【参考資料2】域外避難に関する参考資料

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浸水深 自宅の状況による避難基準 河川沿いの家屋平屋建て 2 階建て以上 浸水深 3m 以上 緊急避難場所, 近隣の安全な建物へ水平避難 浸水深 50 cm ~3m 緊急避難場所, 近隣の安全な建物へ水平避難上階に垂直避難 浸水深 50 cm未満 緊急避難場所, 近隣の安全な建物へ水平避難 自宅に待

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Microsoft PowerPoint - 参考資料 各種情報掲載HPの情報共有

あおぞら彩時記 2017 第 5 号今号の話題 トリオ : 地方勤務の先輩記者からの質問です 気象庁は今年度 (H 29 年度 )7 月 4 日から これまで発表していた土砂災害警戒判定メッシュ情報に加え 浸水害や洪水害の危険度の高まりが一目で分かる 危険度分布 の提供を開始したというのは本当ですか

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Microsoft Word - 03.【参考】新旧対照表(中防災).docx

(案)

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Microsoft Word 【洪水予報】報道発表資料_熊谷地台.doc

別添 中防災第 1 1 号 平成 29 年 5 月 31 日 各指定行政機関の長各指定公共機関の代表殿 中央防災会議会長 ( 内閣総理大臣 ) 安倍晋三 梅雨期及び台風期における防災態勢の強化について 貴殿におかれては 日頃から各般の施策を通じて災害対策の推進に御尽力をいただいているところであるが

気象庁 札幌管区気象台 資料 -6 Sapporo Regional Headquarters Japan Meteorological Agency 平成 29 年度防災気象情報の改善 5 日先までの 警報級の可能性 について 危険度を色分けした時系列で分かりやすく提供 大雨警報 ( 浸水害 )

避難開始基準の把握 1 水害時の避難開始基準 釧路川では 水位観測所を設けて リアルタイム水位を公表しています 水位観測所では 災害発生の危険度に応じた基準水位が設定されています ( 基準となる水位観測所 : 標茶水位観測所 ) レベル水位 水位の意味 5 4 ( 危険 ) 3 ( 警戒 ) 2 (

平成 29 年 12 月 1 日水管理 国土保全局 全国の中小河川の緊急点検の結果を踏まえ 中小河川緊急治水対策プロジェクト をとりまとめました ~ 全国の中小河川で透過型砂防堰堤の整備 河道の掘削 水位計の設置を進めます ~ 全国の中小河川の緊急点検により抽出した箇所において 林野庁とも連携し 中

目 次 はじめに 市町村の責務と各人の避難行動の原則 市町村の責務 各人の避難行動の原則 避難行動 ( 安全確保行動 ) の考え方 避難の目的 避難行動 立ち退き避難が必要な災害の事象

Microsoft PowerPoint - 洪水予報河川等.pptx

目次 1. はじめに 1 2. 協議会の構成 2 3. 目的 3 4. 概ね5 年間で実施する取組 4 5. フォローアップ 8

国土技術政策総合研究所 研究資料

Microsoft PowerPoint - ◯06_出水期における防災体制

試行の概要 試行の目的石狩川滝川地区水害タイムライン ( 試行用完成版 ) を試行的に運用することにより 対応行動や実施手順を確認するとともに 運用結果を検証し 同タイムラインを精査することを目的とする 試行の概要 実施時期 : 平成 29 年出水期 (8 月 ~10 月ごろ ) 実施場所 : 各主

平成 30 年度年法律第 57 号 ) 等により 要配慮者利用施設は 避難確保計画等の自然災害に関する計画 ( 以下 災害計画 という ) を作成することとなっており 災害計画の作成を促進するため 貴殿におかれても必要な支援に努められたい また 市町村が行う避難勧告等の発令に関する各種取組への積極的

Microsoft Word 最終【資料-4】.docx

1. 災害の発生を未然に防止するため 防災事務に従事する者の安全確保にも留意した上で 職員の参集や災害対策本部の設置等適切な災害即応態勢の確保を図り 関係機関との緊密な連携の下に 特に以下の取組について万全を期すること 1 危険箇所等の巡視 点検の徹底河川等の氾濫 がけ崩れ 土石流等災害発生のおそれ

