古河地区ケアマネだより 第 59 号 茨城県ケアマネジャー協会古河地区会 事務局 : 古河市社会福祉協議会 平成 28 年 4 月発行 TEL:0280-47-0150 FAX:0280-48-0265 HP URL:http://www.koganet.ne.jp/~care/ 平成 27 年度茨城県ケアマネジャー協会地域実践研修 平成 28 年 2 月 27 日 ( 土 ) 古河福祉の森会館大ホールにて 茨城県ケアマネジャー協会主催による平成 27 年度地域実践研修が行われました 赤荻栄一会長の挨拶のあと 茨城県ケアマネジャー協会の浅野有子 佐藤二郎 若松幸子各副会長 井上貴詞理事を講師に平成 28 年度から変わる研修体系について また介護支援専門員の課題についてお話しいただきました 総会及び次回研修会のご案内 会場にご注意ください 平成 28 年 5 月 14 日 ( 土 )13:30 ~16:00 健康の駅視聴覚室 平成 28 年度 茨城県ケアマネジャー協会 古河地区会総会 / 第 1 回研修会 特別講演 : 日本介護支援専門員協会鷲見よしみ会長 介護支援専門員を取り巻く現状とこれからの介護支援専門員
NPO 法人茨城県ケアマネジャー協会 平成 27 年度地域実践研修 赤荻会長の挨拶 現在 国はケアマネジャーに対し 質の向上が第一の課題 を挙げており 平成 28 年度から研修制度も変わってきます 日本介護支援専門員協会の支部として 茨城県ケアマネジャー協会は県内各地域で研修活動を積極的に行っていますが まだ協会の会員数が少ないのが現状です 会員になる ということは ケアマネジャーである こととイコールだと思います 茨城県ケアマネジャー協会が力を入れてこうして地域で行う研修が 県に認められて主任ケアマネ更新研修のための要件を満たす研修となっているのも 協会の力があるからだと思います これから国は不必要なケアマネジャーを切り崩していこうと考えていると私は思います 協会の会員が少ないままでは 国の思惑通りになってしまう危険性が高いと思います それを跳ね返すには ケアマネジャーの力を結集する必要があります 現在会員でない方も 是非今日をきっかけに会員になっていただきたいと思います 会員の方は周囲の会員でない方にひとりでも多く働きかけをしていただきたいと思います そうして会員を増やし 全国のケアマネジャーが力を合わせて ケアマネジャーの資格と権利を守るために頑張って行きましょう 介護支援専門員研修の課題 ~ 専門職種としての知識 技能向上のために ~ 講師浅野有子県協会副会長 1 研修の体系化 ポートフォリオの強化 主体的な学び 2 専門職能団体の強化 組織化 ケアマネジャー同士の連携 3 主体的な学び 専門職としての資格更新責任 いよいよ介護支援専門員資格は大学卒業並みの資格に格上げされ さらに主任介護支援専門員は大学院を卒業したレベルの資質や実力を身につけて行くことが求められています
介護保険は公的な保険制度であり 費用対効果を満足させる責任が業務に求められています 限られたサービス資源の中で 本人が力を発揮でき自立に資するようなケアプランになっているか 健康な暮らしが実践できているかなど 自立支援を目指したものになっているかどうかが第一に求められています 平成 28 年度からは 主任ケアマネジャーの資格は 自立に資するケアマネジメントを実践している人 のみが持てるようになります 主任ケアマネジャーが次の世代のケアマネジャーを育てるというプラスの連鎖 学びの方式を求められるようになります 平成 27 年度の制度改正で医療と介護の連携が強く言われていましたが ケアマネジャーの医療知識や連携力が不足しているため利用者の健康が守りきれない またこれから亡くなる人が毎年十数パーセントも増える中 医療病床が削減の方向にあるため 在宅に戻る人が間違いなく増えて行くと考えられます ですので 医療的な課題を抱える人を地域で支えていくという宿題が出てくるものと思われます そういう時代の要請を受けて ケアマネジャーの資質向上のための研修ガイドラインが示され それに沿った研修を行うようになります 介護支援専門員の資格更新制度は 介護支援専門員の専門性の品質管理の核 介護支援専門員の専門職能団体( 日本介護支援専門員協会 ) は 介護支援専門員の資格保持と福利厚生を支えるために活動する組織 と言えます 課題整理総括表の記入方法と活用法 ~ 研修活用や OJT スーパービジョンも想定して ~ 講師井上貴詞県協会理事 1. 介護支援専門員を取り巻く環境介護支援専門員の資質向上と今後のあり方に関する検討会で 次のような指摘があります 1 適切なアセスメント ( 課題把握 ) が必ずしも十分でない 2 サービス担当者会議における他職種協働が十分に機能していない 3 ケアマネジメントにおけるモニタリング 評価が必ずしも十分ではない 2. 課題整理総括表の策定背景 2025 年に向けた地域包括ケアシステムの構築において 医療 介護サービス間の連絡 調整だけでなく 生活支援サービスを提供する事業者等のインフォーマルな支援の担い手との連携や地域にはないサービスを創出していくことも期待されています 1 介護支援専門員がどのように考えて要介護者などの課題を抽出したのか 思考過程を十分に説明する事が求められている
