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資料3  食品からのカドミウム摂取に係る安全性確保のための取組について(厚生労働省提出資料)

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農林漁業の生産資材に由来する食品安全に関する緊急時対応実施指針 平成 18 年 1 月農林水産省消費 安全局

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(*) ノロウイルス : 冬期に流行する人の感染性胃腸炎の原因ウィルスで 調理従事者がノロウイルスに感染していた場合に その人を介してノロウイルスに汚染された食品を食べたり または汚染されていた二枚貝を 生あるいは十分に加熱調理しないで食べることにより食中毒を起こす ( イ ) サルモネラ * 食中

食品群別栄養素等摂取量 - 食品群 栄養素別 摂取量 - 総数 歳 E B 1 B 2 C 飽和一価不飽和 n-6 系 n-3 系脂肪酸脂肪酸脂肪酸脂肪酸 mg g 総量 水溶性 不溶性 μgre 1 μg mg 2 μg mg mg mgne 3 mg μg μg mg mg mg g

生食用鮮魚介類等の加工時における殺菌料等の使用について 平成 25 年 3 月食品安全部 1. 経緯食品への添加物の使用については 食品衛生法第 11 条第 1 項に基づく 食品 添加物等の規格基準 ( 昭和 34 年厚生省告示第 370 号 以下 規格基準 という ) の第 2 添加物の部において

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コントラクター及びTMRセンターの現状

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清涼飲料水の規制

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JSM Mycotoxins, 64 (1), 63-₆₈ (2014) プロシーディング 63 T- HT- * 吉成知也 国立医薬品食品衛生研究所 ( 東京都世田谷区上用賀 ) デ

農林水産品の合意の概要 品目 合意の概要 米 除外 ( 米国枠は設けない )( 注 1) 小麦 TPP と同内容でマークアップ ( 政府が輸入する際に徴収している差益 ) を 45% 削減 ( 現行の国家貿易制度 枠外税率 (55 円 /kg) を維持 ) TPP と同内容の米国枠 (2019 年度

1.9.1 管理基準の遵守状況を連続的又は相当の頻度で確認をするためのモニタリングの方法を設定し その文書を作成すること 十分なモニタリング頻度を設定することまた 設定した理由を整理しておくこと モニタリングに関する全ての文書と記録は モニタリングを行う担当者及び責任者による

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エチレンを特定農薬に指定することについてのこれまでの検討状況 1 エチレンについて (1) 検討対象の情報 エチレン濃度 98.0% 以上の液化ガスをボンベに充填した製品 (2) 用途ばれいしょの萌芽抑制のほか バナナやキウイフルーツ等の果実の追熟促進を目的とする 2 検討状況 (1) 農林水産省及

設問 4 ノロウイルスに関する次の記述のうち 誤っているものを 1 つ選べ 1 ノロウイルスは 冬季を中心に年間を通して胃腸炎を起こし 特に 保育園 学校 福祉施設などでは 集団発生になりやすい傾向がある 2 ノロウイルスは ヒトの腸管内で増殖し ノロウイルスの感染者のふん便 1g 中には 100

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平成 15 年 11 月 10 日 家畜に使用する抗菌性物質に関する意見交換会 配布 抗生物質の使用と薬剤耐性菌の発生について - 家畜用の抗生物質の見直し - 農林水産省消費 安全局 平成 15 年 11 月 10 日

注 ) 材料の種類 名称及び使用量 については 硝酸化成抑制材 効果発現促進材 摂取防止材 組成均一化促進材又は着色材を使用した場合のみ記載が必要になり 他の材料については記載する必要はありません また 配合に当たって原料として使用した肥料に使用された組成均一化促進材又は着色材についても記載を省略す

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平成 28 年 3 月 25 日公表平成 25 年度 農業 食料関連産業の経済計算 - 農業 食料関連産業の国内生産額は 97.6 兆円で全経済活動の約 1 割 - 統計結果の概要 1 農業 食料関連産業の国内生産額平成 25 年度における農業 食料関連産業の国内生産額は 97 兆 5,777 億円

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長野県主要農作物等種子条例 ( 仮称 ) 骨子 ( 案 ) に関する参考資料 1 骨子 ( 案 ) の項目と種子の生産供給の仕組み 主要農作物種子法 ( 以下 種子法 という ) で規定されていた項目については 長野県主要農作物等種子条例 ( 仮称 ) の骨子 ( 案 ) において すべて盛り込むこ

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農林水産省補助事業 韓国遺伝子組換え食品等の表示基準 Q&A( 仮訳 ) 2017 年 3 月 日本貿易振興機構 ( ジェトロ ) 農林水産 食品部農林水産 食品課