第8章 災害復旧計画

試行の概要 試行の目的石狩川滝川地区水害タイムライン ( 試行用完成版 ) を試行的に運用することにより 対応行動や実施手順を確認するとともに 運用結果を検証し 同タイムラインを精査することを目的とする 試行の概要 実施時期 : 平成 30 年出水期 (8 月 ~10 月ごろ ) 実施場所 : 各主

2-2 需要予測モデルの全体構造交通需要予測の方法としては,1950 年代より四段階推定法が開発され, 広く実務的に適用されてきた 四段階推定法とは, 以下の4つの手順によって交通需要を予測する方法である 四段階推定法将来人口を出発点に, 1 発生集中交通量 ( 交通が, どこで発生し, どこへ集中

( 参考資料 ) 緊急速報メールを活用した 洪水情報のプッシュ型配信 国土交通省四国地方整備局松山河川国道事務所平成 29 年 3 月

避難を促す緊急行動 被災した場合に大きな被害が想定される国管理河川において 以下を実施 1. 首長を支援する緊急行動 ~ 市町村長が避難の時期 区域を適切に判断するための支援 ~ できるだけ早期に実施 トップセミナー等の開催 水害対応チェックリストの作成 周知 洪水に対しリスクが高い区間の共同点検

目次 はじめに P3 1 災害 緊急の範囲 P3 2 時間と場所を考慮した対応の必要性 P3 3 時間ごとの対応 P4 4 場所ごとの対応 P5 5 デジタルサイネージの提供コンテンツ P6 6 緊急時を意識したデジタルサイネージシステム P6 7 情報の切替 復帰の条件 P7 8 緊急運用体制 P

Microsoft PowerPoint 【資料1】関東地整.pptx

洪水時の避難確保計画 施設 年月作成 洪水 の避難確保計画は基本的にこのエクセル表入力に基づき出力した計画書が市町村あての提出物です 他に ワード様式 の 様式 7 防災教育訓練年間計画 様式 8 施設利用者緊急連絡先一覧 様式 9 緊急連絡網 様式 10 外部機関緊急連絡先一覧 様式 11 対応別

新川水系新川 中の川 琴似発寒川 琴似川洪水浸水想定区域図 ( 計画規模 ) (1) この図は 新川水系新川 中の川 琴似発寒川 琴似川の水位周知区間について 水防法に基づき 計画降雨により浸水が想定される区域 浸水した場合に想定される水深を表示した図面です (2) この洪水浸水想定区域図は 平成

平成 29 年 7 月 20 日滝川タイムライン検討会気象台資料 気象庁札幌管区気象台 Sapporo Regional Headquarters Japan Meteorological Agency 大雨警報 ( 浸水害 ) 洪水警報の基準改正 表面雨量指数の活用による大雨警報 ( 浸水害 )

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NITAS の基本機能 1. 経路探索条件の設定 (1) 交通モードの設定 交通モードの設定 とは どのような交通手段のネットワークを用いて経路探索を行うかを設定するものです NITASの交通モードは 大きく 人流 ( 旅客移動 ) 物流( 貨物移動 ) に分かれ それぞれのネットワークを用いた経路

- 1 - かつ多数の者が利用する施設(地下に建設が予定されている施設又は地下に建設中の施設であって 不特定かつ多数の者が利用すると見込まれるものを含む )をいう 以下同じ )であって 当該地下街等と連続する施設から浸水するものの存する区域を含めて行うことができる (洪水浸水想定区域の指定の際の明示

<ハード対策の実態 > また ハード対策についてみると 防災設備として必要性が高いとされている非常用電源 電話不通時の代替通信機能 燃料備蓄が整備されている 道の駅 は 宮城など3 県内 57 駅のうち それぞれ45.6%(26 駅 ) 22.8%(13 駅 ) 17.5%(10 駅 ) といずれも

第 2-16 表 化学機動中隊の現況 ( 平成 29 年 4 月 1 日現在 ) 方 面 配 置 消 防 署 中 隊 名 第一方面 赤 坂 赤 坂化学機動中隊 第二方面 大 井 大 井化学機動中隊 第五方面 本 郷 本 郷化学機動中隊 第六方面 千 住 千 住化学機動中隊 第七方面 城 東 大 島化

( 施設名 ) における 土砂災害時の避難確保計画 各施設の状況に応じて 赤字部分を修正してください 福祉施設 医療機関両方で使用できる内容にしています 不要な部分は削除してください 施設の状況に応じて内容を追加してください ( 提出時 このテキストボックスは削除してください ) 平成 年 月

