Center for Comprehensive Management of Disaster Information National Research Institute for Earth Science and Disaster Resilience, NIED 平成 2

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平成17年7月11日(月)

<ハード対策の実態 > また ハード対策についてみると 防災設備として必要性が高いとされている非常用電源 電話不通時の代替通信機能 燃料備蓄が整備されている 道の駅 は 宮城など3 県内 57 駅のうち それぞれ45.6%(26 駅 ) 22.8%(13 駅 ) 17.5%(10 駅 ) といずれも

1 検査の背景 我が国の防災の基本法として災害対策基本法 ( 昭和 36 年法律第 223 号 ) が制定されている 同法によれば 内閣府に中央防災会議を置くとされ 同会議は 災害予防 災害応急対策及び災害復旧の基本となる防災基本計画の作成 その実施の推進 防災に関する重要事項の審議をそれぞれ行うな

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第 1 章実施計画の適用について 1. 実施計画の位置づけ (1) この 南海トラフ地震における具体的な応急対策活動に関する計画 に基づく宮崎県実施計画 ( 以下 実施計画 という ) は 南海トラフ地震に係る地震防災対策の推進に関する特別措置法 ( 平成 14 年法律第 92 号 以下 特措法 と

東日本大震災 (H ) 地震時の情報収集や提供に関する課題 国 地方公共団体などが連携した被災者や物資輸送者への交通関係情報の提供 大震災直後は 各管理者から別々に通行止め情報等が提供されたため 被災地までの輸送ルートの選定が困難な状況 国が集約して提供を始めたのは10 日以上過ぎた3/

30 第 1 部現地における災害応急活動 阿蘇大橋付近の被害状況 ( 熊本県阿蘇郡南阿蘇村 ) 熊本城の被害状況 ( 熊本県熊本市 ) 2

目次 1 降雨時に土砂災害の危険性を知りたい 土砂災害危険度メッシュ図を見る 5 スネークライン図を見る 6 土砂災害危険度判定図を見る 7 雨量解析値を見る 8 土砂災害警戒情報の発表状況を見る 9 2 土砂災害のおそれが高い地域 ( 土砂災害危険箇所 ) を調べたい 土砂災害危険箇所情報を見る

アンケート調査の概要 目的東南海 南海地震発生時の業務継続について 四国内の各市町村における取り組み状況や課題等を把握し 今後の地域防災力の強化に資することを目的としてアンケート調査を実施 実施時期平成 21 年 11 月 回答数 徳島県 24 市町村 香川県 17 市町 愛媛県 20 市町 高知県

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奈良県ライフライン 情報共有発信マニュアル 第 3.3 版 平成 24 年 7 月 奈良県ライフライン防災対策連絡会

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火山防災対策会議の充実と火山活動が活発化した際の協議会の枠組み等の活用について(報告)【参考資料】

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各府省からの第 1 次回答 1. 災害対策は 災害対策基本法に規定されているとおり 基礎的な地方公共団体である市町村による第一義的な応急対応と 市町村を包括する広域的な地方公共団体である都道府県による関係機関間の総合調整を前提としている を活用してもなお対応できず 人命又は財産の保護のため必要がある

別紙 1600 年分の自然災害を振り返る災害年表マップ ~スマートフォン タブレット対応のお知らせと Web 技術者向け API 配信項目拡大のご案内 ~ 1. 災害年表マップについて災害年表マップは 過去の自然災害事例を発生年ごとに市区町村単位で Web 地図上に表示する Web サービスです 地

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先行的評価の対象とするユースケース 整理中. 災害対応に関するユースケース. 健康に関するユースケース. 移動に関するユースケース. 教育に関するユースケース. 小売 物流に関するユースケース 6. 製造 ( 提供した製品の保守を含む ) に関するユースケース 7. 農業に関するユースケース 8.

