企業中小企(2) 所得拡大促進税制の見直し ( 案 ) 大大企業については 前年度比 以上の賃上げを行う企業に支援を重点化した上で 給与支給総額の前年度からの増加額への支援を拡充します ( 現行制度とあわせて 1) 中小企業については 現行制度を維持しつつ 前年度比 以上の賃上げを行う企業について

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法人会の税制改正に関する提言の主な実現事項 ( 速報版 ) 本年 1 月 29 日に 平成 25 年度税制改正大綱 が閣議決定されました 平成 25 年度税制改正では 成長と富の創出 の実現に向けた税制上の措置が講じられるともに 社会保障と税の一体改革 を着実に実施するため 所得税 資産税についても

研究開発投資にかかる政府目標 安倍政権が 新 3 本の矢 の 1 つとして掲げた 2020 年頃の名目 GDP600 兆円達成 の目標や 日本再興戦略 2016( 閣議決定 ) 等に基づく 今後 5 年間での民間企業の研究開発投資の対 GDP 比 3% 目標の達成には 民間企業の研究開発投資を年平均

2. 中小企業のための主な優遇制度 注 : 各項目に付記している番号は 関連する参考資料です 番号に対応する資料名などは 5~6 ページに掲載していますのでご参照ください [1] 中小法人等 に適用される主な優遇制度 紙面の都合により ここでは制度の種類と それに関連する参考資料の番号を紹介していま

改正前改正案速報 5. 改正の内容 (1) 研究開発税制の見直し ( 大企業の場合 ) 総額型 上乗せ措置 税額控除額 = 試験研究費の総額 税額控除率 (6%14%: 試験研究費の増減割合に応じて ) 控除上限額 法人税額 25% 高水準型 税額控除額 = 試験研究費の額のうち平均売上金額 10%

平成 31 年度 税制改正の概要 平成 30 年 12 月 復興庁

1 設備投資をして生産性を高めたい! ~ 中小企業経営強化税制の創設 ~ ~ 固定資産税特例の拡充 ~ 利用できるのは 法 人 個人事業主 法人税 所得税固定資産税 省力化のため セルフレジ ( 複数台合計で約 1,500 万円 ) を導入したい! 何か使える支援策はないかしら? 経営力を向上させる

注 1 認定住宅とは 認定長期優良住宅及び認定低炭素住宅をいう 注 2 平成 26 年 4 月から平成 29 年 12 月までの欄の金額は 認定住宅の対価の額又は費用の額に含まれる消費税等の税率が 8% 又は 10% である場合の金額であり それ以外の場合における借入限度額は 3,000 万円とする

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平成30年3月決算における税務上の留意事項

3. 住宅税制 消費税率の引上げに伴う一時の税負担の増加による影響を平準化し 及び緩和する観 点から 住宅税利について以下のとおり所要の措置を講じます 住宅ローン減税を平成 26 年 1 月 1 日から平成 29 年末まで 4 年間延長し その期間のうち平成 26 年 4 月 1 日から平成 29

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(2) 青色申告書を提出する中小企業者等 ( 平成 3 年 4 月 日以後開始する事業年度については 適用除外事業者 ( 注 4) を除く ) が 平成 30 年 4 月 日から平成 33 年 3 月 3 日までの間に開始する各事業年度において 国内雇用者に対して給与等を支給する場合に継続雇用者給与

総論 地方拠点強化税制とは? 税制等の支援措置を受けるためには? 3ページ 4ページ 拡充型事業とは? 5 ページ 移転型事業とは? 6 ページ 目次 各論 ステップ 1 ( 整備計画 ) 本社機能とは? どのような支援措置があるの? 支援のメリットについて整備計画の認定はいつまでに受ければいいの?

