原日本呼吸ケア リハビリテーション学会誌 2017 年第 26 巻第 3 号 慢性呼吸器疾患における Physical Activity Scale for the Elderly を用いた身体活動量評価の有用性に関する検証 甲南女子大学看護リハビリテーション学部 ₁), 国家公務員

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する指導の手引き でも高校生への食育については具体的にふれられていない. 高校進学率 ₉₈.₄%( 平成 ₂₅ 年度学校基本調査 ) である高校生は, 社会に巣立つ前に, 学校教育で一斉に健康に対する自己管理能力を養うことができる最後の機会である. 健康日本 ₂₁( 第二次 ) がめざす次世代の健康


2014年 希望小売価格表 クボタ

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石巻地域 COPD ネットワーク (ICON) における教育効果と増悪の関係 表 1 ICON 基幹病院パス ( 初回治療導入 逆紹介 ) 1 呼吸器内科外来 2 看護外来 3 ICON 外来 (2 から ₁₄ 日後 ) 4 ICON 外来 (3 から ₁₄ 日後 ) 呼吸器内科外来受診 ( 通常の

₂.₁ アンケート調査の目的広島県耐震改修促進計画の策定にあたり, 県内の住宅や特定建築物の所有者等の耐震診断 耐震改修に関する意識を調査し, 耐震化を促進する上で必要となる事項, 障害となる事項を抽出するために, アンケートによるサンプル調査を実施した ₂.₂ 調査対象 1 昭和 ₅₆ 年以前に建

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標準範囲のBMI でHbA1c 高値の若年女性の生活習慣病リスクに関する検討

上 野 山 崎 石 川 の 理 解 ₆,₁₃) や 医 療 従 事 者 との 良 好 な 関 係 ₁₄,₁₅), 治 療 への 参 加 意 識 ₃), 治 療 への 同 意 ₃) や 納 得 ₁₆), 疾 患 に 対 するリスクや 薬 の 必 要 性 についての 知 識 を 得 て いること ₃,₁

仲下 中村 木山 北村 影響を及ぼす要因について検討することを目的とした. 減量成功に影響を及ぼす促進および阻害要因を明らかにすることは, 特定保健指導を効果的に実施するうえで有用と考えた. Ⅱ 方法 1. 研究デザインと対象本研究は縦断的研究デザインを用いた.₂₀₀₈ 年 ₄ 月から₂₀₀₉ 年

₁₀) 表 1. 穀類 100 あたりの栄養成分 エネルギー kcal タンパク質 脂質 炭水化物 カリウム m 水溶性食物繊維 不溶性食物繊維 大麦押麦 ₃₄₀ ₆.₂ ₁.₃ ₇₇.₈ ₁₇₀ ₆.₀ ₃.₆ 大麦米粒麦 ₃₄₀ ₇.₀ ₂.₁ ₇₆.₂ ₁₇₀ ₆.₀ ₂.₇ 小麦 ₃₃₇ ₁

山西央朗 山田裕也 清水斉 層 ₈ ₇ ₆ ₅ ₄ ₃ ₂ ₁ 表 ₁ 部材リスト 柱 梁 C₁, C₂ C₃ G₁ G₂ H-₄₀₀ ₂₀₀ ₉ ₁₆ H-₄₀₀ ₂₀₀ ₉ ₁₂ -₄₀₀ ₄₀₀ ₁₉ -₄₀₀ ₄₀₀ ₁₆ H-₄₅₀ ₂₅₀ ₉ ₁₆ H-₄₀₀ ₂₀₀ ₁₂ ₂₂ -₄₀

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図 ₁ 試験体 図 ₂ 試験体の接合金物 図 ₃ 鋼製金物詳細 表 ₁ 試験体名と形態 斜材 ( 段組数 ( 段 ) 設置形態 B₄₀-₃D ₄₀ ₁₀₅ ₃ 対角止め B₄₀-₃C₁ ₄₀ ₁₀₅ ₃ 中央止め B₄₀-₃C₂ ₄₀ ₁₀₅ ₃ 中央止め B₄₀-₁D ₄₀ ₁₀₅ ₁ 対角止め

石 橋 堀 口 丸 井 稲 田 を 明 らかにし 理 解 することが 必 要 である ₁₀,₁₁).リ スク 認 知 とは,リスクに 対 する 主 観 的 なイメージ であり, 認 知 心 理 学 より 発 達 し 研 究 されてきた. 一 般 の 人 々と 専 門 家 でリスク 認 知 が 違 う

す, 搗く, 焼く, 茹でるの ₄ 種類に分けられ, ソルギトックは蒸して作る餅の基本であり米粉に水, 砂糖, 蜂蜜などを加えふるいにかけ, 型に入れてから蒸した餅である ₁₀)₁₁). 本研究では本来うるち米粉を蒸して作るソルギトックにもち米粉を加え, もち米で作った粘りのある餅を食べてきた日本人

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ウォーキングに 対 する 恩 恵 認 知 尺 度 の 開 発 身 体 活 動 運 動 と 関 連 性 のある 恩 恵 を 同 定 するこ とが 重 要 である. 日 常 活 動 に 多 く 含 まれるウォーキングは, 最 も 基 本 的 な 身 体 活 動 であり ₈,₉),₆₀ 歳 代 においても

₁₈ ₂ RI フード ( オークリッジ型 ) ₁₃₀ 万円 ( 本体 )~ ₁.₅ ヵ月 千代田テクノル ₁₈ ₂ 核医学施設向けセフティキャビネット SCシリーズ 別途打合 ₁.₅ヵ月 千代田テクノル ₁₈ ₂ フード ( オークリッジ型 ) NSO ₁₂₀₀ ₁₅₀₀ ₁₈₀₀ ₁₁₈ ₁₃₂

