千里ニュータウン地区の今後の土地利用の考え方 豊中市 はじめに市は 平成 4 年 (1992 年 )7 月に 千里ニュータウン地区住環境保全に関する基本方針 ( 以下 基本方針 という ) を策定し 同地区内で計画される建築物などに対して その用途をはじめ 建築物の建て方 ( 容積率 建ぺい率 高さ

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豊中市千里ニュータウン地区住環境保全に関する基本方針 1. 経過と方針千里ニュータウンは 昭和 36 年 (1961 年 ) から昭和 44 年 (1969 年 ) にかけて開発された わが国で初めての大規模なニュータウンです このニュータウンは 単なる大量の住宅建設にとどまらず

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大谷周辺地区 及び 役場周辺地区 地区計画について 木原市街地 国道 125 号バイパス 役場周辺地区 (43.7ha) 美駒市街地 大谷周辺地区 (11.8ha) 地区計画の概要 地区計画とは住民の身近な生活空間である地区や街区を対象とする都市計画で, 道路や公園などの公共施設の配置や, 建築物の

第 Ⅱ ゾーンの地区計画にはこんな特徴があります 建築基準法のみによる一般的な建替えの場合 斜線制限により または 1.5 容積率の制限により 利用できない容積率 道路広い道路狭い道路 街並み誘導型地区計画による建替えのルール 容積率の最高限度が緩和されます 定住性の高い住宅等を設ける

指定標準 適用区域 建ぺい率 容積率 建築物の高さの最高限度 m 用途地域の変更に あたり導入を検討 すべき事項 ( 注 2) 1. 環境良好な一般的な低層住宅地として将来ともその環境を保護すべき区域 2. 農地等が多く 道路等の都市基盤が未整備な区域及び良好な樹林地等の保全を図る区域 3. 地区計

Microsoft Word - (新)滝川都市計画用途地域指定基準121019

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筑豊広域都市計画用途地域の変更 ( 鞍手町決定 ) 都市計画用途地域を次のように変更する 種類 第一種低層住居専用地域 第二種低層住居専用地域 第一種中高層住居専用地域第二種中高層住居専用地域 面積 約 45ha 約 29ha 建築物の容積率 8/10 以下 8/10 以下 建築物の建蔽率 5/10

金沢都市計画地区計画の変更

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Microsoft Word - 岡崎駅南リーフレット案【最終】

計画書

山手地区の概要 面積 約50ha 用途地域 工業地域 建ぺい率 60 容積率 200 高さの限度 第一種高度地区 最高限20m 2

用途地域変更の考え方 ( 素案 ) 1 駅 駅前広場 アクセス道路沿道の土地利用の促進 駅 北側沿道 25m 以内及び沿道南側街区を近隣商業地域へ変更 18

立川市絶対高さを定める高度地区指定に関する検討方針 平成 26 年 5 月 立川市 0

北部大阪都市計画彩都地区計画 ( 案 ) 北部大阪都市計画彩都地区計画を 次のとおり変更する 1. 地区計画の方針 名称彩都地区計画 位 置 茨木市大字粟生岩阪 大字宿久庄 大字清水 大字佐保 大字泉原 大字千提寺 大字大岩 大字福井 大字大門寺 大字生保 大字安威 山手台一丁目 山手台三丁目 山手

本日の説明内容 1 板橋駅西口周辺地区のまちづくり 2 板橋駅西口地区都市計画素案について 1 市街地再開発事業 2 地区計画 3 高度利用地区 4 高度地区 3 今後のスケジュール 1

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□高度地区見直し案

(4) 対象区域 基本方針の対象区域は市街化調整区域全体とし 都市計画マスタープランにおいて田園都市ゾーン及び公園 緑地ゾーンとして位置付けられている区域を基本とします 対象区域図 市街化調整区域 2 資料 : 八潮市都市計画マスタープラン 土地利用方針図

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Microsoft Word - ●決定⑤地区計画-2.docx