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新今回の要望に合関理連性する事項設 拡充又は延長を必要とする理中小企業は地域の経済や雇用を支え 我が国経済全体を発展させる重要な役割を担っている 中小企業の設備投資を促進し 成長の底上げに不可欠な設備や IT 化等への投資の加速化や生産性の向上を図る ⑴ 政策目的 ⑵ 施策の必要性 昨今の中小企業の

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スライド 1

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法人税 faq

平成 28 年度税制改正の概要 1. 復興特区関係 * (1) 機械等に係る特別償却等の特例措置の5 年延長及び要件の緩和 * 要件緩和 : 建築物整備事業 ( テナント建物 ) の構造要件について まちなか再生計画に位置付けられた場合には 非耐火構造でも対象となるよう緩和 (2) 被災雇用者等を雇

Ⅰ 法人関連税制 1 減価償却制度 2 年連続の大改正になった背景 減価償却制度については 平成 19 年度税制改正により 残存価額および償却可能限度額の取扱いが廃止される大改正が行われ 定率法はいわゆる 250% 定率法 と呼ばれる従来にない新しい計算の仕組みが採用されました そして平成 20 年

「図解 外形標準課税」(仮称)基本構想

改正 ( 事業年度の中途において中小企業者等に該当しなくなった場合等の適用 ) 42 の 6-1 法人が各事業年度の中途において措置法第 42 条の6 第 1 項に規定する中小企業者等 ( 以下 中小企業者等 という ) に該当しないこととなった場合においても その該当しないこととなった日前に取得又

改正された事項 ( 平成 23 年 12 月 2 日公布 施行 ) 増税 減税 1. 復興増税 企業関係 法人税額の 10% を 3 年間上乗せ 法人税の臨時増税 復興特別法人税の創設 1 復興特別法人税の内容 a. 納税義務者は? 法人 ( 収益事業を行うなどの人格のない社団等及び法人課税信託の引

1 特別償却の適用例 コネクテッド インダストリーズ税制 (IoT 税制 ) よくあるご質問補足資料 例 ) a. 5,000 万円の課税対象設備を購入 ( 対象設備の法定耐用年数は 5 年とする ただし の計算法は 定額法 とする ) 5,000 万円 5 年 = 1000 万円 b. 当年度で

要件① 雇用者給与等・・・・ (ざっくり) 平成24年度の給与総額と比べて、平成25年以降毎年、一定割合以上給与総額が増えていること。 <雇用者給与等支給額とは> <一定割合とは>

Q10 適用年度の前事業年度末日に雇用者がいない場合には 雇用増加割合が算出できないため 適用年度において雇用促進税制の適用を受けることはできないのか Q11 新設法人や新たに事業を開始した個人事業主は いつから雇用促進税制の適用を受けることができるのか Q12 法人が適用年度において決算期変更を行

雇用促進税制に関する Q&A 雇用促進税制について Q1 雇用促進税制とはどのような制度か ( 平成 28 年 4 月 1 日現在 ) Q2 雇用促進税制の適用要件を一度でも満たした場合には その後 適用年度中であれば継続して雇用促進税制の適用を受けることができるのか Q3 雇用者の採用を複数回に分

2017年度税制改正 年度税制改正

住宅取得等資金の贈与に係る贈与税の非課税制度の改正

商業 サービス業環境関連投資得拡大各要件の計算方法 まず 前事業年度 の つの事業年度について確認します 月末決算の会社の場合 月末以外の決算の場合 平成 年 大企業の場合 ( 月末以外の決算 ) 適用 1 年目 平成 年 平成 年 平成 年 < 要件 1> 雇用者給与等支給額がより一定割合増加して

労働基準法が改正されます

スライド 1

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5 配偶者控除等 配偶者控除 配偶者特別控除 扶養控除及び勤労学生控除の合計所得金額の要件 について 一律 10 万円ずつ引き上げられます 6 青色申告特別控除正規の簿記の原則により記帳している者に係る控除額が 55 万円に引き下げられ 正規の簿記の原則により記帳し かつ e5tax 等により確定申

税額控除限度額の計算この制度による税額控除限度額は 次の算式により計算します ( 措法 42 の 112) 税額控除限度額 = 特定機械装置等の取得価額 税額控除割合 ( 当期の法人税額の 20% 相当額を限度 ) 上記算式の税額控除割合は 次に掲げる区分に応じ それぞれ次の割合となります 特定機械

下では特別償却と対比するため 特別控除については 特に断らない限り特定の機械や設備等の資産を取得した場合を前提として説明することとします 特別控除 内容 個別の制度例 特定の機械や設備等の資産を取得して事業の用に供したときや 特定の費用を支出したときなどに 取得価額や支出した費用の額等 一定割合 の