参考資料 1 野生鳥獣肉の衛生管理に関するガイドライン 平成 26 年 5 月 鳥獣保護法の改正に伴い 今後 野生鳥獣の捕獲数が増加し 食用としての利活用が増加する見込みであり 食用に供される野生鳥獣肉の安全性の確保を推進していく必要がある 1 1 平成 26 年 5 月 22 日参議院環境委員会附

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2012 年 2 月 29 日放送 CLSI ブレイクポイント改訂の方向性 東邦大学微生物 感染症学講師石井良和はじめに薬剤感受性試験成績を基に誰でも適切な抗菌薬を選択できるように考案されたのがブレイクポイントです 様々な国の機関がブレイクポイントを提唱しています この中でも 日本化学療法学会やアメ

ウ WCS 用稲本市は県内最大の酪農地帯であるため 需要に応じた生産確保に努め 多収品種の推進 病害虫防除や雑草管理など適切な圃場管理を行う また についても実施する エ加工用米実需者の要望に対応できるよう 産地交付金を活用して複数年契約を進めることにより安 定的な供給を目指し 担い手の作付維持 (

遺伝子組換え生物等の使用等の規制による生物の多様性の確保に関する法律の概要 目的国際的に協力して生物の多様性の確保を図るため 遺伝子組換え生物等の使用等の規制に関する措置を講ずることにより 生物多様性条約カルタヘナ議定書 ( 略称 ) 等の的確かつ円滑な実施を確保 主務大臣による基本的事項の公表 遺

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目次 1. 本書の利用方法 p.1 2. 著作権 p.1 3. 免責事項 p.1 4. 用語の定義と説明 p.1 A. 団体の管理体制 1. 団体の基本情報と責任の明確化 p.3 2. 契約の管理 p.4 3. 団体 農場管理マニュアル p.5 B. 団体 農場管理マニュアルに基づく管理の実践とその

定食 1,100 円 875kcal アレルゲン ( えび 小麦 大豆 卵 ) 海老 ( 食塩 PH 調整剤 ) イカ 竹輪 ( 魚肉 植物たん白 でん粉 食塩 ぶどう糖 砂糖 食用油 豚脂 発酵調味液 醸造酢 加工でん粉 調味料 ( アミノ酸等 ) ソルビトール ph 調整剤 V.C 増粘多糖類

平成15年度マーケットバスケット方式による安息香酸、ソルビン酸、プロピオン酸、

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48小児感染_一般演題リスト160909

スライド 1

今日お話すること 食品は 安全 ではない リスクアナリシスとは? リスクのものさしを知ろう 食品を安全にするための方法 食品安全にとって最も重要なのは衛生管理であることを忘れずに! 1

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平成 27 年 3 月 4 日農林水産省消費 安全局 平成 27 年度食品の安全性に関する有害化学物質及び有害微生物のサーベイランス モニタリング年次計画 1. 基本的な考え方食品安全行政にリスクアナリシスが導入され 科学に基づいた行政の推進が必要となっています このため 農林水産省は 食品の安全性に関するリスク管理の標準的な作業手順を記述した 農林水産省及び厚生労働省における食品の安全性に関するリスク管理の標準手順書 1 を作成し 国際的に合意された枠組みにのっとり 食品の安全性に関するリスク管理を行っています また 本手順書に基づき リスク管理措置を講じる必要性やその具体的内容を検討する際に不可欠なデータを得るため サーベイランス 2 及びモニタリング 3 を優先的に実施すべきを明示したサーベイランス モニタリング中期計画 4 ( 以下 中期計画 という ) を作成し サーベイランス モニタリングを実施しています この度 中期計画に基づき 以下のとおり 平成 27 年度における食品の安全性に関する有害化学物質及び有害微生物のサーベイランス モニタリング年次計画 ( 以下 年次計画 という ) を定めました 2. 調査対象選定の考え方 (1) 調査対象は 中期計画の優先度のほか これまで実施したサーベイランス モニタリングの結果やリスク管理作業の進捗状況を考慮して決定しました (2) リスク管理検討会 5 を通じて 技術的な知見を含めて意見をいただき 年次計画に反映させました (3) 食品安全に関する想定外のリスクが年次計画期間中に顕在化した場合 年次計画にかかわらず 問題となるの食品中の含有濃度などについて 緊急に調査を実施する場合があります 3. 調査対象別紙 ( 有害化学物質 : 別紙 1 有害微生物: 別紙 2) のとおり 1 平成 17 年 8 月 25 日公表 平成 24 年 10 月 16 日最終改定 2 問題の程度や実態を知るための調査 3 矯正的措置をとる必要があるかどうかを決定するために行う調査 4 有害化学物質 : 平成 22 年 12 月 22 日公表 有害微生物 : 平成 24 年 3 月 23 日公表 5 農林水産省職員 消費者 生産者及び事業者等の関係者間で情報 意見を相互に交換し 必要に応じそれらの情報 意見をリスク管理施策に反映させるために実施するリスクコミュニケーションの場

