Microsoft Word - 01_はじめに

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耐震等級 ( 構造躯体の倒壊等防止 ) について 改正の方向性を検討する 現在の評価方法基準では 1 仕様規定 2 構造計算 3 耐震診断のいずれの基準にも適合することを要件としていること また現況や図書による仕様確認が難しいことから 評価が難しい場合が多い なお 評価方法基準には上記のほか 耐震等

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1 規定 共通 第 36 条の 2( 地階を除く階数が 4 以上である鉄骨造の建築物等に準ずる建築物 ) 第 36 条の 3( 構造設計の原則 自重 積載荷重 積雪 風圧 土圧及び水圧並びに地震に構造耐力上安全 ) 第 37 条 ( 構造部材の耐久 構造耐力上主要な部分で特に腐食 腐朽 ) 第 38

エ建替え後の建築物の絶対高さ制限を超える建築物の部分の水平投影面積の合計は 現に存する建築物又は現に建築の工事中の建築物の絶対高さ制限を超える建築物の部分の水平投影面積の合計を超えないこと オ建替え後の建築物の絶対高さ制限を超える建築物の部分の水平投影部分の形状は 現に存する建築物又は現に建築の工事

壁等の強さは 各階の張り間方向又はけた行方向につき 令第 46 条第 4 項表 1の軸組の種類の欄に掲げる区分に応じて倍率の欄に掲げる数値に 1.96 を乗じた数値 ( 別表第 2の軸組の種類の欄に掲げる軸組にあっては それぞれ同表の倍率の欄に掲げる数値とする )( 以下 壁強さ倍率 という ) に

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面する側にあっては2メートル以上 精華台みずき通り線に面する側及び精華大通り線に面する区域にあっては5メートル以上 精華台地区計画により別に定める側にあっては10 メートル以上後退しなければならない 3 前 2 項の規定は 守衛室その他これに類するもので 延べ面積が50 平方メートル以下かつ地階を除

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及びその周辺の地域における自然的条件 建築物の建築その他の土地利用の状況等を勘案し 集落の一体性を確保するために特に必要と認められるときは この限りでない (2) 区域内の主要な道路が 環境の保全上 災害の防止上 通行の安全上又は事業活動の効率上支障がないような規模及び構造で適当に配置されており か


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名前 第 1 日目 建築基準法 2 用途規制 1. 建築物の敷地が工業地域と工業専用地域にわたる場合において 当該敷地の過半が工業地域内であると きは 共同住宅を建築することができる 2. 第一種低層住居専用地域内においては 高等学校を建築することができるが 高等専門学校を建築する ことはできない

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[ 例 1] 敷地の分割例 1270 m2の敷地を 135 m2ずつに分割する場合 270 m2 135 m2 135 m m2の敷地を 140 m2と 130 m2に分割する場合 270 m2 140 m2 130 m2 2


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A-2

新旧対照表 (1/15)

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( 注意 ) 1. 各面共通関係数字は算用数字を 単位はメートル法を用いてください 2. 第一面関係 1 申請者又は設計者の氏名の記載を自署で行う場合においては 押印を省略することができます 2 印のある欄は記入しないでください 3. 第二面関係 1 建築主が 2 以上のときは 1 欄は代表となる建

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根拠条項 第 131 条の 2 第 3 項 壁面線の指定等がある場合の高さ制限の例外認定 法令の定め第 131 条の 2 3 前面道路の境界線若しくはその反対側の境界線からそれぞれ後退して壁面線の指定がある場合又は前面道路の境界線若しくはその反対側の境界線からそれぞれ 後退して法第 68 条の 2

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隣地境界線126 第 3 章消防用設備等の設置単位 さいたま市消防用設備等に関する審査基準 消防用設備等の設置単位消防用設備等の設置単位は 建築物 ( 屋根及び柱又は壁を有するものをいう 以下同じ ) である防火対象物については 特段の規定 ( 政令第 8 条 第 9 条 第 9 条の

