< F2D91E DF81408FAC8B4B96CD8A4A94AD82C994BA82A492B2>

Similar documents
米原市における開発に伴う雤水排水計画基準

流速流量表 ( 縦断用 ) 呼び名 幅 a(m) 深さ c(m) ハンチ高 s(m) 水深余

< A38CCB8AEE967B5F89BA908593B98AEE967B8C7689E68F915F8DFB8E712E786264>

第1章  総     説

Microsoft Word - 3_150812別冊設計例

7 章問題解答 7-1 予習 1. 長方形断面であるため, 断面積 A と潤辺 S は, 水深 h, 水路幅 B を用い以下で表される A = Bh, S = B + 2h 径深 R の算定式に代入すると以下のようになる A Bh h R = = = S B + 2 h 1+ 2( h B) 分母の

国土技術政策総合研究所 研究資料

<8E518D6C8E9197BF816995AA908582DC82B7816A2E786477>

る場合で 終端及び区間 35 メートル以内ごとに自動車の転回広場に関する基準 ( 昭和 45 年建設省告示第 1837 号 ) に適合する自動車の転回広場 ( 形状は別図 ) が設けられている場合 (4) 幅員が6メートル以上の場合 ( 指定道路の幅員 ) 第 4 条 指定道路の幅員は車道幅員とし

近畿地方整備局 資料配付 配布日時 平成 23 年 9 月 8 日 17 時 30 分 件名土砂災害防止法に基づく土砂災害緊急情報について 概 要 土砂災害防止法に基づく 土砂災害緊急情報をお知らせします 本日 夕方から雨が予想されており 今後の降雨の状況により 河道閉塞部分での越流が始まり 土石流

Microsoft Word - 富士宮市道路の位置の指定基準(H ).doc

<4D F736F F F696E74202D20819A E096BE8E9197BF337E34817A905A90858AEB8CAF8BE688E682CC90DD92E F4390B3816A2E >

蓮田市雨水排水流出抑制施設設置基準 平成 26 年 10 月 1 日施行 蓮田市都市整備部道路課 ~1~

目 次 桂川本川 桂川 ( 上 ) 雑水川 七谷川 犬飼川 法貴谷川 千々川 東所川 園部川 天神川 陣田川

Microsoft Word - 水理計算.doc

水防法改正の概要 (H 公布 H 一部施行 ) 国土交通省 HP 1

砂防堰堤設計計算 透過型砂防堰堤

<4D F736F F D2091E EC97AC88E696688DD092B290AE927282CC8AEE8F802E646F6378>

<4D F736F F D20894A AF905A93A78E7B90DD82CC88DB8E9D82C98AD682B782E98AEE8F802E646F6378>

1. 湖内堆砂対策施設の見直し 1.2 ストックヤード施設計画 ストックヤードの平面配置は 既往模型実験結果による分派堰内の流速分布より 死水域となる左岸トラップ堰の上流に配置し 貯砂ダムから取水した洪水流を放流水路でストックヤード内に導水する方式とした ストックヤード底面標高は 土木研究所の実験結

土地開発協議の手引き 平成 29 年 4 月 大村市都市計画課 土地開発協議の手引き 1

<819A94EF977091CE8CF889CA95AA90CD82CC8E5A92E88E9697E12E786C7378>

<4D F736F F F696E74202D CD90EC8B5A8F708DA7926B89EF816993BF938791E BA816A8F4390B E707074>

(Microsoft Word - \201\23203 \201y\216\221\227\2773\201z\217\360\225\266\221f\210\ doc)

Microsoft Word - H 記者発表_名張川3ダム演習_ .doc

Microsoft Word 重要調整池の設置に関する技術的基準及び解説(H28年4月)

河川工学 -洪水流(洪水波の伝播)-

ダムの運用改善の対応状況 資料 5-1 近畿地方整備局 平成 24 年度の取り組み 風屋ダム 池原ダム 電源開発 ( 株 ) は 学識者及び河川管理者からなる ダム操作に関する技術検討会 を設置し ダム運用の改善策を検討 平成 9 年に設定した目安水位 ( 自主運用 ) の低下を図り ダムの空き容量

