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コンピュータアーキテクチャ 第 13 週 割込みアーキテクチャ 2013 年 12 月 18 日 金岡晃

授業計画 第 1 週 (9/25) 第 2 週 (10/2) 第 3 週 (10/9) 第 4 週 (10/16) 第 5 週 (10/23) 第 6 週 (10/30) 第 7 週 (11/6) 授業概要 2 進数表現 論理回路の復習 2 進演算 ( 数の表現 ) 演算アーキテクチャ ( 演算アルゴリズムと回路 ) 休講 休講 ノイマン型コンピュータ 命令とは 命令の使い方 命令セットアーキテクチャ ( 命令の表現 命令の実行の仕組 ) 第 8 週 (11/13) 第 9 週 (11/20) 第 10 週 (11/27) 第 11 週 (12/4) 第 12 週 (12/11) 第 13 週 (12/18) 第 14 週 (1/8) 第 15 週 (1/17) 中間試験 休講 ハーバードアーキテクチャ RISC と CISC 制御アーキテクチャ メモリの仕組 キャッシュメモリと仮想メモリ 割込みアーキテクチャ パイプライン 1/22-2/8 期末試験 入出力アーキテクチャ まとめ 1

コンピュータアーキテクチャ 復習 第 12 週キャッシュメモリと仮想メモリ 2

参照局所性 実行中のプログラムが主記憶装置にアクセスする場合には 空間的 時間的な参照局所性 (Referential Locality) がある メモリの空間的参照局所性 一度アクセスされたアドレスに近いアドレスは 近い時間内にアクセスされる可能性が高い メモリの時間的参照局所性 一度アクセスされたアドレスは 近い時間内に再びアクセスされる可能性が高い アドレス付近の格納データをブロック単位でキャッシュメモリに転送 参照局所性により 効率的なメモリアクセスが可能になる 3

キャッシュメモリのマッピング方式 (1) ダイレクトマッピング (Direct Mapping) 方式 キャッシュメモリの特定のブロックに格納される主記憶装置のブロックを決めておく方式 簡単なハードウェアで実現できるが 同一グループ内の他ブロックに対して頻繁にアクセスが生じる場合にはアクセス速度が遅くなる 4

キャッシュメモリのマッピング方式 (2) フルアソシアティブマッピング (Full Associative Mapping) 方式 キャッシュメモリのどのブロックに対しても 主記憶装置の任意のブロックが転送できる方式 転送の自由度は増えるがハードウェアが複雑になる 5

キャッシュメモリのマッピング方式 (3) セットアソシアティブマッピング (Set Associative Mapping) 方式 キャッシュメモリのブロックをグループ化しておき そこに転送できる主記憶装置のブロックもグループ化しておく方式 ハードウェアの複雑さとデータ転送の自由度のトレードオフの観点から 現在の多くのコンピュータで採用されている 6

主記憶への転送方式 (1) ライトスルー方式 キャッシュメモリへの書き込みが生じた際には それと同時に主記憶装置も更新する方式 キャッシュメモリの一致性問題を回避することができるが 書き込み時の高速アクセスは実現しない 7

主記憶への転送方式 (2) ライトバック方式 キャッシュメモリへの書き込みが生じた場合でも すぐには主記憶装置への転送を行わない方式 一致性問題を抱え制御が複雑になるが アクセスの高速化は実現できる 8

仮想メモリ マルチタスクと主記憶装置 コンピュータでソフトウェアを実行する場合にはそのプログラムを主記憶装置に格納しておくことが必要条件 マルチタスクで複数プログラム + プログラムの高度化によりプログラムのサイズは増加傾向 仮想メモリ 主記憶装置を仮想的に増大させる技術 補助記憶装置 ( 一般的にはハードディスク装置 ) 上に構成された空間 実メモリへは参照局所性を活用してアクセス可能性の高い仮想アドレス付近のブロック領域を割り当てる 比較項目仮想メモリキャッシュメモリ 目的主記憶領域の増大化 ( 空間的 ) アクセスの高速化 ( 時間的 ) ブロックサイズ大きい (512~8192B 程度 ) 小さい (4~128B 程度 ) 主記憶装置との転送速度 制御方法 対象が補助記憶装置であるため低速 OS 主体 ( 高速性をさほど重視しない ) 対象がキャッシュメモリであるため高速 ハードウェア主体 ( 高速性を重視 ) 9

仮想メモリの分割方式 (1) ページング方式 ブロックサイズをある一定の大きさいに決める方式 ブロックをページと呼ぶ 一般的には 1 ページを 4KB 程度のサイズにする 現在の主流となっている 10

仮想メモリの分割方式 (2) セグメンテーション方式 プログラムの論理的な区切り ( コード部とデータ部など ) によってブロックサイズを決める方式 ブロックをセグメントと呼ぶ セグメント内をさらにページに分割するページセグメンテーション方式などがある 11

