第三期 特定健康診査等実施計画 ウシオ電機健康保険組合 平成 30 年 4 月

第三期 特定健康診査等実施計画 ウシオ電機健康保険組合 平成 30 年 4 月

背景及び趣旨 我が国は国民皆保険のもと 世界最長の平均寿命や高い保健医療水準を達成してきた しかし 急速な少子高齢化や国民の意識変化などにより大きな環境変化に直面しており 医療制度を将来にわたり持続可能なものにするために その構造改革が急務となっている このような状況に対応するため 平成 20 年 4 月より 高齢者の医療の確保に関する法律に基づき 保険者 ( 健康保険組合 ) は 40 歳から 74 歳の被保険者及び被扶養者を対象に糖尿病等の生活習慣病に関する健康診査 ( 特定健康診査 ) 及びその結果により健康の保持 生活習慣の改善に努める必要がある者に対する保健指導 ( 特定保健指導 ) を実施することとなった 本計画は 当健康保険組合の特定健康診査等の実施方法に関する基本的な事項 特定健康診査等の実施及びその成果に係る目標に関する基本的な事項等を定めるものである なお 高齢者の医療の確保に関する法律第 19 条により 第一期及び第二期は5 年を一期としていたが 医療費適正化計画が6 年を一期に見直されたことを踏まえ 第三期は6 年を一期として特定健康診査等実施計画を策定することとする ウシオ電機健康保険組合の現状及び今後の課題 当健康保険組合は 光応用製品の製造 販売等を主たる業とする事業所が加入している健康保険組合である 平成 30 年度の加入事業所数は7 事業所で 主な事業所は東京 神奈川 静岡 兵庫の各都県にあるが 支店及び営業所は茨城 愛知 長野 大阪 京都 福岡等の各府県に点在している 当健康保険組合に加入している被保険者の平均年齢は 平成 30 年 3 月現在 男性 44.32 歳 女性 40.27 歳であり 性別構成では 男性が全体の 7 割弱を占めている 特定健康診査については 被保険者は事業主が実施する定期健康診断 ( 特定健康診査項目を含む ) を受診 または当健康保険組合が実施する人間ドック ( 特定健康診査項目を含む ) を受診している 被扶養者は他の健康保険組合と共同で実施している一般健診 ( 特定健康診査項目を含む ) または人間ドックを受診している 特定保健指導については 当健康保険組合の外部委託機関の保健師等により実施している 第二期実施計画期間 ( 平成 25~29 年度 ) における特定健康診査の実施状況については 事業主との連携及び対象者へ受診勧奨を行うなど実施率向上の取組みを行ったが 平成 29 年度の受診率は 85.7%( 見込 ) と 計画目標の 90.0% を下回ってしまった また 特定保健指導については マンネリ化の影響か年々実施率が下がり 平成 29 年度は実施率が 22.0%( 見込 ) と 計画目標の 60.0% を大きく下回る結果となってしまった よって 第三期実施計画においては 特定健康診査については被扶養者への受診勧奨方法を工夫することにより受診率向上に努め 特定保健指導については事業主とのコラボヘルスを図り 共同して対象者への参加勧奨や特定保健指導を受けやすい環境を整備し またモデル実施の導入を検討するなど積極的に見直しを図り 実施率向上に努めることとする 1

第二期における実施状況 特定健康診査 25 年度 26 年度 27 年度 28 年度 29 年度 ( 見込 ) 被保険者 被扶養者 対象者数 ( 人 ) 1,255 1,308 1,425 1,469 1,420 受診者数 ( 人 ) 1,211 1,263 1,371 1,430 1,391 受診率 (%) 96.5% 96.6% 96.2% 97.3% 98.0% 対象者数 ( 人 ) 570 592 631 623 587 受診者数 ( 人 ) 304 326 325 348 330 受診率 (%) 53.3% 55.1% 51.5% 55.9% 56.2% 対象者数 ( 人 ) 1,825 1,900 2,056 2,092 2,007 総計 受診者数 ( 人 ) 1,515 1,589 1,696 1,778 1,721 受診率 (%) 83.0% 83.6% 82.5% 85.0% 85.7% 計画目標受診率 (%) 72.5% 77.5% 82.5% 87.5% 90.0% 特定保健指導 25 年度 26 年度 27 年度 28 年度 29 年度 ( 見込 ) 動機づけ支援対象者 ( 人 ) 125 132 152 174 155 実施者数 ( 人 ) 63 61 54 52 36 実施率 (%) 50.4% 46.2% 35.5% 29.9% 23.2% 積極的支援対象者 ( 人 ) 150 157 166 183 181 実施者数 ( 人 ) 75 52 40 48 38 実施率 (%) 50.0% 33.1% 24.1% 26.2% 21.0% 保健指導対象者計 ( 人 ) 275 289 318 357 336 実施者数 ( 人 ) 138 113 94 100 74 実施率 (%) 50.2% 39.1% 29.6% 28.0% 22.0% 計画目標実施率 (%) 40.0% 45.0% 50.0% 55.0% 60.0% 2

