2013 年 8 月 8 日 ( 木 ) グランメッセ熊本 熊本県保険者協議会 特定健診 特定保健指導担当初任者研修会 ( 初級編 ) 対象者に応じた運動指導 栄養指導をするために ~ 済生会熊本病院予防医療センターにおける実例 ~ 健康運動指導士 管理栄養士 有吉亮森川清美 < 本日の内容 > 1) 当センターにおける特定保健指導 Ⅰ ~ 概要 ~ 2) 運動指導について 1 国の施策 科学的根拠基づく身体活動支援 2 疾患別での運動禁忌と運動指導のポイント 3 使えるトレーニングメソッド 3) 栄養指導について 4) 当センターにおける特定保健指導 Ⅱ ~ 運用 実績 ~ 1
当センターにおける 特定保健指導 Ⅰ ~ 概要 ~ 社会福祉法人 恩賜財団 済生会熊本病院 所在地 861-4193 熊本市南区近見 5 丁目 3 番 1 号 管理者 院長副島秀久 開設 昭和 10 年 (1935 年 )9 月 16 日 標榜科 内科 外科 消化器内科 消化器外科 呼吸器内科 呼吸器外科 腫瘍内科 糖尿病内科 整形外科 腎臓内科 泌尿器科 循環器内科 心臓血管外科 神経内科 脳神経外科 救急科 病理診断科 放射線科 麻酔科 病床数 一般病床 :400 床 ( うち 162 床個室 ) 職員数 総数 1688 名 2013 年 4 月 1 日現在 2
当日 ( 後日 ) 6 ヶ月後 動機づけ支援 初回面談 保健師又は管理栄養士による個別面談 最終評価 健康教室 保健師又は管理栄養士による聴取 検査 来院がない場合は評価用紙送付 当日 ( 後日 ) MFC 利用 (3 ヶ月 ) 個別支援 B 10P (5 分 ) 3 ヶ月後 個別支援 B 10P (5 分 ) 6 ヶ月後 積極的支援 初回面談 保健師( 管理栄養士 ) による個別面談初回運動支援個別支援 A 120P (60 分 ) 運動指導士による個別支援(MFC) 個別支援 A 80P 初回栄養支援 (20 分 ) 管理栄養士による個別支援電話 B 10P ( 食育 SATシステム ) (5 分 ) MFCでの声かけ 電話による支援 中間面談 保健師 ( 管理栄養士 ) による個別面談 MFC での声かけ 電話による支援 最終評価 個別支援 A 120P (30 分 ) 電話 B 10P (5 分 ) 保健師又は管理栄養士による聴取 検査 来院がない場合は評価用紙送付 健康教室 当センター 会員制健康クラブ セレブリティーズ 運動施設 連携施設紹介 運動施設の情報提供 自宅 運動方法の指導 身体活動向上のアドバイス 健康教室の一例 リズム体操 リズミックパンチ ウェーブストレッチ減塩クッキングメタボ予防教室 3
メディカルフィットネスセンター (MFC) 特定健診 特定保健指導第 2 期からの変更点 4
特定健診 特定保健指導第 2 期 ( 平成 25 年度 ) からの変更点 平成 20 年度から施行された特定健診 特定保健指導は 第 2 期 ( 平成 25 年度 ~29 年度 ) に入りました 1 特定健診実施率 2 特定保健指導実施率 第 1 期の目標 第 2 期の目標 項目 24 年度目標 29 年度までの目標 3 メタボリックシンドロームの該当者および予備軍の減少率 70% 実施率 45% 45% 実施率 17.8% 70% 45% 10%(20 年度対比 ) 25%(20 年度対比 ) 第 2 期特定健診等実施計画の期間における対応 1 特定健診の腹囲基準等について 男性 85cm/ 女性 90cm を維持 2 特定保健指導非対象者への対応について 非肥満へ対応 ( 特保ではない ) 情報提供や保健指導を実施する 3 情報提供の在り方について 保険者での好事例を調査し その知見を共有する ( 手引きを見直し 周知に努める ) 4 受診勧奨の徹底について 手引き等を見直し 関係者への周知に努める 5 健診項目の見直しについて HbA1c を NGSP 値へ 血清 Cr 検査の追加は見送り ( 引き続き検討 ) 5
第 2 期特定健診等実施計画の期間における対応 6 特定保健指導のポイント制の緩和 180Pは維持 支援 Bは必須としない 7 初回面談と6ヶ月後評価者との同一性について 同一機関であれば評価は同一者でなくてもよい 8 健診受診日に初回面接を開始するための方策 保険者直営 個別契約は従来通り可 9 看護師が保健指導を行える期間の延長 平成 29 年度末まで延長する 運動指導 について 6
