このような団塊の世代が高齢期を迎えようとする中 高齢者も他の世代とともに地域を支えていくという考え方を基本として 団塊の世代を含む高齢者の活躍が期待されているところです 地域活動に関するアンケート ( 平成 20 年 3 月大阪市 ) によると 地域活動に 既に参加 または 今後参加したい と考えて

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第3節 重点的な取り組み

市町村における住民自治や住民参加、協働に関する取組状況調査

資料 目 次 事業方針 実施計画 みんなで福祉の風土を広げよう 住民 関係機関 団体のネットワークで身近な福祉活動を進めよう 一人ひとりの安全で安心な暮らしを守ろう Ⅳ 推進基盤の強化 主な年間行事等


計画の今後の方向性

活動状況調査

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1 基本健康診査基本健康診査は 青年期 壮年期から受診者自身が自分の健康に関心を持ち 健康づくりに取り組むきっかけとなることを目的に実施しています 心臓病や脳卒中等の生活習慣病を予防するために糖尿病 高血圧 高脂血症 高尿酸血症 内臓脂肪症候群などの基礎疾患の早期発見 生活習慣改善指導 受診指導を実

介護保険制度改正の全体図 2 総合事業のあり方の検討における基本的な考え方本市における総合事業のあり方を検討するに当たりましては 現在 予防給付として介護保険サービスを受けている対象者の状況や 本市におけるボランティア NPO 等の社会資源の状況などを踏まえるとともに 以下の事項に留意しながら検討を


第2節 茨木市の現況

1. はじめに 本格的な地方分権の時代を迎え 市民に最も身近な地方自治体は 市民ニーズに応じた政策を自ら意志決定し それを自己責任の下に実行することがこれまで以上に求められており 地方自治体の果たすべき役割や地方自治体に寄せられる期待は ますます大きくなっています このような市民からの期待に応えるた

資料4-4 新しい時代の教育や地方創生の実現に向けた学校と地域の連携・協働の在り方と今後の推進方策について 審議のまとめ(参考資料)

3 地域コミュニティ活動について 地域コミュニティ活動 への参加について よく参加している 時々参加している とい う回答は 55.4% となりました また 参加したことはない と回答された方以外を対象に 地域コミュニティ団体の課題と 思うもの を尋ねたところ 回答が多かったものは 以下のとおりです

2 基本理念と基本目標 本市のまちづくりの指針である 第 2 次柳井市総合計画 は 平成 29 年 3 月に策定 されました この総合計画では すべての市民が健康で安心して暮らせる 人にやさ しいまちづくり を健康 福祉分野の基本目標に掲げ その実現を目指しています これは 高齢者も含めた全ての市民

経営課題 1 主な経営課題について 現状 データ 区民モニター : あなたにとって住民同士の つながり や きずな があると感じますか ( 単位 :%) 年代別 問 6 1. 感じる 2. ある程度感じる 3. あまり感じない 4. 感じない無回答 全体

平成30年版高齢社会白書(全体版)

第 4 章基本的な考え方 1. 計画推進の基本的な視点 本計画は 以下に示す基本的な視点をふまえて 各施策 事業の展開を図っていきます 協働とパートナーシップにもとづく活動の充実地域福祉の主役は その地域に暮らす市民です 地域福祉の取り組みを進めていくためには 市民 事業者 行政がお互いに理解し 尊

25 周年を迎えたコミ協の新たな取組 について ( 報告 ) 20 周年に向けての見直し検討報告書 に明示された方策等の推進状況を企画総務部会で精査したところ そのほとんどが既に実施もしくは改善されていることがわかった ついては これらの事業は引き続き実施することとし 新たに 地域コミュニティ が抱

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多賀町地域福祉活動計画案(概要版)

地域子育て支援拠点事業について

神奈川県における高齢者を取り巻く状況 1 総人口の推移 ( 人口減少時代へ ) 本県における総人口は 平成 27 年度に約 915 万人となり その5 年後までには 人口のピークから人口減少時代へ入っていくことが予測されています 本県における総人口の推移 注 1 平成 22 年度までは 国勢調査によ

