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を行った 2.iPS 細胞の由来の探索 3.MEF および TTF 以外の細胞からの ips 細胞誘導 4.Fbx15 以外の遺伝子発現を指標とした ips 細胞の樹立 ips 細胞はこれまでのところレトロウイルスを用いた場合しか樹立できていない また 4 因子を導入した線維芽細胞の中で ips 細

がん免疫療法モデルの概要 1. TGN1412 第 Ⅰ 相試験事件 2. がん免疫療法での動物モデルの有用性がんワクチン抗 CTLA-4 抗体抗 PD-1 抗体 2

報道発表資料 2006 年 4 月 13 日 独立行政法人理化学研究所 抗ウイルス免疫発動機構の解明 - 免疫 アレルギー制御のための新たな標的分子を発見 - ポイント 異物センサー TLR のシグナル伝達機構を解析 インターフェロン産生に必須な分子 IKK アルファ を発見 免疫 アレルギーの有効

RNA Poly IC D-IPS-1 概要 自然免疫による病原体成分の認識は炎症反応の誘導や 獲得免疫の成立に重要な役割を果たす生体防御機構です 今回 私達はウイルス RNA を模倣する合成二本鎖 RNA アナログの Poly I:C を用いて 自然免疫応答メカニズムの解析を行いました その結果

解禁日時 :2019 年 2 月 4 日 ( 月 ) 午後 7 時 ( 日本時間 ) プレス通知資料 ( 研究成果 ) 報道関係各位 2019 年 2 月 1 日 国立大学法人東京医科歯科大学 国立研究開発法人日本医療研究開発機構 IL13Rα2 が血管新生を介して悪性黒色腫 ( メラノーマ ) を

スライド 1

PowerPoint プレゼンテーション

平成 28 年 2 月 1 日 膠芽腫に対する新たな治療法の開発 ポドプラニンに対するキメラ遺伝子改変 T 細胞受容体 T 細胞療法 名古屋大学大学院医学系研究科 ( 研究科長 髙橋雅英 ) 脳神経外科学の夏目敦至 ( なつめあつし ) 准教授 及び東北大学大学院医学系研究科 ( 研究科長 下瀬川徹

サイトカイン依存性に増殖するミエロイド細胞の構築 人工多能性幹細胞から分化誘導 人工多能性幹細胞からミエロイド系細胞への分化誘導法 A ESC or ipsc Myeloid cell (MC) Proliferating Myeloid cell () -DC B Day Day 6-7 Day1

の感染が阻止されるという いわゆる 二度なし現象 の原理であり 予防接種 ( ワクチン ) を行う根拠でもあります 特定の抗原を認識する記憶 B 細胞は体内を循環していますがその数は非常に少なく その中で抗原に遭遇した僅かな記憶 B 細胞が著しく増殖し 効率良く形質細胞に分化することが 大量の抗体産

141225がん新薬開発HP公開用ファイル.pptx

のと期待されます 本研究成果は 2011 年 4 月 5 日 ( 英国時間 ) に英国オンライン科学雑誌 Nature Communications で公開されます また 本研究成果は JST 戦略的創造研究推進事業チーム型研究 (CREST) の研究領域 アレルギー疾患 自己免疫疾患などの発症機構

一次サンプル採取マニュアル PM 共通 0001 Department of Clinical Laboratory, Kyoto University Hospital その他の検体検査 >> 8C. 遺伝子関連検査受託終了項目 23th May EGFR 遺伝子変異検

研究目的 1. 電波ばく露による免疫細胞への影響に関する研究 我々の体には 恒常性を保つために 生体内に侵入した異物を生体外に排除する 免疫と呼ばれる防御システムが存在する 免疫力の低下は感染を引き起こしやすくなり 健康を損ないやすくなる そこで 2 10W/kgのSARで電波ばく露を行い 免疫細胞

