資料1-4気象庁資料

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気象庁 札幌管区気象台 資料 -6 Sapporo Regional Headquarters Japan Meteorological Agency 平成 29 年度防災気象情報の改善 5 日先までの 警報級の可能性 について 危険度を色分けした時系列で分かりやすく提供 大雨警報 ( 浸水害 )

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スライド 1

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目次 1 降雨時に土砂災害の危険性を知りたい 土砂災害危険度メッシュ図を見る 5 スネークライン図を見る 6 土砂災害危険度判定図を見る 7 雨量解析値を見る 8 土砂災害警戒情報の発表状況を見る 9 2 土砂災害のおそれが高い地域 ( 土砂災害危険箇所 ) を調べたい 土砂災害危険箇所情報を見る

目次 1. はじめに 1 2. 協議会の構成 2 3. 目的 3 4. 概ね5 年間で実施する取組 4 5. フォローアップ 8

火山防災対策会議の充実と火山活動が活発化した際の協議会の枠組み等の活用について(報告)【参考資料】

豪雨災害対策のための情報提供の推進について

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平成 29 年 7 月 20 日滝川タイムライン検討会気象台資料 気象庁札幌管区気象台 Sapporo Regional Headquarters Japan Meteorological Agency 大雨警報 ( 浸水害 ) 洪水警報の基準改正 表面雨量指数の活用による大雨警報 ( 浸水害 )

~ 二次的な被害を防止する ~ 第 6 節 1 図 御嶽山における降灰後の土石流に関するシミュレーション計算結果 平成 26 年 9 月の御嶽山噴火後 土砂災害防止法に基づく緊急調査が国土交通省により実施され 降灰後の土石流に関するシミュレーション結果が公表された これにより関係市町村は

第8章 災害復旧計画

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土砂災害警戒情報って何? 土砂災害警戒情報とは 大雨警報が発表されている状況でさらに土砂災害の危険性が高まったときに, 市町村長が避難勧告等を発令する際の判断や住民の方々が自主避難をする際の参考となるよう, 宮城県と仙台管区気象台が共同で発表する防災情報です 気象庁 HP より :

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布 ) の提供を開始するとともに 国民に対し分かりやすい説明を行い普及に努めること 図った 複数地震の同時発生時においても緊急地震速報の精度を維持するための手法を導入するとともに 緊急地震速報の迅速化を進める 特に 日本海溝沿いで発生する地震については 緊急地震速報 ( 予報 ) の第 1 報を発表

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1. 災害の発生を未然に防止するため 防災事務に従事する者の安全確保にも留意した上で 職員の参集や災害対策本部の設置等適切な災害即応態勢の確保を図り 関係機関との緊密な連携の下に 特に以下の取組について万全を期すること 1 危険箇所等の巡視 点検の徹底河川等の氾濫 がけ崩れ 土石流等災害発生のおそれ

U2. 北朝鮮のミサイルについて Q3. 北朝鮮によるミサイル発射の現状はどうなっているのか 北朝鮮は 過去に例を見ない頻度でミサイルを発射しており 平成 28 年 8 月以降 ミサイルが日本の排他的経済水域 (EEZ) 内に落下する事例も起こっています Q4. ミサイルは 発射から何分位で日本に飛

防災カードゲーム このつぎなにがおきるかな? の遊び方 ( 土砂災害編 ) 1. おおまかな遊び方 1) カードの種類このカードには どしゃさいがい 編です その他 すいがい 編と つなみ 編があります 組み合わせによる活用も可能ですが 今回は 単独での利用を想定しています 2) カードの構成 どし

(案)

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平成 30 年度年法律第 57 号 ) 等により 要配慮者利用施設は 避難確保計画等の自然災害に関する計画 ( 以下 災害計画 という ) を作成することとなっており 災害計画の作成を促進するため 貴殿におかれても必要な支援に努められたい また 市町村が行う避難勧告等の発令に関する各種取組への積極的

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防災 減災への民間情報の活用の必要性 東日本大震災において 明らかになった課題 従来の情報収集の取組 職員による現地調査 報道機関からの情報 通報 検知器 ( センサー ) 課題 対応できる人員の限界 小さな地域に関する情報の不足 紙情報が多い 情報の整理 管理が困難 設備 維持費用が大きい 上記課

