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Transcription:

平成 22 年度修士論文 プロテアーゼを欠損した枯草菌における組換え 融合タンパク質の発現 Expression of recombinant fusion proteins in protease-deficient Bacillus subtilis 高知工科大学大学院工学研究科 基盤工学専攻物質 環境システム工学コース 1135012 安岡佳江

目次 1. 要約 :Abstract : 2 2. はじめに :Introduction : 3 3. 材料と方法 :Materials & Methods : 5 4. 結果 :Results : 9 5. 考察 :Discussion : 14 6. 謝辞 :Acknowledgement : 15 7. 参考文献 :References : 15 8. 付録 :Appendix : 17-1-

1. 要旨 :Abstract 本研究室では スギ花粉症の主要な抗原タンパク質である Cry j1 Cry j2 のT 細胞エピトープを用いるスギ花粉症ワクチンの開発を行っており 枯草菌中で T 細胞エピトープを発現させる実験を行っている しかし 枯草菌は強いプロテアーゼ活性を持っているため目的タンパク質の安定した発現が難しい そこで 9 つのプロテアーゼを欠損させた枯草菌株を用いタンパク質の発現量の増大と安定化を試みた スギ花粉症の主要アレルゲンタンパク質 Cry j1 Cry j2 の T 細胞エピトープと これを安定化させ その発現を確認するためのコレラ毒素 B サブユニット (CTB) との融合タンパク質遺伝子 (ctb-cry j1-cry j2) を設計した プロモーターには複数のプロモーターの複合体である mwp を用いた 次に 作製した融合遺伝子を大腸菌と枯草菌のシャトルベクターである phy300plk へ挿入し 作製した組換えプラスミドを大腸菌で発現させプラスミドの確認を行った この組換えプラスミドをエレクトロポレーション法により枯草菌 (168 trpc2) およびプロテアーゼ欠損枯草菌 (KA8XA) へ導入し 融合タンパク質を発現させた CTB に対する抗体を用いたウエスタンブロッティング法及び SDS-ポリアクリルアミドゲル電気泳動後のクーマシーブルー色素によるタンパク質の染色により融合タンパク質の発現を確認し プロテアーゼの影響を比較した -2-

2. はじめに :Introduction 現在 日本国民の 20% 以上がスギ花粉症に罹患していると考えられており 国民病とも言われている 花粉症の根治療法に減感作療法がある これは患者にアレルゲン ( 花粉タンパク質 ) を少量ずつ長期にわたり投与し免疫寛容 ( 特定の抗原に対し免疫反応が起こらなくなる現象 ) を誘導し治療する方法である しかし 強いアレルギー反応が生じる可能性があることから 投与量を厳密にコントロールしなければならず 治療期間も長期間の通院が必要など患者に負担をかける 免疫寛容はアレルゲン中の部分アミノ酸配列である抗原決定基が免疫リンパ球の一種である T 細胞に作用することによって起こる そこで T 細胞によって認識される抗原決定基 (T 細胞エピトープ ) を植物等で作らせ それを経口ワクチンとして使用する取り組みが試みられている アレルゲン自体を用いず アレルギーを引き起こす IgE 抗体や B 細胞に対する抗原決定基を含まないようにあらかじめ設計した T 細胞エピトープを投与できるため アナフィラキシーショックといった副作用がなく 安全性が期待できる 形質転換能を持つ枯草菌 (Bacillus subtilis) は 異種タンパク質の発現宿主として利用されている (1, 2) 枯草菌は大腸菌(Escherichia coli) と異なり外来遺伝子をゲノムへ取り込む能力があり 一度ゲノムに組み込まれた遺伝子は世代を経ても受け継がれる また 枯草菌は納豆菌と同種であるため 経口投与しても安全性が高いと考えられる Cry j1 Cry j2 はスギ花粉に存在するスギ花粉症の主要な抗原タンパク質である ヒトの T 細胞エピトープは同定されており (3) 本研究室は Cry j1 では 5 つ Cry j2 では7つの主要ヒト T 細胞エピトープを結合させたものを作製し使用している (4) コレラ毒素 B サブユニット (CTB) は コレラ毒素 (CT) を構成している 2 つのサブユニットのうち 標的細胞へ結合するためのサブユニットであり 抗原に対する特異免疫応答を高める免疫賦活作用を持っているとされ 補助タンパク質として利用されている (5) ここでは CTB を 発現された T 細胞エピトープを安定化させるとともに ウエスタンブロッティングによる検出マーカーとして使用した 先にも述べたが 枯草菌は形質転換能を持っており異種タンパク質の発現宿主として利用されている しかし 枯草菌は強いプロテアーゼ活性を持っているため目的タンパク質の安定した発現が難しい そこで 枯草菌の持つプロテアーゼの内いくつかを欠損させた枯草菌株が作製され それを用いた異種タンパク質の発現が行われている (6) 関口らの作製した Bacillus subtilis KA8AX は 9 つのプロテアーゼを欠損させた枯草菌株である (7) 本研究はこの Bacillus subtilis KA8AX 株を用いタンパク質の発現量の増大と安定化を試みた 抗原としてスギ花粉症の主要アレルゲンタンパク質 Cry j1 Cry j2 の T 細胞エピ -3-

