理学療法科学 17(4):259 264,2002 研究論文 人工膝関節置換術術前後における下肢筋力, および歩行速度の推移 - 関節リウマチと変形性膝関節症症例における比較 - Progress in Leg Muscle Strength and Walking Speed before and after Total Knee Arthroplasty Comparision between the Patients with Rheumatoid Arthritis and those with Knee Osteoarthritis 佐々木賢太郎 千田益生 石倉隆 2) 太田晴之 森剛士 築山尚司 村瀬ゆかり KENTARO SASAKI, RPT, BA, MASUO SENDA, MD, PhD, TAKASI ISHIKURA, RPT, PhD 2), HARUYUKI OTA, RPT, TAKESHI MORI, RPT, HISASHI TSUKIYAMA, RPT, YUKARI MURASE, RPT Central Rehabilitation Service, Okayama University Hospital: 2 5 1 Shikata-Cho, Okayama 700-8558, Japan. TEL +81 86-235-7752 2) Department of Physical Therapy, Hiroshima Prefectural College of Health Sciences Rigakuryoho Kagaku 17(4): 259 264, 2002. Submitted Aug. 1, 2002. Accepted Sep. 25, 2002. ABSTRACT: Leg muscle strength of both the operated and unoperated sides was measured before and after total knee arthroplasty (TKA) by the SLR test and gait ability was evaluated by the timed up & go test (up & go test). The results were compared between 16 patients with rheumatoid arthritis (RA) and 12 patients with knee osteoarthritis (OA). Patients were all female and their average age was 67.2 ± 9.0 years in RA patients and 70.8 ± 4.6 years in OA patients. Muscle strength was measured before operation, in full weight bearing (16.9 ± 2.6 days after operation), and at discharge (26.0 ± 2.9 days after operation) by a newly developed manual dynamometer. The degree of pain was also evaluated by Visual Analogue Scale (VAS). In RA patients, leg muscle strength of SLR test in full weight bearing reached almost the same value as that before operation, and was increased significantly at discharge. In OA patients, leg muscle strength of SLR test was decreased significantly in full weight bearing, and reached the same value as that before operation at discharge. Leg muscle strength of SLR test of OA patients correlated negatively with VAS. Compared with before operation, muscle strength of unoperated side in SLR test was increased both in full weight bearing and at discharge in RA patients, but was not