H28秋_24地方税財源

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SIP4D SIP 防災研究開発項目 4: ICT を活用した情報共有システムの開発及び災害対応機関における利活用技術の研究開発 ため池に関する情報の利活用技術の研究開発 ため池防災支援システム の開発 平成 29 年 7 月 27 日国立研究開発法人農研機構株式会社コア株式会社オサシ テクノス株式

プレス発表資料 平成 22 年 3 月 12 日独立行政法人防災科学技術研究所 JAXA 陸域観測衛星 だいち (ALOS) によるチリ大地震 ( 仮称 ) の緊急観測画像を 相互運用 g サーバー より WMS 配信開始 独立行政法人防災科学技術研究所 ( 理事長 : 岡田義光 ) は 独立行政法

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資料9 事例紹介資料(内閣府)

防災 減災への民間情報の活用の必要性 東日本大震災において 明らかになった課題 従来の情報収集の取組 職員による現地調査 報道機関からの情報 通報 検知器 ( センサー ) 課題 対応できる人員の限界 小さな地域に関する情報の不足 紙情報が多い 情報の整理 管理が困難 設備 維持費用が大きい 上記課


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NITAS の基本機能 1. 経路探索条件の設定 (1) 交通モードの設定 交通モードの設定 とは どのような交通手段のネットワークを用いて経路探索を行うかを設定するものです NITASの交通モードは 大きく 人流 ( 旅客移動 ) 物流( 貨物移動 ) に分かれ それぞれのネットワークを用いた経路

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目次 1. 概要 操作方法 わがまちハザードマップを見る 地図で選ぶ 都道府県 市区町村を選択する わがまちハザードマップを使う 地図から選択する 地図上から直接選択..

資料1 受援計画策定ガイドラインの構成イメージ

浸水深 自宅の状況による避難基準 河川沿いの家屋平屋建て 2 階建て以上 浸水深 3m 以上 緊急避難場所, 近隣の安全な建物へ水平避難 浸水深 50 cm ~3m 緊急避難場所, 近隣の安全な建物へ水平避難上階に垂直避難 浸水深 50 cm未満 緊急避難場所, 近隣の安全な建物へ水平避難 自宅に待

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1. 背景等 (1) 背景等 (2) 目的 体制 2. 実証の概要 (1) 実証 Ⅰ ー 1 : 防災クラウド情報システム構築 (2) 実証 Ⅰ ー 2 : データ連携等標準仕様案の作成 (3) 実証 Ⅱ : 災害対策標準化に対応した事例の作成 ( 内閣府の災害対策標準化ガイドラインの構成イメージ

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1 目 次

国会、裁判所、会計検査院、内閣、内閣府、復興庁、総務省、法務省、外務省、財務省、文部科学省、厚生労働省、農林水産省、経済産業省、国土交通省、環境省及び防衛省所管      東日本大震災復興特別会計歳入歳出予算補正予定額各目明細書

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国会、裁判所、会計検査院、内閣、内閣府、復興庁、総務省、法務省、外務省、財務省、文部科学省、厚生労働省、農林水産省、経済産業省、国土交通省、環境省及び防衛省所管      東日本大震災復興特別会計歳入歳出予算補正予定額各目明細書

国会、裁判所、会計検査院、内閣、内閣府、復興庁、総務省、法務省、外務省、財務省、文部科学省、厚生労働省、農林水産省、経済産業省、国土交通省、環境省及び防衛省所管      東日本大震災復興特別会計歳入歳出予算補正予定額各目明細書

学校の危機管理マニュアル作成の手引

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3 歯科医療 ( 救護 ) 対策 管内の歯科医療機関の所在地等のリスト整理 緊急連絡網整備 管内の災害拠点病院 救護病院等の緊急時連絡先の確認 歯科関連医薬品の整備 ( 含そう剤等 ) 自治会 住民への情報伝達方法の確認 病院及び歯科診療所での災害準備の周知広報 - 2 -

☆配布資料_熊本地震検証

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事業継続計画(BCP)作成用調査ワークシート

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日本医師会ニュース「平成28年熊本地震」:情報提供第八報

資料 2 Society 5.0 の実現に向けた イノベーション エコシステムの構築 2018 年 3 月 15 日一般社団法人日本経済団体連合会産業技術本部長吉村隆

た ( 派遣員数 4 名 ) (2) 全国知事会は 大分県等と連携しながら 引き続き情報共有に努めるとともに 各都道府県に対し 知事会の対応状況等を連絡することとしている (3) 全国知事会は 被災市町村と支援県によるカウンターパート方式による支援を決定 (4) 熊本県への救護班の派遣について 36