刻な児童虐待であり, その防止が行政の最優先課題であることは異論がないであろう 児童虐待死亡ケースは, 家庭内で起きる 親による子殺し であるが, 日本における 殺人事件全体, 殺人事件の半数は家族親族の児童虐待, 100 間で起きる

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32, 15, 3 EUS TIC 1 db,eus EG SR EUS 60, 27, 24 EUS EG SR 0. 11, , EUS EUS EG ₂₆ ₆ 1, 2, 1, 1, 3, 2, 4, 1 1, 2, 3, 4 FibroScan,

問 題 1 ₁ ₃ ₅ ₂ ₄ ₆ 問 題 2 ₁ ₂ ₃ 問 題 3 ₁ ₂ ₃ ₄ ₅ 2 2

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放射線管理用品 ₂₄ ₁ 多機能除染用ワイパー別途見積 ₁₀ 日 アトックス ₂₄ ₁ RI 実験衣 ₀.₄₅ 万円 ( 税抜 ) ₁₀ 日 アトックス ₂₄ ₁ 放射線管理区域標識別途見積別途打合医建エンジニアリング ₂₄ ₁ LED 表示灯 ( 使用中表示灯 ) 別途見積別途打合医建エンジニアリ

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Fire Department - - 広 報 ざ. 広 報 ざ. 室 定 先 着 順 講 無 期 間 氺 署 講 事 項 乙 訓 組 署 救 係 乙 訓 組 救 救 昼 間 初 式 優 良 体 育 館 初 式 式 典 頃 火 災 献 身 的 努 貢 献 優 良 次 敬 称 略 京 都 府 協 会

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ネーザルハイフロー療法の適応と限界 図 1 左 : フィッシャーアンドパイケル社システム ( 出典 : 社内資料 ) 右 : パシフィックメディコ社システム ( 出典 : 社内資料 ) と酸素濃度計が付属している. ブレンダーには酸素配管と圧縮空気配管からのガスを混合させるものと, 酸素配管からの酸

観 測 点 名 称 住 所 表 ₁ 防 災 科 学 研 究 所 強 震 ネットの 実 地 震 記 録 波 から 求 めた 計 測 震 度 計 測 震 度 震 度 階 ₃ 合 成 最 大 加 速 度 継 続 時 間 地 動 最 大 加 速 度 地 動 最 大 速 度 地 動 最 大 変 位 gal s

2016 Vol.65 No.2 p < 資料 > 母体要因, 出生要因, 分娩様式と児の公衆衛生学的健康障害リスクとの関連についての研究 : 養育医療給付児での検討 高橋篤 ₁,2 ), 原澤和代 ₁ ), 原田明菜 ₁ ), 伊藤里加 ₁ ), 高橋雪子 ₁ ), 勅使河原洋子

338 西博行 生中雅也 西村良夫 H Br F 図 ₁ ラニレスタットの構造式 のエナンチオマー評価法の開発研究を行っている 本論文では, ラニレスタットの光学活性中間体につき, キラル HPLC を用いた評価法の検討を行った結果について報告する なお, ラニレスタットは, 糖尿病合併症薬として臨


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指定演題 1 D 2 経頭蓋直流電気刺激による歩行 認知課題の機能向上効果 篠田亮平 1) 松浦晃宏 1) 石川衛 1) 苅田哲也 1) 森大志 2) key word: 二重課題 経頭蓋直流電気刺激 歩行 1) 大山リハビリテーション病院 2) 県立広島大学 目的 歩きながら話をするなど 動作の遂

広島工業大学紀要教育編第 ₁₅ 巻 (₂₀₁₆)1 10 論文 同期型 CSCL を使った国際協調的外国語学習の実践 ツールの違いにおける社会的存在感と満足度との関係性 安部由美子 * 益子行弘 ** ( 平成 ₂₇ 年 ₁₀ 月 ₂₇ 日受付 ) International Collaborati

田中武 栗栖慎也 甲斐健 山崎勇 織田浩二 﨑将智 植月唯夫 に対する評価基準が異なっても良いと考えられる ₂ ) 体育館のスポーツ照明として,LED 光源を用い, ₁ ) 照明用光源の LED 素子単体が見えない状態にする ₂ ) 実際の直下照度を低下させない ことで, 体育館内の照度分布の達成,

佐見 植田 結びつくと考えられている ₅). 畑は, その疾病をいかに深刻なものととらえていたとしても, 罹患の可能性がないと考えている場合には, その疾病への恐れは存在しないことになり, 結果としていかなる予防行動も起こりえないとしている. また, この 重大性 の自覚と 罹患性 の自覚の ₂ つ

風間慶祐, 他 ながら,LACの安全性や忍容性の検討は, これまで主に ₇₅ 歳以下もしくは₈₀ 歳以下を対象に検討が行われてきた. 一方で, 加齢により ADLの低下が見られ有訴率は上昇し ₅), 全身臓器機能低下が予想され, 一般に術後合併症のリスクは増加すると言われている ₆). このため ₈

ⅠⅠ 1 Ⅰ Ⅰ 2 Ⅰ 3 Ⅰ Ⅰ Ⅰ 4 Ⅰ 4 Ⅰ Ⅰ Ⅱ Ⅲ Ⅰ Ⅲ 1 791

美作大学 美作大学短期大学部紀要 2011, Vol ~ 14 論 文 GABA(γ- アミノ酪酸 ) の味覚への関与について ~ 酸味と塩味への関与 ~ Involvement of GABA in taste sensation : interaction with acid ta

