2015 年 7 月 10 日 エマージングマーケットウィークリー 国際為替部マーケット エコノミスト深谷公勝 大島由喜 斎

Similar documents
Microsoft Word - emw doc

中国貿易統計は冴えない結果となるも 上海株が大きく値を戻したことで 新興国通貨は値持ちする エマージングマーケット短期見通し予想通り FOMC にて利上げが見送られれば 一層安定する見込み今週の新興国通貨はこれまで売り込まれていた MXN 等の資源国通貨の買い戻しや ZAR 及び TRY といった経

Microsoft Word - emw doc

一部の新興国通貨は売られるも 年初来では高値圏で推移米経済指標の改善を受けてもドル高は進まず エマージングマーケット短期見通し今週の新興国通貨は 資源国通貨や政治リスクが意識された通貨を除き安定した値動きとなった 資源国通貨については イラン石油相が増産凍結に不参加の意思を表明したことに加え サウジ

The Emerging Markets Monthly... 2 CNY... 3 INR RBI... 4 IDR... 5 KRW... 6 MYR... 7 PHP... 8 BRL BCB... 9 THB GDP MXN MXN RUB... 1

The Emerging Markets Monthly... 2 CNY... 3 INR... 4 IDR 7 9 GDP... 5 KRW FTA... 6 MYR... 7 PHP... 8 SGD THB 7 9 GDP MXN NAFT

The Emerging Markets Monthly FRB B/S 8 25 ECB FOMC B/S FRB QE B/S 2013 FRB ECB 9 7 QE +2 7 PCE PMI

The Emerging Markets Monthly PMI FOMC B/S 24 FOMC 5 23 B/S FRB B/S OPEC OPEC ZAR THB KRW MY

The Emerging Markets Monthly TRY 1 2 TRY FRB 9 ECB 2526 FOMC 25bp NAFTA NAFTA THB KRW CNY TWD SGD PH

PowerPoint プレゼンテーション

<4D F736F F F696E74202D E835A838B94C5817A837D815B B834A E738FEA816A2E >

weeklyReport(Template).xls

The Emerging Markets Monthly GDP... 5 KRW BOK bp

PowerPoint プレゼンテーション

CPI PMI / PMI PMI 50 MSCI VIX CBRT CBRT 16 C

untitled

<4D F736F F F696E74202D E835A838B94C5817A837D815B B834A E738FEA816A2E >

人民元週間レポート 2017 年 6 月 16 日発行 みずほ銀行 ( 中国 ) 有限公司 中国為替資金部

FOMC 2018年のドットはわずかに上方修正

Microsoft Word - 18_2

3_2

<4D F736F F F696E74202D20837D815B B834A E738FEA816A2E B8CDD8AB B83685D>

Currency201207

2015 年 3 月 9 日 対外 対内証券投資の動向 (2015 年 2 月分 ) 投資信託委託会社等による対外証券投資が大幅増加 財務省の 対外及び対内証券売買契約等の状況 ( 指定報告機関ベース ) によると 2 月の対外証券投資は +2 兆 6,754 億円の取得超となり 前月の +2 兆

金融政策決定会合における主な意見

人民元週間レポート 2019 年 3 月 29 日発行 みずほ銀行 ( 中国 ) 有限公司 中国為替資金部

サマリー 1 市場の関心は米大統領選の行方に集まっています 世論調査においてドナルド トランプ氏の優勢が報じられると 市場の更なる丌確実性が懸念され リスク資産からの資金流出が記録されました 10 月の MSCI 世界株価指数はマイナス 2.01% MSCI 新興国株価指数は 0.18% と新興国が

IMM 通貨先物のポジション動向 (2014 年 11 月 11 日時点 ) 米ドル買いポジションは 3 週間ぶりに縮小 2014 年 11 月 17 日 米商品先物取引委員会 (CFTC) が発表した IMM 通貨先物 1 によると 投機筋 (Non Commercial 非商業部門 ) による主

< 豪州債券市場の市況および今後の見通し > 2016 年の豪州債券市場では 金利が低下しました 年初から 2 月にかけては 中国株をはじめ世界の株式市場が下落するなど市場のリスク回避姿勢が強まる中 金利低下が進みました 1 月末に日銀のマイナス金利導入発表を受け 欧州など他国でもさらなる金融緩和期

untitled

PowerPoint プレゼンテーション

Microsoft Word - 20_2

スライド 1

低インフレ 乏しい利上げ観測労働市場に目を向けると 8 月の失業率は約 年ぶりの低水準となる5.3% に低下した 雇用者数も伸びており 一部では技術者不足の声も聞かれる RBAは今後数年 失業率は自然失業率とされる5.% を目指して低下が続くとの見方を示している ただ 賃金の上昇率は ~ 月期が前年

米国の利上げ見送りと日本の長期化した金融緩和

Economic Indicators_  定例経済指標レポート

ファンダの鬼・柳澤 浩と小杉 篤諭の「ファンダメンタルズの学び方、活かし方セミナー!」

[000]目次.indd

1. 30 第 1 運用環境 各市場の動き ( 4 月 ~ 6 月 ) 国内債券 :10 年国債利回りは狭いレンジでの取引が続きました 海外金利の上昇により 国内金利が若干上昇する場面もありましたが 日銀による緩和的な金融政策の継続により 上昇幅は限定的となりました : 東証株価指数 (TOPIX)