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関係があると報告もされており 卵巣明細胞腺癌において PI3K 経路は非常に重要であると考えられる PI3K 経路が活性化すると mtor ならびに HIF-1αが活性化することが知られている HIF-1αは様々な癌種における薬理学的な標的の一つであるが 卵巣癌においても同様である そこで 本研究で

60 秒でわかるプレスリリース 2006 年 4 月 21 日 独立行政法人理化学研究所 敗血症の本質にせまる 新規治療法開発 大きく前進 - 制御性樹状細胞を用い 敗血症の治療に世界で初めて成功 - 敗血症 は 細菌などの微生物による感染が全身に広がって 発熱や機能障害などの急激な炎症反応が引き起

2. ポイント EGFR 陽性肺腺癌の患者さんにおいて EGFR 阻害剤治療中に T790M 耐性変異による増悪がみられた際にはオシメルチニブ ( タグリッソ ) を使用することが推奨されており 今後も多くの患者さんがオシメルチニブによる治療を受けることが想定されます オシメルチニブによる治療中に約

法医学問題「想定問答」(記者会見後:平成15年  月  日)

学位論文の内容の要旨 論文提出者氏名 松尾祐介 論文審査担当者 主査淺原弘嗣 副査関矢一郎 金井正美 論文題目 Local fibroblast proliferation but not influx is responsible for synovial hyperplasia in a mur

STAP現象の検証の実施について

Powered by TCPDF ( Title 造血器腫瘍のリプログラミング治療 Sub Title Reprogramming of hematological malignancies Author 松木, 絵里 (Matsuki, Eri) Publisher P

NIHS Since 1874 平成 26 年 3 月 5 日 ヒト多能性幹細胞加工製品に残存する未分化多能性幹細胞の高感度検出法の開発 国立医薬品食品衛生研究所遺伝子細胞医薬部佐藤陽治 本発表で述べられている見解は発表者の私見であって 国立医薬品食品衛生研究所および厚生労働省の現在の公式な見解では

長期/島本1

1. Caov-3 細胞株 A2780 細胞株においてシスプラチン単剤 シスプラチンとトポテカン併用添加での殺細胞効果を MTS assay を用い検討した 2. Caov-3 細胞株においてシスプラチンによって誘導される Akt の活性化に対し トポテカンが影響するか否かを調べるために シスプラチ

かし この技術に必要となる遺伝子改変技術は ヒトの組織細胞ではこれまで実現できず ヒトがん組織の細胞系譜解析は困難でした 正常の大腸上皮の組織には幹細胞が存在し 自分自身と同じ幹細胞を永続的に産み出す ( 自己複製 ) とともに 寿命が短く自己複製できない分化した細胞を次々と産み出すことで組織構造を

八村敏志 TCR が発現しない. 抗原の経口投与 DO11.1 TCR トランスジェニックマウスに経口免疫寛容を誘導するために 粗精製 OVA を mg/ml の濃度で溶解した水溶液を作製し 7 日間自由摂取させた また Foxp3 の発現を検討する実験では RAG / OVA3 3 マウスおよび

2017 年 12 月 15 日 報道機関各位 国立大学法人東北大学大学院医学系研究科国立大学法人九州大学生体防御医学研究所国立研究開発法人日本医療研究開発機構 ヒト胎盤幹細胞の樹立に世界で初めて成功 - 生殖医療 再生医療への貢献が期待 - 研究のポイント 注 胎盤幹細胞 (TS 細胞 ) 1 は

研究成果報告書

資料 3-1 CREST 人工多能性幹細胞 (ips 細胞 ) 作製 制御等の医療基盤技術 平成 20 年度平成 21 年度平成 22 年度 10 件 7 件 6 件 進捗状況報告 9.28,2010 総括須田年生