平成25年度 高齢期に向けた「備え」に関する意識調査結果(概要版)2

学生確保の見通し及び申請者としての取組状況

はじめに

社会的責任に関する円卓会議の役割と協働プロジェクト 1. 役割 本円卓会議の役割は 安全 安心で持続可能な経済社会を実現するために 多様な担い手が様々な課題を 協働の力 で解決するための協働戦略を策定し その実現に向けて行動することにあります この役割を果たすために 現在 以下の担い手の代表等が参加

13 Ⅱ-1-(2)-2 経営の改善や業務の実行性を高める取組に指導力を発揮している Ⅱ-2 福祉人材の確保 育成 Ⅱ-2-(1) 福祉人材の確保 育成計画 人事管理の体制が整備されている 14 Ⅱ-2-(1)-1 必要な福祉人材の確保 定着等に関する具体的な計画が確立し 取組が実施されている 15

事業内容

< 図 Ⅳ-16-2> 性別 年齢別 / 家族構成別 / 居住地域別 現在, 参加している今は参加していないが, 今後ぜひ参加したい今は参加していないが, 今後機会があれば参加したい参加したいとは思わない参加できないわからない無回答 0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80

PowerPoint プレゼンテーション

第 2 章高齢者を取り巻く現状 1 人口の推移 ( 文章は更新予定 ) 本市の総人口は 今後 ほぼ横ばいで推移する見込みです 高齢者数は 増加基調で推移し 2025 年には 41,621 人 高齢化率は 22.0% となる見込みです 特に 平成 27 年以降は 後期高齢者数が大幅に増加する見通しです

( ウ ) 年齢別 年齢が高くなるほど 十分に反映されている まあまあ反映されている の割合が高くなる傾向があり 2 0 歳代 では 十分に反映されている まあまあ反映されている の合計が17.3% ですが 70 歳以上 では40.6% となっています

計画の概要 太田市地域福祉計画 太田市地域福祉活動計画とは? 太田市地域福祉計画市民のみなさまからご意見を伺いながら作成した 今後の地域福祉の方向性 将来像を示した太田市の計画です 太田市地域福祉活動計画社会福祉法人太田市社会福祉協議会が策定した 地域の社会福祉を推進するための具体的な活動計画です


(1) ほのぼのネット事業 目的事業内容経過方法と時期 担当係: 地域係 地域でサポートを必要としている人の発見 見守り 交流活動を 地域で暮らす住民自らが主体となって取り組む ほのぼのネット活動 の推進を通じて 住民の手による 福祉のまちづくり を展開します 1 ほのぼのネット班 28 班による見

問 2 次の文中のの部分を選択肢の中の適切な語句で埋め 完全な文章とせよ なお 本問は平成 28 年厚生労働白書を参照している A とは 地域の事情に応じて高齢者が 可能な限り 住み慣れた地域で B に応じ自立した日常生活を営むことができるよう 医療 介護 介護予防 C 及び自立した日常生活の支援が

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事業者名称 ( 事業者番号 ): 地域密着型特別養護老人ホームきいと ( ) 提供サービス名 : 地域密着型介護老人福祉施設 TEL 評価年月日 :H30 年 3 月 7 日 評価結果整理表 共通項目 Ⅰ 福祉サービスの基本方針と組織 1 理念 基本方針

基本方針 2 児童 生徒一人ひとりに応じた学習を大切にし 確かな学力の育成を図ります 基本方針 2 児童 生徒一人ひとりに応じた学習を大切にし 確かな学力の育成を図ります (1) 基礎的 基本的な学力の定着児童 生徒一人ひとりが生きる力の基盤として 基礎的 基本的な知識や技能を習得できるよう それぞ

(4) 対象区域 基本方針の対象区域は市街化調整区域全体とし 都市計画マスタープランにおいて田園都市ゾーン及び公園 緑地ゾーンとして位置付けられている区域を基本とします 対象区域図 市街化調整区域 2 資料 : 八潮市都市計画マスタープラン 土地利用方針図

評価項目 評価ポイント 所管部局コメント 評価 国際交流に関する情報の収集及び提供事業国際交流活動への住民の参加促進事業国際理解推進事業在住外国人に対する相談事業在住外国人に対する支援事業 安定 確実な施設運営管理 公正公平な施設使用許可や地域に出向いた活動に取り組むなど新たな利用者の増加に努め 利

