調査結果 1 食事の内容が体調に影響を与えることがあると思いますか の質問について 思う 少し思 う と回答した児童生徒の割合は各校を平均すると 65.5% であった ( 表 1) それに対し 2 体調が悪 いときや大会の前などに 意識して食事の内容を変えようと思いますか の質問について 思う と

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活実態と関連を図りながら重点的に指導していきたい また, 栄養教諭による給食献立の栄養バランスや食事によるエネルギー量を基盤として, グループごとに話合い活動を取り入れるなどの指導の工夫を行いたい また, 授業の導入にアイスブレイクや, カード式発想法を取り入れることにより, 生徒が本気で語ることが

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小学校 第○学年 学級活動(給食)指導案

(1) 体育・保健体育の授業を改善するために

gh 第 6 学年 3 組家庭科学習指導案 単元名 : わたしは料理家 ~ おすすめ給食献立を考えよう ~ 朝食から健康な 1 日の生活を 男子 15 名 女子 14 名計 29 名 指導者 T1 宮地仁美 ( 学級担任 ) T2 須山明香 ( 栄養教諭 ) 題材について 小学校学習指導要領家庭科第

4. 題材の評価規準 題材の評価規準 については, B 日常の食事と調理の基礎 (2),(3), D 身近な消費生活 と環境 (1) の 評価規準に盛り込むべき事項 及び 評価規準の設定例 を参考に設定して いる 家庭生活への関心 意欲 態度 お弁当作りに関心をもち, おか 生活を創意工夫する能力

単元構造図の簡素化とその活用 ~ 九州体育 保健体育ネットワーク研究会 2016 ファイナル in 福岡 ~ 佐賀県伊万里市立伊万里中学校教頭福井宏和 1 はじめに伊万里市立伊万里中学校は, 平成 20 年度から平成 22 年度までの3 年間, 文部科学省 国立教育政策研究所 学力の把握に関する研究

第 3 4 学年 ( 複式学級 ) 学級活動指導案 平成 26 年 6 月 11 日 ( 水 ) 第 5 校時指導者教諭 ( 学級担任 ) 養護教諭 1 題材 バランスよく食べよう ( 第 3 学年及び第 4 学年 (2) 日常の生活や学習への適応及び健康安全キ食育の観点を踏まえた学校給食と望ましい

上に食に関する指導の充実が求められている 食環境の乱れが社会的課題とっている今日 中学生が食生活の自立を目指した学習をすることは大切なことであるので 本時は 自分や家族の食生活の中で見付けた問題点の改善に自主的に取り組むことができるように 指導を進めることにした 指導に当たっては これまでの学習を踏

平成 28 年度全国学力 学習状況調査の結果伊達市教育委員会〇平成 28 年 4 月 19 日 ( 火 ) に実施した平成 28 年度全国学力 学習状況調査の北海道における参加状況は 下記のとおりである 北海道 伊達市 ( 星の丘小 中学校を除く ) 学校数 児童生徒数 学校数 児童生徒数 小学校

給食の時間における食に関する指導事例 ( 小学校第 6 学年 ) 1 主題戦争中の食事を体験しよう 2 関連教科等 単元名社会科 長く続いた戦争と人々のくらし 3 献立名麦ごはん めざし みそ汁 たくわん 4 ねらい戦争中の食糧不足の食事を通して 食糧不足の時代と今の時代の食生活の違いが分かる <

Microsoft PowerPoint - 中学校学習評価.pptx

3 調査結果 1 平成 30 年度大分県学力定着状況調査 学年 小学校 5 年生 教科 国語 算数 理科 項目 知識 活用 知識 活用 知識 活用 大分県平均正答率 大分県偏差値

平成20年度全国体力・運動能力、運動習慣等調査結果(概要)

実践内容 (1) 視点 1 教育活動全体で推進できるよう 指導体制を整備し 食に関する指導の充実 を図る 1 食育全体計画の整備既存の食育全体計画を見直し 教科 学級活動における食に関する指導の時間を確保するとともに 栄養教諭とのティーム ティーティング ( 以下 TT) についても明記した また

有り ) については, おもに食べる主食 は, パンが5 人, ごはんが3 人, コーンフレークが1 人, おもに食べる主菜 は, 肉, ハム, などが4 人, 豆腐, 納豆などが1 人, 食べないが3 人, おもに食べる副菜 は, みそ汁が4 人, 炒め物が2 人, サラダが1 人, 食べないが2

平成 年度佐賀県教育センタープロジェクト研究小 中学校校内研究の在り方研究委員会 2 研究の実際 (4) 校内研究の推進 充実のための方策の実施 実践 3 教科の枠を越えた協議を目指した授業研究会 C 中学校における実践 C 中学校は 昨年度までの付箋を用いた協議の場においては 意見を出

Ⅰ 評価の基本的な考え方 1 学力のとらえ方 学力については 知識や技能だけでなく 自ら学ぶ意欲や思考力 判断力 表現力などの資質や能力などを含めて基礎 基本ととらえ その基礎 基本の確実な定着を前提に 自ら学び 自ら考える力などの 生きる力 がはぐくまれているかどうかを含めて学力ととらえる必要があ

識及び技能を活用して総合的に学習できるような教材である 家庭の食事や給食について振り返ってバランスよく食品を組み合わせて食事をとる大切さを理解させたり, 体に必要な栄養素の種類と働きを知り 1 食分の献立を考えさせたりする 栄養バランスを考えた 1 食分の献立を計画することは, 小学校での 2 年間