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日本内科学会雑誌第96巻第4号

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株式会社 デンドリックス

2017 年 8 月 9 日放送 結核診療における QFT-3G と T-SPOT 日本赤十字社長崎原爆諫早病院副院長福島喜代康はじめに 2015 年の本邦の新登録結核患者は 18,820 人で 前年より 1,335 人減少しました 新登録結核患者数も人口 10 万対 14.4 と減少傾向にあります

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九州大学病院の遺伝子治療臨床研究実施計画(慢性重症虚血肢(閉塞

学位論文の内容の要旨 論文提出者氏名 小川憲人 論文審査担当者 主査田中真二 副査北川昌伸 渡邉守 論文題目 Clinical significance of platelet derived growth factor -C and -D in gastric cancer ( 論文内容の要旨 )

佐賀県肺がん地域連携パス様式 1 ( 臨床情報台帳 1) 患者様情報 氏名 性別 男性 女性 生年月日 住所 M T S H 西暦 電話番号 年月日 ( ) - 氏名 ( キーパーソンに ) 続柄居住地電話番号備考 ( ) - 家族構成 ( ) - ( ) - ( ) - ( ) - 担当医情報 医

ASC は 8 週齢 ICR メスマウスの皮下脂肪組織をコラゲナーゼ処理後 遠心分離で得たペレットとして単離し BMSC は同じマウスの大腿骨からフラッシュアウトにより獲得した 10%FBS 1% 抗生剤を含む DMEM にて それぞれ培養を行った FACS Passage 2 (P2) の ASC

1. ストーマ外来 の問い合わせ窓口 1 ストーマ外来が設定されている ( はい / ) 上記外来の名称 対象となるストーマの種類 7 ストーマ外来の説明が掲載されているページのと は 手入力せずにホームページからコピーしてください 他施設でがんの診療を受けている または 診療を受けていた患者さんを

ごあいさつ バイオシミラーの課題 バイオ医薬品は 20 世紀後半に開発されて以来 癌や血液疾患 自己免疫疾患等多くの難治性疾患に卓抜した治療効果を示し また一般にベネフィット リスク評価が高いと言われています しかしその一方で しばしば高額となる薬剤費用が 患者の経済的負担や社会保障費の増大に繋がる

医科_第20次(追加)審査情報提供(広報用)

学位論文の内容の要旨 論文提出者氏名 佐藤雄哉 論文審査担当者 主査田中真二 副査三宅智 明石巧 論文題目 Relationship between expression of IGFBP7 and clinicopathological variables in gastric cancer (

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1. ストーマ外来 の問い合わせ窓口 1 ストーマ外来が設定されている ( / ) 上記外来の名称 ストマ外来 対象となるストーマの種類 コロストーマとウロストーマ 4 大腸がん 腎がん 膀胱がん ストーマ管理 ( 腎ろう, 膀胱ろう含む ) ろう孔管理 (PEG 含む ) 尿失禁の管理 ストーマ外

( 平成 22 年 12 月 17 日ヒト ES 委員会説明資料 ) 幹細胞から臓器を作成する 動物性集合胚作成の必要性について 中内啓光 東京大学医科学研究所幹細胞治療研究センター JST 戦略的創造研究推進事業 ERATO 型研究研究プロジェクト名 : 中内幹細胞制御プロジェクト 1

平成 27 年度再生医療の産業化に向けた評価基盤技術開発事業 ( 再生医療等の産業化に向けた評価手法等の開発 ) 事業報告書 事業名研究開発課題名研究開発担当者所属役職氏名 再生医療の産業化に向けた評価基盤技術開発事業 ( 再生医療等の産業化に向けた評価手法等の開発 ) B 細胞性急性リンパ性白血病

報道発表資料 2006 年 6 月 21 日 独立行政法人理化学研究所 アレルギー反応を制御する新たなメカニズムを発見 - 謎の免疫細胞 記憶型 T 細胞 がアレルギー反応に必須 - ポイント アレルギー発症の細胞を可視化する緑色蛍光マウスの開発により解明 分化 発生等で重要なノッチ分子への情報伝達