市民自治の捉え方 市民自治 市民参加協働 市民の自立的な活動 市の領域 協働の領域 市民の領域 市の責任と主体性によって独自に行う領域 市の主体性が強く 市民が市に協力する領域 市民と市がそれぞれの主体性のもとに協力して行う領域 市民の主体性が強く 市が市民に協力する領域 市民の責任と主体性によって

第 1 章アンケートの概要 1-1 調査の目的 1-2 対象者 1-3 調査方法 1-4 実施期間 1-5 調査結果サンプル数 第 2 章アンケート調査結果 2-1 回答者自身について (1) 問 2: 年齢 (2) 問 5: 同居している家族 2-2 結婚について (1) 問

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寄附文化の醸成に係る施策の実施状況 ( 平成 26 年度に講じた施策 ) 別紙 1 < 法律 制度改正 > 総務省 ふるさと納税の制度拡充 ( 平成 27 年 4 月 1 日施行 ) 学校法人等への個人寄附に係る税額控除の要件の緩和 ( 平成 27 年 4 月 1 日施行 ) 特例控除の上限の引上げ

持続可能な自治会活動に向けた男女共同参画の推進について(概要)

下の図は 平成 25 年 8 月 28 日の社会保障審議会介護保険部会資料であるが 平成 27 年度以降 在宅医療連携拠点事業は 介護保険法の中での恒久的な制度として位置づけられる計画である 在宅医療 介護の連携推進についてのイメージでは 介護の中心的機関である地域包括支援センターと医療サイドから医

基本指針の概要 1 基本指針改定の趣旨近年 地域社会における社会的課題が多様化 複雑化する中 行政 企業 NPO 自治会などが互いに協力して課題解決に取り組み 地域社会をより住み良いものとしていくことが今後ますます重要となっています このため 従前の NPO 活動に関する基本指針 の基本的な考え方を

Microsoft Word - 単純集計_センター長.docx

発行 第 4 号まで各 2,000 部発行 NPO 団体 コミュニティとの交流 連携 スタッフ研修 中間支援団体の設立支援などを実施している 25 年度からは とめ市民活動プラザ を市に移管し とめ市民活動フォーラム を NPO 法人化した上で 市が NPO 法人とめ市民活動フォーラム に運営管理を

基本目標 1( 日常生活 ) 地域住民みんながつながり支えあう 心豊かなコミュニティづくり 核家族化や少子高齢化の進行に伴いさまざまな課題が顕著に現われるなか ライフスタイルの多様化や 携帯端末の普及などによる人と人とのつながり方の多様化もあり みなさんが生活する家庭や地域社会におけるつながりが希薄

広島市障害者計画 2013 ー 2017 平成 25 年 3 月 広島市

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板橋区版 AIP の構築に向けた取組に関する検討報告書 < 概要版 > 平成 28 年 2 月 板橋区

基本理念 第 6 期計画では 高齢者が住み慣れた地域で健康でいきいきと充実した生活を送ることができる地域社会の構築をめざしてきました 第 7 期計画においても 第 6 期計画の基本理念を継承し 総合計画における高齢者福祉の施策の実現をめざして 住んでよかった亀岡 老後も楽しい亀岡 を本計画の基本理念

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も少なくありません こうした状況に鑑み 舞鶴市は 言語としての手話の普及及び障害の特性に応じたコミュニケーション手段の利用の促進を図ることにより 全ての市民が障害の有無によって分け隔てられることなく 自分らしく安心して暮らすことができる地域社会を実現するため この条例を制定するものです 2. 条例の

h23活動報告書

(1) 政府の方針 (2) 近年の法改正の動向 (3) 国の高齢者雇用施策の概要 2 神奈川県の取組 (1) シニア ジョブ スタイル かながわ (2) 神奈川生涯現役促進協議会の取組 (3) 第 10 次神奈川県職業能力開発計画 (4) 経済団体への要請 (5) シルバーベンチャーの創出促進 (6

により 都市の魅力や付加価値の向上を図り もって持続可能なグローバル都 市形成に寄与することを目的とする活動を 総合的 戦略的に展開すること とする (2) シティマネジメントの目標とする姿中野駅周辺や西武新宿線沿線のまちづくりという将来に向けた大規模プロジェクトの推進 並びに産業振興 都市観光 地

平成17年度社会福祉法人多花楽会事業計画(案)

