再生医療実現拠点ネットワークプログラム 疾患 組織別実用化研究拠点 ( 拠点 B) 資料 3-8 課題名 : NKT 細胞再生によるがん免疫治療技術開発拠点 研究代表者 : 理化学研究所古関明彦分担研究機関 : 千葉大学慶應義塾大学国立病院機構 1 NKT 細胞標的治療の抗腫瘍効果 B16 マウスメラノーマ細胞 agalcer/dcs (3 x 10 6 ) 7d 14d NKT 細胞標的治療 agalcer/dcs Vehicle/DCs 対象疾患 進行肺がん頭頸部粘膜黒色腫咽頭がん上顎癌口腔がん喉頭がん食道がん術後肺がん NKT/ NK/CD8T 共同研究千葉大学医学部中山俊憲本橋新一郎 ( 進行肺がん ) 岡本美孝 ( 上顎がん ) 先進医療 Bに承認アフェレーシス がん 国立病院機構 ( 術後肺がん ) 名古屋医療センター九州がんセンター代表伊藤澄信 末梢血 GM-CSF + IL-2 1 週間培養 樹状細胞 (DCs) a-galcer 2
進行肺がん患者 (IIIB IV 期 再発 ) に対する第 II 相臨床試験 進行性肺がん患者 17 人 (>10 個 NKT/ml) に対して外来で実施初回治療のみで その後無治療でも 腫瘤増大 転移 再発なし IFN-g 産生細胞が多い 10 人 (60%) の患者 : 生存期間中央値 29.6 カ月 (7) NKT 細胞標的治療 *NKT Therapy 全症例 (23(17 ) 例 ) NKT 細胞標的治療 *NKT Therapy 低 IFNg IFNg 群 (7 例 ) NKT 細胞標的治療高 IFNg 群 (10 例 ) Antifolate 葉酸拮抗剤トポイソメラーゼ阻害剤 VGEF antibody VGEF 抗体 EGFR antibody EGFR 抗体 EGFR inhibitor EGFR 阻害剤ベストサポーティブケア BSC 0 5 10 15 20 25 30 35 平均生存期間 ( 月 ) 2010 年改訂のステージ IV 非小細胞肺がんの 2 次治療以降の診療ガイドラインにおいて推奨される化学療法剤の平均生存期間 : ドセタキセル (7.8 ヶ月 ) ペメトレキセド (8.3 ヶ月 ), エルロチニブ (6.7 ヶ月 ) NKT 細胞標的療法はがん患者延命に効果的 3 開発プロセスの概要 技術開発 リプログラミング NKT 細胞由来 ips 細胞 インビトロでの分化誘導 機能成熟 ヒト NKT 細胞 Oct3/4, Sox2, c- Myc, Klf4 ips 細胞由来 NKT 細胞 臨床試験 非臨床試験 頭頸部腫瘍 進行肺がんなどを対象とした臨床試験 再生医療用 ips 細胞由来 NKT 細胞ストック製造モデル動物による有効性と安全性評価の非臨床試験 ips 細胞由来 NKT 細胞の細胞品質管理基の設定 4
(H25 27 年度 ) 1 ヒト NKT 細胞からの生物由来原料基準と所定の細胞品質管理基準を満たした ips 細胞誘導 2 ヒト NKT 由来 ips 細胞からの生物由来原料基準と所定の細胞品質管理基準を満たした NKT 細胞誘導 3 ヒト ips 由来 NKT 細胞の有効性と安全性を検証する非臨床試験の基盤となる技術と基準の確立 5 1 ヒト NKT 細胞の ips 細胞誘導技術の樹立 Step-1: 活性化 NKT 細胞誘導培養 PBMCs Step-2: NKT-iPSC 誘導培養 Activated NKT cells 10 ~ 14 days 2 ~ 3 days agalcer, IL-2 Purified NKT cells agalcer+il-2+il-7+il-15 Vα24Jα18 TCR α (6B11) FL2-H: 6B11 10 4 10 3 10 2 10 1 10 0 8.01e-3 99.7 0.042 0.24 10 0 10 1 10 2 10 3 10 4 FL4-H: CD3 CD3 99.7 NKT-iPSCs Va24-Ja18 rearrangement detection PCR 検討項目 NKT 細胞活性化を至適化し 生物由来原料基準を満たした ips 細胞誘導条件の最適化 6