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別添 中防災第 1 1 号 平成 29 年 5 月 31 日 各指定行政機関の長各指定公共機関の代表殿 中央防災会議会長 ( 内閣総理大臣 ) 安倍晋三 梅雨期及び台風期における防災態勢の強化について 貴殿におかれては 日頃から各般の施策を通じて災害対策の推進に御尽力をいただいているところであるが

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「南九州から南西諸島における総合的防災研究の推進と地域防災体制の構築」報告書

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GALAC 12 月 2 2 台風 ( つづき ) はい 7 件いいえ 2 件未回答 5 件 3 集中豪雨 はい いいえ 14 件 3 分間のマスターカット ( カットイン ) L 字対応 1 時間規模の報道特番 ローカル情報ワイドの前拡大 / 特番 L 字 / ネット局にまたがることが多いので 各


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基本指針の概要 1 基本指針改定の趣旨近年 地域社会における社会的課題が多様化 複雑化する中 行政 企業 NPO 自治会などが互いに協力して課題解決に取り組み 地域社会をより住み良いものとしていくことが今後ますます重要となっています このため 従前の NPO 活動に関する基本指針 の基本的な考え方を

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平成 29 年 4 月 12 日サイバーセキュリティタスクフォース IoT セキュリティ対策に関する提言 あらゆるものがインターネット等のネットワークに接続される IoT/AI 時代が到来し それらに対するサイバーセキュリティの確保は 安心安全な国民生活や 社会経済活動確保の観点から極めて重要な課題

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試行の概要 試行の目的石狩川滝川地区水害タイムライン ( 試行用完成版 ) を試行的に運用することにより 対応行動や実施手順を確認するとともに 運用結果を検証し 同タイムラインを精査することを目的とする 試行の概要 実施時期 : 平成 30 年出水期 (8 月 ~10 月ごろ ) 実施場所 : 各主

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資料6 (気象庁提出資料)

平成 29 年 12 月 1 日水管理 国土保全局 全国の中小河川の緊急点検の結果を踏まえ 中小河川緊急治水対策プロジェクト をとりまとめました ~ 全国の中小河川で透過型砂防堰堤の整備 河道の掘削 水位計の設置を進めます ~ 全国の中小河川の緊急点検により抽出した箇所において 林野庁とも連携し 中

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行政苦情救済推進会議の意見を踏まえたあっせん

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土砂災害防止法よくある質問と回答 土砂災害防止法 ( 正式名称 : 土砂災害警戒区域等における土砂災害防止対策の推進に関 する法律 ) について よくいただく質問をまとめたものです Ⅰ. 土砂災害防止法について Q1. 土砂災害は年間どれくらい発生しているのですか? A. 全国では 年間約 1,00

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1 趣旨 目的 避難支援アプリの機能に関する検討会報告書 ( 概要 ) 本検討会では 特に地理に不案内な来訪者や旅行者等に対し 災害時に適切な避難行動を支援できる 避難支援アプリ の実現に向けて 避難支援アプリに必要な機能を整理するとともに それらの機能を実現するために必要な防災情報に対する要求と仕

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下の図は 平成 25 年 8 月 28 日の社会保障審議会介護保険部会資料であるが 平成 27 年度以降 在宅医療連携拠点事業は 介護保険法の中での恒久的な制度として位置づけられる計画である 在宅医療 介護の連携推進についてのイメージでは 介護の中心的機関である地域包括支援センターと医療サイドから医

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避難開始基準の把握 1 水害時の避難開始基準 釧路川では 水位観測所を設けて リアルタイム水位を公表しています 水位観測所では 災害発生の危険度に応じた基準水位が設定されています ( 基準となる水位観測所 : 標茶水位観測所 ) レベル水位 水位の意味 5 4 ( 危険 ) 3 ( 警戒 ) 2 (

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平成18年度標準調査票

( 参考資料 ) 緊急速報メールを活用した 洪水情報のプッシュ型配信 国土交通省四国地方整備局松山河川国道事務所平成 29 年 3 月

中央防災会議会長(内閣総理大臣)による「梅雨期及び台風期における防災態勢の強化について」の通知について

学生確保の見通し及び申請者としての取組状況

とで児童に活動の見通しを持たせ, 自分で課題を立て情報を集め整理し, 発表する等に取り組めるようにしていきたい 調査計画の場面では, 目的に照らしてどのような調査をしていくことがよいのか児童にしっかりと考えさせたい 例えば, データはどう集めたらよいのか, アンケートを実施する場合には, 誰にアンケ