2017年上半期の為替相場展望

Microsoft Word ECB利下げ.doc

nichigingaiyo

○ユーロ

PowerPoint プレゼンテーション

PowerPoint プレゼンテーション

Invesco Premia Plus Fund

チャート編 1 日経平均株価 ( 日経 225) TOPIX( 東証株価指数 ) 2,0 NY ダウ工業株 30 種平均株価 ( 米ドル ) ダウセレクト配当込み指数 3,000 28,000 26,000 24, ,000 26,000 2,0 20,000 1,0 24,000 1

Outlook201806

今回の金融政策報告書では 米国内の投資活動が弱いために輸出が想定ほど伸びていないとしながらも 金融業などサービス関連の好調さを示す分析や 商品価格下落がカナダ企業の投資活動を抑制する動きは底打ちしたとの指摘など カナダ景気に前向きな材料も散見されます 当面は 政策金利の据え置きを続けると見通します

< E97708AC28BAB82C982C282A282C42E786C73>

ブラジル レアル為替相場見通し ~ レアル安トレンドは終わったのか ~ 国際為替部アジア エマージングチーム Copyright (c) Mizuho Bank, Ltd. All Rights Reserved.

中国:PMI が示唆する生産・輸出の底打ち時期

長と一億総活躍社会の着実な実現につなげていく 一億総活躍社会の実現に向け アベノミクス 新 三本の矢 に沿った施策を実施する 戦後最大の名目 GDP600 兆円 に向けては 地方創生 国土強靱化 女性の活躍も含め あらゆる政策を総動員することにより デフレ脱却を確実なものとしつつ 経済の好循環をより

【No

PowerPoint Presentation

(Microsoft Word \214\216\215\206_\203g\203s\203b\203N1\201i2010\224N\223x\214o\215\317\214\251\222\312\202\265\201j.doc)

Microsoft PowerPoint - CSIS 【三井住友銀行】 FOMC後のスペシャルレポート(USHY).pptx


Outlook201603

米国株 投資家心理が落ち着けば 上昇基調に回帰と想定 株式市場 MSCI 米国 2, % 先月の回顧 長期金利の上昇を契機に急落米国株式市場は下落しました 月初に発表された1 月の雇用統計において 時間当たり賃金が市場予想を上回る伸び率となったことを受けて 長期金利が約 4 年ぶ

ブラジル中国インド インドネシア ロシア 図表 新興国の消費者物価上昇率 ( 単位 :%)( 資料 :IMF 世界経済見通し ) 通常であれば 成長率が低下すれば 国内の需給バランスが緩和し むしろ物価は低下するのが自然である しかし 中国以外の カ国は逆に物価上

スライド タイトルなし

マクロ インサイト FRB FRB 長期金利 FRB bp 図表 1 FRB と市場の金利予測の乖離 FOMC 予測 vs 市場予測 年末 年末 2.0 市場が

MONEXグローバル個人投資家サーベイ

1. 30 第 2 運用環境 各市場の動き ( 7 月 ~ 9 月 ) 国内債券 :10 年国債利回りは上昇しました 7 月末の日銀金融政策決定会合のなかで 長期金利の変動幅を経済 物価情勢などに応じて上下にある程度変動するものとしたことが 金利の上昇要因となりました 一方で 当分の間 極めて低い長

TFX_フィスコ通貨ウォッチャー

Outlook201601

Microsoft Word - 49_1

1.ASEAN 概要 (1) 現在の ASEAN(217 年 ) 加盟国 (1カ国: ブルネイ カンボジア インドネシア ラオス マレーシア ミャンマー フィリピン シンガポール タイ ベトナム ) 面積 449 万 km2 日本 (37.8 万 km2 ) の11.9 倍 世界 (1 億 3,43

Microsoft PowerPoint - MXN120417

[ 参考 ] 先月からの主要変更点 基調判断 3 月月例 4 月月例 景気は 急速な悪化が続いており 厳しい状況にある 輸出 生産は 極めて大幅に減少している 企業収益は 極めて大幅に減少している 設備投資は 減少している 雇用情勢は 急速に悪化しつつある 個人消費は 緩やかに減少している 景気は

2018 年は激動の年 年初来 トルコ株式指数はトルコリラベースで最大で約 24% 下落し トルコリラは日本円に対して最大で約 45% 下落しました トルコ株式 * の推移 ( トルコリラベース ) /12 18/03 18/06 18

経済・物価情勢の展望(2018年1月)

Weekly

オーバルネクスト ETF 情報 2010 年 2 月 15 日号 ( 株 ) オーバルネクスト 東京都中央区日本橋兜町 13-2 TEL 03(5641)5777

当面の金融政策運営について(貸出増加支援資金供給の延長等、12時29分公表)