目次 Ⅰ 運用基準の策定にあたって P1 1 策定の目的 P1 2 運用基準の位置づけ P1 Ⅱ Ⅲ 土地利用のあり方 P1 地区計画の活用 P2 1 地区計画とは P2 2 地区計画の活用類型 P2 (a) 地域資源型 P3 (b) マスタープラン適合型 P3 (c) 街区環境整序型 P3 (d)

2

第2章

( 対象区域 ) 第 5 地区計画の対象区域は 工業団地 ( 国母工業団地 南部工業団地 機械金属工業団地 ファッション工業団地 ( アリア ディ フィレンツェ ) をいう 以下同じ ) の区域内及び隣接地又は近接地 ( おおむね工業団地から500メートル以内 ) とする ( 区域の設定 ) 第 6


区域の整備 開発及び保全の方針地区整備計画 久世荒内 寺田塚本地区地区計画 名称久世荒内 寺田塚本地区地区計画 位置城陽市久世荒内 寺田塚本及び平川広田 面積約 22.1ha 建 築 物 等 に 関 す る 事 項 地区計画の目標 土地利用の方針 地区施設の整備方針 建築物等の整備方針 地区の区分

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区域の整備 開発及び保全に関する方針地区施設の整備の方針建築物等の整備の方針 (2) 公園 緑地の整備方針地域に親しまれる やすらぎと憩いの空間を形成するとともに 西武立川駅から玉川上水に向けて形成される緑のネットワークの拠点となるよう公園や緑地を配置する (3) その他の公共空地の整備方針各敷地の

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地区計画パンフレットP.1

西原町 2~4 丁目地区 区域図 西原町 2~4 丁目地区 低密度住宅ゾーン 中密度住宅ゾーン 戸建ての低層住宅地を主体に落ち着いた雰囲気を持った良好な居住環境の形成を誘導します また 都市農地の保全に努め 農地と共存した良好な居住環境の形成を誘導します 低層住宅と中高層住宅が調和した良好な居住環境

目次 方針策定の背景 1-1. 用途地域指定の基本的な考え方 1-2. 住居系 [ 第一種低層住居専用地域 ] [ 第二種低層住居専用地域 ] [ 第一種中高層住居専用地域 ] [ 第二種中高層住居専用地域 ] [ 第一種住居地域 ] [ 第二種住居地域 ] [ 準住居地域 ] [ 田園住居地域 ]

(案)

区域の整備 開発及び保全に関する方針 江戸川一丁目地区地区計画 計画書 計画決定 H 江戸川区告示第 433 号 計画変更 H 江戸川区告示第 27 号 計画変更 H 江戸川区告示第 482 号 名称江戸川一丁目地区地区計画 位置 江戸川区江戸川一丁目 江戸

本町二・四・五・六丁目地区の地区計画に関する意見交換会

都市計画法に基づく手続きの予定スケジュール 岩手県事前協議 平成 8 年 5 月 ~7 月 住民説明会 平成 8 年 8 月 9 日 都市計画案の縦覧 ( 意見書の提出期間 ) 平成 8 年 9 月 5 日 ~9 月 0 日 釜石市都市計画審議会 平成 8 年 0 月中旬 岩手県本協議 平成 8 年

地区計画とは 地区計画とは 土地や建築物の所有者など地区の皆さんが合意を図りながら道路や公園などの配置 建築物の用途 容積率 高さ 色やデザイン等のルールをきめ細かく定め そのルールに基づいて建築行為等を行うことにより より良いまちづくりをすすめる手法のひとつです 地区の特性に応じて必要な項目を選択

都市計画の概要

名前 第 1 日目 建築基準法 2 用途規制 1. 建築物の敷地が工業地域と工業専用地域にわたる場合において 当該敷地の過半が工業地域内であると きは 共同住宅を建築することができる 2. 第一種低層住居専用地域内においては 高等学校を建築することができるが 高等専門学校を建築する ことはできない

