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2 低入札対策の拡充

Ⅰ 工事にユーザーを追加するには < 受発注者様共通メニュー > 他の現場で電納 ASPer を使用し 既に ID をお持ちの方の登録既にシステムに登録され ID を保有されているユーザーにつきましては 工事サイトの 1 工事情報 2 ユーザー追加 より 工事に追加することができます 工事情報 をク

事務連絡 平成 29 年 10 月 25 日 建設業団体の長殿 国土交通省土地 建設産業局建設業課長 平成 28 年熊本地震の被災地域での建設工事等における 予定価格の適切な設定等について 公共工事の予定価格の設定については 市場における労務及び資材等の最新の実勢価格を適切に反映させつつ 実際の施工

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( ウ ) 支出負担行為担当者は 工事監督員から理由書の送付があった場合は 特別の事情に該当するか否かを決定するものとする また 理由書が提出されなかった場合には 当該特別の事情を有しないものとみなして差し支えない イア以外の下請負人が社会保険等未加入建設業者である場合工事監督員は 当該社会保険等未

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資料 5 論点 2 CMR に求められる善管注意義務等の範囲 論点 3 CM 賠償責任保険制度のあり方 論点 2 CMR に求められる善管注意義務等の範囲 建築事業をベースに CMR の各段階に応じた業務内容 目的ならびに善管注意義務のポイントを整理 CM 契約における債務不履行責任において 善管注

基本問題小委員会における提言 ( 平成 26 年 1 月 ) 社会保険等未加入対策関係 1. これまでの中央建設業審議会 社会資本整備審議会基本問題小委員会における提言 1 行政 元請企業による加入指導 法定福利費確保に向けた取組等の総合的な対策を推進すべき 2 平成 29 年度を目途に 事業者単位

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スライド 1

について < 一般競争入札の導入について > 及びにおいては すべての団体で導入済み においては 1, 25 団体 (7.%) から 1,239 団体 (72.%) に増加 < 総合評価方式の導入について > 及びにおいては すべての団体で導入済み においては 1, 77 団体 (62.5%) から

管理技術者の手持ち業務量の制限等の試行について【改正全文】

第 実施内容. 発注者が求める工事関係書類の明確化による業務効率化の実施 () 提出する工事関係図書の明確化及び削減 工事関係書類一覧表 及び 工事関係書類の簡素化一覧表 に基づき 工事毎に受発注者協議により 必要な書類を選定し 一度提出した書類の再提出は求めないこと及び工事関係図書の削減 集約を行

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目 次 Ⅰ. 下水道土木工事施工管理基準及び規格値 1. 目的 1 2. 適用 1 3. 構成 1 4. 管理の実施 1 5. 管理項目及び方法 2 6. 規格値 2 7. その他 2 表 -1 出来形管理基準及び規格値 ( 管渠工事 ) 3 表 -2 出来形管理基準及び規格値 ( 処理場 ポンプ場

工事書類の作成上の留意事項 3 つの原則 ( 監督職員等 施工者共通 ) の徹底 現行ルールの徹底書類の作成を指示しない 受けとらない 提出しないを徹底甲乙対等の立場設計不備に対する補完の書類等の作成を指示しない協議書等については ポイントを絞り簡潔に作成簡素化した書類や不要な書類が提出されても受け

3. 現地工事実施にかかる許認可業務対象国にて現地工事を実施する場合 現地工事の対象となる土地の所有者の確認 使用の許可や現地工事を管轄する省庁からの許認可の必要の有無を受注者が必ず確認してください 許認可や利用許諾等が必要な場合は それらを取得してから下請負先と契約締結し 現地工事の発注を行うよう

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業界で躍進する 工事現場 の 要 登録基幹 技能者 登録基幹技能者制度推進協議会 一財 建設業振興基金

働き方改革実現に向けた週休二日の取得に関する取組について 直轄工事における週休二日取得の取り組み 施工時期の平準化適正な工期設定 週休二日算定が可能な 工期設定支援システム の導入 工事着手準備期間 後片付け期間の見直し 余裕期間制度の活用週休二日を考慮した間接費の補正 < 週休二日対象工事 > 対

合は 当該出向社員と当該出向先の会社との間に直接的かつ恒常的な雇用関係があるものとして取り扱うこととする ただし 当該出向先の会社が当該出向社員を主任技術者又は監理技術者として置く建設工事について 当該企業集団を構成する親会社若しくはその連結子会社又は当該親会社の非連結子会社 ( 会社計算規則第 2