1.ASEAN 概要 (1) 現在の ASEAN(216 年 ) 加盟国 (1カ国: ブルネイ カンボジア インドネシア ラオス マレーシア ミャンマー フィリピン シンガポール タイ ベトナム ) 面積 449 万 km2 日本 (37.8 万 km2 ) の11.9 倍 世界 (1 億 3,43

株式市場 米国株 トランプ氏の政策への期待感後退で調整も MSCI 米国 2, % 先月の回顧 米国株式市場は上昇しました 11 月 8 日 ( 現地 ) に行われた大統領選挙でトランプ氏が当選し 減税やインフラ投資の拡大などの同氏の政策に注目が集まりました 債券市場では金利が上

Microsoft Word - 44_2

PowerPoint プレゼンテーション

【ロシア最新経済金融週報】

Fidelity Charts & Graphs PowerPoint Template

平成 21 年 9 月 5 日 角山智 投資環境レポート (2009 年 9 月 ) 1. 主な株価指数 8 月は 中国株が大幅に値下がりしました 反面 出遅れていた英国株が好調です 市場 日本株 日本新興市場 J-REIT 米国株 英国株 中国株 ( 指数 ) (TOPIX) (JASDAQ) (

Microsoft Word - 15_2

<引受基準(個別)>

○ユーロ

Outlook201608

22101_PremierTouch_A011_H10B11_201906_2

現代資本主義論

2012 年 10 月 15 日号

金融テーマ解説

株式市場 米国株 景気 企業業績は依然として堅調 MSCI 米国 2, % 先月の回顧 貿易摩擦への懸念から下落米国株式市場は下落しました トランプ米大統領が鉄鋼やアルミニウムの輸入を制限する方針を表明したことから 世界的な貿易摩擦への懸念が高まり下落して始まりました その後 貿

経済・物価情勢の展望(2017年7月)

Outlook201901

米労働市場は直近の回復基調に変化なし ~FRB出口政策への影響は限定的~

株式市場 米国株 上値が重く神経質な展開 MSCI 米国 2, % 先月の回顧 米国株式市場は下落しました FOMC( 米国連邦公開市場委員会 ) における利上げの有無 大統領選挙の動向 ドイツの大手銀行の資本不足懸念などに一喜一憂する展開となりました 月半ばにかけて 利上げ観測や原油

Microsoft PowerPoint - Pictet_Market_Flash_ (直近の下落).pptx

人民元週間レポート 2015 年 12 月 18 日発行 みずほ銀行 ( 中国 ) 有限公司 中国為替資金部

平成24年度の経済見通しと経済財政運営の基本的態度(閣議了解)

<4D F736F F D20819A819A8DC58F49835A C C8E816A2E646F63>

Transcription:

2015 年 7 月 10 日 エマージングマーケットウィークリー 国際為替部マーケット エコノミスト深谷公勝 03-3242-7065 masakatsu.fukaya@mizuho-bk.co.jp 大島由喜 03-3242-7065 yuki.ooshima@mizuho-bk.co.jp 斎藤周 03-3242-7065 amane.saito@mizuho-bk.co.jp 今週のエマージングマーケットギリシャ 中国発のリスクオフ今週の新興国通貨は続落 前週末に実施されたギリシャの国民投票にて緊縮反対派が賛成派を上回る結果となったことで ギリシャのユーロ離脱懸念が高まり 週初からリスクオフの新興国通貨売りが優勢となった さらに中国当局の下支え措置にも拘わらず 上海総合株価指数が 8 日に一時 8% 超の急落を見せると 同国経済のハードランディング懸念が拡がり こうした動きは更に加速した もっとも 8 日の FOMC 議事要旨を経て米国の 9 月利上げ期待が後退したほか 9 日には上海総合株価指数が +5% の反発を見せたことで投資家のセンチメントは若干改善し 新興国通貨も下げ幅を縮小した 個別通貨では BRL が 2.7% と新興国通貨の下げを主導 中国経済の鈍化懸念を背景にブラジルの主要輸出品である鉄鉱石が 10 年ぶりの安値まで急落したことが重石となった また同様に原油価格も 3 か月ぶりの安値に下落しており これを受けて RUB( 2.1%) MXN( 0.5%) と MYR( 0.4%) も売られた このうち MXN は過去最安値である 15.8652 MYR は 16 年ぶりの安値 3.8070 まで値を下げた このほか中国向けの輸出依存度が高い KRW( 1.0%) や ZAR( 1.6%) の下落が目立った エマージング通貨騰落率 ( 対ドル ) エマージング株式騰落率 TRY INR CNY IDR SGD PHP MYR THB MXN TWD KRW ZAR RUB BRL-2.7% -2.1% -1.6% -0.1% -0.1% -0.3% -0.3% -0.4% -0.5% -0.5% -0.6% -1.0% 0.1% 0.4% TR CN ZA MX TH US BR IN MY PH SG ID RU KR TW HK -6.4% -1.0% -1.1% -1.1% -1.2% -1.4% -1.8% -1.9% -2.1% -2.3% -2.9% -3.2% -3.6% -4.7% 1.3% 0.6% ( 注 )US: 米国 S&P500 種指数 CN: 中国上海総合指数 HK: 香港ハンセン指数 IN: インド SENSEX30 種指数 ID: インドネシアジャカルタ総合指数 KR: 韓国総合株価指数 MY: マレーシア FTSE ブルサマレーシア KLCI インデックス PH: フィリピン総合指数 SG: シンガポール ST 指数 TW: 台湾加権指数 TH: タイ SET 指数 RU: ロシア RTS 指数 ZA: 南アフリカ FTSE/JSE アフリカ全株指数 TR: トルコイスタンブールナショナル 100 種指数 BR: ブラジルボベスパ指数 MX: メキシコボルサ指数 ( 資料 ) ブルームバーグ