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報道資料

資料1 第1回会議のポイントについて

資料4-4 新しい時代の教育や地方創生の実現に向けた学校と地域の連携・協働の在り方と今後の推進方策について 審議のまとめ(参考資料)

未来投資会議構造改革徹底推進会合 地域経済 インフラ 会合 ( 農林水産業 )( 第 6 回 ) 資料 6 気象データ利活用促進の取組の進捗 平成 30 年 2 月 13 日 気象庁 Japan Meteorological Agency

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年報経営ディスクロージャー研究 2016 年 3 月第 15 号 30,000 25,000 20,000 被害者数 ( 人 ) 15,000 10,000 5,000 0 死者 不明者の合計 行方不明

別紙 1600 年分の自然災害を振り返る災害年表マップ ~スマートフォン タブレット対応のお知らせと Web 技術者向け API 配信項目拡大のご案内 ~ 1. 災害年表マップについて災害年表マップは 過去の自然災害事例を発生年ごとに市区町村単位で Web 地図上に表示する Web サービスです 地


5_【資料2】平成30年度津波防災教育実施業務の実施内容について

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第 3 次 山形県総合発展計画 短期アクションプラン ( 平成 25 年度 ~28 年度 ) 平成 2 5 年 3 月 山形県

津波警報等の留意事項津波警報等の利用にあたっては 以下の点に留意する必要があります 沿岸に近い海域で大きな地震が発生した場合 津波警報等の発表が津波の襲来に間に合わない場合があります 沿岸部で大きな揺れを感じた場合は 津波警報等の発表を待たず 直ちに避難行動を起こす必要があります 津波警報等は 最新

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子宮頸がん予防措置の実施の推進に関する法律案要綱

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会場 - 全国 9 都市で実施 地 開催 会場 北海道 8 7 ( ) 北海道庁別館 11 階第 4 研修室 8 8 ( ) 札幌市中央区北 3 条 7 丁 巨大災害に備えて 地域別総合防災研修 東北 ( ) ( ) 北陸 ( ) (

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近畿地方整備局 資料配付 配布日時 平成 23 年 9 月 8 日 17 時 30 分 件名土砂災害防止法に基づく土砂災害緊急情報について 概 要 土砂災害防止法に基づく 土砂災害緊急情報をお知らせします 本日 夕方から雨が予想されており 今後の降雨の状況により 河道閉塞部分での越流が始まり 土石流

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各府省からの第 1 次回答 1. 災害対策は 災害対策基本法に規定されているとおり 基礎的な地方公共団体である市町村による第一義的な応急対応と 市町村を包括する広域的な地方公共団体である都道府県による関係機関間の総合調整を前提としている を活用してもなお対応できず 人命又は財産の保護のため必要がある

避難勧告等の 判断 伝達マニュアル ( 土砂災害編 ) ひと 緑がかがやく田園と交流のまち 安全に安心して暮らせるまちの実現に向けて ( 概要版 ) 平成 26 年 9 月 1 日 北海道長沼町

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資料 1-4( 気象庁 ) 防災気象情報の伝え方に関する検討会 気象庁 1