避難勧告等の発令に着目したタイムラインの概要 取組概要 市町村長が避難勧告等を適切なタイミングで発令できるよう 全国の直轄河川を対象に避難勧告等の発令に着目したタイムラインを策定 平成 26 年の出水期までに 全国 109 水系の 148 市町村と連携し 洪水を対象とするタイムラインを策定 各地域で

近畿地方整備局 資料配付 配布日時 平成 23 年 9 月 8 日 17 時 30 分 件名土砂災害防止法に基づく土砂災害緊急情報について 概 要 土砂災害防止法に基づく 土砂災害緊急情報をお知らせします 本日 夕方から雨が予想されており 今後の降雨の状況により 河道閉塞部分での越流が始まり 土石流

東日本大震災における施設の被災 3 東北地方太平洋沖地震の浸水範囲とハザードマップの比較 4

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大阪市防災 減災条例 目次第 1 章総則 ( 第 1 条 - 第 3 条 ) 第 2 章本市の責務 ( 第 4 条 - 第 7 条 ) 第 3 章市民の責務 ( 第 8 条 ) 第 4 章事業者の責務 ( 第 9 条 ) 第 5 章災害予防 応急対策 ( 第 10 条 - 第 25 条 ) 第 6

事業継続計画(BCP)作成用調査ワークシート

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資料 2 主要渋滞箇所 ( 案 ) の抽出方針について ( 一般道 ) 平成 24 年 8 月 9 日

1 見出し1

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スライド 1

「南九州から南西諸島における総合的防災研究の推進と地域防災体制の構築」報告書

PowerPoint プレゼンテーション

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中央防災会議会長(内閣総理大臣)による「梅雨期及び台風期における防災態勢の強化について」の通知について

目次

●空家等対策の推進に関する特別措置法案

Microsoft Word 交通渋滞(有明アーバン)_181017

1 見出し1

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PowerPoint プレゼンテーション

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速度規制の目的と現状 警察庁交通局 1

交通結節点が備えるべき機能を整理すると 最も基本となるものとして があり これに加えて 都市機能の誘導 集積を促進させ 都市内の中心的な拠点地区を形成する 及び 都市の顔 となる 交通結節点の計画 整備の検討においては 先に示した の三種の機能がそれぞれ交通結節性 人の交流や景観等の面で役割を果たし

5-2 居住誘導区域の設定 居住誘導の基本方針を踏まえ 以下の居住誘導区域の設定の考え方に基づき 居住誘導区域を設 定します 居住誘導区域の設定の考え方 (1) 居住誘導区域に含めるエリア 居住誘導区域に含めないエリア 居住誘導区域に含めるエリア 1 都市機能誘導区域 居住誘導区域に含めないエリア

Microsoft Word - RM最前線 doc


重ねるハザードマップ 大雨が降ったときに危険な場所を知る 浸水のおそれがある場所 土砂災害の危険がある場所 通行止めになるおそれがある道路 が 1 つの地図上で 分かります 土石流による道路寸断のイメージ 事前通行規制区間のイメージ 道路冠水想定箇所のイメージ 浸水のイメージ 洪水時に浸水のおそれが

水防法改正の概要 (H 公布 H 一部施行 ) 国土交通省 HP 1

1 見出し1

平成17年度 児童生徒用身分証明書発行計画(案)

H28秋_24地方税財源

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別紙 大雨時の川のはん濫の危険性を知らせる 身近な 雨の状況 川の水位と危険性 川の予警報 などを リアルタイムでお知らせするウェブサイトです 川の水位 川の画像 PC 版 スマホ版 浸水想定区域図 住民の方々が自らはん濫の危険性を知り 的確な避難行動などに役立つように 利用者目線に立った新しい 川

(2) 市原市における区域設定の考え方本市においては 更級地区における商業集積や沿岸における工業地帯の形成等 これまで特色ある土地利用展開を行ってきた経緯を踏まえ 居住誘導区域の設定に合わせ地域の特性に応じた区域を設定します 市原市における区域設定の考え方 市街化区域 1 居住誘導区域 2 一般居住

避難勧告等の 判断 伝達マニュアル ( 土砂災害編 ) ひと 緑がかがやく田園と交流のまち 安全に安心して暮らせるまちの実現に向けて ( 概要版 ) 平成 26 年 9 月 1 日 北海道長沼町