特定健康診査等の実施における基本的な考え方 1. 特定健康診査の基本的な考え方日本内科学会等内科系 8 学会が合同でメタボリックシンドロームの疾患概念と診断基準を示した これは 内臓脂肪型に起因する糖尿病 高脂血症 高血圧症は予防可能であり 発症した後でも血糖 血圧等をコントロールすることにより 狭心症等の心疾患 脳梗塞等の脳血管疾患 人工透析を必要とする腎不全への進行や重症化を予防することが可能であるという考え方を基本としている メタボリックシンドロームの概念を導入することにより 内臓脂肪の蓄積や 体重増加等が様々な疾患の原因になることをデータで示すことができるため 健診受診者にとって 生活習慣の改善に向けての明確な動機づけができるようになる 2. 特定健康診査の実施に係る留意事項被保険者については 従来より労働安全衛生法に基づく事業主健診を兼ねて実施していることから 事業主の行う定期健康診断と健康保険組合の実施する人間ドックのいずれかを必ず受診するよう事業主と連携を図る 被扶養者については 他の健康保険組合と共同で実施する一般健診 ( けんぽ共同健診 ) と人間ドックを実施しているが 受診率が横ばいのため 新たな受診勧奨方法を検討する 3. 特定保健指導の基本的な考え方特定保健指導は 内臓脂肪型肥満に着目し その要因となっている生活習慣を改善するための保健指導を行うことにより 対象者が自らの生活習慣における課題を認識して 行動変容と自己管理を行うとともに 健康的な生活を維持することができるようになることを通じて 糖尿病等の生活習慣病を予防することを目的とする 生活習慣病予備群の者を生活習慣病に移行させないために 対象者自身が健診結果を理解して自らの生活習慣を変えることができるように支援を行っていく 4. 特定保健指導の実施に係る留意事項当健康保険組合は特定保健指導を外部委託して実施している 現在の外部委託機関は一つだが 実施計画の評価及び見直しの際に 外部委託機関の追加やモデル実施の導入など 新たな運用を検討する また 実施率向上のため 事業主とのコラボヘルスも積極的に推し進めることとする 3

Ⅰ 達成しようとする目標 第三期特定健康診査 特定保健指導は 基本的には第二期の考え方を踏襲し 実施していくこととされている ただし 具体的な目標実施率については各保険者の目標基準が国から示されており 当健康保険組合 ( 単一健康保険組合 ) の場合は 特定健康診査の実施率は 90.0% 特定保健指導の実施率は 55.0% を目標とするよう定められている これらを踏まえ 当健康保険組合の目標実施率を次のように定めることとする 1. 特定健康診査の実施に係る目標 平成 35 年度における特定健康診査の目標実施率を国の目標基準である 90.0% とする この目標を達成するために 平成 30 年度以降の目標実施率 ( 単位 :%) を以下のように定める 国の目標基準 被保険者 96.0 96.5 97.0 97.5 98.0 98.5 - 被扶養者 58.0 60.0 62.0 64.0 66.0 68.0 - 合計 85.0 86.0 87.0 88.0 89.0 90.0 90.0 2. 特定保健指導の実施に係る目標 平成 35 年度における特定保健指導の目標実施率を国の目標基準である 55.0% とする この目標を達成するために 平成 30 年度以降の目標実施率 ( 単位 :%) を以下のように定める 国の目標基準 動機づけ支援積極的支援 30.0 35.0 40.0 45.0 50.0 55.0-30.0 35.0 40.0 45.0 50.0 55.0 - 合計 30.0 35.0 40.0 45.0 50.0 55.0 55.0 4

Ⅱ 特定健康診査等の対象者数 1. 特定健康診査被保険者 40 歳以上対象者数 ( 推計 ) 1,593 1,637 1,717 1,781 1,858 1,912 目標実施率 (%) 96.0% 96.5% 97.0% 97.5% 98.0% 98.5% 目標実施者数 1,529 1,580 1,665 1,736 1,821 1,883 被扶養者 40 歳以上対象者数 ( 推計 ) 653 675 690 704 725 739 目標実施率 (%) 58.0% 60.0% 62.0% 64.0% 66.0% 68.0% 目標実施者数 379 405 428 451 479 503 合計 ( 被保険者 + 被扶養者 ) 40 歳以上対象者数 ( 推計 ) 2,246 2,312 2,407 2,485 2,583 2,651 目標実施率 (%) 85.0% 86.0% 87.0% 88.0% 89.0% 90.0% 目標実施者数 1,909 1,988 2,094 2,187 2,299 2,386 2. 特定保健指導 被保険者 + 被扶養者 40 歳以上対象者数 ( 推計 ) 2,246 2,312 2,407 2,485 2,583 2,651 動機づけ支援対象者数 ( 推計 ) 168 175 184 192 202 210 目標実施率 (%) 30.0% 35.0% 40.0% 45.0% 50.0% 55.0% 目標実施者数 50 61 74 87 101 115 積極的支援対象者数 ( 推計 ) 191 199 209 219 230 239 目標実施率 (%) 30.0% 35.0% 40.0% 45.0% 50.0% 55.0% 目標実施者数 57 70 84 98 115 131 保健指導対象者数合計 359 374 394 411 432 449 目標実施率 (%) 30.0% 35.0% 40.0% 45.0% 50.0% 55.0% 目標実施者数 108 131 157 185 216 247 5