4 身体活動量カロリズム内に記憶されているデータを表計算ソフトに入力し, 身体活動量の分析を行った 身体活動量の測定結果から, 連続した 7 日間の平均, 学校に通っている平日平均, 学校が休みである土日平均について, 総エネルギー消費量, 活動エネルギー量, 歩数, エクササイズ量から分析を行った

運動負荷試験としての 6 分間歩行試験の特徴 和賀大 坂本はるか < 要約 > 6 分間歩行試験 (6-minute walk test; 6MWT) は,COPD 患者において, 一定の速度で歩く定量負荷試験であり, この歩行試験の負荷量は最大負荷量の約 90% に相当すると報告されている. そこ

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情報 BOX 申込み方法 募集 講演 電話以外で申込む場合は次の応募事項を書いてください 名など ( コースも ) 氏名 ( ふりがな ) 電話番号 郵便番号 住所 年齢 小中学生は学校名 学年 福岡市政だより 2016( 平成 28) 年 7 月 1 日 14 講座 などで 特に記載がないものは

図 1 緩和ケアチーム情報共有データベースの患者情報画面 1 患者氏名, 生年月日, 性別, 緩和ケアチームへの依頼内容について,2 入退院記録, 3カンファレンス ラウンド実施一覧,4 問題点のリスト,5 介入内容の記録. 図 2 緩和ケアチームカンファレンス ラウンドによる患者評価入力画面 (

下里侑子, 他 写真 ₁ 胸痛自覚時の胸部 X 線右胸水を認めた. 写真 ₂ a を開始された. 移植 ₉ 年後より拘束性換気障害 (%VC ₄₁% FEV₁.₀ % ₁₁₆%) を認めたが, 慢性咳嗽の増悪はなく,SpO ₂は大気下で₉₈% と保たれ Activity of daily life

はじめに慶應義塾では, 海外で教育を受けた受験生の学歴背景を尊重し, 能力 適性等を多面的に評価することで, 広く多様性のある優秀な入学者受入れをすべく,₁₉₇₉ 年 ₄ 月より帰国生入試を実施しています この 募集要項 には, 入学試験の概要と, 出願準備から入学手続までのすべての事項を時間の流れ

日本家政学会誌 Vol. ₆₆ No. ₅ 197~212(₂₀₁₅) 報文 近現代における 着物 の表記法とその意味の変遷 1874 年 ~1980 年の新聞記事を中心に 森理恵 ₁* Changes in the Term Kimono in 1870 s 1970 s Japan Rie MO


目 次 ページ 1. 事業報告書 1 2. 収支計算書 6 3. 事業別収支計算書 8 4. 貸借対照表 財産目録 正味財産増減計算書 正味財産減少理由書 監査報告書 14

放射線 ( 能 ) 測定システム ₁₁ ₁ 簡易型ホールボディカウンタ AT₁₃₁₆ 別途見積別途問合 ₁₁ ₁* ベッド式ホールボディカウンタ ACCUSCAN 別途見積別途問合 アドフューテックベラルーシ ATOMTEX 社 アドフューテックキャンベラジャパン 米国キャンベラ社 ₁₁ ₁* 立式

はじめに慶應義塾では, 海外で教育を受けた受験生の学歴背景を尊重し, 能力 適性等を多面的に評価することで, 広く多様性のある優秀な入学者の受入れを目指しています このため,₁₉₆₅ 年 ₄ 月より外国人留学生対象入学試験を実施しています この 募集要項 には, 入学試験の概要と, 出願準備から入学

泉水 甲斐 柳澤 江川 永松 よって明らかにされつつあり ₈,₉), こころのケアにおいても心身の繋がりを考えることは有効であろう. そこで我々は, 東日本大震災のこころのケア活動において, 運動を活用した被災者支援活動を行った. 運動の活用によって身体面からメンタルヘルス改善のアプローチをすること