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25 構造基準等の合理化関係

1. 鉄骨造及び鉄筋コンクリート造の建築物等の構造基準の合理化 (1) 鉄骨造等の小規模建築物等の構造耐力上主要な部分である鋼材の接合方法 ( 令第 67 条第 1 項 ) 改正の内容 主旨 鉄骨造の建築物又は建築物の構造部分における構造耐力上主要な部分である 鋼材の接合について 滑り挙動による影響の大きい大規模建築物 ( 延べ面積が3, 000 平方メートルを超える建築物又は軒の高さが9メートルを超え 若しくは張り間が13メートルを超える建築物 ) について義務付けられている高力ボルト接合等 は 滑り挙動が少なく ボルト接合と同等以上の効力を有する接合方法であることから これ以外の建築物についても高力ボルト接合等とすることができることとする なお 令第 79 条の4の準用により 鉄骨鉄筋コンクリート造の建築物又は建築物の構造部分についても同様となる 高力ボルト接合 溶接接合 リベット接合 ( 構造耐力上主要な部分である継手又は仕口に係るリベット接合にあっては 添板リベット接合 )( 鋼材がステンレス鋼の場合を除く ) 及びこれらと同等以上の効力を有するものとして国土交通大臣の認定を受けた接合方法 (2) 鉄筋コンクリート造の建築物等の柱に取り付けるはりの引張り鉄筋の定着長さ ( 令第 73 条第 3 項 ) 改正の内容 主旨鉄筋コンクリート造の建築物又は建築物の構造部分における柱に取り付けるはりの引張り鉄筋について 国土交通大臣が定める基準 ( 告示 1 で規定 ) に従った構造計算によって 構造耐力上安全であること ( 柱はり接合部において コンクリートの破壊によりはりの引張り鉄筋が抜け出ることがないこと ) が確かめられた場合は 当該鉄筋の柱への定着長さがその径の40 倍 ( 軽量骨材を使用する鉄筋コンクリート造の場合は50 倍 ) 未満でもよいこととするものである なお 第 79 条の4の準用により 鉄骨鉄筋コンクリート造の建築物又は建築物の構造部分についても同様となる 27

1 鉄筋コンクリート造の柱に取り付けるはりの構造耐力上の安全性を確かめるた めの構造計算の基準を定める件 ( 平成 23 年国土交通省告示第 432 号 ) 建築基準法施行令 ( 昭和二十五年政令第三百三十八号 ) 第七十三条第三項ただ し書の規定に基づき 鉄筋コンクリート造の柱に取り付けるはりの構造耐力上の 安全性を確かめるための構造計算の基準を次のように定める 第一建築基準法施行令 ( 以下 令 という ) 第七十三条第三項ただし書に規定 する鉄筋コンクリート造の柱に取り付けるはりの安全性を確かめるための構造 計算の基準は 柱に取り付けるはりの引張り鉄筋が建築基準法 ( 昭和二十五年 法律第二百一号 ) 第三十七条第一号に該当する異形鉄筋のものである場合にお いては 次のとおりとする 一令第三章第八節第二款に規定する荷重及び外力によって当該柱に取り付け るはりに生ずる力を平成十九年国土交通省告示第五百九十四号第二の規定に 従って計算すること 二当該柱に取り付けるはりの はりが柱に取りつく部分の鉄筋の断面に生ず る短期の応力度を令第八十二条第二号の表に掲げる式によって計算すること 三当該応力度が次の式に適合することを確かめること k d l F / 4 9 この式において l k F 及び d は それぞれ次の数値を表すも のとする l 柱に取り付けるはりの引張り鉄筋の 柱に定着される部分の水平投影の長さ ( 単位ミリメートル ) k 一 五七 ( 軽量骨材を使用する鉄筋コンクリート造については一 九六 ) F 令第七十四条第一項第二号に定める設計基準強度 ( 単位一平方ミリメートルにつきニュートン ) 第二号の規定によって計算した短期の応力度 ( 当該応力度の数値が令 第九十条に定める短期に生ずる力に対する許容応力度の数値未満の場合 にあっては 当該許容応力度の数値とする )( 単位一平方ミリメート ルにつきニュートン ) d 柱に取り付けるはりの引張り鉄筋の径 ( 単位ミリメートル ) 第二特別な調査又は研究の結果に基づき当該柱に取り付けるはりの引張り鉄筋 の付着力を考慮して当該鉄筋の抜け出し及びコンクリートの破壊が生じないこ とが確かめられた場合においては 第一に定める基準によらないことができる 28

