Microsoft Word - news1205b訂正版.doc

Similar documents
草津市 ( 幼保一体化 ) 集計表 資料 4 幼児教育と保育の一体的提供のための現況調査 ( 施設アンケート ) 速報 平成 25 年 7 月草津市 1

アンケート調査の実施概要 1. 調査地域と対象全国の中学 3 年生までの子どもをもつ父親 母親およびその子どものうち小学 4 年生 ~ 中学 3 年生までの子 該当子が複数いる場合は最年長子のみ 2. サンプル数父親 母親 1,078 組子ども 567 名 3. 有効回収数 ( 率 ) 父親 927

Microsoft Word - リリース doc

流山市子ども・子育て会議

第 3 章 保護者との関わり 子育て支援 に来園する親子の平均組数は 国公立で 14.1 組 私立で 19.2 組だった ( 図 表 3-3-1) では どのようなことを親子は体験しているのだろうか 実施内容について複数回答で聞いたところ 私立幼稚園と国公立幼稚園で違いがみられた (

アンケート調査の実施概要 1. 調査地域と対象全国の中学 3 年生までの子どもをもつ父親 母親およびその子どものうち小学 4 年生 ~ 中学 3 年生までの子 該当子が複数いる場合は最年長子のみ 2. サンプル数父親 母親 1,078 組子ども 567 名 3. 有効回収数 ( 率 ) 父親 927

調査実施の背景 2015 年 4 月から子ども 子育て支援新制度 以下 新制度 が施行され 保育事業の拡大が図られます そのため保育人材の確保が重要な課題となっており 保育士確保のための取組が強化されています しかし保育士のみでは必要量を満たせないことから 子育て分野で働くことに関心のある地域住民に

十和田市 事業別に利用数をみると 一時預かりは 年間 0 (.%) 以 上 (.) - (.%) の順となっています 問. 一時預かり ( 年間 ) n= 人 以上. 幼稚園の預かり保育は 年間 0 (.%) 以上 (.%) (.%) の順となっています ファミリー サポー

man2

子ども・子育て支援新制度の解説資料 1.制度概要 その1

調査実施の背景 わが国では今 女性活躍を推進し 誰もが仕事に対する意欲と能力を高めつつワークライフバランスのとれた働き方を実現するため 長時間労働を是正し 労働時間の上限規制や年次有給休暇の取得促進策など労働時間制度の改革が行なわれています 年次有給休暇の取得率 ( 付与日数に占める取得日数の割合

Microsoft Word 年1月(リリース).doc

(2) 設備について 認可基準 ( 下線 : 必須 ) 幼保連携型 建物及び附属施設の設置場所 同一敷地内又は隣接する敷地内 ( 公道を挟む程度 ) 既存幼稚園 保育所からの移行の場合の特例 1~3 をすべて満たせば 同一敷地内にない場合も設置可 1 教育 保育の適切な提供が可能 2 子どもの移動時

1 調査目的 今年度策定する 津山市総合戦略 で 子どもを産み 育てやすい環境づくりに 向けた取組みを進めるにあたり 出産 子育ての現状を把握するために実施した 2 調査内容の背景と設問設定理由国では 出生率を 2.07 まで高めることで 2060 年に現状の社会構造を維持できる人口 1 億人程度を

教育 保育提供体制 平成 27 年度 見込量 確 ( 提保供方量策 ) 子ども 子育て支援事業の確保方策について 市全域 認定こども園 保育所 地域型保育 1 号認定 2 号認定 3 号認定 3 歳以上教育希望 3 歳以上教育希望 3 歳以上保育必要 1~2 歳保育必要 0 歳保育必要

希望するみんなが保育園に入れる社会をめざす会 潜在待機児童数に関する考察 1. はじめに希望するみんなが保育園に入れる社会をめざす会 ( 以降 本会 と記す ) では 待機児童が概ねゼロになる状況をめざす上で 保育園を増やしても待機児童問題が解消されない原因を把握し その原因を

<4D F736F F D F18D908F B B8F9C82AD816A2E646F63>

希望をかなえるまちづくり 結婚 出産 子育て 結婚 出産 子育ての希望実現 1 結婚や出産に対する支援の充実 一人ひとりが結婚や出産について諦めることなく取 り組める環境をつくることによって まちに家族を持つこ との幸せをもたらします 結婚を希望する人の未婚率の改善 結婚や妊娠 出産に関するライフプ


調査実施の背景 近年 ライフスタイルの多様化が著しく進んでいます 生涯未婚率が上昇し 単身世帯 一人親世帯も増加するなど 世帯構成が大きく変化しました また 25 歳から 39 歳の就業率が上昇し 共働き世帯も増加しました においては 管理職の積極的な登用が推進される一方で非正規社員の占める割合は高

第 2 章 子どもと子育てを取り巻く現状

2. 子ども人口の推計について 人口推計は 今後の教育 保育の量の見込みを算出する上で非常に重要であるため 改めて平成 30 年度及び平成 31 年度の人口推計値を算出しました 当初計画値と実績値を比較すると 人口は計画値ほど減少しないことから平成 30 年度以降も人口減少は緩やかなものとして見直し

Microsoft Word - wt1607(的場).docx

< 調査概要 ( 経営者版 )> 調査期間 : 平成 29 年 8 月 2 日 ( 水 )~10 月 20 日 ( 金 ) 調査地域 : 全国 調査方法 : 当社営業職員によるアンケート回収 回答数 :13,854 部無作為に 5,000 サンプル ( 男性 :4,025 名 :975 名 ) を抽

私立幼稚園の新制度への円滑移行について

<4D F736F F D C190BC8E73817A92B28DB88C8B89CA95F18D908F E646F63>

Microsoft Word - news1207.doc

.T.v...ec6

平成28年度企業主導型保育事業の助成決定について(第1回)

調査の概要 少子高齢化が進む中 わが国経済の持続的発展のために今 国をあげて女性の活躍推進の取組が行なわれています このまま女性正社員の継続就業が進むと 今後 男性同様 女性も長年勤めた会社で定年を迎える人が増えることが見込まれます 現状では 60 代前半の離職者のうち 定年 を理由として離職する男

幼児期の教育 保育の需給計画 ( 平成 28 年度実績 ) の点検 評価結果について 資料 2 1 需給計画の策定 かながわ子どもみらいプラン においては 待機児童の解消を図り 子育て家庭のニーズにあった就学前児童の教育 保育の提供体制の充実を計画的に進めるため 各年度 ( 平成 27 年度 ~ 平

出産・育児調査2018~妊娠・出産・育児の各期において、女性の満足度に影響する意識や行動は異なる。多くは子どもの人数によっても違い、各期で周囲がとるべき行動は変わっていく~

Taro-平成27年度の取り組み(資料:1)

PowerPoint プレゼンテーション

1 計画改訂の趣旨 (1) 趣旨 1 (2) 見直しのための考え方 2 (3) 対象期間 2 (4) 対象事業 2 2 教育 保育の 量の見込み 及び 確保方策 について (1) 就学前の推計児童数 3 (2) 教育 保育の 量の見込み 3 (3) 量の見込み に対する 確保方策 4 (4) 見直し