北見市総合計画.indd

取材時における留意事項 1 撮影は 参加者の個人が特定されることのないよう撮影願います ( 参加者の顔については撮影不可 声についても収録後消去もしくは編集すること ) 2 参加者のプライバシーに配慮願います 3 その他 (1) 撮影時のカメラ位置等については 職員の指示に従ってください (2) 参

平成18年度標準調査票

富山県 地域包括ケアシステム構築に向けた取組事例 ( 様式 ) 1 市区町村名 富山市 2 人口 ( 1) 322,059 人 ( 平成 25 年 3 月末現在 ) ( 8,253 人 ) 3 高齢化率 ( 1) 65 歳以上 26.1% ( 30.3% ) (65 歳以上 75 歳以上それぞれにつ

案 参考資料 1 健康長寿笑顔のまち 京都推進プラン ( 計画期間 : 平成 30 年 ~34 年度 ) 身体活動 運動分野抜粋案 1

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〔社団法人 小野市シルバー人材センターの設立にかかる事前協議資料〕


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高齢者のボランティアなどの社会活動 に関するアンケート報告 高齢者のボランティア活動など地域における社会活動について 県民の皆さんの関心やその意識傾向を把握するために 高齢者のボランティアなどの社会活動 についてのアンケートを実施しました アンケートにご協力いただきました e- モニターの皆さまにお


2 保険者協議会からの意見 ( 医療法第 30 条の 4 第 14 項の規定に基づく意見聴取 ) (1) 照会日平成 28 年 3 月 3 日 ( 同日開催の保険者協議会において説明も実施 ) (2) 期限平成 28 年 3 月 30 日 (3) 意見数 25 件 ( 総論 3 件 各論 22 件

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第 2 章近江八幡市を取り巻く状況と今後の課題 1 データからみえる地域福祉の状況 1 人口の状況近江八幡市は 平成 22 年 3 月に旧近江八幡市と旧安土町が合併し 人口 8 万人を超える市となりました 旧市町の人口を合計した数値を見ると 平成 12 年から平成 22 年は横ばいで推移していますが

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ICTを軸にした小中連携

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文化庁平成 27 年度都道府県 市区町村等日本語教育担当者研修 2015 年 7 月 1 日 生活者としての外国人 に対する日本語教育の体制整備に向けた役割分担 日本語教育担当者が地域課題に挑む10のステップ よねせはるこ米勢治子 ( 東海日本語ネットワーク )

<4D F736F F D2091E6338AFA926E88E6959F8E838C7689E68A C58CB48D F4390B A2E646F6378>

ができるボランティア活動 のメニューを開拓するとともにウェブサイ トや SNS などを通じて情報発信を行います 施等により スポーツ団体等と連携した体験型ボランティアイベントの実施等により ボランティアムーブメントを拡大します 向けのボラ 学ボランテ 身近な所属等を通じて活動への参加を促すため企業や

平成19年6月

高齢者を取り巻く状況 将来人口 本市の総人口は 今後も減少傾向で推移し 平成32年 2020年 には41,191人程度にまで減少し 高齢 者人口については 平成31年 2019年 をピークに減少に転じ 平成32年 2020年 には15,554人程度 になるものと見込まれます 人 第6期 第7期 第8

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施策吊

問 3 あなたの家族構成は ひとり暮らし世帯 7.5% 夫婦のみの世帯 29.3% 2 世代同居世帯 48.3% 3 世代同居世帯 13.3% 1.0% 0.6% 家族構成は 2 世代同居世帯 が 48.3% と最も比率が高く 以下 夫婦のみの世帯

合計特殊出生率 : 15 歳から49 歳までの女性の年齢別出生率を合計したもので 1 人の女性が生涯に生む子どもの数の平均に相当するとされる 図 2-1 総人口及び年少 老年人口割合の推移 図 2-2 合計特殊出生率の推移 -8-

ダイバーシティ 年に向けた政策展開のポイント テレワークが当たり前になる社会 の実現に向け 多様な主体と連携した普及啓発や導入支援への取組を強化 地域での就労支援やマッチング強化により 女性や高齢者の就業を推進 働き方改革と併せて時差 Biz の定着に向けた取組を推進 強化した政策

地方消費者行政強化作戦 への対応どこに住んでいても質の高い相談 救済を受けられる地域体制を整備し 消費者の安全 安心を確保するため 平成 29 年度までに 地方消費者行政強化作戦 の完全達成を目指す < 政策目標 1> 相談体制の空白地域の解消 全ての市町村に消費生活相談窓口が設置されており 目標を

