目 次 1 被害状況 (1) 農作物被害の推移 1 (1) 人身被害 1 2 捕獲状況 (1) 捕獲数の推移 2 (2) 狩猟捕獲の状況 3 (3) 被害防止捕獲の状況 4 3 防護柵の設置状況 (1) 防護柵設置延長の推移 5 (2) 防護柵の維持管理 6 4 生息地における取組状況 6 5 モニ

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Microsoft Word - 鳥瓣被害韲æ�¢è¨‹çfl»ï¼‹H30-32;朕絇Ver

現行見直し案見直し理由等 カラス 被害時期 : 通年 ニホンザル 被害対象 : 農作物全般への食害 農業施設へ被害 生活環境被害 ヒヨドリ 被害時期 : 通年 アナグマ 被害対象 : 果樹への食害 被害対象 : 農作物全般への食害 ハクビシン 被害対象 : 農作物全般への食害 住居侵入による生活環境

Microsoft Word - 01 変更計画書

(別記様式第1号)

イノシシH30年度別計画

秋子割合 現状評価と課題の整理 市内のイノシシ対策の現状を評価し, 課題を整理するため, 地理情報分析および捕獲状 況分析を行った ( 資料編参照 ). 1 地理情報分析による評価集落単位の各種行政資料 ( 捕獲情報, 防護柵設置状況, 市民からの要望など ) について, 地図上での分析 ( 地理情

(別紙様式第1号)

(様式第1号)

( 別記様式第 1 号 ) 計画作成年度平成 28 年度 計画変更年度平成 29 年度 計画主体 筑紫野市 筑紫野市鳥獣被害防止計画 < 連絡先 > 担当部署名所在地電話番号 F A X 番号メールアドレス 筑紫野市環境経済部農政課筑紫野市二日市西一丁目 1 番 1 号

(別記様式第1号)

人 3,500 3,000 狩猟登録者数の推移 3,241 3,180 3,202 3,247 3,373 合計 網 わな 銃 2,500 2,000 1,843 1,845 1,910 1,965 2,100 1,500 1,000 1,398 1,335 1,292 1,282 1,273 50

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(別記様式第1号)

抜本的な鳥獣捕獲強化対策 平成 25 年 12 月 26 日環境省農林水産省

鳥獣による被害及びその防止の取組の実態調査_参考資料

1. 対象鳥獣の種類 被害防止計画の期間及び対象地域イノシシ ニホンジカ 中獣類 ( ハクビシン アライグマ そ対象鳥獣の他狩猟獣 ) カラス類 ( ハシブトガラス ハシボソガラス ) カモ類 ニホンザル ツキノワグマ計画期間平成 29 年度 ~ 平成 31 年度対象地域福井市 2. 鳥獣による農林

( 参考資料 ) ( 注 ) 鳥獣被害の現状と対策 ( 平成 28 年 3 月農林水産省 ) から抜粋 1

1. 対象鳥獣の種類 被害防止計画の期間及び対象地域 対象鳥獣計画期間対象地域 シロガシラ イノシシ キジ平成 27 年度 ~ 平成 29 年度うるま市全域 ( 注 )1 計画期間は 3 年程度とする 2 対象地域は 単独で又は共同で被害防止計画作成する全ての市町村名を記入 する 2. 鳥獣による農

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Microsoft Word - 3千葉県イノシシ対策計画案(241203)副課長指摘修正黒書き

目 次 1 計画策定の目的と背景 管理すべき鳥獣の種類 計画の期間 管理が行われるべき区域

11 10 第 2 章防護柵の種類と効果的な設置法1 防護柵の種類と特性農作物を守るには 防護柵で野生動物の侵入を防ぐのが効果的です 農地周辺の見通しをよくして野生動物の隠れ場所を無くす 野生動物のエサとなる収穫残渣を畑に放置しないなどの対策は柵による侵入防止を高める効果が期待できます しかし せっ