調査の背景 埼玉県では平成 29 年度から不妊に関する総合的な支援施策として ウェルカムベイビープロジェクト を開始しました 当プロジェクトの一環として 若い世代からの妊娠 出産 不妊に関する正しい知識の普及啓発のため 願うときに こうのとり は来ますか? を作成し 県内高校 2 年生 3 年生全員

調査の実施背景 介護保険制度が 2000 年に創設されてから 10 年余りが過ぎました 同制度は 家族介護をあてにせずに在宅介護ができる支援体制を整えることを目的として発足されたものですが 実際には 介護の担い手としての家族の負担 ( 経済的 身体的 精神的負担 ) は小さくありません 今後 ますま

<4D F736F F D F815B A F A838A815B A8E718B9F8EE C98AD682B782E992B28DB85B315D2E646F63>

第 1 章調査の実施概要 1. 調査の目的 子ども 子育て支援事業計画策定に向けて 仕事と家庭の両立支援 に関し 民間事業者に対する意識啓発を含め 具体的施策の検討に資することを目的に 市内の事業所を対象とするアンケート調査を実施しました 2. 調査の方法 千歳商工会議所の協力を得て 4 月 21

幼児教育 保育の無償化の実施について 1 子ども 子育て支援新制度の趣旨に沿った無償化の実施を! 子ども 子育て支援新制度 では 一人ひとりの子どもが健やかに成長することができる社会 子どもの最善の利益が実現される社会を目指しています まずこの目指すべき姿に沿った幼児教育 保育の無償化を図るべきです

Microsoft Word - Notes1104(的場).doc

 

第 1 章アンケートの概要 1-1 調査の目的 1-2 対象者 1-3 調査方法 1-4 実施期間 1-5 調査結果サンプル数 第 2 章アンケート調査結果 2-1 回答者自身について (1) 問 2: 年齢 (2) 問 5: 同居している家族 2-2 結婚について (1) 問

目次 第 1 章再編計画策定の趣旨 2 第 2 章就学前の子育てを取り巻く状況の変化 3 第 3 章再編計画の基本的な考え方 7 第 4 章公立幼稚園再編 ( 認定こども園整備 ) 計画 9 2

調査の実施背景 近年の消費スタイルは 長引く不況下での節約志向の定着の中で 環境問題や節電が 心がけられたり 東日本大震災の復興支援を目的とした応援消費 支援消費が意識され るなど 単に 安くていいもの を基準としたコストパフォーマンスだけでは説明でき なくなってきています こうした動きの中で 消費

<4D F736F F D A838A815B83588F4390B394C EC816A2E646F63>

調査実施の背景 今日 様々な調査において 仕事上重要な能力の1つとして コミュニケーション能力 が上位にあげられています しかし 一言でコミュニケーション能力といっても 企業で求められるそれは多岐にわたり 具体的にどのような能力がどのような人で重要ととらえられ 各人においてそれぞれのコミュニケーショ

平成26年度「結婚・家族形成に関する意識調査」報告書(全体版)

1 お子さんとご家族の状況について 子どもをみてもらえる親族 知人 0 歳 1 2 歳 3~5 歳ともに 緊急時もしくは用事の際には祖父母等の親族にみてもらえる が最も多く 60 を超えています 0 歳児は他の年齢に比べて 日常的に祖父母等の親族にみてもらえる が 37.1 となっています 少数では

<4D F736F F D A E CC8A C68D6C82A695FB82C982C282A282C45B345D96BE92A989A1>

教育 保育の量の見込み及びその提供体制 1 号認定及び 2 号認定 (3~5 歳児 ) について 利用児童数は 1 号及び 2 号認定の利用児童数と私学助成を受ける私立幼稚園の園児数より算出 1 号認定の利用児童数は 施設型給付費等の基礎資料に関する調査 による ( 時点は各年 4 月 1 日 )

3歳未満児3歳以上児教育標準時間 2 保育の必要量の認定 の導入 新制度では パートタイマーなど短時間就労の保護者のお子さんも 公的保育が利用できるように 保育の必要量の認定 が導入されます 保護者の就労状況等に応じて 保育標準時間 保育短時間 の認定がされます 保育短時間 保育標準時間 3 号認定

3 保育の必要性の認定の対象とはならない場合 ( 例 : 専業主婦家庭等 ) どのような施設の利用が無償化の対象になりますか 3 歳から5 歳までの子供について 幼稚園 認定こども園 (4 時間相当分 ) は無償化の対象となります なお この場合 預かり保育は無償化の対象となりません このほか 就学


2 平成 27 年度の需要量見込みを記載 ( 平成 3 年度までの各年度の需要量見込みについては 別紙を参照 ) 平成 27 年度推計児童数 ( 人 ) 年齢 平成 27 年度推計児童数 参考 平成 26 年 月現在人口 0-2 歳人口 3,68 2, 歳人口 2,278 2,323

平成 26 年 8 月 仙台市 認可保育所利用申請者数 15,077 人 14,340 人 13,826 人 認可保育所入所者数 13,994 人 13,401 人 13,069 人 市の保育施策で対応している児童数 人 174 人 157 人 待機児童数 人 533 人 4

1 子ども 子育て支援新制度がはじまります 子ども 子育て支援法 等の成立により すべての子どもと子育て家庭を総合的に支援していく 子ども 子育て支援新制度 が平成 27 年 4 月から全国的にスタートします 子ども 子育て支援新制度 では 幼稚園や保育所 地域の子育て支援の充実を図るとともに 認定

地域子育て支援拠点事業について

平成 27 年 3 月 田川市

三世代で暮らしている人の地域 親子関係 第一生命経済研究所ライフデザイン研究本部研究開発室的場康子 < 減り続ける > 戦後 高度経済成長を迎えた我が国においては 産業構造の変化により都市化 工業化が進む中で 多くの人が地方から都市に移動し核家族化が進んだ 低成長経済に移行した後

日本の富裕層は 122 万世帯、純金融資産総額は272 兆円

飾区子ども 子育て支援ニーズ調査速報値 参考資料 1 問 1. お住まいの地域 1. 東部地域 702 ( 21.2) 2. 西部地域 1,118 ( 33.8) 3. 南部地域 855 ( 25.9) 4. 北部地域 608 ( 18.4) 5. 無回答 24 ( 0.7) 合計 3,307 (

アンケート調査の実施概要 1. 調査地域と対象全国に居住する 30~60 代の既婚男女 2. サンプル数 800 名 3. サンプル抽出方法第一生命経済研究所生活調査モニター 4. 調査方法質問紙郵送調査法 5. 実施時期 2006 年 1 月 6. 有効回収数 ( 率 ) 769 名 (96.1%

Microsoft Word - ㆤㆥ㆓.doc

目 次 1 実施方針策定の趣旨 P. 1 2 振興計画に基づく取組みと求められる対応 P. 1 (1)Ⅰ 期期間中の取組み (2) 新制度のもと求められる対応 3 当面の実施方針 P. 2 (1) 基本となる考え方 (2) 当面の実施方針 4 新制度のもとでの市立幼稚園 P. 3 (1) 市立幼稚園

