修士論文 ( 要旨 ) 2012 年 1 月 中国人日本語学習者の語彙学習ストラテジーの考察 上海の大学生を対象に 指導堀口純子教授 言語教育研究科日本語教育専攻 210J3007 章志翔

Similar documents
Microsoft Word - 217J3001.docx

修士論文 ( 要旨 ) 2014 年 1 月 アニメ好きな学習者へのインタビューから見るビリーフ変容 指導堀口純子教授 言語教育研究科日本語教育専攻 212J3012 山同丹々子

先行研究

Microsoft Word - 213J3019.docx

甲37号

修士論文 ( 要旨 ) 2012 年 1 月 聴解ストラテジーを用いた教授法の開発と実践 指導宮副ウォン裕子教授 言語教育研究科日本語教育専攻 210J3019 梁凱傑

Water Sunshine

Présentation PowerPoint

ったが 祝日もあり 学生の習得状況を見ながら調整することもあったため 一週間で 1 課が終わらない場合もあった 作文を書く練習は 1 課が終わった授業の最後の 15 分間を用いて実施した 教師が添削した作文を次回の授業のときに学習者に返し グループ内で読み合い 話し合いをした後 各グループで代表者一

Microsoft Word - 215J3012.docx

236390恵泉女学園大学2018年度学生生活ハンドブック.indd

インドネシアの高等教育における日本語教育現状と課題

<4D F736F F D208EC08F4B8CA48B86838C837C815B83678D9191F22E646F63>

修士論文 ( 要旨 ) 2014 年 1 月 目標言語使用環境における第二言語不安 日本語学校の中国人学習者を対象として 指導堀口純子教授 言語教育研究科日本語教育専攻 211J3905 周茜

Master s Thesis (Abstract) January 2015 A Study of Japanese Language Programs in Malaysian Secondary Education : Starting with the Current Situation L

 日本語学習者にとって、日本語の丁寧体と普通体の使い分け、すなわちスピーチレベルシフトの習得は難しいと言われている

論文タイトル(MS明朝12pt太字)

24 京都教育大学教育実践研究紀要 第17号 内容 発達段階に応じてどのように充実を図るかが重要であるとされ CAN-DOの形で指標形式が示されてい る そこでは ヨーロッパ言語共通参照枠 CEFR の日本版であるCEFR-Jを参考に 系統だった指導と学習 評価 筆記テストのみならず スピーチ イン

shippitsuyoko_

早稲田大学大学院日本語教育研究科 修士論文概要書 論文題目 ネパール人日本語学習者による日本語のリズム生成 大熊伊宗 2018 年 3 月

Microsoft Word - 文档1

66

2017 年 9 月 8 日 このリリースは文部科学記者会でも発表しています 報道関係各位 株式会社イーオンイーオン 中学 高校の英語教師を対象とした 中高における英語教育実態調査 2017 を実施 英会話教室を運営する株式会社イーオン ( 本社 : 東京都新宿区 代表取締役 : 三宅義和 以下 イ

インターネットを用いた言語教育の可能性 -Web教材とリアルタイム通信-


目次はじめに 1 第 1 章研究の背景および目的 研究の背景 研究の目的 3 第 2 章先行研究 海外の日本語学習者と日本の大衆文化視聴の現状 ライフストーリー研究 5 第 3 章トリニダード トバゴの背景および日本語教育事情 トリニダード

データ概要調査対象 : 留学ジャーナルから 7 月 ~9 月に短期留学 (1 週間 ~4 週間の留学を指す ) した大学生に任意で実施したアンケート調査の結果調査人数 :64 名調査期間 :2016 年 9 月 26 日 ~10 月 16 日 留学期間 1 週間以内 2 週間 3 週間 4 週間 合

2018 年 9 月 3 日 このリリースは文部科学記者会でも発表しています 報道関係各位 株式会社イーオンイーオン 中学 高校の英語教師を対象とした 中高における英語教育実態調査 2018 を実施 英会話教室を運営する株式会社イーオン ( 本社 : 東京都新宿区 代表取締役 : 三宅義和 以下 イ

Microsoft Word - 215J3904.docx

(1) (2) (3) (4) (5) 2.1 ( ) 2

本発表の流れ 1. 研究概要 2. 言語学習史インタビュー モチベーション変容グラフ 時系列ラベルと構成概念エピソード 3. 自律性支援のアプローチ

Microsoft Word - 214J3903.docx

留学生教育 第6号 

平成21年度

ホームページ掲載資料 平成 30 年度 全国学力 学習状況調査結果 ( 上尾市立小 中学校概要 ) 平成 30 年 4 月 17 日実施 上尾市教育委員会

平成 28 年度埼玉県学力 学習状況調査各学年の結果概要について 1 小学校 4 年生の結果概要 ( 平均正答率 ) 1 教科区分による結果 (%) 調査科目 羽生市 埼玉県 国語 算数 分類 区分別による結果 < 国語 > (%) 分類 区分 羽生市 埼

