第 23 回 MGR トピックス :IgA 腎症 ステロイドパルス療法 扁摘 発表 : 長沼司 ( 腎臓内科 ) 解説 : 神宮寺禎巳 ( 腎臓内科 ) 文献 : Corticosteroid in IgA nephropathy: a randomised controlled trial Cla

Similar documents
124 IgA 3 3 IgA IgA 16 IgA H-Grade25 %25 % 50 % 50 % 75 %75 % g C-Grade 0.5 g egfr 60 ml min 1.73 m 2 C-Grade 0.5 g egfr 60 ml min

小児におけるCKD活動

H29_第40集_大和証券_研究業績_C本文_p indd

10 年相対生存率 全患者 相対生存率 (%) (Period 法 ) Key Point 1

Microsoft Word - cjs63B9_ docx

10 年相対生存率 全患者 相対生存率 (%) (Period 法 ) Key Point 1 10 年相対生存率に明らかな男女差は見られない わずかではあ

1治療 かっていたか, 予想される基礎値よりも 1.5 倍以上の増加があった場合,3 尿量が 6 時間にわたって 0.5 ml/kg 体重 / 時未満に減少した場合のいずれかを満たすと,AKI と診断される. KDIGO 分類の重症度分類は,と類似し 3 ステージに分けられている ( 1). ステー

資料 3 1 医療上の必要性に係る基準 への該当性に関する専門作業班 (WG) の評価 < 代謝 その他 WG> 目次 <その他分野 ( 消化器官用薬 解毒剤 その他 )> 小児分野 医療上の必要性の基準に該当すると考えられた品目 との関係本邦における適応外薬ミコフェノール酸モフェチル ( 要望番号

尿試験紙を用いたアルブミン・クレアチニン検査の有用性

心房細動1章[ ].indd

糖尿病性腎症に合併したネフローゼ症候群の治療

72 20 Ope / class Alb g/ cm 47.9kg : /min 112/60m

わが国における糖尿病と合併症発症の病態と実態糖尿病では 高血糖状態が慢性的に継続するため 細小血管が障害され 腎臓 網膜 神経などの臓器に障害が起こります 糖尿病性の腎症 網膜症 神経障害の3つを 糖尿病の三大合併症といいます 糖尿病腎症は進行すると腎不全に至り 透析を余儀なくされますが 糖尿病腎症

H26_大和証券_研究業績_C本文_p indd

婦人科63巻6号/FUJ07‐01(報告)       M

<4D F736F F F696E74202D208E9197BF315F817582C782B182C582E0826C C B4C985E82C98AD682B782E98DEC8BC EF92868AD495F18D902E B8CDD8AB B83685D>

BA_kanen_QA_zenpan_kani_univers.indd

2017 年 3 月臨時増刊号 [No.165] 平成 28 年のトピックス 1 新たに報告された HIV 感染者 AIDS 患者を合わせた数は 464 件で 前年から 29 件増加した HIV 感染者は前年から 3 件 AIDS 患者は前年から 26 件増加した ( 図 -1) 2 HIV 感染者

佐賀県肺がん地域連携パス様式 1 ( 臨床情報台帳 1) 患者様情報 氏名 性別 男性 女性 生年月日 住所 M T S H 西暦 電話番号 年月日 ( ) - 氏名 ( キーパーソンに ) 続柄居住地電話番号備考 ( ) - 家族構成 ( ) - ( ) - ( ) - ( ) - 担当医情報 医

スライド 1

複製 転載禁止 The Japan Diabetes Society, 2016 糖尿病診療ガイドライン 2016 CQ ステートメント 推奨グレード一覧 1. 糖尿病診断の指針 CQ なし 2. 糖尿病治療の目標と指針 CQ なし 3. 食事療法 CQ3-2 食事療法の実践にあたっての管理栄養士に