アンケート調査の実施概要 1. 調査地域と対象全国に居住する 20 歳から 59 歳の会社員の男女 2. サンプル数 700 名 3. サンプル抽出方法第一生命経済研究所生活調査モニター 4. 調査方法質問紙郵送調査法 5. 実施時期 2007 年 2 月 6. 有効回収数 ( 率 ) 601 名

意見聴取の目的 教育 保育施設 地域型保育事業 の運営開始の申請がなされた場合 佐賀市は 佐賀市子ども 子育て会議 で意見を聴取し を設定しなければなりません 新規設定のみ意見聴取 定員の変更については 会議の意見聴取は不要 事業開始までの流れ 1 都道府県 市町村による施設の認可 2 市町村による

3. 量の見込み 算出の手順 (1) 量の見込みの算出方法量の見込みの算出にあたっては 利用希望把握調査の結果を基礎データとして用います 算出方法は 国が平成 26 年 1 月に提示した 市町村子ども 子育て支援事業計画における 量の見込み の算出等のための手引き を基本としつつ 子育て安心プラン

1 国の動向 平成 17 年 1 月に中央教育審議会答申 子どもを取り巻く環境の変化を踏まえた今後の幼児教育の在り方について が出されました この答申では 幼稚園 保育所 ( 園 ) の別なく 子どもの健やかな成長のための今後の幼児教育の在り方についての考え方がまとめられています この答申を踏まえ

Microsoft Word - 修正rp1110_的場_.doc

<4D F736F F D A8EB388BE8E738E7182C782E08A C52D38702DB6D7B0>

資料 1 子ども 子育て支援新制度における利用者負担について 1 設定が必要な利用者負担額 1 号認定 認定区分対象該当施設 事業 3 歳以上保育が必要ない 2 号認定 ( 標準時間 ) 3 歳以上 2 号認定 ( 短時間 ) 保育が必要 3 号認定 ( 標準時間 ) 0~2 歳 3 号認定 ( 短

Microsoft Word 報告書(最終・本編).doc

 

1 需給計画策定に関する基本方針等 教育 保育提供区域の設定 教育 保育提供区域 とは 地域の実情に応じて 保護者や子どもが居宅より容易に移動することが可能な区域として市町村が定める区域のことですが 札幌市においては原則として 行政区単位の設定 とし 一部の事業についてのみ 札幌市全域 とします 量

2017 年 2 月 27 日株式会社カカクコム 価格.com 生命保険 に関する調査結果を発表加入率は約 8 割 若年層ほど低い傾向 加入中の生命保険は終身タイプがトップ将来への不安?20 代の加入目的 老後保障 貯蓄 が他世代よりも高い結果に補償内容への理解度 十分理解できていない加入者が 53

もうすぐ区長選 # 子育て政策聞いてみた 候補者政策アンケート 区長選挙に際し 待機児童解消をはじめとする子育て政策について ご意見をお聞かせくだ さい いただいたご回答は 1) 回答全文 2) 候補者回答一覧まとめ * 各項目に目安文字数を記載しています 各回答文頭から目安文字数分を抜粋し ま と

趣旨 : すべての子どもに良質な成育環境を保障する等のため 子ども及び子育ての支援のための給付の創設並びにこれに必要な財源に関する包括的かつ一元的な制度の構築等の所要の措置を講ずる (1) 総則 子ども 子育て支援法の目的 基本理念 責務規定 ( 市町村 都道府県 国 事業主 国民の責務 ) 定義規

調査の背景と目的 健康長寿社会の実現がわが国の重要課題となる中 企業が人々の健康づくりに取り組むことを促す動きが広がっています また 健康経営 という観点から 企業が従業員の健康づくりに取り組んだり それを推進したりする動きもあります こうした動きと並行して 従業員の健康づくりへの取り組み状況等に関

調査実施の背景 わが国は今 人口構造の変化に伴う労働力の減少を補うため 女性の活躍を推進し経済成長を目指しています しかし 出産後も働き続ける女性は未だ多くないばかりでなく 職場において指導的な立場に就く女性も少ない状況が続いています 女性の活躍を促進させるためには 継続就業のための両立支援策ととも

「学び直し」のための教育訓練給付制度の活用状況|第一生命経済研究所|的場康子

2 就学前の教育 保育施設の認可について旧制度では 保育所 幼稚園等の設置について 各根拠法令に基づき 県知事による認可等の手続きがありましたが 新制度においては 地域型保育事業 ( 小規模保育事業 家庭的保育事業等 ) について 新たに認可制度が設けられ 市が定める設備および運営の基準 ( 彦根市

<4D F736F F D DE97C78CA78F418BC B28DB895F18D908F DC58F49817A2E646F63>

平成26年度「結婚・家族形成に関する意識調査」報告書(全体版)

机上配布 子どもが主人公分科会各委員提案のまとめ 課題 1 周産期医療 小児医療の確保 No 解決に向けた方策 ( 参考 ) 具体的な事業 取組みの例提案者 医療体制に課題がある中で 医療機関の負担を減らす取組 祖父母世代に相談できる関係 相談ダイヤルでの適切な助言 ダイヤルの周知 < 第 1 回

- 調査結果の概要 - 1. 改正高年齢者雇用安定法への対応について a. 定年を迎えた人材の雇用確保措置として 再雇用制度 導入企業は9 割超 定年を迎えた人材の雇用確保措置としては 再雇用制度 と回答した企業が90.3% となっています それに対し 勤務延長制度 と回答した企業は2.0% となっ

居宅介護支援費Ⅰの算定上限(40件)の範囲

第 1 章 札幌市幼児教育振興計画の策定 本計画は 主に幼稚園教育を対象とする 本計画は 平成 18 年度から概ね10 年間を計画期間とし 今後はこの方向性に基づいて早期に具体的な施策 ( アクションプログラム ) を打ち出していく 本計画は 社会情勢の変化などに対応し 必要に応じて計画の見直しを行

調査結果サマリー 1. 災害時に はぐれた場合でも6 割以上が 優先して探し 避難所への移動時も9 割以上の方が 行動を共にする と回答 ( 次頁設問 1 2 3) 災害に見舞われた時 ペットの対処について尋ねたところ はぐれた場合でも 優先して探す と答えた方が62.9% また指定避難所への移動を

家族時間アンケート結果報告書 家族時間 に関する アンケート調査の結果 平成 23 年 6 月 福井県 - 1 -

Microsoft Word - 【第4章】無償化実施計画 修正.docx

( ウ ) 年齢別 年齢が高くなるほど 十分に反映されている まあまあ反映されている の割合が高くなる傾向があり 2 0 歳代 では 十分に反映されている まあまあ反映されている の合計が17.3% ですが 70 歳以上 では40.6% となっています