4 有害鳥獣捕獲マイスター等による捕獲技術の向上 ( 農林事務所 猟友会 ) わな猟免許新規取得者を対象に有害鳥獣捕獲マイスター等による捕獲技術研修 実地指導を実施 (6 農林事務所で 8 回実施計 147 人受講 ) 2 捕獲の強化 (1) ニホンジカの捕獲強化 ( 猟友会委託 ) 指定管理鳥獣捕

資料編 18

1. 有害鳥獣対策の法規制の緩和と捕獲業務の体制強化 建議 農作物の大敵である有害鳥獣の被害防止対策につきましては 毎年 補助事業等の活用により ワイヤーメッシュ柵 電気牧柵器及び箱罠の設置等に多額の予算を計上していただき また その普及や管理に関する知識の伝達等にご尽力いただいておりますことに対し


実施計画の参考様式(この様式については、決定したものではありません

(最終版)第二種管理計画(イノシシ)表紙

(2) 丹沢におけるニホンジカ保護管理 ( 第 3 次神奈川県ニホンジカ保護管理計画 ) 計画期間 平成 24 年 4 月 1 日 ~ 平成 29 年 3 月 31 日 計画対象区域 保護管理区域 : 丹沢山地を含む 8 市町村 ( 相模原市は緑区のうち一部 ) 分布拡大防止区域 : 丹沢山地周辺部

1. 対象鳥獣の種類 被害防止計画の期間及び対象地域 対象鳥獣 ツキノワグマ カラス類 サギ類 カワウ カモ類 ハト類 スズメ イノシシ タヌキ ハクビシン ニホンジカ ニホンザル 計画期間 平成 28 年度 ~ 平成 30 年度 対象地域 長岡市全域 2. 鳥獣による農林水産業等に係る被害の防止に

Microsoft PowerPoint 特定鳥獣イノシシ研修(配布用) (2)

頭数が多く 人慣れも進んだサル群 柵を設置できない河川から侵入するシカ 技術体系の紹介 : 1.ICT による檻罠の遠隔監視 操作システム クラウドまるみえホカクン 加害獣の集中的な捕獲による密度低下や頭数削減のため 大型の檻 罠が普及しています これらの捕獲効率を向上させるための遠隔監視 操作シス

1. 対象鳥獣の種類 被害防止計画の期間及び対象地域対象鳥獣イノシシ ニホンジカ ヌートリア アライグマ ハシブトガラス ハシボソガラス ( 以下 カラス類 と言う ) ツキノワグマ ニホンザル カワラバト キジバト ( 以下 ハト類 という ) アオサギ ダイサギ( 以下 サギ類 という ) 計画

(別記様式第1号)

技術体系の紹介 : 1.ICT による檻罠の遠隔監視 操作システム クラウドまるみえホカクン 加害獣の集中的な捕獲による密度低下や頭数削減のため 大型の檻 罠が普及しています これらの捕獲効率を向上させるための遠隔監視 操作システムを開発しました ( 図 1 2) 檻をカメラで監視し インターネット


農業だより

●報告書表紙・目次

1. 対象鳥獣の種類 被害防止計画の期間及び対象地域 対象鳥獣 計画期間 イノシシ ( イノブタを含む ) ニホンジカカラス類サギ類 平成 29 年度 ~ 平成 31 年度 対象地域 産山村 ( 注 )1 計画期間は 3 年程度とする 2 対象地域は 単独で又は共同で被害防止計画作成する全ての市町村

目 次 1 計画策定の背景および目的 1 (1) 背景 (2) 目的 2 管理すべき鳥獣の種類 2 3 計画の期間 2 4 管理が行われるべき区域 2 5 現状 4 (1) 県内の自然環境 (2) 分布状況 (3) 生息の動向 (4) 捕獲状況 (5) 狩猟登録者数等の動向 (6) 農業被害の状況