平成23年度全国学力・学習状況調査問題を活用した結果の分析   資料

<4D F736F F D DC58F498A6D92E894C5817A30345F93FA967B8CEA814593FA967B95B689BB89C896DA5F A778F4388C493E E646F6378>

目次第 1 章はじめに 1.1 研究の背景 在日インド人ニューカマーについて 神奈川県下のコミュニティについて 在日インド人ニューカマー女性について 研究の目的 5 第 2 章先行研究 2.1 複言語 複文化主義 アイデンティティ


Title Author(s) ロシア語母語話者における因果関係の表現の習得について Marina, Sereda-Linley Citation Issue Date Text Version ETD URL DOI rights

Taro-小学校第5学年国語科「ゆる

งานนำเสนอ PowerPoint

H30全国HP

(3) 将来の夢や目標を持っていますか 平成 29 年度 平成 28 年度 平成

指導内容科目国語総合の具体的な指導目標評価の観点 方法 読むこと 書くこと 対象を的確に説明したり描写したりするなど 適切な表現の下かを考えて読む 常用漢字の大体を読み 書くことができ 文や文章の中で使うことができる 与えられた題材に即して 自分が体験したことや考えたこと 身の回りのことなどから 相

1

4 学習の活動 単元 ( 配当時間 ) Lesson 1 ( 15 時間 ) 題材内容単元の目標主な学習内容単元の評価規準評価方法 Get Your Goal with English より多くの相手とコミュニケーションをとる 自己紹介活動を行う コミュニケーションを積極的にとろうとしている スピー

< F2D87408E7793B188C C993A190E690B6816A2E6A7464>

平成 22 年度全国学力 学習状況調査結果の概要と分析及び改善計画 調査実施期日 平成 22 年 4 月 20 日 ( 火 )AM8:50~11:50 平成 22 年 9 月 14 日 ( 火 ) 研究主任山口嘉子 調査実施学級数等 三次市立十日市小学校第 6 学年い ろ は に組 (105 名 )

スライド 1

小学校国語について

応用言語学特講発表資料第 7 章前半担当 :M.Y. [ 第 7 章 ] 語彙の習得 1. 第二言語学習者が目標とすべき語彙サイズ A) 語彙サイズ の定義第二言語習得論の中でよく用いられる 語彙サイズ には研究者のなかでも複数の見解がある (Nation&Meara,2002) それらは以下のとお

isai indd

2 教科に関する調査の結果 ( 各教科での % ) (1) 小学校 国語 4 年生 5 年生 6 年生 狭山市埼玉県狭山市埼玉県狭山市埼玉県 平領均域正等答別率 話すこと 聞くこと 書くこと

Microsoft Word - youshi1113

Microsoft Word - 02_03_categorylabel.doc

平成 21 年度全国学力 学習状況調査結果の概要と分析及び改善計画 調査実施期日 平成 21 年 10 月 2 日 ( 金 ) 教務部 平成 21 年 4 月 21 日 ( 火 )AM8:50~11:50 調査実施学級数等 三次市立十日市小学校第 6 学年い ろ は に組 (95 名 ) 教科に関す

新宿区における「日本語教育ボランティア」活動とJSL バンドスケールの意義

Microsoft Word - 02_小栗章_教育_v019e.doc

教科 : 外国語科目 : コミュニケーション英語 Ⅰ 別紙 1 話すこと 学習指導要領ウ聞いたり読んだりしたこと 学んだことや経験したことに基づき 情報や考えなどについて 話し合ったり意見の交換をしたりする 都立工芸高校学力スタンダード 300~600 語程度の教科書の文章の内容を理解した後に 英語

対話重視の 映画・ドラマを使った日本語教育 -多言語・多文化学習者は何を学ぶか-

資料5 親の会が主体となって構築した発達障害児のための教材・教具データベース

<4D F736F F D AA90CD E7792E88D5A82CC8FF38BB5816A819A819B2E646F63>

コミュニケーションを意識した授業を考えるーJF日本語教育スタンダードを利用してー

博士論文概要 タイトル : 物語談話における文法と談話構造 氏名 : 奥川育子 本論文の目的は自然な日本語の物語談話 (Narrative) とはどのようなものなのかを明らかにすること また 日本語学習者の誤用 中間言語分析を通じて 日本語上級者であっても習得が難しい 一つの構造体としてのまとまりを