ダムの運用改善の対応状況 資料 5-1 近畿地方整備局 平成 24 年度の取り組み 風屋ダム 池原ダム 電源開発 ( 株 ) は 学識者及び河川管理者からなる ダム操作に関する技術検討会 を設置し ダム運用の改善策を検討 平成 9 年に設定した目安水位 ( 自主運用 ) の低下を図り ダムの空き容量

国土技術政策総合研究所 プロジェクト研究報告

各府省からの第 1 次回答 1. 災害対策は 災害対策基本法に規定されているとおり 基礎的な地方公共団体である市町村による第一義的な応急対応と 市町村を包括する広域的な地方公共団体である都道府県による関係機関間の総合調整を前提としている を活用してもなお対応できず 人命又は財産の保護のため必要がある

1

目次 1 降雨時に土砂災害の危険性を知りたい 土砂災害危険度メッシュ図を見る 5 スネークライン図を見る 6 土砂災害危険度判定図を見る 7 雨量解析値を見る 8 土砂災害警戒情報の発表状況を見る 9 2 土砂災害のおそれが高い地域 ( 土砂災害危険箇所 ) を調べたい 土砂災害危険箇所情報を見る

スライド 1

アンケート調査の概要 目的東南海 南海地震発生時の業務継続について 四国内の各市町村における取り組み状況や課題等を把握し 今後の地域防災力の強化に資することを目的としてアンケート調査を実施 実施時期平成 21 年 11 月 回答数 徳島県 24 市町村 香川県 17 市町 愛媛県 20 市町 高知県

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ハザードマップポータルサイト広報用資料

避難勧告等に関するガイドライン1(避難行動・情報伝達編)

3.[ トップ画面 ] データ放送連携トップ画面 トップ画面には ゆめネットデータ放送と連携した情報が表示されます " メニュー部分を左右に移動させると様々な情報メニューが表示されます " 情報メニューをタップすると内容が表示されます " データ放送以外の情報は 下部のタブメニューをタップすると他の

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資料 -2 国道 24 号烏丸通 歩行者 自転車通行安全協議会 国道 24 号烏丸通の概要 平成 30 年 3 月 国土交通省近畿地方整備局京都国道事務所

避難所講演資料

宮城県総合防災情報システム(MIDORI)

~ 二次的な被害を防止する ~ 第 6 節 1 図 御嶽山における降灰後の土石流に関するシミュレーション計算結果 平成 26 年 9 月の御嶽山噴火後 土砂災害防止法に基づく緊急調査が国土交通省により実施され 降灰後の土石流に関するシミュレーション結果が公表された これにより関係市町村は

市町村名 担当課名 電話番号 FAX 番号 E メールアドレス 備考 本山町 総務課 大豊町 総務課

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目次(案)

土砂災害警戒情報って何? 土砂災害警戒情報とは 大雨警報が発表されている状況でさらに土砂災害の危険性が高まったときに, 市町村長が避難勧告等を発令する際の判断や住民の方々が自主避難をする際の参考となるよう, 宮城県と仙台管区気象台が共同で発表する防災情報です 気象庁 HP より :

Microsoft Word - H 記者発表_名張川3ダム演習_ .doc

ことを呼びかけます Q4. ミサイルが落下する可能性がある との情報伝達があった場合は どうすれば良いのでしょうか A4. 屋外にいる場合 近くの建物 ( できれば頑丈な建物 ) の中又は地下に避難してください 近くに適当な建物等がない場合は 物陰に身を隠すか地面に伏せ頭部を守ってください 屋内にい


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参考資料 2 域外避難に関する参考資料 平成 29 年 2 月 13 日 洪水 高潮からの大規模 広域避難検討 WG 本資料における数値は全て検討途上のものであり 今後の WG 資料において随時修正 更新していく