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の内訳 ( ): ア基本的な考え方について / イ取組について / ウその他の反映状況 ( ): 計画案に反映した /B の趣旨が既に素案に盛り込まれている / 1 ア P10-3 で イノシシによる被害を防止するための捕獲や防護柵設置等の とあるが 鳥獣害対策は 被害の予防を大前提とし それでも対

計画作成年度

1 アライグマの 分布と被害対策 1 アライグマの分布 1977 昭和52 年にアライグマと少年のふれあいを題材とし たテレビアニメが全国ネットで放映されヒット作となった それ 以降 アライグマをペットとして飼いたいという需要が高まり海 外から大量に輸入された しかしアライグマは気性が荒く 成長 す

Microsoft Word - 神奋巚眄㇤ㅔㇷㇷ管璃訋çfl».docx

(2) 開発した囲いわなの概要 タイプ 7 について ( 写真 1) 部材に建築工事などで使用されるワイヤーメッシュを使用し ナットに鉄筋を通しボルトで固定することで組立 解体を容易にできるようにしました 林道端や里山周辺など平坦地であれば設置可能で 組立は二人で 10 分程度です ( 組立てた状態

Microsoft Word - 新潟県イノシシ保護管理計画(溶け込み)

12 野生動物被害対策強化(H26朝林)

全国で鳥獣害の被害金額は年間191億円にのぼり そのうち約55億円がイノシシによる被害 です 平成 26 年度 主な被害農作物は 水稲 野菜類 いも類 果樹やタケノコ クズの根など30種類以上になります 夏から秋期には 水稲が乳熟期をむかえるため水田に侵入し 穂の食害だけでなく 踏み荒らしや ヌタウ

(別記様式第1号)

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猟 流し猟 少人数巻狩り 林道車上狙撃 待ち伏せ猟 足くくりわな 囲いわな ) を実施し 各手法の特長や課題 適する時期 場所等を把握 秦野市三廻部と山北町世附で 神奈川県猟友会の捕獲熟練者との協働による猟犬を用いた少人数巻狩りを試行 山北町玄倉の捕獲困難地において 少人数捕獲に精通した NPO 法

1. 対象鳥獣の種類 被害防止計画の期間及び対象地域 対象鳥獣 計画期間 ニホンザル ツキノワグマ イノシシ ニホンジカ 平成 28 年度 ~ 平成 30 年度 対象地域小国町 ( 注 )1 計画期間は 3 年程度とする 2 対象地域は 単独で又は共同で被害防止計画作成する全ての市町村名を記入する

(別記様式第1号)

長野県第二種特定鳥獣管理計画 ( 第 3 期イノシシ管理 ) 計画期間平成 30 年 4 月 ~ 平成 35 年 3 月 (2018 年 4 月 ~2023 年 3 月 ) 長野県

イノシシH30年度別計画(資料編)

いないか 又は収穫が行われなくなった樹木のこと 畑や敷地に植えられたカキやクリが一般的で あり 他に耕作放棄地に放置されたリンゴやブドウなどもある (5ページ) 泥浴び イノシシが地面に転がり 泥に体をこすりつける行為のこと 体に付いたノミやダニを落したり 夏毛の時は虫に刺されないために行うとされる

被害の現状 いま ニホンジカとイノシシが どのような問題をもたらしているのでしょうか? ニホンジカが日本の自然を食べつくす!? 日本に昔から生息しているニホンジカやイノシシは 近年 急速に生息数が増加し 全国で分布を広げています 増えすぎたニホンジカやイノシシが いま 日本全国で生態系や農林業 さら



Microsoft Word - ニホンジカ特定計画_161110版

唐津市農業委員会 農地等の利用の最適化の推進に関する指針 平成 2 9 年 11 月 8 日 唐津市農業委員会 第 1 基本的な考え方農業委員会等に関する法律 ( 昭和 26 年法律第 88 号 以下 法 といいます ) の改正法が平成 28 年 4 月 1 日に施行され 農業委員会においては 農地