防災気象情報の伝え方に関する検討会の開催について < 趣旨 > 平成 30 年 7 月豪雨 では 土砂災害や浸水害をはじめ広域かつ甚大な災害が各地で発生した この豪雨災害においては 気象庁からの防災気象情報の発表や自治体からの避難の呼びかけが行われていたものの それらが必ずしも住民の避難行動に繋がっていなかったのではないか との指摘がある この豪雨災害をはじめ 近年相次ぐ大雨による災害を踏まえ 避難等の防災行動に役立つための防災気象情報の伝え方について 有識者による検討を行い 改善に向けた具体策をとりまとめることとする < 検討事項 ( 案 )> 1 平成 30 年 7 月豪雨 における防災気象情報と避難との連携状況の確認 検証 2 1 や近年の豪雨災害を踏まえ 避難等の防災行動に役立つための防災気象情報の伝え方改善の具体策を検討 危機感を効果的に伝えていくための方策 より分かりやすくシンプルに伝えていくための方策等 < スケジュール > 年内に一定の方向性について取りまとめ予定 < 有識者委員 ( 敬称略 )> 委員 田中淳 座長 池内幸司 牛山素行 大野宏之 片田敏孝 勝田博文 関谷直也 谷原和憲 中山一生 新野宏 橋爪尚泰 藤森涼子 所属 東京大学大学院情報学環総合防災情報研究センター長教授 東京大学大学院工学系研究科教授 静岡大学防災総合センター教授 一般財団法人砂防 地すべり技術センター専務理事 東京大学大学院情報学環特任教授 広島市危機管理室長 東京大学大学院情報学環准教授 一般社団法人日本民間放送連盟災害放送専門部会幹事 ( 日本テレビ放送網報道局ニュースセンター専任部長 ) 龍ケ崎市長 東京大学大気海洋研究所客員教授 日本放送協会災害 気象センター長 NPO 法人気象キャスターネットワーク代表 2

防災気象情報の伝え方に関する検討会 ( 第 1 回 ) 概要 検討会では 平成 30 年 7 月豪雨と防災気象情報の概要について 紹介させていただいたのち これまでに 市町村へのアンケートやヒアリングの結果等から 7 月豪雨における気象庁の対応に係る検証結果 ( 検証 1~3) を説明 検証 1: 気象庁からの情報発信と住民の避難行動検証 2: 防災気象情報の市町村における活用状況検証 3: 防災気象情報と被害との関係 その後 検証結果から明らかになった 防災気象情報が必ずしも避難行動につながっていない といった課題及び論点 ( 災害への危機感が 我が事 として伝わるためにどのような方策が考えられるか等 ) について確認し 改善に向けた対応案について 委員の皆様からご意見をいただいた 3

防災気象情報の伝え方に関する課題と対応案 課題 課題 1 気象庁 ( 気象台 ) が伝えたい危機感等が 住民等に十分に感じてもらえていない 1 防災気象情報の持つ意味や使い方が十分に理解されていない 2 大雨時に気象庁 ( 気象台 ) の危機感が十分に伝えきれていない 論点 対応 ( 案 ) 論点 1-1 防災気象情報を避難等の防災対策により一層活用していただくための取組対応 1-1 防災気象情報を緊急時に実効的に活用できるよう 平時からの 危険度分布 をはじめとした防災気象情報の理解促進の取組を一層推進すべきではないか この取組推進にあたっては 地域の住民が協力して避難行動を起こす 共助 の促進を意識し 市町村等とも連携して地域の防災リーダー等に対する取組を強化していくことが効果的ではないか 論点 1-2 大雨時に発表する防災気象情報等を より切迫性があり危機感を共有できるような内容に改善するための方策対応 1-2 災害の切迫性や 我が事感 がより明確になるよう 緊急記者会見などにおける呼びかけ方の工夫 ホームページやSNS を通じた情報発信の工夫に加え 都道府県等の関係機関からの意見も踏まえ 防災気象情報に用いる表現 内容等の改善など より効果的に危機感を伝えられるような改善を進めるべきではないか 4

防災気象情報の伝え方に関する課題と対応案 課題 課題 2 防災気象情報を活用しようとしても 使いにくい 1 土砂災害の 危険度分布 のメッシュは分解能が粗くて避難勧告等の対象エリアの絞り込みに使いにくい 2 市町村等が避難判断に活用する際には 危険度分布に加えて 災害危険箇所等の情報も参照する必要があるが これらの情報が様々な場所にあって 一覧性に乏しい 3 危険度分布の危険度 ( 色 ) が変わっても 市町村等ではすぐに気付くことができないので使いづらい 4 危険度分布等の防災気象情報が 災害発生状況と対応していない場合が多い印象があり どの程度信用してよいかわからない 論点 対応 ( 案 ) 論点 2 防災気象情報をより一層活用しやすくするための情報提供等に係る改善方策 対応 2-1 土砂災害の 危険度分布 を高解像度化すべきではないか 対応 2-2 大雨時において 危険度分布 やハザードマップ等の個別のページにアクセスしなければならない一覧性の乏しい現状を関係者と連携して改善できないか 対応 2-3 危険度分布 の危険度の高まりを市町村など希望者向けに通知するサービスを開始すべきではないか 対応 2-4 都道府県等の関係機関と連携して防災気象情報の精度検証や発表基準の改善を適時に行い広く周知することで 信頼感を高めるべきではないか 5

