Multiplex PCR Assay Kit Ver. 2

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手順 ) 1) プライマーの設計 発注変異導入部位がプライマーのほぼ中央になるようにする 可能であれば 制限酵素サイトができるようにすると確認が容易になる プライマーは 25-45mer で TM 値が 78 以上になるようにする Tm= (%GC)-675/N-%mismatch

DNA シークエンス解析受託サービスを効率よく利用して頂くために シークエンス解析は お持ち頂くサンプルの DNA テンプレートの精製度 量 性質によ って得られる結果が大きく左右されます サンプルを提出しても望み通りの結果が返っ てこない場合は 以下の点についてご検討下さい ( 基本編 ) 1.

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Transcription:

研究用 Multiplex PCR Assay Kit Ver. 2 説明書 v201510da

マルチプレックス PCR は 一つの PCR 反応系に複数のプライマー対を同時に使用することで 複数の遺伝子領域を同時に増幅する方法です マルチプレックス PCR を行うことで 試薬や機材の節約による経済性 同時検出による迅速性でのメリットに加え 貴重なサンプルの有効利用も可能です 本キットは高速にプライミングする酵素とプライマーのアニーリングの特異性を極限まで高めた反応液組成とを組み合わせたマルチプレックス PCR 用キットです 従来のマルチプレックス酵素に比べ より短時間に特異的かつ配列による増幅バイアスの少ない PCR 増幅を実現します また 酵素量 反応時間を調整することで 200 プライマーペア程度のマルチプレックス PCR も可能です マルチプレックス PCR 以外にも extra band やスメアが多数出現し 目的の増幅フラグメントを得にくいプライマー対を用いるシングル PCR においても 本キットを使用することで extra band やスメアを低減し 目的の増幅断片をより短時間かつ特異的に増幅できます I. 内容 (100 反応分 ;50 μl 反応系 ) 2 Multiplex PCR Buffer(Mg 2+, dntp plus) 1.25 ml 2 Multiplex PCR Enzyme Mix 25 μl : 反応に必要なバッファー dntp Mixture が含まれています (Mg 2+ 濃度は最終濃度 2 mm) II. 保存 - 20 III. 操作上の注意 本キットを使用する場合の注意事項です 使用前に必ずお読みください (1)PCR の際に調製する反応液は Master mix(2 Multiplex PCR Buffer(Mg 2+, dntp plus) Multiplex PCR Enzyme Mix 滅菌水などの混合液 ) を数回 ~ 10 回分くらいまとめて調製すると便利です Master mix を作ることにより ピペッティングによるロスや 試薬の分注 攪拌回数が少なくなり 正確な試薬の分注をおこなうことができます その結果 実験間のデータのバラツキも防げます (2)2 Multiplex PCR Buffer(Mg 2+, dntp plus) Multiplex PCR Enzyme Mix の攪拌は泡立てないようにゆるやかに行ってください ボルテックスによる攪拌は避けてください また ピペッティングの前に試薬を軽く遠心してチューブの底に落としてください Multiplex PCR Enzyme Mix は 50% グリセロール溶液で粘度が高いので 注意深くゆっくりとピペッティングを行ってください (3)2 Multiplex PCR Buffer(Mg 2+, dntp plus) Multiplex PCR Enzyme Mix は使用直前まで - 20 で保存し 使用後は直ちに - 20 に保存してください (4) 試薬の分注を行うときは 必ず新しいディスポーザブルチップを用い サンプル間のコンタミネーションを極力防止してください (5) 本説明書中に記載されている PCR 条件は TaKaRa PCR Thermal Cycler Dice を用いた場合のものです 他の遺伝子増幅装置を使用される場合は至適 PCR 条件が変わる可能性があります IV. マルチプレックス PCR 用プライマーの設計方法 各プライマーの Tm 値の差をできるだけ小さくする ターゲットの長さが 2 kb 以下になるようにする 22 ~ 30 mer のプライマー長で GC 含量が 50 ~ 60% となるようにし 部分的に GC あるいは AT リッチにならないようにする あらかじめターゲット毎に反応を行い 非特異的な反応の有無 および反応性を確認しておく 2