2 他職種協働の場面で活用する一つの例 3. 課題整理総括表及び評価表の活用場面 1 介護支援専門員養成研修での活用 2 介護支援専門員自身の振り返りやサービス担当者会議での活用 3 地域ケア会議などでの活用 4. 課題整理総括表の活用の目的と効果 1 専門職としての課題分析の思考過程を明らかにする 2 改善/ 維持の可能性 と 見通し を踏まえ 計画の長期目標 短期目標や援助の内容を精査しやすくする 3 他職種との情報共有 連携などを効果的に実施できる 重要な事は 利用者自身の生活への意向や希望を引き出し 専門職として客観的に判断した課題を導くことだと言えます 7 つの領域についての課題概要の解説 講師佐藤二郎県副会長 平成 28 年度法定研修から 専門 Ⅰ 専門 Ⅱ 主任更新研修の事例演習 ( 講義演習一体型の研修課目 ) に共通する7つの領域について学ぶ 1 リハビリテーション及び福祉用具の活用に関する事例 2 看取り等における看護サービスの活用に関する事例 3 認知症に関する事例 4 入退院時等における医療との連携に関する事例 5 家族への支援の視点が必要な事例 6 社会資源の活用に向けた関係機関との連携に関する事例 7 状態に応じた多様なサービス ( 地域密着型サービスや施設サービスなど ) の活用に関する事例 医療課題への対応 ( 知識 連携 ) が不足していると言われています 平成 28 年度の実務研修 ( 試験後初めての研修 ) から医療課題をしっかり学びます 基礎的な医療課題の理解脳血管疾患に関する事例と対応ポイント認知症に関する事例と対応ポイント
筋 骨格系疾患と廃用性疾患に関する事例と対応ポイント内臓の機能不全 糖尿病 高血圧 脂質異常 心疾患 腎臓病 肝障害に関する事例看取りに関する事例など 研修を通して学びの内容が深まります 専門 Ⅰ モデル事例を通してその領域の課題を見通す力をつける ケアマネジメントの過程での留意点を学ぶ 専門 Ⅱ その領域を体験した自分の事例をまとめて持ち帰り 事例検討演習を通し 多様な対応の方法 支援の方法を学ぶ 主任研修 ( 自立に資するケアマネジメントが実践できている人が要件 ) その領域を含み地域で困難な支援の事例をまとめて持ち帰り 事例検討や事例研修を通して困難に向き合う後輩をどう指導支援するか ( スーパービジョン ) 地域課題としてどのような地域づくりに取り組むか ( 地域づくり演習 ) をする 主任更新研修 ( 主任介護支援専門員として地域で実践している人を対象 ) 7つの領域の要素を含む 困難な事例 を担当している後輩と共に その課題に向き合い 指導助言をしながら より良い支援へ課題の見立てや手立てを変更 改善し取り組みを指導前および指導後の状況を取りまとめて事例として提出し 指導の実践についてと地域づくりの課題について学びを深める 最後に司会進行の若松幸子県協会事務局長から 平成 28 年度法定研修の実施予定と注意事項の説明があり 終了となりました ケアマネの仕事に就いて 私がこの資格を取ろうと思ったきっかけは 介護職員として一緒に働き始めた友人から ケアマネの資格を取ったんだよ と嬉しそうに話していたので その理由を聞いてみたところ 親がもう少しで 60 を過ぎるんだけど 現場で働いていたから介護の方法はある程度分かる だけど 直接見ていくことは難しいかも知れない せめて計画書だけでも作ってあげたいと思っているんだよ でも あとで分かったことだけど 自分でも作れるんだって と笑顔で話していたことです それが印象深く 私が資格取得を目指す小さな出
発点でした 仕事をしながら勉強することはとても簡単なことではなく 途中で投げ出したくなりましたが 家族の応援や友人の笑顔を思い出しながら なんとか勉強を続けることができ 家族や友人に良い報告をすることができました 今の職場にご縁があり 去年の 8 月からお世話になっています 入職したばかりで何も分からなかった私は 勉強させていただく研修先の事業所に到着するまでの間 管理者と話をさせていただく機会があったので 色々な方がいらっしゃると思いますが 対応に困った時に分かるような対応マニュアルなどないのでしょうか と尋ねたのですが ご利用者一人ひとり困っていることが違うので これで良いという方法はないし 対応として決まっていることは無いと思う と話されていたことを覚えています その時は分からなかったことですが 今思えば 決まっている問題の解決方法や人それぞれの価値観等もあり マニュアルと呼べる物はないんだなと少しずつですが分かるようになりました これからも色々なことを教えていただきながら 成長させていただければと思っています あずみ苑古河福田和弘 近くにいる日本介護支援専門員協会未入会のケアマネにぜひ日本協会へ入会するよう強く働きかけてください! それが みなさん自身のため そして新しく入会したケアマネ自身のためにもなることです! 編集後記 今回は主任介護支援専門員更新要件適用研修ということで 116 名の参加をいただき 3 時間半の長丁場の研修になりました 気を引き締めなおした方も多かったのではないでしょうか 平成 28 年度からは研修体系が大きく変わります これからは さらに一人ひとりが自身での学びを考えていくことが求められます 古河地区会会員が増え 県ケアマネ協会 日本ケアマネ協会もさらに大きくなり 結束を固めていくことによって 私たちの声が国に伝わりやすくなるよう力を強めていきましょう