資料 2 平成 26 年 10 月 21 日第 2 回運営協議会用資料 北海道後期高齢者医療広域連合 保健事業実施計画骨子 ( 案 ) 概要
1 保健事業実施計画策定の背景 北海道の後期高齢者医療は 被保険者数が増加し 医療費についても増大している 全国的にも少子高齢化の進展 社会保障費の増大が見込まれる このような現状から 一層 被保険者の健康増進に資する保健事業の実施が重要となっており 国においても 保健事業実施計画 ( データヘルス計画 ) を策定することを保険者に求めている 上記の背景から効果的かつ効率的な保健事業を積極的に進めていくために本計画を策定する 2 計画が目指す姿 3 保健事業の基本的な考え方 1 被保険者一人ひとりの状況に即した健康保持増進を支援 2 地域の健康 医療情報等を分析して健康課題を抽出し 保健事業を進める 3 健康課題別に対策を講じる 生活習慣病の発症 重症化予防や心身機能の低下予防 運動 認知機能の維持 低栄養の防止 4 生活の質の確保及び介護予防を目的にして福祉 介護等の支援につなげる 5 構成市町村と協力体制を強化し 連携を図る 1
4 計画の位置付け 北海道医療費適正化計画 第二期 計画期間 ( 平成 25~29 年度 ) 北海道歯科保健医療推進計画計画期間 ( 平成 25 年 ~29 年度 ) 第 5 期北海道高齢者保健福祉計画 介護保険事業支援計画計画期間 ( 平成 24~26 年度 ) 北海道健康増進計画すこやか北海道 21 計画期間 ( 平成 25~34 年度 ) 中間報告年 : 平成 29 年度 構成市町村健康増進計画 関連計画との整合性 第 2 次北海道後期高齢者医療広域連合広域計画 ( 平成 25 年度 ~29 年度 ) 個別計画 北海道後期高齢者医療広域連合保健事業実施計画 個別計画 個別保健事業実施計画 5 計画の期間平成 27 年度 (2015 年 ) から平成 29 年度 (2017 年 ) までの 3 年間とする 2
6 後期高齢者医療の現状 (1) 北海道の人口の推移と将来推計 75 歳以上 65~74 歳 15~64 歳 0~14 歳 高齢化率 人口の推移と将来推計 ( 千人 ) 過去の推移将来推計 (%) 6,000 5,576 5,679 5,644 5,692 5,683 45.0 5,628 5,535 5,506 40.7 147 195 253 319 5,361 415 305 355 544 5,178 423 526 622 671 4,960 4,719 38.1 40.0 5,000 621 784 881 34.6 36.3 664 32.8 4,462 683 35.0 689 790 1,024 4,190 29.4 1,091 4,000 815 1,077 30.0 24.7 692 1,050 23.6 3,825 622 25.0 3,912 21.5 3,000 3,932 3,851 622 3,947 18.2 657 3,701 20.0 3,555 14.9 3,488 3,190 2,000 12.0 2,950 15.0 2,774 9.7 2,589 2,382 8.1 2,129 制度開始年 10.0 1,000 1,299 1,218 5.0 1,036 900 796 720 676 657 596 531 469 417 381 353 0 1980 1985 1990 1995 2000 2005 2008 2010 2015 2020 2025 2030 2035 2040 0.0 (2) 被保険者数の推移 ( 人 ) 被保険者数の推移 800,000 616,181 635,538 658,208 680,201 697,980 718,045 733,220 700,000 600,000 500,000 372,588 384,485 398,364 412,108 423,203 435,914 445,910 400,000 300,000 200,000 100,000 243,593 251,053 259,844 268,093 274,777 282,131 287,310 0 平成 20 21 22 23 24 25 26 女性 男性 ( 年度 ) 3