交通手段の選択率の設定 距離最短の考え方に基づく避難完了時間の算出にあたっては 住民一人ひとりの判断で 交通手段を選択することとし 交通手段の選択率は 江東 5 区の水害に関する住民調査 のアンケート調査結果を基に設定した 一人の回答者が避難先 避難手段を複数回答している場合は 回答数で除して補正した 交通手段の選択率は 徒歩 32% 自動車 28% 鉄道 40% の割合となった 全アンケート回答者 (N=1,684) 避難先として考えられるもの (3 つまで回答可 ) 自宅もしくは近隣の場所 ( 域内 )(N=442) 自宅もしくは近隣の場所以外 ( 域外 )(N=1,242) 避難先までの移動手段 ( 択一 ) No 避難先 (1) 移動手段 (1) 避難先 (2) 移動手段 (2) 避難先 (2) 移動手段 (2) 徒歩 1 自動車 1 鉄道 1 1 指定施設 徒歩 別宅等 自動車 民間施設 自動車 1/3 2/3 2 指定施設 鉄道 1 3 指定施設 徒歩 民間施設 鉄道 1/2 1/2 1242 指定施設 鉄道 1 合計 402.0 342.8 490.5 割合 32.4% 27.6% 39.5% 1 徒歩は 1 徒歩 2 自転車 自動車は 3 バイク 4 自動車 5 他家の自動車に ] 同乗 鉄道は公共交通機関として 6 鉄道 7 バス 8 タクシー とした 1

徒歩避難における密度 速度の関係式 歩行速度と密度の関係式はいくつか提案されているが 本検討では 密度増加による歩行速度低下を表現できる線形モデルを採用する ( 表 1) 線形モデルは対象者の種類毎にパラメーターが提案されている 本検討では 全員が同じ目的で行動する避難時の状況に近いと考えられる 通勤者 を対象としたフルーイン式を採用する ( 表 2) 速度 (m/s) 時間交通容量 ( 人 /m s) 密度 ( 人 / m2 ) 密度 ( 人 / m2 ) モデル 表 1 歩行速度 ~ 群集密度モデルの特徴 概要 線形モデル 表 2 線形モデルの特徴 概要 1 べき乗モデル ( 木村 伊原式 ) 駅周辺における群集移動の観測結果によるべき乗式 流動量 Q =V ρ は単純増加関数で 密度 ρ が大きいほど大きくなる フル イン式 打田式 バスターミナルの通勤者を対象とした観測値に基づく式 電車駅の乗降場 ( 階段含む ) の利用者を対象とした観測値に基づく式 2 反比例モデル ( 戸川式 ) 3 線形モデル ( フルーイン式等 ) 通勤群集 ( 電車の出入口 オフィスのエレベーター等 ) 一般群集 ( 百貨店の出入口 映画館の出口等 ) の観測結果による反比例式 流動量 Q =V ρ は 密度 ρ によらず一定となる 通勤群集の移動の観測結果による線形式 流動量は 密度を説明変数とする二次関数となり 密度増加による歩行速度低下を表現できる オルダー エディング ネヴィン ウィラー 買物客を対象とした観測値に基づく式 工場施設 スポーツ行事 商店街等の歩行者を対象とした観測値に基づく式 大学構内の学生を対象とした観測値に基づく式 2

自動車避難における通過交通の設定 避難時間の算出手順 各ボトルネック箇所での通過交通 ( 外外交通 内外交通 ) の総量は 平常時における各ボトルネック箇所での江東 5 区内から5 区外へと出る方向の交通量を避難時間あたりに換算したものとなる 一方で 避難時間は非避難者による通過交通を設定しないと算出できない そこで 仮の避難時間を設定して 通過交通を算出し その通過交通をもとに 避難時間算出 通過交通算出 避難時間算出 と 収束計算を実施することが必要となる まず 平成 22 年度道路交通センサスの昼間 12 時間自動車類交通量 ( 下表 2) において 各ボトルネック箇所を含む区間の交通量を抽出し それを半分にしたものを12 時間で除して 時間あたりの通過交通 ( 下表 3) を算出する ここで 仮の避難時間 ( 下表 4) を設定し 時間あたりの通過交通に仮避難時間を乗じることで 各ボトルネックにおける通過交通の総量を算出する 避難交通 ( 下表 1) に通過交通を加え総交通量を算定し ( 下表 5) これを交通容量( 下表 6) で除して避難時間を算出する ( 下表 7) 算出した避難時間で通過交通の総量を再度設定し 上記を繰り返して避難時間の収束計算を実施する ( 下表 8) 避難時間の算出手順 (1 8) 8 収束計算 ボトルネック個所 1 避難交通 ( 要避難区域内の人口より算定 ) 2 普段の交通量 (H22 道路交通センサス / 昼間 12 時間自動車類交通量 ) 3 時間あたりの通過交通 (2 12 0.5) 4 仮避難時間 ( 通過交通算定用に仮設定 ) 5 総交通量 (1+3 4) 6 時間交通容量 ( 渋滞時の速度 車間距離 車線数から設定 ) 7 避難時間 (5 6) A 橋 10,000 台 20,000 台 /12 時間 B 橋 9,000 台 10,000 台 /12 時間 C 橋 7,000 台 10,000 台 /12 時間 833 台 /hr 10hr 18,330 台 2,000 台 /hr 9.2hr 416 台 /hr 10hr 13,160 台 1800 台 /hr 7.3hr 416 台 /hr 10hr 11,160 台 1500 台 /hr 7.4hr 3