トープを用いた これを安定化させ その発現を確認するためのコレラ毒素 B サブユニット (CTB) との融合タンパク質遺伝子 (ctb-cry j1-cry j2) を設計した プロモーターには Bacillus brevis 由来の強力なプロモーターであり複数のプロモーターの複合体である mwp を用いた 次に 作製した融合遺伝子を大腸菌と枯草菌のシャトルベクターである phy300plk へ挿入し 作製した組換えプラスミドを大腸菌で発現させプラスミドの確認を行った この組換えプラスミドをエレクトロポレーション法により枯草菌 (Bacillus subtilis 168 trpc2) およびプロテアーゼ欠損枯草菌 (Bacillus subtilis KA8AX) へ導入し 融合タンパク質を発現させた CTB に対する抗体を用いたウエスタンブロッティング法及び SDS-ポリアクリルアミドゲル電気泳動後のクーマシーブルー (CBB) 色素によるタンパク質の染色により融合タンパク質の発現を確認し プロテアーゼの影響を比較した -4-

3. 材料と方法 :Materials & Methods 使用菌株及びプラスミド Table1 本実験で使用した枯草菌株 菌株 遺伝子型 Bacillus subtilis 168 trpc2 trpc2 ( 親株 ) Bacillus subtilis KA8AX trpc2 Δepr ΔwprA Δmpr ΔnprB ( プロテアーゼ欠損株 ) bpr npre vpr apre aprx::spc Table 1 に本実験で使用した枯草菌株の遺伝子型をまとめている Bacillus subtilis 168 trpc2 株は親株であり 実験で汎用されている通常株である Bacillus subtilis KA8AX 株は 8 種類の細胞外プロテアーゼ及び 1 種類の細胞内プロテアーゼを欠損させたプロテアーゼ欠損枯草菌株で 信州大学の関口順一教授より分与されたものを使用した Escherichia coli JM109 及び PHY300PLK はタカラバイオから購入した 使用培地 LB 培地及び SOC 培地を使用した 培地の組成は付録に示した 3.1. Bam HI-mwp-ctb-cry j1-cry j2-bgl Ⅱ 融合遺伝子の作製融合遺伝子の作製には DNA ポリメラーゼとして KOD -Plus- Ver.2 (TOYOBO) を使用し 装置は GeneAmp 9700 を用いた なお Table 2 に従い PCR 反応液を調製し Table 3 の反応条件で PCR を行った Bam HI-mwp-ctb-cry j1-cry j2 融合遺伝子は 制限酵素 Bam HI 認識配列と cry j2 認識配列を付加するため Bam HI-mwp-Fw (5 - CGC GGA TCC AAC TTG GCT GTT GTA AAC TTT -3 ) と cry j2-cry j1-rv(5 - CGC CGC AAT AAT GCC CGG GCC GAA CTG GTT G -3 ) のプライマーペアを用い作製した PCR の鋳型として 同じ研究室の韓により作製された phash-mwp-rbs-ctb-cry j1を用いた (8) cry j2-bglⅡ 融合遺伝子の作製は Bgl Ⅱ 認識配列を付加するため cry j2-fw(5 - GGC ATT ATT GCG GCG TAT CAG AAC CCG GCG -3 ) と BglⅡ-cry j2-rv(5 - GGA TCT AGA TTA GAA ATA GCC GTT CGC -3 ) のプライマーペアを使用し 鋳型として鄒が作製した pet28a-ctb-cry j2 を用い作製した (4) -5-