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日本皮膚科学会雑誌第117巻第14号

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原日本呼吸ケア リハビリテーション学会誌 2017 年第 26 巻第 3 号 495-501 慢性呼吸器疾患における Physical Activity Scale for the Elderly を用いた身体活動量評価の有用性に関する検証 甲南女子大学看護リハビリテーション学部 ₁), 国家公務員共済組合連合会枚方公済病院リハビリテーション科 ₂), 同呼吸器内科 ₃), 結核予防会大阪府支部大阪病院リハビリテーション科 ₄), 京都橘大学健康科学部理学療法学科 ₅) ₆), 医療法人徳洲会八尾徳洲会総合病院呼吸器内科 青田絵里 1) 伊藤健一 2) 奥田みゆき 3) 濃添建男 4) 堀江淳 5) 6) 石原英樹 (ICC=0.61,p<0.01) は共に高い相関関係が認められ, 慢性呼吸器疾患において PASE の使用が可能であることが示唆された. さらに, 身体特性による違いでは, 息切れの重症度が高く生活活動が身体活動の主体となっている群において, より再現性 妥当性が高い傾向が認められた. 慢性呼吸器疾患において再現性 妥当性が確認された質問紙は今のところ国内には皆無であり, この PASE は身体活動定量化の一手法として有用であると考えられた. 緒 言 要旨慢性呼吸器疾患患者 50 例を対象に Physical Activity Scale for the Elderly( 以下 PASE) 日本版の再現性および妥当性を検討した. 1 回目 PASE を自記式にて回答してもらい回収した後, 3 次元加速度計を 2 週間装着し, うち連続 7 日の平均値から消費エネルギー量を計測した. また, 1 回目調査 1 週間後に 2 回目 PASE を実施し郵送にて 回収した. 1 回目 PASE スコアは104.7±71.1 点, 活動消費カロリーは 375.6±161.6 kcal/day であった. PASE スコアと活動消費カロリーの相関 (r=0.51,p<0.01) および, 1 回目と 2 回目の PASE スコアの相関 Key words:copd, 身体活動, 質問紙,PASE いぶん容易でかつ正確に, また安価に日常の身体活動量を丸ごと量的に把握することが可能となった. しかしな 慢性呼吸器疾患における身体活動について,COPD の生存率との関連性 ₁) や予後予測因子として最も強く影響を及ぼす ₂) ことが報告されて以降, 近年その重要性が急速に注目されるようになってきている. そもそも 身体活動 への着目は, 国内外の多くの指針において, スポーツなどに代表されるような 強度の高い運動 の推進であったものから, 日常に行われる 身体活動 全体の推進へと大きくパラダイムシフトしてきたことに端を発する. こうした動向は, 高齢者や慢性呼吸器疾患患者の生活機能維持を目的に, 不活動 に陥ることを予防するためには非常に重要な視点である. 労作時の息切れや疲労感が不活動を招き, さらに息切れを悪化させるという慢性呼吸器疾患患者のディコンディショニングにおいても, その悪循環を断ち切るために身体活動の向上が果たす役割は非常に大きい. 慢性呼吸器疾患における身体活動の評価方法に関して, 現在報告されている研究のほとんどは, 国内外ともに加 がら, その量的評価の結果を原因解明や患者指導の場面で活用しようとすると, 身体活動の内容 パターンなど質的な情報の把握が同時に重要であることを経験する. こうした質的情報の把握に優れた側面が着目され, 近年, 慢性呼吸器疾患における身体活動量評価質問紙の再現性 ( 信頼性 ) および妥当性の確認が国外において進められているが ₃-₆), 国内に至っては今のところ皆無である. その主観的手法である側面ゆえに, 客観性において動作計測法に劣るという事実は否めないが, その実用性を鑑み, 国内でも慢性呼吸器疾患においてより再現性, 妥当性の高い質問紙を検証することが強く望まれる. そこで, 今回我々は, 慢性呼吸器疾患患者において質問紙による身体活動量評価の有用性を検討することを目的に, 欧米における高齢者を対象としたおもな質問紙の一つである Physical Activity Scale for the Elderly( 以下 PASE) 日本版 ₇) を用い, その再現性, 妥当性を慢性呼吸器疾患患者において検証することとした. 速度計などの動作計測法を用いて行われているのが現状である. 動作計測法の技術発達によって, 以前に比べず 2017 The Journal of the Japan Society for Respiratory Care and Rehabilitation 495

慢性呼吸器疾患における Physical Activity Scale for the Elderly を用いた身体活動量評価の有用性に関する検証 対象と方法 1 ) 対象大阪府下 ₂ 病院の協力を得て, 参加同意が得られた慢性呼吸器疾患患者とし, 疾患名が COPD でないものも対象とした. 属性項目としては, 年齢, 性別, 身長, 体重, 家族構成, 教育歴, 慢性疾患の有無とその身体に及ぼす影響のほか, 呼吸機能 (FVC,FEV ₁ ), 息切れの強度 (modified Medical Research Council 分類, 以下 mmrc) について調査した. 除外基準としては, 認知機能低下の疑い ₈) のある者のほか, 活動量計装着日数が ₅ 日に満たない者は本研究の対象外とした. 2 )PASE について COPD の身体活動量は, 同年齢の健常者に比べ量, 強度ともに低いことが知られており ₉), 質問紙法を用いた先行研究の多くは高齢者を対象に開発された質問紙によって身体活動量を評価している ₁₀). 質問紙法による身体活動量の評価について, これを高齢者に適応する場合, 思い出し期間が短く, 回答が容易であること以外に, 項目に低強度の活動 ( 家事など ) が含まれていることなどに配慮されていることが重要である ₁₁) と言われている. 代表的な質問紙として,WHO により国際的に統一された基準で作成された IPAQ ₁₂) やそれを改良した GPAQ などが広く使われるが, 一般成人を対象として開発されたものであることから低強度の身体活動の差異を特定するには感度に欠ける ₁₃). 高齢者を対象として開発されたものとして, 国外では,Modified Baecke Questionnaire for older adults ₁₄), Zutphen Physical Activity Questionnaire ₁₅) (ZPAQ), Yale Physical Activity Survey(YPAS) ₁₆), PASE ₁₇), the Community Healthy Activities Model Program for Seniors(CHAMPS) ₁₈), the Longitudinal Aging Study Amsterdam Physical Activity Questionnaire (LAPAQ) ₁₉) などが, いずれも高齢者での再現性, 妥当性が検討されている ( 表 ₁ ). 図 ₁ は本研究に使用した PASE 日本版の一部である. PASE は₁₉₉₃ 年 Washburn ら ₁₇) により開発された高齢者対象の身体活動量評価質問紙であり,(₁) 質問項目が全 ₁₀ 項目であり回答が容易 (₂) 思い出し期間が ₁ 週間と短い,(₃) 郵送法, 面接法いずれの調査方法にも使用可能といった点のほか,(₄) 低強度を含む家事, 労働など広範囲の身体活動を網羅し, それぞれ庭仕事や介護など高齢者に特化した活動に重点が置かれている点が利点として挙げられる. 作成手順としては, 先行文献からの項目リ図 1 PASE 日本版 ( 原本の一部 ) 表 1 国外のおもな身体活動量評価質問紙 ( 高齢者対象 ) と特徴 回答のし易さ 低強度の活動 Physical Activity Scale for the Elderly(PASE) Modified Beacke Questionnaire for older adults Zutphen Physical Activity Questionnaire(ZPAQ) Yale Physical Activity Survey(YPAS) the Community Healty Activities Model Program for Seniors(CHAMPS) the Longitjdinal Aging Study Amsterdam Physical Activity Questionnaire(LAPAQ) - - ₁ 回答のし易さ 思い出し期間, 項目数, レイアウトの ₃ 項目のうち : ₂ 項目該当 : ₁ 項目該当 ₂ 低強度の活動 : 含まれている 496 The Journal of the Japan Society for Respiratory Care and Rehabilitation