学位論文要旨 牛白血病ウイルス感染牛における臨床免疫学的研究 - 細胞性免疫低下が及ぼす他の疾病発生について - C linical immunological studies on cows infected with bovine leukemia virus: Occurrence of ot

広報あぐい 2014年1月15日号

るが AML 細胞における Notch シグナルの正確な役割はまだわかっていない mtor シグナル伝達系も白血病細胞の増殖に関与しており Palomero らのグループが Notch と mtor のクロストークについて報告している その報告によると 活性型 Notch が HES1 の発現を誘導

するものであり 分子標的治療薬の 標的 とする分子です 表 : 日本で承認されている分子標的治療薬 薬剤名 ( 商品の名称 ) 一般名 ( 国際的に用いられる名称 ) 分類 主な標的分子 対象となるがん イレッサ ゲフィニチブ 低分子 EGFR 非小細胞肺がん タルセバ エルロチニブ 低分子 EGF

るマウスを解析したところ XCR1 陽性樹状細胞欠失マウスと同様に 腸管 T 細胞の減少が認められました さらに XCL1 の発現が 脾臓やリンパ節の T 細胞に比較して 腸管組織の T 細胞において高いこと そして 腸管内で T 細胞と XCR1 陽性樹状細胞が密に相互作用していることも明らかにな

1. 来院経路別件数 非紹介 30 他疾患経過 10 自主受診観察 紹介 20 他施設紹介 合計 患者数 割合 12.1% 15.7% 72.2% 100.0% 27.8% 72.2% 100.0% 来院経路別がん登録患者数 がん患者がどのような経路によって自施設を受診し

外来在宅化学療法の実際

大腸癌術前化学療法後切除標本を用いた免疫チェックポイント分子及び癌関連遺伝子異常のプロファイリングの研究 

再生医療の制度的な対応の検討について 薬事法等制度改正についてのとりまとめ平成 24 年 1 月 24 日厚生科学審議会医薬品制度改正部会 1 再生医療製品については 今後も 臓器機能の再生等を通じて 重篤で生命を脅かす疾患等の治療等に ますます重要な役割を果たすことが期待される 特に ips 細胞

研究成果報告書

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ヒト胎盤における

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学位論文の内容の要旨 論文提出者氏名 中谷夏織 論文審査担当者 主査神奈木真理副査鍔田武志 東田修二 論文題目 Cord blood transplantation is associated with rapid B-cell neogenesis compared with BM transpl

大学院博士課程共通科目ベーシックプログラム

01事務局頭紙(千葉大) 千葉大確認後 修正

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5. 乳がん 当該疾患の診療を担当している診療科名と 専門 乳房切除 乳房温存 乳房再建 冷凍凝固摘出術 1 乳腺 内分泌外科 ( 外科 ) 形成外科 2 2 あり あり なし あり なし なし あり なし なし あり なし なし 6. 脳腫瘍 当該疾患の診療を担当している診療科名と 専

プログラム

放射線専門医認定試験(2009・20回)/HOHS‐05(基礎二次)

ランゲルハンス細胞の過去まず LC の過去についてお話しします LC は 1868 年に 当時ドイツのベルリン大学の医学生であった Paul Langerhans により発見されました しかしながら 当初は 細胞の形状から神経のように見えたため 神経細胞と勘違いされていました その後 約 100 年

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前立腺癌は男性特有の癌で 米国においては癌死亡者数の第 2 位 ( 約 20%) を占めてい ます 日本でも前立腺癌の罹患率 死亡者数は急激に上昇しており 現在は重篤な男性悪性腫瘍疾患の1つとなって図 1 います 図 1 初期段階の前立腺癌は男性ホルモン ( アンドロゲン ) に反応し増殖します そ

