資料 2 改正 JIS;JIS H 8602:2010 ( アルミニウム及びアルミニウム合金の陽極酸化塗装複合皮膜 ) 改正に伴う Q&A 2010 年 3 月 一般社団法人軽金属製品協会 社団法人日本サッシ協会 1
< 目次 > 1. 改正に係る一般事項 Q 1 今回の改正では規定する内容が大幅に変更と聞いていますが 主な改正点及びその理由について教えてください Q 2 今回は JIS H 8601 と JIS H 8602 が改正になったのですか Q 3 JIS H 8602 は 改正前のままでは問題があったのでしょうか Q 4 JIS 改正の目的の一つとされる省エネルギー化とは 具体的にどのように反映されますか Q 5 性能規定にかわることで ユーザーにはどのようなメリットがありますか Q 6 改正前 JIS(JIS H 8602:2006) の表面処理種類を 改正 JIS(JIS H 8602:2010) へ読み替えるにはどうすればよいのですか Q 7 改正前 JISでは皮膜と塗膜の厚さを規定していましたが 改正 JISでは膜厚は規定されていませんが 性能的にはどうなるのですか Q 8 改正 JIS(JIS H 8602:2010) の附属書 Cの対比表は何を基に対比したものですか Q 9 何故 種類 において A1 が増えたのですか Q10 何故 種類 において P がなくなったのですか Q11 超高層ビルの外装などは JIS 規格によらない皮膜 塗膜厚さの要求があるが 例えば14+7μmの膜厚仕様は改正 JISでの性能はどのようになりますか Q12 改正 JIS の内容は 公共建築工事標準仕様書 ではどのようになりますか Q13 改正 JIS 種類 A2およびBの要求性能に対してA1で納入することに何か問題はありますか Q14 改正 JIS 種類 A1の参考適用環境の注記 2における過酷環境の定義の中に 南西諸島の島は 海外線から 2km を超えても すべてこの区分にいれる また 紫外線露光量の多い地域とは 亜熱帯海洋性気候に類似した地域をいう とありますが 沖縄は A1 を使用するということでしょうか Q15 改正前 JIS(JIS H 8602:2006) から改正 JIS(JIS H 8602:2010) への移行は公示後即切り替えることが必要となりますか Q16 JIS 認証取得する場合 期間 費用はどのくらいかかりますか Q17 長期間に渡って納入する物件の材料切り替えはどのようになりますか 2
2. 性能 規格の詳細について Q18 改正前 JISに比べ試験時間が長時間になっているのは何故ですか Q19 適用環境において どのくらいの耐用年数が期待できますか Q20 付着性試験 ( 碁盤目試験 ) の試験方法が 今回から JIS K5600 によるとなっていますが 25/25=( いずれの升目も剥れが認められないもの ) とは JIS K5600 における分類 0を意味し 分類 1( カットの交差点による塗膜の小さなハガレ ) は不合格ですか Q21 改正 JISにおいて 付着性試験 ( 碁盤目試験 ) 試験方法の引き剥がし方向は変更となりますか Q22 沸騰水碁盤目試験では 5min 以内に塗膜の外観を評価する 続いて 6.6.1 によって付着性を評価する とありますが 付着性に関しても 5min 以内に実施ということですか Q23 改正 JISの皮膜厚さ平均 5μm 以上の判定基準はどのような意味ですか Q24 改正 JISの試験項目の中に耐摩耗性の検査が無いのは 何か理由があるのですか Q25 改正 JISの試験項目の中に塗膜硬度がないのは何か理由があるのですか Q26 陽極酸化皮膜に塗装を施したもの ( アルマイト / フッ素塗装など ) は複合皮膜に含まれますか? また 陽極酸化皮膜に ( 必要に応じて着色 ) 吹付けによるクリヤ塗装 ( ウレタン系 フッ素系等 ) を施したものは 複合皮膜に含まれますか 3. 製品検査対応などについて Q27 お客様への完成品製品検査報告においては その表面処理の性能はどのように証明するのですか Q28 お客様の製品検査において改正前 JISが膜厚規定であることから 製品を膜厚測定 ( 総合膜厚 ) して報告していましたが 改正 JISの場合どのような対応になりますか Q29 竣工後 サッシの表面に腐食が現われたときは その材料の性能をどのように証明しますか Q30 製品検査時に皮膜厚さは測定できますか 3
4. 参考資料など Q31 改正 JISでは環境別の表面処理種類の選択肢が増えますが適切に選択できるガイドのようなものはありますか Q32 アルミニウムサッシ表面処理の経年劣化の資料を求められた場合 提出できる資料はありますか 4