ストアップ, 身体活動量評価分野での権威による確認といった手順を踏み, 無作為抽出した₆₅ 歳以上の高齢者 ₂₅₄ 名を対象とした研究により, 各項目の重みづけを決定し, 再現性 妥当性が有意であることが明らかとなっている. 版権は New England Research Institute, Inc. により所有されており, 使用には所定の手続きが必要となる. 現在, 日本語版も Hagiwara ら ₇) により₂₀₀₈ 年に作成された PASE 日本版 が入手可能である. 3 ) 再現性および妥当性の検討方法は, ₁ 回目 PASE は自己記入式にて回答した後, 面接者によるチェックを行った. 妥当性検討の方法として, ₃ 次元加速度センサ搭載の活動量計 Active style Pro HJA-₃₅₀IT( オムロンヘルスケア株式会社製 ) を ₂ 週間装着し, うち連続 ₇ 日の平均値から消費エネルギー量を計測した.Active style Pro HJA-₃₅₀IT は, 歩行以外の身体活動の把握も視野に開発された活動量計であり, それまでの ₁ 軸加速度計では生活活動が過小評価されるといった欠点を, ₃ 軸加速度計を用いて生活活動と歩行活動とを判別することにより克服している ₂₀,₂₁). また, 再現性の検討として, ₁ 回目調査 ₁ 週間後に ₂ 回目 PASE(testretest 法 ) を実施し郵送にて回収した. 統計解析は, 妥当性については Pearson の積率相関係数を, 再現性検討については級内相関係数を用い, 有意水準は危険率 ₅ % 未満とした. 4 ) 倫理的配慮本研究はヘルシンキ宣言に基づいて実施し, 大阪府立大学総合リハビリテーション学部研究倫理委員会の承認を得て ( 倫理審査承認番号 ₀₈-₁₀₄), 対象者には文書と口頭による主旨説明を行った後, 文書により同意を得た. 結 果 1 ) 対象対象者 ₅₀ 例のうち最終的に回収に至ったのは₄₈ 例 ( 回収率 ₉₆.₀%) であった. 再現性検討は, そのうち ₂ 回目 PASE が未回収であった ₁ 例および認知機能低下の疑いがみられた ₇ 例を除外し,₄₀ 例で検討を行った. また, 妥当性検討は, 活動量計装着日数の不足と判定した ₃ 例および認知機能低下の疑いがみられた ₈ 例を除く₃₇ 例で検討を行った ( 図 ₂ ). 対象者の属性を表 ₂ に示す. 表 2 対象者の属性 再現性検討 妥当性検討 性別 男性 ₃₄ ₃₁ 女性 ₆ ₆ 平均年齢 ( 歳 ) ₇₂.₁ ₇₁.₉ 体重 (kg) ₅₃.₉ ₅₃.₅ 身長 (cm) ₁₆₀.₉ ₁₆₀.₉ BMI(%) ₂₀.₈ ₂₀.₆ FVC(%FVC) ₂.₂₀(₇₁.₇) ₂.₁₈(₇₁.₀) FEV ₁ (%FEV ₁ ) ₁.₀(₄₁.₉) ₁.₀(₄₁.₆) mmrc(₀,₁,₂,₃,₄) ₂,₁₀,₁₅,₉,₄ ₂,₉,₁₄,₈,₄ 独居 ₂ ₂ 家族構成 夫婦のみ ₁₉ ₁₈ その他 ₁₉ ₁₇ 中卒 ₂ ₂ 教育歴 高卒 ₂₃ ₂₁ 大卒 ₁₅ ₁₄ 慢性疾患 有 ₄ ₇ なし ₇ ₃ 平均消費エネルギー (kcal/day) ₃₇₅.₇ ₃₇₅.₆ BMI:Body Mass Index, mmrc:modified Medical Research Council 分類 研究対象者 50 名 再現性検討 PASE2 回目未回収 :1 名 回収 48 名 妥当性検討 活動量計装着日数不足 :3 名 47 名 45 名 認知機能低下ハイリスク :7 名 認知機能低下ハイリスク :8 名 40 名 37 名 図 2 再現性および妥当性検討の対象者 Vol.26 No.3 2017 497