Q&A 集 Q1 社会保険等とは何か A1 社会保険等とは 健康保険 ( 協会けんぽ 健康保険組合等 ) 厚生年金保険 及び雇用保険をいいます Q2 国民健康保険組合に加入しているが 社会保険等未加入建設業者となるのか A2 法人や常時 5 人以上の従業員を使用する国民健康保険組合に加入している建設

1 委託業務監督 検査要領 Ⅲ-1-1

2. 提出資料一覧表 落札予定者に求める提出資料は 要請書に示す調査区分 ( 基本調査または重点調査 ) に応じて下表に を付している内容とする なお 調査区分が 基本調査 の場合は 3 頁 ~4 頁に基づき作成すること 調査区分が 重点調査 の場合は 5 頁 ~7 頁に基づき作成すること 様式番号

工事名 : 工事工事番号 : 第 - 号工事場所 : 市 町 工事落札者決定基準 落札者決定基準 高度技術提案型 (PC 橋 ) 農林部 分類 評価 ( 審査 ) 項目 評価 ( 審査 ) 内容 評価 ( 審査 ) 基準 配点 技 術 提 案 書 技術提案に係る項目 総合的なコストの縮減に関する項目

様式 - 工監 1 ( 第 18 号様式 ) ( 記号 ) 第 号 平成 年 月 日 ( 受注者 ) ( 工事監督員 ) 様 ( 支出負担行為担当者 ) 印 工事監督員の指定について ( 工事番号 ) 上記建設工事に係る工事監督員を次のとおり指定したので通知します 工事監督員 所 属 職 氏 名 職

別記様式 2 地方整備局長 知事 支社支社長 印 公共工事の入札及び契約の適正化の促進に関する法律第 11 条 社会保険等未加入 業者 の通知について 公共工事の入札及び契約の適正化の促進に関する法律 ( 以下 法 という ) 第 11 条に基づき 弊社の発注工事において社会保険等未加入業者の存在が

社会保険等未加入業者との下請契約 (1 次 ) 禁止にかかる事務手続フロー 施工体制台帳により加入状況を確認 工事監督員 添付された加入を証明する書類にて確認します 未加入 加入 適用除外 契約担当に報告するとともに, 受注者に対し, 書面にて当該下請契約を締結した具体的な理由を記載した書面を提出す

ア事業担当課長 ( 岐阜市上下水道事業部契約規程 ( 昭和 41 年水道部管理規程第 3 号 ) 第 4 条に規定する部長 ) は 工事請負契約約款第 7 条の2 第 2 項の規定に基づき 受注者に対して 期限を定め 当該下請契約を締結した具体的な理由を載した書面を求めるものとする ( 様式 1)

第 1 章要緊急安全確認大規模建築物の耐震診断結果の報告 1 要緊急安全確認大規模建築物について平成 25 年 11 月 25 日の耐震改修促進法の改正により 不特定多数の者が利用する建築物及び避難弱者が利用する建築物のうち大規模なもの等が要緊急安全確認大規模建築物として規定され 平成 27 年 1

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目次 1. はじめに... 1 (1) 静岡市電子納品実施マニュアル入門編 工事 の位置づけ... 1 (2) 電子納品とは... 1 (3) 静岡市の電子納品導入計画 電子納品のフロー 準備... 2 (1) 電子納品の適用範囲... 2 (2) 対象となる電子成果

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参考資料 5 用語集 SPC( 特別目的会社 ) SPC(Special Purpose Company) は特別目的会社ともいわれ プロジェクトファイナンスにおいては 特定のプロジェクトから生み出されるキャッシュフローを親会社の信用とは切り離す事がポイントであるが その独立性を法人格的に担保すべく

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A4 経営事項審査の受審状況により確認方法が異なります なお 適用除外は 労働者の就業形態等によって適用除外とならない場合もあることから 元請負人は 年金事務所等に適用除外となる要件を確認した上で判断してください 経営事項審査を受審している場合 有効期間にある経営規模等評価結果通知書総合評定値通知書

ただし 受注者が下請業者と直接契約を締結 ( 以下 一次下請契約 という ) した請負代金の総額が3,000 万円 ( 建築一式工事の場合は4,500 万円 ) 以上の場合は 次のとおり取り扱うものとする ア主管部長 ( 岐阜市契約規則 ( 昭和 39 年規則第 7 号 ) 第 4 条に規定する部長