Table 2 PCR 反応液組成 10 Buffer Buffer for KOD -Plus- Ver.2 5μl 2 mm dntps 5μl (0.2 mm) 25 mm MgSO4 3μl (1.5 mm) Forward Primer 0.15μl (final 0.3μM) Reverse Primer 0.15μl (final 0.3μM) Template DNA 100 ng KOD -Plus- (1U/μl) 1μl 超純水 to 50μl Table 3 KOD ポリメラーゼにおける PCR 反応条件 Step Temperature Time Cycle number 1 94 2min 2 94 15sec 3 1 30sec 30 4 68 2 5 4 1 アニーリング温度は Forward Primer と Reverse Primer の Tm 値の平均 -5 で設定 2 伸長時間は ターゲット鎖長 1 kbp あたり 1 min で設定した 次に 上で作製した Bam HI-mwp-ctb-cry j1-cry j2 融合遺伝子と cry j2-bgl Ⅱ 融合遺伝子を結合させるため オーバーラップ PCR を行った まず 両遺伝子を鋳型としてアニーリング温度 53.0 でプライマーを入れずに PCR を 8 サイクル行った後 BamHI-mwp-Fw(5 - CGC GGA TCC AAC TTG GCT GTT GTA AAC TTT -3 ) BglⅡ-cry j2-rv(5 - GGA TCT AGA TTA GAA ATA GCC GTT CGC -3 ) のプライマーを加え PCR を 28 サイクル行い BamHI-mwp-ctb-cry j1-cry j2-bglⅡ 融合遺伝子を作製した なお プライマーの配列についての詳細は付録に示している 作製した融合遺伝子はアガロースゲル電気泳動により目的のバンドサイズであるか確認した後 QIAprep PCR Purification Kit (QIAGEN) を用いメーカープロトコルに従い精製した 3.2. phy300- mwp-ctb-cry j1-cry j2 組み換えプラスミドの作製 作製した融合遺伝子 (BamHI-mwp-ctb-cry j1-cry j2-bglⅡ) を大腸菌 (E. coli) と枯草菌 (B. subtilis) の両方で増殖できる phy300plk シャトルベクターに挿入した 融合 -6-

遺伝子の両端の Bam HI と Blg II 部位 及びベクターのクローニングサイトにある Bam HI と Blg II 部位を切断するために 融合遺伝子とベクターを別々に Bam HI と BglⅡ 制限酵素の共存下で 30 4h 処理した 処理した融合遺伝子とベクターを 3:1 のモル比で混合し TaKaRa DNA Ligation Kit (Mighty Mix) を使用し 16 12h 反応することによって両者を結合させた 作製した phy300- mwp-ctb-cry j1-cry j2 組み換えプラスミドをカルシウム法によって E. coli JM109 株に導入し 形質転換された大腸菌コロニーを LB 平板培地 ( アンピシリン 50μg/ml) で一晩培養により選択した 3.3. 形質転換の確認及びプラスミドの精製 phy300- mwp-ctb-cry j1-cry j2 組み換えプラスミドが E. coli JM109 株に導入されたことを確認するためコロニー PCR を行った 以下の PCR 反応液組成及び反応条件により PCR を行った Table 4 コロニー PCR 反応液組成 10 Ex Taq Buffer 5μl dntps Mixture 4μl BamHⅠ-mwp-Fw 0.15μl (final 0.3μM) BglⅡ-cry j2-rv 0.15μl (final 0.3μM) Template DNA TaKaRa Ex Taq 0.5μl 超純水 to 50μl 滅菌済みの楊枝でコロニーを少量かきとり PCR チューブに入れた Table 5 コロニー PCR における PCR 反応条件 Step Temperature Time Cycle number 1 92 2min 2 92 15sec 3 53 30sec 30 4 72 60sec 5 4 プラスミド中の挿入 DNA を PCR によって確認した後 QIAprep Spin Miniprep Kit (QIAGEN) を用いて phy300- mwp-ctb-cry j1-cry j2 組み換えプラスミドをメーカープロトコルに従い精製した 3.4. 組み換えプラスミドの枯草菌 (B. subtilis) への導入 -7-

