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アナログ回路 I 参考資料 2014.04.27 版 LTspice を用いたアナログ回路 I の再現 第 2 回目の内容 電通大 先進理工 坂本克好 [ 目的と内容について ] この文章の目的は 電気通信大学 先進理工学科におけるアナログ回路 I の第二回目の実験内容について LTspice を用いて再現することである 従って LTspice の使用方法などの詳細は 各自で調査する必要があります また 最大値の計算や電圧制御電源などの SPICE 命令も多用しているので ある程度の SPICE 知識は必要である この文章は 以下の4 章からなる 1) バイアス確認について 2) 入出力特性について 3) 周波数特性の解析 4) 増幅回路の周波数特性と実験データの比較付録 h-parameter 等価回路による解析 この章の最後として LTspice を公開している linear technology 社には このような有用なソフトを無料で公開していることに感謝いたします また Web 上で LTspice を用いた回路の情報を公開しているサイトの皆様にも感謝いたします 有難うございました

バイアス確認について [ 目的 ] 増幅回路の設計における電圧値を確認する [ 方法 結果 ] 回路を作成する 解析は DC op pnt を実行する RUN を実行する 計算結果の asc ファイルが開く asc ファイルを閉じる Fig. 1 増幅回路 回路上で 右クリックしてメニューを開く View -> Place.op Data Label を選択する 電圧を確認したい場所をクリックする すると 電圧が表示されます Fig. 2 右クリックメニュー

表示される値は 桁数が多いので 3 桁表示に変更する 表示する桁を制御するには Plot ラベル上で右クリックして $ を round($*100)/100 と変更する Fig. 3a 電圧表示 Fig. 3b 表示変更結果 Fig. 4a 変更前 動作点 (Q) での 電圧を表示する Fig. 4b 変更後 VB=2.74V Ve(V3)=2.1V VC(V2)=6.92V 従って 動作点 (Q) は 次の計算で得られる VBE(Q)=VB-VE =2.74-2.1=0.64V Vce(Q)=6.92-2.1 =4.82V 以上から 設計での値と比較することができる Fig. 5 電圧表示した回路

入出力特性について [ 目的 ] LTspice を用いて入出力特性の実験を再現する [ 結果 ] 計算で使用した回路を示す 解析には 過渡解析を実行する Step 命令で sine 波の振幅 ampl をパラメータにして list 値に従って変化させる また measure 命令を用いて V1 V2 での peak-to-peak 電圧を計算する 増幅率を計算して ans4 に代入する 回路と SPICE 命令入力後に 過渡解析を実行する Fig.1 回路図と SPICE 命令 Error-log ファイルから パラメータグラフを作成する はじめに Error-log ファイルを開く Fig.2a Error-log ファイル Error-log ファイルにおいて 右クリックして メニューを表示 させる Fig.2b 右クリックメニュー

このメニューの Plot.step ed.meas data を選択すると グラフが表示される 出力電圧 [V] Error-log ファイルから 各点における計算値を示す 入力電圧 [V] Fig.3 Step 計算した結果グラフ 傾きは 一定でないことがわかる Fig.4 Error-log ファイルの計算結果 出力波形を右に示す 電圧 [V] List の成分数が 6 個なので 波形が 6 個同時に表示されます 1mV,10mV,20mV までが下側の振れが飽和していない しかし 20mV のとき 上と下の振れの形が異なっている 20mV では 歪んでいる 時間 [s] Fig.5 出力波形のグラフ

周波数特性の解析 [ 目的 ] LTspice を用いて 電流帰還エミッタ接地増幅回路の周波数特性を求める [ 結果 ] 周波数特性を計算する LTspice で解析する回路を図に示す 解析には AC Analysis を選択する Edit Simulation Command ウインドが開くので Type of Sweep は Decade にして 計算したい範囲と計算点の数を入力する Fig.1 回路図 Fig.2a Simulate メニュー 計算を実行すると 空白のグラフウインドが開く Fig.2b 解析編集ウインド 空白のグラフ上のおいて 右クリックして メニューを開く メニュー中の Add Trace を選択する

Fig.3b 信号選択ウインド Fig.3a 右クリックメニュー縦軸に増幅度を表示させるために Expression to add 欄に計算の式を入力する OK をクリックすると グラフが表示されます しかし 標準のグラフでは 縦軸は [db] である これを 線形に変更する 縦軸上で クリックして軸設定ウインドを開く 増幅率右のグラフが表示されます 左側の縦軸が増幅率であり 右側が位相の軸である 実線が増幅率 点線が位相に相当します Fig.3c 計算式入力欄 Fig.4a 表示方法選択 位相 [ ] 次に 計算結果をテキスト出力して 他のソフトで処理可能にする 周波数 [Hz ] Fig.4b 周波数依存性