significantly increased in full weight bearing and increased at discharge in OA patients. In up & go test, RA patients showed no difference in gait velocity between before operation and at discharge, but OA patients showed lower gait velocity at discharge than before operation. Depending on basic diseases, patients indicate different physical conditions before operation, and exhibit different recovery process even though the same operation and physical therapy are conducted. It is therefore necessary to prepare goal-setting and to proceed programs, which are suited for each disease. Key words: TKA, RA, OA, muscle strength 要旨 : TKA 施行前後の術側, 非術側の SLR 筋力, および The Timed up & go test( 以下 Up & go test) の推移を RA16 例 (67.2±9.0 歳, 全例女性 ) と OA12 例 (70.8±4.6 歳, 全例女性 ) で比較した 筋力測定には独自で考案した徒手筋力計を用いて, 術前, 全荷重時 ( 術後 16.9±2.6 日 ), 及び退院時 ( 術後 26.0±2.9 日 ) の 3 期に測定し, それと同時に疼痛の程度を Visual Analogue Scale( 以下 VAS) にて評価した 術側 SLR 筋力において,RA では, 全荷重時でほぼ術前値に達し, 退院時には有意に増加した それに対し OA では, 全荷重時には, 術前値よりも有意に低下しており, 退院時になって術前値に達していた また OA では術前における術側 SLR 筋力は,VAS と負の相関を示した 非術側 SLR 筋力においては,RA では術前値に比べ, 全荷重時, 及び退院時ともに増加したが,OA では術前値に比べ全荷重時では, 有意に増強せず, 退院時に増加した Up & go test においても,RA では退院時の速度は, 術前と差がないのに対し,OA
260 理学療法科学第 17 巻 4 号 では退院時の速度は術前よりも遅れる傾向にあった 基礎疾患により術前の状態は異なり, 同手術, 理学療法を行なってもその回復過程は異なるため, 疾患に合わせたゴール設定, 及びプログラムを施行していく必要がある キーワード : TKA,RA,OA, 筋力 岡山大学医学部附属病院リハビリテーション部 : 岡山県岡山市鹿田町 2-5-1( 700-8558)TEL 086-235-7752 2) 広島県立保健福祉大学理学療法学科受付日 2002 年 8 月 1 日受理日 2002 年 9 月 25 日 I. 目的 全人工膝関節置換術 ( 以下 TKA) は, 関節リウマチ ( 以下 RA) ならびに変形性膝関節症 ( 以下 OA) に対し多く用いられ, 安定した成績が得られている TKA がもたらす関節修復, および除痛などの効果により,2 次的な障害である筋力低下に対する回復過程に関する報告も見られる 1,2) しかし, 臨床場面において, 筋力, あるいは歩行速度の回復過程が RA と OA では異なることを感じる 本研究では, 術側および非術側下肢伸展挙上 ( 以下 SLR) 筋力, ならびに歩行速度として The timed up & go test( 以下 up & go test) における所要時間を測定し, これらの推移を RA と OA にて比較検討し, その相違を明らかにすることを目的とする いては臨床において十分耐えうるものである 3,4) この方法にて, 術前, 全荷重時 ( 術後 16.9±2.6 日 ), および退院時 ( 術後 26.0±2.9 日 ) の 3 期に筋力を測定した また, 筋力測定と同時に, 疼痛が術側筋力の発揮に及ぼす影響を知るため,Visual Analogue Scale( 以下 VAS) にて評価した 測定時の自覚的な疼痛の程度を 100mm 線上に患者自身が記載した 疼痛の程度が強いほどその値 II. 対象及び方法 1. 