資料2:修正一覧

調査実施の背景 2015 年 1 月からの相続税における基礎控除の引き下げを前に 孫等への教育資金一括贈与の非課税制度に対する社会的反響が続いています 一般社団法人信託協会のとりまとめによれば この制度に基づく教育資金贈与信託の受託契約件数は取り扱い開始以降増加を続け 2014 年 9 月現在で 8

<4D F736F F D20819C B83678C8B89CA94E48A E C668DDA97706E65772E646F63>

2015年 「働き方や仕事と育児の両立」に関する意識(働き方と企業福祉に関する

第1章 計画の概要

参考 1 男女の能力発揮とライフプランに対する意識に関する調査 について 1. 調査の目的これから結婚 子育てといったライフ イベントを経験する層及び現在経験している層として 若年 ~ 中年層を対象に それまでの就業状況や就業経験などが能力発揮やライフプランに関する意識に与える影響を把握するとともに

1 発達とそのメカニズム 7/21 幼児教育 保育に関する理解を深め 適切 (1) 幼児教育 保育の意義 2 幼児教育 保育の役割と機能及び現状と課題 8/21 12/15 2/13 3 幼児教育 保育と児童福祉の関係性 12/19 な環境を構成し 個々 1 幼児期にふさわしい生活 7/21 12/

1 計画見直しの趣旨 中央区では 平成 27 年 4 月の子ども 子育て支援新制度実施に伴い 幼児期の教育 保育および地域子ども 子育て支援事業の提供体制の確保を円滑に行うため 子ども 子育て支援施策を中心に 母子保健 教育 ワーク ライフ バランス等の取組を総合的に推進する ( 以下 本計画 とい

Transcription:

おかげさまで第一生命は 2012 年 9 月に創立 110 周年を迎えます 2012 年 5 月 幼稚園 保育所の園長と保護者に聞いた 幼保一体化に関するアンケート調査 ~ 幼稚園 保育所の現場と保護者が考える望ましい幼保一体化 ~ 第一生命保険株式会社 ( 社長渡邉光一郎 ) のシンクタンク 株式会社第一生命経済研究所 ( 社長長谷川公敏 ) では 全国 2,000 施設の私立幼稚園 私立保育所の園長と 3 歳以上の幼稚園 保育所に通う子どもをもつ母親 400 名を対象に 標記についてのアンケート調査を実施いたしました この程 その調査結果がまとまりましたのでご報告いたします 調査結果のポイント 幼保の現状 : 時間面 (P.2) 保育所の利用児の多くは 登降園時間が幼稚園の開始から終了時間の範囲に収まっている幼保の現状 : 施設面 (P.3) 幼稚園と保育所における幼児教育 保育面と施設面の違いは多い保護者の幼稚園 保育所に対する要望 (P.4) 幼稚園児の保護者は 保育時間の延長 長期休業中の保育 保育所の保護者は 休日の保育 の充実を求める割合が高い望ましい幼稚園と保育所のあり方 (P.5) 施設側は現行の幼稚園と保育所の状態が望ましいと考えており 保護者側はそれに加えて幼保の機能をあわせもつ施設が並存する状態が望ましいと考えている保護者のニーズの差 (P.6) 施設の約 8 割 保護者の約 9 割が 短時間の幼児教育を求めるニーズと長時間の保育を求めるニーズという保護者のニーズの違いは今後も残る 幼保一体施設をつくることについて (P.7) 幼保一体施設 ( 仮称 ) をつくることを すすめるべきだと思う割合は 施設調査が約 26% 保護者調査が約 42% 幼保一体施設への移行について (P.8) 直ちに移行を検討したい 幼稚園は 8.1% 0~2 歳児の保育も行うことができる幼稚園は 全体の約 1 割幼保一体施設をつくることの効果 (P.9) 施設調査では 0~2 歳児の待機児童減少 が約 4 割 待機児減少の効果があるとみる保護者は 3 分の 1 幼保一体施設を導入する際の不安 懸念 (P.10) 十分な財源が確保されない 教員 保育士の負担増 幼児教育も保育も中途半端に という不安 懸念が多い保育所の待機児童を減らすために必要な施策 (P.11) 施設調査では 保育所 (0~2 歳児 ) の増設 保育園が 0~2 歳児 幼稚園が 3~5 歳児に特化 保護者調査では 保育所 (0~5 歳児 ) の増設 保育所 (0~2 歳児 ) の増設 幼稚園の預かり保育の拡充 子育てにおける不安 負担 (P.12) 子育て全般の経済的な負担が重いこと 通っている幼稚園 保育所にかかる費用 が各 3 分の 1 強優先的に実施してほしい子育て支援 (P.13) 子どもをもつ家庭への経済支援 幼児教育にかかる費用の軽減 を求める保護者が多い < お問い合わせ先 > 第一生命経済研究所ライフデザイン研究本部研究開発室広報担当 ( 安部 新井 ) TEL.03-5221-4771 FAX.03-3212-4470 アドレス http://group.dai-ichi-life.co.jp/dlri/ldi

調査の実施背景 全国の幼稚園は 13,392 箇所 園児童数約 160 万人 認可保育所は 23,385 箇所 入所児童数約 212 万人です 幼稚園は教育基本法に定められた幼児教育を行う学校であり 児童福祉法にもとづく認可保育所は親が就労しているなどの理由により家庭で保育をできない子どもを預かる児童福祉施設になっています こうした現状に対して これまで幼稚園と保育所を一元化することについての議論や動きがありました 2006 年には幼稚園と保育所の機能をあわせもつ認定こども園の制度がつくられました 現在 政府は 幼保一体化などを行う子ども 子育て新システムの法案を国会に提出しています このように国において検討がされてきた幼保一体化ですが 幼稚園 保育所の現場目線及びそれらに子どもを預ける保護者目線からみたとき この問題はどのように捉えられており 課題は何であるかを調査しました なお 本調査では 政府の幼保一体化案ではなく 幼保一体化についての基本的な考え方を調べています 調査の実施概要 1. 施設調査調査地域と対象 : 全国の私立幼稚園と私立保育所の園長サンプル : 全国から系統抽出した 2,000 施設が対象 有効回収数 ( 率 ) は 559 園 (28.0%) 誤って抽出された公立施設を除く 547 園が集計対象 内訳は幼稚園が 247 園 認可保育所 ( 以下 保育所 ) が 274 園 認証 認定保育所 (3 園 ) など 幼稚園 保育所別の集計をする際に 保育所 と表記するものは 認可保育所 調査方法 : 郵送配布 郵送回収実施時期 :2011 年 10~11 月 2. 保護者調査調査地域と対象 : 全国 3 歳以上の幼稚園 保育所に通う子どもをもつ母親サンプル : 株式会社クロス マーケティングが保有するモニター 幼稚園の子どもの母親が 200 人 保育所の子どもの母親が 200 人の合計 400 人が回答者調査方法 : インターネット調査実施時期 :2011 年 10 月 1