地区整備計画書地区整備計画建築物等に関する事項地区の区分 地区の名称地区の面積 建築物等の用途の制限 建築物の敷地面積の最低限度 建築物の延べ床面積の敷地面積に対する割合の最高限度建築物の建築面積の敷地面積に対する割合の最高限度 壁面の位置の制限 独立住宅地区 A 約 21.9 ha (1) 長屋

新千里西町B団地地区地区計画

1. 目的 本町の第 3 次総合計画において 本町の将来像である ( みんなが主役 やすらぎと健康福祉のまち ) の実現に寄与すべく 本町の市街化調整区域における地区計画の運用にかかる基本的な方針を示すため 市街化調整区域における地区計画運用指針 ( 以下 運用指針 という ) を策定しました この

区域の整備 開発及び保全に関する方針 地区施設の整備の方針 建築物等の整備の方針 (1) 道路の整備方針区域内外との円滑な交通ネットワークの形成と歩行者等の安全で快適な歩行環境の向上を図るため 街区幹線道路及び区画道路を整備する 生活利便施設や良質な街並みを形成する住宅等の立地を誘導し 地域拠点にふ

(2) 路地街区 ア路地街区の内部で 防火性の向上と居住環境の改善を図るため 地区施設等に沿った建築物の高さの最高限度及び壁面の位置の制限を定めることにより 道路斜線制限を緩和し 3 階建て耐火建築物の連続した街並みを形成する イ行き止まりの路地空間では 安全性の確保のため 2 方向の避難を目的とし

藤沢市地区計画運用基準 施行平成 30 年 4 月 1 日 る 本運用基準は, 地区計画の届出に際しての審査の画一化及び円滑化を図るため, 必要な事項を定め 項目第 1 建築物等の用途の制限に関する事項第 2 建築物の容積率の最高限度に関する事項第 3 建築物の建蔽率の最高限度に関する事項第 4 建

平井二丁目付近地区地区計画の概要 平井二丁目付近地区地区計画の概要をお示しします 詳しくは 同封の 平井二丁目付近 地区計画書 計画図 をご確認ください 地区計画の区域地区計画の対象区域は 下図のとおりです 平井二丁目付近地区 ( 約 28.6ha) 江戸川区平井一丁目 平井二丁目及び 小松川三丁目

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平方・中野久木物流施設地区

南部地区 地区の名称 南部地区建築物の用途の制限 ( ほなみ町 桜新町 ) 敷地面積の最低限度 ( 東原町 苗津町 長者町の各一部 ) 22.5ha 沿道業務地区 17.6ha 合計 40.1ha 建築物等の形態又は意匠の制限 沿道業務地区には 次に掲げる建物は建築してはならない マージャン屋 ぱち

区域の整備 開発及び保全に関する方針地建築区物等整に関備する計事項画地区計画ガイド八日市出町地区 八日市出町地区 地区計画の内容 名称八日市出町地区地区計画 位 置 金沢市八日市出町の一部 面積地区計画の目標土地利用の方針建築物等の整備方針 約 10.7 ha 本地区は 市中心部の南西約 4kmに位

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案の理由書 1 南大浜地区本地区は石垣島の南部に位置し 字大浜 字真栄里 字平得の3 字を含み 用途地域が指定されている市街地の東側に隣接する地区です 本地区は 農振農用地区域が除外されたことにより 農業的土地利用と都市的土地利用が混在し 道路 公園 下水道等の都市基盤整備が不十分なまま無秩序な開発

日本橋・東京駅前地区

第 43 回四日市市都市計画審議会 第 80 号議案関連資料 1. 四日市都市計画地区計画の変更 ( 小古曽地区地区計画の決定 ) に関する地権者からの都市計画提案書について ( 関連資料 -1) 2. 小古曽地区地区計画比較表 ( 都市計画提案と地区計画決定 ) ( 関連資料 2) 1

(案)