Microsoft Word - 研究の概要他(西小) 最終

いて考え, 判断し, 実践している 解している 6 食育の視点 自の食生活を見つめ直し, よりよい食習慣を形成しようと努力すること ( 心身の健康 ) 食品の品質の良否を見け, 食品に含まれる栄養素やその働きを考え, 適切な選択をすること ( 食品を選択する能力 ) 7 学習計画 時 おやつの取り方

(2) 国語 B 算数数学 B 知識 技能等を実生活の様々な場面に活用する力や 様々な課題解決のための構想を立て実践し 評価 改善する力などに関わる主として 活用 に関する問題です (3) 児童生徒質問紙児童生徒の生活習慣や意識等に関する調査です 3 平成 20 年度全国学力 学習状況調査の結果 (

学習指導要領の領域等の平均正答率をみると 各教科のすべての領域でほぼ同じ値か わずかに低い値を示しています 国語では A 問題のすべての領域で 全国の平均正答率をわずかながら低い値を示しています このことから 基礎知識をしっかりと定着させるための日常的な学習活動が必要です 家庭学習が形式的になってい

第 4 学年学級活動学習指導案 1 題材名 バランスよく食べよう ( キ食育の観点を踏まえた学校給食と望ましい食生活の形成 ) 2 題材について (1) 児童の実態 < 男子 11 名 女子 15 名計 26 名 > 本学級は 元気で明るい子どもたちが多い学級である 給食時間は 放送をよく聞いたり

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( ) 単元計画 ( 全 6 時間 ) 段階 主な学習活動と内容 指導上の留意点 配時 私たちが食べているものは, どこからきて 既習を想起できるように, 農業や いるか考える 水産業の学習内容を掲示しておく 給食の献立から調べた食料自給率から, 給食の献立から調べた食料自給率本つ気づいたことや疑問

の間で動いています 今年度は特に中学校の数学 A 区分 ( 知識 に関する問題 ) の平均正答率が全 国の平均正答率より 2.4 ポイント上回り 高い正答率となっています <H9 年度からの平均正答率の経年変化を表すグラフ > * 平成 22 年度は抽出調査のためデータがありません 平

ホームページ掲載資料 平成 30 年度 全国学力 学習状況調査結果 ( 上尾市立小 中学校概要 ) 平成 30 年 4 月 17 日実施 上尾市教育委員会

食育に関するアンケート

1. 研究主題 学び方を身につけ, 見通しをもって意欲的に学ぶ子どもの育成 ~ 複式学級における算数科授業づくりを通して ~ 2. 主題設定の理由 本校では, 平成 22 年度から平成 24 年度までの3 年間, 生き生きと学ぶ子どもの育成 ~ 複式学級における授業づくり通して~ を研究主題に意欲的

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Taro-小学校第5学年国語科「ゆる

市中学校の状況及び体力向上策 ( 学校数 : 校 生徒数 :13,836 名 ) を とした時の数値 (T 得点 ) をレーダーチャートで表示 [ ] [ ] ハンドボール ハンドボール投げ投げ H29 市中学校 H29 m 走 m 走 表中の 網掛け 数値は 平均と同等または上回っているもの 付き

目 次 1 学力調査の概要 1 2 内容別調査結果の概要 (1) 内容別正答率 2 (2) 分類 区分別正答率 小学校国語 A( 知識 ) 国語 B( 活用 ) 3 小学校算数 A( 知識 ) 算数 B( 活用 ) 5 中学校国語 A( 知識 ) 国語 B( 活用 ) 7 中学校数学 A( 知識 )

H30全国HP

調査結果の概要

小学校の結果は 国語 B 算数 A で全国平均正答率を上回っており 改善傾向が見られる しかし 国語 A 算数 B では依然として全国平均正答率を下回っており 課題が残る 中学校の結果は 国語 B 以外の教科で全国平均正答率を上回った ア平成 26 年度全国学力 学習状況調査における宇部市の平均正答

平成25~27年度間

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7 本時の指導構想 (1) 本時のねらい本時は, 前時までの活動を受けて, 単元テーマ なぜ働くのだろう について, さらに考えを深めるための自己課題を設定させる () 論理の意識化を図る学習活動 に関わって 考えがいのある課題設定 学習課題を 職業調べの自己課題を設定する と設定する ( 学習課題

国語の授業で目的に応じて資料を読み, 自分の考えを 話したり, 書いたりしている

2年生学級活動(性に関する指導)指導案

Ⅳ 第 2 次計画の目標 : 第 2 次計画で新たに設定した項目 府民主体 府民と行政と団体 行政と団体 1 内 容 新 規 栄養バランス等に配慮した食生活を送っている府民の割合 2 朝食欠食率 第 1 次計画策定時 35 現状値 第 2 次計画目標 第 2 次基本計画目標 24% 15% 60%

愛媛県学力向上5か年計画

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教育調査 ( 教職員用 ) 1 教育計画の作成にあたって 教職員でよく話し合っていますか 度数 相対度数 (%) 累積度数累積相対度数 (%) はい どちらかといえばはい どちらかといえばいいえ いいえ 0