鉄道避難における乗車定員 乗車率の設定 路線別 方面別の 1 日あたり乗車定員の設定 路線別着時間帯別駅間輸送定員表は駅間を通過することができる定員を示しており 各駅停車や急行 快速等の区別が為されていない路線については 急行等が停車しない駅であっても急行等の定員を含んだ値となっている これを各駅停車と急行等とに配分するにあたっては 次の方法を採った 1 各駅の各駅停車と急行等の運行本数の比を算出する 2 一般的に各駅停車の車両数はその他と比較し編成数が少ないため 各駅停車とその他の編成数の比は2:3と仮定する 3 運行本数の比 1と 車両編成の比 2を乗じ その比によって各駅停車と急行等に乗車定員を配分した 路線別着時間帯別駅間輸送定員表 ( 出典 : 第 11 回大都市交通センサス ) 主要区間の終日の平均編成両 ( 出典 : 平成 25 年度版都市交通年報 ) 路線 終日の平均編成両数 (H23) 避難対象地域外 江東 5 区避難対象地域 駅ごとに時間帯別の輸送力を集計し 1 日の輸送力を算定 総武線 緩行 ( 錦糸町 両国 ) 10 快速 ( 新小岩 錦糸町 ) 12.5 常磐線 緩行 ( 亀有 綾瀬 ) 10 快速 ( 松戸 北千住 ) 14.2 乗車率の設定 通勤 通学時間帯のピーク乗車率である200% を参考に 大量の荷物を持った避難者が乗車した場合の乗車率を設定する ( 東京圏における主要区間の混雑率 (H27 国土交通省 ) の最大値は 東西線と総武線の江東 5 区内の区間であり ともに混雑率が199% である ) 輸送定員 153 名 ( 座席 54) 席の車両を想定 ( 例 : 東京メトロ東西線 05 系 new) した場合 乗車率 200% では1 車両に306 名が乗車することとなる 座っている避難者 54 名 ( ) は 膝の上に荷物を置く 座席の前に立っている避難者 54 名 ( ) は 網棚の上に荷物を置く 残り198 名が乗車できるはずであるが 荷物の影響で1 人につき2 人分のスペースを占有すると仮定すると 198 名から99 名に減少する この場合 輸送定員の153 名に対し乗車人数は207 名となり 乗車率は135% となる ( ただし 日暮里 舎人ライナーについては 網棚がないこと等から 120% にした ) 混雑度の目安 ( 出典 : 国土交通省鉄道局 HP) 座っている避難者 座席の前に立っている避難者を除く避難者の乗車イメージ荷物( 通勤 通学時間帯 ) ( 避難時 ) 荷物1 人につき 2 人分のスペースを占有 4