1 調査目的 今年度策定する 津山市総合戦略 で 子どもを産み 育てやすい環境づくりに 向けた取組みを進めるにあたり 出産 子育ての現状を把握するために実施した 2 調査内容の背景と設問設定理由国では 出生率を 2.07 まで高めることで 2060 年に現状の社会構造を維持できる人口 1 億人程度を

〔社団法人 小野市シルバー人材センターの設立にかかる事前協議資料〕

地域総合支援協議会

一宮市住宅マスタープラン ~ 住み続けたいまち 住んでみたいまち 人々が生き生きと暮らせるまち ~ 概要版 平成 2 5 年 3 月 一宮市

Transcription:

3 高齢者の力を活かした自主的活動の支援 (1) 高齢者の生きがいづくりと地域活動への参画支援 現状と課題 ア団塊の世代を含む今後の高齢者像 団塊の世代 といわれる昭和 22(1947)~24(1949) 年に生まれた人は 出生数で約 806 万人 平成 18 年 (2006 年 )10 月現在の人口で約 677 万人 総人口に占める割合は約 5.3% であり 人口構造上 大規模な集団となっています この団塊の世代が 65 歳に到達する平成 24(2012) 年 ~ 平成 26(2014) 年には 65 歳以上の高齢者が年に約 100 万人ずつ増加し ますます高齢化が進展していくと見込まれています ( 図 Ⅱ-3-1 参照 ) 図 Ⅱ-3-1 団塊の世代が高齢期に達することで予想される高齢者の増加数 ( 万人 ) 120 10 111 104 108 80 60 40 20 0 206 年 2008 2010 2012 2014 2016 2018 2020 資料 : 日本の将来推計人口 ( 平成 18 年 12 月推計 ) の出生中位 死亡中位仮定による推計結果より作成 ( 出典 : 平成 20 年版高齢社会白書 内閣府 ) - 59 -

このような団塊の世代が高齢期を迎えようとする中 高齢者も他の世代とともに地域を支えていくという考え方を基本として 団塊の世代を含む高齢者の活躍が期待されているところです 地域活動に関するアンケート ( 平成 20 年 3 月大阪市 ) によると 地域活動に 既に参加 または 今後参加したい と考えている高齢者は 60 歳代 70 歳代で 40% 前後 80 歳代以上で 20% 程度あることがわかります ( 表 Ⅱ-3-1 参照 ) 表 Ⅱ-3-1 市民の地域のまちづくり活動への参加の考え 既に参加 今後参加したい 協力する 60 歳代 12.1% 31.7% 32.2% 70 歳代 13.6% 28.8% 26.6% 80 歳代以上 5.7% 15.7% 21.4% ( 出典 : 地域活動に関するアンケート 平成 20 年 3 月 大阪市 ) しかし 地域活動への参加意欲が高い高齢者であっても 実際には どのような活動があるのかわからない 自分に何ができるのか 何が向いているのかがわからないという意見が多く 情報やきっかけがないために活動する場を得ることが困難な人が多いのが現状です 大阪市ボランティア情報センターでは 平成 18 年度に 団塊の世代が地域活動に参加しやすい状況を整えるための連続ワークショップ 使いまへんか おもろい自分 を実施しましたが 同報告書 ( 平成 19 年 3 月シニア 団塊世代によるボランティア活動 市民活動検討専門委員会 ) において 団塊の世代というひとかたまりとしての見方をしてしまいがちですが 同じ時代を歩んできてもライフスタイルや思考は人それぞれで多様であり 一括りに捉えることは出来ないこと 団塊の世代が培った知識や技術 経験を活かすためには 地域の中の 居場所 が出会いの場 集いの場 つながりの場として重要な役割を果たすこと などが確認されています 今後 団塊の世代を含む高齢者の多様化するニーズをどう捉えて 地域活動に参加しやすい状況をどう整えていくか 大きな課題となっています - 60 -