平成 年度佐賀県教育センタープロジェクト研究小 中学校校内研究の在り方研究委員会 2 研究の実際 (4) 校内研究の推進 充実のための方策の実施 実践 3 教科の枠を越えた協議を目指した授業研究会 C 中学校における実践 C 中学校は 昨年度までの付箋を用いた協議の場においては 意見を出

目 次 1 学力調査の概要 1 2 内容別調査結果の概要 (1) 内容別正答率 2 (2) 分類 区分別正答率 小学校国語 A( 知識 ) 国語 B( 活用 ) 3 小学校算数 A( 知識 ) 算数 B( 活用 ) 5 中学校国語 A( 知識 ) 国語 B( 活用 ) 7 中学校数学 A( 知識 )

第 1 章問題意識と研究目的本章では 筆者の問題意識となったべトナムでの経験を通し 問題の所在を述べた 筆者がベトナム社会でベトナム語を使い生活する中でわかったことは ベトナムで出逢う全ての人が筆者のベトナム語学習に影響を与えていることであった また同じように 学生が筆者以外の日本人との出会いから多

2016/4/27 応用言語学演習 Ⅱa 人文学類 4 年 R.M. 論文紹介 Plakans, L. (2009). The role of reading strategies in integrated L2 writing tasks. Journal of English for Acad

フトを用いて 質問項目間の相関関係に着目し 分析することにした 2 研究目的 全国学力 学習状況調査結果の分析を通して 本県の児童生徒の国語及び算数 数学の学習 に対する関心 意欲の傾向を考察する 3 研究方法平成 25 年度全国学力 学習状況調査の児童生徒質問紙のうち 国語及び算数 数学の学習に対

Microsoft PowerPoint - ???????

授業科目名英語科教育基礎論 a (Basics of English Language Education a) 科目番号 授業形態講義単位数 1 単位標準履修年次 2 年次実施学期春 AB 曜時限水曜 2 時限対象学群 学類担当教員 ( 連絡先 ) 斉田智里 ( 非常勤講師 ) オ

.{...i.....j.R.c

教職研究科紀要_第9号_06実践報告_田中先生ほか04.indd

Exploring the Art of Vocabulary Learning Strategies: A Closer Look at Japanese EFL University Students A Dissertation Submitted t


広東語母語話者の促音の知覚と生成 ― 広東語の「入声(にっしょう)」による影響を中心に

修士論文 ( 要旨 ) 2015 年 1 月 てしまう とその縮約形 ちゃう の研究 - 評価的意味を中心に - 指導新屋映子教授言語教育研究科日本語教育専攻 213J3023 黄麗

p.1~2◇◇Ⅰ調査の概要、Ⅱ公表について、Ⅲ_1教科に対する調査の結果_0821_2改訂

平成29年度 中学校英語科教育 理論研究

例 1) 日系人の A さんの場合 1 域内の外国人の状況 ニーズ, 地域のリソース等の把握 (1) 対象とする学習者の属性や数の把握 レディネス( 日本語学習をどの程度行っているか ) 家族形態 来日 3か月で日本語学習経験はなし 妻, 子供 ( 小学生 ) 漢字圏かどうか 在留資格 非漢字圏 定

2016 年 8 月 19 日 報道関係各位 株式会社イーオンイーオン 中学 高校の英語教師を対象とした 中高における英語教育実態調査 2016 を実施 英会話教室を運営する株式会社イーオン ( 本社 : 東京都新宿区 代表取締役 : 三宅義和 以下 イーオン ) は 中学 高校で英語を教えている現

Microsoft Word doc

(Microsoft Word - \207U\202P.doc)

言語生成と言語管理の学際的研究 言語管理理論が現在のところ, 最も体系的なモデルであると思われる. ネウストプニー (ibid) によると言語管理プロセスには, 規範からの逸脱から始まる少なくとも 5 つのステージ ( 逸脱のステージ, 留意のステージ, 評価のステージ, 調整計画のステージ, 調整

M28_回答結果集計(生徒質問紙<グラフ>)(全国(地域規模別)-生徒(公立)).xlsx

注意:やむをえない理由により、予告なしに担当講師が代講または変更となることがあります

(4) ものごとを最後までやりとげて, うれしかったことがありますか (5) 自分には, よいところがあると思いますか

象 ) の 2 つの概念について検討した 本論文は 理論的な研究と実証的な研究を参考に視点を 視座 と 注視点 の二つに分けて捉えた 視座とは 話者の空間的及び心理的立場を示すものであり その視座を判定する構文的手掛かりとしては 受身表現 授受表現 使役表現 移動表現 主観表現 感情表現の 6 つの