エコポリスセンターとの打合せ内容 2007

本年度の調査結果を更に詳しく分析するため 本道の課題となっている質問紙の項目について 継続して成果を上げている福井県 秋田県 広島県と比較した結果を示しています ( 全国を 100 とした場合の全道及び他県の状況をレーダーチャートで示したもの ) 1 福井県との比較 (~P51) 継続的に成果を上げ

平成 26 年度努力点 1 研究主題 作って食べて食への思いを高める常安の子 - 広げよう! 食育の輪 - 2 研究主題設定の理由本校では 平成 24~25 年度の2 年間に渡り できたよ自分で というテーマの基 やてみたい できるようになりたい 分かるようになりたい と 自分の意思で意欲的に学ぶ子

2 事前調査の結果研究員所属校の児童生徒を対象にアンケート調査を実施し がんに対するイメージや知識などについて実態を把握することとした 調査内容は 表 1 のとおりである がんはこわい病気だと思う という問いに対して そう思う と答えた率は小学校 中学校ともに 90% を超えた 児童生徒にとって が

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国語 A では, 領域別, 観点別, 問題形式別に見て, どの区分においても全国平均を上回り, 高い正答率でした しかし, 設問別でみると全国および新潟県平均正答率を下回った設問が, 15 問中 1 問, 新潟県の平均正答率を下回った設問は,15 問中 1 問ありました 設問の概要関屋小新潟県全国

芥川小学校5年家庭科 学習指導案

Ⅲ 目指すべき姿 特別支援教育推進の基本方針を受けて 小中学校 高等学校 特別支援学校などそれぞれの場面で 具体的な取組において目指すべき姿のイメージを示します 1 小中学校普通学級 1 小中学校普通学級の目指すべき姿 支援体制 多様な学びの場 特別支援教室の有効活用 1チームによる支援校内委員会を

p.1~2◇◇Ⅰ調査の概要、Ⅱ公表について、Ⅲ_1教科に対する調査の結果_0821_2改訂

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(3) 生活習慣を改善するために

①H28公表資料p.1~2


(2) 国語科 国語 A 国語 A においては 平均正答率が平均を上回っている 国語 A の正答数の分布では 平均に比べ 中位層が薄く 上位層 下位層が厚い傾向が見られる 漢字を読む 漢字を書く 設問において 平均正答率が平均を下回っている 国語 B 国語 B においては 平均正答率が平均を上回って


< 先生方へ > 長崎県学力向上推進協議会では 子どもに確かな学力をつけていくためには 何 が大切か また 学力の向上を阻害している要因は何かなどについて 検討を重ね ています その中から次のようなことが指摘されました 1 家庭で毎日決まった時間に学習をする習慣をつけることが大切である 2 食事や睡

1. 調査結果の概況 (1) の児童 ( 小学校 ) の状況 < 国語 A> 今年度より, ( 公立 ) と市町村立の平均正答率は整数値で表示となりました < 国語 B> 4 国語 A 平均正答率 5 国語 B 平均正答率 ( 公立 ) 74.8 ( 公立 ) 57.5 ( 公立 ) 74 ( 公立

(2) 計画学習課題 学習内容 時間 連立方程式とその解 二元一次方程式とその解の意味 2 連立方程式とその解の意味 ( 本時 1/2) 連立方程式の解き方 文字の消去の意味 加減法による連立方程式の解き方 5 代入法による連立方程式の解き方 連立方程式の利用 問題を解決するために 2つの文字を使っ

瑞浪市調査結果概略(平成19年度全国学力・学習状況調査)

3 第 3 学年及び第 4 学年の評価規準 集団活動や生活への関心 意欲態度 集団の一員としての思考 判断 実践 学級の生活上の問題に関心 楽しい学級をつくるために を持ち 他の児童と協力して意 話し合い 自己の役割や集団と 欲的に集団活動に取り組もう してよりよい方法について考 としている え 判

2 各教科の領域別結果および状況 小学校 国語 A 書くこと 伝統的言語文化と国語の特質に関する事項 の2 領域は おおむね満足できると考えられる 話すこと 聞くこと 読むこと の2 領域は 一部課題がある 国語 B 書くこと 読むこと の領域は 一定身についているがさらに伸ばしたい 短答式はおおむ

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1 発達とそのメカニズム 7/21 幼児教育 保育に関する理解を深め 適切 (1) 幼児教育 保育の意義 2 幼児教育 保育の役割と機能及び現状と課題 8/21 12/15 2/13 3 幼児教育 保育と児童福祉の関係性 12/19 な環境を構成し 個々 1 幼児期にふさわしい生活 7/21 12/

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食育に関するアンケート

Taro-自立活動とは

小学生の英語学習に関する調査

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課題研究の進め方 これは,10 年経験者研修講座の各教科の課題研究の研修で使っている資料をまとめたものです 課題研究の進め方 と 課題研究報告書の書き方 について, 教科を限定せずに一般的に紹介してありますので, 校内研修などにご活用ください

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岐阜市における「医薬品の正しい使い方」に関する調査アンケート結果

(3) 指導について本単元のねらいは 体の発育 発達について その一般的な現象や思春期の体の変化などについて理解できるようにすること 体をより良く発育 発達させるための生活のしかたについて理解できるようにすること である そのねらいを達成するため 児童が学習に興味 関心をもち 意欲的に取り組むことが