精製した phy300- mwp-ctb-cry j1-cry j2 組み換えプラスミドを エレクトロポレーション法を用い B. subtilis 168trpC2 株及び B. subtilis KA8AX 株に導入した 遺伝子導入装置には Electro Cell Manipulator 600 (BTX) を使用した B. subtilis 168 trpc2 及び B. subtilis KA8AX コンピテントセル (100μl) と phy300-mwp-ctb -cry j1-cry j2 組み換えプラスミド (240 ng) を 間隔 0.2 cmのキュベットに入れ 186 Ω 2.5 kv の条件でエレクトロポレーションを行った コンピテントセルを 2 ml SOC 培地に加え 1 h 160 rpm で振とう培養した後 テトラサイクリン (0.4 mg/ml) を 2μl 加え 30 min 培養し 遠心分離した 上清 100μl と沈殿をよく撹拌し LB 平板培地 ( テトラサイクリン 10μg/ml) に塗布し 37 で一晩静置培養した なお コンピテントセルの調製法は付録に示している phy300- mwp-ctb-cry j1-cry j2 組み換えプラスミドが B. subtilis 168 trpc2 株及び B. subtilis KA8AX 株に導入されたことを確認するため 3.3. の方法を用いてコロニー PCR を行った 3.5. 発現タンパク質の検出クーマシーブリリアントブルー (CBB) 染色によりタンパク質を ウェスタンブロッティングにより組換え融合タンパク質を検出した 枯草菌の培養は LB 液体培地 ( テトラサイクリン10μg/ml) 中で37 ( または27 ) で振とう培養により行った まず CTB-Cry j1-cry j2 融合タンパク質をSDS-ポリアクリルアミドゲル電気泳動法 (SDS-PAGE) によって分離した ゲルにはe-PAGEL (ATTO) を使用し 200 V 17 maで90 min 電気泳動した ウェスタンブロッティングではタンパク質を分離したゲルのタンパク質をPVDF メンブレンに転写した ( 転写条件 :200 V 117 ma 90 min) そして メンブレンに転写した目的タンパク質に 一次抗体であるヤギ血清由来のAnti-cholera toxin B subunit ( フナコシ ) の5000 倍希釈液を反応させた そして この一次抗体を抗原とする二次抗体である ロバ血清由来のAnti-rabbit Ig horseradish peroxidase linked (Amersham Bioscienses) の25000 倍希釈液を反応させた 抗体との反応にはSNAP i.d. タンパク質検出装置 ( ミリポア ) を使用した その後 二次抗体に結合している酵素 (HRP) と反応発光試薬 (ECL Western blotting analysis system(ge Healthcare)) をメンブレン上で反応させ その発光をフィルム (Hyperfilm TM ECL High performance chemiluminescence film: GE Healthcare) に感光させて タンパク質を検出した -8-

4. 結果 :Results 4.1. BamHⅠ-mwp-ctb-cry j1-cry j2-bglⅡ 融合遺伝子の作製スギ花粉タンパク質 T 細胞エピトープを含む融合抗原タンパク質を枯草菌 (B. subtilis) 内で発現させるための融合タンパク質遺伝子を作製した まず既に作製されている phash-mwp-rbs-ctb-cry j1プラスミドと pet28a-ctb-cry j2 プラスミドを鋳型として PCR 反応を行い それぞれ BamHI-mwp-ctb-cry j1-cry j2 cry j2-bglⅡ を作製した 次にこれらの PCR 産物を結合させるため 両者を鋳型にオーバーラップ PCR を行い BamHI-mwp-ctb-cry j1-cry j2-bglⅡ 融合遺伝子を作製した Fig.1 各融合遺伝子を鋳型とする PCR 産物のアガロースゲル電気泳動 M:200bp Marker 1: BamHI-mwp-ctb-cry j1-cry j2 (908bp) 2: cry j2-bglⅡ (279bp) 3: BamHI-mwp-ctb-cry j1-cry j2-bglⅡ(1187bp) Fig.1 が示すように レーン1に BamHI-mwp-ctb-cry j1-cry j2 (908bp) レーン 2に cry j2-bglⅡ (279bp) 各融合遺伝子の大きさに相当する位置にバンドが確認できた これらを鋳型としてオーバーラップ PCR を行い レーン3の BamHI-mwp-ctb-cry j1-cry j2-bglⅡ(1187bp) に相当する位置にバンドを確認した -9-