平成 27 年度食品の安全性に関する有害化学物質のサーベイランス モニタリング年次計画 ( 別紙 1) (1) サーベイランス及びモニタリングは 農林水産省が定めた サーベイランス モニタリングの計画 実施及び結果の評価 公表に関するガイドライン に基づいて実施する (2) サーベイランス及びモニタリングの実施に当たって 有害化学物質リスク管理基礎調査事業により分析を委託する場合は 精度管理を行うこと及び妥当性が確認された分析法を用いること等を条件として競争入札を行い 分析機関を選定する (3) を含有する可能性がある食品又は飼料の範囲が分からない場合や 十分なデータが存在せず 汚染状況が不明な場合は 予備調査を実施する ( サーベイランス ) 国内の水田土壌及び同水田で生産されるコメ中のヒ素の含有実態を詳細に把握 土壌 玄米 1,000 1,000 ヒ素 精米 ( 上記玄米を精白したもの ) 1,000 卸段階におけるコメ中ヒ素の含有実態を把握 玄米精米 ( 上記玄米を精白したもの ) ウナギ ダイオキシン ダイオキシン対策推進基本指針に基づき 水産物について含有実態を把握 カタクチイワシコノシロ スズキ 畜産物の残留の主要な経路である飼料について実態を把握 動物性油脂 魚油 魚粉等 デオキシニバレノール (DON) 及びアセチル体 (3- アセチル DON 15- アセチル DON) リスク管理措置の有効性を検証するため 小麦国産麦類における全国的な含有実態 (DON とアセチル体の比率 ) 及び年次変動を把握 国産豆類 ( ササゲ属及びインゲンマメ属 ) について 全国的な含有実態を把握し リスク管理措置の必要性を検討 小豆 いんげん 1 必要に応じて 表に記載した点数以上を採取予定 1 試料当たり複数の化学物質等を分析する場合でも 1 点と数える

DON-3 グルコシド 国産麦類について 全国的な含有実態 (DON やアセチル体との比率 相関 ) を予備的に把握し 年次変動の把握を含めた本調査の必要性を検討 小麦 1 リスク管理措置の有効性を検証するため 小麦 ニバレノール (NIV) 及びアセチル体 (4- 国産麦類における全国的な含有実態 (NIVとアセチル体の比率 ) 及び年次変動を把握 アセチルNIV) 小豆 国産豆類 ( ササゲ属及びインゲンマメ属 ) に ついて 全国的な含有実態を予備的に把握 し リスク管理措置の必要性を検討 いんげん 1 国産麦類について 全国的な含有実態及び年次変動を把握し リスク管理措置の必要性を検討 小麦 1 ゼアラレノン 国産豆類 ( ササゲ属及びインゲンマメ属 ) について 全国的な含有実態を把握し リスク管理措置の必要性を検討 小豆いんげん T-2 トキシン及び HT-2 トキシン 国産麦類について 全国的な含有実態及び年次変動を把握し リスク管理措置の必要性を検討 国産豆類 ( ササゲ属及びインゲンマメ属 ) について 全国的な含有実態を把握し リスク管理措置の必要性を検討 小麦 小豆 いんげん 1

ジアセトキシスシルペノール 国産麦類について 全国的な含有実態を予備的に把握し 年次変動の把握を含めた本調査の必要性を検討 国産豆類 ( ササゲ属及びインゲンマメ属 ) について 全国的な含有実態を予備的に把握し 本調査の必要性を検討 小麦 小豆 いんげん 1 アフラトキシン 国産米について 全国的な含有実態を予備的に把握し 現行のリスク管理措置の有効性や新たなリスク措置の必要性を検討 国産について 全国的な含有実態を予備的に把握し 現行のリスク管理措置の有効性や新たなリスク管理措置の必要性を検討 玄米 精米 オクラトキシン A 国産米について 全国的な含有実態を把握し 現行のリスク管理措置の有効性や新たなリスク管理措置の必要性を検討 国産について 全国的な含有実態を予備的に把握し 現行のリスク管理措置の有効性や新たなリスク管理措置の必要性を検討 玄米 精米 ステリグマトシスチン 国産米について 全国的な含有実態を予備的に把握し 現行のリスク管理措置の有効性や新たなリスク措置の必要性を検討 国産について 全国的な含有実態を予備的に把握し 現行のリスク管理措置の有効性や新たなリスク措置の必要性を検討 玄米 精米