鉄筋コンクリート造の柱に取り付けるはりの構造耐力上の安全性を確かめるための構造計算の基準を定める件 ( 関係告示の制定 ) 告示制定の内容 主旨本告示では 鉄筋コンクリート造の柱はり接合部においてコンクリートの破壊によりはりの引張り鉄筋が抜け出ることがないよう 鉄筋コンクリート造の柱に取り付けるはりについて構造耐力上の安全性を確かめるための構造計算の基準を規定している 柱に取り付けるはりの 引張り鉄筋が柱に定着される部分の水平投影の長さを l と設計したはりについて 本告示第 1 号の規定に従った構造計算を行い 構造耐力上の安全性を確かめることができれば l を当該引張り鉄筋が柱に定着される部分の水平投影の長さとすることができることとする この場合 柱に取り付けるはりの引張り鉄筋は異形鉄筋 ( 法第 37 条第 2 号の国土交通大臣の認定を受けた鉄筋を除く ) に限る また 特別な調査又は研究の結果に基づき 柱に取り付けるはりの引張り鉄筋の付着力を考慮して当該鉄筋の抜け出し及びコンクリートの破壊が生じないことを検証した構造計算については 本告示第 2 号において 当該構造計算を令第 73 条第 3 項ただし書の規定に基づく鉄筋コンクリート造の柱に取り付けるはりの構造耐力上安全であることを確かめることができる構造計算として取り扱えることとする この場合 柱に取り付けるはりの引張り鉄筋は異形鉄筋に必ずしも限らない 該当する構造計算の基準としては 日本建築学会 鉄筋コンクリート構造計算規準 同解説 (2010) 17 条の基準等が考えられる (3) 鉄筋コンクリート造の建築物等の柱の小径 ( 令第 77 条第 5 号 ) 改正の内容 主旨鉄筋コンクリート造の建築物又は建築物の構造部分における構造耐力上主要な部分である柱について 国土交通大臣が定める基準 ( 告示 2 で規定 ) に従った構造計算によって構造耐力上安全であること ( 柱が座屈しないこと ) が確かめられた場合は 当該柱の小径がその構造耐力上主要な支点間の距離の15 分の1 未満でもよいこととするものである なお 第 79 条の4の準用により 鉄骨鉄筋コンクリート造の建築物又は建築物の構造部分についても同様となる 29

2 鉄筋コンクリート造の柱の構造耐力上の安全性を確かめるための構造計算の基準 を定める件 ( 平成 23 年国土交通省告示第 433 号 ) 建築基準法施行令 ( 昭和二十五年政令第三百三十八号 ) 第七十七条第五号ただし書の規定に基づき 鉄筋コンクリート造の柱の構造耐力上の安全性を確かめるための構造計算の基準を次のように定める 建築基準法施行令 ( 以下 令 という ) 第七十七条第五号ただし書に規定する鉄筋コンクリート造の柱の構造耐力上の安全性を確かめるための構造計算の基準は 次のとおりとする ただし 特別な調査又は研究の結果に基づき当該鉄筋コンクリート造の柱が座屈しないことが確かめられた場合にあっては この限りではない 一令第三章第八節第二款に規定する荷重及び外力によって当該柱に生ずる力を平成十九年国土交通省告示第五百九十四号第二の規定に従って計算すること 二当該柱の断面に生ずる長期及び短期の圧縮及び引張りの各応力度を令第八十二条第二号の表に掲げる式によって計算すること 三次の表の柱の小径をその構造耐力上主要な支点間の距離で除した数値の欄に掲げる区分に応じて 前号の規定によって計算した長期及び短期の圧縮及び引張りの各応力度に同表の割増係数の欄に掲げる数値を乗じて 長期及び短期の圧縮及び引張りの各設計用応力度を計算すること 柱の小径をその構造耐力上主要な支点間の距離で除した数値割増係数十五分の一一 二十分の一一 二五二十五分の一一 七五この表に掲げる柱の小径をその構造耐力上主要な支点間の距離で除した数値以外の柱の小径をその構造耐力上主要な支点間の距離で除した数値に応じた割増係数は 表に掲げる数値をそれぞれ直線的に補間した数値とする 四前号の規定によって計算した長期及び短期の圧縮及び引張りの各設計用応力度が それぞれ令第三章第八節第三款の規定による長期に生ずる力又は短期に生ずる力に対する圧縮及び引張りの各許容応力度を超えないことを確かめること 30

