第 2 学年 理科学習指導案 平成 29 年 1 月 1 7 日 ( 火 ) 場所理科室 1 単元名電流とその利用 イ電流と磁界 ( イ ) 磁界中の電流が受ける力 2 単元について ( 1 ) 生徒観略 ( 2 ) 単元観生徒は 小学校第 3 学年で 磁石の性質 第 4 学年で 電気の働き 第 5 学年で 鉄芯の磁化や極の変化 電磁石の強さ 第 6 学年で 発電 蓄電 電気による発熱 について学習している そこで 小学校での既習事項と関連させた授業展開をすることで 学習内容のつながりを図る 本単元の主なねらいは 磁界の概念を導入し 磁界と磁力線との関係 コイルによる磁界など電流の磁気作用の基本的な概念を観察 実験を通して理解させるとともに 電流が磁界との相互作用で受ける力や電磁誘導の現象など 電流の利用についての科学的な見方や考え方を養うことである また 本単元は 生活と科学が大きく関わっているととらえることができる単元である 日常生活や社会で利用されているものを取り上げ 実験を通して見いだしたことと関連付けて原理や仕組みを考察したり 理解を深めたりできるようにしていく ( 3 ) 指導観本単元は 生徒の身の回りにある科学を扱うことのできる単元であることから 身近な例を用いることによって 理科に関する興味関心を高めていきたい 本単元で学習する 電流が磁界との相互作用で受ける力 の身近な例としてモーターが挙げられる モーターは現代の生活を支える重要な働きをするものであると考える そこで本単元では 実験を通してその原理を考えられるよう指導していく さらに 目に見えない磁力や磁界を線で表すことによって 磁界にはたらく力が可視化されるため 磁力線を用いて磁力や磁界を表現することに重点を置いて指導し 科学的に考察する力を育んでいく その際 提示教材を工夫し 磁力を空間的にイメージさせていく - 1 -
また 班活動を取り入れ 自分の考えを自分のことばで話し合うことで 考察する力を育成し 自信をもって発表できるようにする その際 表現等が異なっていても認め合える雰囲気づくりをしていく 3 研究主題との関わり ( 1 ) 研究主題 確かな学力を育む授業の創造 (3 年次 ) ~ 言語活動の充実を通して ~ (2) 理科研究主題 生徒が主体的に調べる活動を通して 科学的な思考力や表現力の育成を図る 確かな学力を育む手だて 予想を立てる場面では 生活経験や既習事項を振り返る活動を重視する 自然の現象を調べるにあたって 予想し 検証し 考察する流れを繰り返して指導し 科学的な思考力 判断力を育成する 観察 実験時のレポート作成を通して 予想や結果 考察などを自分の知識と関連付けて自分の考えをまとめ 表現できる力を身に付けさせる 実験操作や実験器具の扱い方など 基本操作の習得に向け パフォーマンステストを行い 個別指導の時間を確保する 協働的な学び のスタイルを取り入れた学習 学習形態について男女混合の 4 人グループとする 予想や見通しを立てたり 考察をしたりする場面等で 各自の考えを広め 深める活動を行う 課題の精選について小学校や中学校での既習事項や生活経験をもとに予想を立てる活動を重視するため 個別実験をしてみたいものを持参させる - 2 -
4 指導と評価の計画 (1) 単元の目標 1 実験 観察に意欲的に取り組み 仮説を立てて追究し 規則性をみつけようとする 自然現象への興味 関心 態度 2 磁石とコイルを用いた実験を行い 磁界中のコイルに電流を流すと力がはたらくことを考察し その法則性を見いだす 科学的な思考 表現 3 磁石や電流による磁界の観察の結果を正確にまとめ 磁界のようすを磁力線で表すことができる 実験 観察の技能 4 磁石や電流による磁界の観察を行い 磁界を磁力線で表すことや 電流の回りに磁界ができることを理解する 自然現象についての知識 理解 ( 2 ) 評価規準観点自然現象への関心 意欲 態度科学的な思考 表現観察 実験の技能自然現象についての知識 理解 規準 電流がつくる磁界 磁界中の電流が受ける力 電磁誘導と発電に関する事物 事象に進んで関わり それらを科学的に探究しようとする 電流がつくる磁界 磁界中の電流が受ける力 電磁誘導と発電に関する観察 実験に目的意識をもって行い 自分の考えを導いたりまとめたりして 表現している 電流がつくる磁界 磁界中の電流が受ける力 電磁誘導と発電に関する観察 実験の基本操作を習得するとともに 観察 実験の計画的に実施し 結果の記録や整理などの仕方を身に付けている 電流がつくる磁界 磁界中の電流が受ける力 電磁誘導と発電に関する基本的な概念や原理 法則を理解し 知識を身に付けている - 3 -
