びわ ( 殺菌剤 殺虫剤 ) 指針採用農薬一覧表 ( 商品名 ) 病害虫名 がんしゅ病 白紋羽病 灰斑病 灰色かび病 たてぼや病 炭疽病 ナシヒメシンクイ カイガラムシ類 ( ナシマルカイガラムシ ( サンホーゼカイガラムシ ) など ) アブラムシ類ビワサビダニ カミキリムシ類 ( クワカミキリなど ) ICボルドー 66D アタックオイルアディオン水和剤アドマイヤーフロアブルアプロード水和剤アミスター 0フロアブルカスミンボルドー / カッパーシン水和剤コサイド000 サンマイト水和剤ジマンダイセン水和剤スピンドロン乳剤スミレックス水和剤ダニエモンフロアブルダントツ水溶剤テルスター水和剤トップジンM 水和剤トモノールS ハーベストオイルパダンSG 水溶剤フジワン粒剤フルピカフロアブルフロンサイドSC ベルクート水和剤ペンコゼブ水和剤ベンレート水和剤マブリック水和剤 0 モスピランSL 液剤モスピラン顆粒水溶剤ロディー水和剤ロブラール水和剤ロディーくん煙顆粒
() がんしゅ病 Pseudomonas syringae pv. eriobotryae 芽 葉 果実 枝 幹などほとんどの部分を侵し 傷が付くといつでも発病する 春芽の発芽期 収穫後 芽かき後 剪定後に防除を行う 枝幹に対しては作業中の傷跡から菌が進入することが多いので 作業後早い時期に散布を行う 枝幹部の病斑から伝搬するため 薬剤散布は枝幹部を中心に葉 果実など全体に実施する ナシヒメシンクイの病斑食入によって病斑が拡大されたり カミキリムシ類の産卵痕から発病するのでこれらの防除も同時に行う M0 銅殺菌 コサイド000 銅水和剤 普 M0 銅殺菌 ICボルドー 66D 銅水和剤 普 抗生物カスミンボルドー M0 銅殺菌カッパーシン水和剤 カスガマイシン 銅水和剤 普 銅水和剤は 幼果に薬害が発生するので 落弁期以降には使用しない () 白紋羽病 Rosellinia necatrix 5 本病防除は 発病樹の治療対策 未発病樹及び改植苗木の予防対策がポイント 発病園では 病原菌密度が高く新発病 再発病のリスクが高いため 年間を通じたきめ細かな対策が必要 未熟堆肥や粗大有機物の投入は病原菌密度を高める根源となり そのまま土中に混和すると発病を助長するので これらの施用にあたっては十分な事前検討が必要 新しい園地での栽植にあたっては 無病苗木の選定 苗木消毒など病原菌を持ち込まない対策が重要 治療後は 着果を制限するなどの積極的な樹勢向上対策を講じる 6 その他 フジワン粒剤 イソプロチオラン粒剤 普 土壌混和 9 その他 フロンサイドSC フルアジナム水和剤 普 土壌灌注 9 その他 フロンサイドSC フルアジナム水和剤 普 土壌灌注 フロンサイドSCは 収穫後の7 月上旬 ~9 月上旬に罹病部が露出する程度に掘り上げて500 倍液 ( 樹当たり50~00リットル ) で洗うように薬剤処理し さらに 支障のない限り罹病 部を露出させたまま風乾し 菌を死滅させる 発病樹周辺の健全樹に対しては 感染防止のためフロンサイドSC000 倍液を 樹当たり00~00リットル潅注する
() 灰斑病 Neopestalotiopsis spp., Pestalotia eriobotrifolia, Pestalotiopsis funerea, P. neglecta, Seiridium sp. 罹病葉は冬期に著しく落葉する 越冬した旧葉での春先の発病は春葉伸長期 ( 月中旬 ) と春葉硬化期 (5 月下旬 ~6 月上旬 ) に多い 春葉での初発病は5 月下旬で 夏葉では7 月下旬頃に発病し0 月下旬頃まで斬増する 薬剤防除は春葉伸長期 ~ 硬化期に 回 夏葉 秋葉の伸長期に各々 回ずつ行う 果実腐敗を防ぐために 開花終期 ~ 袋かけ前に果実対象の防除を行う M07 その他 ベルクート水和剤 イミノクタジンアルベシル酸塩水和剤 普 ベンズ ベンレート水和剤 ベノミル水和剤 普 ベンズ トップジンM 水和剤 チオファネートメチル水和剤 普 抗生物カスミンボルドー M0 銅殺菌カッパーシン水和剤 カスガマイシン 銅水和剤 普 幼果に薬害が発生するので 落弁期以降には使用しない 9 その他 フロンサイドSC フルアジナム水和剤 普 葉裏に毛茸があり 薬液が付着しにくいので薬量は多めにして十分量散布する () 灰色かび病 Botrytis cinerea 露地でも発生するが