4.2. phy300- mwp-ctb-cry j1-cry j2 組み換えプラスミドの作製作製したBamHI-mwp-ctb-cry j1-cry j2-bglⅡ 融合遺伝子と 大腸菌と枯草菌のシャトルベクターである phy300plk プラスミドを BamHⅠと BglⅡで消化し 両者を DNA ライゲースにより結合し 大腸菌に導入した Fig2. phy300- mwp-ctb-cry j1-cry j2 で形質転換された大腸菌のコロニー PCR による PCR 産物のアガロースゲル電気泳動 M: 200bp Marker 4~6: 各コロニーの PCR 産物 phy300- mwp-ctb-cry j1-cry j2 組み換えプラスミドが大腸菌 (E.coli JM109 株 ) に導入されたことを確認するため プライマーとして BamHⅠ-mwp-Fw BglⅡ -cry j2-rv を用いてコロニー PCR を行った Fig.2 が示すように レーン 4~6 に BamHI-mwp -ctb-cry j1-cry j2-bglⅡ(1187bp) に相当するバンドが確認できた よって phy300 への BamHI-mwp-ctb-cry j1-cry j2-bglⅡ 融合遺伝子の挿入が認められた -10-

4.3. 組み換えプラスミドの枯草菌 (B. subtilis) への導入得られた phy300- mwp-ctb-cry j1-cry j2 を用いて枯草菌 (B. subtilis 168 trpc2 株 ) 及び プロテアーゼ欠損枯草菌株 (B. subtilis KA8AX 株 ) を形質転換した 形質転換には エレクトロポレーション法を用いて行った Fig.3 phy300- mwp-ctb-cry j1-cry j2 で形質転換された枯草菌のコロニー PCR による PCR 産物のアガロースゲル電気泳動 M: 200bp Marker 1~3: 各コロニーの PCR 産物 (B. subtilis KA8AX 株 ) 3 4: 各コロニーの PCR 産物 (B. subtilis 168 trpc2 株 ) BamHI-mwp-ctb-cry j1-cry j2-bglⅡ 組み換えプラスミドが枯草菌 (B. subtilis 168 trpc2 株 B. subtilis KA8AX 株 ) に導入されたかを確認するため プライマーとして BamHⅠ-mwp-Fw BglⅡ-cry j2-rv を用いてコロニー PCR を行った その結果 Fig.3 に示すように それぞれの菌株で BamHI-mwp -ctb-cry j1-cry j2-bglⅡ(1187bp) に相当するバンドが確認できた よって BamHI-mwp-ctb-cry j1-cry j2-bglⅡ 組み換えプラスミドが枯草菌 (B. subtilis 168 trpc2 株 ) 及び プロテアーゼ欠損枯草菌株 (B. subtilis KA8AX 株 ) に導入されたことが分かった -11-

