聞き取り調査 @ 和歌山マリーナシティ 2014.11.19.wed Long Talk.2 地域再生学科 3 回生さいかのりこ
調査地 : 和歌山マリーナシティ
調査の枠組み 背景 : 和歌山マリーナシティは かつて世界リゾート博主会場であった ( リゾートとして作られた ) 疑問 : 1. 現在 和歌山マリーナシティは リゾート なのか? 2. 現在の来場者が 和歌山マリーナシティに求めているものは何? これらを明らかにしたい 検証方法 : 来場者に対する聞き取り調査
調査の背景 世界リゾート博主会場としての和歌山マリーナシティの記憶
東 (2010) によれば リゾートとは? 観光地とは 人々の観光行動の目的地 (tourist destination) であり 観光対象を求めて観光客が訪れる ( 集う ) 地域のことである 自然 文化 歴史 産業 また都市機能や住民生活などの諸要素 (= 観光対象 ) およびそれらの関係性が地域独自の特性を生み出し それらが外部の人びとから観光魅力として評価され 訪れようとする行動の誘因となるとき その地域は観光地として認識される 滞在型観光の目的地については とくに リゾート / 保養地 (resort) と呼ぶことがある リゾート の意義は 滞在によって独自の 文化 が観光魅力として感じられることにある
世界リゾート博 とは? ウエルネス WAKAYAMA 世界リゾート博 は 1993 年 7 月 3 日のオープニングセレモニーにおいて開幕され その後 1 年間に渡る県内各地でのリレーイベントの実施の後に 1994 年 7 月 16 日より 和歌山マリーナシティ を主会場として開催され 72 日間で 目標入場者数の 150 万人を大幅に上回る 298 万人あまりの来場者を迎えて 同年 9 月 25 日に閉幕した 世界リゾート博協会 (1995)
運営の基本的な考え方 世界リゾート博のテーマ (= 21 世紀のリゾート体験 ) を表現するためには 会場そのものをリゾート空間としなければならない 従来の地方博覧会は 施設の見学 見物型 ともいうべきパビリオン出展が中心企画であった 博覧会は 本来 娯楽施設による営業的成功に事業の目的があるのではない この博覧会の目的は インフラの整備促進 地域の振興 県民意識の高揚 和歌山の歴史 文化の紹介など行政的課題を達成するとともに テーマに基づいて新しい概念や技術 感性を提言し 新しい価値の創造や意識の変革につなげることである 世界リゾート博協会 (1995)
世界リゾート博 の意義と目的 1. 和歌山を国内外にアピールする 2. 和歌山を新しい 国際リゾートエリア として定着させる 3. 地域の活性化にはずみをつける 4. 県民総参加のまちづくりの気運を高める
調査 で 現在は?
全体マップ
調査の概要 調査日時 :2014 年 7 月 13 日 ( 日 ) の 14 時頃 調査地 : 和歌山マリーナシティ 調査の目的 : 1. 現在 和歌山マリーナシティは リゾート なのか? 2. 現在の来場者が 和歌山マリーナシティに求めているものは何? 以上を明らかにすること
聞き取り調査調査票 調査日時 : 年月日 ( 曜日 ) 時分ごろ 調査地 : フェイスシート 1. 性別男女 2. お幾つになられますか?( 年齢 ) ( ) 歳 3. 今日はどこから御越しになられましたか? 和歌山市和歌山県 ( 和歌山市を除く ) 大阪府その他 具体的に ( )
聞き取り調査調査票 調査地に対する思いについての質問 1. ここへはよく来られますか?( 頻度 ) 2. ここへは何をしに来ましたか?( いつも何をしに来ますか?) 3. この場所について 良いと思うことは何ですか? 4. この場所で もっとこうだったら良いのに と思うことは何ですか? 5. この場所は これからどうなっていったら良いと思いますか? 6. その他 ご意見 ご感想等