<4D F736F F F696E74202D DC CC92B98F6295DB8CEC8AC7979D90A C982C282A282C AD955C A205B8CDD8AB B83685D>

この対策にはいくつか考えられるが 面的に食害を回避させるならば植生保護柵の設置が選択肢のひとつとなる 植生保護柵は 林業活動を目的とした設置だけに留まらない 兵庫県ではシカの食害によって落葉広葉樹林の林床植生の衰退が顕著であるため ( 藤木 2012a) 林床植生回復のために落葉広葉樹林内に植生保護

(1) 野生鳥獣による農作物被害状況 ( 全国及び九州 ) 野生鳥獣による全国の農作物被害額は 平成 22 年度において 239 億円で 前年度に比べて 26 億円 (12%) 増加 九州の農作物被害額についても 4 億円で 前年度に比べて 7 億 5 千万 (23%) 増加 九州の農作物被害額のう

1. 対象鳥獣の種類 被害防止計画の期間及び対象地域対象鳥獣エゾシカ カラス類 ( ハシブトガラス ハシボソガラス ) ヒグマ キツネ アライグマ トド アザラシ計画期間平成 28 年度 ~ 平成 30 年度対象地域北海道稚内市 ( 全域 ) 2. 鳥獣による農林水産業等に係る被害の防止に関する基本

( 別記様式第 1 号 ) 計画作成年度 平成 27 年度 計画変更年度 平成 29 年度 計画主体 飯能市 飯能市鳥獣被害防止計画 < 連絡先 > 担当部署名産業環境部農林課所在地飯能市大字双柳 1 番地の 1 電話番号 F A X 番号 メール

(最終版)H28変更 02ニホンジカ第二種特定鳥獣管理計画 表紙

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( 松尾委員 ) 調査は 10 年後なのか 環境が変わった時に計画の変更見直しは可能なのか 調査は必要に応じて実施可能 指定される状況でなくなれば 解除手続きはある ( 八代田委員 ) 今のままだとシカ被害が進んでいく可能性が高い 今後 捕獲強化を実施するのであれば 捕獲の効果を見るような調査を組む

PowerPoint プレゼンテーション

Microsoft Word - ◎イノシシ計画案 

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被害を受けにくい作付方法 ( 鳥類 ) 鳥類では作付方法による被害軽減も有効である 種子を深めに播く トウモロコシでは 6~9cmの深播きにより苗が地上に現れるまでに十分に根付くことができるため カラスやハトなどによる被害を軽減することができる ( カラスやハトのトウモロコシの出芽苗の被害は 十分に

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Taro-H30業務仕様書 (祖母傾地域)

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平成 28 年度 森林整備事業 ( 造林 ) 標準単価 京都府農林水産部林務課

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釧路湿原国立公園 釧路湿原生態系維持回復事業計画 平成 28 年 4 月 1 日

人とクマのあつれき 近年 人とクマのあつれきがメディアを賑わせる人身事故件数の推移 (2006 ~ 2015 年度 ) ことが多くなってきました クマは本来 人目を避けて暮らす動物ですが 残念ながら人とクマとの間にはトラブルが発生しています シカやイノシシなどは農業被害が中心ですが クマの場合は人身

全国のニホンジカ及びイノシシの生息分布拡大状況 ニホンジカは昭和 53 年度から平成 26 年度までの36 年間で生息分布が約 2.5 倍に拡大 イノシシは昭和 53 年度から平成 26 年度までの36 年間で生息分布が約 1.7 倍に拡大 出典 : 全国のニホンジカ及びイノシシの生息分布拡大状況調

(最終版)ニホンザル第二種管理計画 表紙

加えて 鳥獣の保護及び狩猟の適正化に関する法律 ( 平成 14 年法律第 88 号 ) が改正され 平成 27 年 5 月に施行されることとなっている 改正に伴い 法律の題名は 鳥獣の保護及 び管理並びに狩猟の適正化に関する法律 ( 以下 鳥獣保護管理法 という ) に改められ 法目的に 鳥獣の管理