鉄筋コンクリート造の柱の構造耐力上の安全性を確かめるための構造計算の基準を定める件 ( 関係告示の制定 ) 告示制定の内容 主旨本告示では 鉄筋コンクリート造の柱が座屈しないよう 鉄筋コンクリート造の柱について構造耐力上の安全性を確かめるための構造計算の基準を規定している 柱の小径を a と設計した柱について 本告示第 1 号から第 4 号の規定に従い 柱に生ずる曲げモーメント及び軸方向力に割増係数を乗じて構造計算を行うことで当該柱が座屈しないよう構造耐力上の安全性を確かめることができれば a を柱の小径とすることができることとする 本告示第 3 号で規定する割増係数については 柱の小径をその構造耐力上主要な支点間の距離で除した数値が25 分の1 未満である場合については規定していない なお 軽量骨材を使用する鉄筋コンクリート造の柱については 本告示に規定する構造計算を行う際 安全上余裕をもった割増係数を設定することが望ましいと考えられる また 特別な調査又は研究の結果に基づき柱が座屈しないことを検証することができる構造計算については 本告示において当該構造計算を令第 77 条第 5 号ただし書の規定に基づく鉄筋コンクリート造の柱の構造耐力上安全であることを確かめることができる構造計算として取り扱えることとする 該当する構造計算の基準としては 日本建築学会 鉄筋コンクリート構造計算基準 同解説 (2010) 14 条の基準等が考えられる 31

2. 構造計算適合性判定制度関連技術検討委員会の検討結果を踏まえた合理化 (1)Exp.J 等で接続された複数の部分で構成される建築物の構造計算ルートの合理化 ( 平成 19 年国土交通省告示第 593 号 ) 改正の内容 主旨ルート1の構造計算 ( 令第 81 条第 3 項に規定する構造計算 ) を行えば安全性が確保できる複数の部分がエキスパンションジョイントその他の相互に応力を伝えない構造方法 ( 以下 Exp.J 等 という ) のみで接続されている建築物については 建築物全体の構造安全性の確認もルート1の構造計算でよいこととする この場合 当該建築物は構造計算適合性判定の対象とはならない ただし 令第 36 条の2に掲げる建築物に該当する場合は 今回の措置の対象に当てはまらない 具体的には ルート1の構造計算でよいこととする Exp.J 等のみで接続されている建築物は以下の通りであり これらの建築物は構造計算適合性判定の対象とならない ルート1の構造計算でよいこととする Exp.J 等のみで接続されている建築物 1 木造の建築物の部分が Exp.J 等で複数接続されている建築物であって それぞれの部分のいずれもがルート 1の構造計算を行えば安全性が確保できるもの ルート1の構造計算を行えば安全性が確保できる建築物の部分 木造: 高さが13m 以下で かつ 軒の高さが9m 以下であるもの 2 組積造の建築物の部分が Exp.J 等で複数接続されている建築物であって それぞれの部分のいずれもがルート1の構造計算を行えば安全性が確保できるもの ルート1の構造計算を行えば安全性が確保できる建築物の部分 組積造: 地階を除く階数が3 以下であるもの 3 補強コンクリートブロック造の建築物の部分が Exp.J 等で複数接続されている建築物であって それぞれの部分のいずれもがルート1の構造計算を行えば安全性が確保できるもの 32