国の施策 健康日本 21( 第 2 次 ) 科学的根拠 健康づくりのための身体活動基準 2013 に基づく身体活動支援 国民医療費は年々増加 7
他国にも例をみない急速な高齢化 元気に 歳をとる 8
2013 年 3 月 18 日厚生労働省健康局 < 運動指導者用 > 健康づくりのための身体活動基準 2013 < 国民用 > 健康づくりのための身体活動指針 ( アクティブガイド ) プラス テン +10 健康づくりのための身体活動基準 2013 9
変更されたもの 1) 運動基準から身体活動基準へ 2) 週 23Exから一日 60 分へ 3) 採択文献の追加 追加されたもの 4) がん ロコモティブシンドローム 認知症も対象に 5) こどもから高齢者まで 6) 全世代に向けた敷居の低い行動目標 7) リスク管理 8) 環境 社会支援 変更されたもの 1) 運動基準から身体活動基準へ 全体に着目することを重視し 運動基準 から 身体活動基準 に名称を変更 健康づくりのための運動基準 2006 ~ 身体活動 運動 体力 ~ 健康づくりのための運動指針 2006 ~ 生活習慣病予防のために ~ < エクササイズガイド 2006> 健康づくりのための身体活動基準 2013 健康づくりのための身体活動指針 < アクティブガイド > 10
変更されたもの 2) 週 23Ex から一日 60 分へ エクササイズガイドの認知度 社会調査モニタ 1,613 人 (40±12.2 歳 ) を対象としたインターネット調査結果 原田ら 2009 年 12.3% エクササイズは浸透しなかった 分かり易く一日 60 分に 変更されたもの 3) 採択文献の追加 検索期間アウトカム暴露因子 2005 年 4 月 11 日 ~ 2011 年 3 月 22 日 死亡 生活習慣病関連 骨粗鬆症 ADL がん 介護 ロコモ 認知症 2005 年 4 月 11 日までがん 介護 ロコモ 認知症 身体活動量 運動量 体力 ( 全身持久力 筋力 その他の体力 ) 2006 年策定時のアウトカムは 死亡 生活習慣病関連 骨粗鬆症 ADL であった 論文本数 採択率 検索式による検索 6,533 本 - 1 次レビュー 844 本 12.9% 2 次レビュー 341 本 40.4% 3 次レビュー 205 本 60.1% 旧 62 本 新 267 本 (205 本追加 ) 11
変更されたもの 3) 採択文献の追加 267 本でのシステマティックレビュー及びメタ解析の結果 < 生活習慣病等及び生活機能低下のリスク低減との関係 > 週 6.6Ex の身体活動量で 最も身体活動量が少ない群と比較し 14% のリスク低減 なぜ 週 23Ex( 一日 60 分 ) のままなのか? 理由 日本人を対象とした論文に限定してメタ解析を行った結果 20Ex 以下ではリスク低減の効果を統計学的に確認できなかった 今回も 22.5Ex より多い者で有意にリスクが低かった 追加されたもの 4) がん ロコモティブシンドローム 認知症も対象に 健康寿命の延伸が目的 12
追加されたもの 4) がん ロコモティブシンドローム 認知症も対象に 生活習慣病 3 割 認知症 ロコモ 5 割 追加されたもの 5) こどもから高齢者まで 健康日本 21( 第二次 ) ライフステージに応じた健康づくりの推進 全世代を対象とした身体活動基準が必要 こども (18 歳未満 ) の基準現段階では定量的な基準を設定しない 理由 18 歳未満に関して 身体活動が生活習慣病等及び生活機能低下のリスクを低減する効果について十分な科学的根拠がない 参考 幼児期運動指針 (2012 年 3 月文部科学省 ) 毎日 60 分以上楽しく体を動かすことが望ましい 学習指導要領の改善に関する提言 (2008 年 1 月中央教育審議会 ) 小学校から高等学校にかけての発達の段階を踏まえた指導内容 13
追加されたもの 5) こどもから高齢者まで 高齢者 (65 歳以上 ) の基準強度を問わず 身体活動を週 10Ex 行う ( 横になったままや座ったまま以外の身体活動を毎日 40 分 ) 科学的根拠 < 生活習慣病等及び生活機能低下のリスク低減との関係 > 週 10Ex の 3 メッツ未満も含めた身体活動量で最も身体活動量が少ない群と比較し 21% のリスク低減 追加されたもの 6) 全世代に向けた敷居の低い行動目標 現在の状況 運動習慣 平成 23 年国民健康 栄養調査 14
増加傾向に見えるが年齢調整すると変化なし 働いている世代の運動習慣者が少ない 15