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Transcription:

第 3 分科会 NPO セクターをたくましくする中間支援 四日市 NPO セクター会議の取組み 08/12/13 四日市 NPO セクター会議議長松井真理子 1 四日市 NPOセクター会議 NPOの協同組合的な新しい中間支援形態 (1) 四日市 NPOセクター会議とは NPOがセクターとして影響力を示すためのNPOの連合組織 NPOが集団的に行動することによって 個々の NPOや個人が単独で行動するよりもより大きな影響力をもち NPOが協力し合うことによって より大きな力を生むことを確信して設立する (2) 目的 1NPO 相互のネットワークを高め 個々の団体の情報 経験 資源等を共有すること 2NPOのセクターとしての集合的な意見を 国 自治体等の政策に反映させること 3NPOと自治体等との対話を促進し 両者間のを推進すること 4 四日市市の市民や企業とNPOとの関係を高めること 5NPOの力量を高め セクターとしての影響力を行使すること (3) 設立 2006 年 3 月 (4) 構成団体会員 :40NPO 運営委員 :7NPO ( 特 ) 市民社会研究所 ( 人権 中間支援 ) ( 特 ) 障害者福祉チャレンジド ネット ( 福祉 ) ( 特 ) 生活バス四日市 ( まちづくり ) ( 特 ) 体験ひろば こどもスペース四日市 ( 子ども ) ( 特 ) ドッグイヤー ( 情報化 ) ( 特 ) 別山安全なまちづくり推進委員会 ( まちづくり ) ( 特 ) 四日市男女共同参画研究所 ( 男女共同参画 ) 事務局 :NPO 法人市民社会研究所 ( 参考 ) 四日市 NPO セクター会議のスタンス ( 中間支援 ) NPO 参加 四日市 NPO セクター会議 市議会 利用 指定管理 連携 政策協定 市長 ( 次期 ) 四日市市民活動センター 自治会 地域団体 ( なやプラザ ) 4NPO の共同指定管理 行 政 1

2 背景 NPOセクターをめぐる諸課題と中間支援の必要性 (1) NPO 自身が抱える諸課題 地方レベルのNPOは小規模なものが多く 会員 事務所 資金 事務所 企画力 専門性 行政との関係など さまざまな共通の課題を抱えている ( 表 1) 表 1 あなたの団体 グループ活動をすすめていく上で 何か問題を感じたり困っていることがありますか 1 会員 82.7% 7 行政との関係 72.0% 2 資金 81.3% 8 事務所 70.7% 3 情報 77.3% 9 組織運営 69.4% 4 専門性 77.3% 10 事務局員 61.3% 5 企画力 74.7% 11 地域との関係 58.7% 6NPO 相互のネットワーク 72.0% 四日市 NPOセクター会議設立準備会 四日市市内 NPOに対するアンケート調査 より (2005 年 ) (2)NPOのセクターとしての存在感の弱さ 地域におけるNPOの存在感のなさ 個々のNPOの力量の弱さ ( 組織 担い手 活動内容 継続性など ) NPOが理解されていないことによる不当な取り扱い例 ) 極端に安価な契約指定管理者制度における財務基盤要件 (3)NPOの課題解決におけるNPO 相互の連携の弱さ これまで地域のNPO 同士が 継続的に問題点を話し合ったり 行政はじめ他のセクターに対して共同して声をあげていくことはほとんどなかった 個々の NPOは日常の活動に追われ NPOセクター全体の発展を考える余裕がなかった NPOの課題解決のために自ら研究する姿勢が弱く 解決を行政に頼る傾向がみられる (4)NPOの本来機能が発揮しにくい状況 1 公共サービス提供機能の問題 NPOは近年 新しい公共の担い手 として 国や自治体との契約が急速に増加する傾向にあるが NPOに期待されているのは 行政より安価なサービスの提供 であり 安価な契約がNPOの継続性と発展を阻害している 2 社会変革 アドボカシー機能の問題行政からの委託事業が増加し NPOの収入源の多くを占めるようになっており このようなNPOにとって 行政からの自律性の維持は容易ではなく NPOが本来の社会変革性を発揮する機会は 質量ともに変化せざるを得ない状況にある NPOの課題は構造的なものであり 単独のNPO で取り組むことには限界がある 行政がNPOの意見を聴く場合 単独のNPOの意見では対応しづらい 他の領域では 関係団体の課題解決等のための連合組織があるが NPOにはない 例 ) 自治体 知事会 市長会 議長会等企業 経団連 商工会議所 中小企業同友会等各種団体 自治会連合会 PTA 連合会 医師会 日本学術会議等 行政との契約が増加する中 NPO が独立性を維持しながら その本来的な機能を発揮する ためには 多様な NPO の集合力を生かした 協同組合的な中間支援組織が不可欠である 2