ハウス栽培で発生が多い 特に 開花終期が多湿の時に発生するので ハウス栽培ではビニール被覆前に防除する 花弁に寄生した菌が 花房 子房 果梗 幼果に感染する ビワサビダニの食害痕に本病菌が感染すると たてぼや病が発生する M07 その他 ベルクート水和剤 イミノクタジンアルベシル酸塩水和剤 普 ジカル スミレックス水和剤 プロシミドン水和剤 普 ジカル ロブラール水和剤 イプロジオン水和剤 普 9 アニリ フルピカフロアブル メパニピリム水和剤 普 スミレックス水和剤 ロブラール水和剤は 連用散布すると耐性菌がでやすいので注意する (5) たてぼや病 Botrytis cinerea ビワサビダニ(Aceria sp.) 苞内に生息するビワサビダニが果面を食害し その食害痕に灰色かび病菌が感染して発生する ハウス栽培での発生が多い 本病発生防止のためには 灰色かび病とビワサビダニを防除しなければ効果がない M0 有機硫 ジマンダイセン水和剤 マンゼブ水和剤 普 M0 有機硫 ペンコゼブ水和剤 マンゼブ水和剤 普
(6) 炭疽病 Colletotrichum fioriniae, C. nymphaeae, C. gloeosporioides 主として熟果に発生し 病斑上に鮭肉色の粘塊を形成する ストロアミスター 0フロアブルアゾキシストロビン水和剤普 (7) ナシヒメシンクイ 本虫のびわへの加害は 6~7 月にかけての新梢食入による芽枯れと がんしゅ病病患部への幼虫食入による病斑拡大および治ゆ阻害 また 剪定後にも寄生し がんしゅ病菌の進入を容易にしその治ゆを遅らせる 年 5~6 回発生し 新梢に加害するのは~ 世代幼虫である がんしゅ病病患部には各世代が加害し 好適な越冬場所でもある ネライパダンSG 水溶剤カルタップ水溶剤劇 (8) カイガラムシ類 ( ナシマルカイガラムシ ( サンホーゼカイガラムシ ) など ) 日当たりの良い園 肥培管理の良くいきとどいた園の幼木 若木に多発する 発見が遅れると樹勢低下をひきおこすので早期防除に努める (NC) 気 門 アタックオイル マシン油乳剤 97 普 (NC) 気 門 スピンドロン乳剤 マシン油乳剤 97 普 登録はサンホーゼカイガラムシ (NC) 気 門 トモノールS マシン油乳剤 97 普 (NC) 気 門 ハーベストオイル マシン油乳剤 97 普 A ネオニ ダントツ水溶剤 クロチアニジン水溶剤 普 6 IGR アプロード水和剤 ブプロフェジン水和剤 普 登録はカイガラムシ類幼虫 スピンドロン乳剤 トモノールSは 単用散布とする
(9) アブラムシ類 発生し始めると急激に増加して被害を生ずるので 発生初期に適切な防除を行う ナシミドリオオアブラムシは秋から翌春 ユキヤナギアブラムシとワタアブラムシは~0 月に寄生する 近年 各薬剤に感受性の低下したワタアブラムシが出現して問題となっ ているので 薬剤の選択に注意する A 合ピレ アディオン水和剤 ペルメトリン水和剤 普 A 合ピレ ロディーくん煙顆粒 フェンプロパトリンくん煙剤 劇 登録は びわ ( 有袋栽培 ) A 合ピレ テルスター水和剤 ビフェントリン水和剤 普 A 合ピレ マブリック水和剤 0 フルバリネート水和剤 劇 A 合ピレ ロディー水和剤 フェンプロパトリン水和剤 劇 A ネオニ アドマイヤーフロアブル イミダクロプリド水和剤 劇 A ネオニ ダントツ水溶剤 クロチアニジン水溶剤 普 A ネオニ モスピランSL 液剤 アセタミプリド液剤 劇 (0) ビワサビダニ 年間の発生回数は不明であるが 一年中芽の隙間に生息しており 芽の先端への移動を繰り返している 特に 開花期には花房に多発する 苞内部の食害痕に灰色かび病菌が感染すると 果実の生長に伴って褐色の筋状を呈し たてぼや病となる A ダニ剤 サンマイト水和剤 ピリダベン水和剤 劇 ダニ剤 ダニエモンフロアブル スピロジクロフェン水和剤 普 (NC) その他 ハーベストオイル マシン油乳剤 97 普 () カミキリムシ類 ( クワカミキリなど ) 産卵は6 月下旬 ~9 月上旬に直径.5~cmの枝に長方形のかみ傷を付けて行われる ふ化幼虫は食入直後から木質部を食害し 楕円形の孔道を形成しつつ主幹に向かって食害す孔道の途中には5~6 個の排糞孔があり 新しい排糞孔周辺には赤褐色の湿った虫糞がついており この部分より下側に幼虫は食入している