4.4. 発現タンパク質の検出 phy300- mwp-ctb-cry j1-cry j2 で形質転換した枯草菌 (B. subtilis 168 trpc2 株 ) 及び プロテアーゼ欠損枯草菌株 (B. subtilis KA8AX 株 ) を 37 と 27 で培養し CTB-Cry j1-cry j2 融合タンパク質が発現されたかどうかを SDS-ポリアクリルアミドゲル電気泳動と ウェスタンブロッティング法により確認した ウェスタンブロッティングの一次抗体には抗コレラ毒素 B サブユニット抗体を用いた なお CBB 染色によるタンパク質の検出結果は付録に記載した 培養温度 27 kda B.168 KA8AX 57.0 43.0 36.5 28.0 培養時間 (A) CTB-Cry j1-cry j2 (B) (32.5 kda) (C) CTB-Cry j1-cry j2 (32.5 kda) (D) 12h 16h 24h 12h 16h 24h 12h 16h 24h 12h 16h 24h Fig.4 (a). 培養温度 27 で発現された CTB-Cry j1-cry j2 融合タンパク質のウェスタンブロッティング (A) B168 株 phy300 (B) B168 株 phy300- mwp-ctb-cry j1-cry j2 (C) KA8AX 株 phy300 (D) KA8AX 株 phy300- mwp-ctb-cry j1-cry j2 Fig.4(a) では phy300- mwp-ctb-cry j1-cry j2 で形質転換した枯草菌 (168 trpc2 株 KA8AX 株 ) とともに 対照として mwp-ctb-cry j1-cry j2 遺伝子と持たない phy300 で形質転換した枯草菌を同じ条件で培養した CTB-Cry j1-cry j2 融合タンパク質の予想される分子量は 32.5 kda であるが 対照の B168 trpc 株 (A) 及び対照の KA8AX 株 (C) では 32.5 kda のバンドは見えなかった しかし 融合タンパク質遺伝子を持つ phy300 で形質転換した B168 trpc 株 (B) では 培養時間 16-24 時間にわずかに融合タンパク質と思われるバンドが見られた このバンドは融合タンパク質遺伝子を持つ phy300 で形質転換した KA8AX 株 (D) の -12-

16-24 時間培養では明瞭に認めれられた 40-50 kda 付近に濃いバンドが確認できたが このバンドは融合タンパク質遺伝子を挿入していない phy300 を導入した枯草菌でも確認できるため 用いた抗体の非特異的結合であると考えられた kda B.168 KA8AX 培養温度 37 57.0 43.0 CTB-Cry j1 -Cry j2 36.5 28.0 培養時間 8h 24h 8h 24h Fig.4 (b). 培養温度 37 で発現された CTB-Cry j1-cry j2 融合タンパク質のウェスタンブロッティング Fig.4(b) は培養温度 37 における B168 株と KA8AX 株での CTB-Cry j1-cry j2 融合タンパク質のウェスタンブロッティングである B168 株は 培養 8 時間ではわずかに 32.5 kda の融合タンパク質のバンドを確認できたが 培養 24 時間ではバンドは確認できなくなった それに対し KA8AX 株では B168 株に比べて濃いバンドが見られ 培養 24 時間でも培養 8 時間の時とバンドの濃さに変化がなかった -13-

5. 考察 :Discussion 枯草菌 (B168 trpc2) 及びプロテアーゼ欠損枯草菌 (KA8AX) へスギ花粉症抗原を含む融合タンパク質遺伝子を持つプラスミドを導入した 培養によって融合タンパク質の発現を確認し プロテアーゼの影響を評価した 培養温度 37 では B168 株によって発現された組換えタンパク質は培養 8 時間目にわずかに認められたが 培養 24 時間ではまったく確認できなかった プロテアーゼによって分解されたものと考えられる それに対して プロテアーゼを欠損した KA8AX 株では 発現タンパク質の量が B168 株に比べてはるかに多く 培養 24 時間でも培養 8 時間の時とその量はほとんど変わらず 発現したタンパク質が安定であることが明らかとなった 培養温度 27 でもほぼ同じ傾向であった 培養温度 27 及び 37 での組換えタンパク質の発現量やその安定性の比較は今後検討する必要がある また 付録に示した発現タンパク質のクーマシーブリリアントブルー染色では 32 kda 付近に菌体タンパク質の濃いバンドが存在するため ほぼ同じ分子量の組換えタンパク質を染色で検出することは困難であった そのため 発現された組換えタンパク質の量を定量することができなかった 今後の課題である 枯草菌内で抗原タンパク質を発現させワクチンとして使用するためには 発現したタンパク質の量とその安定性は重要である プロテアーゼ欠損枯草菌株を用いることで発現タンパク質の発現量の増大及び安定化に非常に寄与できるといえる -14-