イ生きがいづくりを支援するための基盤整備高齢者ができる限り健康を保持し 介護が必要な状態にならないようにするためには 高齢者自身が生きがいや社会とのかかわりを持ち続けることが重要です 高齢者実態調査( 本人調査 ) ( 平成 20 年 3 月大阪市 ) によると 高齢者が楽しみや生きがいを感じることとして 趣味や旅行 友人 家族との付き合いが上位を占め 次いで就労 スポーツ 生涯学習 地域での活動があげられています 大阪市においては 地域における生きがいづくりを支援する施設として 老人福祉センター と 老人憩の家 を また 全市の中核的 基幹的な施設として いきいきエイジングセンター を設置しています 今後 高齢者の社会参加や生きがいづくりについてのニーズも多様化することが予想される中 こういった施設を効果的に活用し 高齢者自らが活動できる場の提供や 地域活動がしやすい機会の提供 ( きっかけづくり ) を行い 自主的な活動を支援することが重要となっています ウ高齢者の就労支援 高齢者実態調査( 本人調査 ) ( 平成 20 年 3 月大阪市 ) によると 65 歳以上の高齢者において仕事をしている方の割合は 22% にとどまる一方で 仕事をしたい ( 続けたい ) 方の割合は 32% に達しており 就労意欲があっても就労機会がないために仕事に就けていない高齢者が多数いることがわかります ( 図 Ⅱ-3-2 3 参照 ) 図 Ⅱ-3-2 収入を得られる仕事の状況 22.5 76.0 1.5 0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100% 仕事をしている仕事をしていない無回答 図 Ⅱ-3-3 就労意向 32.1 31.8 17.1 18.9 0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 10% 仕事をしたい ( 続けたい ) 仕事をしたくない ( 仕事をやめたい ) わからない無回答 ( 出典 : 平成 20 年 3 月高齢者実態調査 ( 本人調査 ) 大阪市 ) - 61 -

大阪市では シルバー人材センターにおいて臨時的かつ短期的 また軽易な業務を会員に提供しています また 高齢者生きがい就労支援センターでは 就労相談 無料職業紹介を行うとともに 高齢者グループの事業立ち上げを支援しています 今後とも 就労を希望する高齢者に その意欲と能力に応じ 長年培った知識や経験が有効に活かされるよう 多様なニーズに見合った就労機会を確保することが必要です 今後の取組み ア地域活動に参画していくための 地域デビュー に対する支援地域社会では 昨今のインターネットの普及などによる情報化社会の急激な進展に応じた変化が求められています また 共働き世帯の増加などによる地域での子育て支援がより重要になり これらの担い手となる人材が不足しています このような 社会環境の変化に対応するためには 様々な経験や知識を培ってきた高齢者が 地域の活動に参加し 将来を担う子どもや子育て層の世代の人たちとの交流や支援を行うとともに 情報化の変化に応じた地域からの情報発信に率先して取り組むなど自主的な取組みを活性化することが求められています 今後 地域の自主的な活動を進めるためには 会社と自宅を往復するだけで自分の住む地域との関わりを持ってこなかった あるいは持ちたくても時間がなかった職場中心の社会から 地域中心の社会へと必然的に移行する高齢者が それまでに培った知識や経験 技能等を活かし 生きがいを持ちながら社会参加を継続できるよう 特技や趣味を通じた地域での交流の場づくりをはじめ 高齢者が地域活動に参画していくための 地域デビュー の支援が必要です 大阪市においては 大阪市ボランティア情報センターにおいて 平成 18 年度から 団塊 シニア世代の地域活動参加促進事業 を実施しています 18 年度には 団塊の世代が地域活動に参加 参画しやすい状況を整えていくための手法を検討するとともに 市レベルでの連続ワークショップ 使いまへんか おもろい自分 を開催しました 19 年度には 各区在宅サービスセンターのボランティアコーディネーター等が中心となって 3 区においてワークショップを開催し 団 - 62 -