幼保の現状 : 時間面 保育所の利用児の多くは 登降園時間が幼稚園の開始から終了時間の範囲に収まっている 図表 1 施設の開始時間と終了時間 実際の利用時間 施設調査 保護者調査 開始時間 ( 施設調査 ) 6 時前 6 時台 7 時台 8 時台 9 時以降 幼稚園 0.5 1.0 35.4 41.7 21.4 保育所 - 5.9 90.2 2.0 2.0 登園時間 ( 保護者調査 ) 6 時前 6 時台 7 時台 8 時台 9 時以降 幼稚園 - - 3.5 70.0 26.5 保育所 - 0.5 24.5 62.5 12.5 終了時間 ( 施設調査 ) 14 時前 14 時台 15 時 16 時台 17 時台 18 時台 19 時台 20 時台 21 時台 幼稚園 - 0.4 0.9 7.5 34.2 46.9 9.2 0.9 - 保育所 0.4 - - 1.1 0.7 17.5 63.8 14.2 1.5 降園時間 ( 保護者調査 ) 14 時前 14 時台 15 時 16 時台 17 時台 18 時台 19 時台 20 時台 22 時以降 幼稚園 8.0 62.0 22.0 4.5 2.5 1.0 - - - 保育所 1.0-7.5 38.0 32.5 19.5 1.5 - - 幼稚園と保育所の現状を比較しました 預かり時間が最長となる開始時間と終了時間が図表 1です 原則親が就労している保育所の方が幼稚園よりも 開始時間が朝早く 終了時間は遅くなっています ただし 預かり保育をしている園が多いため 幼稚園でも終了時間が 18 時以降であるところは5 割を超えています 保護者調査で実際の利用時間をみると 登園時間は幼保で差が小さく 降園時間は幼稚園では 14 時台が多く 保育所は 16~17 時台が多くなっています 注目されることに 保育所の利用児の 75% が登園する時間は幼稚園の約 8 割が開始している時間であり 保育所の利用児の約 8 割は幼稚園の約 9 割がまだあいている時間以前に降園しています このように 保育所の利用児の多くは 登降園時間が 幼稚園の開始時間から終了時間の範囲に収まっています 2

幼保の現状 : 施設面 幼稚園と保育所における幼児教育 保育面と施設面の違いは多い 図表 2 幼稚園と保育所にある施設と行っている教育 保育 < 複数回答 > 施設調査 施設 教育 保育 幼稚園 保育所 幼稚園 保育所 園庭 98.0 95.3 預かり保育 93.5 18.2 固定プール 34.8 31.4 子育ての情報提供 51.0 52.6 調理室 28.7 97.8 園庭の一般への開放 46.6 53.6 教職員用の会議室 70.4 45.6 子育ての相談 45.3 54.4 教職員の休憩室 14.6 58.4 保護者向けの勉強会 講演会 55.9 44.5 保護者が休憩できるスペース 40.9 17.5 課外教室 77.3 19.7 図書コーナー 65.6 43.4 一時保育 12.6 57.3 食事専用の部屋 1.6 8.8 長期休業保育 64.8 5.8 花壇や畑 80.6 78.1 子育てサークルなどの支援 26.3 20.8 体育館 51.8 22.6 教室 保育室などの一般への開放 24.3 18.6 屋外の遊具 96.0 88.7 休日保育 3.6 7.3 砂場 98.0 90.1 病児保育 0.0 8.4 以上のものはない - - その他 10.5 19.3 無回答 1.6 1.5 特にない 1.2 2.9 無回答 0.8 1.5 施設面をみると 園庭 屋外の遊具 砂場 は 幼稚園 保育所のほぼ全ての施設にあります 幼稚園の方が設置割合が高いものは 教職員用の会議室 保護者が休憩できるスペース 図書コーナー 体育館 です ( 図表 2) 保育所の方が設置割合が高いものは 調理室 教職員の休憩室 です 幼児教育 保育面として実施していることがらをみると 幼稚園の9 割以上が 預かり保育 を 3 分の2が 長期休業保育 を行っています 課外教室 も8 割近い施設が実施しています 幼稚園は 課外教室 や 保護者向けの勉強会 講演会 という親子の教育的な内容を保育所に比べて多く実施しています 一方 保育所の過半数は 一時保育 を実施しています 子育ての相談 を実施している割合は 幼稚園よりも保育所の方が高くなっています 3

保護者の幼稚園 保育所に対する要望 幼稚園児の保護者は 保育時間の延長 長期休業中の保育 保育所の保護者は 休日の保育 の充実を求める割合が高い 図表 3 幼稚園 保育所に対する要望 < 複数回答 >( 全体 幼保別 ) 保護者調査 幼児教育 保育面 全体 幼稚園 保育所 課外教室 27.8 27.0 28.5 保育時間の延長 26.0 37.0 15.0 長期休業中の保育 21.8 30.0 13.5 休日の保育 19.3 16.0 22.5 一時的に子どもを預かる保育 17.8 21.5 14.0 子育ての情報提供 15.0 15.0 15.0 子育ての相談 11.0 11.0 11.0 園庭を誰でも使えるように開放 6.8 7.5 6.0 保護者向けの勉強会 講演会 6.5 5.5 7.5 あいている時間に 教室 保育室などを開放 4.5 4.5 4.5 その他 3.8 3.5 4.0 特にない 27.5 25.0 30.0 施設面 全体 幼稚園 保育所 園庭の遊具 22.8 23.0 22.5 図書室または図書コーナー 18.3 17.5 19.0 園庭 18.0 18.5 17.5 栽培ができる花壇や畑 13.5 13.0 14.0 固定プール 11.8 15.5 8.0 保護者が休憩できる部屋やスペース 10.5 13.0 8.0 食事専用の部屋 8.8 10.5 7.0 砂場 8.8 8.0 9.5 その他 3.0 3.5 2.5 特にない 43.3 42.0 44.5 図表 4 幼稚園 保育所の満足度 ( 全体 幼保別 ) 保護者調査 不満である 満足している どちらかといえば満足している どちらかといえば不満である 全体 45.0 48.0 5.3 1.8 幼稚園 41.0 52.5 6.0 0.5 保育所 49.0 43.5 4.5 3.0 幼児教育 保育面に対する保護者の要望をみると 幼稚園児の保護者は 保育時間の延長 長期休業中の保育 保育所の保護者は 休日の保育 の充実を求める割合が高くなっています ( 図表 3) 幼稚園児の実際の利用時間は短いですが( 図表 1) 保育時間の延長に対する要望は多くなっています 施設面に対する要望をみると 全体の回答では 園庭の遊具 (22.8%) が最も多く 図書室または図書コーナー 園庭 などとなっています 幼稚園と保育所のいずれにおいても 保護者が満足している ( 満足している と どちらかといえば満足している の合計 ) と答えた割合は 90% を超えています ( 図表 4) 4