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働き方改革 魅力ある建設業の構築に向けて 特集 域によっても大きな差があり, 北陸地方や北海道 など一部の地方では平成 28 年 10 月調査の加入率が 80% を超えているのに対し, 大都市部のある関東 地方 (55%) や近畿地方 (60%) は低い加入率に 留まっている ( ) 建設マネジメン

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( 評定の修正 ) 第 6 条評定者は 前条の規定により評定の結果を通知した後においてかしが判明したこと等により 当該評定を修正する必要が生じたときは 速やかにこれを修正し 知事等に提出するものとする 2 前条第 2 項の規程は前項の場合において準用する ( 説明の請求 ) 第 7 条前 2 条の規

建築積算士更新講習

多様な入札 契約特集 本橋は金沢市の中心部に位置しており, 路線バスが 1 日に 1,220 台通行するなど, 市民の生活を支える交通の要衝となっている 竣工後,5 度の塗装塗替をはじめとする補修を行っているほか, 近年では 1993 年に大規模補修及び 25 t 対応の補強工事を実施している 現在

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公共建築改善プロジェクト(仮)

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下請契約からの社会保険等未加入建設業者の排除等に係る Q&A Q1 社会保険等とはなんですか A1: 雇用保険 健康保険 厚生年金保険の 3 保険のことをいいます Q2 社会保険等に未加入 というのはどういう場合か A2: 社会保険等に未加入 とは 社会保険等の適用を受ける事業所でありながら 各保険

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目次 1.CALS システム利用から完了までの流れ 2 2. 納品データの登録 書類の提出 決裁 納品物を作る 5 3. 納品情報の入力 案件基本情報 書類納品情報 写真 図面等の納品情報 電子納品媒体作成 一括

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2. 各検討課題に関する論点 (1) 費用対効果評価の活用方法 費用対効果評価の活用方法について これまでの保険給付の考え方等の観点も含め どう考 えるか (2) 対象品目の選定基準 1 費用対効果評価の対象とする品目の範囲 選択基準 医療保険財政への影響度等の観点から 対象となる品目の要件をどう設

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多様な入札 契約特集 2. 技術提案 交渉方式について 技術提案 交渉方式は, 品確法 第 18 条の規 定により, 発注者が, 当該工事の性格等により, 仕様を確定することが困難な場合に適用される 今回のケースでは, 北側復旧ルートは 1 日も早い完成が望まれるが, 本トンネルの十分な調査が完了し

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目次 2 級管工事施工管理技術検定学科試験の合格発表まで 2 2 級管工事施工管理技術検定学科試験 はじめに 2 級管工事施工管理技術検定は 建設業法第 27 条に基づき 管工事に従事する施工管理技術者の向上 技術水準の確保を図ることを目的とした国家試験で 同法第 27 条 2 に基づく国土交通大臣

202000歩掛関係(151001) END.xls

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工事の品質確保に向けた新たな管理体制について 国土交通省大臣官房技術調査課工事監視官石川雄一 1. はじめに国土交通省直轄工事における品質確保及び生産性向上に関する諸課題への対応については 入札 契約段階 施工段階 工事の精算段階の各段階において種々の取り組みがなされているところである このうち 施工段階における取り組みについては 施工効率の向上 品質確保 キャッシュフローの改善 情報化施工技術の推進 新たな建設生産システム導入の取り組み また 工事の精算段階においては 変更 完成手続きの徹底 追加費用の適正な支払い などを推進していると ころである 各取り組み内容の概要については 図 -1を参照されたい本稿では これらのうち 新たな建設生産システム導入の取り組み として 新たな品質管理体制の検討 について紹介する 2. 監督 検査業務の現状と課題 2-1 監督及び検査業務について ( 図 -2 図-3 参照 ) 直轄工事における監督業務については 会計法第 29 条の11に 契約の適正な履行を確保するための必要な監督 として位置付 2