ルート 1 の構造計算を行えば安全性が確保できる建築物の部分 補強コンクリートブロック造 : 地階を除く階数が 3 以下であるもの 4 鉄骨造の建築物の部分が Exp.J 等で複数接続されている建築物であって それぞれの部分のいずれもがルート1の構造計算を行えば安全性が確保できるもの ルート1の構造計算を行えば安全性が確保できる建築物の部分 鉄骨造: 地階を除く階数が3 以下 高さが13m 以下及び軒の高さが9 m 以下であるものであって 平成 19 年国土交通省告示第 593 号 ( 以下 593 告示 という ) 第 1 号イからハまでのいずれか ( 薄板軽量形鋼造の建築物及び屋上を自動車の駐車その他これに類する積載荷重の大きな用途に供する建築物にあっては イ又はハ ) に該当するもの 5 鉄筋コンクリート造 鉄骨鉄筋コンクリート造又はこれらの構造を併用する構造の建築物の部分が Exp.J 等で複数接続されている建築物であって それぞれの部分のいずれもがルート 1の構造計算を行えば安全性が確保できるもの ルート1の構造計算を行えば安全性が確保できる建築物の部分 鉄筋コンクリート造等: 高さが20m 以下で かつ 593 告示第 2 号イ又はロに該当するもの ( 壁式ラーメン鉄筋コンクリート造 壁式鉄筋コンクリート造及び鉄筋コンクリート組積造を除く ) 6 以下 に掲げる構造のいずれかに該当する建築物の部分が Exp.J 等で複数接続されている建築物であって それぞれの部分のいずれもがルート1の構造計算を行えば安全性が確保できるもの (1~5に該当する建築物を除く ) 木造 組積造 補強コンクリートブロック造 鉄骨造 鉄筋コンクリート造 鉄骨鉄筋コンクリート造 木造 組積造 補強コンクリートブロック造及び鉄骨造のうち2 以上の構造を併用する構造 木造 組積造 補強コンクリートブロック造及び鉄骨造のうち1 以上の構造と鉄筋コンクリート造又は鉄骨鉄筋コンクリート造とを併用する構造 例 ) 木造の部分と 鉄筋コンクリート造の部分を Exp.J 等で接続した建築物 鉄骨造の部分と 鉄骨鉄筋コンクリート造の部分を Exp.J 等で接続した建築物 木造の部分と 木造と鉄筋コンクリート造を併用する構造の部分を Exp.J 33

等で接続した建築物 木造と鉄骨造の混構造の部分と 木造と鉄筋コンクリート造を併用する構造の部分を Exp.J 等で接続した建築物等 ルート1の構造計算を行えば安全性が確保できる建築物の部分 木造: 高さが13m 以下で かつ 軒の高さが9m 以下であるもの 組積造 補強コンクリートブロック造: 地階を除く階数が3 以下 高さが 13m 以下及び軒の高さが9m 以下であるもの 鉄骨造: 地階を除く階数が3 以下 高さが13m 以下及び軒の高さが9m 以下であるものであって 593 告示第 1 号イからハまでのいずれか ( 薄板軽量形鋼造の建築物及び屋上を自動車の駐車その他これに類する積載荷重の大きな用途に供する建築物にあっては イ又はハ ) に該当するもの 鉄筋コンクリート造等: 高さが13m 以下であるもので かつ 593 告示第 2 号イ又はロに該当するもの ( 壁式ラーメン鉄筋コンクリート造 壁式鉄筋コンクリート造及び鉄筋コンクリート組積造を除く ) 上記構造を併用した構造: 地階を除く階数が3 以下 高さが13m 以下 軒の高さが9m 以下及び延べ面積が500m2以内であるものであって 鉄骨造の部分がある場合 593 告示第 1 号イ (1) (3) 及び (4) に該当し 鉄筋コンクリート造等の部分がある場合 593 告示第 2 号イに適合するもの 木造と鉄筋コンクリート造の立体的混構造(ⅰ): 地階を除く階数が3 以下 (1 階が鉄筋コンクリート造で2 階以上が木造 又は2 階までが鉄筋コンクリート造で3 階が木造の構造に限る ) 高さが13m 以下 軒の高さが9m 以下及び延べ面積が500m2以内であるものであって 593 告示第 4 号イ (4)~(9) に該当するもの (p.37(3) 参照 ) 木造と鉄筋コンクリート造の立体的混構造(ⅱ): 地階を除く階数が2(1 階が鉄筋コンクリート造で2 階が木造 ) 高さが13m 以下 軒の高さが9 m 以下及び延べ面積が3,000m2以内であるものであって 593 告示第 4 号ロ (2) 及び (4) に該当するもの (p.37(3) 参照 ) 7 構造耐力上主要な部分である床版又は屋根版にデッキプレート版を用いた建築物であって 以下 に掲げる構造の建築物の部分が Exp.J 等で複数接続されている建築物であって それぞれの部分のいずれもがルート1の構造計算を行えば安全性が確保できるもの デッキプレート版を用いた部分以外の部分の構造 : 木造 組積造 補強コンクリートブロック造 鉄骨造 鉄筋コンクリート造 鉄骨鉄筋コンクリート造又はこれらを併用する構造 34