望ましい幼稚園と保育所のあり方 施設側は現行の幼稚園と保育所の状態が望ましいと考えており 保護者側はそれに加えて幼保の機能をあわせもつ施設が並存する状態が望ましいと考えている 図表 5 望ましい幼稚園と保育所のあり方 ( 全体 幼保別 ) 施設調査 0% 20% 40% 60% 80% 100% 全体 54.1 21.5 16.4 4.6 3.3 幼稚園 55.1 22.7 13.0 5.7 3.6 保育所 53.6 19.7 19.3 4.0 3.3 幼稚園と保育所が並存幼稚園と保育所に加えて 幼保の機能をあわせもつ施設が並存全ての施設が幼保の機能をあわせもつその他無回答 図表 6 望ましい幼稚園と保育所のあり方 ( 全体 幼保別 ) 保護者調査 0% 20% 40% 60% 80% 100% 全体 27.5 52.8 19.5 0.3 幼稚園 29.0 55.0 16.0 - 保育所 26.0 50.5 23.0 0.5 幼稚園と保育所が並存 幼稚園と保育所に加えて 幼保の機能をあわせもつ施設が並存 全ての施設が幼保の機能をあわせもつ その他 望ましい幼稚園と保育所のあり方を尋ねた結果 施設調査では 幼稚園と保育所が並存 をあげた割合が過半数でした ( 図表 5) 幼稚園と保育所に加えて 幼保の機能をあわせもつ施設が並存 は 21.5% 全ての施設が幼保の機能をあわせもつ は 16.4% です 幼稚園と保育所の回答は類似しています 保護者調査では 幼稚園と保育所に加えて 幼保の機能をあわせもつ施設が並存 が過半数でした 幼稚園と保育所の保護者の意識に大きな差はありませんでした ( 図表 6) 施設側は現行の幼稚園と保育所の状態が望ましいと考えており 保護者側はそれに加えて幼保の機能をあわせもつ施設が並存する状態を望ましいと考えています 5

保護者のニーズの差 施設の約 8 割 保護者の約 9 割が 短時間の幼児教育を求めるニーズと長時間の保育を求めるニーズという保護者のニーズの違いは今後も残る 図表 7 短時間の幼児教育を求めるニーズと長時間の保育を求めるニーズという保護者のニーズの違いは今後も残るか ( 全体 幼保別 ) 施設調査 0% 20% 40% 60% 80% 100% 全体 55.6 28.7 10.7 3.3 1.7 幼稚園 56.7 33.6 6.1 2.4 1.2 保育所 55.1 24.8 13.9 4.0 2.2 そう思うどちらかといえばそう思わない無回答 どちらかといえばそう思うそう思わない 図表 8 短時間の幼児教育を求めるニーズと長時間の保育を求めるニーズという保護者のニーズの違いは今後も残るか ( 全体 幼保別 ) 保護者調査 0% 20% 40% 60% 80% 100% 全体 39.0 52.8 7.3 1.0 幼稚園 31.5 59.0 8.0 1.5 保育所 46.5 46.5 6.5 0.5 そう思うどちらかといえばそう思うどちらかといえばそう思わないそう思わない 幼児教育 保育施設として幼稚園と保育所が並存する背景には 専業主婦家庭は短時間の幼児教育を求め 母親が就労する家庭は長時間の保育を求めるというように 保護者の側のニーズの違いが存在していることがあります こうした保護者のニーズの違いが 今後も残るか否かを尋ねました そう思うと答えた割合は 施設調査 保護者調査とも高くなっています ( 図表 7 8) 施設の約 8 割 保護者の約 9 割が 短時間の幼児教育を求めるニーズと長時間の保育を求めるニーズという保護者のニーズの違いは今後も残る と考えています 6

幼保一体施設をつくることについて 幼保一体施設 ( 仮称 ) をつくることを すすめるべきだと思う割合は 施設調査が約 26% 保護者調査が約 42% 図表 9 幼保一体施設 ( 仮称 ) をつくることについて ( 幼稚園 保育所 地域 地域における幼稚園 保育所の統廃合別 ) 施設調査 保護者調査 n すすめるべきだと思う どちらかといえばすすめるべきだと思う どちらともいえない どちらかといえばすすめるべ きとは思わない すすめるべきとは思わない 無回答 すすめるべきと思う ( 計 ) すすめるべきとは思わない ( 計 ) 施設調査全体 547 11.2 15.4 24.1 19.0 27.8 2.6 26.6 46.8 幼稚園 247 10.1 15.8 23.5 20.2 28.7 1.6 25.9 48.9 保育所 274 9.9 14.2 24.5 18.2 29.6 3.6 24.1 47.8 北海道 東北 84 8.3 17.9 26.2 20.2 25.0 2.4 26.2 45.2 関東 160 10.6 10.6 26.9 20.6 29.4 1.9 21.2 50.0 中部 94 6.4 14.9 23.4 20.2 31.9 3.2 21.3 52.1 近畿 68 20.6 16.2 20.6 8.8 32.4 1.5 36.8 41.2 中国 四国 九州 沖縄 135 12.6 18.5 23.0 21.5 21.5 3.0 31.1 43.0 幼稚園 保育所廃止 統合なし 347 8.6 15.3 23.3 18.2 30.8 3.7 23.9 49.0 幼稚園 保育所廃止 統合あり 200 15.5 15.5 25.5 20.5 22.5 0.5 31.0 43.0 保護者調査全体 400 13.8 28.0 44.5 9.0 4.8-41.8 13.8 幼稚園 200 11.0 29.0 44.5 11.0 4.5-40.0 15.5 保育所 200 16.5 27.0 44.5 7.0 5.0-43.5 12.0 この調査では 幼児教育と保育を共に実施する施設を 幼保一体施設 ( 仮称 ) として 幼保一体施設をつくることに対する基本的な意識を尋ねている 政府の子ども 子育て新システムの法案で想定されている施設そのものではない 幼児教育と保育を共に実施する 幼保一体施設 ( 仮称 ) をつくることに対する賛否を尋ねました ( 図表 9) 施設調査では すすめるべきだと思う( すすめるべきだと思う + どちらかといえばすすめるべきだと思う ) と答えた割合は 26.6% すすめるべきとは思わない ( すすめるべきとは思わない + どちらかといえばすすめるべきとは思わない ) は 46.8% で 否定的な意見が多くなっています 幼保一体施設 を増やすことが 関東などに多い保育所の待機児童の解消につながるといわれています 地域別に 幼保一体施設 をつくることの賛否をみました肯定的な回答が比較的多いのは近畿であり 待機児童が多い関東では否定的な回答が多くなっていました 幼稚園 保育所の統廃合が行われた地域にある施設は そうでない地域の施設よりも肯定的な回答が多くなっています 保護者調査では すすめるべきだと思う割合が 41.8% すすめるべきとは思わないが 13.8% で 肯定的な意見が多くなっています 幼保一体施設をつくることに対して 幼稚園 保育所よりも保護者の方が肯定的です 7