山梨大学教職大学院専攻長 堀哲夫教授提出資料

公益社団法人日本語教育学会 NKG メールマガジン NKG MM _3 他団体情報 ====================================================================== 他団体情報 : 行政

(4) 学校の規則を守っていますか (5) いじめは, どんな理由があってもいけないことだと思いますか


回数テーマ学習内容学びのポイント 2 過去に行われた自閉症児の教育 2 感覚統合法によるアプローチ 認知発達を重視したアプローチ 感覚統合法における指導段階について学ぶ 自閉症児に対する感覚統合法の実際を学ぶ 感覚統合法の問題点について学ぶ 言語 認知障害説について学ぶ 自閉症児における認知障害につ

相互行為における不同意の会話分析研究 ―マルチモダリティの視点から―

1 高等学校学習指導要領との整合性 高等学校学習指導要領との整合性 ( 試験名 : 実用英語技能検定 ( 英検 )2 級 ) ⅰ) 試験の目的 出題方針について < 目的 > 英検 2 級は 4 技能における英語運用能力 (CEFR の B1 レベル ) を測定するテストである テスト課題においては


地域の日本語教室はどうあるべきか―あるボランティアの教室活動観からの考察

表紙.indd

Transcription:

修士論文 ( 要旨 ) 2012 年 1 月 中国人日本語学習者の語彙学習ストラテジーの考察 上海の大学生を対象に 指導堀口純子教授 言語教育研究科日本語教育専攻 210J3007 章志翔

目次第 1 章はじめに...1 1.1 研究背景...1 1.2 研究目的...1 第 2 章先行研究...2 2.1 学習ストラテジーとは...2 2.2 語彙学習研究の実態...2 2.2.1 海外における学習者に対する研究...2 2.2.2 日本国内の学習者に対する研究...3 2.2.3 中国の学習者に対する研究...3 2.3 まとめ...4 第 3 章予備調査...5 第 4 章本調査...10 4.1 調査概要...10 4.1.1 調査協力者...10 4.1.2 アンケート調査...10 4.1.3 半構造化インタビュー...11 4.2 調査結果...11 4.2.1 CM1...11 4.2.2 CM2...17 4.2.3 CM3...20 4.2.4 CM4...26 4.2.5 CF1...30 4.2.6 CF2...35 4.3 アンケート調査と半構造化インタビュー調査の関係...41 4.4 調査全体のまとめ...41 第 5 章考察...42 5.1 語彙学習ストラテジーの使用に影響する要因について...42 5.2 現在の語彙学習の問題点...43 5.3 ドラマの利用について...44 5.4 日本語教育への提案...44 第 6 章今後の課題...46 6.1 本調査について...46 6.2 調査協力者について...47 参考文献付属資料

要旨語彙は 読む 書く 聞く 話す の 4 技能全ての基礎である 語彙力の不足は 日本語の習得 1 に大きな影を落とす では 語彙はどのように習得されるのだろうか 適切なストラテジーが使用されれば 学習者の語彙習得につながると考える 今まで 日本国内及び海外における語彙学習ストラテジーに関する研究は多く行われてきたが 中国国内における日本語科の学習者を対象とした研究は限られており 十分とはいえない 本研究では中国上海における日本語を専攻する大学生を対象に 学習者の語彙学習ストラテジーを調査し 以下の 2 点を明らかにすることを目的とする 1. 学習者が語彙学習をする際に使用しているストラテジー 2. 学習者がマルチメディアを語彙学習のリソースとして活用する場合 具体的にどのようなストラテジーを使用しているか先行研究としてあげた横須賀 (1995) 伴(1989) 金(2006) はそれぞれ 日本国外の学習者 日本国内の学習者 中国の学習者を対象に語彙学習ストラテジーについて考察した 本研究では 中国在住の中国人学習者を対象に 語彙学習におけるストラテジー 及びドラマの活用方法を調査する 調査は上海のある私立大学の日本語専攻の大学生を対象に実施した 本調査はアンケート調査と半構造化インタビューから構成される 半構造化インタビューの調査対象はアンケート調査で 日本のテレビ番組 映画 ドラマ アニメーションなどを見る という項目を選んだ人である 分析では調査協力者の答えから 協力者の語彙学習ストラテジー及びマルチメディアの具体的な使用方法を考察する 使用している語彙学習ストラテジーについては アンケート調査で 調査対象者のほぼ全員が項目 3 の 新しい単語は繰り返し書いたり 読んだりする を選んだ このことから記憶ストラテジーが一番多用されていることが分かった 半構造化インタビューから 語彙やテキストを記憶することは学習者が使用している重要な語彙学習ストラテジーの 1 つで 語彙学習に大きな役割を果たしていることが分かった 日本のドラマの利用については 中国在住の学習者にとって 日本社会及び日常日本語に触れる最も重要なリソースで 語彙量や知識面の拡大の方策として学習者に活用されていることが分かった 人によって 勉強の気持ちで見る学習者 気晴らしとして見る学習者 それぞれいるが 語彙学習にプラスの影響があることが分かった 使用するストラテジーは文を一つ一つ確かめながら聴き取る 繰り返し同じドラマを見る そのまま聞き流し 文脈で覚えるなどである 調査の結果から ドラマを見るなどのタスクを通して 学習者たちは各自多様なストラテジーを使い 必要な語彙を探させる方法を中国の大学に導入すれば いいのではないかということ それによって 単なる試験の質問項目を解くために語彙学習をさせるのではなく 運用のための語彙を学習者が自ら探して 自律学習や学習の持続性に対して高い効果があるのではないかという示唆を得ることができた 1 尾関 (2005) においては 目標言語形式の指し示す事象との関係が内在化され 使うべき時と使うべきではない時の区別ができるようになったときが習得だと捉えている