3 病床数 施設 ~19 床 床 床以上 284 (3 施設で未回答 ) 4 放射線専門医数 ( 診断 治療を含む ) 施設 ~5 人 226 6~10 人 人

ここが知りたい かかりつけ医のための心不全の診かた

慢性腎臓病 chronic kidney disease

[ 原著論文 ] メタボリックシンドローム該当者の年齢別要因比較 5 年間の健康診断結果より A cross primary factors comparative study of metabolic syndrome among the age. from health checkup resu

Microsoft PowerPoint - 【参考資料4】安全性に関する論文Ver.6

CQ1: 急性痛風性関節炎の発作 ( 痛風発作 ) に対して第一番目に使用されるお薬 ( 第一選択薬と言います ) としてコルヒチン ステロイド NSAIDs( 消炎鎮痛剤 ) があります しかし どれが最適かについては明らかではないので 検討することが必要と考えられます そこで 急性痛風性関節炎の


ータについては Table 3 に示した 両製剤とも投与後血漿中ロスバスタチン濃度が上昇し 試験製剤で 4.7±.7 時間 標準製剤で 4.6±1. 時間に Tmaxに達した また Cmaxは試験製剤で 6.3±3.13 標準製剤で 6.8±2.49 であった AUCt は試験製剤で 62.24±2

( 様式甲 5) 氏 名 渡辺綾子 ( ふりがな ) ( わたなべあやこ ) 学 位 の 種 類 博士 ( 医学 ) 学位授与番号 甲 第 号 学位審査年月日 平成 27 年 7 月 8 日 学位授与の要件 学位規則第 4 条第 1 項該当 学位論文題名 Fibrates protect again

第1回肝炎診療ガイドライン作成委員会議事要旨(案)

ロペラミド塩酸塩カプセル 1mg TCK の生物学的同等性試験 バイオアベイラビリティの比較 辰巳化学株式会社 はじめにロペラミド塩酸塩は 腸管に選択的に作用して 腸管蠕動運動を抑制し また腸管内の水分 電解質の分泌を抑制して吸収を促進することにより下痢症に効果を示す止瀉剤である ロペミン カプセル

パスを活用した臨床指標による慢性心不全診療イノベーション よしだ ひろゆき 福井赤十字病院クリニカルパス部会長循環器科吉田博之 緒言本邦における心不全患者数の正確なデータは存在しないが 100 万人以上と推定されている 心不全はあらゆる心疾患の終末像であり 治療の進步に伴い患者は高齢化し 高齢化社会

dr

為化比較試験の結果が出ています ただ この Disease management というのは その国の医療事情にかなり依存したプログラム構成をしなくてはいけないということから わが国でも独自の Disease management プログラムの開発が必要ではないかということで 今回開発を試みました

( 様式甲 5) 学位論文内容の要旨 論文提出者氏名 論文審査担当者 主査 教授 花房俊昭 宮村昌利 副査副査 教授教授 朝 日 通 雄 勝 間 田 敬 弘 副査 教授 森田大 主論文題名 Effects of Acarbose on the Acceleration of Postprandial

8 A B B B B B B B B B 175

機能分類や左室駆出率, 脳性ナトリウム利尿ペプチド (Brain Natriuretic peptide, BNP) などの心不全重症度とは独立した死亡や入院の予測因子であることが多くの研究で示されているものの, このような関連が示されなかったものもある. これらは, 抑うつと心不全重症度との密接な

未承認薬 適応外薬の要望に対する企業見解 ( 別添様式 ) 1. 要望内容に関連する事項 会社名要望された医薬品要望内容 CSL ベーリング株式会社要望番号 Ⅱ-175 成分名 (10%) 人免疫グロブリン G ( 一般名 ) プリビジェン (Privigen) 販売名 未承認薬 適応 外薬の分類

3. 安全性本治験において治験薬が投与された 48 例中 1 例 (14 件 ) に有害事象が認められた いずれの有害事象も治験薬との関連性は あり と判定されたが いずれも軽度 で処置の必要はなく 追跡検査で回復を確認した また 死亡 その他の重篤な有害事象が認められなか ったことから 安全性に問