ルート 1 の構造計算を行えば安全性が確保できる建築物の部分 (6 と同じ ただし 593 告示第 1 号ハ及び第 2 号ロに係るものを除く ) 8 構造耐力上主要な部分である床版又は屋根版に軽量気泡コンクリートパネルを用いた建築物であって 以下 に掲げる構造の建築物の部分が Exp.J 等で複数接続されている建築物であって それぞれの部分のいずれもがルート1 の構造計算を行えば安全性が確保できるもの 軽量気泡コンクリートパネルを用いた部分以外の部分の構造 : 木造 鉄骨造又はこれらを併用する構造 ルート1の構造計算を行えば安全性が確保できる建築物の部分 木造: 地階を除く階数が3 以下 高さが13m 以下及び軒の高さが9m 以下であるもの 鉄骨造: 地階を除く階数が3 以下 高さが13m 以下及び軒の高さが9 m 以下であるものであって 593 告示第 1 号イ又はロ ( 薄板軽量形鋼造の建築物及び屋上を自動車の駐車その他これに類する積載荷重の大きな用途に供する建築物にあっては イ ) に該当するもの 上記構造を併用した構造: 地階を除く階数が3 以下 高さが13m 以下 軒の高さが9m 以下及び延べ面積が500m2以内であるものであって 鉄骨造の部分が593 告示第 1 号イ (1) (3) 及び (4) に該当するもの 9 屋根版にシステムトラスを用いた建築物であって 以下 に掲げる構造の建築物の部分が Exp.J 等で複数接続されている建築物であって それぞれの部分のいずれもがルート1の構造計算を行えば安全性が確保できるもの 屋根版以外の部分の構造 : 木造 組積造 補強コンクリートブロック造 鉄骨造 鉄筋コンクリート造 鉄骨鉄筋コンクリート造又はこれらを併用する構造 ルート1の構造計算を行えば安全性が確保できる建築物の部分 (6と同じ ただし 593 告示第 1 号ハ及び第 2 号ロに係るものを除く ) 10 膜構造の建築物の部分が Exp.J 等で複数接続されている建築物であって それぞれの部分のいずれもがルート1の構造計算を行えば安全性が確保できるもの ルート1の構造計算を行えば安全性が確保できる建築物の部分 膜構造(ⅰ): 平成 14 年国土交通省告示第 666 号第 1 第 2 項第 1 号ロ (1) から (3) に規定する構造方法に該当する骨組膜構造のものであっ 35