Microsoft Word - 栃木県土地改良区運営強化推進計画(最終版)

生産緑地制度の概要 市街化区域内の農地で 良好な生活環境の確保に相当の効用があり 公共施設等の敷地に供する用地として適している 500 m2以上 *1 の農地を都市計画に定め 建築行為や宅地の造成を許可制により規制し 都市農地の計画的な保全を図る 市街化区域農地は宅地並み課税がされるのに対し 生産緑

施策吊

4-2 地域の課題人口の減少により 町内では老朽化した空き家 空き店舗が随所に見られるようになっており 平成 28 年 3 月に町内を調査したところ 空き家 空き店舗と思われる建物が 159 軒存在していることが判明した 特に 商店街 公共機関 医療機関等が近接する利便性の高い中心市街地における空き

防除実施計画(表紙、目次)

人材登録に必要な実績について Q1: 人材登録されるために必要な実績は? A: 分野ごとの必要な実績は以下のとおりです ( 詳細は募集要項をご覧ください ) 鳥獣保護管理プランナー次のア ) イ) のいずれかについて 鳥獣保護管理に関する計画の策定や見直し等に関する経験年数の合計が 5 年以上あると

ひとが輝く創造都市 地域で取り組む鳥獣対策 ~ 自治会を中心とした捕獲隊の結成 ~ 集中豪雨による低平地での湛水被害 集中豪雨が発生しやすい地形特性 東シナ海からの湿った空気が湿舌となり大雨をもたらす 諫早湾沿岸 ( 諫早市 ) の 10 ケ年平均 (H7~16 年度 ) の年間総降水量は東京の 1

24 ごみ減量分野様式 2 ごみゼロをめざすまち 分野目標 1 ごみゼロ都市 なかの を実現するために 区民 事業者 区が連携して3Rの取組みを進め ごみの排出量が減少するまちをめざす 2 循環型社会を実現するために 資源の再使用 再生利用などの資源の有効利用が広がっているまちをめざす 成果指標 区

(4) 対象区域 基本方針の対象区域は市街化調整区域全体とし 都市計画マスタープランにおいて田園都市ゾーン及び公園 緑地ゾーンとして位置付けられている区域を基本とします 対象区域図 市街化調整区域 2 資料 : 八潮市都市計画マスタープラン 土地利用方針図

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日本農学アカデミー会報 第 29 号 2 鳥獣被害対策の四本柱 古座川町においてもシカ イノシシ サルなどによる農作物被害が年々深刻となっており また 生活被害 動物と車の衝突 動物による落石による民家の破損や交通支障等 も増加しています このような鳥獣被害対策について下図のように 防除 追払い 捕

29 宇農委第 227 号 平成 29 年 12 月 5 日 宇治市農業委員会 農地等の利用の最適化の推進に関する指針 宇治市農業委員会 農業委員会等に関する法律 ( 昭和 26 年法律第 88 号 以下 法 という ) 第 7 条第 1 項の規定に基づき 宇治市農業委員会にかかる標記指針を下記のと

Transcription:

平成 29 年度事業実施計画実績 資料編 - イノシシ - 京都府農村振興課

目 次 1 被害状況 (1) 農作物被害の推移 1 (1) 人身被害 1 2 捕獲状況 (1) 捕獲数の推移 2 (2) 狩猟捕獲の状況 3 (3) 被害防止捕獲の状況 4 3 防護柵の設置状況 (1) 防護柵設置延長の推移 5 (2) 防護柵の維持管理 6 4 生息地における取組状況 6 5 モニタリング調査 (1) 出猟カレンダー調査 7 6 捕獲の担い手の状況 (1) 狩猟免許所持件数の推移 7 (2) 狩猟者登録件数の推移 8 (3) 被害防止捕獲班員数の推移 9 7 捕獲個体の利活用の取組状況 10

