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ーに参加する前は パートナーシップ構築やプロポーザルの書き方をよく知らなかったが セミナーを通じて参加者はこれをある程度習得したと考えられる 一方 9 国連民主主義基金に申請したい 10 民主化支援事業を実施したい は 統計的に有意な変容が見られなかった これらの項目は 知識や技能の向上だけでなく

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Transcription:

総合研究大学院大学海外派遣事業実績報告書 所属 : 生命科学研究科遺伝学専攻氏名 : 田中弥海外派遣先国名 : アメリカ合衆国海外派遣先大学名 :University of California, Davis (UC Davis) 海外派遣先大学所属 :Genome Center (Fiehn Lab.) 海外派遣期間 : 平成 28 年 9 月 11 日 平成 28 年 9 月 25 日 海外派遣先機関について 今回の海外派遣では UC Davis の West Coast Metabolomics Center で開かれた International Summer Session in Metabolomics 2016 に参加した このコースは研究デザインから計測 データの解析といったメタボロミクス研究の手順を包括的に学ぶもので 参加者には自分たちのような学生もいれば自ら研究室を主宰する立場にある研究者も多かった UC Davis はカリフォルニア州各地にあるカリフォルニア大学のキャンパスの 1 つで 農学や環境学 生命科学のほか工学や人間科学など幅広い分野を扱う サンフランシスコから車で 2 時間程度の場所に日本では見られないほど広大なキャンパスを有し 学生は主に自転車で移動している キャンパスの中には地元フットボールチームのスタジアムを始め多様な施設が置かれている 海外派遣前の準備 コースが開かれた UC Davis Genome Center 私の博士論文研究はまさにメタボロミクス分野におけるものであり 今回の派遣は直

接的に自身の研究分野への知識を深める機会にできると考えた 特にテーマとして大きな重なりをもつ計測データのライブラリサーチについて 現行の複数のソフトウェアを実際に動かす実習も用意されていたため この体験を自分の研究に還元できることを期待しコースに参加した 外部向けに開かれたコースに参加するため 受け入れ教員との個人的なやりとりはほとんどなかったが 主催側から宿泊や現地での移動手段について情報を発信してくれていたので参考とすることができた 実際に滞在するための準備としてはホテルや航空機をインターネットで探すほか UC Davis での滞在経験がある知人からの話を参考とした 自転車が現地で必要とわかった時には現地の情報を Wiki 形式でまとめているウェブページを見つけ そこからレンタルショップについて知ることができた 日本はアメリカのビザ免除プログラムの参加国であり ビザの取得は必要なかった その代わりに ESTA の申請が必要であったが これは飛行機や宿泊場所を決めた後に簡単にインターネットから行えた 海外派遣中の勉学 研究 派遣期間の 2 週間 International Summer Session in Metabolomics 2016 に参加しメタボロミクスについて包括的に学んだ コースは Metabolomics 101 Untargeted Metabolomics Data Analytics の 3 つのセッションで構成されており 毎日の終わりにはグループディスカッションを行った Metabolomics 101(= 入門 ) のセッションではメタボロミクスで用いられる機器の紹介やそれらのうち何を使うかを含めた実験デザイン 得られたデータの解釈までを一通り学んだ 参加者はコースを通して 4 つのグループに分けられ それぞれのグループには仮想的な研究テーマが与えられた そのテーマに対しどのような実験をデザインするかをグループ内で議論したが 個人的に面白いと感じたのは その研究デザインにはどのような根本的なバイアスがあるか という議論であった 参加者の研究分野も医学や微生物学など様々であることから 自分では思いつかないような意見も多く飛び出した Untargeted Metabolomics では得られるデータの規格化やライブラリサーチなど 実験結果を有効に扱う手段について学んだ 実際に測定された生データと解析に必要なツールが予め保存された PC が各参加者に貸し出され ツールの使い方を実習形式で勉強することができた 私自身の研究テーマもメタボロミクスデータのライブラリサーチに関連しており 現在どのようなツールがあり 何ができるかを肌で感じることができたことはこの上なく有意義であった Data Analytics では得られたデータから結論を導くための統計学的な手法や代謝経

