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課題研究の進め方 これは,10 年経験者研修講座の各教科の課題研究の研修で使っている資料をまとめたものです 課題研究の進め方 と 課題研究報告書の書き方 について, 教科を限定せずに一般的に紹介してありますので, 校内研修などにご活用ください

Taro-自立活動とは

123

回数テーマ学習内容学びのポイント 2 過去に行われた自閉症児の教育 2 感覚統合法によるアプローチ 認知発達を重視したアプローチ 感覚統合法における指導段階について学ぶ 自閉症児に対する感覚統合法の実際を学ぶ 感覚統合法の問題点について学ぶ 言語 認知障害説について学ぶ 自閉症児における認知障害につ

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平成 28 年度全国学力 学習状況調査の結果伊達市教育委員会〇平成 28 年 4 月 19 日 ( 火 ) に実施した平成 28 年度全国学力 学習状況調査の北海道における参加状況は 下記のとおりである 北海道 伊達市 ( 星の丘小 中学校を除く ) 学校数 児童生徒数 学校数 児童生徒数 小学校

第 1 章総則第 1 教育課程編成の一般方針 1( 前略 ) 学校の教育活動を進めるに当たっては 各学校において 児童に生きる力をはぐくむことを目指し 創意工夫を生かした特色ある教育活動を展開する中で 基礎的 基本的な知識及び技能を確実に習得させ これらを活用して課題を解決するために必要な思考力 判

学習意欲の向上 学習習慣の確立 改訂の趣旨 今回の学習指導要領改訂に当たって 基本的な考え方の一つに学習 意欲の向上 学習習慣の確立が明示された これは 教育基本法第 6 条第 2 項 あるいは学校教育法第 30 条第 2 項の条文にある 自ら進んで学習する意欲の重視にかかわる文言を受けるものである

必要性 学習指導要領の改訂により総則において情報モラルを身に付けるよう指導することを明示 背 景 ひぼう インターネット上での誹謗中傷やいじめ, 犯罪や違法 有害情報などの問題が発生している現状 情報社会に積極的に参画する態度を育てることは今後ますます重要 目 情報モラル教育とは 標 情報手段をいか

p.1~2◇◇Ⅰ調査の概要、Ⅱ公表について、Ⅲ_1教科に対する調査の結果_0821_2改訂

資料3-1 特別支援教育の現状について

第 2 部 東京都発達障害教育推進計画の 具体的な展開 第 1 章小 中学校における取組 第 2 章高等学校における取組 第 3 章教員の専門性向上 第 4 章総合支援体制の充実 13

はじめに 我が国においては 障害者の権利に関する条約 を踏まえ 誰もが相互に人格と個性を尊重し支え合い 人々の多様な在り方を相互に認め合える 共生社会 を目指し 障がいのある者と障がいのない者が共に学ぶ仕組みである インクルーシブ教育システム の理念のもと 特別支援教育を推進していく必要があります

ICTを軸にした小中連携

Ⅲ 目指すべき姿 特別支援教育推進の基本方針を受けて 小中学校 高等学校 特別支援学校などそれぞれの場面で 具体的な取組において目指すべき姿のイメージを示します 1 小中学校普通学級 1 小中学校普通学級の目指すべき姿 支援体制 多様な学びの場 特別支援教室の有効活用 1チームによる支援校内委員会を

(6) 調査結果の取扱いに関する配慮事項調査結果については 調査の目的を達成するため 自らの教育及び教育施策の改善 各児童生徒の全般的な学習状況の改善等につなげることが重要であることに留意し 適切に取り扱うものとする 調査結果の公表に関しては 教育委員会や学校が 保護者や地域住民に対して説明責任を果

2 生活習慣や学習環境等に関する質問紙調査 児童生徒に対する調査 学校意欲 学習方法 学習環境 生活の諸側面等に関する調査 学校に対する調査 指導方法に関する取組や人的 物的な教育条件の整備の状況等に関する調査 2

平成 29 年度 全国学力 学習状況調査結果と対策 1 全国学力調査の結果 ( 校種 検査項目ごとの平均正答率の比較から ) (1) 小学校の結果 会津若松市 国語 A は 全国平均を上回る 国語 B はやや上回る 算数は A B ともに全国平均を上回る 昨年度の国語 A はほぼ同じ 他科目はやや下