世界的にリスクオフで 9 月利 上げの可能性は大きく後退 エマージングマーケット短期見通し不透明感の払しょくには時間を要する今週の新興国通貨は世界的なリスクオフで続落 中国株の大幅下落を受けた同国経済の減速懸念が商品価格の下落に繋がっており 特に資源国通貨の下げが目立った 一方 8 日に発表された FOMC 議事要旨 ( ギリシャ 中国情勢悪化以前の 6 月 16~17 日開催分 ) では 利上げを決断するには雇用や物価についての更なる材料が必要 とされ ギリシャ問題や中国等の新興国経済の不確実性への懸念 が示された 議事要旨の内容自体は驚きではなかったが 指摘されたギリシャ問題や中国経済の動向が会合時から悪化していることから 市場の利上げ期待が後退した この点 利上げ開始は依然としてデータ次第であり 当の米国経済は 4~6 月期に入って明るさを取り戻してはいる ただ足許の世界情勢を考慮するとさすがに 2 か月後の利上げは厳しそうだ 9 月利上げの可能性は大きく低下したと考えるのが自然だろう 不透明要因は残存来週の新興国通貨も上値の重い展開を予想する 引き続きギリシャ問題と中新興国通貨の力強い反発は国株式市場の動向が市場の焦点となろう 前者については 11 日 ( 土 ) のユー期待できないロ圏財務相会合及び 12 日 ( 日 ) のユーロ圏首脳会議 後者は 9 日に +5% と反発した上海総合指数の勢いが持続するかどうかが注目される いずれも最悪の事態 ( ギリシャのユーロ離脱と中国経済のハードランディング ) は避けられるというのが現時点での想定だが 事態が短期に収束して市場のセンチメントが急反転するとは考えにくく 暫くは不透明感が燻った状況が続くだろう なお米利上げの先送りは本来新興国通貨にとってポジティブであるが 足許のリスクオフムードの下ではこれを材料にした新興国通貨買いは限定的に留まろう 米利上げ時期を占う上では 15 日 ( 水 ) と 16 日 ( 木 ) に行われるイエレン FRB 議長の米議会証言で 同議長が 6 月 FOMC 後の経済環境変化に対してどのようなスタンスを示すかにも留意したい 図表 1: 米国債利回りの推移 ( 過去 1 年間 ) 図表 2: 米株と VIX 指数の推移 ( 過去 1 年間 ) 0.9 (%) 3.1 2 年金利 ( 左軸 ) (%) (Pts) 2150 S&P500( 左軸 ) (Pts) 2.9 26 0.8 10 年金利 VIX 指数 2100 24 2.7 0.7 2050 22 2.5 20 2000 0.6 2.3 18 2.1 1950 16 0.5 14 1.9 1900 0.4 12 1.7 1850 10 0.3 1.5 1800 8 7 月 8 月 9 月 10 月 11 月 12 月 1 月 2 月 3 月 4 月 5 月 6 月 7 月 7 月 8 月 9 月 10 月 11 月 12 月 1 月 2 月 3 月 4 月 5 月 6 月 7 月 ( 資料 ) ブルームバーグ ( 資料 ) ブルームバーグ 2015 年 7 月 10 日 2