(3) 一人当たり医療費の推移 ( 円 ) 1,400,000 1,200,000 1,000,000 800,000 600,000 400,000 一人当たり医療費の推移 ( 後期高齢者医療 ) 1,179,365 948,274 865,149 654,531 1,232,290 1,258,605 1,297,023 1,344,949 1,056,490 1,070,442 1,087,294 1,081,083 882,118 904,795 918,206 919,452 608,383 611,588 632,867 640,310 平成 20 21 22 23 24 ( 年度 ) 北海道 全国平均 道内最低市町村道内最高市町村 (4) 平均寿命と健康寿命 平均寿命と健康寿命の差 ( 平成 22 年 ) 全国男性 70.42 79.64 北海道男性全国女性 70.03 73.62 79.26 86.39 平均寿命 健康寿命 北海道女性 73.19 86.57 60 65 70 75 80 85 90 ( 歳 ) 4
(5) 疾病状況ア全道の受診率上位 5 疾病 ( 中分類別 ) 年度 1 位 2 位 3 位 4 位 5 位 23 高血圧性疾患 糖尿病 歯肉炎及び歯周疾患 脳梗塞 その他の内分泌, 栄養及び代謝疾患 24 高血圧性疾患 糖尿病 歯肉炎及び歯周疾患 脳梗塞 その他の内分泌, 栄養及び代謝疾患 25 高血圧性疾患 歯肉炎及び歯周疾患 糖尿病 その他の内分泌, 栄養及び代謝疾患 脳梗塞 イ全道の疾病分類別件数構成比 ( 大分類別 ) ( 平成 25 年 5 月診療分 ) その他 25.3% 循環器系の疾患 29.5% 呼吸器系の疾患 4.2% 消化器系の疾患 13.5% 眼および付属器 8.7% 内分泌 栄養および代謝疾患 8.7% 筋骨格系および結合組織の疾患 11.6% 5
ウ 1 件当たりの医療費上位 5 疾病 ( 中分類別 ) 年度 1 位 2 位 3 位 4 位 5 位 23 腎不全肺炎 頭蓋内損傷及び内臓の損傷 くも膜下出血 その他の悪性新生物 24 腎不全肺炎 頭蓋内損傷及び内臓の損傷 くも膜下出血 白血病 25 腎不全肺炎 頭蓋内損傷及び内臓の損傷 白血病 くも膜下出血 エ透析患者数 透析患者率の推移 ( 各年度 5 月末現在 ) 8,500 8,000 ( 人 ) 8,208 1.07 1.10 1.10 1.07 1.08 7,904 1.10 1.12 (%) 1.40 1.20 7,500 7,000 7,001 7,239 7,302 7,519 1.00 0.80 0.60 透析患者数 6,500 6,583 0.40 0.20 透析患者率 6,000 平成 20 21 22 23 24 25 26 0.00 6
(6) 健康診査受診率の推移 40.00 35.00 30.00 25.00 20.00 15.00 10.00 5.00 0.00 健康診査受診率の推移 32.00 33.70 30.90 31.40 32.70 21.00 22.00 23.00 24.00 24.50 26.00 20.90 21.54 22.61 23.49 24.00 9.27 10.00 11.16 11.33 12.02 5.62 平成 20 21 22 23 24 25 後期高齢者受診率 全国平均受診率 市町村国保特定健診受診率 ( 全道 ) 市町村国保特定健診受診率 ( 全国 ) 平成 25 年度の数値は暫定値 100 90 80 70 60 50 40 30 20 10 0 健康診査受診率の推移 ( 受診率別市町村割合 ) 2.8 1.1 4.5 5 6.1 3.4 2.8 6.1 6.1 3.4 2.2 3.4 1.7 1.1 1.7 6.7 6.7 3.4 2.8 4.5 5.6 7.8 12.3 11.7 13.4 17.9 25.7 16.8 12.3 12.8 14.5 29.1 31.8 34.1 37.4 41.3 57 36.9 31.8 30.7 26.3 17.3 平成 20 21 22 23 24 25 30.0%~ 25.0%~29.9% 20.0%~24.9% 15.0%~19.9% 10.0%~14.9% 5.0%~9.9% 0%~4.9% ( 年度 ) 7