①H28公表資料p.1~2

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学習指導要領の領域等の平均正答率をみると 各教科のすべての領域でほぼ同じ値か わずかに低い値を示しています 国語では A 問題のすべての領域で 全国の平均正答率をわずかながら低い値を示しています このことから 基礎知識をしっかりと定着させるための日常的な学習活動が必要です 家庭学習が形式的になってい

H27 国語

H30全国HP

解禁日時新聞平成 30 年 8 月 1 日朝刊テレビ ラジオ インターネット平成 30 年 7 月 31 日午後 5 時以降 報道資料 年月日 平成 30 年 7 月 31 日 ( 火 ) 担当課 学校教育課 担当者 義務教育係 垣内 宏志 富倉 勇 TEL 直通 内線 5

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2 各教科の領域別結果および状況 小学校 国語 A 書くこと 伝統的言語文化と国語の特質に関する事項 の2 領域は おおむね満足できると考えられる 話すこと 聞くこと 読むこと の2 領域は 一部課題がある 国語 B 書くこと 読むこと の領域は 一定身についているがさらに伸ばしたい 短答式はおおむ

各教科 道徳科 外国語活動 総合的な学習の時間並びに特別活動によって編成するものとする 各教科 道徳科 総合的な学習の時間並びに特別活動によって編成するものとする

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010国語の観点

平成 29 年度全国学力 学習状況調査の結果の概要 ( 和歌山県海草地方 ) 1 調査の概要 (1) 調査日平成 29 年 4 月 18 日 ( 火 ) (2) 調査の目的義務教育の機会均等とその水準の維持向上の観点から 全国的な児童生徒の学力や学習状況を把握 分析し 教育施策の成果と課題を検証し

2 平成 27 年度に終了した研究課題について 研究成果報告書サマリー集や研究成果 ( 別紙 1 参照 ) の内容は 例えば下記のような場面で用いられ 貴機関や学校等での課題の改善に活用できましたか? 活用の場面研修会やセミナー所管する学校 教職員への情報提供関係機関 ( 医療 保健 福祉 教育 労

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3 調査結果 1 平成 30 年度大分県学力定着状況調査 学年 小学校 5 年生 教科 国語 算数 理科 項目 知識 活用 知識 活用 知識 活用 大分県平均正答率 大分県偏差値

資料5 親の会が主体となって構築した発達障害児のための教材・教具データベース

刊行に寄せて 青森県教育委員会では 小 中 高等学校 1 2 年間を見通した 縦の連携 を基軸とした学校教育を推進し 児童生徒の学力向上について取り組むべき方策を検討することを目的に 学力向上庁内戦略会議 を設置し 算数 数学 理科 英語の 3 教科について 児童生徒の学力向上に関する専門的な事項に

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調査の概要 1 目的義務教育の機会均等とその水準の維持向上の観点から 全国的な児童生徒の学力や学習状況を把握 分析し 教育施策の成果と課題を検証し その改善を図るとともに そのような取組を通じて 教育に関する継続的な検証改善サイクルを確立する また 学校における児童生徒への教育指導の充実や学習状況の

国際数学・理科教育動向調査(TIMSS2015)のポイント

「標準的な研修プログラム《

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2 教科に関する調査の結果 ( 各教科での % ) (1) 小学校 国語 4 年生 5 年生 6 年生 狭山市埼玉県狭山市埼玉県狭山市埼玉県 平領均域正等答別率 話すこと 聞くこと 書くこと

教育と法Ⅰ(学習指導要領と教育課程の編成)

愛媛県学力向上5か年計画

(2) 国語 B 算数数学 B 知識 技能等を実生活の様々な場面に活用する力や 様々な課題解決のための構想を立て実践し 評価 改善する力などに関わる主として 活用 に関する問題です (3) 児童生徒質問紙児童生徒の生活習慣や意識等に関する調査です 3 平成 20 年度全国学力 学習状況調査の結果 (

2 全国 埼玉県 狭山市の平均正答率 ( 教科に関する調査の結果 ) ( 単位 %) (1) 小学校第 6 学年 教科ごとの区分 教科 狭山市 埼玉県 全国 国語 A 国語 B 算数 A 算数 B 学習指導要領の

平成 30 年 1 月平成 29 年度全国学力 学習状況調査の結果と改善の方向 青森市立大野小学校 1 調査実施日平成 29 年 4 月 18 日 ( 火 ) 2 実施児童数第 6 学年 92 人 3 平均正答率 (%) 調 査 教 科 本 校 本 県 全 国 全国との差 国語 A( 主として知識