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(1) 改正の内容 内容 現行制度 特例制度 納税猶予対象株式 納税猶予税額 発行済議決権株式総数の 3 分の 2 に達するまでの株式 贈与の場合 : 納税猶予対象株式に係る贈与税の全額 相続の場合 : 納税猶予対象株式に係る相続税の 80% 取得した全ての株式 贈与の場合 : 納税猶予対象株式に係

平成18年度地方税制改正(案)について

平成30年3月期決算の留意事項(税務)

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HPのトップページ更新原稿

平成23年度税制改正大綱(閣議決定)における要望実現項目

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平成23年度税制改正の主要項目

平成20年2月

資料8-2 平成29年度文部科学関係税制改正事項

新設 拡充又は延長を必要とする理由25-2 ⑴ 政策目的 中小企業は地域の経済や雇用を支え 我が国経済全体を発展させる重要な役割を担っている 中小企業の設備投資を促進し 成長の底上げに不可欠な設備やIT 化等への投資の加速化や生産性の向上を図る ⑵ 施策の必要性昨今の中小企業の業況は持ち直しつつある

1 検査の背景 (1) 租税特別措置の趣旨及び租税特別措置を取り巻く状況租税特別措置 ( 以下 特別措置 という ) は 租税特別措置法 ( 昭和 32 年法律第 26 号 ) に基づき 特定の個人や企業の税負担を軽減することなどにより 国による特定の政策目的を実現するための特別な政策手段であるとさ

障財源化分とする経過措置を講ずる (4) その他所要の措置を講ずる 2 消費税率の引上げ時期の変更に伴う措置 ( 国税 ) (1) 消費税の軽減税率制度の導入時期を平成 31 年 10 月 1 日とする (2) 適格請求書等保存方式が導入されるまでの間の措置について 次の措置を講ずる 1 売上げを税

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所得税法等の一部を改正する法律案 について 平成 31 年 2 月財務省 消費税率の引上げに際し 需要変動の平準化等の観点から 住宅と自動車に対する税制上の支援策等を講ずるとともに デフレ脱却と経済再生を確実なものとするため 研究開発税制の見直し等を行う あわせて 国際的な租税回避により効果的に対応

平成 28 年 12 月 農林水産省 平成 29 年度税制改正主要事項 1. 新規 拡充事項 (1) 生産資材価格の引下げ及び農産物の流通加工構造の改革のための法整備を前提とした次の措置の創設 ( 所得税 法人税 登録免許税 ) 1 同法の認定を受けた事業再編事業者が事業再編計画に記載された機械装置

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公益法人の寄附金税制について

Q1 法人事業税の負担変動の軽減措置とは どのような制度ですか? A. 平成 27 年度税制改正により導入された 外形標準課税の拡大 ( 所得割の税率引き下げ及び付加価値割 資本割の税率引き上げ ) によって生じる税負担の変動の影響を緩和する措置で 付加価値額が一定以下の法人を対象に税負担の増加につ

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サービス業 5 千万円以下 100 人以下政令指定業種固定資産税のゼロ特例や国補助金の優先採択を受けることができます! 1 先端設備等導入計画 の概要 中小企業等が 計画期間内に 労働生産性を一定程度向上させるため 先端設備等を導入する計画を策定し その計画が北九州市の 導入促進基本計画 等に合致す

事業承継税制の概要 事業承継税制は である受贈者 相続人等が 円滑化法の認定を受けている非上場会社の株式等を贈与又は相続等により取得した場合において その非上場株式等に係る贈与税 相続税について 一定の要件のもと その納税を猶予し の死亡等により 納税が猶予されている贈与税 相続税の納付が免除される

(1) 相続税の納税猶予制度の概要 項目 納税猶予対象資産 ( 特定事業用資産 ) 納税猶予額 被相続人の要件 内容 被相続人の事業 ( 不動産貸付事業等を除く ) の用に供されていた次の資産 1 土地 ( 面積 400 m2までの部分に限る ) 2 建物 ( 床面積 800 m2までの部分に限る