名古屋教育記者会各社御中本リリースは文部科学記者会 科学記者会 宮城県政記者会 名古屋教育記者会各社に配布しております 膠芽腫に対する新たな治療法の開発 ポドプラニンに対するキメラ遺伝子改変 T 細胞受容体 T 細胞療法 名古屋大学大学院医学系研究科 ( 研究科長 髙橋雅英 ) 脳神経外科学の夏目敦

33 NCCN Guidelines Version NCCN Clinical Practice Guidelines in Oncology (NCCN Guidelines ) (NCCN 腫瘍学臨床診療ガイドライン ) 非ホジキンリンパ腫 2015 年第 2 版 NCCN.or

がん登録実務について

本成果は 主に以下の事業 研究領域 研究課題によって得られました 日本医療研究開発機構 (AMED) 脳科学研究戦略推進プログラム ( 平成 27 年度より文部科学省より移管 ) 研究課題名 : 遺伝子改変マーモセットの汎用性拡大および作出技術の高度化とその脳科学への応用 研究代表者 : 佐々木えり

研究成果報告書

研究の詳細な説明 1. 背景細菌 ウイルス ワクチンなどの抗原が人の体内に入るとリンパ組織の中で胚中心が形成されます メモリー B 細胞は胚中心に存在する胚中心 B 細胞から誘導されてくること知られています しかし その誘導の仕組みについてはよくわかっておらず その仕組みの解明は重要な課題として残っ

査を実施し 必要に応じ適切な措置を講ずること (2) 本品の警告 効能 効果 性能 用法 用量及び使用方法は以下のとお りであるので 特段の留意をお願いすること なお その他の使用上の注意については 添付文書を参照されたいこと 警告 1 本品投与後に重篤な有害事象の発現が認められていること 及び本品

難病 です これまでの研究により この病気の原因には免疫を担当する細胞 腸内細菌などに加えて 腸上皮 が密接に関わり 腸上皮 が本来持つ機能や炎症への応答が大事な役割を担っていることが分かっています また 腸上皮 が適切な再生を全うすることが治療を行う上で極めて重要であることも分かっています しかし

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動物用医薬品(医薬部外品)製造販売承認事項変更承認申請書

がんの治療

( 様式甲 5) 学位論文内容の要旨 論文提出者氏名 論文審査担当者 主査 教授 森脇真一 井上善博 副査副査 教授教授 東 治 人 上 田 晃 一 副査 教授 朝日通雄 主論文題名 Transgene number-dependent, gene expression rate-independe

平成 2 3 年 2 月 9 日 科学技術振興機構 (JST) Tel: ( 広報ポータル部 ) 慶應義塾大学 Tel: ( 医学部庶務課 ) 腸における炎症を抑える新しいメカニズムを発見 - 炎症性腸疾患の新たな治療法開発に期待 - JST 課題解決型基

能性を示した < 方法 > M-CSF RANKL VEGF-C Ds-Red それぞれの全長 cdnaを レトロウイルスを用いてHeLa 細胞に遺伝子導入した これによりM-CSFとDs-Redを発現するHeLa 細胞 (HeLa-M) RANKLと Ds-Redを発現するHeLa 細胞 (HeL

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ゲノム編集技術を用いて 拒絶反応のリスクが少ない ips 細胞を作製 ポイント 細胞移植の際 レシピエントとドナー注 1) 注 2) の HLA 型が一致しないと 移植したドナー細胞はレシピエントのキラー T 細胞注 3) からの攻撃を受ける また ドナー細胞の HLA が消失していると ドナー細胞

図 B 細胞受容体を介した NF-κB 活性化モデル

小児の難治性白血病を引き起こす MEF2D-BCL9 融合遺伝子を発見 ポイント 小児がんのなかでも 最も頻度が高い急性リンパ性白血病を起こす新たな原因として MEF2D-BCL9 融合遺伝子を発見しました MEF2D-BCL9 融合遺伝子は 治療中に再発する難治性の白血病を引き起こしますが 新しい