平成29年度 小学校教育課程講習会 総合的な学習の時間

2 研究の歩みから 本校では平成 4 年度より道徳教育の研究を学校経営の基盤にすえ, 継続的に研究を進めてきた しかし, 児童を取り巻く社会状況の変化や, 規範意識の低下, 生命を尊重する心情を育てる必要 性などから, 自己の生き方を見つめ, 他者との関わりを深めながらたくましく生きる児童を育てる

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平成 29 年度全国学力 学習状況調査の結果の概要 ( 和歌山県和歌山市 ) 1 調査の概要 (1) 調査日平成 29 年 4 月 18 日 ( 火 ) (2) 調査の目的義務教育の機会均等とその水準の維持向上の観点から 全国的な児童生徒の学力や学習状況を把握 分析し 教育施策の成果と課題を検証し

山梨大学教職大学院専攻長 堀哲夫教授提出資料

ホームページ掲載資料 平成 30 年度 全国学力 学習状況調査結果 ( 上尾市立小 中学校概要 ) 平成 30 年 4 月 17 日実施 上尾市教育委員会

(1) 体育・保健体育の授業を改善するために

3 情緒障害 選択性かん黙等のある児童生徒については 情緒障害の状態になった時期や その要因などに応じて中心となる指導内容が異なります 例えば カウンセリング等を中心とする時期 緊張を和らげるための指導を行う時期 学習空白による遅れなどを補いながら心理的な不安定さに応じた指導を行って自信を回復する時

平成 30 年度全国学力 学習状況調査 北見市の結果等の概要 Ⅰ 調査の概要 1 調査の目的義務教育の機会均等とその水準の維持向上の観点から 全国的な児童生徒の学力や学習状況を把握 分析するとともに教育施策の成果と課題を検証し その改善を図り 学校における児童生徒への教育指導の充実や学習状況の改善等

Ⅰ 評価の基本的な考え方 1 学力のとらえ方 学力については 知識や技能だけでなく 自ら学ぶ意欲や思考力 判断力 表現力などの資質や能力などを含めて基礎 基本ととらえ その基礎 基本の確実な定着を前提に 自ら学び 自ら考える力などの 生きる力 がはぐくまれているかどうかを含めて学力ととらえる必要があ

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Taro-① 平成30年度全国学力・学習状況調査の結果の概要について

(2) 学習指導要領の領域別の平均正答率 1 小学校国語 A (%) 学習指導要領の領域 領 域 話すこと 聞くこと 66.6(69.2) 77.0(79.2) 書くこと 61.8(60.6) 69.3(72.8) 読むこと 69.9(70.2) 77.4(78.5) 伝統的な言語文化等 78.3(

第 1 章 通級による指導 ~ 開始前に知っておくべき基礎知識 ~ 1 通級による指導とは 通級による指導とは 通常の学級に在籍する障がいのある児童生徒が 各教科等の大部分の授業を通常の学級で受けながら 一部の授業について 障がいに応じた特別の指導を 通級指導教室 といった特別な場で受ける指導形態の

瑞浪市調査結果概略(平成19年度全国学力・学習状況調査)

資料3 道徳科における「主体的・対話的で深い学び」を実現する学習・指導改善について

平成 29 年度全国学力 学習状況調査 北見市の結果等の概要 Ⅰ 調査の概要 1 調査の目的義務教育の機会均等とその水準の維持向上の観点から 全国的な児童生徒の学力や学習状況を把握 分析するとともに教育施策の成果と課題を検証し その改善を図り 学校における児童生徒への教育指導の充実や学習状況の改善等

第4章 道徳

今年度は 創立 125 周年 です 平成 29 年度 12 月号杉並区立杉並第三小学校 杉並区高円寺南 TEL FAX 杉三小の子

目 次 1 学力調査の概要 1 2 内容別調査結果の概要 (1) 内容別正答率 2 (2) 分類 区分別正答率 小学校国語 A( 知識 ) 国語 B( 活用 ) 3 小学校算数 A( 知識 ) 算数 B( 活用 ) 5 中学校国語 A( 知識 ) 国語 B( 活用 ) 7 中学校数学 A( 知識 )