平成 31 年度 税制改正 平成 31 年 4 月 財務省

試験研究費 9,, 7,, Check7 14,, 14,, Check8 7,, 2,, 14,, 6,, 6,, 税務弘報

経営強化法の執行について

4. 附加価値への試みと挫折 現行事業税へ昭和 24 年 (1949 年 ) 第一次シャウプ勧告事業税の課税標準について 原料等 他の事業から購入したものの価値に その企業が附加したところの額である とし 課税標準を事業の所得によるのではなく 附加価値を採用すべきである旨勧告昭和 25 年 (194

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はじめに 会社の経営には 様々な判断が必要です そのなかには 税金に関連することも多いでしょう 間違った判断をしてしまった結果 受けられるはずの特例が受けられなかった 本来より多額の税金を支払うことになってしまった という事態になり 場合によっては 会社の経営に大きな影響を及ぼすこともあります また

て 1.6 兆円程度の減税措置を講じることになります なお このうち 昨年 10 月に消費税率引上 げに伴う対応として決定した税制措置による減収額は 国 地方合わせて 1 兆円程度になります ( 参考 ) 平成 26 年度の税制改正 ( 内国税関係 ) による増減収見込額 ( 単位 : 億円 ) 改

中小企業等経営強化法の概要

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研究開発税制の概要

平成 31 年度 税制改正 ( 案 ) のポイント このパンフレットは 平成 31 年度税制改正の大綱 ( 平成 30 年 12 月 21 日閣議決定 ) 及び 所得税法等の一部を改正する法律案 ( 平成 31 年 2 月 5 日閣議決定 ) の内容を分かりやすくまとめたものです 法案成立前の内容で

【表紙】

2. 改正の趣旨 背景給与所得控除 公的年金等控除から基礎控除へ 10 万円シフトすることにより 配偶者控除等の所得控除について 控除対象となる配偶者や扶養親族の適用範囲に影響を及ぼさないようにするため 各種所得控除の基準となる配偶者や扶養親族の合計所得金額が調整される 具体的には 配偶者控除 配偶

目次 平成 29 年度 Chapter 1 個人所得課税 資産課税 3 (1) 配偶者控除 配偶者特別控除の見直し (2) 積立 NISA の創設 (3) 事業承継税制の見直し (4) 国外財産に対する相続税等の納税義務の範囲の見直し Chapter 2 法人課税 6 (1) 研究開発税制の見直し

Microsoft Word - FP2級法改正情報 doc

目 次 問 1 法人税法における当初申告要件及び適用額の制限に関する改正の概要 1 問 2 租税特別措置法における当初申告要件及び適用額の制限に関する改正の概要 3 問 3 法人税法における当初申告要件 ( 所得税額控除の例 ) 5 問 4 法人税法における適用額の制限 ( 所得税額控除の例 ) 6

給与所得控除額の改正前後の比較 改正前 改正後 給与等の収入金額給与所得控除額給与等の収入金額給与所得控除額 180 万円以下 収入金額 40% 65 万円に満たない場合は 65 万円 180 万円以下 収入金額 40%-10 万円 55 万円に満たない場合は 55 万円 180 万円超 360 万

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1. はじめに 中小企業経営者の高齢化が進展する中 事業承継の円滑化は喫緊の課題です 平成 30 年度税制改正において 事業承継の際に生ずる相続税 贈与税の負担を軽減する 非上場株式等についての相続税及び贈与税の納税猶予及び免除の特例 ( 以下 事業承継税制 ) が抜本的に改正されました 本改正では

1 繰越控除適用事業年度の申告書提出の時点で判定して 連続して 提出していることが要件である その時点で提出されていない事業年度があれば事後的に提出しても要件は満たさない 2 確定申告書を提出 とは白色申告でも可 4. 欠損金の繰越控除期間に誤りはないか青色欠損金の繰越期間は 最近でも図表 1 のよ

収益事業開始届出 ( 法人税法第 150 条第 1 項 第 2 項 第 3 項 ) 1 収益事業の概要を記載した書類 2 収益事業開始の日又は国内源泉所得のうち収益事業から生ずるものを有することとなった時における収益事業についての貸借対照表 3 定款 寄附行為 規則若しくは規約又はこれらに準ずるもの