1 被害状況 (1) 農作物被害の推移平成 29 年度農作物被害額 ( 速報値 ) は 113,557 千円となり 被害の減少傾向が継続している 作物別では 稲 73,948 千円 野菜 25,838 千円であり この 2 種類で被害の 88% を占める 図 1 農作物被害額の推移 ( 平成 21~29 年度 ) 図 2 作物別被害額の推移 ( 平成 21~29 年度 ) (2) 人身被害平成 29 年度は 市街地にイノシシが出没し 人身被害が 4 件発生した 市街地への出没件数 備考 うち人身被害発生件数 負傷者数 市町村 6 件 4 件 8 名 京都市 表 1 平成 29 年度イノシシによる人身被害発生件数等 1

2 捕獲状況 (1) 捕獲数の推移平成 28 年度の捕獲数は 12,719 頭 ( 狩猟捕獲 4,158 頭 被害防止捕獲 8,561 頭 ) となった 図 3 捕獲数の推移 オス メス別 ( 平成 10~28 年度 ) 捕獲場所をメッシュ単位で集計したところ 図 8 のようになった 0 頭 1~9 頭 10~29 頭 30~49 頭 50~99 頭 100~199 頭 200~299 頭 300 頭以上 図 4 平成 28 年度メッシュ別捕獲数 ( 狩猟 + 被害防止 ) 2

0 頭 1~9 頭 10~29 頭 30~49 頭 50~99 頭 100~199 頭 200~299 頭 300 頭以上 0 頭 1~9 頭 10~29 頭 30~49 頭 50~99 頭 100~199 頭 200~299 頭 300 頭以上 図 5 平成 28 年度メッシュ別イノシシ捕獲状況 ( 左 : 狩猟 右 : 被害防止 ) (2) 狩猟捕獲の状況各規制緩和の実施に伴い イノシシの狩猟捕獲数は増加傾向にある 図 6 狩猟捕獲数の推移 ( 平成 10~28 年度 ) 3

(3) 被害防止捕獲の状況急な増加が見られる年度があるものの 各種補助事業により 捕獲数が増加傾向である 図 7 被害防止捕獲数の推移 ( 平成 10~28 年度 ) 平成 29 年度被害防止捕獲数は 12 月末時点速報値で 7,189 頭である 例年 12 月末捕獲数は 年間捕獲数の約 96% であり 平成 29 年度捕獲数は 平成 25 年度水準になると見込まれる 図 8 被害防止捕獲数の推移 通年及び 12 月末時点 ( 平成 23~29 年度 ) 4

3 防護柵の設置状況 (1) 防護柵設置延長の推移平成 29 年度は 302km の設置が見込まれており 目標延長 3,200km に対して 3,089km(96.5%) となる見込である 図 9 防護柵設置延長の推移 ( 平成 23~29 年度 ) また メッシュ別では 図 10 のようになり 府内全域で整備が進んでいることも見て取れる 併せて 防護柵の整備が進んでいる地域は 捕獲も積極的に行われている 1. 0km 未満 1. 0~5. 0km 5. 0~10. 0km 10. 0~20. 0km 20. 0~30. 0km 30. 0~40. 0km 40. 0km 以上 0 頭 1~9 頭 10~29 頭 30~49 頭 50~99 頭 100~199 頭 200~299 頭 300 頭以上 図 10 メッシュ別防護柵整備延長 ( 平成 23~28 年度累計延長 )( 左 ) 右図は 図 4( 平成 28 年度メッシュ別捕獲数 ) 5

(2) 防護柵の維持管理タスクチーム活動により 防護柵の管理実態や動物の侵入状況調査を行い 調査結果を基に 侵入防止の手引き を作成した ( タスクチーム活動 : 研究と普及が一体となり 現場への早期普及を図る取組 ) ( 侵入防止の手引き は 末尾に添付) 4 生息地における取組状況農村集落における生息地の拡大を防ぐため 集落をエサ場としないための普及啓発活動等を実施 特に 冬場の ひこばえ除去 や 残渣のすき込み を農業関係団体とも連携して普及啓発を行った 図 11 冬場の集落環境対策普及啓発チラシ 6