国語 A では, 領域別, 観点別, 問題形式別に見て, どの区分においても全国平均を上回り, 高い正答率でした しかし, 設問別でみると全国および新潟県平均正答率を下回った設問が, 15 問中 1 問, 新潟県の平均正答率を下回った設問は,15 問中 1 問ありました 設問の概要関屋小新潟県全国

P5 26 行目 なお 農村部は 地理的状況や通学時 間等の関係から なお 農村部は 地理的状況や通学時 間等から P5 27 行目 複式学級は 小規模化による学習面 生活面のデメリットがより顕著となる 複式学級は 教育上の課題が大きいことから ことが懸念されるなど 教育上の課題が大きいことから P

2 教科に関する調査の結果 (1) 平均正答率 % 小学校 中学校 4 年生 5 年生 6 年生 1 年生 2 年生 3 年生 国語算数 数学英語 狭山市 埼玉県 狭山市 61.4


平成 26 年度 高知県学力定着状況調査結果の概要 速報版 平成 27 年 2 月 高知県教育委員会

2 生活習慣や学習環境等に関する質問紙調査 児童生徒に対する調査 学校意欲 学習方法 学習環境 生活の諸側面等に関する調査 学校に対する調査 指導方法に関する取組や人的 物的な教育条件の整備の状況等に関する調査 2

第 2 章 知 徳 体 のバランスのとれた基礎 基本の徹底 基礎 基本 の定着 教育基本法 学校教育法の改正により, 教育の目標 義務教育の目標が定められるとともに, 学力の重要な三つの要素が規定された 本県では, 基礎 基本 定着状況調査や高等学校学力調査を実施することにより, 児童生徒の学力や学

解答類型

調査の概要 1 目的義務教育の機会均等とその水準の維持向上の観点から 的な児童生徒の学力や学習状況を把握 分析し 教育施策の成果と課題を検証し その改善を図るとともに 学校における児童生徒への教育指導の充実や学習状況の改善等に役立てる さらに そのような取組を通じて 教育に関する継続的な検証改善サイ

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平成 25 年度学力定着状況確認問題の結果について 概要版 山口県教育庁義務教育課 平成 2 6 年 1 月 1 実施概要 (1) 目 的 児童生徒の客観的な学力状況の経年的な把握と分析を通して 課題解決に向けた 指導の工夫改善等の取組の充実を図る全県的な検証改善サイクルを確立し 県内す べての児童

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1. 調査結果の概況 (1) の児童 ( 小学校 ) の状況 < 国語 A> 今年度より, ( 公立 ) と市町村立の平均正答率は整数値で表示となりました < 国語 B> 4 国語 A 平均正答率 5 国語 B 平均正答率 ( 公立 ) 74.8 ( 公立 ) 57.5 ( 公立 ) 74 ( 公立

フトを用いて 質問項目間の相関関係に着目し 分析することにした 2 研究目的 全国学力 学習状況調査結果の分析を通して 本県の児童生徒の国語及び算数 数学の学習 に対する関心 意欲の傾向を考察する 3 研究方法平成 25 年度全国学力 学習状況調査の児童生徒質問紙のうち 国語及び算数 数学の学習に対

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彩の国埼玉県 埼玉県のマスコット コバトン 科学的な見方や考え方を養う理科の授業 小学校理科の観察 実験で大切なことは? 県立総合教育センターでの 学校間の接続に関する調査研究 の意識調査では 埼玉県内の児童生徒の多くは 理科が好きな理由として 観察 実験などの活動があること を一番にあげています

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Q1 診断書等がない子どもへの合理的配慮はどう考えたらよいのか A1 診断書や障がい者手帳等の有無が 合理的配慮の提供に関する判断の基準ではありません 教育支援資料 ( 文部科学省平成 25 年 10 月 ) において 各障がいは以下のように定義されています ( 参考 ) 教育支援資料における各障が

教育 学びのイノベーション事業 ( 平成 23~25 年度 ) 総務省と連携し 一人一台の情報端末や電子黒板 無線 LAN 等が整備された環境の下で 教科指導や特別支援教育において ICT を効果的に活用して 子供たちが主体的に学習する 新たな学び を創造する実証研究を実施 小学校 (10 校 )

平成 30 年 4 月 1 日 平成 30 年度 第 70 回 日本連合教育会研究大会 桐生大会 大会主題 分科会研究協議題 等 Ⅰ 大会主題及び大会主題設定の趣旨 Ⅱ 分科会研究協議題 研究協議題設定の理由 研究協議の視点 (1) 第 1 分科会国語 (2) 第 2 分科会 社会 (3) 第 3