目 次 < 子ども 子育て > 1 < 健康 医療 > 2 < 医療保険 > 4 < 介護 > 4 < 雇用 > 5 < 年金 > 5 < 生活衛生 > 5 < その他 > 7 * 印を付している項目は他省庁が主管で要望をしている項目

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以下本人の給与収入速報 平成 29 年度税制改正解説所得課税 ~ 配偶者控除及び配偶者特別控除の見直し 2 配偶者の給与収入が 万円超 15 万円以下の場合の改正案の控除額及び改正前後の影響について 配偶者特別控除 配偶者の給与収入 万円超 15 万円 15 万円以上 11 万円 11 万円以上 1

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平成 30 年度改訂版 事務所 研究所 研修所の新増設 賃借等が対象です 税制措置以外にも金融支援措置等があります 内閣府地方創生推進事務局

今般の法人税改革のポイント 今般の法人税改革は 法人課税を成長志向型の構造に変えるもの より広く負担を分かち合い 稼ぐ力 のある企業や企業の計上に前向きな企業の税負担を軽減する 企業の収益力改善に向けた投資や新たな技術開発等への挑戦がより積極的になり それが成長につながっていく 改革を通じて 企業が

6 課税上の取扱い日本の居住者又は日本法人である投資主及び投資法人に関する課税上の一般的な取扱いは 下記のとおりです なお 税法等の改正 税務当局等による解釈 運用の変更により 以下の内容は変更されることがあります また 個々の投資主の固有の事情によっては異なる取扱いが行われることがあります (1)

Ⅲ.( 見直し ) 基礎控除基礎控除について 次の見直しを行う 1 控除額を一律 10 万円引き上げる 2 合計所得金額が 2,400 万円を超える個人についてはその合計所得金額に応じて控除額が逓減し 合計所得金額が 2,500 万円を超える個人については基礎控除の適用はできないこととする 上記の見

消費税率引上げ時期の変更に伴う税制上の措置

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の各種税制優遇を受けやすくする見直しが行われ 入居までに耐震基準に適合するという証明があれば 1 住宅ローン減税 2 住宅取得資金に関する贈与税の非課税措置 3 中古住宅に関する不動産取得税の特例措置の適用が可能となる 耐震基準に適合しない中古住宅を取得し 耐震改修工事を実施した後に入居するような場

地方創生応援税制 ( 企業版ふるさと納税 ) の運用改善 ( 別紙 1) 平成 31 年度税制改正 企業版ふるさと納税の一層の活用促進を図るため 企業や地方公共団体からの意見等を踏まえ 徹底した運用改善を実施する 地方創生関係交付金と併用する地方公共団体へのインセンティブ付与 地方創生関係交付金の対

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2 法人課税 (1) 研究開発税制の見直し ( 案 ) 研究開発投資に係る政府目標の達成に向け 研究開発投資の増加インセンティブを強化するなど 研究開発税制を抜本的に見直します 1 総額型の税額控除率の見直し ( 案 ) 現行の総額型が 企業の研究開発投資の一定割合を単純に減税する形となっている構造を見直し 試験研究費の増減に応じた税額控除率とします 総額型 ( 税額控除率 ) 現行 20% 税額控除率 8 10% ( 中小法人 1) 試験研究費の増減に応じ 6% 14% ( 中小法人 :12 17% ) より高いインセンティブ 14% ( 上限 ) 10% 9% 法人税額の 25% ( 一般試験研究費 ) 6% ( 下限 ) 控除限度額 法人税額の 25% ( 一般試験研究費 ) * 中小法人 :10% 上乗せ ( 増加率 5% 超の場合 ) 上記の総額型の改正に伴い 増加型を廃止 高水準型については その適用期限を2 年延長 2 年間の時限措置総額型の控除率については大法人 :10% 超中小法人 :1 超の部分 * 試験研究費が平均売上金額の 10% 超の場合 :0 10% 上乗せ ( 高水準型との選択 ) 政府目標 ( ) に整合的な増加率 0% -35% -25% -15% -5% 5% 15% 25% 35% ( 試験研究費の増加率 ) ( ) 官民の研究開発投資を2020 年に対 GDP 比 4% 以上 ( 民間については同 ) とする目標 2 試験研究費へのサービス開発の追加 ( 案 ) IoT ビッグデータ 人工知能等を活用した 第 4 次産業革命 による新たなビジネスの創出を後押しする観点から 研究開発税制の対象にビックデータ等を活用した 第 4 次産業革命型 のサービス開発を新たに追加します 試験研究費の定義 ( 現行制度 ) 製品の製造 技術の改良 考案 発明にかかる試験研究のために要する費用 第 4 次産業革命型のサービス開発を追加 センサー等による自動的なデータの収集 専門家による情報解析技術を用いた分析 新たなサービスの開発 3 オープンイノベーション型の運用改善 ( 案 ) 共同研究 委託研究等のオープンイノベーション型の利用促進を図るため 対象費目の拡大や手続きの簡素化など 要件を緩和します 4