6. 謝辞 :Acknowledgement プロテアーゼ欠損枯草菌株 (Bacillus subtilis KA8AX) を分与していただいた信州大学の関口順一教授 本研究を行うにあたり ご指導頂きました高知工科大学の榎本恵一教授に心から感謝申し上げます 7. 参考文献 :References 1) Ohashi Y, Ohshima H, Tsuge K, Itaya M (2003) Far different levels of gene expression provided by an oriented cloning system in Bacillus subtilis and Escherichia coli. FEMS Microbiol. Lett.: 221, 125-130 2) Ferreira LC, Ferreira RC, Schumann W (2005) Bacillus subtilis as a tool for vaccine development: from antigen factories to delivery vectors. An. Acad. Bras. Ciênc.: 77, 113-124 3) Sone T, Morikubo K, Miyahara M, Komiyama N, Shimizu K, Tsunoo H, and Kino K (1998) T cell epitopes in Japanese cedar (Cryptomeria japonica) pollen allergens: choice of major T cell epitopes in cry j 1 and cry j 2 toward design of the peptidebased immunotherapeutics for the management of Japanese cedar pollinosis. J. Immunol.: 161, 448-457 4) 鄒艶霜 (2006) Recombinantly engineered proteins containing cholera toxin B subunit as a functional and structural element. 高知工科大学博士学位論文 5) Kim T-G, Huy N-X, Kim M-Y, Jeong D-K, Jang Y-S, Yang M-S, Langridge WHR and Lee JY (2008) Immunogenicity of a cholera toxin B subunit porphyromonas gingivalis fimbrial antigen fusion protein expressed in E.coli. Mol. Biotechnol.: 41, 157-164 6) Wu X-C, Lee W, Tran L and Wong S-L (1991) Engineering a Bacillus subtilis expression-secretion system with a strain deficient in six extracellular proteases. J. Bacteriol.: 173 4952-4958 -15-

7) Kodama T, Endo K, Sawada K, Ara K, Ozaki K, Kakeshita H, Yamane K and Sekiguchi J (2007) Bacillus subtilis AprX involved in degradation of a heterologous protein during the late stationary growth phase. J. Biosci. Biotechnol: 104 135-143 8) 韓梅梅 (2009) Expression of recombinant T-cell epitopes in the cell and on the surface of Bacillus subtilis. 高知工科大学博士学位論文 -16-

8. 付録 :Appendix CBB 染色によるタンパク質確認 培養温度 :37 B.168 kda KA8AX kda 140.0 100.0 140.0 100.0 70.0 70.0 57.0 57.0 43.0 43.0 36.5 36.5 28.0 28.0 19.3 19.3 16.2 16.2 4 8 12 16 20 24 4 8 12 16 20 24 10.9 10.9 培養時間 培養時間 培養温度 :27 B.168 kda 140.0 100.0 70.0 57.0 43.0 36.5 28.0 19.3 16.2 10.9 KA8AX 70.0 57.0 4 8 12 16 20 24 4 8 12 16 20 24 kda 140.0 100.0 140.0 43.0 36.5 28.0 19.3 16.2 10.9 培養時間 培養時間 -17-

phy300plk ベクター DNA の制限酵素サイト コンピテントセルの調製法 枯草菌 (B. subtilis 168 trpc2) 及びプロテアーゼ欠損枯草菌株 (B. subtilis KA8AX 株 ) を LB 液体培地 2ml に植菌し 37 で 12 時間振とう培養した さらに この前培養液 2ml を LB 液体培地 200ml に加え 波長 600nm での濁度 1.5~2.0 になるまで約 6 時間振とう培養した 培養液を 250ml の冷却した遠心管に移し 4000rpm 10min 4 で遠心分離した 上清を捨て冷却したオートクレーブ済み超純水 200ml で沈殿を懸濁後 同じ遠心管を利用し 4000rpm 10min 4 で遠心分離した 上清を捨て再びオートクレーブ済み超純水 100ml で懸濁後同様に遠心分離した 上清を捨てオートクレーブ済み超純水 100ml で懸濁後 50ml 遠心管 2 本に分注し 4000rpm 10min 4 で遠心分離した 上清を捨てそれぞれに 30%PEG( ポリエチレングリコール )1ml を入れ懸濁し 1.5ml チューブに 100μl ずつ分注し ドライアイス入りエタノールに入れ凍結させた その後 -80 で保存した -18-