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24 京都教育大学教育実践研究紀要 第17号 内容 発達段階に応じてどのように充実を図るかが重要であるとされ CAN-DOの形で指標形式が示されてい る そこでは ヨーロッパ言語共通参照枠 CEFR の日本版であるCEFR-Jを参考に 系統だった指導と学習 評価 筆記テストのみならず スピーチ イン

第 2 学年 理科学習指導案 平成 29 年 1 月 1 7 日 ( 火 ) 場所理科室 1 単元名電流とその利用 イ電流と磁界 ( イ ) 磁界中の電流が受ける力 2 単元について ( 1 ) 生徒観略 ( 2 ) 単元観生徒は 小学校第 3 学年で 磁石の性質 第 4 学年で 電気の働き 第 5

教育調査 ( 教職員用 ) 1 教育計画の作成にあたって 教職員でよく話し合っていますか 度数 相対度数 (%) 累積度数累積相対度数 (%) はい どちらかといえばはい どちらかといえばいいえ いいえ 0

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単元構造図の簡素化とその活用 ~ 九州体育 保健体育ネットワーク研究会 2016 ファイナル in 福岡 ~ 佐賀県伊万里市立伊万里中学校教頭福井宏和 1 はじめに伊万里市立伊万里中学校は, 平成 20 年度から平成 22 年度までの3 年間, 文部科学省 国立教育政策研究所 学力の把握に関する研究

H26研究レポート一覧(6年研)変更2017.3.22

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17 石川県 事業計画書

情報コーナー用

Transcription:

第 2 章研究の目的及び方法 第 1 節研究の目的 文部科学省調査研究協力者会議の報告 21 世紀の特殊教育の在り方について ( 最終報告 ) ( 2003) では 自閉症は知的障害や情緒障害とは異なる障害であることが明記された 自閉症教育は知的障害教育や情緒障害教育と異なるものであると考えられ 教育課程の編成の在り方や自閉症のある幼児児童生徒への具体的な指導内容 指導方法についての研究が進められている 自閉症のある児童生徒の学校教育における指導の場は 知的発達の程度や学校生活への適応状況に応じて特別支援学校 特別支援学級 通級による指導 通常の学級と多様である いずれの学びの場においても 自閉症の中核的な特性に配慮しながらどのような指導を行うべきか さらなる追究が求められている 自閉症 情緒障害特別支援学級の担当教員においては 学級に異学年の児童生徒が在籍していること 自閉症と情緒障害のある児童生徒が混在して在籍していること 自閉症については知的障害の程度が異なる児童生徒が在籍していること等により 個々の児童生徒の実態に応じた指導を行うことが求められる 従来 知的障害を伴う自閉症のある児童生徒の指導にあたっては 特別支援学校 ( 知的障害 ) の教育課程を参考にした実践 ( 長江 柳澤,2010; 岡本,2008) が検討されてきた それと比較して 当該学年の各教科の内容を学ぶことが可能である自閉症のある児童生徒の指導については これまで十分な検討がなされてこなかった 高等学校に進学する自閉症のある児童生徒がいる ( 国立特別支援教育総合研究所,2008) ことを踏まえると 自閉症のある児童生徒の教科指導をどのように進めていくべきか 指導内容や指導方法についての検討を深めることが必要である そこで 国立特別支援教育総合研究所 (2012) では 言語理解や心情理解の難しさといった自閉症の特性との関連が深い国語科を取り上げ 自閉症 情緒障害特別支援学級での教科指導について研究を行った 具体的には 自閉症のある児童生徒の国語科の学習内容の習得状況を把握 彼らの習得状況に合ったねらいの設定 指導内容の重点化 精選化 年間指導計画の作成について検討し 自閉症の特性に応じた指導の在り方を示した 自閉症のある児童生徒の学習内容の習得状況を把握した上で授業を展開していくことは 担当教員が教科学習を進めていく上での基盤となることが示された この一連の流れに沿った指導は 国語科だけでなく算数科 数学科においても同様に重要である 文部科学省 (2008 a) ;2008 b) ) は 算数科 数学科の目標を以下のように示している まず 算数科の目標には 算数的活動を通して 数量や図形についての基礎的 基本 7-7-