症例報告書の記入における注意点 1 必須ではない項目 データ 斜線を引くこと 未取得 / 未測定の項目 2 血圧平均値 小数点以下は切り捨てとする 3 治験薬服薬状況 前回来院 今回来院までの服薬状況を記載する服薬無しの場合は 1 日投与量を 0 錠 とし 0 錠となった日付を特定すること < 演習


テイカ製薬株式会社 社内資料

頭頚部がん1部[ ].indd


2017 年 9 月 画像診断部 中央放射線科 造影剤投与マニュアル ver 2.0 本マニュアルは ESUR 造影剤ガイドライン version 9.0(ESUR: 欧州泌尿生殖器放射線学会 ) などを参照し 前マニュアルを改訂して作成した ( 前マニュアル作成 2014 年 3 月 今回の改訂

糖尿病診療における早期からの厳格な血糖コントロールの重要性

娠中の母親に卵や牛乳などを食べないようにする群と制限しない群とで前向きに比較するランダム化比較試験が行われました その結果 食物制限をした群としなかった群では生まれてきた児の食物アレルゲン感作もアトピー性皮膚炎の発症率にも差はないという結果でした 授乳中の母親に食物制限をした場合も同様で 制限しなか

Transcription:

第 23 回 MGR トピックス :IgA 腎症 ステロイドパルス療法 扁摘 発表 : 長沼司 ( 腎臓内科 ) 解説 : 神宮寺禎巳 ( 腎臓内科 ) 文献 : Corticosteroid in IgA nephropathy: a randomised controlled trial Claudio Pozzi, PierGiorgio Bolasco, GianBattista Fogazzi, Simeone Andrulli, Paolo Altieri, Claudio Ponticelli, Francesco Locatelli Lancet 1; 353:883-87 211 年 6 月 27 日

35 3 本邦の年次別透析患者数 導入患者数 死亡患者数の推移 44 人に 1 人 2 年末患者数 2,675 人 25 2 15 1 5 183 184 185 186 187 188 18 1 11 12 13 14 15 16 17 18 1 2 21 22 23 24 25 26 27 28 2 年末患者数 導入患者数 死亡数 日本透析医学会 統計調査委員会

透析医療の問題点 透析医療費 ( 国民総医療費の 1/3) 平均余命 ( 一般の約 1/2) 透析導入を 減らしたい QOL の低下 社会復帰への障害 本邦の原発性慢性糸球体腎炎の中で最も多い疾患 IgA 腎症 IgA 腎症受療患者数 推計 24, 人 厚生労働省研究班,14 年

IgA 腎症 168 年 フランスの Berger らが 糸球体メサンギウム領域に強い IgA の沈着を認める糸球体疾患として報告 その後 東アジア オセアニア 南欧の諸国に多いことが判明し 本邦でも成人の慢性糸球体腎炎の4~5% を占め 最もポピュラーな腎炎として知られるようになった. 臨床的には感冒罹患時に肉眼的血尿を伴うことが多いものの 当初 長期予後は概して良好とされ 強力な治療は差し控えて経過観察するのが一般的であった. しかし 発症から 2 年後には 38~3% が末期腎不全に陥ることが 13 年に相次いで報告され これを受けて 近年治療方針の見直しが模索されるようになった.

IgA 腎症 メサンギウム領域への強い IgA の沈着

IgA 腎症の成因 根本の成因は不明だが 糸球体への IgA 沈着が病変の形成に大きな役割を担っていると考えられる. 1 IgA の産生亢進気道 消化管粘膜の持続的抗原刺激による ( 特に口蓋扁桃への細菌 ウイルスの刺激 ) 2 IgA の構造異常糸球体メサンギウムに沈着しやすい異常 IgA (IgA 腎症患者の IgA 1 ヒンジ部の糖鎖異常 ) 3 IgAの異化低下 IgA 1 網内系のIgA 処理能の低下 ( 例肝硬変に続発するIgA 腎症 ) ヒンジ部