鉄道避難における通過交通 乗車時間の設定 非避難者の通過交通の考慮 非避難者の通過交通は以下の式のように考慮し 路線に急行等がある場合には急行等に全ての通過交通が乗車することとした 自動車避難においては 江東 5 区外から来た非避難者は江東 5 区内からの避難者といっしょになってボトルネック箇所である橋梁等に進入するため 収束計算が必要となる 一方で 鉄道避難においては 江東 5 区外から来た非避難者は降車することなく江東 5 区を通過することができ 非避難者は避難時の混雑状況にかかわらず移動することができる そこで 平常時の1 日あたりの通過交通から単純に時間あたりに変換する ( 厳密には内外交通については自動車避難と同様の収束計算が必要となるが 鉄道の通過交通においては外外交通が支配的であるため 平常時の交通量から一律に時間あたりの通過交通を設定した ) 非避難者による時間あたりの通過交通 ( 人 /h) 駅 路線 方面別の1 日あたりの = 通過人数 ( 人 / 日 ) 非避難者による鉄道の通過交通の比率 18 1 日あたり営業時間 駅別 1 日あたりの通過人数 ( 出典第 11 回大都市交通センサス駅別発着 駅間通過人員表 ) 避難対象地域外 パーソントリップ調査において 全交通のうち 到着点が江東 5 区外のトリップの割合の半分として設定 ( 資料 3 の P7 参照 ) 江東 5 区避難対象地域 駅ごと方向ごとに 通過する利用者を集計 乗車時間の設定 避難対象地域の各駅から 最寄りの浸水範囲外縁駅までの乗車時間は 域外避難時のダイヤ 時間帯によって異なる そこで 各駅から浸水範囲外縁駅までの営業キロを 駅での停車の時間も踏まえた表定速度で割ることにより 乗車時間の代表値を設定した また 表定速度は 各路線 方向で個別に設定することも可能であるが 駅での乗降混雑による遅延等も考慮し 公表されている首都圏主要路線の表定速度を参考としつつ 下限側の値として全路線 方向で一律に 30km/h と仮定した 主要路線の表定速度 ( 出典速達性の向上の現状と今後の取組のあり方について ( 国土交通省 )) 5

平成 28 年 8 月 江東 5 区大規模水害避難等対応方針 抜粋 大規模水害を対象とした災害時の対応 3 日前 72 時間 いずれかの区長の呼掛けにより共同検討を開始 情報の収集と共有 区民への情報提供 広域避難の判断 12 時間前 6 時間前 早期垂直避難勧告 ( 避難準備情報 ) 発令 広域避難の継続が困難な要配慮者の垂直避難への移行 垂直避難勧告 ( 避難勧告 ) 発令 自主広域避難の呼掛け 広域避難から垂直避難への移行 まとまった垂直避難の誘導 1 日前 24 時間 5 区長共同による広域避難勧告の発表 全ての区民を対象とした広域避難の勧告 広域避難が困難な要配慮者は避難所へ誘導 原則 公共交通機関を利用 早期段階では車も容認 直前発災沈静後 緊急避難指示 ( 避難指示 ) 発令 命を守ることを最優先とした自宅待避や緊急避難先への避難 避難者の受入れに向けた公共 共有スペースの開放の呼掛け ボートなどを用いた自力による脱出 6

洪水予報河川における避難勧告等の発令基準例 洪水氾濫における避難勧告等の発令基準について 避難勧告等に関するガイドライン 2( 発令基準 防災体制編 ) より抜粋 洪水予報河川の場合 (P12) 洪水予報河川については 洪水のおそれがあると認められるときは 国 都道府県が水位等を示して警戒を呼びかけることになっている 具体的には 河川の主要な水位観測所毎に国 都道府県が設定した氾濫危険水位 避難判断水位等に到達したとき または到達する見込みのときに水位情報が提供されるため これを判断基準とする 洪水予報河川における 避難判断の目安となる水位 洪水予報河川における避難勧告等の発令基準の設定例 (P26) 避難準備 高齢者等避難開始避難勧告避難指示 ( 緊急 ) 1: 指定河川洪水予報により A 川の B 水位観測所の水位が避難判断水位である m に到達したと発表され かつ 水位予測において引き続きの水位上昇が見込まれている場合 2: 指定河川洪水予報の水位予測により A 川の B 水位観測所の水位が氾濫危険水位に到達することが予想される場合 ( 急激な水位上昇による氾濫のおそれのある場合 ) 1: 指定河川洪水予報により A 川の B 水位観測所の水位が氾濫危険水位である m に到達したと発表された場合 ( 又は当該市町村 区域の危険水位に相当する m に到達したと確認された場合 ) 2: 指定河川洪水予報の水位予測により A 川の B 水位観測所の水位が堤防天端高 ( 又は背後地盤高 ) を越えることが予想される場合 ( 急激な水位上昇による氾濫のおそれのある場合 ) 1: 決壊や越水 溢水が発生した場合 2: A 川の B 水位観測所の水位が 氾濫危険水位である ( 又は当該市町村 区域の危険水位に相当する ) m を越えた状態で 指定河川洪水予報の水位予測により 堤防天端高 ( 又は背後地盤高 ) である m に到達するおそれが高い場合 ( 越水 溢水のおそれのある場合 ) 水位上昇の見込みの把握について (P12) 洪水予報河川については 雨量の実況値と予測値 流域形態 地質等によって異なる流出 流下過程を勘案し さらにダム等の貯留施設の運用も考慮した上で 水位予測が提供されるため これを活用して その後の水位上昇の見込みを把握し 発令の判断材料とする ( 水位予測は 3 時間程度先までであることが多い ) 洪水予報での水位予測の提供例 (H27.9.10 0 時 15 分発表鬼怒川洪水予報第 3 号 ) 参考 : 特別警報の考え方について (P14) 特別警報については 避難勧告等の具体の発令判断材料としては用いることは適切ではない 雨量を基準とする大雨特別警報 ( 浸水害 ) については それが発表された時には 既に避難勧告等が発令されていることが想定され 適切な区域に発令されているか等 実施すべき措置がとられているかを再確認することに活用する 台風等を要因とする大雨等の各特別警報については 台風の気圧と最大風速を基準に 台風の接近している段階で 対象となる地域における大雨警報 暴風警報 高潮警報 波浪警報が特別警報として発表される 発表時点では各河川の水位や雨量が避難勧告等の基準に達していない場合が多いと想定されるため 暴風等により避難が困難となることを想定して 早めの避難準備 高齢者等避難開始 避難勧告の発令を検討する 7