仮想アドレスのマッピング方式 仮想アドレスを実アドレスに対応させる ( アドレス変換 ) 12

コンピュータアーキテクチャ 第 13 週割込みアーキテクチャ 13

割り込みとは 実行中の処理を一度停止して 他の処理を行った後に再開する機能 通常ルーチンを処理しているときに割り込みが発生すると 実行していた通常ルーチンを中断して割り込みルーチンへ分岐する 割り込みルーチンの実行が終了した後にもとの通常ルーチンへ復帰する 通常ルーチンは中断するものの 結果としては通常ルーチンと割り込みルーチンが平行して実行されたように見える 14

割り込みの分類 : 内部割込み ソフトウェア割り込みとも プログラム中で明示的 ( 意図的 ) または暗黙的 ( 非意図的 ) に処理される割り込み トラップ (Trap) プログラム中で明示的 ( 意図的 ) に処理される割り込み ユーザプログラムから OS を呼び出して制御を行うスーパーバイザコール (SVC: Supervisor Call) 命令や プログラムの中断を OS に知らせるブレークポイント (Break Point) 命令などの実行によって割り込みを発生する 例外 プログラム中で暗示的に処理される割り込み ゼロ除算 未定義命令 ユーザモードにおいて特権命令などを実行しようとした場合に発生する割り込み 15

割り込みの分類 : 外部割込み ハードウェア割り込みとも 入出力装置からの動作完了信号やタイマからの一定時間経過信号などによって発生する割り込み 機械語命令とは非同期に発生 16

割り込みの分類 : リセット割り込み 実行中のルーチンを強制的に終了し コンピュータを初期状態に戻す割り込み CPU のリセット端子に有効な信号を入力することで発生するもっとも優先度の高い割り込み 17

割り込みの分類 18

割り込み : その他 アボート (Abort) 内部割込みと外部割込みは 割り込みルーチンを処理した後に 通常ルーチンへ復帰するのが基本 復帰しても通常処理の再開が期待できない場合などは 復帰せずにそのままコンピュータの動作を停止することがある ノンマスカブル割り込み (NMI:Non Maskable Interrupt) 受付を禁止できない割り込み リセットやハードウェア障害など 優先度の高い割り込みについてはノンマスカブル割り込みを使用する必要がある ノンマスカブル割り込み (NMI:Non Maskable Interrupt) 受付を禁止できる割り込み 19

割り込みベクタ (Interrupt Vector) 割り込み発生時に起きる通常ルーチンから割り込みルーチンへの分岐の分岐先を示すデータ 20

割り込み処理の流れ (1) コンディションコードレジスタ (Condition Code Register:CCR) プロセッサはしばしば様々な演算の状態を示すレジスタ ( ステータスレジスタ ) を持つ CCR もその 1 種 21

割り込み処理の流れ (2) マスカブル割り込み処理の流れ プログラムカウンタ PC とコンディションコードレジスタ CCR( フラグレジスタ ) の値をスタックに待避する 汎用レジスタのデータは必要に応じてユーザが待避させる CCR の割り込みビット I を 1 にセットし 他の割り込み受付を禁止する 割り込みベクタテーブルによるアドレスへ分岐する 割り込みルーチンを実行する 復帰命令 RTE の実行により復帰処理を開始する サブルーチンからの復帰命令 RTS とは異なることに注意 待避してある PC と CCR の値をスタックから復元して通常ルーチンを再開する 22

割り込み受付タイミング 一般的には割り込みが発生した時点で処理していた機械語命令の実行を終えてから割り込みの受付を行う 割り込みの発生から受付までに待ち時間を生じる CISC では 1 命令が多いクロック数で実行される場合があるため 実行時間の長い命令に対してはその命令の実行を中断してすぐに割り込みを受け付ける CPU もある この場合には 割り込みルーチンからの復帰後には 中断した命令を再び実行することになる 23

ウォッチドッグタイマ (WDT) プログラムが暴走している場合にリセット割り込みを発生させる機能 プログラムが正常に実行されている場合 プログラムカウンタ (PC) はメモリのプログラムが格納されているアドレスを示している しかし 何らかのトラブルが発生して PC の値が無意味なアドレスになってしまうとプログラムの制御は不能となる WDT は設定したカウントを終了するとシステムをリセットする働きがある したがって WDT を起動しておき カウントが終了する前に WDT をクリアすることを繰り返す WDT のクリアが正常に行われていれば システムはリセットされることはないが プログラムが制御不能となると WDT のクリアが行われないのでカウントが終了すると同時にリセット割り込みが発生する 24

本日の到達目標と概要 到達目標 概要 割り込みの仕組みを理解する 割り込み処理とは 割り込み処理の種類 : 内部割り込み 外部割り込み リセット割り込み 割り込み処理の流れ 受付タイミング ウォッチドッグタイマ 25