IgA 腎症の発症から 2 年後には 3% が透析導入となる Renal survival rates for patients with IgAN Natural history and risk factors for immunoglobulin A nephropathy in Japan Koyama A, et al, Am J Kidney Dis 17

発症時と腎生検時の年齢分布 人 1 8 7 6 5 4 3 2 1 約 1/3 の症例が 1 歳代に発症 発症時の年齢 若くして発症するため 2 年後 は軽視できない 腎生検時の年齢 腎生検時の年齢は 15~1 歳と4~44 歳にピーク ~ 5~ 1~15~2~25~3~35~4~45~5~55~6~65~7~75~ 歳 厚生労働省研究班,14 年

Corticosteroids in IgA nephropathy: a randomised controlled trial. Pozzi C, Bolasco PG, Fogazzi GB, Andrulli S, Altieri P, Ponticelli C, Locatelli F. Divisione di Nefrologia, Azienda Ospedaliera di Lecco, Italy. Lancet. 1 Mar 13;353(156):883-7. 腎臓内科指導医 長沼司神宮寺禎巳

研究の概要 患者 : IgA 腎症の患者に 介入 : ステロイド治療を行うと 比較 : 支持療法群と比較して アウトカム : 血清のCr 上昇を抑制できるか 方法 研究デザイン無作為化比較試験 登録期間 187 年 7 月から 15 年 月 観察期間 5 年 施設イタリアの 7 施設 対象患者 86 人 15-6 歳の腎生検で診断された IgA 腎症患者尿蛋白 1.-3.5g/day 血清 Cre1.5mg/dL 以下

患者の割り付け IgA 腎症患者 (n= 37 ) エントリー (n= 86 ) 条件に一致せず (n= 284) ステロイド治療群 (n=43) 支持療法群 (n=43) 離脱 (n=7) 参加取り消し (n=1) 外来受診せず (n=2) プロトコールを逸脱 (n=4) 離脱 (n=5) 参加取り消し (n=3) 外来受診せず (n=1) プロトコールを逸脱 (n=1) 最終観察達成 (n=36) 最終観察達成 (n=38)

各群の治療方法 mpsl 1g/day 3 日間 PSL.5mg/kg 隔日 2 カ月間 ステロイド治療群 メチルプレドニゾロン 1g を 3 日間連続静脈内投与 その 2 カ月後と 4 カ月後にも繰り返し投与 その間は経口のプレドニゾン.5kg/day を 6 カ月間 隔日投与 コントロール群 支持療法のみ ( 血圧コントロールなど )

結果 1 プライマリーエンドポイント : 血清クレアチニン上昇 Cre 5% 上昇 (-) log-rank test p=.48 ステロイド治療群コントロール群 観察期間 5 年 Cre5% 上昇 ステロイド治療群 : 人 (21%) コントロール群 :14 人 (33%) Cre 1% 上昇 (-) ステロイド治療群 log-rank test p=.5 コントロール群 Cre1% 上昇 ステロイド治療群 :1 人 (2%) コントロール群 : 人 (21%) ステロイド治療群は腎機能低下を抑制した

中蛋泄量結果 2 セカンダリーエンドポイント : 尿中蛋白排泄量の変化 白排SD:.45-.54g/day ステロイド治療群尿SD:.63-2.42g/day コントロール群 平均尿中蛋白排泄量 治療開始後 6ヵ月 -5 年間観察 ステロイド治療群で減少 コントロール群では変化なし (p<.5) (g/day )ステロイド治療群は尿中蛋白排泄量を減少させた

拡張期血圧(mmHg )縮期血圧(mm mhg )結果 3 セカンダリーエンドポイント : 副作用の有無 ( 安全性 ) ステロイド治療群 コントロール群 安全性 体重増加 6 ヵ月の治療期間中群間に有意差なし 高血圧群間に有意差なし収血圧上昇ステロイド治療群 :8 人コントロール群 : 人 糖尿病治療から 2 年後にステロイド治療群で 1 人 ステロイド治療群に重篤な副作用なし