3 四日市 NPOセクター会議の設立経緯 1 四日市市 NPOセクター会議の創設 について NPO 法人市民社会研究所が四日市市市民活動ファンドへ助成金申請 05 年 6 月 18 日プレゼンテーション 7 月 6 日決定通知 2 四日市市内の既存の中間支援団体との合意形成と呼びかけ 05 年 7 月 12 日 3 つの中間支援団体 (*) に対し 趣旨説明会を開催 * 地域づくり考房みなと 四日市 NPOひろば 循環者ファンド運営委員会 05 年 7 月 20 日中間支援 4 団体連名による 市内 NPOへの呼びかけ文郵送 05 年 9 月 24 日 NPOで手をつなごうー 四日市 NPOセクター会議 の創設に向けて 開催 3 ニーズ調査 05 年 9 月 24 日四日市 NPOセクター会議の創設に向けて 四日市市内の市民活動団体 グループに対してニーズ調査 ( アンケート ) を行うことを決定 10 月 7 日アンケート調査票を四日市市内全 NPO(145 団体 ) に送付 ( 回収率 51.7%) 11 月 19 日四日市 NPOアンケート調査の結果報告会 (*) 12 月 20 日市内 NPOにアンケート結果発送とセクター会議プレ募集 *NPOへのNPOセクター会議ニーズ調査結果の概要 ( アンケート結果から ) ア ) 四日市 NPOセクター会議への参加意向 役員として参加希望 6.7% 会員として参加希望 4.0% 内容次第で参加 28.0% 何ともいえない 44.0% 参加しない 13.3% その他 4.0% イ ) 四日市 NPOセクター会議に期待するもの ( 複数回答 ) 順位 項 目 全体 (%) 1 NPO 相互の情報交換 交流 42.7 2 行政等への統一的窓口 40.0 3 NPOの共通課題の調査研究 38.7 4 各種研修 34.7 5 NPO 共同の社会貢献活動 30.7 6 NPO 共同の政策提言 25.3 7 NPO 共同での寄付集め 9.3 8 その他 8.0 不明 14.7 3

4 四日市 NPOセクター会議設立準備 05 年 11 月 12 日第 1 回四日市 NPOセクター会議設立準備会 11 月 13 日呼びかけ団体に対し 設立準備会メンバー = 理事 ( 運営委員 ) への就任を確認 12 月 17 日第 2 回四日市 NPOセクター会議設立準備会 06 年 1 月 4 日四日市 NPOセクター会議のホームページ作成 1 月 27 日第 3 回四日市 NPOセクター会議設立準備会 2 月 15 日第 4 回四日市 NPOセクター会議設立準備会 3 月 4 日第 1 回四日市 NPOセクター会議設立準備運営委員会 -8NPO クロスポイント 市民社会研究所 障害者福祉チャレンジド ネット 生活バス四日市 ドッグイヤー, 体験ひろば こどもスペース四日市 別山安全なまちづくり推進委員会 四日市男女共同参画研究所 3 月 16 日第 2 回四日市 NPOセクター会議設立準備運営委員会 3 月 25 日設立総会 設立記念フォーラム 4 事業内容 (1)NPOの相互交流 相互扶助 四日市 NPOセクター会議会員交流会 ( 年 1~2 回程度 ) 会員団体が提供しているサービス一覧 の作成 サービスや資金づくり事業の相互利用 各団体の活動発表 今後の市民セクターの発展に向けて乾杯 (2)NPOの力量向上のための研修 NPO 実践講座年 8 回程度 会員団体の実践事例発表と意見交換 ( 組織運営 資金づくり 理事 他のセクターとの関係作り等 ) NPO 会計講座年 2~3 回程度会計処理の基本について 4