塊 シニア世代等に呼びかけて地域活動への参画に向けたセミナー 講座等の取組みを行ったところです 今後 3 区における実践を踏まえて 企画段階から多様な立場の個人 団体の主体的参画を得て 実践していくというプロセスと地域性を大切にしながら企画づくりを進め 24 区へのワークショップの展開をめざします このような取組みを通じて 職場を退職した人を始め高齢者の地域活動参画に向けたしくみや受け皿づくり 自主的な活動の支援を行います また 地域において高齢者が健康で安心して暮らせるための支援体制を整備する中でも 高齢者 団塊の世代を対象にした研修を実施し 地域における介護 福祉人材の担い手の養成及び 社会参加の促進を図るため 介護サポーター養成活用事業を実施します さらに 区ボランティアビューローや生涯学習インストラクターバンク等とも連携しながら 高齢者の相互支援が可能となるようなしくみづくりを進め 高齢者を支えるネットワークに高齢者自身の参画が図られるようめざします イ生きがいづくり支援のための基盤整備多様化する高齢者の生きがいづくりのニーズを踏まえて スポーツ環境の整備充実やスポーツ参加機会の充実を図る施策等を通じて生涯スポーツの振興を推進するとともに 高齢者に対する学習機会の拡充や情報提供等の施策を通じて市民主体の生涯学習を推進します 地域においては 高齢者の教養の向上や自主的な活動の場の提供を目的とした 老人憩の家 や 高齢者の生活にかかわる各種相談をはじめ 教養講座の開催 レクリエーションの機会の提供や老人クラブ活動への援助を行っている 老人福祉センター が設置されています これらの施設については 地域における高齢者の生きがいづくり 社会参加の促進の拠点であるとともに 地域における身近な福祉施設として地域の子ども見守り活動を行うなど 地域福祉活動の拠点としての活用も推進します また 高齢者の生きがいづくりや社会参加を総合的に支援する中核的な機能を持った拠点施設である いきいきエイジングセンター において 地域で活躍し 福祉力を高めていただくために 主として団塊の世代をターゲットとした講座を開催し 高齢者の多様な生きがいニーズに対応していくとともに 高齢者がいきいきとその活力を発揮する社会が実現するよう 地域での生きがいづくりのけん - 63 -

引役となる人材を育成します さらに 老人クラブ は 地域を基盤とする高齢者自身の自主的な活動組織で 地域のニーズに応じたさまざまな活動展開を行うことにより高齢者同士の交流を通じた生きがいと健康づくりを進めています また 老人クラブは 区老人クラブ連合会 大阪市老人クラブ連合会と 大阪市全域に及ぶ高齢者の組織であり 全国の老人クラブとも連携し活動を行っています これらの組織及び施設が 情報発信機能を発揮しながら 連携を図っていくとともに 本市としてもその活動を引き続き支援し 高齢者の生きがいと健康づくり及び社会参加促進の支援を進めていきます ウ高齢者の就労支援シルバー人材センターにおいては より多くの高齢者が社会においていきいきと活躍できるよう就業情報提供機能の充実を図るとともに 子育て家庭を支援する人材の養成を図る子育て支援講座や 高齢者の日常生活を支援する人材を育成する高齢者生活支援講座を実施しています また 平成 18 年 (2006 年 )10 月に訪問介護事業所を設置して行っている訪問介護及び介護予防訪問介護事業をさらに充実させ 社会のニーズに対応した就労機会の拡大にも努めます 高齢者生きがい就労支援センターにおいては 高齢者無料職業紹介所機能を活用し 就労支援機関との連携を図りながら 高齢者の長年にわたる知識と経験を活かすため 高齢者の能力開発や相談 技術 技能講習を行うとともにその意欲と能力に応じた就労機会の提供や積極的に社会参加するための情報を提供します また 高齢者の就労と生きがいを結びつける重要な施策として 地域での高齢者グループの起業化を支援していきます またシルバー人材センターと高齢者生きがい就労支援センターが相互に連携し 個々のニーズに応じた就労機会の提供に努めていきます さらに 国の施策を踏まえ 経済界と連携しながら 定年の引き上げや働き方の多様化等 生涯を通じて意欲と能力に応じて働ける環境づくりを促進します - 64 -