各省庁等における業務継続計画に係る取組状況調査 調査の目的 各省庁等における現在の業務継続計画に係る取組状況を把握し 東日本大震災等を受けた 今後の業務継続計画の改善策を検討するための資料とする 調査の対象 中央省庁業務継続連絡調整会議構成機関 オブザーバー機関 29 機関 構成員 :23 機関内閣

目次 はじめに P3 1 災害 緊急の範囲 P3 2 時間と場所を考慮した対応の必要性 P3 3 時間ごとの対応 P4 4 場所ごとの対応 P5 5 デジタルサイネージの提供コンテンツ P6 6 緊急時を意識したデジタルサイネージシステム P6 7 情報の切替 復帰の条件 P7 8 緊急運用体制 P

はじめに 面的評価支援システム操作マニュアル ( 別冊 ) 国土地理院数値地図 25000( 空間データ基盤 ) 変換編 は 国土地理院の HP よりダウンロードした数値地図 25000( 空間データ基盤 ) の地図データを 面的評価支援システム 用に変換するツールの使用方法についてまとめたものです

(1) 当該団体が法人格を有しているか 又は法人格のない任意の団体のうち次の1~2の要件を全て満たすもの 1 代表者の定めがあること 2 団体としての意思決定の方法 事務処理及び会計処理の方法 並びに責任者等を明確にした規約その他の規定が定められていること (2) 関係市町村との協議体制を構築してい

道路規制情報登録システム 平成 25 年 5 月 13 日 GIS 大縮尺空間データ官民共有化推進協議会 支援グループ

大津市避難所運営マニュアル

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2 被害量と対策効果 < 死者 負傷者 > 過去の地震を考慮した最大クラス あらゆる可能性を考慮した最大クラス 対策前 対策後 対策前 対策後 死者数約 1,400 人約 100 人約 6,700 人約 1,500 人 重傷者数約 600 人約 400 人約 3,000 人約 1,400 人 軽傷者

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3.[ トップ画面 ] データ放送連携トップ画面 トップ画面には ゆめネットデータ放送と連携した情報が表示されます " メニュー部分を左右に移動させると様々な情報メニューが表示されます " 情報メニューをタップすると内容が表示されます " データ放送以外の情報は 下部のタブメニューをタップすると他の

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電子国土Webシステムの概要

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地震発生後の九州地方整備局の活動 4 月 16 日の夜明け 本震の後に再度調査を実施しておりま す その際は 道路崩壊の調査 土砂崩壊の箇所の調査 被 災地に入るための安全ルートの確認等を実施しております 次に九州地方整備局の活動について紹介させていただき ます まず最初に地震発生後の初動体制につい

国会、裁判所、会計検査院、内閣、内閣府、復興庁、総務省、法務省、外務省、財務省、文部科学省、厚生労働省、農林水産省、経済産業省、国土交通省、環境省及び防衛省所管      東日本大震災復興特別会計歳入歳出予定額各目明細書

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ハザードマップポータルサイト広報用資料

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平成18年度標準調査票

防災科学技術研究所主要災害調査第52号;大分県災害対策本部における情報支援活動;Information Support Activities at Oita Prefecture Disaster Headquarters

災害時に必要な物資の備蓄に関する行政評価・監視<中間報告>

重ねるハザードマップ 大雨が降ったときに危険な場所を知る 浸水のおそれがある場所 土砂災害の危険がある場所 通行止めになるおそれがある道路 が 1 つの地図上で 分かります 土石流による道路寸断のイメージ 事前通行規制区間のイメージ 道路冠水想定箇所のイメージ 浸水のイメージ 洪水時に浸水のおそれが

佐賀県の地震活動概況 (2018 年 12 月 ) ( 1 / 10) 平成 31 年 1 月 15 日佐賀地方気象台 12 月の地震活動概況 12 月に佐賀県内で震度 1 以上を観測した地震は1 回でした (11 月はなし ) 福岡県 佐賀県 長崎県 熊本県 図 1 震央分布図 (2018 年 1

1 首都直下地震の概要想定震度分布 (23 区を中心として震度 6 強の想定 ) 首都直下地震 想定震度分布 出典 : 中央防災会議首都直下地震対策検討ワーキンググループ 首都直下地震の被害想定と対策について ( 最終報告 ) ( 平成 25 年 12 月 ) 2