(3) 市民とNPOをつなぐNPOの共同事業 1 四日市市民大学 ( 人権 ) 子どもの人権(2007 年度全 4 回子ども関係 4NPOの共同実施 ) 障害者の人権(2008 年度全 5 回障害者関係 5NPOの共同実施 ) 2 市民の地域人権懇談会への講師派遣子ども 障害者 男女共同参画 人権全般 3 四日市市制 111 周年記念 四日市市民活動フェスティバルの実施受託 (2008 年度 ) パネル 四日市の市民活動の10 年 (45 枚 ) の作成 4マリンバチャリティコンサートの実施 (2007 年度 ) 収益金を四日市市民活動ファンドに寄付 四日市の市民活動の 10 年 パネル展 チャリティコンサートの売上げを四日市市長に手渡し (4) 議会 行政とNPOをつなぐ活動 NPOの共通課題の調査研究 1 四日市市民研究会主催 : 四日市 NPOセクター会議 四日市議会議員 123 会目的 : 市民 自治会 NPO 議会 行政がし 四日市の市民セクターの活性化のためのしくみづくりの研究と その実践に向けた活動を行う 現在は 四日市市民促進条例づくり に向けた研究中開催 :2006 年 7 月から毎年 8 回程度開催参加者 :NPO( 平均 15 名程度 ) 議員( 平均 4 人程度 ) 行政職員 ( 平均 3 人程度 ) 5

5 政策提言 ①四日市市長への提言 2006 年 9 月 20 日 四日市市の市民を促進させるしくみづくりの根拠条例制定に向けた提言 これを契機に四日市市行政内部で検討が始まる ②四日市市長選挙立候補予定者との政策協定 2008 年 10 月 28 日 p.8参照 四日市市長への提言書の手渡し 四日市市長選挙立候補予定者との政策協定 5 まとめ 1 現段階での到達点 ①NPO相互に顔を合わせて共同行動する機会が飛躍的に増えたことから セクターとしての 一体感が生まれ NPO相互に助け合いを行う機会が増えてきた ②四日市市のNPOの中間支援団体としての地位と評価を確立した 四日市市市民活動フェスティバルの受託 民間企業からの不用品の提供 など ③NPOが集団で行政と契約条件の交渉を行い 変更させることができた ④人権を基盤に置くNPO共通の特性を生かした NPOの地域貢献ができるようになった ⑤議員 行政とともにNPO共通の課題の解決方法を議論する中で 新たなしくみを盛り込ん だ条例づくりが現実のものになった 仮称 市民促進条例 ⑥NPOから四日市市長立候補予定者に政策協定を迫り NPOの存在感を飛躍的に高めた 2 課題 ①活動の財源 ②地域系の活動との連携 行政との話し合いの中から新たな可能性 ③分野別のNPOの連携と分野別の政策提言 6

( 資料 ) 四日市市市民自治基本条例 ( 理念条例 ) に基づき市民自治 市民を促進するための協定書 四日市市市民自治基本条例 ( 理念条例 ) が宣言する 市民主権の市政 及び 地方自治の本旨に基づく市民自治 ( 注 1) 並びにその手段である 市民 ( 注 2) を実現するため 四日市市長立候補予定者田中としゆきと四日市 NPO セクター会議は 次のとおり協定を締結する 注 1) 市民自治 : 市民 市の執行機関及び市議会が 市民参加を適正に行うことにより それぞれの役割 に応じて連携 して豊かな地域社会を実現すること 注 2) 市民 : 市民自治を促進するための四日市市と市民等との 1 基本認識の共有 (1) 市民は 市民が真に求めている政策づくりやサービス提供など 市民に対して優れた成果を生み出すという基本認識を共有する (2) 自主的に公益活動を行う市民活動団体 ( 自治会 NPO ボランティア団体等 ) は 市民自治を促進する上で不可欠の重要な役割を持つという基本認識を共有する 2 四日市市長となる者の約束 (1) 政策の立案 実施及び評価の各過程において 市の行政運営に市民等の意見を可能な限り反映させる (2) 上記のことを担保するため 市民等 ( 注 3) を構成員とする 市長直属の組織を新設する 注 3) 市民等 :1 四日市市に居住または通勤 通学する個人 2 四日市市内に基盤を置く市民活動団体 ( 自治会 NPO ボランティア団体等 ) 3 事業者 (3) 公益的な市民活動及び市民活動団体を発展させるための政策を推進する 3 四日市 NPO セクター会議の約束 (1) 積極的に市の行政運営に参加する (2) 他の市民活動団体や周囲の市民等に働きかけ 市民自治 市民の場に多くの市民の参加を促進させる (3) 市民の幸せを第一とする活動を行い 市民に支持される 透明性の高い組織であるとともに 市民セクター全体の力量向上に努める 2008 年 10 月 28 日 四日市市長立候補予定者 四日市 NPO セクター会議 議長 7