( 3 ) 評価計画 (10 時間扱い ) 時間 ねらい 主な学習活動 第 1 時 磁力 磁界について理解する 方位磁石を用いて 磁界の向きを観察する 第 2 時 磁界は磁力線で表すことができることを理解する 鉄粉を用いて 磁界の様子 強さを観察する 導線 ( 1 本 ) に電流を流すとできる磁界について理解第 3 時する 方位磁石 鉄粉を用いて 電流を流した導線のまわりにできる磁界を観察する 導線 ( コイル ) に電流を流すとできる磁界について理解する 第 4 時 方位磁石 鉄粉を用いて 電流を流したコイルの周りにできる磁界を観察する 磁界の中で電流を流したときに生じる力の向きと磁第 5 時界の向き 電流の向きの関係性を見いだす ( 本時 ) 導線 磁石を用いて 電流が磁界から受ける力の向きについて検証する 磁界の中で電流を流すとどうなるかを理解する 第 6 時 コイル ( 導線 ) と磁石の間の磁力線を描き 生じる力について表現する コイルと磁石で電流を発生させることができること第 7 時を知る コイルと磁石を使って電流を流せるか観察する 電磁誘導によって発生した電流の大きさや向きについて理解する 第 8 時 コイルの巻き数や磁石の動きを変化させ 発生した電流の大きさや向きについて検証する 第 9 時 直流電流と交流電流の違いを知る 演示実験から 直流電流と交流電流の違いを見いだす第 10 時 学習のまとめ これまでのまとめと単元小テストを行う 関心 意欲 態度 自思然考現 象表へ現の 科学的な 観察 実験の技能 自の然知現識象 に理つ解いて - 4 -
5 本時の指導 (5/10 時 ) ( 1 ) ねらい電流が磁界から受ける力の向きは 磁界の向きと電流の向きによって決まることを実験結果から見いだす 科学的な思考 表現 過程 導入 5 分 展開 (2) 展開 留意点 評価 ( 観点 ) 方法 支援 ( つまずきが予想される生徒を B にするための手だて ) 研究の視点 言語活動の工夫 学習活動 生徒の活動 1 前時までの復習 電流が磁界から力を受けることを確認する 2 本時の課題の理解 指導上の留意点及び評価 クルックス管に見えた電子線が 磁石を近づけると 曲がったことにふれる 本時の課題 電流が磁界から受ける力の向きは何によって決まるのだろうか 3 予想をたてる 電流が磁界から受ける力の向きは何によって決まるのかを予想し 学習プリントに記入する 4 検証する条件を考える 磁界から受ける力の向きは何によってきまっているのかを検証するために必要な実験を考える 磁界の向きを変えること 電流の向きを変えること 本時のねらいを明確にするため 黒板に表示する 電子線は何から力を受けて曲がったのかを考えさせる 次の 2 点を机間指導で確認する 電子線に電圧をかけると + に引き付けられたことから 力がはたらくと電子線が曲がったこと 電子線が 曲がる ( 形が変わる )= 力がはたらいている ということ 自分の予想を図で表現したり こと ばで表現する なぜそう考えたのか の根拠をもとに 班で自分の考えを話し合う 機器資料等 学習プリント 課題掲示 学習プリント 条件を書いたカード - 5 -
5 実験装置を使い 検証する 実験プリントに検証手順を記入する 実験を行う条件 1 磁界の向きを変えること 2 電流の向きを変えること 実験プリントに手順を書き 結果をまとめるための時間をとる 生徒を前に集めて操作の説明を行う 操作する際のポイント 記録の仕方を明確にする 掲示用のキーワード 実験装置を準備する 実験装置の図 展開 25 分 実験を行い 矢印で結果を記録する 実験装置を片付ける 実験器具を用いて安全に正しく操作できているか 正確に記録できているかについて机間指導を行う 6 検証の結果を発表する 各班の結果を図で発表する 結果をことばで表現する 班の結果を班員全員で確認させて 発表させる 実験結果からコイルがどのように動いたか ことばで表現する 発表者が結果をことばで表現する 結果を書くためのホワイトボード - 6 -
終末 20 分 7 検証の結果から考察する 個人で 学習プリントに記入する 班で教え合い 発表するための準備を行う 磁界や電流の 向き に注目できるよう 黒板に掲示したキーワードに注目させる U 字磁石の向きを逆にすると コイルが動く向きが逆になった 電流の向きを逆にすると コイルの動く向きが逆になった グループ内で話合いを行い 力の向きが何によって決まるのかについて教え合う 電流が磁界から受ける力の向きは 磁界の向きと電流の向きによって決まることを実験結果から見いだすことができる 科学的な思考 表現 学習プリント 電流が磁界から受ける力の向きは 磁石の磁界の向き と 電流の向き によって決まる 8 次時へ 磁界の向きと磁力を表す磁力線を描くとイメージしやすいため 次回は磁力線を 書いて考える - 7 -