2-1. システム概要 2-2. システムの設計 SNS Twitter Web-GIS 推薦システム スマートグラスを統合 平常時は観光回遊行動支援 災害時は避難行動支援 情報の蓄積 共有 推薦とナビゲーションを可能にする 有用性 時間的制約の緩和 スマートグラスの統合 動的 リアルタイム性 SN

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(2)【講義】

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2 物的支援の実施について 物資については 各避難所への搬送などの課題が指摘されているが 被災自治体には地震発生直後から国や周辺自治体等による物資供給が行われていたため 都など他地域への支援要請は限定的であった こうした状況にあって 都は 区市町村等関係機関との緊密な連携により被災地からの要請に基づ

スライド 1

平成 30 年 7 月豪雨に係る初動対応検証レポート 平成 30 年 11 月 平成 30 年 7 月豪雨に係る初動対応検証チーム

新潟中越地震における行政機関の初動対応.doc

Transcription:

2016.4.24 平成 28 年 (2016 年 ) 熊本地震 緊急報告会 ~ 防災科学技術研究所この 1 週間の取り組み ~ 情報集約 共有による災害対応支援 国立研究開発法人防災科学技術研究所総合防災情報センター臼田裕一郎 1 総合防災情報センターの 1 週間 1. 災害対応のための情報を迅速に集約 提供» 防災科研クライシスレスポンス (NIED-CRS)» 災害対応機関向け限定公開サイト 2. 各機関間での情報共有を仲介» SIP4 防災情報共有システム 3. 災害対応を支援する情報の作成 提供» インフォメーションプロダクツ構築チーム 4. 現地災害対策本部でのニーズ把握と情報提供» 防災科研 災害対応支援リエゾン 今回の取り組みは総合防災情報センターのみならず 社会防災システム研究部門及びレジリエント防災 減災研究推進センターを中心に 所内一体となって対応しています 2

1. 災害対応のための情報を迅速に集約 提供 防災科研クライシスレスポンス (NIED-CRS) 3 防災科研クライシスレスポンス サイトの構築 公開 (4/14 23:31~) 防災科研による調査速報を発信するとともに この災害に関して Web 上で公開されている各種災害情報を網羅的に集約 整理するサイトを構築 公開 http://ecom-plat.jp/nied-cr/group.php?gid=10153 自然災害情報室熊本地震 で検索 4

トピックス的な内容をページ上部に表現 5 防災科研からの情報提供 6

国 省庁 自治体 NPO 等各種組織からの情報 7 情報量の推移 アクセス数 :79,317(4/24 8:30 時点 ) 第 1 報 (4/14 23:31) 第 9 報 (4/16 15:57) 第 10 報 (4/16 19:23) 第 17 報 (4/22 14:58) 収集 集約から整理のフェーズへ それでも増えていく情報 8

災害対応支援地図に掲載している情報 1 暫定版 SIP 地震被害推定システム 推定全壊棟数分布 (2016/04/16 01:25 頃地震 ) の情報を重ね合わせた地図 9 災害対応支援地図に掲載している情報 2 熊本県庁提供の道路交通規制状況の情報をもとに 防災科研が作成 10

災害対応支援地図に掲載している情報③ 国土地理院など 各種災害対応機関が公開している情報 被災地の空中 写真など も地図上で表示可能 11 災害対応機関向け限定サイトでの情報提供 アクセス集中回避と 未確定でも対応に役立つと思われる情報を災害対応 機関向け限定で迅速に提供 提供先 熊本県災害対策本部 南西レスキュー関係者 国交省 総務省 防衛省 厚労省 日本赤十字 DMAT関係者 画面は過去のもの 現在この図は一般公開 掲載データ 病院状況マップ 避難所状況マップ 等 12