資料2 これまでの学校における食育の取組について

解答類型

北九州市学力向上ステップアップ事業第Ⅱ期推進指定校 実施計画

2 教科に関する調査の結果 (1) 平均正答率 % 小学校 中学校 4 年生 5 年生 6 年生 1 年生 2 年生 3 年生 国語算数 数学英語 狭山市 埼玉県 狭山市 61.4

う について知り ご飯のたき方を理解する 6 おいしいみそ汁の作り方の秘密を調べよう だしの有無やみそ汁の具の種類や切り方によってみそ汁の味や作り方が違うことを理解する 7 8 ご飯とみそ汁を作る計画を立てよう みそ汁の具の組み合わせや切り方 入れる順番等を考え ごはんとみそ汁を同時にできるように時

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座標軸の入ったワークシートで整理して, 次の単元 もっとすばらしい自分へ~ 自分向上プロジェクト~ につなげていく 整理 分析 協同的な学習について児童がスクラップした新聞記事の人物や, 身近な地域の人を定期的に紹介し合う場を設けることで, 自分が知らなかった様々な かがやいている人 がいることを知

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平成 28 年度 第 1 回境港市学校給食センター運営委員会 1 日時 : 平成 28 年 10 月 27 日 ( 木曜日 )10:00~ 2 場所 : 境港市学校給食センター研修室 3 内容 (1) 報告事項 1 平成 28 年度学校給食の実績について 2 学校給食センターの取組について 3 アイ

学習意欲の向上 学習習慣の確立 改訂の趣旨 今回の学習指導要領改訂に当たって 基本的な考え方の一つに学習 意欲の向上 学習習慣の確立が明示された これは 教育基本法第 6 条第 2 項 あるいは学校教育法第 30 条第 2 項の条文にある 自ら進んで学習する意欲の重視にかかわる文言を受けるものである

実践 報告書テンプレート

給食の時間における食に関する指導事例 ( 中学校第 3 学年 ) 1 主 題 納豆ネバネバで NEVER ザ 生活習慣病! ~ 発酵食品を食べよう ~ 2 関連教科等 単元名 理科 食べられなかったものはどうなるか 3 献立名 セルフ手巻きご飯 ( 麦ご飯 ) 一食納豆 ツナサラダ 焼き海苔 豚汁

領域別正答率 Zzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzz んんんんんんんんんんんんん 小学校 中学校ともに 国語 A B 算数( 数学 )A B のほとんどの領域において 奈良県 全国を上回っています 小学校国語 書く B において 奈良県 全国を大きく上回っています しかし 質問紙調査では 自分

3 12 西中学校給食予定献立表 冬野菜のオムレツ味噌ドレッシングサラダじゃこ豆ぶどうゼリー TEL: kcal トンテキほうれん草ゅうまい春雨とひじきの和え物レモンゼリー ニラ玉焼き枝豆とコーンのサラダフルーツヨーグルト 39.g 2.g キャベツのイタリアンサラダりんご缶 キャベ

技術 家庭科学習指導案 安芸高田市立向原中学校指導者久保田美恵 1 日時平成 26 年 11 月 10 日 ( 月 ) 第 5 校時 (14:15~15:05) 2 場所 2 年教室 3 学年 学級第 2 学年男子 11 名女子 11 名計 22 名 4 題材名 食品の選択 小題材名 加工食品の選び

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平成 29 年度広島県立庄原特別支援学校食に関する年間指導計画小学部重複障害学級 遊びの指導 生活単元学習 給食の食材や献立について知る 正しい手洗いを身に付ける 協力して配膳ができる 給食の食材や献立について知る バランスよく, 何でも食べる 必要な水分を上手に摂取する 食後の片付けができる しっ

各教科 道徳科 外国語活動 総合的な学習の時間並びに特別活動によって編成するものとする 各教科 道徳科 総合的な学習の時間並びに特別活動によって編成するものとする

Transcription:

健康教育研究会議 養護教諭が実践する食に関する指導 - 自らの体調と食との関わりに関心をもてるような指導方法の工夫 - 研究員芹澤泉 ( 川崎市立子母口小学校 ) 小田佐知子 ( 川崎市立中野島小学校 ) 河内ユキ ( 川崎市立川中島中学校 ) 長船希結 ( 川崎市立今井中学校 ) 指導主事木村めぐみ Ⅰ 主題設定の理由 近年 子どもを取り巻く環境が大きく変化している中 必要な情報を自ら収集し 適切に意思決定や行動選択を行うことができる力を子どもたち一人一人に育むことが課題となっている また 食を取り巻く社会環境についても大きく変化し 栄養摂取の偏りや食習慣の乱れなどに起因する生活習慣病の増加等 食に関わる健康課題が顕在化している 学校においても 子どもの体調不良が食事と関連している場合が多くみられる 研究員所属校においては 保健室経営を行う中で見える児童生徒の課題として 体調が悪い時にその症状に合わせた食事の内容を考えようとしないこと 食事が体調に関与していることについての意識が低いこと等が挙げられた 子どもの食に対する意識は極めて他動的であることから 健康の保持増進のために望ましい栄養や食事のとり方に関心をもち 自分の体調と合わせた食事を自分で考えて選択していく力を身に付けることの必要性を感じている また 今年度から中学校給食が全校実施となり さらなる食育の推進が期待されている 食に関する指導としては 小学校では学校栄養職員や栄養教諭が積極的に取り組んでいるが 中学校では養護教諭が中心となって推進している実態がある 小学校においても学校栄養職員と養護教諭が連携をして指導するケースもあり 保健室においては自分の体調に合わせて食事をとるようにする指導や 体調不良時に適した食事についての指導を行うことがある 今回の研究では 主題を 養護教諭が実践する食に関する指導 とし 子どもが自分の体調と食との関わりに関心をもてるような授業の内容を考え 子どもが自ら課題を解決していけるような資質や能力を育むことを目指し 研究を進めることとした Ⅱ 研究の内容 1 研究の方法 (1) 研究員の所属する各校において 児童生徒を対象に 食に対する意識調査 を実施し 課題となることを分析した (2) 体調と食との関わりについての文献や先行研究の調査と分析を行い 養護教諭の専門性を生かした効果的な指導内容や方法を検討した (3) 食に対する意識調査 の分析結果をもとに 特別活動の授業モデルを作成した (4) 作成した授業モデルを研究員が所属する 4 校 ( 小学校 2 校 中学校 2 校 ) で実施し 検証した (5) 検証授業後に再度調査を行い 児童生徒の意識等の変容を見取り 課題となることをまとめた 2 意識調査の内容と分析 検証授業の約 1 ヶ月前に 食に対する意識調査 を実施した 研究員が所属する学校の小学校 5 年生 (69 名 ) および中学校 1 年生 (70 名 ) を対象に実施した 調査内容 1 食事の内容が体調に影響を与えることがあると思いますか 2 体調が悪いときや大会の前などに 意識して食事の内容を変えようと思いますか - 149 -

調査結果 1 食事の内容が体調に影響を与えることがあると思いますか の質問について 思う 少し思 う と回答した児童生徒の割合は各校を平均すると 65.5% であった ( 表 1) それに対し 2 体調が悪 いときや大会の前などに 意識して食事の内容を変えようと思いますか の質問について 思う と 回答した児童生徒の割合は 43.9% であった ( 表 2) 表 1 1 食事の内容が体調に影響を与えることがあると思いますか (%) A 小学校 B 小学校 C 中学校 D 中学校 平均 思う 少し思う 45.7 70.6 65.7 80.0 65.5 思わない 22.9 8.8 14.3 5.7 12.9 わからない 31.4 20.6 20.0 14.3 21.6 表 2 2 体調が悪いときや大会の前などに 意識して食事の内容を変えようと思いますか (%) A 小学校 B 小学校 C 中学校 D 中学校 平均 思う 42.9 58.8 34.3 40.0 43.9 思わない 57.1 41.2 65.7 60.0 56.1 また 1の質問で 思う 少し思う と回答した児童生徒の中で 2の質問で 思わない と回答 した割合は小学校と中学校を合わせて 54.9% であった 以上の結果から 食事の内容が体調に影響を与えることはわかってはいても 意識して食事の内容 を変えようとまでは思っていない児童生徒が多いことがわかった 3 授業モデルの作成ポイント 調査の結果を踏まえ 検証授業では食事の内容は体調に影響することについて理解を深め 自分で食事を作る機会の少ない児童生徒が疑似的に自分の体調や状況に合わせて食品を選択したり 自分でできることを考えたりする機会をつくりたいと考えた 児童生徒が日常経験していることや身近な事例等から 自分の健康課題として捉えさせ 自分でできることを実践できるようにすることを意識し 次の点について協議し授業モデルを作成した (1) 特別活動の内容と対象学年の検討 自分の健康課題と捉えさせ 実践力を育むために 教科での既習事項と関連させながら特別活動の内容を検討することとした 特別活動の学級活動 (2) の時間で実施し 対象学年については小学校においては 3 年生体育 ( 保健領域 ) 毎日の生活と健康 4 年生体育 ( 保健領域 ) 育ちゆく体とわたし 5 年生家庭科に関連させ 5 年生で実施することとした 中学校については小学校の既習事項を意識し 1 年生で実施することとした (2) 教材の工夫 児童生徒が身近な課題として捉えられるように 各学校で実施した実態調査や保健室利用状況のデータ等の効果的な活用について検討し 中学校においては学校給食のメニューも活用することとした また 体調不良時等にどのような食事が適切かを考え選択させる活動を 興味や関心をもって取り組めるように食べ物の写真を使用した教材を作成した (3) 養護教諭の専門性の活用と学校栄養職員 家庭科教諭との連携 養護教諭の専門性を生かす授業として 保健室利用状況等を活用しながら各学校の児童生徒の健康実態について示したり 体調不良時の体の状況などをわかりやすく説明したりする内容を取り入れた また 食品のもつ体への効果について示し その時の自分の体調や状況に合わせて食事を選択していくことへの関心や意欲を高められるよう 資料の提示や発問の方法について検討した 小学校においては 学校栄養職員に各学年における食に関する指導内容を確認し 指導内容の重複を避け指導に系統性をもたせるようにした 栄養職員と連携を図りながら授業内容を検討し 腹痛時に適している食事や 検証授業で使用する教材に適している献立等について共通理解を図った 中学校においては家庭科教諭に該当学年までの学習内容を確認した 特に 各栄養素の適切な摂取量等について生徒がどの様に学習しているかを確認し 既習内容を基に各場面や状況に合わせた献立を作成することができるように授業内容を考えた - 150 -