JIS H 8602:2010 ( アルミニウム及びアルミニウム合金の陽極酸化塗装複合皮膜 ) 1. 改正に係る一般事項 改正に伴う Q&A 集 Q 1 今回の改正では規定する内容が大幅に変更と聞いていますが 主な改正点及びその理由について教えてください A 1 今回の改正におけるポイントは 膜厚による 仕様規定 から耐食性や耐候性の性能を中心とした 性能規定 への移行にあります これは 近年の社会 経済 生活環境の変化 地球環境問題や省エネルギーへの対応が喫緊の課題となり 電力多量消費型のアルミニウムを基板とした複合皮膜の場合には 省エネルギー化が求められていること 国際規格との整合性も必要な課題として挙げられてきた背景が理由となります 従来の皮膜厚 塗膜厚を規定した仕様規定から 用途及び適用環境によって要求される特性項目とその合格水準を定める性能規定へ変更を図るため改正されることとなりました Q 2 今回は JIS H 8601 と JIS H 8602 が改正になったのですか JIS H 8601: アルミニウム及びアルミニウム合金の陽極酸化皮膜 JIS H 8602: アルミニウム及びアルミニウム合金の陽極酸化塗装複合皮膜 A 2 今回改正されたのは JIS H 8602 のみです Q 3 JIS H 8602 は 改正前のままでは問題があったのでしょうか A 3 この規格の初版が制定されてから約 30 年 1992 年の大きな改正から約 17 年が経過し その間に電着塗装等の技術開発の革新的な進歩があり 改正前 JISの仕様規定 ( 皮膜厚さと塗膜厚さの組み合わせで仕様を規定 ) では 要求性能 (A1 A2 など従来にない種類 ) や新しい表面処理 ( カラークリヤーなど ) を網羅できない製品が出てきました 一方 近年地球環境問題や省エネルギー化への要求が社会的に大きくクローズアップされるようになってきました そこで これら社会的な要求に応えるため また将来を見据えた更なる技術革新に対応するためにも 規格の切り替えが必要となりました これは JI Sの作成方針でもある 性能規定 にも合致したものです 5
Q 4 JIS 改正の目的の一つとされる省エネルギー化とは 具体的にどのように反映されますか A 4 電力消費が大きい陽極酸化皮膜を薄膜化することができると電気エネルギーの削減 ( 省エネルギー CO2 削減 ) につなげることができます しかし 改正前 JISでは適用環境に応じた膜厚の規定があるため 技術の進歩によって規定以下の膜厚で性能を満足する表面処理があっても 自由に膜厚を設定できないため 省エネルギーに寄与することができませんでした 改正 JISでは 性能を満足すれば膜厚を自由に設定 ( 陽極酸化皮膜 :5 μm 以上 塗膜 : 規定なし ) することが可能となります たとえば 高性能 ( 耐候性 ) 塗膜の導入によって適用環境に応じた性能を維持しながら皮膜の薄膜化が可能となり 省エネルギーに寄与することになります Q 5 性能規定にかわることで ユーザーにはどのようなメリットがありますか A 5 性能規定になることで耐候性や耐食性などの性能別に製品が分類され 改正 JISでは種類と性能の対比が明確になりました また 使用地域や使用環境を考慮した製品の選択の幅が拡がり環境に合わせた表面処理の選択が可能となりました Q 6 改正前 JIS(JIS H 8602:2006) の表面処理種類を 改正 JIS(JIS H 8602:2010) へ読み替えるにはどうすればよいのですか A 6 改正 JIS と改正前 JIS の読み替えは JIS H 8602:2010 附属書 C を参 考に作成した下表を参照ください なお 本表は JIS 規格についての標準対比表でありメーカー毎の性能評 価は該当するメーカーに確認ください 改正 JIS 種類 ( JIS H 8602:2010) 表 改正前 JIS と改正 JIS の標準対比表 改正前 JIS 種類 (JIS H 8602:2006) 透明系塗膜 (μm) 着色系塗膜 (μm) A1 - - A2 A(9.0 以上 -12.0 以上 ) - B(9.0 以上 -7.0 以上 ) B B(9.0 以上 -7.0 以上 ) P(6.0 以上 -15.0 以上 ) C C(6.0 以上 -7.0 以上 ) - 改正前 JIS 表記 : ( 皮膜厚さ - 塗膜厚さ ) 6