質的研究としてはインタビューをもっと深くするべきで フォーロアップインタビューを実施すべきだったと思う また 教師も対象者に含め 教師と学習者の両方から語彙学習ストラテジーを調査研究していきたいと考えている 参考文献大谷尚 (2007) 4 ステップコーディングによる質的データ分析手法 SCAT の提案 着手しやすく小規模データにも適用可能な理論化の手続き 名古屋大学大学院教育発達科学研究科紀要 ( 教育科学 ) 第 54 巻第 2 号 (2007 年度 ) 大須賀直子 (2010) 最近の言語学習ストラテジー研究動向 明治大学国際日本研究第 2 号岡崎敏雄 岡崎眸 (1990) 日本語教育におけるコミュニカティブ アプローチ 凡人社岡崎眸 (1999) 学習者と教師の持つ言語学習についての確信 宮崎里司 ネウストプニー,J.V. 共編 日本語教育と日本語学習 学習ストラテジー論にむけて くろしお出版岡崎正道 (1993) ドラマ 漫画による日本語教育 Artes liberales 第 53 号 pp. 39-53 岩手大学人文社会科学部岡本能里子 (2007) 未来を切り拓く社会実践としての日本語教育の可能性 日本語教育のフロンティア : 学習者主体と協働 くろしお出版尾関直子ら (2005) 言語学習と学習ストラテジー ~ 自律学習に向けた応用言語学からのアプローチ~ 大学英語研究会学習ストラテジー研究会編著リベール出版オックスフォード (1994) 宍戸 伴訳 言語学習ストラテジー 外国人教師が知っておかなければならないこと 凡人社小嶋英夫 尾関直子 廣森友人編集 (2010) 成長する英語学習者 : 学習者要因と自律学習 大修館書店金英実 (2006) 環境の違いによる語彙学習ストラテジー 中国と日本を比較して 桜美林大学大学院修士論文 (2006 年度 ) 佐野富士子 岡秀夫 遊佐典昭 金子朝子編集 (2011) 第二言語習得 : SLA 研究と外国語教育 大修館鈴木みどり編 (2004) ( 新版 )Study Guide メディア リテラシー 入門編 リベルタ出版田中望 斉藤里美 (1993) 日本語教育の理論と実際 大修館書店ネウストプニー,J.V.(1995) 言語学習と学習ストラテジー 宮崎里司 ネウストプニー, J.V. 共編 日本語教育と日本語学習 : 学習ストラテジー論に向けて くろしお出版伴紀子 (1987) 学習者の反応から見た映像教材ビデオとその利用 国立国語研究所 映像教材による教育の現状と可能性 日本語教育映画ワークショップ報告 pp.114-115 伴紀子 (1989) 日本語学習者の適応する学習ストラテジー アカデミア文学 語学編 47 号南山大学伴紀子 (1992) 言語学習のための学習ストラテジー カッケンブッシュ寛子他 ( 編 ) 日本語研究と日本語教育 名古屋大学出版会宮副ウオン裕子 (2006) 日本語能力試験の波及効果 香港調査から 世界言語テスト 国立国語研究所編くろしお出版村野井仁 (2004) 教室第二言語習得研究と外国語教育 小池生夫編 第二言語習得研究

の現在 : これからの外国語教育への視点 大修館書店 pp103-122 横須賀柳子 (1995) 日本語の語彙における学習ストラテジー 日本語教育の課題 pp.219-248 東京堂出版