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再生医療実現拠点ネットワークプログラム 疾患 組織別実用化研究拠点 ( 拠点 B) 資料 3-8 課題名 : NKT 細胞再生によるがん免疫治療技術開発拠点 研究代表者 : 理化学研究所古関明彦分担研究機関 : 千葉大学慶應義塾大学国立病院機構 1 NKT 細胞標的治療の抗腫瘍効果 B16 マウスメラノーマ細胞 agalcer/dcs (3 x 10 6 ) 7d 14d NKT 細胞標的治療 agalcer/dcs Vehicle/DCs 対象疾患 進行肺がん頭頸部粘膜黒色腫咽頭がん上顎癌口腔がん喉頭がん食道がん術後肺がん NKT/ NK/CD8T 共同研究千葉大学医学部中山俊憲本橋新一郎 ( 進行肺がん ) 岡本美孝 ( 上顎がん ) 先進医療 Bに承認アフェレーシス がん 国立病院機構 ( 術後肺がん ) 名古屋医療センター九州がんセンター代表伊藤澄信 末梢血 GM-CSF + IL-2 1 週間培養 樹状細胞 (DCs) a-galcer 2

進行肺がん患者 (IIIB IV 期 再発 ) に対する第 II 相臨床試験 進行性肺がん患者 17 人 (>10 個 NKT/ml) に対して外来で実施初回治療のみで その後無治療でも 腫瘤増大 転移 再発なし IFN-g 産生細胞が多い 10 人 (60%) の患者 : 生存期間中央値 29.6 カ月 (7) NKT 細胞標的治療 *NKT Therapy 全症例 (23(17 ) 例 ) NKT 細胞標的治療 *NKT Therapy 低 IFNg IFNg 群 (7 例 ) NKT 細胞標的治療高 IFNg 群 (10 例 ) Antifolate 葉酸拮抗剤トポイソメラーゼ阻害剤 VGEF antibody VGEF 抗体 EGFR antibody EGFR 抗体 EGFR inhibitor EGFR 阻害剤ベストサポーティブケア BSC 0 5 10 15 20 25 30 35 平均生存期間 ( 月 ) 2010 年改訂のステージ IV 非小細胞肺がんの 2 次治療以降の診療ガイドラインにおいて推奨される化学療法剤の平均生存期間 : ドセタキセル (7.8 ヶ月 ) ペメトレキセド (8.3 ヶ月 ), エルロチニブ (6.7 ヶ月 ) NKT 細胞標的療法はがん患者延命に効果的 3 開発プロセスの概要 技術開発 リプログラミング NKT 細胞由来 ips 細胞 インビトロでの分化誘導 機能成熟 ヒト NKT 細胞 Oct3/4, Sox2, c- Myc, Klf4 ips 細胞由来 NKT 細胞 臨床試験 非臨床試験 頭頸部腫瘍 進行肺がんなどを対象とした臨床試験 再生医療用 ips 細胞由来 NKT 細胞ストック製造モデル動物による有効性と安全性評価の非臨床試験 ips 細胞由来 NKT 細胞の細胞品質管理基の設定 4

(H25 27 年度 ) 1 ヒト NKT 細胞からの生物由来原料基準と所定の細胞品質管理基準を満たした ips 細胞誘導 2 ヒト NKT 由来 ips 細胞からの生物由来原料基準と所定の細胞品質管理基準を満たした NKT 細胞誘導 3 ヒト ips 由来 NKT 細胞の有効性と安全性を検証する非臨床試験の基盤となる技術と基準の確立 5 1 ヒト NKT 細胞の ips 細胞誘導技術の樹立 Step-1: 活性化 NKT 細胞誘導培養 PBMCs Step-2: NKT-iPSC 誘導培養 Activated NKT cells 10 ~ 14 days 2 ~ 3 days agalcer, IL-2 Purified NKT cells agalcer+il-2+il-7+il-15 Vα24Jα18 TCR α (6B11) FL2-H: 6B11 10 4 10 3 10 2 10 1 10 0 8.01e-3 99.7 0.042 0.24 10 0 10 1 10 2 10 3 10 4 FL4-H: CD3 CD3 99.7 NKT-iPSCs Va24-Ja18 rearrangement detection PCR 検討項目 NKT 細胞活性化を至適化し 生物由来原料基準を満たした ips 細胞誘導条件の最適化 6