2 ヒト NKT ips 細胞からの NKT 細胞誘導技術の樹立 Step-3: ヒト NKT ips からの NKT 細胞誘導 :( 例 ) ヒト T-iPS 細胞からの T 細胞誘導 Day 0 Day 13 Day 40-41 ( ビスカルドら Cell stem cell 2013) Day 40 CD4 CD3 OP9 OP9 OP9/DL OP9/DL L1 L1 CD8 Mart1 検討項目 既に確立した誘導方法を基盤に生物由来原料基準を満たした誘導技術の確立 胚様体形成からのリンパ球系譜への無血清誘導培養の至適化 Day 9 7 Cell Reports 2, 1722 1735, December 27, 2012 3 ips 由来 NKT 細胞の有効性 安全性解析技術の確立 造血 免疫系ヒト化マウス技術を用いた有効性検証 ヒト造血幹細胞 マウス CD45 ヒト CD56 新生仔 NSG マウス ヒト CD45 ヒト CD3 検討項目 ips 由来 NKT 細胞の機能解析技術の開発 試験管内での抗原刺激によるサイトカイン産生能 免疫系ヒト化マウスモデルを用いたアジュバント活性 (NKT 細胞活性化後のNK/CD8TのIFNg 産生 ) 測定 ips-nkt (4x10 6 ) i.v. NKT-KO マウスヒト化マウス 2 wk モデル抗原 +GalCeri.v. 1 wk モデル抗原再チャレンジ CD8T 細胞 NKT 細胞によるインターフェロン産生 モデル腫瘍の拒絶 %CD8 + IFN-γ + 1.8 1.6 1.4 1.2 1.0 0.8 0.6 0.4 0.2 0 ips-nkt 抗原 +GalCer ーー WT p=0.0056 p=0.034 p=0.00074 p=0.0032 ー + + ー + + + + NKT-KO 8
3 ヒト ips 由来 NKT 細胞の機能 安全性解析技術の確立 非臨床試験に用いる NKT 細胞ストック検定のための細胞品質管理方法を開発し 下記の 5 項目それぞれについての基準値設定を行う 一般特性マーカー発現ゲノム遺伝子解析細胞機能安全性評価 細胞形態細胞数生存率細胞倍加速度細胞周期 マーカー遺伝子発現網羅的遺伝子発現マーカーたんぱく質発現細胞表面マーカー発現 染色体核型 HLA 型解析全エクソーム CGH 解析ゲノムメチル化解析 分化能分化後の細胞機能 無菌試験マイコプラズマ試験エンドトキシン試験ウイルス試験造腫瘍能評価 ips-nkt 細胞ストックの安全性と有効性を検証する非臨床試験の基盤となる技術と基準の確立 ( 薬効薬理試験 ステージゲートにおける達成レベル ( 平成 27 年度末 ) 生物由来原料基準と所定の細胞品質管理基準を満たしたヒト ips-nkt 細胞を 10 7 個以上取得する技術を確立 ヒト ips-nkt 細胞の有効性と安全性を検証する非臨床試験の基準設定 9 本格実施期間 Ⅰ(H28 31 年度 ) 1 再生医療用ヒト NKT 由来 ips 細胞とヒト ips 由来 NKT 細胞ストックの構築 品質管理の方法 ストックの作成 管理と取り扱い方法のプロトコール作成 2 非臨床試験 3 上顎がんを対象とした臨床試験開始に向けた体制の構築と運用 10