8 的な知識及び技能を身に付け 日常の事象について見通しをもち筋道を立てて考え 表現する能力を育てるとともに 算数的活動の楽しさや数理的な処理のよさに気付き 進んで生活や学習に活用しようとする態度を育てる ことが示されている 他方 数学科の目標には 数学的活動を通して 数量や図形などに関する基礎的な概念や原理 原則についての理解を深め 数学的な表現や処理の仕方を習得し 事象を数理的に考察し表現する能力を高めるとともに 数学的活動の楽しさや数学のよさを実感し それらを活用して考えたり判断したりしようとする態度を育てる ことが示されている 算数科 数学科の目標に示されている見通しをもち筋道立てて考え表現することや算数的 数学的活動の楽しさや数理的処理のよさに気付く 数量や図形に関する概念についての理解を深めることは 自閉症のある子どもの障害特性を踏まえると困難を伴うことが推測される その一方で 自閉症のある児童生徒の中には 驚異的な計算能力 (computation) や暦計算 (calendar calculation) 視空間認知においての類まれな能力(savant skill) が認められる (Treffert, 2010) ことが報告されている このことを踏まえると 算数科 数学科においては 自閉症のある児童生徒の学習上の困難な側面だけでなく得意な側面がある可能性を想定し それを活かした指導を行うことも大切である 算数科 数学科で学習する内容は 理科における小数や文字式の計算 社会科におけるグラフの読み取り等といったように他の教科にも汎用し 社会生活を送っていく上でも欠かせない したがって 自閉症のある児童生徒においても 算数科 数学科は重要な学習の1つであると言えよう なお 算数科 数学科においては内容の系統性を重視することが求められているが 特別支援学級では学級の性質上 必ずしも計画に沿った系統的な指導を行うことが容易ではない そのため 自閉症のある児童生徒の算数科 数学科の学びを保障していくためには 彼らの実態を踏まえた上での適切な目標やねらいの設定 年間及び単元指導計画の立案 指導内容の精選 授業の振り返り ( 評価 ) の一連のサイクルに沿って行うことがより一層 重要になると考えられる 自閉症のある児童生徒の算数科 数学科の指導については 教育現場で様々な実践がなされ事例が紹介されているものの 当該学年の内容を扱っている自閉症のある児童生徒の算数科 数学科の学習内容の習得状況に何らかの特徴 ( 特長 ) が認められるのか また 算数科 数学科の学習を行う上で留意すべき自閉症の特性があるのかについて俯瞰的な検討はなされていない 以上のことから 本研究では 自閉症 情緒障害特別支援学級に在籍する当該学年の算数科 数学科の内容を学習している自閉症のある児童生徒の算数科 数学科における学習上の特徴の把握と必要な指導について検討することを目的とする -8-

第 2 節研究の方法及び研究計画 本研究の実施期間は 平成 24 年 4 月 ~ 平成 26 年 3 月である 本研究の目的を遂行するために 自閉症のある児童生徒の算数科 数学科の学習に関わる先行研究の文献整理や研究協力機関での情報収集 小学校及び中学校の自閉症 情緒障害特別支援学級担当者を対象としたアンケート調査を行った 本研究の活動計画は 表 2-1 表 2-2の通りである 平成 24 年度は まず 自閉症のある児童生徒の算数科 数学科の学習に関する先行研究のレビューを行い 自閉症のある児童生徒に見られる特徴について整理した また 研究協力機関との情報交換会や研究協議会を実施し 自閉症のある児童生徒の算数科 数学科における得意あるいは苦手な内容と 彼らの算数科 数学科の学習上の特徴と指導の工夫について協議した さらに 自閉症 情緒障害特別支援学級に在籍する自閉症のある児童生徒の算数科 数学科の学習上の状況を把握するために 所内研究分担者が定期的に研究協力機関を訪問し 自閉症 情緒障害特別支援学級での算数科 数学科の授業を見学した 研究協力機関への訪問及び情報交換会での情報収集 先行研究の文献レビューに基づいて調査票原案を作成し 第 1 回研究協議会で調査票原案について協議し 12 月上旬にアンケート調査を実施した ( 自閉症 情緒障害特別支援学級への調査方法や手続きの詳細は第 4 章で言及する ) 第 2 回研究協議会では アンケート調査の結果 ( 途中経過 ) 報告を行い 平成 25 年度の研究協力機関との具体的な研究の進め方について協議した 平成 25 年度は 平成 24 年度に実施したアンケート調査の結果を踏まえ 研究協力機関の実践を主軸として自閉症のある児童生徒の実態把握から算数科 数学科の年間及び単元指導計画の立案 授業の実施 振り返りの一連のサイクルに基づいて 自閉症のある児童生徒の障害特性や算数科 数学科の学習に見られる特徴を踏まえた指導について検討を行った 9-9-