慢性呼吸器疾患における Physical Activity Scale for the Elderly を用いた身体活動量評価の有用性に関する検証 2 ) 再現性および妥当性の検討 PASE スコア総点の平均は₁₀₄.₇±₇₁.₁, 活動量計による活動消費カロリー ( 連続 ₇ 日間の平均 ) は ₃₇₅.₆± ₁₆₁.₆ kcal/day であった. 妥当性を示す PASE スコアと活動消費カロリーの相関係数は r=₀.₅₁(p<₀.₀₁) で有意に高い相関関係が認められた. また, ₁ 回目 PASE スコアと ₂ 回目 PASE スコアの相関から導かれる再現性に関しても,ICC=₀.₆₁(p<₀.₀₁) とこちらも有意に高い相関関係が認められた ( 図 ₃ ). 表 ₃ には身体特性による相関結果の違いを示している. 体型がやせ, あるいは肥満の群において妥当性相関の有 意差が認められていない以外は, 属性や身体特性にかかわらず高い相関 (r=₀.₄₀~₀.₇₀,icc=₀.₅₅~₀.₇₃) が認められている. さらに, 息切れの強さの違いによる相関結果の違いをみた場合, 息切れが強くそれが大きく活動に影響しているものほど再現性および妥当性の相関が高く, とくに妥当性の相関にその傾向が強く認められた. また, 身体活動の内訳として生活活動と歩行活動との比率で等サイズの ₃ 群に分け, 各群の違いをみた場合, 生活活動がその大半を占めるような活動を行っている者ほど相関が高く, こちらも妥当性のほうがより顕著にその傾向が認められた. ( 点 ) 300 ICC=0.61(p<0.01) n=40 (kcal/day ) 700 600 r=0.51(p<0.01) n=37 1 回目 PASE1 200 100 0 健常高齢者 : ICC=0.65 500 400 300 200 100 0 健常高齢者 : r=0.16(p=0.02 ) 0 50 100 150 200 250 0 50 100 150 200 250 2 回目 PASE ( 点 ) 2 回目 PASE ( 点 ) 図 3 再現性および妥当性検討の結果 表 3 身体特性による相関結果の違い 再現性 (ICC) 妥当性 (r) 男性のみ ₀.₆₆**(n=₃₄) ₀.₅₂**(n=₃₁) BMI ₁₈.₅ 除外 ₀.₅₅**(n=₂₉) ₀.₃₈(p=₀.₀₆, n=₂₆) BMI ₂₅.₀ 除外 ₀.₆₁**(n=₃₇) ₀.₅₃**(n=₃₄) ₂₅.₀ BMI ₁₈.₅ ₀.₆₁**(n=₄₀) ₀.₅₁*(n=₃₇) mmrc= ₄ 除外 ₀.₅₆**(n=₃₆) ₀.₄₄**(n=₃₃) mmrc=₄,₃ 除外 ₀.₅₆**(n=₂₇) ₀.₄₀**(n=₂₅) mmrc ₁ ₀.₅₈**(n=₃₈) ₀.₅₇**(n=₃₅) mmrc ₂ ₀.₇₃**(n=₂₈) ₀.₆₆**(n=₂₆) mmrc ₃ ₀.₇₁**(n=₁₃) ₀.₇₀*(n=₁₂) 生活 kcal / 歩行 kcal ₃.₉ ₀.₅₈**(n=₁₃) ₀.₃₂(p=₀.₃₃, n=₁₁) ₃.₉ 生活 kcal / 歩行 kcal ₈.₇ ₀.₅₆**(n=₁₃) ₀.₅₀(p=₀.₀₈, n=₁₃) 生活 kcal / 歩行 kcal ₈.₇ ₀.₆₇**(n=₁₃) ₀.₆₆*(n=₁₃) **p<₀.₀₁, *p<₀.₀₅ BMI:Body Mass Index,mMRC:modified Medical Research Council 分類, 生活 kcal: 生活活動消費エネルギー, 歩行 kcal: 歩行活動消費エネルギー 498 The Journal of the Japan Society for Respiratory Care and Rehabilitation

表 4 活動内容別の実施頻度および PASE スコア内訳 実施頻度 PASE PASE スコア内訳 ( 健常高齢者 ₁ ) weight ( 健常高齢者 ₁ ) 余暇活動自宅外での歩行 ₀.₉₉ h/day ₀.₆₂ h/day ₂₀ ₁₉.₉ ₁₂.₄ 低強度の余暇活動 ₀.₁₈ h/day ₀.₃₉ h/day ₂₁ ₃.₇ ₈.₂ 中強度の余暇活動 ₀.₀₂ h/day ₀.₁₇ h/day ₂₃ ₀.₄ ₃.₈ 高強度の余暇活動 ₀.₀₀ h/day ₀.₀₆ h/day ₂₃ ₀.₀ ₁.₅ 筋力 持久力強化運動 ₀.₁₁ h/day ₀.₀₆ h/day ₃₀ ₃.₄ ₁.₈ 家事活動軽い家事 ₆₅.₀ %* ₈₅.₈ %* ₂₅ ₁₆.₃ ₂₁.₅ きつい家事 ₅₅.₀ %* ₈₀.₃ %* ₂₅ ₁₃.₈ ₂₀.₁ 家の修繕 ₁₇.₅ %* ₆.₅ %* ₃₀ ₅.₃ ₁.₉ 庭の手入れ ₂₀.₀ %* ₆₁.₂ %* ₃₆ ₁₆.₂ ₂₂.₀ 園芸 ₁₅.₀ %* ₆₂.₈ %* ₂₀ ₈.₅ ₁₂.₆ 保育介護 ₂.₅ %* ₁₁.₇ %* ₃₅ ₀.₉ ₄.₁ 労働 ₀.₇₉ h/day ₀.₂₄ h/day ₂₁ ₁₆.₅ ₅.₀ 総点 ₁₀₄.₇ ₁₁₄.₉ * 当該週にその活動を行った対象者の割合 ₁ Hagiwara ら ₆) による PASE 日本版の設問ごとの得点分布を,Hagiwara ら ₇) の報告の健常高齢者の結果と合わせて表 ₄ に示す. 低強度, 中等度の余暇活動, および筋力 持久力強化運動の実施頻度はそれぞれ ₀.₁₈ h/day,₀.₀₂ h/day,₀.₁₁ h/ day であり, 高強度の余暇活動に至っては全く実施されていなかった. 一方, 歩行の実施頻度は健常高齢者 ₀.₆₂ h/day に対し, 本研究結果では ₀.₉₉ h/day であった. 考察本研究の結果から, 再現性および妥当性ともに高い相関が認められ, 慢性呼吸器疾患での PASE 適用が可能であることが明らかとなった. また, 属性や身体特性にかかわらず有意に高い相関が認められたことから, すべての慢性呼吸器疾患に適用が可能であると考えられた. さらに, 注目すべき点として, 身体特性による結果の違いから, 息切れの重症度が高く, 生活活動が身体活動の主体となっている者の方がより再現性および妥当性が高い傾向が認められた. 近年, 国内でも急速に慢性呼吸器疾患の身体活動量に関する報告がみられるようになったが, その多くは, 活動量計などの動作計測法を評価手法として用いている. 簡便で安価であるにもかかわらず, 質問紙が慢性呼吸器疾患において実用に至っていない背景として, ₂ つの理由が考えられる. まず第一に, 慢性呼吸器疾患において有用な身体活動量評価質問紙の検証が未だ十分に進んで いないことが挙げられる. 慢性呼吸器疾患を対象に国外で再現性および妥当性がともに確認されている質問紙は, PASE ₅) のほか現在開発途中である a patient- oriented outcome (PRO)questionnare ₆) のみであり, 国内に至っては皆無である. また, もう一つの大きな理由に, 身体活動量評価における質問紙の性質として, その多くは, 高強度の活動よりも低強度の活動でその妥当性が低いといわれている ₂₂) ことが挙げられる. このような背景を覆すべく, 今回, 慢性呼吸器疾患を対象に良好な結果が得られたことは非常に有意義であり, 今後, 当該分野での身体活動に関する疫学研究に活用され, ますます多くの報告がなされることが期待される. 次に, 健常高齢者における PASE 日本版の結果 ₇) と比較して考察すると, 再現性については大きな差は認められなかったが, 妥当性の相関では慢性呼吸器疾患において非常に良好な結果が得られた. また, 本研究において息切れの強い者や身体活動のうち生活活動の占める比率が高い者の方がより妥当性の相関が高かった. これらの結果から,PASE 日本版は, 活動消費エネルギーが少なく生活活動が身体活動の主体となっている群, すなわち身体活動強度がより低い群を対象とする方が, 妥当性の相関が高いということが推察された. これは, 身体活動レベルが₁.₄ 以下の非常に低い群で PASE の妥当性が高いことを示した DePew ら ₅) の報告を支持する結果となった. この理由として,PASE は, その設問に生活活動と Vol.26 No.3 2017 499