V. 操作 V-1. マルチプレックス PCR (1) 以下の反応液を 0.2 ml 反応チューブに調製する 使用量 2 Multiplex PCR Buffer(Mg 2+, dntp plus) 25 μl Primer mix 1 適宜 Multiplex PCR Enzyme Mix 0.25 μl template DNA 適宜 dh2o up to 50 μl 1: 各プライマーは 通常それぞれが最終濃度 0.2 μm となるように加えてください 反応によっては使用量を変化させることで結果が改善されることがあります プライマーの Tm 値が 55 以上になるように設定してください (Tm 値は下記の Tm 近似計算式で計算 ) Tm 値 = 4 (G C の数 )+ 2 (A T の数 )+ 35-2 ( 総塩基数 ) 注 )Nearest Neighbor 法を用いた Tm 値を利用する場合は プライマーの Tm 値が 60 より高くなるように設定してください (2)Thermal Cycler にセットし 以下の反応条件で反応を行う プライマー数 10 ペア以下 増幅鎖長 2 kb までの反応条件 57 ~ 60 30 ~ 60 sec. 72 30 ~ 60 sec. 25 ~ 40 cycles プライマー数 10 ペアを超える場合の反応条件 60 1 ~ 10 min. 2 15 ~ 30 cycles 2: 伸長時間は 使用するプライマーの数や反応性により異なります プライマー 200 ペア使用した場合 4 分を目安に設定してください (3) 反応後 反応液の一部を電気泳動などで解析する 1 kb までのマルチプレックス PCR の場合 3 ~ 4% アガロースゲルを使用すると それぞれの増幅産物を分離良く泳動することができる 3

V-2.PCR の特異性を上げたい場合 ( プライマー 1 対を使用 ) (1) 以下の反応液を 0.2 ml 反応チューブに調製する 使用量 2 Multiplex PCR Buffer(Mg 2+, dntp plus) 25 μl Primer 1(20 pmol/μl) 0.5 μl Primer 2(20 pmol/μl) 0.5 μl Multiplex PCR Enzyme Mix 0.25 μl template DNA 適宜 dh2o up to 50 μl (2)Thermal Cycler にセットし 以下の反応条件で反応を行う 55 ~ 60 10 ~ 15 sec. 72 30 sec./kb あるいは 65 30 sec/kb 30 ~ 40 cycles 30 ~ 40 cycles : アニーリングの時間は短めに設定してください (3) 反応後 反応液の一部を電気泳動などで解析する VI. 実施例 (1) マルチプレックス PCR 反応例 -1 ヒトゲノム DNA を鋳型とする 10 対のプライマー ( 増幅サイズ :122 bp 201 bp 247 bp 353 bp 395 bp 449 bp 548 bp 801 bp 955 bp 1,068 bp) を用いてマルチプレックス PCR を行った 50 μl 反応系に鋳型とする 50 ng のヒトゲノム DNA を添加し 各プライマーは最終濃度 0.2 μm で使用した < PCR 反応条件 > 57 30 sec. 72 30 sec. 30 cycles 4

< 結果 > M T K M :100 bp DNA ladder( 製品コード 3407A/B) T :Multiplex PCR Assay Kit Ver. 2 K :K 社 Multiplex 用試薬 (K 社試薬は推奨条件で反応 ) Multiplex PCR Assay Kit Ver. 2 が 10 種のターゲットを特異的に増幅しているのに対して K 社 Multiplex 用試薬は非特異的増幅および Primer dimer を生じる : 非特異的増幅 (2) マルチプレックス PCR 反応例 -2 GC リッチ増幅領域を含むヒトゲノム DNA を鋳型とする 10 対のプライマー ( 増幅サイズ :155 bp 201 bp 247 bp 353 bp 449 bp 604 bp 780 bp 1,068 bp 1,321 bp 1,967 bp ) を用いてマルチプレックス PCR を行った 50 μl 反応系に鋳型とする 50 ng のヒトゲノム DNA を添加し 各プライマーは最終濃度 0.2 μm で使用した :GC 含量 65% 以上のターゲット < PCR 条件 > 57 30 sec. 72 60 sec. 30 cycles < 結果 > M T K M :100 bp DNA ladder T :Multiplex PCR Assay Kit Ver. 2 K :K 社 Multiplex 用試薬 (K 社試薬は推奨条件で反応 ) Multiplex PCR Assay Kit Ver. 2 が 10 種のターゲットを特異的に増幅しているのに対して K 社 Multiplex 用試薬は非特異的増幅および Primer dimer を生じる : 非特異的増幅 5