中国は株価下支えのため 異例の対応 エマージングマーケット : 国別の注目材料中国 : 株価急落でハードランディング懸念が高まるサプライズとなった 6 月 27 日の追加利下げも奏功せず 上海総合株価指数は過去 3 週間で 30% 超急落 上海証券取引所では全体の約 3 分の 1 に及ぶ銘柄が取引停止の状態となっている こうした事態を受けて 中国は総動員で市場の安定確保に動いている 中国証券監督管理委員会 (CSRC) は需給緩和のため新規株式公開 (IPO) を制限する方針を示し 中国株式市場への上場を計画していた 28 社は IPO を中止した また中国人民銀行 ( 中央銀行 PBoC) も信用取引向け融資を手掛ける国営の中国証券金融 (CSF) に対する流動性支援を発表した これに呼応して中国の大手証券会社 21 社は 4 日 総額 1200 億元 ( 約 193 億ドル ) 以上を優良銘柄で構成される上場株式投信 (ETF) に充てると発表 また 上海総合指数が 4500 に戻るまでは 各社の保有株を売却しない方針も表明した 中国家計の金融資産におけ る株式の割合は小さいが こうした当局の動きにも拘わらず上海総合株価指数は 8 日に一時 8% の下落を見せ 市場では同国経済のハードランディングを懸念する声が拡がった 株式市場の下落が中国経済に与える直接的な影響については1 逆資産効果による家計消費の減少 2 企業ファイナンスの停滞 (IPO 停止や株式担保融資の減少 ) による投資の鈍化が挙げられる このうち重要なのは1 家計消費への影響であろう ( 中国企業のファイナンスにおける IPO や株式担保融資の割合は小さく 投資に与える直接的な影響は軽微と考えらえる ) 2015 年入り後の株取引は 8 割が個人投資家によるものとの発表がなされており 今回の株価急落で傷ついたのは主に家計のバランスシートであるとみられる 消費への影響を探る上では家計資産における市場性資産の割合が重要であるが この点 サンプル調査によれば中国家計の金融資産における株の割合は 15% 程度と言われており ( 諸説あり ) 1 OECD 諸国の平均をやや下回る ( 日本 6.7% 韓国 16.9% 米国 31.2%) 2 平時であれば殊更に懸念する必要はなさそうだが 既に成長率は目標の 7% を割る 6% 台後半に減速しているとみられる中 足許で下げ止まりの兆しが見えてきた国内経済の腰折れに繋がる可能性はあり こうした懸念が上述の異例の措置に繋がっていると思われる 利下げ等の追加緩和措置が 取られる可能性が高まった 取引停止や証券会社 株主への買い支え要請といったなりふり構わない対応には当局 PBoC の焦りが滲み出ているように見える 今後の経済指標にも因るが 利下げを含めた追加的な措置が採用される公算は高まっていよう なお 筆者は現時点で中国経済のハードランディングリスクは依然として小さいと考えている 1 詳しくはみずほ総合研究所 2015 年 6 月 29 日付みずほインサイト 株価下落が中国経済に与える影響個人消費の冷え込みと不良債権の拡大加速に注意 をご参照ください 2 OECD Factbook 2014: Economic, Environmental and Social Statistics 2015 年 7 月 10 日 3

韓国 : 政府が景気刺激策を発表 BOK は予想通りの現状維持 2.5 兆ウォンが MERS 対策に 韓国政府は 3 日 12 兆ウォンの補正予算案を発表した 補正予算と他の刺激 策を合わせると合計 22 兆ウォンを景気刺激策として投じることとなる 補正予算の 12 兆ウォンのうち 5.6 兆ウォンが税収入減の穴埋めに使用され 残りの 6.2 兆ウォンが中東呼吸器症候群 (MERS) 対策や干ばつ 労働者支援や 地方経済支援等に充当される 具体的には 2.5 兆ウォンが MERS の影響を受けた医療機関や旅行業界支援 0.8 兆ウォンが干ばつ対応 1.2 兆ウォンが若年層や高齢者の雇用 残り 1.7 兆ウォンは社会資本 (SOC) を通して地域経済活性化支援に充てられる 財政悪化を懸念する必要は ない 今回の補正予算により政府支出は当初より 9.3 兆ウォン増の 384.7 兆ウォンとなる 財源は 0.7 兆ウォンが韓国中銀 (BOK) の余剰金と各種基金からの調達 残りは主に国債発行により賄われる この結果 財政赤字は GDP 比 2.1% から 3.0% へ 一般政府債務は GDP 比 35.7% から 37.5% に悪化する もっとも同国の一般政府債務は他の先進国と比べても小さく 財政悪化を懸念する必要はないだろう なお 企画財務部 (MoSF) によるとこの歳出は成長率を 2015 年度は 0.3 ポイント 2016 年度は 0.4 ポイント押し上げるとしている BOK は中立スタンスに回帰 年内は政策据置を予想 一方 韓国中銀 (BOK) は 9 日の金融通貨委員会にて予想通り 全会一致で政策金利を現状の 1.5% に据え置いた BOK は 2015 年の成長率見通しを従 前の +3.1% から +2.8% に下方修正したが 4~6 月期の景気減速 ( 同中銀の予測では前期比 +0.4%) を一時的要因によるものとし MERS による混乱が収束することで国内景気は徐々に上向くとの見通しを示した 声明文及び会見は家計債務の積み上がりに関する懸念が示されるなど 全体としてニュートラルなスタンスに戻った印象 筆者は現時点で追加利下げを想定していないが この点は景気動向次第であり 特に今後発表される消費者信頼感指数や商業販売統計の動向が重要になってくる 図表 3: 一般政府債務残高の国際比較 (2015 年見通し ) 140 一般政府債務 ( 対 GDP 比 %) 120 100 80 60 40 20 0 図表 4: 韓国政策金利と消費者物価 7.0 6.0 5.0 4.0 3.0 2.0 1.0 (%) インフレターゲットレンジ政策金利 CPI( 前年比 ) コア CPI( 前年比 ) 期待インフレ率 0.0 08 09 10 11 12 13 14 15 ( 資料 )IMF 韓国政府 みずほ銀行 ( 資料 )CEIC みずほ銀行 2015 年 7 月 10 日 4