慢性呼吸器疾患における Physical Activity Scale for the Elderly を用いた身体活動量評価の有用性に関する検証 しての歩行や食器洗い, 園芸など日常でよく行われる低強度の身体活動をいくつも含んでいるため, 活動性の低い高齢者や慢性呼吸器疾患患者であっても, その小さな変化を反映し得ることが影響しているのではないかと考えられる. さらに, 本研究に付随して得られた COPD の身体活動の質的側面として, 慢性呼吸器疾患の活動内容を健常高齢者と比較すると, 歩行が健常高齢者の約 ₁.₅ 倍の実施率であったことと, それに反し, 余暇活動における運動は低強度のものであってもほとんど行われていないといった点が特筆すべき点であろう. 歩行の実施率に関して, COPD における身体活動量を日記方式の質問紙と実際とで比較した Pitta ら ₂₃) の報告では, 歩行の実施時間が自己評価において実際よりも過大評価されることが明らかになっている. 本研究からは, その点について言及することはできないが, 慢性呼吸器疾患患者が運動療法の一環として意識して歩行に取り組んでいることは紛れもない事実である事がうかがえる. むしろ, 歩行がこれだけ励行される理由を明らかにし, 同等負荷強度に相当する低強度の余暇活動や家事活動の推奨に役立てることが, 今後, 呼吸リハ分野において検討されるべき課題であることが示唆された. 最後に, 本研究の限界として, 対象数の不足により属性および身体特性による違いを明らかにするには至らず, 傾向を示すに過ぎなかった点が挙げられる. 今後, さらに対象数を増やして検討を重ねると同時に, より活動性が高い, 歩行をはじめ余暇活動において積極的に運動を取り入れているような対象での妥当性が改善するよう, その原因について解明し適宜 PASE の修正を検討する必要があると考えられる. 結 語 本研究により,PASE 日本版が慢性呼吸器疾患において再現性, 妥当性ともに高く, 適用が可能であることが明確となった. 慢性呼吸器疾患を対象に再現性および妥当性が確認された質問紙は国内においてこれまでないことから, 今回のこの結果は非常に意義のあることだと考えられる. 今後, 身体活動定量化の一手法として疫学研究に広く活用され, 慢性呼吸器疾患患者の生活機能維持に役立てられることを期待したい. 著者の COI(conflicts of interest) 開示 : 本論文発表内容に関して特に申告すべきものはない. Validity and reliability of the Japanese-version Physical Activity Scale for the Elderly in Chronic Respiratory Disease Eri Aota ₁), Kenichi Ito ₂), Miyuki Okuda ₃), Tatsuo Nozoe ₄), Jun Horie ₅), Hideki Ishihara ₆) ₁) Faculty of Nursing and Rehabilitation, Konan Women's University, ₂) Department of Rehabilitaion, Hirakata Kohsai Hospital, ₃) Department of Pulmonary Medicine, Hirakata Kohsai Hospital, ₄) Department of Rehabilitation, Osaka Hospital, ₅) Faculty of Health Science, Kyoto Tachibana University, ₆) Department of Pulmonary Medicine, Yao Tokusyukai General Hospital 文 献 ₁)Garcia-Rio F, Rojo B, Casitas R, et al.: Prognostic value of the objective measurement of daily physical activity in patients with COPD. Chest ₁₄₂: ₃₃₈-₃₄₆, ₂₀₁₂. ₂)Waschki B, Kirstein A, Holz O, et al.: Physical activity is the strongest predictor of all-cause mortality in patients with COPD: a prospective cohort study. Chest ₁₄₀: ₃₃₁-₃₄₂, ₂₀₁₁. ₃)Gonzalez DD, Santos EG, Serra I, et al.: Validation of the Yale Physical Activity Survey in chronic obstructive pulmonary disease patients. Arch Bronconeumol ₄₇: ₅₅₂-₅₆₀, ₂₀₁₁. ₄)Garfield BE, Canavan JL, Smith CJ, et al.: Stanford Seven-day Physical Activity Recall questionnaire in COPD. Eur Respir J ₄₀: ₃₅₆-₃₆₂, ₂₀₁₂. ₅)DePew ZS, Garofoli AC, Novotny PJ, et al.: screening for severe physical inactivity in chronic obstructive pulmonary disease: The value of simple measures and the validation of two physical activity questionnaires. Chron Respir Dis ₁₀: ₁₉-₂₇, ₂₁₀₃ ₆)Gimeno SE, Raste Y, Demeyer H, et al.: The PROactive instruments to measure physical activity in patients with chronic obstructive pulmonary disease. Eur Respir J ₄₆: ₉₈₈-₁₀₀₀, ₂₀₁₅. ₇)Hagiwara A, Ito N, Sawai K, et al.: Validity and reliability of the Physical Activity Scale for the Elderly (PASE)in Japanese elderly people. Geriatr Gerontol Int ₈: ₁₄₃-₁₅₁, ₂₀₀₈. ₈) 日本医師会総合政策研究機構松江市介護保険課 : 地域支援事業におけるハイリスク アプローチに関する一方法の提案, 日本医師会総合政策研究機構, 東京,₂₀₀₅,₆₈-₇₉. ₉)Pitta F, Troosters T, Spruit M, et al. Characteristics of physical activities in daily life in chronic obstructive pulmonary disease. Am J Respir Crit Care Med ₁₇₁: ₉₇₂ ₉₇₇, ₂₀₀₅. ₁₀)Pitta F, Troosters T, Probst VS, et al.: Quantifying physical activity in daily life with questionnaires and motion sensors in COPD, Eur Respir J ₂₇: ₁₀₄₀-₁₀₅₅, ₂₀₀₆. ₁₁)Washburn RA, Jette AM, Janney CA: Using age-neutral physical activity questionnaire in search with the elderly. J Aging Health ₂: ₃₄₁-₃₅₆, ₁₉₉₀. ₁₂) 東京医科大学公衆衛生学分野 :http://www.tmu-ph.ac/. Accessed: ₃ September ₂₀₁₆. ₁₃)Ishikawa-Tanaka K, Tabata I, Sasaki S, et al: Physical activity level in healthy free-living Japanese estimated by doubly 500 The Journal of the Japan Society for Respiratory Care and Rehabilitation