避難勧告等における関係機関からの協力 助言 判断基準の設定にあたっての関係機関の協力 助言 (P8) 避難勧告等に関するガイドライン 2( 発令基準 防災体制編 ) より抜粋 気象 河川 土壌等がどのような状況となった場合に危険と判断されるかは 降雨や水位等の状況に加え 災害を防止するための施設整備の状況によって異なる これらの施設の管理者は国や都道府県である場合が多く また 施設の管理者は 施設計画を策定するにあたって 過去の災害における降雨量や水位等のデータを保有している 災害対策基本法では 市町村は国 都道府県等に対し 資料又は情報の提供 意見の表明その他必要な協力を求めることができるとされていることからも 避難勧告等の判断基準を設定する際は これらの機関の協力 助言を積極的に求める必要がある 協力 助言を求めることのできる対象機関 ( 以下 専門機関 という ) 洪水 一級河川指定区間外の区間国土交通省河川事務所等 気象 高潮 地震 津波の警報等に関すること 管区 地方気象台等 避難勧告等の発令時における助言 (P45) 災害対策基本法では 避難勧告等を発令しようとする場合において 必要があれば 市町村長は 指定地方行政機関の長や都道府県知事に対して 助言を求めることができるとされている これらの者は リアルタイムのデータを保有しており 地域における各種災害の専門的知見を有していることから 状況に応じて 河川堤防の状況や今後の水位や降雨の見通し 災害により危険が生じることが予想される区域 避難勧告の発令のタイミング等について 助言を求めることは有効である このため 災害時にこの規定に基づく対応が円滑かつ迅速に実行できるように 市町村は平常時から国の関係機関や都道府県と連絡を密にとり いざという時に的確に運用できる体制を構築するべきである また これらの機関からは 市町村長からの求めの有無にかかわらず 必要に応じてその専門的知見から能動的な情報提供がなされる場合があるので これも判断の参考にする必要がある 災害対策基本法 ( 関係行政機関等に対する協力要求 ) 第二十一条都道府県防災会議及び市町村防災会議は その所掌事務を遂行するため必要があると認めるときは 関係行政機関の長及び関係地方行政機関の長 地方公共団体の長その他の執行機関 指定公共機関及び指定地方公共機関並びにその他の関係者に対し 資料又は情報の提供 意見の表明その他必要な協力を求めることができる ( 指定行政機関の長等による助言 ) 第六十一条の二市町村長は 第六十条第一項の規定により避難のための立退きを勧告し 若しくは指示し 又は同条第三項の規定により屋内での待避等の安全確保措置を指示しようとする場合において 必要があると認めるときは 指定行政機関の長若しくは指定地方行政機関の長又は都道府県知事に対し 当該勧告又は指示に関する事項について 助言を求めることができる この場合において 助言を求められた指定行政機関の長若しくは指定地方行政機関の長又は都道府県知事は その所掌事務に関し 必要な助言をするものとする 8