Ⅲ 特定健康診査等の実施方法 1. 実施対象者第二期実施計画に引き続き 40 歳代から急増するメタボリックシンドロームに歯止めをかけるべく 法律で義務付けられた実施対象年齢よりも5 歳引き下げて 35 歳以上の加入者を実施対象とする ただし 本計画における 達成目標 や 対象者数 については 国への実績報告の対象となる 40 歳から 74 歳を実施対象とした数値を掲載する 2. 実施場所特定健康診査は 被保険者は事業所の定期健診契約健診機関 ( 巡回または施設 ) もしくは当健康保険組合の人間ドック委託先の契約健診機関で実施し 被扶養者は他の健康保険組合と共同で実施している一般健診 ( けんぽ共同健診 ) の委託先の契約健診機関 ( 巡回または施設 ) もしくは当健康保険組合の人間ドック委託先の契約健診機関で実施する 特定保健指導は 当健康保険組合の委託先の保健師等専門相談員により 事業所内もしくは自宅等で実施する 委託先については実施率向上のため随時検討する 3. 実施項目特定健康診査は 標準的な健診 保健指導プログラム 第 2 編第 2 章に記載されている健診項目について必ず実施しなければならないこととする 第三期からは 糖尿病性腎症の重症化予防を推進するため詳細健診に 血清クレアチニン検査 の追加 歯科口腔の保健指導や受診勧奨の端緒となるよう質問票に 食事をかんで食べる時の状態 に関する質問の追加等が見直された 4. 実施時期特定健康診査については 実施年度の 4 月 1 日から 12 月末日までとし 特定保健指導については 該当年度の翌年度の 10 月中旬までに完了することとする 5. 外部委託の有無特定健康診査については 人間ドック及び被扶養者の一般健診 ( けんぽ共同健診 ) は外部に委託し 全国に広がる健診機関から自身に合った健診機関を選択できるようにする 特定保健指導については やはり外部に委託し 質の高い専門相談員による効率的な特定保健指導が受けられるようにする 尚 外部委託業者との契約にあたっては 国が定める基準を満たした事業者を厳正な審査の上選定することとする 6. 案内方法 1 特定健診被保険者 ( 任意継続被保険者以外 ) は 事業所から受診案内を実施し 任意継続被保険者については 任意継続加入時に健康保険組合から健診受診についての案内文書を送付する 被扶養者は 毎年 4 月中旬に対象者の住所宛に健診委託先を通じて健診案内を送付する 6

2 特定保健指導被保険者 ( 任意継続被保険者以外 ) は 社内メールまたは社内便にて案内を送付し 被扶養者及び任意継続被保険者については 住所宛に案内文書を送付する 7. 周知方法当健康保険組合ホームページ等に掲載し周知する 8. 健診データの受領方法健診データは 健診委託先を通じて電子データを月単位で受領し 当健康保険組合で保管する 事業主の実施する定期健康診断については 事業主の契約健診機関より直接電子データまたは紙媒体で受領する 被扶養者のパート先健診の健診データは紙媒体で直接被扶養者より受領する 9. 特定保健指導対象者の選定方法特定保健指導の対象者については 地域 年齢等による優先は行わず 原則全員とする Ⅳ 個人情報の保護 1 当健康保険組合は ウシオ電機健康保険組合個人情報保護管理規定を遵守する 2 当健康保険組合及び委託された健診 保健指導機関は 業務によって知り得た情報を外部に漏らしてはならない 3 当健康保険組合のデータ管理者は常務理事とする またデータの利用者は当健康保険組合の職員に限る 4 外部委託する場合は データの利用範囲 利用者等を契約書に明記することとする Ⅴ 特定健康診査等実施計画の公表及び周知 本計画は 当健康保険組合のホームページ等に掲載して 公表 周知する Ⅵ 特定健康診査等実施計画の評価及び見直し 特定健康診査等の事業進捗状況を毎年度検証し 必要に応じて計画の見直しを行う Ⅶ その他 特定健康診査等の事業の円滑な運営のためには 専門的な知識等の向上を図る必要があること から 各種研修会に当健康保険組合の職員を積極的に参加させ スキルアップに努める 以上 7