Q 7 改正前 JISでは皮膜と塗膜の厚さを規定していましたが 改正 JISでは膜厚は規定されていませんが 性能的にはどうなるのですか A 7 従来 複合皮膜における耐食性や耐候性などの性能は一般的に膜厚が厚い方が向上するとされてきました しかし 改正 JISの種類 (A2 B など ) では メーカー毎の仕様による皮膜と塗膜厚さで性能を担保していますので その仕様は一律ではありません 表面処理の性能については該当するメーカーに確認ください Q 8 改正 JIS(JIS H 8602:2010) の附属書 C の対比表は何を基に対比したも のですか A 8 適用環境と性能を考慮して対比しています 性能については 陽極酸化塗 装複合皮膜の耐久性試験方法開発委員会 や軽金属製品協会にて実施した試 験結果をもとにして対比しています Q 9 何故 種類 において A1 が増えたのですか A 9 本規格は初版が制定されてから約 30 年 1992 年の改正から約 17 年が経過し その間に電着塗装等の技術開発の革新的な進歩があり 設備や製造技術の標準化などから改正前 JISを上回る性能の表面処理が製造可能となったことと 改正前 JISを上回る要求性能に対応するため追加したものです Q10 何故 種類 において P がなくなったのですか A10 改正前 JIS P 種 ( 着色系 ) は 規格が性能規定に移行したなかで種類 Bに評価されたため それにともない透明系 着色系との区別をなくしたことによります 7
Q11 超高層ビルの外装などは JIS 規格によらない皮膜 塗膜厚さの要求があるが 例えば14+7μmの膜厚仕様は改正 JISでの性能はどのようになりますか A11 14+7μmなどの膜厚仕様は JIS 規格と対比して一般的な見解として回答はできません メーカー毎に過去実績などから判断するか 要求されるお客様との協議によって性能 仕様を選択ください Q12 改正 JISの内容は 公共建築工事標準仕様書 ではどのようになりますか A12 平成 22 年版 公共建築工事標準仕様書 の表面処理の項については 平成 19 年版と変更の予定はありません ただし 公共建築工事標準仕様書 表 14.2.1 表面処理の種別に記載のある 皮膜又は複合皮膜の種類 Bについては 改正 JISの種類 Bとして読んでください なお 平成 22 年版 建築工事監理指針 では 改正後の JISH8602:2010 が反映されます < 平成 19 年版 公共建築工事標準仕様書 表 14.2.1 表面処理の種別 > 種別 表面処理 規格番号 規格名称 皮膜又は複合皮膜の種類 A-1 種無着色陽極酸化皮膜アルミニウム及びアルミニウム JIS H 8601 A-2 種着色陽極酸化皮膜合金の陽極酸化皮膜 AA15 無着色陽極酸化塗装 B-1 種複合皮膜アルミニウム及びアルミニウム JIS H 8602 着色陽極酸化塗装複合金の陽極酸化塗装複合皮膜 B-2 種合皮膜 B 注 : 上表の JIS H 8602 は JIS H 8602:2006( 改正前 ) をあらわす 上記表の見方 : 公共建築工事標準仕様書には 種別 A-1 種, A-2 種, B-1 種, B-2 種 があり JIS H 8602:2010 には 種類 A1, A2, B, C がある これらの種別と種類の記号は混同しやすいため 運用にあたっては十分注意する必要 があります 8
Q13 改正 JIS 種類 A2およびBの要求性能に対してA1で納入することに何か問題はありますか A13 メーカー毎に製品仕様ラインアップによりますが 上位種類製品で下位種類の仕様現場へ納入することはユーザーの承諾により納入可能と考えます Q14 改正 JIS 種類 A1の参考適用環境の注記 2における過酷環境の定義の中に 南西諸島の島は 海外線から 2km を超えても すべてこの区分にいれる また 紫外線露光量の多い地域とは 亜熱帯海洋性気候に類似した地域をいう とありますが 沖縄は A1 を使用するということでしょうか A14 JIS Z 2381 附属書 1 図 1 日本の気象要素による気候区分に定められており 南西諸島は鹿児島県の南部の島から琉球列島に属する島 ( 亜熱帯海洋性気候に類似した地域 ) に 定義されています したがって規格から沖縄県は改正 JIS 種類 A1 を推奨することになりますが 種類の選択についてはその外装材の使い方などを含めユーザー様の要求によって選択してください 詳細はサッシ協会 JIS H 8602 改正について を参照ください Q15 改正前 JIS(JIS H 8602:2006) から改正 JIS(JIS H 