1 年間の観察結果 Corticosteroid Effectiveness in IgA Nephropathy: Long-Term Results of a Randomized, Controlled Trial Claudio Pozzi *, Simeone Andrulli *, Lucia Del Vecchio *, Patrizia Melis, Giovanni B. Fogazzi, Paolo Altieri, Claudio Ponticelli and Francesco Locatelli * J Am Soc Nephrol 15 : 157-163, 24 Cre の 1% 上昇がなかった患者の割合 ステロイド治療群 (1/43) コントロール群 (13/43) ステロイド治療群は,1 年後にも, 有意に腎機能低下が抑制されていた.

西暦IgA 腎症治療の 歴史 国内 抗血小板剤 2 東條 対症療法が主体ステロイドはひかえる ( コンセンサス ) 臨床的寛解をめざした早期からの積極的治療の模索 ( 空気 ) 経口ステロイド 4 Kobayashi Y 扁摘パルス 4 Hotta O 8 3 8 4 8 5 8 6 8 7 8 8 8 1 2 3 4 5 6 7 8 1 2 3 4 5 6 7 8 1 1 1 海外 Lai K 1 メタ解析 2 ランダム化比較試験 3 非ランダム化比較試験 4 コホート研究 症例対象研究 赤字治療有効の結論青字治療無効の結論 抗血小板剤 2 Chan MK 有効な治療法なし Opinion D Amico G 根治療法なし Opinin ステロイド無効 3 Galla JH ステロイド + 免疫抑制剤 1 Schena FR ( ただし急速進行例に限る ) ステロイド隔日 3 Waldo FB Fish Oil 2 Donadio JV 扁摘 4 Bene MC ACE-I 2 Praga M ステロイドパルス 2 Pozzi Pozzi C ARB 2 Li PK Fish Oil 1 Hogg RJ

扁摘パルス療法 後ろ向きコホート研究 扁摘 + ステロイドパルス療法を長年実施し その寛解率を検証 後ろ向きに治療成績を検討 (32 症例 )( 平均観察期間 :6. 年 ) その結果 48% に臨床的寛解をみた 寛解例ではその後の腎機能の進行性悪化は皆無であった 多変量解析での検討では 血清 Cr 糸球体障害指数 ステロイドパルス 扁摘が寛解に及ぼす有意な因子であった Hotta, et al, Am J Kidney Dis, 21

扁摘 vs 非扁摘 成人 IgA 腎症における尿所見異常の消失 ( 扁摘群と非扁摘群の比較 ) 尿所見異常の消失 報告者 報告年患者数 平均観察期間 ( 月 ) 扁的群 vs 非扁的群 χ 2 検定法 M-Cox 法 Akagi 24 71 158 24% vs 13% 有意差なし - Komatsu 25 237 62 32% vs 17% p <.1 - Chen 27 112 13 46% vs 28% p =.4 有意差なし 成人 IgA 腎症に対する扁摘の透析導入阻止効果 ( 扁摘群と非扁摘群の比較 ) 報告者報告年患者数平均観察期間 ( 月 ) 透析導入の有無 K-M 法 χ 2 検定法 M-Cox 法 Rasche 1 55 41 有意差なし 有意差なし有意差なし Xie 23 118 13 p =.32 p =.33 p =.164 Akagi 24 71 156 p <.5 p <.1 - Komatsu 25 237 62 p =.16 有意差なし p =.4 Chen 27 112 13 有意差なし 有意差なし - 成人 IgA 腎症に対する扁摘の CKD ステージ進行阻止効果 ( 扁摘群と非扁摘群の比較 ) 報告者報告年患者数平均観察期間 ( 月 ) 腎機能障害進行 (CKD 1-2 3) の有無 K-M 法 χ 2 検定法 M-Cox 法 Piccoli 21 61 25 有意差なし有意差なし有意差なし