表 2-1 平成 24 年度活動内容 活動内容 4 月 研究協力機関 研究協力者への依頼 先行研究の収集 整理 5 月 先行研究の収集 整理 調査票 ( 原案 ) 作成 6 月 研究協力機関との情報交換会開催 (6 月 15 日 於 : キャンパスイノベーションセンター東京 ) 研究協力機関での情報収集 7 月 調査票 ( 修正版 ) 作成 8 月 第 1 回研究協議会開催 調査票 ( 修正版 ) 再検討 (8 月 22 日 於 : キャンパスイノベーションセンター東京 ) 9 月 日本特殊教育学会での情報収集 (9 月 於 : つくば国際会議場 ) 10 月 11 月 研究協力機関への予備調査実施 アンケート調査票完成 12 月 アンケート調査票発送 1 月 アンケート調査票回収締め切り アンケート調査データの集計 2 月 アンケート調査データ集計 第 2 回研究協議会開催 (3 月 13 日 於 : キャンパスイノベーションセンター東京 ) 3 月 アンケート調査データ分析 10-10-

表 2-2 平成 25 年度活動内容 活動内容 4 月 アンケート調査データ分析 研究協力機関での情報収集 研究協力者への依頼 5 月 アンケート調査データ分析 6 月 7 月 アンケート調査データ分析 8 月 アンケート調査データ分析第 1 回研究協議会開催 (8 月 22 日 於 : キャンパスイノベーションセンター東京 ) 9 月 日本特殊教育学会でのポスター発表 (8 月 30 日 ~9 月 1 日 於 : 明星大学 ) 10 月 11 月 研究成果報告書原稿執筆締め切り 12 月 第 2 回研究協議会開催 (12 月 19 日 於 : キャンパスイノベーションセンター東京 ) 所内研究成果報告会開催 1 月 研究所セミナーでの研究成果の発表 (1 月 31 日 於 : 国立オリンピック記念青少年総合センター ) 2 月 研究成果報告書提出 アンケート調査協力者への調査報告書の送付 3 月 引用文献 国立特別支援教育総合研究所 (2008) 平成 19 年度課題別研究 小中学校における自閉症 情緒障害等の児童生徒の実態把握と教育的支援に関する研究 - 情緒障害特別支援学級の実態調査及び自閉症 情緒障害 LD ADHD 通級指導教室の実態調査から- 研究成果報告書. 国立特別支援教育総合研究所 (2012) 平成 22 年度 ~23 年度重点推進研究 特別支援学級における自閉症のある児童生徒への国語科指導の実際 - 習得状況の把握と指導 11-11-

内容の編成及び実践を中心に- 研究成果報告書. 文部科学省 (2008 a) ) 小学校学習指導要領解説算数編. 東洋館出版社. 文部科学省 (2008 b) ) 中学校学習指導要領解説数学編. 東洋館出版社. 長江清和 柳澤亜希子 (2010) 自閉症のある児童の認知特性を踏まえた算数科 ( 量と測定 ) の指導に関する一考察. 重点推進研究 自閉症スペクトラム障害のある児童生徒に対する効果的な指導内容 指導方法に関する実際的研究 - 小 中学校における特別支援学級を中心に 研究成果報告書,75-80. 岡本巧 (2008) 知的障害を伴う自閉症児の算数指導のあり方に関する研究 : 数概念獲得特性や障害特性に応じた支援の実践検証.( 財 ) みずほ教育福祉財団特別支援教育研究助成事業平成 19 年度特別支援教育研究論文集.( 財 ) 障害児教育財団編. 特別支援教育の在り方に関する調査研究協力者会議 (2003) 21 世紀の特殊教育の在り方について ( 最終報告 ). Treffert, D. A (2010) The Savant Syndrome: an Extraordinary Condition. A Synopsis: Past, Present, Future. Autism and Talent. In F, Happe, & U, Frith (Eds.), Oxford University Press Inc., New York, 13-28. ( 柳澤亜希子 ) 12-12-