幼保一体施設への移行について 直ちに移行を検討したい 幼稚園は 8.1% 0~2 歳児の保育も行うことができる幼稚園は 全体の約 1 割 図表 10 幼保一体施設 ( 仮称 ) がつくられた場合 自園は移行するか ( 幼保 地域別 ) 施設調査 n 直ちに移行を検討したい 移行を検討したい 当面移行は検討しない 移行を検わからな討するついもりはない 無回答 幼稚園 247 8.1 28.3 36.4 15.4 10.5 1.2 北海道 東北 38 5.3 34.2 31.6 13.2 13.2 2.6 関東 80 6.3 22.5 36.3 25.0 8.8 1.3 中部 55 10.9 10.9 54.5 9.1 12.7 1.8 近畿 28 14.3 35.7 35.7 14.3 - - 中国 四国 九州 沖縄 42 7.1 50.0 21.4 7.1 14.3 - 保育所 274 6.2 21.2 29.9 22.3 15.7 4.7 北海道 東北 44 2.3 27.3 20.5 22.7 22.7 4.5 関東 72 4.2 18.1 36.1 22.2 18.1 1.4 中部 36 13.9 16.7 25.0 16.7 19.4 8.3 近畿 36 11.1 25.0 30.6 19.4 8.3 5.6 中国 四国 九州 沖縄 84 4.8 21.4 32.1 25.0 11.9 4.8 図表 11 幼保一体施設 ( 仮称 ) へ移行する場合 0~2 歳児の保育も行うことができるか ( 全体 幼保別 ) 施設調査 できる 検討する 難しい わからない非該当 全体 29.5 9.4 16.2 2.6 42.4 幼稚園 10.9 15.8 34.4 4.5 34.4 保育所 43.4 4.0 1.1 0.7 50.7 注 : 図表 11 に無回答で 図表 10 の問において幼保一体施設 ( 仮称 ) に移行する意向がないと回答した施設は 非該当 とした 幼保一体施設がつくられた場合 自園が移行するか否かを尋ねました 直ちに移行を検 討したい と答えた施設は 幼稚園の 8.1% 保育所の 6.2% と少なくなっています ( 図表 10) 移行を検討したい は 幼稚園が 28.3% 保育所が 21.2% でした 幼保 地域別にみると 幼保一体施設 ( 仮称 ) への移行に比較的積極的であるのは 幼稚園では中国 四国 九州 沖縄と近畿 保育所では近畿でした 幼保一体施設 ( 仮称 ) へ移行する場合 0~2 歳児の保育も行うことができるかを尋ねました 図表 11 の回答の分母は全施設であり 幼保一体施設 ( 仮称 ) へ移行する意向のないと回答した施設は 非該当 としました 保育所は (0~2 歳児の保育を ) できる と回答した割合が約 4 割です 幼稚園では できる と回答した割合は全体の約 1 割 であり 難しい が 34.4% にのぼっています 8

幼保一体施設をつくることの効果 施設調査では 0~2 歳児の待機児童減少 が約 4 割待機児減少の効果があるとみる保護者は 3 分の 1 図表 12 幼保一体施設 ( 仮称 ) を導入して 既存の幼稚園と保育所の一部または全部が移行するとした場合 どのような効果があると思うか< 複数回答 >( 全体 幼保別 ) 施設調査 全体 幼稚園 保育所 0~2 歳児の待機児童減少 38.6 41.7 33.2 家庭に対する育児支援強化 30.7 35.2 25.2 施設の効率利用 24.3 23.9 23.4 幼児教育の強化 20.1 17.4 21.2 3~5 歳児の待機児童減少 19.2 27.1 10.9 幼稚園 保育所の経営安定 11.0 16.2 4.4 子ども集団つくり 10.1 8.5 10.2 その他 9.7 10.9 8.8 特にない 19.7 15.8 24.8 無回答 6.9 7.3 6.9 図表 13 幼保一体施設 ( 仮称 ) を増やすことによる効果 保護者調査 0% 20% 40% 60% 80% 100% 待機児童の減少 31.3 34.3 34.5 幼児教育の向上 23.3 39.5 37.3 そう思うそうは思わないわからない 幼保一体施設 ( 仮称 ) を導入して 既存の幼稚園と保育所の一部または全部が移行するとした場合 どのような効果があるかを尋ねました 施設調査では 0~2 歳児の待機児童減少 をあげた割合は 38.6% で 以下 家庭に対する育児支援強化 (30.7%) 施設の効率利用 (24.3%) です ( 図表 12) 幼保別にみると 幼稚園の方が 0~2 歳児の待機児童減少 家庭に対する育児支援強化 3~5 歳児の待機児童減少 などをあげた割合が高くなっています 保護者調査をみると 幼保一体施設 ( 仮称 ) を増やすことが 保育所の待機児童を減らすことにつながるか否かという点については そう思う そうは思わない わからない の回答が約 3 分の1ずつに分かれています ( 図表 13) 幼児教育の水準を高めることにつながるか否かという点については そうは思わない が約 4 割で そう思う と答えたもののおよそ倍でした 9

幼保一体施設を導入する際の不安 懸念 十分な財源が確保されない 教員 保育士の負担増 幼児教育も保育も中途半端に という不安 懸念が多い 図表 14 幼保一体施設 ( 仮称 ) を導入し 移行する際の不安や懸念 < 複数回答 >( 全体 幼保別 ) 施設調査 全体 幼稚園 保育所 十分な財源が確保されない 52.3 47.4 58.4 教員 保育士の負担増 47.0 55.9 40.1 幼児教育も保育も中途半端に 38.4 47.4 31.4 教員 保育士の確保難 31.3 32.8 29.6 保護者が混乱 29.4 26.3 31.0 自主的な幼児教育 保育の余地が狭まる 29.3 41.7 18.6 保育量がそれほど増えない 4.8 2.0 7.7 その他 10.4 13.0 7.7 特にない 5.9 2.4 8.8 無回答 4.0 3.6 4.4 施設調査において 幼保一体施設 ( 仮称 ) を導入し 移行する際の不安や懸念を尋ねました 最も多くあげられた不安は 十分な財源が確保されない (52.3%) であり ついで 教員 保育士の負担増 幼児教育も保育も中途半端に の割合が高くなっています ( 図表 14) 幼保別にみると 幼稚園の方が 自主的な幼児教育 保育の余地が狭まる 幼児教育も保育も中途半端に 教員 保育士の負担増 をあげた割合が高く 保育所の方が 十分な財源が確保されない をあげた割合が高くなっています 10

保育所の待機児童を減らすために必要な施策 施設調査では 保育所 (0~2 歳児 ) の増設 保育園が 0~2 歳児 幼稚園が 3~5 歳児に特化 保護者調査では 保育所 (0~5 歳児 ) の増設 保育所 (0~2 歳児 ) の増設 幼稚園の預かり保育の拡充 図表 15 保育所の待機児童を減らすために必要な施策 < 複数回答 > 施設調査 保護者調査 0 20 40 60 (%) 幼保一体施設の増設 保育所 (0~5 歳児 ) の増設 保育所 (0~2 歳児 ) の増設 小規模保育の推進 幼稚園の預かり保育の拡充 保育園が 0~2 歳児 幼稚園が 3~5 歳児に特化 その他 特にない 無回答 16.8 28.5 24.1 32.5 39.0 18.8 16.3 25.2 34.8 27.6 16.3 11.5 2.8 施設調査保護者調査 3.1 6.5 5.5-57.8 保育所の待機児童を減らすために必要な施策を尋ねました 施設調査と保護者調査では結果は異なります 施設調査では 保育所 (0~2 歳児 ) の増設 (32.5%) 保育園が0~2 歳児 幼稚園が3~5 歳児に特化 (27.6%) をあげた割合が高くなっています ( 図表 15) 保護者調査では 保育所 (0~5 歳児 ) の増設 保育所 (0~2 歳児 ) の増設 をあげた割合が高くなっています 幼稚園の預かり保育の拡充 をあげた割合も 34.8% と比較的高くなっています 幼保一体施設の増設 をあげた割合は いずれの調査でも低いですが 施設よりも保護者の方が待機児童対策として効果があると考えています 11