扁摘パルス vs パルス単独 成人 IgA 腎症に対する扁摘パルス療法 (TSP) の治療効果 報告者 報告年患者数 平均観察研究期間 ( 月 ) デザイン 臨床的寛解率と群間比較 全体寛解率 χ 2 検定法 M-Cox 法 備考 Hotta 21 17 82 コホート 48% 55vs3 SP1.7,TSP2. Miyazaki 27 3 6 nonr-ct 63% 6vs3 - Suwabe 27 72 2 コホート 蛋白尿変化前値の 6 - - Sugawara 28 12 37 コホート 33%/58 % - - Komatsu 28 55 54 nonr-ct 47%/44 % 54vs25 TSP6.2 Kawaguchi 21 38 24 コホート 44% 77vs3 SP2.6,TSP4.7 軽症例 Kaneko 21 42 24 コホート 76% - - MZB+ Wang 211 345 - メタ解析 - 58vs34 OR.36(TSP 勝 ) 報告者 報告年患者数 平均観察研究期間 ( 月 ) デザイン 腎生存率と群間比較 備考 Sato 23 7 7 症例対照 TSP:PSL: 支持 =87:44:27 重症例

扁摘 vs 非扁摘 現在得られるデータで見る限り, 扁摘単独では, IgA 腎症の粘膜免疫系の異常を制御することは不可能なようである. Coppo R Nephrol Dial Transplant 21 扁摘パルス vs パルス単独 扁摘パルスは臨床的寛解を目的とする標準的治療として推奨し得るか? 十分な規模 長期間 前向き ランダム化比較の研究がなされていない現状では 扁摘を勧めることはできない Locatelli F, et al. Nature Clin Pract Nephrol, 26 Apple GB, et al. Kidney Int, 26

そこで 扁摘パルス vs パルス単独 A multicenter, randomized, controlled trial of tonsillectomy plus steroid pulses vs steroid pulses alone ( 日本腎臓学会 ) 登録基準腎生検により確定した IgA 腎症患者尿蛋白 1.~3.5g/day Cr 1.5mg/dl 慢性あるいは再発性の扁桃炎がある高血圧がない の RCT 方法 A 群 : 扁摘パルス (4 例 ) B 群 : パルス単独 (4 例 ) 治療期間 :12 ヶ月 観察期間 :3 年 を計画 登録期間 25.4.1~21.3.31 213 年に結果

当院の腎生検で確定した IgA 腎症症例 ( 腎生検 28.1.~211.5.) 腎生検症例に占める IgA 腎症の割合 :25% IgA 腎症, 54 IgA 腎症患者の年齢 37.7±16.5 歳 中央値 33 歳 ( 四分範囲 23-5 歳 ) その他, 158 発症から腎生検までの推定罹病期間 女, 26 性別 男, 28 2 年以内, 4 1 年以内, 6 5 年以内, 6 1 年以内, 11 3 年以内, 13 3 年以内, 4 診断まで時間がかかりすぎ 平均推定罹病期間約 6 年

当院での28 年以降の腎生検で確定した IgA 腎症に対する治療の現況 年齢男女比期間 ( 年 ) n 扁摘パルス 33.6.67 5.8 ±6.8 1 扁的単独 56.7 2. 7.2 ±6.4 1 パルス単独 28..43 13.5 ±13.5 3 対症療法 4. 1.1 4. ±4. 31 パルス単独療法を選択した症例は 結果的に 若年者で 罹病期間が長く 重症例が多かった 8 7 6 5 4 3 2 1 egfr (ml/min) 扁摘パルス扁的単独パルス単独支持療法前後 2.5 2 1.5 1.5 前 尿蛋白 (g/day) 後 扁摘パルス扁的単独パルス単独支持療法 5 45 4 35 3 25 2 15 1 5 前 尿 RBC (/HPF) 後 扁摘パルス扁的単独パルス単独支持療法