を循環させることにより せせらぎ を創り 市街地における親水性のある水辺空間を創出しています 伊丹市が事業は実施し 管理を行っています 視察箇所 10. 昆陽川捷水路排水機場 概要昆陽川流域でも特に洪水被害の大きかっ昆陽川捷水路排水機場た尼崎市塚口地区 上坂部地区を浸水被害から守るため 昆陽川と支流の伊丹川の洪水を 捷水路を設けてこれに引き込み 一級河川の藻川に排水する計画が立てられ 昭和 46 年 (1971)7 月に昆陽川捷水路と排水機場 ( 排水ポンプ 2 台 ) が完成しました 平成 6 年 (1994)3 月に排水ポンプ 2 台を増設し 計画していた 4 台のポンプ設置を完了しました それにあわせて自動運転システムを導入し 地域防災の重要な施設として稼働しています 排水ポンプの総排水量は 25m 3 /s となっています 捷水路は水位の高低による自然排水を行っていますが 藻川水位の上昇時などには 排水機場に設置してあるポンプで強制的に排水します 10
11. 旧猪名川水門 概要旧猪名川は 大阪府豊中市と兵庫県尼崎旧猪名川水門市を流れる 神崎川下流部の支流です 一級河川の起点は豊中市名神口 3 丁目 尼崎市東園田 7 丁目 ( 北部浄化センター横 ) です 阪神高速大阪池田線豊中 ICの西側 豊中市と尼崎市の境を猪名川左岸沿いに南流し 尼崎市戸ノ内町 ( 神崎川毛斯倫大橋上流 ) で神崎川右岸に注いでいます 旧猪名川水門は 高潮から堤内地を守るため 排水機場 ( 排水量 Q=40m 3 /s) とともに神崎川合流点に設置されています 12. 神崎川 概要神崎川は 大阪府摂津市の一津屋で淀川神崎川 ( 神崎橋上流 ) から分岐し 大阪市東淀川区相川で安威川と 尼崎市神崎町付近で猪名川と合流した山陽新幹線後 左門殿川 中島川 西島川に分かれて大阪府と兵庫県の境を流れて大阪湾に注ぐ淀川水系の一級河川です 流路延長は約 21km 流域面積は 627km 2 に及びます 神崎川は古くは淀川下流部の派流で 八世紀頃には淀川から分れた独立水系になっていましたが 延暦 4 年 (785) 和気清麻呂の手により淀川と結ばれたという歴史をもちます この工事は舟運に多大な恩恵を与えることとなり かつては西国と京をつなぐ運河として使われてきました 左門殿川 中島川と併せて全体計画にもとづいた河川改修が行われており 高潮堤防が概成し 河床掘削が進められているところです 左岸側で大阪府 右岸側で兵庫県がそれぞれ改修事業を行っています 神崎川 No.56 10.00m 現況断面 235.85 OP-3.700 暫定河床断面 (1/40) 全体計画断面 (1/200) 神崎川標準断面図 (JR 東海道線下流 ) 11
( 参考図 ) 神崎川流域と各河川整備計画のブロック割について 12