3. 市街化調整区域における地区計画の基本的な考え方 3. 市街化調整区域における地区計画の基本的な考え方 4. 地区計画の策定に当たっての留意点 4. 地区計画の策定に当たっての留意点 このガイドラインに示す事項以外に 開発許可の要件を満たすことが 2. このガイドラインに示す事

区域の整備 開発及び保全に関する方針 公共施設等の整備の方針 建築物等の整備の方針 その他当該地区の整備 開発及び保全に関する方針 道路については 都市計画道路 平岡循環通 及び市道 北野里塚線 の拡幅整備を行うとともに 土地利用転換に伴って必要となる主要な道路を 周辺住民の動線空間としても機能する

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住宅地区 A 約 41.1 ha (1) 長屋 ( 住戸の数が 2 戸のものを除く ) (2) 建築基準法 ( 昭和 25 年法律第 201 号 以下 建基法 という ) 別表第 2( い ) 項第 3 号に掲げる共同住宅 ( 住戸の数が 2 戸のものを除く ) 寄宿舎又は下宿 (3) 建基法別表第

Microsoft Word - 別添資料

平井二丁目付近地区のまちづくり 平井二丁目付近地区は JR 平井駅南東部の都市計画道路放射第 15 号線に接し 都市計画道路補助第 120 号線が南北に通るなど 交通利便性が高く 旧中川沿川のうるおいある環境を感じられる地区です しかし 耕地整理により形成された街区内などでは 幅員 4.0m 未満の

Ⅰ 用途地域指定の基本方針 1 用途地域別 市街地像 と指定の基本方針 1 2 境界の設定 4 3 用途地域見直しの時期 5 4 その他の地域地区や地区計画の活用 6 Ⅱ 用途地域の指定基準 第一種低層住居専用地域 7 第二種低層住居専用地域 9 第一種中高層住居専用地域 11 第二種中高層住居専用

目次 1 運用基準策定の目的 1 2 市街化調整区域の地区計画の類型 2 3 市街化調整区域の地区計画の基本事項 3 4 地区計画の技術的な基準 4 5 都市計画の提案制度のフロー 7 6 地区計画と開発行為の手続きフロー 8 7 市街化調整区域における地区計画の運用基準の見直し 9

5h-3h H=4m (7) 最低限 5h-3h H=4m (8) 容積率 (%) 300% 準 5h-3h H=4m (9) 5h-3h H=4m (10) 最低限 5h-3h H=4m (11) 最低限 (12) 最低限 4h-2.5h H=4m (7) 第一種中高層住居専用地域 建ぺい率 (%

目 次 平方北部物流施設地区地区計画計画書 1P 平方北部物流施設地区地区計画計画図 3P 平方北部物流施設地区地区計画 地区整備計画 の内容の解説 4P (1) 建築物等の用途の制限 5P (2) 建築物の敷地面積の最低限度 6P (3) 建築物等の高さの最高限度 6P (4) 壁面の位置の制限

鹿嶋市都市計画法の規定による市街化調整区域における

周南4市市街化調整区域における地区計画運用指針

絶対高さ制限を定める高度地区についてのQ&A

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都市計画変更素案に関する説明会 建築規制の変更に関する説明会 特定整備路線補助 29 号線 井 東 込区間 (JR 横須賀線 区界 ) 沿道 日時 : 平成 29 年 8 3 ( ) 場所 : 品川区 伊藤 学校 前方右側に手話通訳者を配置しております 必要な方はお近くの席にお移り願います 1 本日

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表1-表4-2

目 次 市街化調整区域における地区計画運用基準 1. 運用基準策定の趣旨 都市計画制度変更への対応 2 市街化調整区域における土地利用方針 の実現に向けた運用基準策定 2. 地区計画の運用基準の基本的な考え方... 2 (1) 市街化調整区域の地区計画の基本的な考え方 1 基本的考え方

新しいまちづくりのために

東京都市計画第一種市街地再開発事業前八重洲一丁目東地区第一種市街地再開発事業位置図 東京停車場線 W W 江戸橋 JCT 日本橋茅場町 都 道 一石橋 5.0 特別区道中日第 号線 江戸橋 15.