LTspice での計算結果のグラフを テキストファイル出力するには 出力するグラフを表示する このグラフ表示ウインドにおいて File の Export を選択する 出力する信号を選択するウインドが開く このウインドにおいて 増幅率を選択して OK ボタンをクリックする 保存先 ファイル名は Browse ボタンをクリックすることで変更できる Fig.5 周波数依存性 Fig.6 Export を選択 Fig.7 信号の選択 出力されたファイルを メモ帳をもちいて開く テキストとして出力されていることが確認できる これにより 他のソフトを用いて 実験値との比較が可能になります Fig.8 出力ファイルの中身

増幅回路の周波数特性と実験データの比較 [ 目的 ] LTSpice を用いることで 計算値はグラフ表示できる 計算値と実験値と比較することで 実験結果と計算値の差について考察が可能になる SPICE の値を変化させるなどにより実験結果を再現可能になり原因が推測できる LTspice のグラフに実験結果を表示させることが重要である [ 方法と結果 ] 電源 V1 を設置して 出力にラベルの 1 を設定する 抵抗 1kohm の Re1 の接続端子に ラベル ref を設定する 次に SPICE 命令で以下の様に記述する Efreq1 を電源名にして 端子を ref と 0 に設定する 周波数と大きさと位相の Table を作成する Fig.1 周波数変化電源 記述内容の詳細は SPICE の net リスト の記述方法を調べてください Fig.2 SPICE 命令で table を記述

次に 実験の回路を作成する ポイントは 電圧制御電源 G1 を使用していることである 制御電圧は 端子 1 を接続する 電源の大きさを 10m 倍する Fig.3 増幅回路の回路図 完成した回路図を 右に示す 解析方法は AC Analysis を選択して 計算範囲を 10Hz から 100kHz に設定する 回路が完成後 解析を実行 (RUN) する 次に 増幅率のグラフを表示する Fig.4 完成した回路図

グラフ上で右クリックして メニューを表示させる Fig.5 表示する信号を決める Fig.6 表示する値を選択するウインド Add Trace を選択する OK ボタンで 緑色のグラフが表示されます 軸をクリックして 設定ウインドを開き Decibel を Linear に変更する Fig.7 増幅率を表示 Fig.8 縦軸の表示を変える 図の様に 計算結果 : 緑色と実験値 V(ref): 青色を同時表示できます 増幅率 位相 [ ] 位相は 点線で表示されています 実験値と計算値に差が確認できる この差について 回路パラメータなどを変化させて原因を調査することになる 周波数 [Hz] Fig.9 計算値と実験値のグラフ

付録 h-parameter 等価回路による解析 [ 目的 ] h パラメータ等価回路を用いた周波数解析を実行する [ 結果 ] 以下の h パラメータのトランジスタ等価回路を作成する hfe : 200 hie: 1k [ohm] hoe: 1/100k [ohm^-1] hre: no-setting もし 必要ならば Vce による電圧制御電圧電源を用いることになる ここでの等価回路において ベース抵抗 (R8) エミッタ抵抗 (R6) コレクタ抵抗 (R9) を入れています 電源 V3 V2 を挿入することで 電流を検出しています Fig.1 h パラメータ等価回路この回路でポイントは 電流制御電流源 ( F ) の使用方法です 電源 V3 に流れる電流値を 170 倍するように設定します 電流制御用の電源が必要です Value 欄に関係式を入力する V3 170 (( 注意 )) 変数の間にスペースを入れると 掛け算になります Fig.2 設定ウインド

また 等価回路を別の場所で実現している このときの端子には 右図のように Port Type 欄を Bi- Direc. を選択する Fig.3 端子名設定 周波数解析するので AC 解析を実行する 解析実行後に Add Trace を選択して V( c ) / V( b ) のグラフを表示する Fig.4 周波数特性のグラフミラー効果を考慮して C5 を接続しています また コレクタ端子に浮遊容量 C6 ベース端子に接合容量 C4 を考慮しています また グラフ表示を判り易くするために 入力 出力に Node 名を付ける Fig.5 コンデンサ追加した等価回路

解析を実行後の空白グラフが表示される 右クリックして Add Trace を選択する Add Traces to Plot ウインドにおいて 下の Expressions to add 欄に V(out)/V(in) を入力する OK ボタンをクリックすると グラフが表示されます 初期の表示では 縦軸が [db] である Fig.6 信号選択ウインド 縦軸をクリックして 軸設定ウインドを 開き linear に変更する ここでは 位相に注目する 10Hz での位相が-60 になることがわかる また 10kHz のとき最小値で約 -180 になり その後 増加して 100kHz では -175 となる Fig.7 周波数特性グラフ 増幅率では コンデンサの影響は明確でないが 位相の観察からコンデンサの影響が判断できる