(3) マルチプレックス PCR 反応例 -3 Ion AmpliSeq Cancer Hotspot Panel v2(life Technologies 製品コード 4475346) (207 primer pairs) を使用し Multiplex PCR Assay Kit Ver. 2 を用いて 20 ng のヒトゲノム DNA を鋳型に Multiplex PCR を実施した この時に Multiplex PCR Enzyme Mix は通常の 1.5 倍量 (0.15 μl/20 μl reaction) 使用した L 社試薬は推奨条件で反応した < PCR 条件 > 60 4 min. 17 cycles Multiplex PCR 後 任意の 16 種の遺伝子に対して設計したリアルタイム PCR 用プライマーを用いて ヒトゲノム DNA を鋳型にリアルタイム PCR により定量したもの (PC) と Multiplex PCR した増幅産物を鋳型にリアルタイム PCR により定量したものを比較した < 結果 > :ND は検出限界以下を示す Multiplex PCR Assay Kit Ver. 2 の増幅産物を用いた反応は 16 種すべてのターゲットに対して増幅しており L 社 Multiplex 試薬の増幅産物を用いた場合と比較して バイアスの少ない増幅が確認できた 6

VII. 至適パラメーターの設定 < マルチプレックス PCR の場合 > アニーリング温度は 1 刻みで適切な温度を検討する アニーリングの時間は 30 秒を基本とするが 反応機種により反応時間の差が生じるため ramp speed の早い高速機器を用いる場合は アニーリングの時間 60 秒を試みることにより改善される場合がある プライマー数 10 ペア以下のマルチプレックス PCR の場合は 伸長時間 30 sec./kb を基本とするが 反応機種により反応時間の差が生じるため ramp speed の早い高速機器を用いる場合は 伸長時間 60 sec./kb を試みることにより改善される場合がある プライマー数 10 ペア以上のマルチプレックス PCR の場合は 酵素 (Multiplex PCR Enzyme Mix) の量を増やすと改善される場合がある < PCR の特異性を上げたい場合 >( プライマー 1 対を使用 ) アニーリング温度は 1 刻みで適切な温度を検討する 3 step PCR で反応を行う場合 アニーリング時間はなるべく短くする ( 長くすると非特異的増幅が起こる場合がある ) VIII. トラブルシューティング (1) 増幅産物が少ない 見えない アニーリングの温度を下げる (1 刻みでの検証をお勧めします ) 鋳型量を増やす PCR のサイクル数を増やす プライマーの使用量を増やす 鋳型 DNA の純度を確認する ( 再調製を行う ) (2) 目的の増幅産物以外のバンドが得られた アニーリングの温度を上げる (1 刻みでの検証をお勧めします ) 鋳型量を少なくする PCR のサイクル数を減らす プライマーの使用量を少なくする cdna を鋳型とする場合 pseudogene( 偽遺伝子 ) の増幅がないかを確認する ( プライマーを再設計する ) PCR サイクル終了後に のステップを加える IX. 関連製品 TaKaRa PCR Thermal Cycler Dice Touch( 製品コード TP350) TaKaRa PCR Thermal Cycler Dice Gradient( 製品コード TP600) 0.2 ml Hi-Tube Dome Cap( 製品コード NJ200) 100 bp DNA Ladder( 製品コード 3407A/B) 7

X. 注意 本製品は 研究用試薬です ヒト 動物への医療 臨床診断には使用しないようご注意ください また 食品 化粧品 家庭用品等として使用しないでください タカラバイオの承認を得ずに製品の再販 譲渡 再販 譲渡のための改変 商用製品の製造に使用することは禁止されています ライセンスに関する情報は弊社ウェブカタログをご覧ください Thermal Cycler Dice はタカラバイオ株式会社の登録商標です その他 本説明書に記載されている会社名および商品名などは 各社の商号 または登録済みもしくは未登録の商標であり これらは各所有者に帰属します v201510da