その他当該区域の整備 開発及び保全に関する方針 近隣商業地区では 周辺地域との調和のとれた緑のネットワークの形成を図るため 敷地内の緑化や屋上緑化 壁面緑化を推進し その他の地区においても 緑豊かで潤いのある環境を創出するため 敷地内の緑化を推進する 位置東久留米市南沢五丁目地内 面積約 6.3ha

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(3) 集落地域整備法 ( 昭和 62 年法律第 63 号 ) 第 3 条に規定する集落地域 ( 同法第 4 条第 1 項に規定する集落地域整備基本方針が策定された場合にあっては 同条第 2 項第 1 号に掲げる事項の内容に該当する集落地域に限る ) (4) 農地法 ( 昭和 27 年法律第 229

大阪府営門真住宅まちづくり基本構想 平成 25 年 6 月 大阪府 門真市

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目次 1. 市街化調整区域の土地利用方針について... 1 (1) 策定の目的... 1 (2) 方針の位置付け 市街化調整区域の課題 土地利用の方針... 3 (1) 土地利用の基本的な方針... 3 (2) 地区ごとの土地利用方針 開発計画等の調整

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市街化調整区域内における地区計画について

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千里ニュータウン地区の今後の土地利用の考え方 豊中市 はじめに市は 平成 4 年 (1992 年 )7 月に 千里ニュータウン地区住環境保全に関する基本方針 ( 以下 基本方針 という ) を策定し 同地区内で計画される建築物などに対して その用途をはじめ 建築物の建て方 ( 容積率 建ぺい率 高さなど ) 駐車場 駐輪場及びプレイロットの設置など 都市計画法及び建築基準法を上回る内容で 関係者の皆さんの協力を求めてきました しかし 基本方針の策定から 11 年が経ち 千里ニュータウンをとりまく社会経済環境は大きく変化しています 千里ニュータウンにおいても 人口の減尐 急激な尐子高齢化 諸施設の老朽化 千里中央地区や近隣センターの低迷などの諸問題を克服し 団地の建替えの本格化 千里中央地区の再整備の動きなどに的確に対応していくことが求められてきています そこで 基本方針の見直しを行うこととし その考え方をとりまとめました なお 現在 基本方針に定めている内容は 土地所有者等の権利の制限や義務づけにつながるものです こうした権利の制限などは法令に基づくルールにしたがって行うことが適切だと考えています 以下の提案内容は 地区計画制度などの法令上の制度の活用を前提としてお示しするものです 1

1. 千里中央地区における今後の土地利用千里中央地区は 地区を南北に貫く新御堂筋により 東町地区と西町地区に分かれています 東町地区では 商業 業務 文化及び娯楽などの機能が複合したまちをめざして 建築物の用途をこれらの施設に限定し 住宅の立地を排除してきました 西町地区では 建築物の用途を業務施設に限定することにより オフィスや研修施設に特化したまちをめざし 住宅のほかに小売店舗 飲食店なども排除してきました しかし ゾーンを定めて機能を分担するという考え方は 土地利用の円滑な更新や地域の活性化への妨げになる場合もあり 都市の中心部に住宅が立地するなど多様な機能が複合した都市像が求められている時代には合わなくなってきたと言えるのではないでしょうか 西町地区では業務施設への限定をなくし 東町地区 西町地区ともに住宅の立地制限を緩和 することにより 多様な機能が複合する 新たな新都心 = 千里中央 をめざしていきたいと考えています 緩和 = 住宅を一律に排除するのではなく 地区計画で 建築物の低層部に限り居住の用に供する部分を制限したり 居住の用に供する部分の床面積をコントロールするといった手法に切り替えていくことなどが考えられます なお 西町地区では現在 建築物の高さ 建ぺい率 壁面位置の制限などについて基準を設けています これらは 地区の西側の住宅地に配慮したもので 今後とも継承する必要があります しかし 業務施設以外の用途を認めることや 現在都市計画で定めている基準との整合性などの観点から 適切な規制値の設定が必要であると考えられます 2. 中高層住宅地区における今後の土地利用中高層住宅地区は 現在 共同住宅が建っている敷地を中心とする地区を指します 基本方針では この地区における建築物の用途を 住宅 公益的施設等 に限定しています そして 良好な住環境を保全するという観点から 建築物の建て方について必要な基準値を設定していますが その概要は次のとおりです 容積率の最高限度 150%( 法令上は200%) 建ぺい率の最高限度 50%( 法令上は60%) 建築物の高さの最高限度 40m( 法令上は斜線や日影による制限のみ ) 壁面位置の後退距離 3m( 法令上は制限なし ) ただし 容積率の最高限度 と 建築物の高さの最高限度 については 別に 割り増し基準 を設けて 一定の敷地において 日影 高さ 壁面位置 環境空地 ( 緑地など ) の確保などの基準を満たすことを条件に 法令上の規制値までの範囲で緩和ができることにしています そのほかにも 建築物の意匠又は形態や 2