4 検証授業 1 実施校 研究員所属校 (A 小学校 B 小学校 C 中学校 D 中学校 ) 2 対象者 小学校 5 年生 中学校 1 年生 3 時期 平成 29 年 11 月 ~12 月 4 実施内容 学級活動小学校 (2) 日常の生活や学習への適応及び安全 カ心身ともに健康で安全な生活態度の形成 中学校 (2) 適応と成長及び健康安全 キ心身ともに健康で安全な生活態度や習慣の形成 5ねらい 食事と健康との関わりについて関心をもち 食事が体に及ぼす効果について理解し 健康に過ごすためには自分がどのように工夫していけばよいかを考え 日常生活に生 かすことができる 6 授業者 T1: 学級担任 T2: 養護教諭 小学校の授業の実際 導入 展開 1 昨年度と今年度の来室人数のグラフをみて 何の症状で来室が多いかを考える 〇来室人数のグラフから 腹痛での来室が多いことに気付かせる (T1) 2 3 年生の保健の既習事項に触れ 毎日健康に過ごすためには 食事 運動 睡眠 休養の調和のとれた生活が大切だということを確認する 〇食事のアンケートの結果 体調に合わせて食事を変えようと思っている人の割合を示し どの様な時にそう思うのかを考えさせる (T1) 3 体調不良時の体のメカニズムと 食事との関係を知る 〇便秘や下痢の時は 腸のぜん動運動や水分調節のバランスが崩れることによって 症状が現れることを説明する (T2) 〇腹痛時におすすめの食品と避けたほうがよい食品について児童に発言させながら黒板に示していく (T1) 腹痛時の腸の様子を示した教材 腹痛時におすすめの食事と避けたほうがよい食事おすすめのもの 温かいもの よく煮てあるもの すりおろしたりきざんだりしているもの 避けたほうがよいもの 冷たいもの 脂っこいもの 刺激の多いもの ( 辛いもの ) 4 腹痛をおこした A さんにどのようなメニューが適しているかを考える 各班に次の献立の写真を配布し この中からおすすめのものを選択させる 主食 ごはん ラーメン チャーハン カレーライス シリアル うどん ハンバーガー トースト かつ丼主菜 魚の煮つけ 餃子 麻婆豆腐 豚キムチ 魚の塩焼き ロールキャベツ副菜 切り干し大根 野菜サラダ ほうれんそうのお浸し ひややっこ さといもの煮物汁物 鶏団子とレタスのスープ 豆腐のかきたま汁 クリームシチューデザート みかん アイス りんご ももの缶詰 まとめ 5 グループに分かれ 腹痛時はどんな食事をとったらよいか話し合う 〇導入で確認したおすすめの食品と 避けた方がよい食品を参考にするよう声をかける 〇その食品を選んだ理由も考え ワークシートに記入するように声をかける (T1 T2) 6 グループごとにできたメニューと選んだ理由を発表する グループワークの様子 〇ホワイトボードに食品カードを掲示する 〇選んだ理由を認めながら 腹痛の時により適したものにするにはどうしたらよいか ( 皮をむく 柔らかく加熱する すりおろす 等 ) アドバイスする (T1 T2) 7 自分の食生活を振り返り 今日学んだことについて これから実践していきたいことをワークシートに記入する 8 ワークシートに書いたことを発表する 〇選んだ食品に正解や不正解はないが その時の体調に合わせて食事を選んでいくことが大切であることを伝える (T1) - 151 -

中学校の授業の実際 導入 1 バランスのよい食事について考える 〇給食の写真を提示し 主食 主菜 副菜 汁物 その他で構成されたバランスのよい食事であることを説明する (T1) 〇アンケート結果から 体調や状況に合わせて食事を変えようと思っている人の割合を確認する (T1) 2 体調不良時の食事内容について考える 〇 のどが痛い ときの食事について例を出し 考えさせ 発言させる (T2) 〇食事を体調や状況に応じて変えることの有効性について説明する (T2) のどが痛い時 3 人の先生はこのメニューを選びました 皆さんだったらどのメニューが適していると思いますか? 展開 3 A さん B さん C さんについて どんな食事を摂ったらよいか 資料を参考にしながらグループで考える *A さん 運動部で持久力をつけたい *B さん 試験前で集中力を高めたい *C さん 冷え性で体を温めたい〇食品に含まれている様々な成分が それぞれ体にどのような効果をもっているのかを示した資料を配付する (T2) 〇導入での のどが痛いとき を例に 資料を使って症状に合った栄養や食材を選ぶように説明する (T2) 〇資料を参考に A さん B さん C さんの状況に対してどのような食事をおすすめするかグループで話し合い 献立を立てるよう声をかける (T1 T2) 各班に次の献立の写真を配付し この中からおすすめのものを選択させる 主菜 コロッケ ロールキャベツ サンマの塩焼き キノコオムレツ 麻婆豆腐 ピーマンの肉詰め メカジキの煮つけ ブリの塩焼き 豚肉の生姜焼き 豚キムチ副菜 ほうれんそうのお浸し ごぼうサラダ きんぴらごぼう かぼちゃの煮物 切り干し大根 野菜サラダ 人参しりしり サツマイモサラダ 納豆 ひじきのサラダ ひじきの煮物 里芋の煮汁物 鶏団子とレタスのスープ 豆腐のかきたま汁その他 みかん カキ バナナ りんご ヨーグルト まとめ 4 2グループずつ 選んだ食品と 選んだ理由を発表する 〇その食品を選んだ理由や 避けた方がいいメニューなどにも触れ 発表をさせる (T1) 5 本時の学習内容を振り返り これから実践していきたいことをワークシートに記入する 6 ワークシートに記入したことを数人が発表する 〇基本はバランスよく食べること 食事だけではなく生活習慣全般を整えることが大切であることを伝える (T1) 5 検証授業の評価 (1) 児童生徒の姿から見ることのできる成果と課題 小学校のグループワークでは 導入で説明した 腹痛の時におすすめの食べ物である 温かいもの よく煮てあるもの すりおろしたりきざんだりしているもの を参考にし 自分が体調不良の時に食べているものや家族に教えてもらっていること等を振り返りながら食品を選択し 活発に意見交換が行われた 主食は うどん を選択した班が最も多く 汁物では脂分少ない 豆腐のかきたま汁 を選択する班が最も多かった 主菜は意見が分かれたが 煮てあるもの 柔らかいもの を中心に選ぶ傾向が見られた クリームシチューに脂分が多く含まれていることを理解していない傾向があることがわかり 脂分が多く含まれるため腹痛の時にはあまりおすすめの食べ物ではないということを伝えた ワークシートには 多くの児童が これから体調不良時には食事を工夫していきたい という内容の記述をしていて 体調に合わせて食品を選ぶことの必要性について理解している様子がみられた 中には 家に誰もいないときでも今日のことを覚えて実践していきたい など 大人に任せず自分で考えていきたいという記述も見られた - 152 -