2. 各機関間での情報共有を仲介 SIP4 防災情報共有システム 13 SIP( 戦略的イノベーション創造プログラム ) について 総合科学技術 イノベーション会議の司令塔機能強化の 3 本の矢 (1) 政府全体の科学技術関係予算の戦略的策定 (2)SIP ( 戦略的イノベーション創造プログラム ) SIP( 戦略的イノベーション創造プログラム ) (3) 革新的研究開発推進プログラム (ImPACT) 総合科学技術 イノベーション会議 (CSTI) が府省 分野の枠を超えて自ら予算配分して 基礎研究から出口 ( 実用化 事業化 ) までを見据え 規制 制度改革を含めた取組を推進 <SIPの特徴 > 社会的に不可欠で 日本の経済 産業競争力にとって重要な課題 (10 件 ) をCSTIが選定 府省 分野横断的な取組み 基礎研究から実用化 事業化までを見据えて一気通貫で研究開発を推進 規制 制度 特区 政府調達なども活用 国際標準化も意識 企業が研究成果を戦略的に活用しやすい知財システム < 実施体制 > 課題ごとにPD( プログラムディレクター ) を選定 PDは関係府省の縦割りを打破し 府省を横断する視点からプログラムを推進 ガバニングボード ( 構成員 : 総合科学技術 イノベーション会 ( 内閣府資料より作成 ) 議有識者議員 ) が評価 助言を行う

府省庁連携防災情報共有システム集約 自動変換処 SIP 防災 4 情報共有 利活用 の狙い B 省 各組織からの情報の自動入力 集約 データの統合処理 加工 各組織が利活用しやすい形式への自動変換出力 等 D 庁 観測 予測データをリアルタイム提供 D 庁のデータをトリガにリアルタイム被害推定処理を行い 結果を共有 自動変換 自動変換 - A 府 加工例 : 共通状況図 - - 通行不可 自動変換 + - 派遣可能ルート 各省庁 自治体から入っている被害状況を俯瞰的に全体把握 受け入れ不可 + 受け入れ不可 + 受け入れ可府省庁連携防災情報共有システム 自動変換 自動変換 地方公共団体 関係機関等 自動変換 共有情報に基づく避難情報発令 被害確定情報の入力 情報共有に基づく利活用技術 被害推定情報等を参考に 災害派遣医療チームの派遣を判断 E 省 C 省 派遣チームからの現場情報を集約 自動入力処理 観測 予測 被害推定情報をトリガに ため池決壊予測 氾濫域推定を行い 結果を共有 15 国 交通省 DiMAPS 港湾 鉄道施設被害情報国 交通省地理院地図正射画像気象業務 援センター 1kmメッシュ解析雨量 SIP 防災 5 被害推定システム地震被害推定 間企業等通行実績 SIP 防災 4 提供 自動変換処理熊本地震における災害情報共有フロー理熊本県 防災科研インフォメーションプロダクツ構築チーム 道路規制 避難所 防災科研災害対応支援リエゾン 厚 労働省 SIP 防災 4 災害時保険医療活動 援システム ( 構築中 ) 農林 産省 SIP 防災 4 ため池防災 援システム ( 構築中 ) 国 地理院 ( 現地災害対策本部で地図 援 ) 防災科研クライシスレスポンス 災害対応機関向け限定サイト 16

3. 災害対応を支援する情報の作成 提供 インフォメーションプロダクツ構築チーム 17 災害対応に役立つ情報を作り出す 1. 被害の概況を把握するための情報» リアルタイム被害推定情報» 利活用機関 DMAT 自衛隊 消防 2. 現場に向かう手段を把握するために必要な情報» 道路通行可否情報» 利活用機関 DMAT 自衛隊 物資輸送や救援 救助 支援関係 3. 被災者にどういう支援が必要かを把握するための情報» 避難所状況情報» 利活用機関 DPAT 保健士 通信業者 ボランティア 18

1 道路規制状況図の作成フロー 1. 熊本県道路都市局より 交通規制地点情報一覧表 と 交通規制箇所図 を提供 2. これをもとに 防災科研インフォメーションプロダクツ構築チームが電子地図化し クライシスレスポンスサイトより公開 3. 一日 2 回程度の更新頻度で常に最新の情報を提供 道路交通規制情報一覧表 道路交通規制箇所図 反映 災害対応支援地図 19 道路交通規制状況図の作成 道路交通規制情報一覧表 赤い記述部分が変更点 20