対象 RA16 例 (67.2±9.0 歳,49.3±9.1 Kg),OA12 例 (70.8± 4.6 歳,59.5±6.7 Kg) を対象とし, 全例女性であった RA におけるSteinbrocker 分類では,stage II 1 例,III 9 例,IV 6 例,class II 7 例,III 7 例,IV 2 例であった 対象は,1 神経学的徴候が認められないこと,2 初回置換であること, 3 歩行可能であること,4 術後, 合併症が無いこと, の 4 条件をもとに症例を選択した 2. 方法 SLR 筋力測定測定器具は, バネ式の徒手筋力計 (OG 技研作製 ) を用いた ( 図 肢位は背臥位で,30 股関節屈曲, 膝完全伸展位 SLR にて,break test の要領で測定した 測定方法は, 筋力計のアタッチメントを足関節前面に当て, ゆっくりとアタッチメントを押し, 約 3 秒後に最大筋力を発揮するよう説明した ( 図 2) 自動運動として膝関節完全伸展ができない場合は, 測定肢位がとれないとみなし, 測定不能として筋力を 0 とした 筋力は 2 回測定し, 最大値を採用した 変動係数は,5.5% であり, その信頼性につ 図 1 徒手筋力計 (OG 技研作製 ) 図 2 SLR 筋力の測定場面背臥位で30 股関節屈曲位, 膝完全伸展位 SLRにてbreak testの要領で2 回測定し, 最大値を採用 徒手筋力計のアタッチメントは足関節前面に当て, 約 3 秒後に最大筋力を発揮して測定
人工膝関節置換術術前後における下肢筋力, および歩行速度の推移 261 は大きくなる 2)Up & go test 5) 筋力測定同日に Up & go test にて歩行能力を測定した 45 cm 台の椅子から立ち上がり,3 m 前進し, そこで方向転換をした後, もとの椅子まで戻り, 座る 被検者はこの一連の動作を, 普段通りの方法, スピードで行い, 検者はその所要時間を計測した 3. 当院における TKA 施行前後のクリニカルパス術前は, 術側, 非術側の大腿四頭筋を中心とした下肢筋力増強運動, 及び車椅子駆動, 松葉杖歩行練習を行う 術後は 5 日目より理学療法が再開となり, 病棟では持続的他動運動 ( 以下 CPM) を行い, 理学療法室では大腿四頭筋を中心とした術側 非術側の下肢筋力増強運動, ロールバーを用いた自動運動による膝関節可動域運動 6), 及び部分荷重での立位 歩行練習を行う 術後 14 日目以降, 全荷重が可能となり, 病棟での CPM は終了し, 理学療法室では筋力増強運動, 関節可動域運動から歩行練習 ( 松葉杖歩行から T 字杖歩行 ) 中心に移行していく 以上の過程で術前後の理学療法プログラムは進められる 4. 統計方法術側, 非術側 SLR 筋力, および Up &go test の推移について, その変化率を明確にするため, 術前の値を 1 とし, 他の 2 期の値をその割合として算出した RA,OA それぞれにて, 一元配置分散分析および post hoc test として Fisher s PLSD を用い, 各期間における筋力の有意差を 5% 水準にて検定した また各期それぞれの SLR 実測値と VAS の関係を単回帰分析を用い,5% 有意水準にて判定を行った III. 結果 1. 術側 SLR における筋力の推移 ( 図 3) 1RA における推移術前の筋力を 1.00 とすると, 全荷重時の筋力は 1.28± 0.53 であり, 有意な差はなかった また, 退院時の筋力は 1.45±0.57 であり, 術前筋力に比べ, 有意に増加した (p<0.0 2OA における推移術前の筋力を 1.00 とすると, 全荷重時の筋力は 0.64± 0.31 であり, 有意に低下していた (p<0.05) 退院時の筋力は 1.11±0.52 であり, 術前筋力に比べわずかに増加したが, 有意な差は認められなかった 2. 非術側 SLR における筋力の推移 ( 図 4) 1RA における推移術前の筋力を 1.00 とすると, 全荷重時の筋力は,1.22± 0.40 であり, 術前に比べ有意に増加した (p<0.05) また退院時筋力は 1.35±0.40 であり, 術前筋力に比べ有意に増加した (p<0.0 2OA における推移術前の筋力を 1.00 とすると, 全荷重時の筋力は,1.02± 0.19 であり, 有意な差は認めなかった 退院時の筋力は 1.16 ± 0.28 であり, 術前筋力に比べ有意に増加した (p<0.05) 図 3 術側 SLR 筋力の推移術前筋力を1とした, 各期における筋力の推移 図 4 非術側 SLR 筋力の推移術前筋力を1とした, 各期における筋力の推移