調査の実際 まず 黒潮市場 および 紀ノ国フルーツ村 の周辺で 通行人十数人に声をかけた 調査には応じる人はなかった 来場したばかりで これから買い物をしようとしていたところだった? そこで 調査の場所を わかやま館 に移した ここで 長椅子で休んでいる 1 組の家族連れが 聞き取り調査に応じてくれた 次に 第一駐車場 の出入り口にあたる ロイヤルパインズホテル 正面の箇所で やはり帰りがけと思しき 1 組の家族連れに声をかけた 調査に応じてもらうことが出来た 家族連れ 2 組から 話を聞くことができた
一組目 場所 : わかやま館 1F フェイス項目 構成 : 夫妻と赤ちゃんの 3 人連れ 年齢 : 妻の年齢は 27 歳 夫の年齢もおそらく 20 代後半 主に妻から聞き取ったが 聞き取りの最中に 夫妻が会話を始める場面もあった 赤ちゃんはベビーカーの中で眠っていた 居住地 : 大阪府松原市
一組目 来場目的 1 回目 : 花火を見ること 今回 (2 回目 ): 海鮮を食べること 前に来たとき美味しかったので 評価している点 大阪よりも空いている こと 海をはじめとしたいろんなものをゆっくり見て回れること 海鮮が食べられること 集客型のイベントをきっかけに訪れた後 食べ物のおいしさや ゆったりした雰囲気に魅力を感じたために 再度来場した
一組目 今後の和歌山マリーナシティに望むこと 雰囲気はこのまま変わらないでほしい 何かすると もっとごった返すし このままで良い もっと子どもと一緒に楽しめることがあったら良い 授乳室やトイレが ( もっと ) あったら もっと来やすい 再来場の意思について イベントとか 花火とか なんかあったらまた来たい 集客型のイベントを楽しみたいが ゆったりした雰囲気を求めている ( 他の観光客にはあまりいてほしくない ) 全体的に 観光客目線 で語っていた
一組目 不満 ( 夫妻の会話の中で ) 夫 高速 ( 道路 ) から遠すぎる!( この場所は ) 色々設備はそろってるのに 高速道路の近くに無いって ( 苦笑 ) 図 : 大阪から和歌山マリーナシティへのアクセス
二組目 場所 : 第一駐車場 の出入り口にあたる ロイヤルパインズホテル 正面の箇所 フェイス項目 構成 年齢 :55 歳の女性と その孫 (3 5 歳?)2 人の 3 人連れ 居住地 : 和歌山県有田川町
来場頻度 : 時々って感じ 二組目 来場回数 :( 子どもたちとは )2 回目 来場目的 ( 今回 ): 昆虫のやつを見せに 昆虫のやつ = 和歌山マリーナシティイベントホール ( 第一駐車場 ) で開催中のイベント 昆虫と水辺のワンダーランド 2014 のこと 聞き取り調査の前日の 2014 年 7 月 12 日 ( 土 ) から開催
二組目 今後に望むこと もっといろいろイベントをやって 和歌山の活性化になったら良い 改善すべき点 トイレの場所が分かりやすかったら良い 不満 ( 質問への回答ではない ) 休憩場所とベンチがあったら 観光客目線 の語りと 地域住民目線 の語りが混在
聞き取り調査を終えて 結論 ( 仮 ) と振り返り
結論 ( 仮 ) 疑問 1. 現在 和歌山マリーナシティは リゾート なのか? 2. 現在の来場者が 和歌山マリーナシティに求めているものは何? 解答 和歌山マリーナシティは現在もリゾートであるし リゾートであることを求められている しかし リゾートである こと自体は 来場の直接的な動機にはなっていない 来場のきっかけとなり得るのは 集客型のイベントである かつてと同じ構図が続いている
振り返り 録音は出来なかった ( しなかった ) インタビューを録音できれば もっとわかることが多かったかもしれない インタビュー時の雰囲気も重要な情報だと感じた 雰囲気 を客観的に分析する方法はないだろうか 直接的な質問文への回答よりも 自由な会話の中で出てきた言葉の方が より意味がある言葉だったように感じた
振り返り 今回インタビューに応じてくれたのは家族連れだったが 和歌山マリーナシティの客層は他にもある より意味のある結論を得るには 更なる調査が必要か? 和歌山県 ( 和歌山市ではない ) 在住の回答者は 観光客目線だけでなく 地域住民目線も持っていた ひとりの人物の中にも 様々な立場が混在している可能性がある