垣又は柵については周辺との調和を求め 駐車場 駐輪場及びプレイロットの設置 を求めています これらの基準を設定することにより 緑地の確保や空間の確保などの効果が見られ 良好な住環境の形成に寄与することができました しかしながら 今後住宅の更新が本格化するにあたっては 共同住宅が立地する地域の特性を踏まえて めりはりのある土地利用を進めていく必要があります たとえば 千里中央駅周辺や 新千里 3 号線や新千里 5 号線などの主要な幹線道路沿いでは 土地の有効な活用をはかるとともに 店舗 飲食店などの立地を進めることにより 利便性の高い にぎわいある空間 や 歩いて楽しい通り を形成することが必要ではないでしょうか そのためには 建築物の用途を法令上認められる程度にしておくとともに 法令より厳しい容積率や建ぺい率等の制限を見直して 土地の有効活用をはかることも必要でしょう なお こうしたエリアとして想定されるところは別図のとおりです 一方で 低層戸建住宅に隣接するところでは 低層戸建住宅地から中層住宅地にかけてみられる上部空間のゆとりに配慮したまち並みの形成が求められます そのためには 容積率の制限よりも高さの制限によるまち並みの誘導が効果的です 区域を定めて 建築物の高さの最高限度を 現況建築物の高さ を目安として定めることなどが考えられます もちろん 低層戸建住宅と集合住宅の敷地の状況によって適切な規制値は異なりますが 低層戸建住宅地区に直接面する住宅棟 ( もしくは棟の一部 ) を 現況建築物の高さを大きく超えない程度におさえることを基本に 地域の特性に応じた適切な基準を 地区計画として定めていくことが必要です 区域を定めて =たとえば 敷地境界から 20mの範囲や 道路等敷地の形状により区画された一定の土地を区域として定めるといったことが考えられます ( いずれも敷地の一部 ) 現況建築物の高さ = 千里ニュータウンに多くみられる 5 階建の中層住宅を想定していますので 15~20mの高さをイメージしています なお にぎわいを形成するところや その低層戸建住宅に隣接するところでの土地利用の考え方は以上のとおりですが その他のところについては 基本方針に定める容積率制限 (150%) を基本と考えています その上で 日影 高さ 壁面位置 環境空地 ( 緑地など ) の確保について一定の基準を満たした計画には 法令上の規制値までの範囲で割り増しが得られるといった誘導方法も有効です 3