企業中小企(2) 所得拡大促進税制の見直し ( 案 ) 大大企業については 前年度比 以上の賃上げを行う企業に支援を重点化した上で 給与支給総額の前年度からの増加額への支援を拡充します ( 現行制度とあわせて 1) 中小企業については 現行制度を維持しつつ 前年度比 以上の賃上げを行う企業について 給与支給総額の前年度からの増加額への支援を大幅に拡充します ( 現行制度とあわせて 2) 現行 1 給与等支給総額 : 平成 24 年度から一定割合以上増加 2 給与等支給総額 : 前事業年度以上 3 平均給与等支給額 : 前事業年度を上回る 税額控除 給与等支給総額の 24 年度からの増加額の 10% 要件 1 の増加要件割合 1 2 変更なし 3 平均給与等支給額 : 前年度比 以上増の要件に変更 税額控除 給与等支給総額の24 年度からの増加額に対する10% の税額控除に加え 前年度からの増加額について の税額控除を上乗せ 合計 1 1 控除 4% 5% 4% 5% 1 3 同上 但し1 の増加割合は以下の通り 税額控除 給与等支給総額の 24 年度からの増加額の 10% 業5 要件 1 の増加要件割合 1 3 変更なし 税額控除 給与等支給総額の24 年度からの増加額に対する10% の税額控除に加え 平均給与等支給額が前年度比 以上増の場合は 給与等支給総額の前年度からの増加額について 1 の税額控除を上乗せ 合計 2 ( 賃上げ率 以上の場合 ) 2 控除

(3) コーポレートガバナンス改革 事業再編の環境整備 1 法人税の申告期限の見直し ( 案 ) 企業と投資家の対話の充実を図るための株主総会の開催日の柔軟な設定のための環境整備として 法人税の申告期限を事業年度終了から最大 6ヶ月後まで延長可能とします ( 現行は最大 3ヶ月後まで ) 2 役員給与に係る税制の整備 ( 案 ) 株価や中長期的な業績を反映した役員給与制度による経営者へのインセンティブ付与のための環境整備として 役員給与の損金算入対象を拡大 ( 株価連動給与等 ) します 3 組織再編税制の見直し ( 案 ) 企業の機動的な事業再編を可能とするための環境整備として 上場企業内の事業部門の分社化 ( スピンオフ ) の際の譲渡損益の課税を繰り延べる等 組織再編税制を整備します (4) 中堅 中小企業の支援 1 地域経済を牽引する企業向けの投資促進税制の創設 ( 案 ) 地域経済を牽引する事業者による 地域経済に波及効果のあり 高い先進性を有する新たな事業への挑戦を促すため 地域経済牽引事業の促進による地域の成長発展の基盤強化に関する法律に基づく投資促進税制を創設します 事業計画が地域の強みを活かした 地域経済に対して高い波及効果があること等の要件を満たすものとして都道府県の承認を受けていること 先進性を有する事業であることについて国の確認を受けていること 承認された事業計画に基づいて行う設備投資の合計額が2,000 万円以上であること等 措置の内容 対象設備 特別償却 税額控除 機械装置 器具備品 40% 4% 建物等 構築物 20% * 取得価額 100 億円を限度 6