足許で利下げ余地は小さく BI は政策据え置きを予想 インドネシア : 金融政策決定会合プレビュー 14 日 ( 火 ) に開催されるインドネシア中銀 (BI) の金融政策決定会合は 現状の金融政策の据え置きを予想する 前回 6 月 18 日の会合にて BI は市場予想通り政策の現状維持を決定した 声明文に目立った変更はなく 物価については引き続き原油価格や IDR 相場といったリスク要因を注視していくとした また 景気見通しについては外需低迷や公共投資の遅れにより 4~6 月期まで低成長が続くが 年後半には加速するとの見方を維持した 但し ブロジョネゴロ財務相によると政府による 2015 年上期の成長率予想は 5.2% から 4.9% に下方修正されており 景気は引き続き弱い動きが予想される 前回会合後に発表された指標をみると 6 月の消費者物価指数 (CPI) は前年比 7.26% と前月の 7.15% から上昇幅が拡大し 依然として BI のインフレ目標 (+3~5%) を上回って推移している また 7 月はギリシャの問題を受けた世界的なリスクオフムードにより IDR はアジア通貨危機直後の 1998 年 9 月以来の安値水準である 13300 台となっており 輸入物価上昇によるインフレ圧力は高まっている そのため 足許の景気が力強さに欠けるなかでも BI の利下げ余地は小さく 引き続き現状の金融政策を維持するだろう BNM は中立姿勢を維持 当面は政策据置が濃厚 マレーシア :BNM 会合は予想通りの現状維持 9 日に開催されたマレーシア中銀 (BNM) の金融政策決定会合は予想通りの現状維持となった ( 政策金利は現状の 3.25% で据え置き ) 声明文では 世界経済に関して緩やかな回復が続いているとしながらも 欧州債務問題や先進国の金融政策変更 及びそれらに伴う国際金融市場のボラティリティの上昇などダウンサイドリスクが増え 以前より不安定になっていると指摘 一方 国内経済については内需にけん引された緩やかな景気回復が続いているとの見方を維持した 先行きについても 物品 サービス税 (GST) 導入により個人消費が減速するものの こうした悪影響は徐々に剥落していき いずれは消費が回復するとの楽観的な見通しを示している また物価動向も GST 導入と燃料価格引き上げにより一定期間押し上げられる (4 月と 5 月の平均インフレ率は前年比 +2.0% と 3 月の同 +0.9% から加速した ) としつつも 2016 年後半には落ち着くと中立的な姿勢を見せた なお 今回の声明文では新たに国内金融市場の混乱と国内金融システムへの影響についての言及があったが これに関しても充分な流動性と健全性を背景に 信用の伸びも適切なレベルを維持しているとしており 特段懸念する様子は見受けられない 全体として中立的な姿勢を崩しておらず 国内景気も概ね BNM の見通しに沿って推移していることから 目先の政策変更は想定されない 2015 年 7 月 10 日 5

ブラジル : 物価上昇は止まらず 更に 2 回の利上げを予想 BCB はさらに 75bp の追加 利上げを実施すると予想 8 日にブラジル地理統計院 (IBGE) が発表した 6 月拡大消費者物価指数 (IPCA) は前月比 +0.79% と 5 月同 +0.74% から加速した 価格が上昇した品目の割合を示すディフュージョン インデックス (DI) は 5 月の 70.2% から 67.8% に下落したものの 6 月の数字としては依然として過去 10 年でもっとも高い水準である 前年比では +8.89% と 2003 年 12 月以来の高水準まで上昇 サービス価格は 5 月の同 +8.23% から 6 月同 +7.9% に減速したが 基調物価は 5 月の同 +7.76% から同 +7.85% に加速した また品目別では管理価格 ( 光熱費など ) 市場価格ともに前月から伸びを加速させた 前年比 +15.1% 6 月の市場価格は前年比 +7.1% に加速した こうした結果は構造的な物価上昇圧力の大きさと その抑制がいかに困難かを示しており 同国の置かれた困難な状況を浮き彫りにしている 我々はブラジル中銀が政策金利である Selic レートを 7 月に 50bp 9 月に 25bp 引き上げ 14.5% にすると予想する 図表 5: マレーシア政策金利と消費者物価 10.0 (%) 総合 CPI( 前年比 ) コアCPI( 前年比 ) 8.0 政策金利 ( 右軸 ) 6.0 4.0 2.0 0.0-2.0 4.00 3.50 3.00 2.50 2.00 図表 6: ブラジル拡大消費者物価指数 (IPCA) ( 前年比 %) 食品 飲料 住宅 9.0 家庭用品 教育 通信 輸送 健康 個人支出 CPI 7.0 5.0 3.0 1.0-4.0 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15 1.50 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014 2015-1.0 ( 資料 )CEIC みずほ銀行 ( 資料 )CEIC みずほ銀行 2015 年 7 月 10 日 6