262 理学療法科学第 17 巻 4 号 表 1 術側, および非術側 SLR 筋力,VASならびにUp & go testの実測値における推移術前全荷重退院 ( 術後約 17 日 ) ( 術後約 26 日 ) 術側 SLR 筋力 (Kg) RA (n=16) 3.7± 1.6 4.4± 1.8 4.8± 1.5 OA (n=12) 5.7± 2.4 3.5± 2.1 5.6± 2.2 非術側 SLR 筋力 (Kg) RA (n=16) 4.8± 2.3 5.3± 2.0 5.9± 2.3 OA (n=12) 6.2± 1.9 6.2± 2.0 7.0± 1.9 VAS(mm) RA (n=16) 41.7± 34.2 35.4± 27.8 28.3± 28.2 OA (n=12) 51.9± 27.6 39.4± 22.9 32.2± 25.4 up & go test(sec.) RA (n=16) 35.7± 24.1 48.3± 22.5 30.0± 15.9 平均値 ± 標準偏差 OA (n=12) 19.4± 9.9 51.6± 22.4 24.0± 8.5 3. 各期における術側 SLR 筋力と VAS の比較 ( 表 1RA における比較各時期における相関係数は, 術前 -0.19, 全荷重時 - 0.29, 退院時 -0.36 であり, 全期において有意な相関は認められなかった 2OA における比較各時期における相関係数は, 術前 -0.60, 全荷重時 - 0.53, 退院時 -0.56 であり, 術前 (p<0.05) にのみ有意な負の相関を認めた ( 図 5) 4. Up & go test における推移 ( 図 6) 1RA における推移術前の所要時間を 1.00 とすると, 全荷重時は 1.77±1.10 であり, 有意に時間を要した (p<0.05) 退院時の所要時間は 1.15±1.05 であり, 術前に比べ有意な差は認められなかった 2OA における推移術前の所要時間を 1.00 とすると, 全荷重時は 2.94±1.18 であり, 術前に比べ有意に時間を要した (p<0.00 退院時の所要時間は 1.38±0.52 であり, 術前速度に比べ遅れていたが, 有意な差は認められなかった IV. 考察 図 5 OA の術前における SLR と VAS との比較 TKA 術前後の理学療法を進めていく上で, その筋力推移を把握することは非常に重要である また, その推移は基礎疾患により異なるものであるが,RA と OA の筋力推移における相違に関する報告は少ない 今回の研究では, 期間は異なるものの, 先行研究とほぼ同様の推移を示し, それらによって支持されるものであった しかし酒井ら は,RA と OA における術側, および非術側の筋力 図 6 Up & go test の推移 術前の所要時間を 1 とした, 各期における時間の推移
人工膝関節置換術術前後における下肢筋力, および歩行速度の推移 263 を等尺性筋力にて比較しているが,OA 症例は高位脛骨骨切り術が施行されたものであり, 今回の研究と直接比較することは困難である また前川ら 2) は,TKA 術前後の筋力推移をRAとOAにて比較しているが, 術側のみの測定であり, その測定方法は, 等速性運動機器を用いている 近年, 筋力における定量的測定法として, 等速性運動機器が主流であり, その信頼性, 定量的な評価は臨床において十分に認められるものであるが, 測定時の関節に及ぼす負担, またそれがもたらす疼痛は強く, 関節疾患, さらに今回のように術後の四肢には測定が困難な場合が多い 今回我々は, 独自に考案したバネ式徒手筋力計を応用した 徒手筋力計の有用性については, 多数報告されている 3,4,7-10) 今回用いた筋力計は,1 定量的,2 信頼性に優れる,3 簡易,4 運搬可能,5 安価,6 測定時の疼痛が少ない, などの特徴を有する 3,4,7) 今回, 測定後に疼痛が持続した症例は皆無であり, 疼痛を伴う関節疾患, あるいは筋力低下を示す神経 筋疾患に対して有用である 7) 今回の結果では, 同一の手術, 理学療法を行っているにもかかわらず,RAとOA, それぞれ特有の筋力の推移を示した これは基礎疾患の病態における違いがあり, 術前の状態からすでにその状態は異なっていることが推測される RAでは, 術側 SLR 筋力は全荷重時ですでに術前値に達し, 退院時では術前値よりも有意に増強した さらに非術側 SLR 筋力も術前に比べ, 全荷重時および退院時で増加を示した RAは多関節疾患であり, 全身の関節破壊が進むにつれて, その活動性も低下する さらに疼痛を回避するため, 術前は疾患そのものに廃用が重積している状態である これは術側のみならず, 非術側も同様の状態にある こうした理由からTKA 及び理学療法により, 早期から廃用に起因した筋力低下は改善されるものと考えられる 一方,OAでは全荷重時の術側 SLR 