フモニシン 国産米について 全国的な含有実態を予備的に把握し 年次変動の把握を含めた本調査の必要性を検討 玄米 精米 ピロリジジンアルカロイド 国産農産物について 含有実態を予備的に把握し リスク管理の必要性を検討 ふき アクリルアミド 主要食品に含まれるアクリルアミド濃度の傾向を把握 ポテトスナック フライドポテト 含みつ糖 パン類 1 1 1 1 トランス脂肪酸 国内で流通している加工油脂中のトランス脂肪酸及び飽和脂肪酸の最新の実態を把握 クリーム類 ( 植物性脂肪を含むもの ) 食用植物油脂 150 ヒスタミン 農産物漬物のフードチェーンの各工程においてヒスタミン低減対策を講じる必要があるかを検討するため 含有実態を調査 農産物漬物

( モニタリング ) カドミウム 配合飼料 動物性飼料 ( 魚粉 肉骨粉等 ) 乾牧草等 総水銀 配合飼料 動物性飼料 ( 魚粉 肉骨粉等 ) 乾牧草等 鉛 配合飼料 動物性飼料 ( 魚粉 肉骨粉等 ) 乾牧草等 アフラトキシン (AF) 配合飼料 トウモロコシ その他の飼料原料 ゼアラレノン 配合飼料 主要穀類等 デオキシニバレノール 配合飼料 主要穀類等

平成 27 年度食品の安全性に関する有害微生物のサーベイランス モニタリング年次計画 (1) サーベイランス及びモニタリングの実施に当たって 有害微生物リスク管理基礎調査事業により分析を委託する場合は 精度管理を行うこと及び妥当性が確認された分析法を用いること等を条件として競争入札を行い 分析機関を選定する (2) 十分なデータが存在せず 汚染状況が不明な場合は 予備調査を実施する ( サーベイランス ) ( 別紙 2) 調査対象食品群 鶏肉 肉用鶏農場における侵入経路を把握し 農場での汚染低減対策を検討 食鳥処理施設における交叉汚染の影響を把握し 汚染低減対策を検討 鶏肉 150 240 450 カンピロバクター 牛肉 繁殖母豚 子豚 肥育豚の保有状況との汚染状況を調査し 豚の感染時期や感染経路を推定 鼻粘膜 25 鶏卵 2,080 鶏卵 採卵鶏群のサルモネラ保有状況と鶏卵の汚染状況の関係を把握 72 180 サルモネラ 鶏肉 肉用鶏農場における侵入経路を把握し 農場での汚染低減対策を検討 食鳥処理施設における交叉汚染の鶏肉影響を把握し 汚染低減対策を検討 150 240 450 繁殖母豚 子豚 肥育豚の保有状況との汚染状況を調査し 豚の感染時期や感染経路を推定 鼻粘膜 25

調査対象食品群 牛肉 食肉処理施設に搬入される牛について 腸管出血性大腸菌 O157 の保有状況を調査 660 腸管出血性大腸菌 生食用野菜 果菜を対象に 栽培から出荷までの野菜の衛生管理指針 に基づく対策の実施状況を把握するとともに微生物調査を行い 指針に収載された衛生管理対策を検証 トマト きゅうり 圃場 ( 土壌 水等 ) 調製施設の 2, ノロウイルス 二枚貝 二枚貝におけるノロウイルス陽性率カキの季節性変化の把握を目的として カキのノロウイルスの保有状況を調査 水 2,070 鶏肉 食鳥処理施設における交叉汚染の影響を把握し 汚染低減対策を検討 鶏肉器材 450 150 リステリア モノサイトジェネス 牛肉 農畜水産物由来の非加熱調理済み食品 国内の加工 流通段階における汚染低減対策の必要性の検討に活用するため 全国に流通している調理済み食品 ( 国内製造品 ) の汚染実態を把握 農畜水産物由来の非加熱調理済み食品 1,850 黄色ブドウ球菌 繁殖母豚 子豚 肥育豚の保有状況との汚染状況を調査し 豚の感染時期や感染経路を推定 鼻粘膜 25

調査対象食品群 E 型肝炎ウイルス 繁殖母豚 子豚 肥育豚の保有状況との汚染状況を調査し 豚の感染時期や感染経路を推定 鼻粘膜 25 性状解析 主に前年度分離株 疫学調査のための情報を入手 保存菌株等