8602:2010) への移行は公示後即切り替えることが必要となりますか A15 経過措置期間として 改正前 JISと改正 JISの併用期間 6ヶ月が設けられました 改正 JIS 本文まえがきに以下のように記載されています なお 平成 22 年 7 月 19 日 ( 改正公示日から6ヶ月 ) までの間は 工業標準化法第 20 条第 1 項等の関係条項の規定に基づくJISマーク表示認証において 改正前 JIS(JIS H 8602:2006) によることができる Q16 JIS 認証取得する場合 期間 費用はどのくらいかかりますか A16 JIS 認証取得に要する期間は 種類によって異なります 認証試験に要する期間として A1( 約 6ヶ月 ) A2( 約 3ヶ月 ) B( 約 2ヶ月 ) C( 約 1ヶ月 ) となります また これに加え書類審査や工場審査などで認証試験の前後にそれぞれ1. 5ヶ月 あわせて3ヶ月程度の期間が必要となります 従って A1 は約 9ヶ月 A2 は約 6ヶ月 B は約 5ヶ月 C は約 4ヶ月の期間が目安となります 認証に関する期間や費用など 詳しくは認証機関にお問い合わせ下さい 9
Q17 長期間に渡って納入する物件の材料切り替えはどのようになりますか A17 材料の規格切り替えは 表面処理メーカー毎の対応になります 10
2. 性能 規格の詳細について Q18 改正前 JISに比べ試験時間が長時間になっているのは何故ですか A18 改正前 JISの性能試験は 複合皮膜が正常に作られているかを確認する考え方で規定されていたため 比較的短時間の試験で判断できました 改正 JISは 性能規定の考え方から 設計された性能そのものを判断する長時間の試験が必要となります なお 改正 JISは改正前 JISの複合皮膜の実力を把握して設定しており 改正前 JISの複合皮膜も適用環境に応じた性能を有しております 陽極酸化塗装複合皮膜の試験時間の比較 種類 改正前 JIS 改正 JIS 耐候性 耐食性 種類 耐候性 耐食性 A1 3000hr 120hr 適用環境 屋外苛酷環境 ( 強紫外線地域 ) A 250hr 48hr A2 1500hr 120hr 屋外苛酷環境 B 250hr 24hr B 750hr 72hr 屋外一般環境 Q19 適用環境において どのくらいの耐用年数が期待できますか A19 軽金属製品協会にて実施した暴露試験 実態調査の結果をふまえて 標準耐用年数として15~20 年を推定しています 軽金属製品協会発行 標準耐用年数指針 参照 11
Q20 付着性試験 ( 碁盤目試験 ) の試験方法が 今回から JIS K5600 によるとなっていますが 25/25=( いずれの升目も剥れが認められないもの ) とは JIS K5600 における分類 0を意味し 分類 1( カットの交差点による塗膜の小さなハガレ ) は不合格ですか A20 試験方法は JIS K 5600-5-6 を採用していますが 評価方法は 25 個の升目 のうち一つでも全面的はく離が生じたものは不合格と判定することにし JIS K 5600-5-6 の分類で評価していません Q21 改正 JISにおいて 付着性試験 ( 碁盤目試験 ) 試験方法の引き剥がし方 向は変更となりますか 改正前 JIS(JIS H 8602:2006) JIS K 5600-5-6 垂直方向 60 方向 A21 付着性試験 ( 碁盤目試験 ) の試験方法は JIS K 5600-5-6 を採用していま すので 引き剥がし方法は JIS K 5600-5-6 になります 12
Q22 沸騰水碁盤目試験では 5min 以内に塗膜の外観を評価する 続いて 6.6.1 によって付着性を評価する とありますが 付着性に関しても 5min 以内に実施ということですか A22 外観評価のみ 5min 以内に実施します 付着性は 5min 以内と限定されていませんが 外観評価を行った後速やかに実施することが望ましいとされています Q23 改正 JIS の皮膜厚さ平均 5μm 以上の判定基準はどのような意味ですか A23 製品 3 箇所以上を測定した平均皮膜厚さが基準の 5.0μm 以上 かつ各測 定点皮膜厚さが基準値の 80%(4.0μm) 以上で合格となります Q24 改正 JISの試験項目の中に耐摩耗性の検査が無いのは 何か理由があるのですか A24 耐摩耗性試験は 用途に応じて受渡当事者間の協定により行われる試験で 改正前 JIS 施行の間もユーザーからの要求は特殊用途に限られており 殆どありませんでした 一般的な環境では 複合皮膜の品質は耐候性や耐食性などの性能評価が重視される為 