中学校では 導入で のどが痛い時の食事として適しているものを ステーキ キムチチゲ カブとにんじんのクリーム煮 の中から考えさせる活動を取り入れた 教員の写真を使用したスライド教材を使用することによって 生徒が体調に合わせて食事を選ぶという行動を身近なこととして捉えることができ 授業への関心を高めることにつながった またその活動を取り入れたことにより 生徒は授業のねらいを理解し グループワークの方法に見通しをもつことができた グループワークでは 食品に含まれている成分が体にどのような効果を与えるのかを示した資料を参考にしながら A さん B さん C さんの状況に応じた献立を 意見を出し合いながら考えることができた 持久力をつけたい A さんに対しては エネルギー源となる炭水化物や酸素を効率よく取り込む鉄の必要性を考え コロッケ バナナ 納豆 等を選ぶ傾向があった 集中力を高めたい B さんに対しては 糖質をエネルギー源に変え集中力を高めるといわれているビタミン B 群を意識して サンマの塩焼き 豚肉のしょうが焼き 納豆 を選ぶ傾向が見られた 冷え性の C さんに対しては 体を温めるカプサイシンやシンゲロールが含まれている唐辛子や生姜を意識し 麻婆豆腐 豚肉の生姜焼き を選択する傾向が見られた 授業のまとめでは 絶対にこの食事が望ましい それだけを食べればよい ということではなく 本時の活動を生かしながら 自分のその時の体調や状況に合わせながら食事を選択していくことが大切であるということを伝えた また 食事だけで改善できるものではなく 望ましい生活習慣が大切であることもおさえた ワークシートには 食物には様々な効果があることが分かった 等の記述とともに 今日の学習を生活に役立てたい という言葉が多くみられ 食品の成分が体へ様々な効果を及ぼすことについての関心や 自分の体調に合わせて食事を選択していこうという意識が高まったものと考える (2) 検証授業後の調査結果の分析 検証授業の前に行った実態調査の質問を 授業の約 2 週間後に実施し 授業前後の比較を行った 表 3 1 食事の内容が体調に影響をあたえることがあると思いますか (%) A 小学校 B 小学校 C 中学校 D 中学校 授業前 授業後 授業前 授業後 授業前 授業後 授業前 授業後 思う 少し思う 45.7 72.2 70.6 93.9 65.7 69.7 80.0 88.2 思わない 22.9 2.8 8.8 0 14.3 18.2 5.7 2.9 わからない 31.4 25.0 20.6 6.1 20.0 12.1 14.3 8.8 授業前後の比較 事前に 思わない と回答した児童の多くが事後で 思う 少し思う と回答した 事後では全員の児童が 思う 少し思う と回答した - 153 - 事後では わからない と回答した生徒が減少し 思う 少し思う の割合が増えた 事前から 思う 少し思う と回答していた割合が高かったが 事後ではさらにその割合が高くなった 表 4 2 体調が悪いときや大会の前などに 意識して食事の内容を変えようと思いますか (%) A 小学校 B 小学校 C 中学校 D 中学校 授業前 授業後 授業前 授業後 授業前 授業後 授業前 授業後 思う 42.9 52.8 58.8 100.0 34.3 57.6 40.0 58.8 思わない 57.1 47.2 41.2 0.0 65.7 42.4 60.0 41.2 授業前後の比較 事後では 思う と回答した生徒の割合が増えた B 校においては全員の児童が 思う と回答 した 授業を通して 1 については 思う と回答した割合が増えたことから 食事の内容が体調に影響を与えるということについての理解が深まったと考えられる ( 表 3) 2 については 思う と回答した割合は授業前より高くはなっているものの B 校を除いて約 40% の児童生徒が 思わない と回答している ( 表 4) 以上のことから 検証授業によって食と体調との関係に関心をもつことができたが 意識して食事の内容を変えようとする割合の大きな上昇にまではつなげることができなかった 理由としては児童生徒が現状に対して 何とか改善したい という困り感をそれほどもっていないことと 自分で食事を変えていこうとする機会が少ないということが考えられる ただし 1 の質問で 思う 少し思う と回答した児童生徒の中で 2 の質問で 思わない と回答している割合は小学校と中学校を合わせて授業前では 54.9% であったのに対し 授業後では 26.8% に減少したことから 自分でできることを取り組んでいこうという意識は向上したと考えられる