エマージング経済カレンダー 日付 国 経済指標 イベント 市場予想 発表値 前回値 修正値 エマージングアジア 7 月 3 日 ( 金 ) 中国 6 月 HSBC 中国サーヒ ス業 PMI -- 51.8 53.5 -- 3 日 ( 金 ) マレーシア 5 月 貿易収支 MYR 5.50B 5.51B 6.89B 6.87B 7 日 ( 火 ) フィリピン 6 月 消費者物価指数 ( 前年比 ) 1.50% 1.20% 1.60% -- 9 日 ( 木 ) マレーシア 7 月 BNM 翌日物政策金利 3.25% 3.25% 3.25% -- 9 日 ( 木 ) 韓国 7 月 韓国銀行 7 日間レホ レート 1.50% 1.50% 1.50% -- 9 日 ( 木 ) 中国 6 月 消費者物価指数 ( 前年比 ) 1.30% 1.40% 1.20% -- 10 日 ( 金 ) フィリピン 5 月 輸出 ( 前年比 ) -10.00% -- -4.10% -- 10 日 ( 金 ) マレーシア 5 月 鉱工業生産 ( 前年比 ) 3.10% -- 4.00% -- 10 日 ( 金 ) インド 5 月 鉱工業生産 ( 前年比 ) -- -- 4.10% -- 10~15 日 中国 6 月 新規融資 ( 人民元 ) 1050.0B -- 900.8B -- 10~15 日 中国 6 月 マネーサフ ライM2( 前年比 ) 11.00% -- 10.80% -- 10~15 日 インド 5 月 輸出 ( 前年比 ) -- -- -20.20% -- 10~15 日 インド 5 月 貿易収支 -- -- -$10.4B -- 13 日 ( 月 ) インド 6 月 消費者物価指数 ( 前年比 ) -- -- 5.01% -- 13 日 ( 月 ) 中国 6 月 貿易収支 $56.35B -- $59.49B -- 13 日 ( 月 ) 中国 6 月 輸出 ( 前年比 ) 1.00% -- -2.50% -- 14 日 ( 火 ) シンガポール 2Q GDP ( 前年比 ) 2.40% -- 2.60% -- 14 日 ( 火 ) インド 6 月 卸売物価 ( 前年比 ) -- -- -2.36% -- 14 日 ( 火 ) インドネシア 6 月 イント ネシア銀行レファレンス レート -- -- 7.50% -- 15 日 ( 水 ) 中国 2Q GDP ( 前年比 ) 6.80% -- 7.00% -- 15 日 ( 水 ) フィリピン 5 月 海外送金 ( 前年比 ) -- -- 5.10% -- 15 日 ( 水 ) インドネシア 6 月 輸出 ( 前年比 ) -- -- -15.24% -- 15 日 ( 水 ) インドネシア 6 月 貿易収支 -- -- $955M -- 15 日 ( 水 ) シンガポール 5 月 小売売上高 ( 除自動車 / 前年比 ) -- -- -0.70% -- 16 日 ( 木 ) シンガポール 6 月 非石油地場輸出 ( 前年比 ) -- -- -0.20% -- 15 日 ( 水 ) マレーシア 6 月 消費者物価指数 2.40% -- 2.10% -- 中東欧 アフリカ 7 月 3 日 ( 金 ) トルコ 6 月 消費者物価指数 ( 前年比 ) 7.75% 7.20% 8.09% -- 6 日 ( 月 ) ロシア 6 月 消費者物価指数 ( 前年比 ) 15.40% 15.30% 15.80% -- 9 日 ( 木 ) ロシア 2Q 経常収支 14000M 19200M 28947M -- 10 日 ( 金 ) トルコ 5 月 経常収支 -3.53B -- -3.41B -- 10 日 ( 金 ) ロシア 5 月 貿易収支 15.3B -- 15.0B -- 10 日 ( 金 ) ロシア 5 月 輸出 30.6B -- 31.5B -- 15 日 ( 水 ) 南アフリカ 5 月 小売売上高 ( 実質値 前年比 ) -- -- 3.40% -- 15~16 日 ロシア 6 月 鉱工業生産 ( 前年比 ) -4.00% -- -5.50% -- 17 日 ( 金 ) ロシア 6 月 実質小売売上高 ( 前年比 ) -8.80% -- -9.20% -- ラテンアメリカ 7 月 7 日 ( 火 ) メキシコ 6 月 消費者信頼感指数 92.4 94.7 92.0 -- 8 日 ( 水 ) ブラジル 6 月 IBGEインフレ率 IPCA( 前年比 ) 8.94% 8.89% 8.47% -- 9 日 ( 木 ) メキシコ 6 月 消費者物価指数 ( 前年比 ) 2.89% 2.87% 2.88% -- 10 日 ( 金 ) メキシコ 5 月 鉱工業生産 ( 前年比 ) 0.50% -- 1.10% -- 14 日 ( 火 ) ブラジル 5 月 小売売上高 ( 前年比 ) -3.70% -- -3.50% -- 14 日 ( 火 ) ブラジル 5 月 広義小売売上高 ( 前月比 ) -- -- -0.30% -- 15 日 ( 水 ) ブラジル 5 月 経済活動 ( 前年比 ) -3.80% -- -3.13% -- ( 注 )2015 年 7 月 10 日現在 信頼できると判断した情報に基づいて作成されていますが その正確性を全面的に保証するものではありません ( 資料 ) ブルームバーグ 2015 年 7 月 10 日 7