道路交通規制状況の作成 交通規制箇所図 21 道路交通規制状況の作成 変更点がある道路規制情報を地図上で更新 22

熊本県道路交通規制情報 熊本県庁提供の道路交通規制状況の情報をもとに 防災科研が作成 23 大分県道路交通規制情報 4/22 大分県提供の道路交通規制情報を災害対応支援地図 限定公開版含む で公開 24

2 避難所状況情報作成のフロー (4/21) 25 避難所情報の入力フォーマット (4/18 時点 ) 各市区町村向けに避難所情報を集約するフォーマットを作成» まずは必要情報だけを集約できるようなかたちで表現 避難所情報は国土数値情報より作成 開設している避難所が不明である 現在フォローしている避難所以外にも避難者がいる避難所があるので 確認を行いたい 調べる情報は避難者数と停電 断水 都市ガスの状況のみとし その他必要な情報は要望等に記入 26

避難所情報の集約における問題点 各自が集めた避難所情報に共通するフィールド項目がない 避難所情報を単純に突合することが困難 (= 集約化できない ) 国土数値情報より作成した避難所情報 熊本県庁で集約した避難所情報 ( 健康福祉課 ) DMAT が収集した情報から作成した EMIS の避難所情報 熊本市で集約した避難所情報 27 避難所情報の項目別比較にみる集約の困難さ データ数約 2,000 避難所名称 国土数値情報厚労省 EMIS 熊本県集約熊本市 約 600 (4/18) ( 調査分のみ ) 住所 開設状況 ( 調査分のみ ) 約 400 (4/19) ( 開設把握分 ) ( 一部なし ) ( 開設把握分 ) データ数や避難所名称がバラバラで 単純に情報を合わせることができない 住所情報も記入がないなど 場所の把握ができない すべての避難所情報を 1 つに集約して把握することは困難 共通の ID となるフィールド情報の必要性 ( 標準化 ) 約 260 (5 区合計 ) ( 開設把握分 ) ( 区で異なる ) ( 開設把握分 ) 避難者数 位置情報 ( 座標 ) 32

政府の現地災害対策本部にて掲示 (4/22) 35 4. 現地災害対策本部でのニーズ把握と情報提供 防災科研 災害対応支援リエゾン 36

熊本県災害対策本部の様子 (4/15) 37 熊本県災害対策本部会議の様子 (4/22) 38

政府現地災害対策本部の様子 (4/22) 39 益城町災害対策本部の様子 (4/17) 役場 自衛隊 警察 消防などの連携 40

防災科研災害対応支援リエゾンの役割 現地の災害対策本部でのニーズを察知し 情報集約や地図作成等を支援 41 政府現地対策本部関係者への説明 (4/20) 避難所分布や避難者数を示した地図を使いながら説明 42

政府現地対策本部 定例会議での発言 (4/22) 43 市災害対応担当者への説明 ( 阿蘇市 ) 44

総合防災情報センター 1 週間のまとめ 45 成果と課題 できたこと» 迅速な情報集約 発信 (NIED-CRS)» 迅速な組織間情報共有仲介 (SIP4 情報共有システム )» 各機関の活動に必要な情報プロダクトの作成 発信» 迅速なリエゾン派遣 (4/15~, 延べ13 名 ) 困難だったこと» 情報公開に必要なライセンス処理 内部利用のみ 閲覧のみ など 情報によって違いが発生» ビッグデータ 参加型情報の集約処理 公式情報の補完として定量的に活用したかったが» 新たな負荷発生の抑制 情報集約のための突合処理 ( あらかじめ標準化されていれば ) 国や県との調整 市町村との連携 必要性への理解 46

今後の計画 この災害の中でやるべきこと» 重複活動を防ぎ全体効率を上げる基盤情報の整備と提供 現在は 避難所情報に集中 ID 名称 位置情報の統一化 利活用機関での情報更新と集約の超効率化 情報共有の必要性への認知向上» 災害対応 復旧復興に有効なインフォメーションプロダクツ 次の災害までにやるべきこと» 各分野における作業手順の標準化 SOP: Standard Operating Procedure» 共有するべき情報とその項目の標準化 COP: Common Operational Picture» まず 防災科研から! 例 :NIED-CRS もあらかじめ構造化しておき 常に発信準備がされた状態で待機し いざ災害時には即時に発信 更新 47