筋力は術前に比べて有意に低下しており, 退院時になって術前値に達する また, 非術側 SLR 筋力においても全荷重時では術前に比べ差はなく, 退院時になって増強する OAは単関節疾患であり, 術前のUp & go testの所要時間からも分かるように,raほど活動性が大きく制限されていない しかし, 活動性を維持することにより, 術側膝関節の疼痛は増悪しており, いわゆる過用症候群の状態を呈しているものと推測される このことは術前の術側 SLR 筋力とVASとの相関からも理解されるように, 術側筋力は疼痛の影響を受けており, さらに手術による侵襲が加わることにより, 術後の筋力低下は大きくなる また非術側においては, 術前から活動性を維持しているため, 廃用の程度も 少ない そのため理学療法による効果はRAほど早期から著明に出現しないものと考えられる Up & go testの推移においては,ra,oaともに, 退院時に術前と差のない速度で歩行が可能となった SLR 筋力同様,RA 患者では術前から廃用症候群の状態を呈しており, その機能回復の余地が十分あるものと考えられる 従って, 全過重時における歩行速度の低下も少なく, 退院時には術前と同程度の速度で歩行が可能となる 一方, OA 患者では, 術前から予備機能を最大限使っていることに加え, 術側膝における疼痛の影響もあり, 全荷重時における歩行速度の低下度合いは大きくなる しかし全荷重時から退院にかけて, 疼痛の軽減, および術側, 非術側の筋力改善に伴い歩行速度も改善してくる 廃用の程度が少ないOAにおいては, 疼痛の軽減が機能回復の重要な鍵となると考えられる 本研究にて, 基礎疾患の違いにより,TKA 術後の筋力, および歩行速度の回復過程が異なることが明らかになった RAは全身における廃用を是正するために, 疼痛を可能な限り軽減したうえで, 術側だけでなく, 全身の筋力増強運動, 歩行練習を行う必要がある OAに対しては, 筋力増強運動も必要であるが, それ以上に過用を呈する患肢の除痛が重要である 今回の結果は, 手術施行患者のみならず, 保存療法として理学療法を施行する患者にも適応されるものと考える 基礎疾患の違いにより, 術前からすでにその状態は異なるため, 疾患の特徴に合わせた理学療法プログラムを遂行していかなければならない 参考文献 酒井直隆, 腰野富久, 岡本連三 他 : 膝関節手術後の大腿四頭筋筋力の回復過程. リハビリテーション医学,1991, 28: 601-606. 2) 前川昭次, 今井至, 平岩康之 他 : 慢性関節リウマチ 変形性膝関節症患者のTKA 術前 術後の筋力の推移について. PTジャーナル,1999, 33: 435-438. 3) 千田益生 : 下肢筋力の経年的変化 - 用手力量計による測定. リハ医学,1987, 24: 85-91. 4) 木下篤, 長島弘明, 千田益生 他 : 徒手筋力計による全身的筋力評価 - 複数動作の総和筋力を指標として. リハ医学, 1999, 36: 237-239. 5) Podsiadlo D, Richardson S: The timed up & go: A test of basic functional mobility for frail elderly persons. J American Geriatrics Society, 1991, 39: 142-148. 6) 千田益生 : 人工股関節全置換術における Tumble Forms を用いた関節可動域訓練の試み. 運動療法と物理療法,2001,12: 329-333. 7) 佐々木賢太郎, 木下篤, 千田益生 他 : 徒手筋力計による
264 理学療法科学第 17 巻 4 号 3 項目総和筋力の経時的測定 - ミオパシーにおける臨床的指標として. 理学療法岡山,2000, 20: 32-34. 8) Ploeg RJO, Oosterhuis HJGH, Reuvekamp J: Measuring muscle strength. J Neurol, 1984, 231: 200-203. 9) NIMS Database Consortium: Muscular weakness assessment: Use of normal isometric strength data. Arch Phys Med Rehabil, 1996, 77: 1251-1255. 10) Agre JC, Magness JL, Hull SZ, et al.: Strength testing with a portable dynamometer: reliability for upper and lower extremities. Arch Phys Med Rehabil, 1987, 68: 454-458.