て 骨組の部分が6に掲げるルート1の構造計算を行えば安全性が確保できる建築物の部分に該当するもの ( ただし 593 告示第 1 号ハ及び第 2 号ロに係るものを除く ) 膜構造(ⅱ): 平成 14 年国土交通省告示第 666 号第 5 第 1 項各号及び第 2 膜構造(ⅱ): 平成 14 年国土交通省告示第 666 号第 5 第 1 項各号及び第 2 項から第 6 項まで ( 第 4 項を除く ) に規定する構造計算によって構造耐力上安全であることが確かめられたもの (p.36(2) 参照 ) (2) 膜構造の建築物又は建築物の構造部分の構造方法に関する安全上必要な技術的基準を定める等の件の改正 ( 平成 14 年国土交通省告示第 666 号第 5 平成 19 年国土交通省告示第 593 号第 8) 改正の内容 主旨膜構造の建築物について 地震時の短期に生ずる力が積雪時又は暴風時の短期に生ずる力に比べ小さい場合 地震に係る高度な構造計算 ( 保有水平耐力の検討等 ) が不要となり 令第 82 条各号及び第 82 条の4に規定する構造計算と同等以上に安全性を確かめることができる構造計算により安全性を確認することができるため この場合においては 当該膜構造の建築物をルート1の構造計算により安全性を確認することができる建築物と扱うこととする 本改正により 当該構造計算を行い安全性が確保できる膜構造建築物は 構造計算適合性判定の対象から外れることとなる なお 本改正は膜構造の建築物について 地震時の短期に生ずる力が積雪時又は暴風時の短期に生ずる力に比べ小さい場合に限り構造計算適合性判定の対象から除外するものである 膜構造とその他の構造を併用する建築物の取扱いについては従来通りとなっているため 注意が必要である ルート 2 又はルート 3 の膜構造建築物 ( 構造計算適合性判定の対象 ) 地震時の力 暴風時の力等の場合 地震力 風 ルート 2 又はルート 3 の高度な構造計算を実施 従来どおり構造計算適合性判定の対象 暴風時の力等 地震時の力の場合 風 従来はルート 2 以上として取り扱われていたが ルート 1 の取扱いとする 地震力 構造計算適合性判定の対象外 36

(3) 鉄筋コンクリート造と木造の混構造建築物の構造計算ルートの合理化 ( 平成 19 年国土交通省告示第 593 号第 4 号 ) 改正の内容 主旨独立部分としてはルート1の構造計算 ( 令第 81 条第 3 項に規定する構造計算 ) により安全性を確認することができる鉄筋コンクリート造と木造の構造を併用する建築物について 従来は1 階が鉄筋コンクリート造 2 階以上が木造 ( 階数は3 以下 ) であり 延べ床面積が500m2以下の建築物としていたが 1 階及び2 階が鉄筋コンクリート造 3 階が木造である建築物を追加することとする 合理化 1 また 1 階が鉄筋コンクリート造 2 階が木造である建築物について 木造部分に関し地震力を割り増して構造計算等を行った場合に 面積規定を緩和する 合理化 2 合理化 2の 地震力を割り増して構造計算を行うとは 具体的には令第 82 条第 1 号から第 3 号までに規定する許容応力度計算を行う際に 地震力の算定に当たっての標準せん断力係数に1.5 を乗じて計算することを示している ただし 特別な調査若しくは研究の結果に基づき当該建築物の振動特性を適切に考慮し 安全上支障のないことが確かめられた場合にあってはこの限りでない なお 本改正により 合理化 1 及び2に係る建築物については 構造計算適合性判定の対象から外れることとなる 平成 19 年国土交通省告示第 593 号第 4 号の混構造建築物 面積 500m2以下 規模の緩和 500m2超 3,000m2以下 階数 2 又は3 規模の制限 2 構造 高さ 軒の高さ 安全上必要な技術的基準 1 階 : 鉄筋コンクリート造 2 階以上 : 木造 高さ 13m 以下かつ軒の高さ 9m 以下 適用可能な構造の追加 1 2 階 : 鉄筋コンクリート造 3 階 : 木造 鉄筋コンクリート造 木造のうち2 層に渡る部分について剛性率を確認各階の層間変形角 偏心率の確認鉄筋コンクリート造の部分について 壁 柱量の確認 部材のせん断設計 塔状比の確認 木造の部分について 筋かいの応力割増の確認 筋かい接合部の十分な強度の確認 塔状比の確認 1 階 : 鉄筋コンクリート造 2 階 : 木造 同左 同左 同左 木造の部分について ( 同左 ) 筋かいの応力割増の確認 ( 同左 ) 筋かい接合部の十分な強度の確認 ( 同左 ) 塔状比の確認 地震力を割り増して構造計算等 : 合理化 1 : 合理化 2 37