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けられている 一方 検査業務については 同法に 給付の完了の確認をするための必要な検査 ( 給付の完了検査 ) として また 公共工事の品質確保の促進に関する法律第 8 条に 工事に関する技術水準の向上に資するために必要な技術的な検査 ( 技術検査 ) として位置付けられている その具体的な業務内容については 省令などにより規定されている 監督業務はその内容により 契約関係業務 現場確認業務 調整関係業務 に区分することができる 契約関係業務 とは 契約内容の確認 設計変更内容の確認 協議などである 現場確認業務 とは 現場における段階確認 指定材料の確認や施工状況の把握などである また 調整関係業務 とは 工事を進めるための地元調整や関係機関との協議などである 検査業務の具体的内容は 給付の完了検査として 工事実施状況の検査 出来形の検査 品質の検査 があり 技術検査では 給付の完了検査に加えて成績評定のために 出来栄え についての検査がある また 検査の主な種類として 既済部分検査 完成検査 中間技術検査 がある 2-2 監督 検査業務の課題直轄工事における監督業務について アンケート調査などから課題を整理すると次のようになる 1 監督業務の多様化と業務内容の負担が増大している 品質の確保 入札契約制度への対応 厳格な施工管理など 監督業務への負担が増大 概数発注 設計変更協議などの契約関係業務が増大 2 監督職員の現場への臨場回数の減少によ る品質確保への影響が懸念される 現場に行く回数が減っていることから 品質確保などのために臨場回数を増やすことが必要 品質確保のためには 段階確認や現場立会いなどをきめ細かく行うことが必要 3 粗雑工事等の発生が懸念される 現場において 施工中 施工後の粗雑 施工不良や出来形不足などが相変わらず発生これらの課題は 一般競争入札や総合評価落札方式の本格導入や定員削減による現場従事職員の減少 公共工事を取り巻く環境の変化などに起因するものと思われ 契約関係や調整関係業務の増大により現場確認業務が圧迫されている実態が窺える また 検査については 通常では1 工事あたり中間技術検査が1~2 回及び完成検査が基本となっており 既済部分検査は国債工事における契約上の既済検査以外はあまり実施されていないのが現状であり 次のような課題がある 1 現地での出来形 品質確認における課題 時間的制約から出来形や品質の現地確認は抽出検査とならざるを得ない 不可視部分の確認は書類検査とならざるを得ない 2 検査書類等の増大 現地確認が出来ない箇所や不可視部分の確認のための資料が増大する 施工状況や不可視部分の写真が増大する 3 出来高部分払い ( 既済部分検査 ) が推進されない 出来高部分払いを受けるための既済部分検査に手間がかかるなどの理由により敬遠されている 4

3. 直轄工事における品質確保の取り組み直轄工事においては 監督 検査業務の課題への対応に向けて 多様化する監督業務を区分けし 従来より監督業務として実施している 現場確認業務 については検査業務として体制を整備し 工事目的物の品質確保 粗雑工事の防止を図るために 施工プロセスを通じた検査 ( 以下 施工プロセス検査 と言う ) の導入を図ることとし 平成 18 年度より大規模工事を対象に試行を実施している 3-1 施工プロセス検査の目的施工プロセス検査の目的は 工事の施工プロセス全体を通じて工事実施状況 出来形 品質の確認を行い その結果を給付の完了検査 並びに技術検査に反映させることによって 検査の充実と効率化を図り工事における品質確保体制を強化するとともに 出来高に応じた円滑な支払いの推進を図ることである 3-2 施工プロセス検査の体制と業務の流れ ( 図 -4 参照 ) 施工プロセス検査の特徴は 施工中におけるプロセスを確認するための 品質検査員 を新たに位置付けたことである 品質検査員は 施工プロセスチェックシートに基づき現場において工事実施状況 出来形 品質などの確認業務を実施し その結果を定期的に主任検査職員に報告する なお 品質検査員の施工プロセス検査の頻度は2~3 回 / 週程度となる 主任 総括検査職員は 既済部分検査又は完成検査において 品質検査員が実施した施工プロセスの確認結果を参酌することにより各々の検査の効率化を図ることとしている 3-3 施工プロセス検査の試行状況施工プロセス検査については 平成 18 年度に制度化し一般土木工事 鋼橋上部工事及びPC 工事のうち大規模な工事及び難易 5