路への計測データのマッピングについて学んだ 実験結果から有意差を見つけ出す手法のみならず 有意差を出すためにはどれほどのサンプル数が必要かなど 実験デザインの段階で考慮すべきことについても多く解説され有用であると感じた 最後には計測データ間の有意差の検定や経路へのマッピングの結果を基に グループごとに割り当てられたテーマについて解析結果を発表する場が設けられた 主催の Fiehn 研究室がデータの計測から解析までを一貫して行っていることもあり メタボロミクス研究の流れ全体を見通すことができたのは貴重な体験であった また生データを実際に手を動かして解析しその結果について議論するということは メタボロミクスについて最新の技術が集まっており それに興味を持った研究者たちが世界中から参加するというこのコースの環境でしかできない体験であったと感じる 海外派遣中の勉学 研究以外の活動 UC Davis のすぐ近くにはデービス市の中心街が広がっており 毎日のセミナー後には食事場所探しを含め頻繁に散策した 世界中から学生が集まるためか中華 メキシコ ラーメンや焼き鳥のような日本料理などバラエティに富んだ飲食店が並んでいた コースの終盤には参加者でのディナー会もあり 交流を深めることができた またデービス市では毎週水曜と土曜に Farmers Market が中心街の広場で開かれている 近隣でできた果物やワインの販売 ハンバーガーなどの屋台に加え バンド演奏や子供用の遊具もあり多くの人で賑わっていた 自分もコース参加者と見学し 食事などを楽しんだ コース合間の週末には 電車でサンフランシスコ観光に出かけた フィッシャーマンズワーフやゴールデンゲートブリッジといった名所を徒歩やバスで回ったが サンフランシスコには名所が数多くあり日帰りで全て見て回るのは厳しいほどだった 同じカリフォルニア州でも内陸のデービスとは全く違った景色で短い時間だが楽しめた Farmers Market が開かれるデービスの中央広場と サンフランシスコのゴールデンゲートブリッジ

海外派遣費用について 航空券を含めた移動費は成田 -サンフランシスコ間の直行便で往復約 15 万円と サンフランシスコ国際空港から UC Davis までのシャトルバスで往復 1 人当たり約 1 万円 (2 人分の運賃で約 2 万円 ) がかかった デービスにより近いサクラメント国際空港への乗り継ぎの航空券もあったがシャトルバス利用の方が費用を抑えられるためこの経路を利用した これに三島 - 成田間を加え移動費は合計でおよそ 17 万円となった 宿泊はホテルへの滞在を選択したが 予算の関係上 UC Davis 内のホテルでなく少し離れた場所のホテルを選び滞在費はおよそ 15 万円となった それと細かいものでは海外旅行保険 ( 約 7000 円 ) と ESTA の申請費 ( 約 1500 円 ) が必要となり ここまでの費用を海外派遣事業により補助していただいた このほかに研究室予算からセミナーの参加費やホテル- 大学間及び大学内の移動に用いた自転車のレンタル料 (2 週間で約 1 万 5000 円 ) 食費( 昼食はセミナーで用意された ) を補助していただいた 海外派遣先での語学状況 セミナーは当然英語で進められた 参加者は世界各国から集まっているが グループディスカッションや休憩中のちょっとした会話も全て英語であった 私自身はリスニングとスピーキングにあまり自信がなかったが 周りの参加者がわかるまで聞く 話す ( 言い換える ) ということをしてくださったので会話に困ることは意外と少なかったように思う 夕食時など街に出る場合 飲食店の店員などは研究者と比べより砕けた発音の英語で話しかけてくることが多く セミナー中よりも聞き取りに苦労した ファストフード店などでは日本と少し違い日常的な会話や冗談を言ってくることも多く 聞き取れずに戸惑ってしまうこともあった これにはやはり慣れが必要であると感じた 海外派遣先で困ったこと アメリカのチップ文化については 少し慣れたがわからないこともまだあった 空港大学間の乗り合いの自動車ではタクシーと同等額のチップを渡して驚かれてしまうこともあった 今回は主に自転車で移動したこともあり 現地の交通ルールについて予めもう少し調べておく必要があったように思う 基本的には大学でも街でも親切な人が多く 英語での会話に少し困っても食事や買い物など生活に決定的な障害が起こるということはなく 安心できた

海外派遣を希望する後輩へアドバイス 海外派遣では勉学 研究に関することはもちろん 海外での研究者の生活 ( 勤務時間や余暇 資金などのことも含め ) について日本では知ることのできない多くのことを学べる機会なので 海外に行くことは是非お勧めしたい 将来自分が研究を続けていくときに日本国内で続けるのか海外を目指すのか ということを自然と考えることができる機会にもなった 今回自分はコースへの参加者という立場で海外に滞在したが この方法は研究室に所属するよりも比較的容易に思う コースへの参加の場合他の国からも多くの参加者がいるため交流も広げやすく 研究者コミュニティでは英語に寛容で親切な人が多いこともあり 英語に自信がなくても気後れは意外としないで済むというメリットがある コースで学ぶことで目的設定もしやすく 高度な知識を予め持っておく必要も少ない 今回のコースでは手伝いに来た現地の学生と話したり研究室を見学したりという機会もあったので 海外での研究の様子を知ることもできた 海外の大学での生活を知ってみたい 世界中の研究者と話してみたい という希望があれば興味のあるコースを探してみるのも一つの手段になると思う もちろん 世界中から人が集まるようなコースでは提供される知識のレベルも高いので 自身の研究への知識を深める絶好の機会にもなる 私の滞在は 2 週間と短いものではあったが それでも学会等で数日間滞在するよりもたくさんの体験ができたと感じている 研究に関することはもちろん 食事や日用品を買ったり地域の行事を見に行ったりという体験も貴重なものであった 海外派遣事業によって比較的長い滞在にも実費負担をほとんどゼロに抑えることができとても感謝している 海外派遣事業に興味があれば 挑戦してみることを強くお勧めしたい