耐摩耗性は特殊な環境の時に 当事者間により適用するものと考え改正 JISにおいては試験項目からはずしています Q25 改正 JISの試験項目の中に塗膜硬度がないのは何か理由があるのですか A25 試験項目としては削除されましたが 耐溶剤性試験において鉛筆引っかき抵抗性の測定は行います 塗膜の鉛筆引っかき抵抗性試験は 塗膜硬度そのものを評価する場合と 塗膜が正常に形成されているかを判断するために行われていました しかし 塗膜硬度は 塗料の種類により異なるため H 以上 の規定では間違った判断をする可能性がありました 改正 JISでは塗膜の状態が正常に形成されているかの確認を重視するために 溶剤で拭いても塗膜硬度が大幅に低下しない試験に置き換えました 13
Q26 陽極酸化皮膜に塗装を施したもの ( アルマイト / フッ素塗装など ) は複合皮膜に含まれますか? また 陽極酸化皮膜に ( 必要に応じて着色 ) 吹付けによるクリヤ塗装 ( ウレタン系 フッ素系等 ) を施したものは 複合皮膜に含まれますか A26 塗膜の種類や厚さについては規定していません 従って陽極酸化皮膜厚さの規定を満足していれば 陽極酸化塗装複合皮膜の改正 JIS 認証取得は可能です 14
3. 製品検査対応などについて Q27 お客様への完成品製品検査報告においては その表面処理の性能はどのように証明するのですか A27 改正 JISでは性能規定としているため 認証自体が証明となります 認証は規定の形式検査合格の上で取得していますので性能が証明されていることになります またお客様より要求があった場合は 受渡検査の結果を報告するように 7 検査 で規定されています 形式検査とは 設計で示した全ての性能を満足するかどうかを判定するための検査をいう 受渡検査とは すでに形式検査に合格したものと同じ設計 製造による製品の受け渡しをする場合 必要と認められる性能が満足するものであるかを判定するための検査をいう ( JIS H 8602:2010 7 検査注 6), 7) より引用 ) Q28 お客様の製品検査において改正前 JISが膜厚規定であることから 製品を膜厚測定 ( 総合膜厚 ) して報告していましたが 改正 JISの場合どのような対応になりますか A28 改正 JISは製品の膜厚によってその性能を証明する規定ではありません したがって総合膜厚測定に代わる性能を保証するものを要求された場合は 工場で定期的に行われる品質検査 ( 受渡検査 ) の結果を報告書 ( 受渡検査報告書 ) として提出することになります 建築工事監理指針では JIS H 8602 は 加工技術 に指定されているため JIS 認証加工業者の工場で加工された材料にあっては 改めて材料試験を行う必要はありません 設計図書で示された表面処理の性能及び品質を満足することを証明する資料としては 製造所で通常生産されている製品であれば その品質検査記録によることができます ただし 生産実績が少ない場合は 必要な試験を行い 品質及び性能を確認することとされています Q29 竣工後 サッシの表面に腐食が現われたときは その材料の性能をどのように証明しますか A29 改正 JISでは性能規格の運用で性能担保していますので出荷ロットの受渡検査表の確認を行ってください 15
Q30 製品検査時に皮膜厚さは測定できますか A30 製品検査時には 塗装をかけて複合皮膜となっているため 従来の製品検 査と同様 製品の皮膜厚さの測定はできません 4. 参考資料など Q31 改正 JISでは環境別の表面処理種類の選択肢が増えますが適切に選択できるガイドのようなものはありますか A31 軽金属製品協会発行の ビル用アルミニウム建材の環境別表面処理基準 のなかで 改正 JISの 種類 での推奨設定が説明されています Q32 アルミニウムサッシ表面処理の経年劣化の資料を求められた場合 提出できる資料はありますか A32 軽金属製品協会発行の ビル用アルミニウム建材の環境別表面処理基準 参考資料のなかに暴露試験データが記載されています 以上 16
編 集 一般社団法人 軽金属製品協会 建材表面処理規格委員会 社団法人 日本サッシ協会 ビルサッシ委員会 三協立山アルミ株式会社 不二サッシ株式会社 トステム株式会社 新日軽株式会社 YKK AP 株式会社 一般社団法人軽金属製品協会東京都港区赤坂 2-13-13 アープセンタービル (4 階 ) TEL 03(3583)7971 社団法人日本サッシ協会東京都港区西新橋 1-1-21 日本酒造会館 (2 階 ) TEL 03(3500)3446 17