度の高い工事などを対象に試行を開始し 平成 23 年度までに252 件の工事で試行を実施し 平成 24 年 3 月までに128 件の工事が完成している 3-4 施工プロセス検査の導入効果施工プロセスを通じた検査の導入効果については 平成 22 年の内容の充実以降に完成した試行工事について 受 発注者に対するアンケートを実施している ( 表 -1 参照 ) アンケート結果によると 工事目的物の品質確保については 発注者 ( 主任監督員 検査職員 品質検査員 ) の約 7~9 割が工事目的物の品質確保について効果があると回答している 一方 受注者においては 品質向上には繋がるが現場対応などの負担が増えたとの意見もあった 既済部分検査 完成検査の効率化については 検査職員と受注者の約 7 割で効率化出来たとの回答であったが 従来と同様の書類を作成 していた事例も散見された 施工プロセス検査の導入効果については ある程度は認められたものの 品質検査の体制確保と実施方法における負担増について下記の課題が確認された 1 品質検査体制の課題 独立した検査体制の確立 2 検査方法による負担増の課題 検査方法の効率化 検査書類の簡素化 4. 今後の品質確保に向けた新たな管理体制の検討国交省においては 施工プロセスを通じた検査の試行を通じて新たな品質管理体制の検討を行っている 検討では 受発注者の役割 品質確保のための施工管理の方向性 今後の管理体制の方向性について次のように整理している 4-1 施工管理における受発注者の役割発注者は 契約図書どおりに適切に施工されたことを検査する役割がある 6

受注者は 契約図書どおりに適切に施工する役割がある 4-2 品質確保のための施工管理の方向性発注者として 従来の監督業務や検査業務における各施工段階での品質管理に代えて 施工過程を通じての品質の確認を充実 ( 施工プロセスの確認 ) する必要がある 4-3 今後の管理体制の方向性受発注者それぞれの役割を果たしていくために 施工者と契約した第三者による品質証明の導入を検討する必要がある 4-4 第三者による品質証明の導入検討 ( 図 -5 図-6 参照 ) 第三者による品質証明については 図 - 5 及び図 -6の体制を考えているが 下記の課題について検討する必要がある 1 第三者による品質証明内容の明確化 第三者の品質証明項目は各々の基準とならないように明確に決めて 証明項 目以外は基本的に実施しないようにし また 施工者と第三者の間で証明の記録を残す範囲を決めるなど施工プロセスチェックシートの充実が必要である 2 第三者の資格の明確化 第三者が品質証明を実施できる能力を有していることを確認する必要がある 3 第三者の中立性の確保 第三者と施工者との契約となることから 厳正な品質証明を実施する為には 第三者の中立性を確保するための仕組みが必要となる また 第三者に支払う品質証明費用についても検討する必要がある 4 第三者の役割に対する責任の考え方 粗雑工事などにかかる第三者の責任について 保険制度も視野に検討する必要がある 7

4-5 第三者による品質証明の試行について国交省では 今後の新たな品質確保に向けた管理体制として 第三者による品質証明を導入すべく前述の検討を実施しているが 制度の検討と並行して平成 24 年度より実工事現場において下記により試行を予定している 1 平成 24 年度試行における検証事項 品質確保の実効性の検証 制度の効率性の検証など 2 試行に向けての整備事項 第三者の確保については 当面は発注者にて準備することとする 試行のための要領及び試行用の基準類の整備を行う 試行工事の選定は 一般土木 A,B, C 等とする 試行期間における第三者の中立性 責任について整理を行う 5. おわりに現行の直轄工事において発注者が現場において実施している工事目的物の品質確保は 主に監督業務での現場確認や検査業務での出来形 品質検査となっている しか し それらはいずれも限定的な確認や書類等による間接的な検査とならざるを得ないことから 出来形や品質証明に係る受注者の負担や証拠書類 写真の増大の一因となっていることは否めない 発注者として工事の品質確保を図るためには 現場における確認行為の充実を図ることは大切である 一方 監督業務の多様化や現場技術者の減少が進む中 受 発注者双方の業務の効率化を図ることは常に念頭に置くべき課題である 平成 18 年度より試行している施工プロセスを通じた検査は 監督による段階的な確認や間接的な検査を現場臨場による直接的で高頻度の確認に代えて行うもので 品質確保の面で一定の効果があると思われる しかし 一方で発注者における品質検査員の確保や確認頻度の適否 受注者における現場対応 書類作成などの負担増 また 出来高部分払いが十分に推進されないなどの課題も顕在化しつつある 国交省においては 品質確保に向けたより効率的な管理体制として 第三者による品質証明制度の導入を図るべく検討を進めているところである 8