(2) ボランティア NPO 等の市民活動支援 現状と課題 アボランティア NPO 等の市民活動ボランティア活動は 人々が同じ社会の一員として互いに助け合い みんながともに生きる社会の実現をめざす自発的な活動です また ボランティア活動に対する認識は 従来の奉仕活動から社会の一員として活動に参加することを通じて 生きがいを創造し実感する自己実現を図る手段へと転換しています NPO の自由で健全な活動を促進し 公益の増進を図ることを目的に特定非営利活動促進法も制定され ボランティアや NPO 等との協働は 市民と行政の協働といった視点から取り組むべき重要な課題です さらに ひとり暮らしや高齢者のみの世帯が 今後も増加が見込まれる中 行政のみで地域における支援体制を構築することは不可能であり 広く地域住民組織 ボランティア団体 NPO といった多様な組織 団体の参画と協働が不可欠です 大阪市においては 平成 18 年 4 月に 大阪市市民活動推進条例 を施行し 地域住民の組織 ボランティア団体 NPO などが行う市民活動の一層の推進を図っています 今後とも市民活動支援を推進するとともに ますます多様化する市民ニーズに対し 市民や行政 企業 市民活動団体がそれぞれの役割を分担し 協働した取組みの展開を図っていく必要があります イ高齢者のボランティア活動等への参加 60 歳以上の高齢者等を対象に行った内閣府の 高齢者の社会参加に関する意識調査 ( 平成 16 年 ) によると 高齢者が参加する団体や組織としては 町内会 自治会 趣味のサークル 団体 老人クラブ などが多く ボランティア団体 NPO は少数にとどまっています 地域の福祉や環境改善を目的とした NPO 活動に関心があるかについては ほぼ半数が関心を持っていますが 実際に参加しているのはわずかに4% にも満たない状況で 参加しなかった理由は きっかけや機会がない NPO 活動に関する情報がない との回答が多くなっています - 65 -

今後 高齢者に対する情報提供や人材育成等により ボランティア活動や NPO 等への参画を通じて自らその能力を発揮し 生きがいを持ちつつ生活への意欲を 高めていけるような仕組みづくりが重要です 今後の取組み アボランティア NPO 等の市民活動支援大阪市においては 市民活動が活発に展開される環境づくりの一環として ボランティア NPO 等の市民活動を支援するため 大阪市ボランティア情報センター内に大阪市ボランティア活動振興基金を設置し継続的に福祉ボランティア活動を推進するために必要なグループの活動 運営費助成や高齢者 障害者 児童を対象とする日常的な在宅福祉サービス活動に要する事業の助成を行っています また大阪市市民活動推進基金を設置し 基金に積み立てられた市民 企業等からの寄付金を活用し 市民活動団体が行う公益的な事業に対して助成しています また 大阪市ボランティア情報センターを中心とした ボランティア NPO 等の市民活動への支援施策を進めており ボランティア NPO 活動に関する情報発信や相談業務などを実施しています さらに 様々なボランティア NPO 等の団体や市民と大阪市との協働により 地域のつながりやコミュニケーションについて考える 市民フォーラムおおさか を開催し ボランティア NPO 市民等のつながりによる豊かなコミュニティづくり活動を支援しています 一方 この間 従来から高齢者や障害者等の地域における生活を支援するため 地域支援システムを構築し 小学校下に設置されたネットワーク委員会において 課題の発見や見守り 行政サービス等へのつなぎなどの支援を行ってきましたが 今後さらに 高齢者人口の増大により福祉課題も多様になることが見込まれます 引き続き ネットワーク委員会活動を推進するとともに ボランティア NPO といった多様な組織 団体と相互理解を深め 連携を図ることにより地域福祉活動の推進をめざします - 66 -

今後とも 市民や地域住民組織 ボランティア団体 NPO 等の市民活動団体 事業者がともに地域社会の一員として 連携協力して地域社会が抱える様々な課 題解決に取り組んでいけるよう施策を推進します イ高齢者によるボランティア活動の推進地域におけるボランティア活動をはじめとする高齢者の社会参加活動が一層幅広く展開できるよう支援するとともに 人生経験や職業経験 専門的資格 特技や趣味等 高齢者個々人が持つ能力とボランティア活動に対するニーズとをうまく組み合わせることができるよう支援することが必要です シルバーボランティアセンターにおいては 60 歳以上の高齢者等を対象にボランティア講習会をはじめ ボランティア活動の紹介等を行うとともに いきいきエイジングセンターと有機的に連携しながら 地域におけるボランティア活動のリーダーの育成のメニュー提供などにより 地域での生きがいづくりのけん引役となる人材の育成を図っています 今後とも 意欲のある高齢者の経験や能力を活かせるよう 地域におけるシルバーボランティア活動を支援します また 高齢者が長年にわたり蓄積してきた知識や技能を活かして 地域における団体 サークル活動等の市民ボランティア講師として活動できるよう 生涯学習インストラクターバンクに登録し 生涯学習における指導者層の充実を図ります - 67 -