Ⅲ 研究のまとめ今回の研究では 養護教諭が実践する食に関する指導として 児童生徒が自らの体調と食との関わりに関心をもち 健康に過ごすためには自分がどのように工夫していけばよいかを考え 実践することができるようにすることを目指した 検証授業では 保健室利用状況の活用や体調不良が起こるメカニズムの説明等の養護教諭の専門性を生かした内容と 児童生徒が体調に合わせて食事を選ぶというグループワークを取り入れた 授業前後の調査結果の比較データや授業の姿からは 食と体調との関わりについての意識が向上し 場面に応じて食事の内容を変えていきたいという意思が見られ 体調と食との関わりについての関心が高まったものと考える また 中学校の学校給食が開始されたタイミングで取り組んだことや 学校栄養職員や家庭科教諭と連携し 体調不良時等に適している食事や 教材として取り上げる食品について共通理解を図り 該当学年の既習内容を確認したことも 食に関する指導を進める上で重要なものであったと考える 指導方法の工夫として 食事の内容が体調に影響を与えることがあるということを理解できるようにするために 検証授業の中で児童生徒が自分の体調や状況に合わせて食品を選択したり 自分でできることを考えたりする活動を取り入れた 自分の健康課題として捉え 自分でできることを実践したいと意思決定できるように 児童生徒が日常経験していることや身近な事例等から考えさせるようにした それを促すために作成した身近な食材を使用した視覚的にイメージしやすい教材は 児童生徒の思考を深め 主体的に学ぶ姿につながった 体調に合わせて食事をするということは児童生徒にとって日常的なことでありながらも 改めて授業の中で他者と意見を交換し合ったり 理由を考えて食品を選択したりする活動に 興味をもって楽しみながら取り組んでいた 楽しい授業は児童生徒の心に残り やってみたいという意欲につながるものと考える 課題としては 検証授業でのワークシートに 間違った食事を選択してしまった 継続して食べていきたい 等の記述が見られたことである 一度の食事だけではなく 望ましい食習慣の積み重ねが大切であること また 絶対にこの食事が望ましいというような正解や不正解を導き出すものではなく 自分のその時の体調や状況に合わせながら食事を選択していくことが大切であるということをさらにわかりやすく授業の中で伝える工夫が必要である 一度の授業で伝えられることには限りがあり 継続した指導を行ったり授業後の指導の効果を維持したりしていくためには 各教科や食に関する指導との関連を考え 計画的 組織的に課題の解決に向けて取組む必要がある 授業の内容を再び個別の指導につなげたり 授業の内容を紹介した保健だより等を発行し家庭への啓発を図ったりすることも 養護教諭の専門性を生かした継続した取組として有効と考える 最後に 本研究を進めるにあたり ご指導 ご助言をいただいた先生方 また 研究をご支援していただいた研究員所属校の校長先生ならびに教職員の皆様に心から感謝申しあげます 参考 引用文献 1 弘前大学大学院教育学研究科養護教育専攻養護教育専修横濱克子 平成 23 年学位論文食に関する指導への養護教諭の関わ り (10GP303) 2011 年 2 川崎市教育委員会 学校における食に関する指導プラン ( 小学校 ) 1 2012 年 3 川崎市教育委員会 学校における食に関する指導プラン ( 中学校 )( 平成 28 年 11 月改訂版 ) 2016 年 4 川崎市立学校栄養研究会 食育推進授業一覧表 2016 年 5 文部科学省 食に関する指導の手引き 2010 年 6 文部科学省 国立教育政策研究所教育課程研究センター 楽しく豊かな学級 学校生活をつくる特別活動 ( 小学校編 ) 2013 年 7 文部科学省 国立教育政策研究所教育課程研究センター 学級 学校文化を創る特別活動 ( 中学校編 ) 2016 年 8 文部科学省 栄養教諭を中核としたこれからの学校の食育 2017 年 9 文部科学省 小学校指導要領解説家庭編 2017 年 10 文部科学省 中学校学習指導要領技術家庭編 2017 年 11 宗像伸子監修 からだにおいしいキッチン栄養学 高橋書店 12 白鳥早奈英監修 最新版知っておきたい栄養学 学研 13 池上康子監修 おいしいクスリ食べもの栄養辞典 日本文芸社 14 牧野直子監修 世界一やさしい! 栄養素図鑑 新星出版社 15 公益社団法人全国学校栄養士協議会 新しい食育小学校 Ⅱ 授業アイデア例 16 女子栄養大学出版部 バランスのよい食事ガイドなにをどれだけ食べたらいいの?( 第 3 版 ) 17 中道武 食べて治す医学事典 主婦と生活社 指導助言者 横浜国立大学教育学部教授 ( 川崎市総合教育センター専門員 ) 物部博文 - 154 -