防災気象情報の伝え方に関する課題と対応案 課題 課題 3 気象庁の発表情報の他にも防災情報が数多くあって それぞれの関連が分かりにくい ( 例えばどの情報が 避難勧告に相当するかが分かりにくい ) 論点 対応 ( 案 ) 論点 3 各種の防災情報を効果的に分かりやすくシンプルに伝えていくための改善方策対応 3 住民が危機感を感じ主体的に避難できるよう 各種の防災情報に利用者の行動に直結する分かりやすくシンプルなキーワードやカラーコードを付すことに向け 関係者と連携して検討を進めるべきではないか 6

防災気象情報の伝え方に関する課題と対応案 課題 課題 4-1 運用開始前から継続的に取り組んできた広報活動等により 大雨特別警報という情報の認知度は高いものの 情報の意味が住民に十分理解されていない 課題 4-2 甚大な被害が生じた災害であっても 現在の発表基準や指標では大雨特別警報の発表対象に該当しない場合がある 対応 ( 案 ) 対応 4-1 大雨特別警報の位置づけや役割を次のように分かりやすく示した上で 平時からの周知 広報を強化するとともに 緊急時には状況に応じて早めに記者会見等で発表可能性について言及することなど その呼びかけ方についても工夫すべきではないか 位置づけ ( 案 ) 大雨特別警報は 避難勧告や避難指示 ( 緊急 ) に相当する気象状況の次元をはるかに超えるような現象をターゲットに発表するもの 役割 ( 案 ) (1) 浸水想定区域や土砂災害警戒区域など 災害の危険性が認められている場所からまだ避難できていない住民には直ちに命を守る行動をとっていただくことを徹底 (2) 災害が起きないと思われているような場所においても災害の危険度が高まることについて呼びかけ (3) 速やかに対策を講じないと極めて甚大な被害が生じかねないとの危機感を防災関係者や住民等と共有し 被害拡大の防止や広域の防災支援活動の強化につなげる 対応 4-2 顕著な大雨に対する観測 予測技術開発の強化を図るとともに 近年の災害事例等を踏まえ 大雨特別警報の発表基準や指標の見直しを進めるべきではないか 7

第 1 回検討会における委員からの主な意見 気象庁の情報の目的は 住民の避難 と 自治体の避難勧告 の判断を支援するという二面性がある 住民に逃げてもらうためには 自治体の避難勧告等と気象庁の情報の組み合わせが重要 逃げるための マインド作り 気運醸成 正常性バイアスの打破 という意味で気象庁の情報は重要 大事な人を守る といった 共助 を支援する取組を 地域コミュニティや消防団 自治体などと連携して推進することが重要 市町村に対する 読み解き支援 振り返り 顔の見える関係の構築 といったテーマも議論する必要がある 危機感を伝えるために 細かい地域名等に言及した地元気象台の情報発信を強化すべき 防災気象情報の使い方をきちんと理解することが重要 気象防災アドバイザーの育成等の継続的な取組により平時から使い方を理解している人を増やしていくことが極めて重要 非常時は 市町村では情報を常に見続けていられない 何が変わったのかがきちんと分かるような伝え方を検討して欲しい 土砂災害の危険度分布の解像度 (5km) は粗すぎるので 1km 化を早急に実施すべき 危険度分布は技術の進展に応じて今後も高解像度化していくべき 避難行動に結びつけるには 地域それぞれの脆弱性 ( ハザードマップ等 ) とリアルタイムの気象状況 ( 外力 ) を重ね合わせて示す情報があるとよい 関係機関が連携して取組を進めて欲しい 避難行動に結びつけるための情報提供を 気象庁をはじめ関係機関がどのように関わっていくかという トータルプランニング が必要 特別警報の可能性に言及することは 危機感を伝えるという面で意味があった このように積極的にアナウンスすべき 特別警報は 発表基準の見直しよりも 位置付けや役割の周知を強化することが重要 8