labelled water method and International Physical Activity Questionnaire. Eur J Clin Nutr ₆₂: ₈₈₅-₈₉₁,₂₀₀₈ ₁₄)Voorrips LE, Ravelli AC, Dongelmans PC, et al.: A physical activity questionnaire for the elderly. Med Sci Sports Exerc ₂₃: ₉₇₄-₉₇₉, ₁₉₉₁. ₁₅)Caspersen CJ, Bloemberg BP, Saris WH, et al.: The prevalence of selected physical activities and their relation with coronary heart disease risk factors in elderly men: the Zutphen Study,₁₉₈₅. Am J Epidemiol ₁₃₃: ₁₀₇₈-₁₀₉₂, ₁₉₉₃. ₁₆)Dipietro L, Caspersen CJ, Ostfeld AM, et al.: A survey for assessing physical activity among older adults. Med Sci Sports Exerc ₂₅: ₆₂₈-₆₄₂, ₁₉₉₃. ₁₇)Washburn RA, Smith KW, Jette AM, et al.: The Physical Activity Scale for the Elderly(PASE): development and evaluation. J Clin Epidemiol ₄₆: ₁₅₃-₁₆₂, ₁₉₉₃. ₁₈)Stewart AL, Mills KM, King AC, et al.: CHAMPS physical activity questionnaire for older adults: outcomes for interventions. Med Sci Sports Exerc ₃₃: ₁₁₂₆-₁₁₄₁, ₂₀₀₁. ₁₉)Stel VS, Smit JH, Pluijm SM, et al.: Comparison of the LASA Physical Activity Questionnaire with a ₇-day diary and pedometer. J Clin Epidemiol ₅₇: ₂₅₂-₂₅₈, ₂₀₀₄. ₂₀) 大島秀武, 川口香織, 土井龍介, 他 : ₁ 次元加速度および ₃ 次元加速度を用いた歩行動作と日常生活動作の判別. 体力科学 ₅₆: ₇₉₉, ₂₀₀₇. ₂₁) 大河原一憲, 田中茂穂, 引原有輝, 他 : ₁ 次元および ₃ 次元合成加速度を用いた歩行と日常生活活動強度の推定. 体力科学 ₅₆: ₇₈₆, ₂₀₀₇. ₂₂)Jacobs DR Jr, Ainsworth BE, Hartman TJ, et al.: A simultaneous evaluation of ₁₀ commonly used physical activity questionnaires. Med Sci Sports Exerc ₂₅: ₈₁-₉₁, ₁₉₉₃. ₂₃)Pitta F, Troosters T, Spruit MA, et al.: Activity monitoring for assessment of physical activities in daily life in patients with chronic obstructive pulmonary disease. Arch Phys Med Rehabil ₈₆: ₁₉₇₉-₁₉₈₅, ₂₀₀₅. Vol.26 No.3 2017 501