子育てにおける不安 負担 子育て全般の経済的な負担が重いこと 通っている幼稚園 保育所にかかる費用 が各 3 分の 1 強 図表 16 子育てにおける不安 負担 < 複数回答 >( 全体 幼保別 ) 保護者調査 全体 幼稚園 保育所 子育て全般の経済的な負担が重いこと 36.5 36.0 37.0 通っている幼稚園 保育所にかかる費用 35.0 39.0 31.0 子育てにともなう心身の負担が重いこと 23.0 21.5 24.5 仕事と子育ての両立が時間的に難しいこと 22.0 16.5 27.5 子どもの安全 22.0 24.5 19.5 通っている幼稚園 保育所が子どもを預かる時間の短さ 16.5 25.0 8.0 仕事の負担が重いこと 15.3 9.0 21.5 一緒に子育てをする友人 仲間が少ないこと 14.0 13.5 14.5 近くに子ども向けの医療機関が少ないこと 11.8 9.0 14.5 通っている幼稚園 保育所の教育 7.5 8.0 7.0 その他 2.0 2.0 2.0 特にない 19.0 21.5 16.5 保護者調査において子育てにおける不安 負担を尋ねました 子育て全般の経済的な負担が重いこと 通っている幼稚園 保育所にかかる費用 が各 3 分の1 強です ( 図表 16) 以下 子育てにともなう心身の負担が重いこと (23.0%) 仕事と子育ての両立が時間的に難しいこと (22.0%) 子どもの安全 (22.0%) などが続きます 幼保別にみると 子育て全般の経済的な負担が重いこと をあげた割合は 幼稚園と保育所の保護者でほとんど変わりません 幼稚園の保護者の方が 通っている幼稚園 保育所が子どもを預かる時間の短さ の割合が比較的高く 保育所の保護者の方が 仕事の負担が重いこと 仕事と子育ての両立が時間的に難しいこと をあげた割合が比較的高くなっています 12

優先的に実施してほしい子育て支援 子どもをもつ家庭への経済支援 幼児教育にかかる費用の軽減 を求める保護者が多い 図表 17 優先的に実施してほしい子育て支援 <5つまで選択 > 保護者調査 0 10 20 30 40 50 (%) 乳幼児の医療費の軽減 30.8 不妊治療への助成 13.3 子どもをもつ家庭への経済支援 48.0 幼保一体施設の増設 11.0 保育所の数や定員の増加 29.8 幼児教育にかかる費用の軽減 46.0 延長保育の充実休日の保育の実施 17.3 17.8 子どもが病気のときに預かる保育の普及 41.5 一時保育の普及 20.5 小学校の学童保育 放課後クラブの拡充 35.3 子育ての相談サービスの充実 4.5 育児休業の取得促進 14.8 就学前の子をもつ者が利用できる短時間勤務の普及 40.5 高校の授業料の無償化 30.0 その他特にない 1.0 2.0 保護者調査において 優先的に実施してほしい子育て支援を尋ねました 子どもをもつ家庭への経済支援 ( 48.0%) 幼児教育にかかる費用の軽減 (46.0%) という経済的な支援を求める意見が多くなっています ( 図表 17) 次いで 子どもが病気のときに預かる保育の普及 (41.5%) 就学前の子をもつ者が利用できる短時間勤務の普及 (40.5%) が多くなっています 施設にかかわるものについてみると 保育所の数や定員の増加 は約 3 割であるのに対して 幼保一体施設の増設 をあげた割合は約 1 割と少ないものでした 13

研究員のコメント 本調査は 幼稚園 保育所の現場及びその保護者の目線から 幼保及び幼保一体施設のあり方についての基本的な意識を調べたものです 現在政府は幼保一体化をすすめるための法案を提出しており これが可決されれば幼保一体施設が設置されます また法案が成立しない場合も これまでにも幼保一体化に関する検討がなされてきたことをふまえれば わが国において幼保一体化の検討は今後も課題としてあり続けるとみられます 本調査から 幼保一体化の進め方について次のような結果がえられました 第一に 幼児教育と保育の両方を提供する幼保一体施設に対する保護者のニーズはあり それにこたえるためにもこの施設をつくる必要があるといえます 幼保一体施設に移行する意向のある幼稚園 保育所はあります 特に子ども数が減っている地方において 施設を有効活用するためにも 幼保一体施設をつくる意義があるといえます 第二に 幼保一体施設をつくる場合 既存の幼稚園 保育所 幼保一体施設が並存する状態が現実的です 施設側も保護者側も幼保一体施設をつくるからといって 全てが幼保一体施設になることを望んでいません この背景には 短時間の幼児教育を求めるニーズと長時間の保育を求めるニーズという保護者のニーズの違いは今後も残るとみられるほか 既存の幼稚園と保育所の教育 保育内容及び施設の差も大きいことがあげられます 幼稚園 保育所のうち積極的に幼保一体施設に移行する希望がある施設も多くはなく 幼保一体施設においては 幼児教育も保育も中途半端になる ということも懸念されています 第三に 幼保一体施設をつくり 既存の幼稚園のうち希望する園を移行させるかたちにした場合 それが待機児童対策になる効果は限定的なものになりそうです 厚生労働省の調べによると保育所の待機児童は関東などの都市部で多いですが 関東の幼稚園のうち幼保一体施設に移行する意向のある園は少なく また待機児童の大半を占める0~2 歳児の保育を行うことができる園も少ないためです この点をふまえると 待機児童対策のためには 大都市部の0~2 歳の保育を行う施設を別途増やすなどすることが必要です 第四は 既存の幼稚園と保育所の機能拡充です 既に私立幼稚園では 大半が預かり保育をしています 預かり保育を 18 時まで実施する園を増やせば 母親が短時間勤務や非正規雇用者の家庭の子どもを 時間的に十分保育することができることになります そうなれば 3 歳児以上の待機児童の多くを幼稚園の受入で解消することが可能になります 第五に 現在の政府案では 消費増税の 0.7 兆円分に 0.3 兆円分を加えた合計 1 兆円を幼保一体施設の拡充や子育て支援施設の拡充等にあてることになっています しかし 子育てをする家庭が優先的に求めている支援は保育政策だけではないようです 子育て支援を前進させるには 追加財源をすべて幼保一体化や保育の拡充に費やすのではなく 子どもに対する手当の充実や幼児教育の費用の軽減などニーズの高い政策にも配分することが必要であるとみられます ( 研究開発室主席研究員松田茂樹 ) 14