5 モニタリング調査 (1) 出猟カレンダー調査平成 28 年度狩猟捕獲の出猟カレンダーを分析したところ 銃猟 CPU E は横ばいとなった ( CPUE: 単位努力量あたりの捕獲数 (Cutch Per Unit Effort)) 図 12 出猟カレンダー調査結果 (CPUE) 6 捕獲の担い手の状況 (1) 狩猟免許所持件数の推移平成 29 年度見込 ( ) は 4,348 件 ( 第一種銃猟 :1,445 件 第二種銃猟 : 36 件 わな猟 :2,639 件 網猟 :228 件 ) である ( 狩猟免許試験による新規取得や 狩猟免許更新による更新後を反映した 年度末時点で有効な免許件数 ) 狩猟免許所持件数の推移は わな猟免許所持数が増加するとともに 第一種銃猟免許所持数の減少に歯止めがかかり 全体で増加している 図 13 狩猟免許件数の推移 ( 当該年度末に有効な免許件数 )( 平成 23~29 年度 ) 7

狩猟免許の増加は 新規取得の増加が大きく寄与しており 平成 29 年度の新規狩猟免許取得件数は 405 件 ( 第一種銃猟 :89 件 第二種銃猟 :10 件 わな猟 :284 件 網猟 :22 件 ) である 新規取得の増加は 狩猟の魅力を PR するとともに 狩猟免許試験の実施回数を増やしたことによる 狩猟免許試験は 平成 25 年度までは年 2 回開催であったものを 平成 26 年度は年 5 回開催 平成 27 年度から年 4 回開催している 図 14 新規狩猟免許取得件数の推移 ( 平成 23~29 年度 ) (2) 狩猟者登録件数の推移狩猟者登録は 狩猟免許所持者の増加に伴い 平成 26 年度を底に増加に転じ 平成 29 年度見込は 2,810 件 ( 第一種銃猟 :1,243 件 第二種銃猟 : 50 件 わな猟 :1,478 件 網猟 :39 件 ) となっている 図 15 狩猟者登録件数の推移 ( 平成 23~29 年度 ) ( 平成 29 年度は 3 月 8 日時点での登録件数 ) 8

また 種別ごとに 府内の狩猟免許所持者の狩猟者登録割合をみたところ 第一種銃猟ではほぼ一定 ( 約 70% 前後 ) で推移しているものの わな猟では漸減している このことは 新規に狩猟免許をとったものの 狩猟を行っていない者が わな猟で増加していると考えられる 図 16 府内狩猟免許所持者の狩猟者登録割合 (3) 被害防止捕獲班員数の推移平成 29 年度 (4 月時点 ) における市町村の被害防止捕獲班員数は 実人数で 1,425 名となり 年々増加している 特に わな班員数が 1,078 名となり 増加が顕著である 一方 銃器班員数は 789 名で減少傾向にある 図 17 市町村被害防止捕獲班員数の推移 ( 平成 21~29 年度 ) 9

市町村被害防止捕獲班員の早期育成を図るため 新規狩猟者 ( インターン生 ) が講師 ( マイスター ) から実地訓練を受けるインターンマイスター制度を実施している 平成 29 年度は 31 名受講し 17 名修了 ( ) した ( 修了要件 :12 年間講習受講 21 年狩猟者登録 +1 年講習受講 ) 図 18 インターンマイスター制度 ( 銃 ) 受講 修了者数の推移 ( 平成 23~29 年度 ) 7 捕獲個体の利活用の取組状況捕獲個体を地域資源とするため 食肉 ( ジビエ ) として利用する取組が府内で取り組まれている 中丹地域では 野生鳥獣肉生産工程管理制度 を制定し 登録狩猟者 : 11 名 認証施設 :2 事業者 登録店舗 :18 店舗を決定した 併せて 森の京都エリアの食の魅力を PR するため 夏ジビエフェアと冬ジビエフェアが開催され 47 の飲食店で自慢のジビエ料理が提供された さらに 国が進めるジビエモデル整備地区にも府内から 2 地区が選定され ジビエ利用拡大の取組が平成 30 年度から本格的に開始する 10