エマージング通貨相場見通し 2015 年 1~6 月 ( 実績 ) 2016 年 SPOT 9 月 12 月 3 月 6 月 9 月 対ドルエマージングアジア中国人民元 (CNY) 6.1818 ~ 6.2779 6.2088 6.20 6.18 6.17 6.16 6.16 香港ドル (HKD) 7.7497 ~ 7.7744 7.7519 7.76 7.76 7.76 7.76 7.76 インドルピー (INR) 61.295 ~ 64.300 63.390 64.5 65.5 63.5 62.5 62.0 インドネシアルピア (IDR) 12378 ~ 13400 13334 13400 13500 13500 13400 13300 韓国ウォン (KRW) 1065.21 ~ 1137.46 1133.91 1110 1110 1100 1090 1080 マレーシアリンギ (MYR) 3.4960 ~ 3.7887 3.7952 3.80 3.80 3.75 3.65 3.60 フィリピンペソ (PHP) 43.950 ~ 45.408 45.195 45.5 45.0 44.6 43.8 43.2 シンガポールドル (SGD) 1.3151 ~ 1.3941 1.3499 1.36 1.36 1.32 1.30 1.30 台湾ドル (TWD) 30.354 ~ 32.040 31.065 31.70 31.70 31.50 31.30 31.00 タイバーツ (THB) 32.29 ~ 33.96 33.95 34.3 34.0 34.0 33.5 33.0 ベトナムドン (VND) 21256 ~ 21840 21814 21820 21850 22100 22000 22200 中東欧 アフリカロシアルーブル (RUB) 48.1365 ~ 71.8030 57.2097 52.00 52.00 51.00 52.00 52.00 南アフリカランド (ZAR) 11.2575 ~ 12.7105 12.4951 11.80 11.60 11.40 11.40 11.40 トルコリラ (TRY) 2.2727 ~ 2.8096 2.6758 2.75 2.75 2.80 2.80 2.85 ラテンアメリカブラジルレアル (BRL) 2.5493 ~ 3.3148 3.2203 3.21 3.30 3.33 3.35 3.37 メキシコペソ (MXN) 14.4357 ~ 15.7722 15.8102 15.50 15.50 15.00 14.70 14.30 対円エマージングアジア中国人民元 (CNY) 18.666 ~ 20.285 19.604 20.00 20.23 20.42 20.13 19.97 香港ドル (HKD) 14.946 ~ 16.233 15.699 15.98 16.11 16.24 15.98 15.85 インドルピー (INR) 1.853 ~ 1.971 1.920 1.92 1.91 1.98 1.98 1.98 インドネシアルピア (100IDR) 0.906 ~ 0.969 0.913 0.925 0.926 0.933 0.925 0.925 韓国ウォン (100KRW) 10.607 ~ 11.266 10.757 11.17 11.26 11.45 11.38 11.39 マレーシアリンギ (MYR) 32.092 ~ 34.334 31.982 32.63 32.89 33.60 33.97 34.17 フィリピンペソ (PHP) 2.593 ~ 2.800 2.686 2.73 2.78 2.83 2.83 2.85 シンガポールドル (SGD) 86.10 ~ 92.89 90.15 91.18 91.91 95.45 95.38 94.62 台湾ドル (TWD) 3.650 ~ 4.078 3.918 3.91 3.94 4.00 3.96 3.97 タイバーツ (THB) 3.538 ~ 3.737 3.586 3.62 3.68 3.71 3.70 3.73 ベトナムドン (100VND) 0.5430 ~ 0.5768 0.5580 0.57 0.57 0.57 0.56 0.55 中東欧 アフリカロシアルーブル (RUB) 1.644 ~ 2.652 2.128 2.38 2.40 2.47 2.38 2.37 南アフリカランド (ZAR) 9.685 ~ 10.453 9.740 10.51 10.78 11.05 10.88 10.79 トルコリラ (TRY) 43.474 ~ 52.258 45.472 45.09 45.45 45.00 44.29 43.16 ラテンアメリカブラジルレアル (BRL) 36.473 ~ 46.148 37.774 38.63 37.88 37.84 37.01 36.50 メキシコペソ (MXN) 7.697 ~ 8.199 7.698 8.00 8.06 8.40 8.44 8.60 ( 注 )1. 実績の欄は 6 月 30 日まで SPOT は 7 月 10 日の 8 時 50 分頃 2. 実績値はブルームバーグの値 3. 予想の欄は四半期末の予想 ( 資料 ) みずほ銀行 当資料は情報提供のみを目的として作成したものであり 特定の取引の勧誘を目的としたものではありません 当資料は信頼できると判断した情報に基づいて作成されていますが その正確性 確実性を保証するものではありません ここに記載された内容は事前連絡なしに変更されることもあります 投資に関する最終決定は お客様ご自身の判断でなさるようにお願い申し上げます また 当資料の著作権はみずほ銀行に属し その目的を問わず無断で引用または複製することを禁じます 2015 年 7 月 10 日 8