2 ヒト NKT ips 細胞からの NKT 細胞誘導技術の樹立 Step-3: ヒト NKT ips からの NKT 細胞誘導 :( 例 ) ヒト T-iPS 細胞からの T 細胞誘導 Day 0 Day 13 Day 40-41 ( ビスカルドら Cell stem cell 2013) Day 40 CD4 CD3 OP9 OP9 OP9/DL OP9/DL L1 L1 CD8 Mart1 検討項目 既に確立した誘導方法を基盤に生物由来原料基準を満たした誘導技術の確立 胚様体形成からのリンパ球系譜への無血清誘導培養の至適化 Day 9 7 Cell Reports 2, 1722 1735, December 27, 2012 3 ips 由来 NKT 細胞の有効性 安全性解析技術の確立 造血 免疫系ヒト化マウス技術を用いた有効性検証 ヒト造血幹細胞 マウス CD45 ヒト CD56 新生仔 NSG マウス ヒト CD45 ヒト CD3 検討項目 ips 由来 NKT 細胞の機能解析技術の開発 試験管内での抗原刺激によるサイトカイン産生能 免疫系ヒト化マウスモデルを用いたアジュバント活性 (NKT 細胞活性化後のNK/CD8TのIFNg 産生 ) 測定 ips-nkt (4x10 6 ) i.v. NKT-KO マウスヒト化マウス 2 wk モデル抗原 +GalCeri.v. 1 wk モデル抗原再チャレンジ CD8T 細胞 NKT 細胞によるインターフェロン産生 モデル腫瘍の拒絶 %CD8 + IFN-γ + 1.8 1.6 1.4 1.2 1.0 0.8 0.6 0.4 0.2 0 ips-nkt 抗原 +GalCer ーー WT p=0.0056 p=0.034 p=0.00074 p=0.0032 ー + + ー + + + + NKT-KO 8

3 ヒト ips 由来 NKT 細胞の機能 安全性解析技術の確立 非臨床試験に用いる NKT 細胞ストック検定のための細胞品質管理方法を開発し 下記の 5 項目それぞれについての基準値設定を行う 一般特性マーカー発現ゲノム遺伝子解析細胞機能安全性評価 細胞形態細胞数生存率細胞倍加速度細胞周期 マーカー遺伝子発現網羅的遺伝子発現マーカーたんぱく質発現細胞表面マーカー発現 染色体核型 HLA 型解析全エクソーム CGH 解析ゲノムメチル化解析 分化能分化後の細胞機能 無菌試験マイコプラズマ試験エンドトキシン試験ウイルス試験造腫瘍能評価 ips-nkt 細胞ストックの安全性と有効性を検証する非臨床試験の基盤となる技術と基準の確立 ( 薬効薬理試験 ステージゲートにおける達成レベル ( 平成 27 年度末 ) 生物由来原料基準と所定の細胞品質管理基準を満たしたヒト ips-nkt 細胞を 10 7 個以上取得する技術を確立 ヒト ips-nkt 細胞の有効性と安全性を検証する非臨床試験の基準設定 9 本格実施期間 Ⅰ(H28 31 年度 ) 1 再生医療用ヒト NKT 由来 ips 細胞とヒト ips 由来 NKT 細胞ストックの構築 品質管理の方法 ストックの作成 管理と取り扱い方法のプロトコール作成 2 非臨床試験 3 上顎がんを対象とした臨床試験開始に向けた体制の構築と運用 10