7 後期高齢者の健康課題 健康課題 (1) 生活習慣病等の重症化予防 (2) 糖尿病性腎症の人工透析患者の減少 (3) 口腔機能の低下防止 課題に対する考え方 後期高齢者の平成 23 年から平成 25 年までの 5 月診療分疾病状況では 高血圧疾患 糖尿病 脂質異常症等 の生活習慣病が上位を占めている これらの生活習慣病の好発年齢は後期高齢者以前の 30 歳から 50 歳と言われていることから 現役年代からの生活改善が発症予防には重要となっている 高血圧等の生活習慣病は不健康な生活習慣の継続がやがて高血圧 糖尿病 脂質異常症の発症を招き 生活習慣の改善がないままに 脳血管疾患 心疾患 腎疾患等の発症に至るという経過を辿ることから 若い年代で発症した高血圧 糖尿病 その他の内分泌の治療が継続され 脳梗塞 心疾患 腎疾患への移行を防ぐことにより 医療費の抑制 介護予防 生活の質の維持を図る 透析を受ける状態になると 著しく QOL が低下し 自立した生活を送ることに大きな支障が出るため 疾病要因の早期発見や 重症化予防のための活動が必要となる また 後期高齢者医療における平成 23 年から 25 年の 1 件当たりの医療費では 腎不全 が第 1 位を占めている これらのことから 糖尿病性腎症を予防し 人工透析導入を防ぐことにより 生活の質の維持を図る 後期高齢者医療の診療分類別疾病状況では 平成 23 年から 25 年の受診率の上位に 歯肉炎及び歯周疾患 が毎年入っている 歯周疾患は後期高齢者以前に発症することが多く 慢性的に進行する 歯周病は 糖尿病 動脈硬化等の生活習慣病の悪化や肺炎 感染症の原因となり 高齢者の健康に大きく影響することが明確となっており また 歯の喪失の主原因でもあることから 高齢者の咀嚼機能 消化機能の低下 低栄養等を引き起こす疾患として後期高齢者の重大な健康課題となっている そのため 若い世代から引き続き 歯と口腔の健康 について推進し高齢者の口腔機能低下による誤嚥性肺炎 低栄養等の予防を図る (4) 低栄養の防止低栄養の早期発見 早期改善により 加齢による低栄養が引き起こす疾病の予防及び生活の質の維持を図る (5) 運動 認知機能の維持 加齢による運動機能及び認知機能を維持し 関連する疾病を予防することで 要介護状態の防止と生活の質の維持を図る 8
8 保健事業別計画 事業 (1) 後期高齢者健康診査 事業の考え方 後期高齢者の特性を踏まえ 身体状況等の個人差が大きいことに留意した 疾病の悪化防止 生活の質の確保 介護予防に重点を置き 年齢で区切ることなく健康管理の一環として 特定健診と連動した健診事業を推進する (2) 歯科健康診査 口腔機能低下の早期発見 早期改善を図ることで 全身状態の悪影響や誤嚥性肺炎を予防するため 歯科健診事業に着手するとともに 高齢者の歯科保健に関する意識の向上を図るための周知 広報について積極的に取り組む (3) 保健指導等保健指導は 住民に身近な市町村と連携を図り 健康診査の結果 生活状況 生活習慣等を十分に把握し 生活習慣を見直すための方法を本人が選択できるよう配慮するとともに 健康状態の変化等に応じた内容とする (4) 健康教育被保険者からの相談内容に応じ 被保険者の主体性を重んじながら 生活習慣の見直しをはじめとする必要な助言及び支援を行う (5) 訪問指導訪問指導は 被保険者の心身の状況 生活環境 受診状況等 個々の実情に即したものが必要であり 特に重複 頻回受診をしている被保険者やその家族に対し 必要な保健指導を行うことで 健康の保持 増進と疾病の回復を目指す 各事業については 別途 個別保健事業計画を策定する 9
9 保健事業推進に当たっての方針 1 医療 保健 介護情報を共有し 優先すべき課題に市町村と協働して取り組む KDB の活用によるデータ分析及び保健事業の推進 構成市町村毎の疾病傾向や医療状況から健康課題を抽出 健診データ分析から健康課題の抽出 後期高齢者健康診査検討会の継続全市町村終了後 課題を焦点化し 地域課題の協議の場 医療 保健 介護領域との連携強化を図る場など 後期高齢者健康診査検討会の発展を検討する 2 高齢者施策の一環として市町村で実施する高齢者の保健事業 介護予防事業等と関連させ 年齢で区切ることなく市町村との連携を図る 後期高齢者保健事業に関する協議会の継続 3 関係機関との連携強化を図るため 協力体制を構築する 国民健康保険団体連合会が実施する 国保 後期高齢者ヘルスサポート事業 による支援を受ける 北海道の関係部署と情報を共有して連携を図る 北海道健康増進計画 北海道高齢者保健福祉計画 介護保険事業支援計画 等と整合性を図り 超高齢化に対応した保健事業の推進する 10
4 地域の医療関係者への働きかけを行う 後期高齢者の健康管理のためには 地域の医療関係者の協力と理解が不可欠であることから 健診事業等への働きかけを行う 高齢者の口腔ケアの重要性や歯科健康診査に着手することから地域の医療関係者に対し 健診事業等への働きかけを行う 5 後期高齢者自らが健康管理に対する意欲を持っていただくための取組みを進める 医療費通知を活用した健康情報の提供 被保険者自らが健康管理の意欲を高め 健康に関心を持てるように 新たな視点の取組みを検討する 11