2 中小企業投資促進税制等の拡充等 ( 案 ) 中小企業の 攻めの投資 を後押しするとともに 我が国の GDP の約 7 割を占めるサービス産業の生産性の向上を図るため 中小企業投資促進税制の上乗せ措置を改組し 中小企業経営強化税制を創設した上で 対象設備を拡充し これまでの上乗せ措置において対象外であった器具備品 建物附属設備を追加します ( 適用期限は2 年間 ) 中小企業投資促進税制 商業 サービス業 農林水産業活性化税制の適用期限を2 年延長します 中小企業経営強化税制 中小企業経営強化法の認定計画に基づく設備投資を対象とする 拡充部分 即時償却税額控除 7or10% 生産性向上設備 旧モデルと比べて生産性* が年平均 1% 以上改善する設備 * 例 : 省エネ効率 収益力強化設備 投資収益率が5% 以上の投資計画に係る設備 特別償却 30% 税額控除 7% 中小企業投資促進税制 商業 サービス業 農林水産業活性化税制 資本金 3000 万円以下の法人に適用 車両等ソフトウェア機械装置 工具 * * 測定工具 検査工具 器具備品 建物附属設備 税額控除の上限額 中小企業経営強化税制 中小企業投資促進税制 商業 サービス業 農林水産業活性化税制を合わせ 法人税額の 20% とする 中小企業投資促進税制 中小企業者等が 特定機械装置等の取得等をした場合に 30% の特別償却又は 7% の税額控除ができる制度 商業 サービス業 農林水産業活性化税制 商業 サービス業 農林水産業を営む中小企業者等が 経営改善のために店舗改修などの設備投資を行った場合に 30% の特別償却又は 7% の税額控除ができる制度 3 中小企業向けの租特適用要件の見直し ( 案 ) 財務基盤の弱い中小企業を支援するという本来の趣旨を踏まえ 中小企業向け租税特別措置の適用を受けるための要件として 課税所得 ( 過去 3 年間平均 ) が15 億円以下であることを加えます ( 平成 31 年 4 月より適用 ) なお この適用要件の見直しは 租税特別措置法における中小企業向け特例措置のみを対象としています ( 法人税法に規定される欠損金の繰越控除や地方税法本則に規定される外形標準課税等については 従前通り適用できます ) 7

(5) 地方拠点強化税制の拡充 ( 案 ) ローカルアベノミクスを推進する観点から 地方拠点強化税制の投資減税部分の控除率を維持するとともに 地方拠点での新規雇用者数に応じた税額控除制度について 無期 フルタイムの新規雇用に対する税額控除額を上乗せする等の措置を講じます 1 オフィス等に係る税額控除 税額控除率を現行水準 ( 移転型 7% 拡充型 4%) に維持 2 雇用促進税制の特例の拡充等 無期 フルタイムの新規雇用に対する税額控除額を上乗せ等 雇用促進税制 地方拠点強化税制 同意雇用開発促進地域内事業所の前期比無期 フルタイムの新規雇用増 ( 法人全体の前期比雇用増を上限 ) 40 万円 の税額控除 要件 i : 法人全体の前期比雇用増が 5 人 ( 中小 2 人 ) 以上要件 ii : 法人全体の雇用者数が前期比 10% 以上増 等 同意雇用開発促進地域 有効求人倍率が全国平均の 3 分の 2 以下であるなどの要件を満たす地域 特例 1 現行 特定業務施設における前期比雇用増 ( 法人全体の前期比雇用増を上限 ) 50 万円 ( 要件 ii を満たさない場合 20 万円 ) 特定業務施設における前期比雇用増のうち無期 フルタイムの新規雇用について 税額控除額を一人あたり 10 万円上乗せ 特例 2 移転型の 計画 である場合に限り 当該地方拠点における 計画 認定直前期の雇用者数に対する雇用増 30 万円 ( 最長 3 年間 ) 特定業務施設における新規雇用者のうち非正規雇用者の比率が全国平均 (40%) を超える場合 超過した非正規雇用者に関する税額控除額は一人あたり 10 万円減額 特定業務施設 事業者の事業や業務を管理 統括 運営している施設 3 移転型事業の要件緩和 特定業務施設での増加従業員の過半数が東京 23 区からの転勤者であるとの要件 を緩和し 東京 23 区における従業員の減少人数に応じて 特定業務施設での新規雇用者を東京 23 区からの転勤者に含めることができることとする 8