3. 戸建住宅地区における今後の土地利用戸建住宅地区は 戸建住宅が建っている地区を指します 基本方針ではこの地区における建築物の用途を一戸建て専用住宅に限定し 良好な住環境をまもっていくという観点から 建築物の敷地や建て方について基準を設定しています その概要は次のとおりです 建築物の敷地面積の最低限度 230m2 ( 法令上なし ) 建築物の高さの最高限度軒高 7m( 法令上は 最高高さ 10mのみ ) 壁面位置の後退距離北側 2 階は3m( 法令上は全周囲 1.5m 制限のみ ) そのほか 建築物の意匠又は形態や 垣又は柵については周囲との調和を 駐車場については一戸に一台の設置を決めています これらの制限は 昭和 50 年代に戸建住宅地区の各自治会で設けられた 申し合わせ事項 をおおむね踏襲しています 地域の多くの方々の意向を反映しているとともに これらの制限により開発当初の良好な住環境が維持されてきており 今後は 現在の基本方針に準じた内容を 地区計画として定める必要があります ただし 敷地面積の最低限度については 各地域の敷地現況のに留意するとともに 相続などによる土地の処分動向なども考慮して 関係者の意向を十分踏まえた上で設定する必要があります また 建築物の用途についても 一戸建て専用住宅以外のものの必要性などを地域で十分検討しておくことが必要です 4. 近隣センター地区及び医療センター地区について近隣センター地区は 住民の日常の買い物などに対応する施設として計画的に設置された地区です 自動車の普及や市民のライフスタイルの変化などに対応した機能の変化や充実が求められており 市場の建替えは順次進んできています しかし 商店街や公共施設の更新はこれからであり これらの施設を含めた今後の近隣センター像はまだ明確とは言えません 従来の近隣センターには無かった新しい使われ方が生まれるような機能更新も期待されますから いま 土地利用のあり方を細かく条件づけるよりも 関係者の協議と共通理解をつくりあげることが必要であると考えています また 医療センター地区については 今後とも当該地区の土地利用を 医療施設 だけに限定することは現実性や妥協性に乏しく 土地利用の変化は避けられないでしょう ただし 高層建築物などの土地利用も十分に考えられるため 戸建住宅地と隣接する地区などにおいては 建築物の高さの最高限度 ( 基本方針では40m) を設けるなどの適切なルールが必要です 戸建住宅地における地区計画の協議に併せて医療センター地区の地権者との協議を深めることが必要です 4

5. いわゆる除外地区について現在基本方針が対象としている地区の中で これまでに述べた地区以外の地区として いわゆる 除外地区 があります 新千里南町 2 丁目及び同町 3 丁目のうち 府道旧中央環状線沿いを中心とした地区を指しますが この地区は 千里ニュータウンの開発にあたり計画的な分譲に至らなかった地区であり 現在 専用住宅 共同住宅 小売店舗 飲食店 事務所などいろいろな用途の混在がみられます 基本方針では 建築物の高さの最高限度を 40m 駐車場について戸あたり一台の設置を義務づけていますが これらの基準を地区計画等の内容として定めるにあたっては この地区のまち並み 地域像が明確になっていることが必要であり 関係者が十分協議したうえで地区計画などの土地利用のコントロールを検討していくべきであると考えます 6. 緑地の保全について千里ニュータウンの良好な住環境を支える大きな要素として 千里緑地 があげられます 千里緑地は 都市計画緑地として都市計画決定されており 今後ともその保全 継承につとめていきます また 千里緑地と一体となった島熊山の大阪府企業局用地の処分動向は ことあるごとに関係者の注目を集めてきました 市は この土地の適切な保全をはかっていきたいと考えています おわりに以上が 千里ニュータウンの今後の土地利用のあり方についての市の基本的な考え方です もちろん これらの考え方を進めていくにあたっては 土地の所有者をはじめ関係する皆さんとの協議が必要です みなさんとの協議を進めながら 可能な地域から地区計画の策定を進めていきたいと考えています 平成 16 年 (2004 年 )1 月 担当豊中市都市計画推進部千里ニュータウン再生推進課 561 8501 豊中市中桜塚 3 1 1 TEL06 6858 2117 FAX06 6854 9534 5

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