防除柵 ( 金網 ) の侵入危険箇所と侵入防止の手引き 防除柵を最適な状態に保って被害の減少!! 1 侵入危険箇所と侵入方法 * シカ イノシシは柵の高さに関わらず 地際を潜り込むことが多い * 侵入場所は 傾斜が 30 度以上の森林に面していることが多い * 身体を隠せる茂みから離れていても 侵入する場合がある 防除柵 タスクチーム活動の 侵入箇所調査 結果 森林 耕作地 地際を潜り込む 動物の身体が隠れる植生まで 2m 以上 傾斜角度 30 度以上 ( 写真はすべて農地側から撮影 ) 森林内の潜り込み 柵の勾配が変化する場所で潜り込み 草地の水路から潜り込み 森林の水路から潜り込み 森林内の潜り込みと押し広げ 植生の開けた場所で潜り込み 川を渡って潜り込み 1

2 侵入防止はスキ間対策が肝心! * スキ間を 作らない設置 残さない点検 管理! * 地形の変化する場所は スキ間ができやすい * 凹地や水路でスキ間が生まれる * まぁ - いいか! の気持ちのスキは 柵のスキ間! * 潜り込みを防ぐ補強 惜しみなく スキ間なく重ねる 金属パイプ 端材などを活用して補強 アンカー 丸太 金属パイプなどを下部に固定して 補強 潜り込みを防止する トタン板等を使う場合も 持ち上げられないように しっかり押さえる 2

3 水の流れる場所に注意! * シカ イノシシは 川を渡って侵入 * 水の流れは野生動物も通路に利用 * 水路のソバは侵入される危険度が高い ( ) * 柵が水路を横断する場所は侵入される危険度が高い 水路 水路ソバの柵で潜り込まれ易い場所 柵 危ない場所 補強による潜り込み防止対策 動物側の下部に金網を追加 固定して潜り込みを防止 農地道路 水路側 4 道路など塞げない場所の防除力強化! 塞げない道路 * 柵の強化 個別柵強化や柵の延長 * 捕獲の強化 開口部付近でワナの架設数を増やす * 隣接集落との協力 柵の新設など 既設の柵 強化 ( 新設 ) する柵 捕獲強化 ( ワナ増設等 ) 箱ワナなどによる地域ぐるみの捕獲の強化 3

5 適切な維持管理が 被害減少への道! 農家組合等の防除柵の管理状況について 116 箇所の農家組合等へアンケート調査 有効回答 ( 返信 )98 件 84% * 管理の重要性を十分理解し 役員等を中心に点検や管理 補修が行われています * 点検 : 被害を受ける前に実施しましょう 植え付け前と収穫前が効果的 * 点検の重点箇所 : 農地と森林 農地と水路が接する場所 森林内 * 管理 : 地際などの隙間を無くし 周囲の除草や絡まった蔓の除去が被害防止に繋がります * 補修 : 動物の侵入等による破損は見つけ次第 補修しましょう * 点検 管理 補修 は 無理なく 地域に応じたやり方 で 継続 する ことが柵の効果を維持し 被害防止に繋がります * 非農家 隣接集落との連携など 多くの人と協力すると共に 必要経費を準備することも重要です 作成 : 平成 28 29 年度京都府タスクチーム活動 ( 京都府農林水産技術センター 丹後 中丹 南丹 山城の各広域振興局及び普及センター ) 4