Bam HI-mwp-ctb-cry j1-cry j2 融合遺伝子作製に用いたプライマー 下線部はそれぞれ mwp と cry j1 の配列に相当する部分を表す 赤字部分は制限酵素部位 緑字は cry j2 を表している Primer1: BamHⅠ-mwp-Fw 5 - CGC GGA TCC AAC TTG GCT GTT GTA AAC TTT -3 (30bp) Primer2: cry j2-cryj1-rv 5 - CGC CGC AAT AAT GCC CGG GCC GAA CTG GTT G -3 (31bp) cry j2-bglⅡ 融合遺伝子作製に用いたプライマー 下線部は cry j2 の配列に相当する部分を表す 赤字部分は制限酵素部位 青字部分はストップコドンを表している Primer3: cry j2-fw 5 - GGC ATT ATT GCG GCG TAT CAG AAC CCG GCG -3 (30bp) Primer4: BglII-cry j2-rv 5 - GGA TCT AGA TTA GAA ATA GCC GTT CGC -3 (27bp) mwp プロモーターの塩基配列 aac ttg gct gtt gta aac ttt gaa aat gca tta gga aat taa cct aat tca agc aag att atg agg ttt tga acc aaa ttg gaa aaa ggt tca gtc gtg aca gcc cgc cat atg gcc cct ata ata cgc att gtg gcg gat gtc act tcg tac ata atg gac agg tga ata acg aac cac gaa aaa aac ttt aaa ttt ttt tcg aag gcg ccg caa ctt ttg att cgc tca ggc gtt taa tag gat gtc aca cga aaa acg ggg aat tgt gta aaa aag att cac gaa ttc tag cag ttg tgt tac act agt gat tgt tgc att tta cac aat act gaa tat act aga gat ttt taa cac aaa aag cga ggc ttt cct gcg aaa gga gga aat tga tta tg (381bp including HindⅢ, EcoRⅠ restriction site 下線部はリボソーム結合部位 赤字は開始コドンをそれぞれ示している ) ctb の塩基配列 aca cct caa aat att act gat ttg tgt gca gaa tac cac aac aca caa ata cat acg cta aat gat aag ata ttt tcg tat aca gaa tct cta gct gga aaa aga gag atg gct atc att act ttt aag aat ggt gca act ttt caa gta gaa gta cca ggt agt caa cat ata gat tca caa aaa aaa gcg att gaa agg atg aag gat acc ctg agg att gca tat ctt act gaa gct aaa gtc gaa aag tta tgt gta tgg -19-

aat aat aaa acg cct cat gcg att gcc gca att agt atg gca aat (103 amino acid, 309 bp) cry j1 の塩基配列 cag aac cgt atg aaa ctg gcg gat tgc gcg gtg ggc ttc ggc agc aaa atg ccg atg tat att gcg ggc tat aaa acg ttc gat ggc cgt ccg tgc gtg ttc att aaa cgt gtg agc aac gtg att att cat ggc ctg cat ctg tat ggc agc atg aaa gtg acg gtg gcg ttc aac cag ttc ggc ccg (63 amino acid, 189bp) cry j2 の塩基配列 ggc att att gcg gcg tat cag aac ccg gcg agc tgg aaa cag ttc gcg aaa ctg acg ggc ttc acg ctg atg ggc att gat att ttc gcg agc aaa aac ttc cat ctg cag aaa aac acg att ggc acg ggc agc cgt gcg gaa gtg agc tat gtg cat gtg aac ggc gcg aaa ttc tgc aaa gat att aaa ctg agc gat att agc ctg aaa ctg acg agc ggc aaa att gcg agc tgc ctg aac gat aac gcg aac ggc tat ttc (89 amino acid, 267bp) 培地 LB 培地 Tryptone 10g Bacto yeast extract 5 g NaCl 5g 脱イオン水 1L ph 7.2 SOC 培地 Tryptone 20 g Bacto yeast extract 5 g NaCl 0.5 g 250mM KCl 10.0ml 2M MgCl2 10.0ml 1M Glucose 20.0ml 脱イオン水 1L ph7.0-20-