3. その他の見直し (1) 大臣認定を受けた工作物についての仕様規定の一部適用除外 ( 令第 139 条 140 条 141 条 第 143 条及び第 147 条 ) 改正の内容 主旨 煙突 鉄筋コンクリート造の柱等 広告塔又は高架水槽等及び乗用エレベー ター又はエスカレーターについて 時刻歴応答計算によって安全性が確かめられたものとして国土交通大臣の認定を受けた場合には 建築物と同様に 耐久 性等関係規定以外の仕様規定に適合することを不要とするものである なお 併せて 第 147 条第 2 項 第 3 項及び第 4 項の改正により 仮設 ( 存続期間が2 年以内 ) の煙突 鉄筋コンクリート造の柱等及び広告塔又は高架水槽等についても同様となる 令第 36 条第 1 項に規定する 構造計算による安全性の確認の有無にかかわらず遵守しなければならない規定 (2) 鉄筋コンクリート造のルート1の構造計算をする場合の部材の靱性を確保するための計算方法の適正化 ( 平成 19 年国土交通省告示第 593 号第 2 号イ (2)) 改正の内容 主旨鉄筋コンクリート造及び鉄骨鉄筋コンクリート造の建築物については ルート1の構造計算 ( 令第 81 条第 3 項に規定する構造計算 ) を行う場合 部材の靱性を確保するため 部材のせん断力について割増計算を行い 建築基準法施行令 ( 昭和 25 年政令第 338 号 ) 第 82 条第 1 号から第 3 号に規定する構造計算を行い安全であることを確かめることとしていたが 部材の靱性を確保するため 部材のせん断力について割増計算を行い せん断破壊等によって構造耐力上支障のある急激な耐力の低下を生ずるおそれのないことが確かめることができればよいこととする 具体的には 柱及びはりのせん断設計として 柱及びはりに生ずるせん断力について割増計算を行った設計用せん断力が 日本建築学会 鉄筋コンクリート構造計算基準 同解説 (1999) 2)15 条の短期許容せん断耐力式等によって構造耐力上安全であることを確かめることが考えられる また 耐力壁のせ 38

ん断設計として 耐力壁に生ずるせん断力について割増計算を行った設計用せん断力が 日本建築学会 鉄筋コンクリート構造計算基準 同解説 (1999) 1 9 条の短期許容せん断耐力式によって構造耐力上安全であることを確かめることが考えられる (3) 建築物の地震に対する安全性を確かめるために必要な構造計算の基準を定める件の改正 ( 昭和 55 年建設省告示第 1791 号第 3 第 1 号ロ及び第 3 号ロ ) 改正の内容 主旨鉄筋コンクリート造及び鉄骨鉄筋コンクリート造の建築物については ルート2の構造計算 ( 令第 81 条第 2 項第 2 号イに規定する構造計算 ) を行う場合 部材の靱性を確保するため 部材のせん断力について割増計算を行い 建築基準法施行令 ( 昭和 25 年政令第 338 号 ) 第 82 条第 1 号から第 3 号に規定する構造計算を行い安全であることを確かめることとしていたが 部材の靱性を確保するため 部材のせん断力について割増計算を行い せん断破壊等によって構造耐力上支障のある急激な耐力の低下を生ずるおそれのないことが確かめることができればよいこととする 具体的には 昭和 55 年建設省告示第 1791 号第 3 第 1 号又は第 2 号に定める構造計算を行う建築物については p.38(2) と同様のせん断設計を行うことが考えられる 同告示第 3 第 3 号に定める構造計算を行う建築物については 柱 はりのせん断設計として それぞれの部材に生ずるせん断力について割増計算を行った設計用せん断力が 柱やはりのせん断強度を超えないことを確かめることが考えられる また 耐力壁のせん断設計として 耐力壁に生ずるせん断力と曲げモーメントについて割増計算を行った設計用せん断力及び設計用曲げモーメントが それぞれ耐力壁のせん断強度及び曲げ強度を超えないことを確かめることが考えられる (4) 遊戯施設の構造耐力上安全な構造方法及び構造計算 遊戯施設強度検証法の対象となる遊戯施設 遊戯施設強度検証法並びに遊戯施設の周囲の人の安全を確保することができる構造方法を定める件 ( 平成 12 年建設省告示第 1419 号第 1) 改正の内容 主旨遊戯施設について 時刻歴応答計算を行って国土交通大臣の認定を受けた場合には 建築物や煙突等の工作物 (p.38(1) 参照 ) と同様に 耐久性等関係規定以外の仕様規定に適合することを不要とするものである 39