3. 市街化調整区域における土地利用の調整に関し必要な事項 区域毎の面積 ( 単位 : m2 ) 区域名 市街化区域 市街化調整区域 合計 ( 別紙 ) 用途区分別面積は 市町村の農業振興地域整備計画で定められている用途区分別の面積を記入すること 土地利用調整区域毎に市街化区域と市街化調整区域それぞ

ÿþ

<817582BD82DF E48A728C9F93A C52E786477>

新川水系新川 中の川 琴似発寒川 琴似川洪水浸水想定区域図 ( 計画規模 ) (1) この図は 新川水系新川 中の川 琴似発寒川 琴似川の水位周知区間について 水防法に基づき 計画降雨により浸水が想定される区域 浸水した場合に想定される水深を表示した図面です (2) この洪水浸水想定区域図は 平成

利水補給

Q3 現在の川幅で 源泉に影響を与えないように河床を掘削し さらに堤防を幅の小さいパラペット ( 胸壁 ) で嵩上げするなどの河道改修を行えないのですか? A3 河床掘削やパラペット ( 胸壁 ) による堤防嵩上げは技術的 制度的に困難です [ 河床掘削について ] 県では 温泉旅館の廃業補償を行っ

3 供用可能年次の推定 供用可能年次の推定の計算順番は以下のとおりである 1) 計算対象水路において 水深 H- 流量 Q 曲線を作成し 許容余裕高に対する許容流量を求める 2) 求めた許容流量と 2011 年 ~2050 年までの排水対象流量の予測値を比較し 排水対象流量が許容流量内にある 最終の

第1章 単 位

現行計画 ( 淀川水系河川整備計画 ): 川上ダム案 治水計画の概要 事業中の川上ダムを完成させて 戦後最大の洪水を 中下流部では ( 大臣管理区間 ) 島ヶ原地点の流量 3,000m 3 /s に対して 川上ダムで 200m 3 /s を調節し 調節後の 2,800m 3 /s を上野遊水地や河道

立川市雨水浸透施設設置基準 1. 目的この設置基準は 立川市雨水浸透施設設置補助金交付要綱 ( 以下 要綱 という ) の雨水浸透施設の設置にあたり 必要な事項を定めることを目的とする 2. 用語の定義補助対象の雨水浸透施設とは 雨水浸透ます 及び 雨水浸透管 とし 雨水浸透施設の設置に伴い発生する

<4D F736F F D A89AA924A8E732093B CA92758E7792E8208B5A8F708AEE8F802E646F63>

図 -3.1 試験湛水実績図 平成 28 年度に既設堤体と新設堤体が接合された抱土ゾーンにおいて調査ボーリングを実施し 接合面の調査を行った 図 -2.2に示すように 調査ボーリングのコア観察結果からは 新旧堤体接合面における 材料の分離 は認められなかった また 境界面を含む透水試験結果により得ら

水理学Ⅱ及び同演習

untitled

Microsoft Word - 説明本文(2307).doc

国土技術政策総合研究所 研究資料

6. 現況堤防の安全性に関する検討方法および条件 6.1 浸透問題に関する検討方法および条件 検討方法 現況堤防の安全性に関する検討は 河川堤防の構造検討の手引き( 平成 14 年 7 月 ): 財団法人国土技術研究センター に準拠して実施する 安全性の照査 1) 堤防のモデル化 (1)

目 次 最上小国川 赤倉地区の 2015 年 9 月洪水の実態から 被害防止には河道改 修が最も効果的であることが あらためて明らかになった 1,2015 年 9 月 10 日赤倉雨量は1/50 年確率に近い豪雨であったが 洪水流量は1/11 年確率流量だった 2, 赤倉地区では外水被害と内水被害が

4. 堆砂

<4D F736F F D2089CD90EC8C7689E689DB5F91E58ADB5F8EA190858C7689E68C9F93A282C982A882AF82E92E646F63>

<4D F736F F D208E9197BF A082C68E7B8D A815B82CC8D5C91A28AEE8F C4816A2E646F63>

<4D F736F F D2091E E8FDB C588ECE926E816A2E646F63>

森林水文 水資源学 2 2. 水文統計 豪雨があった時, 新聞やテレビのニュースで 50 年に一度の大雨だった などと報告されることがある. 今争点となっている川辺川ダムは,80 年に 1 回の洪水を想定して治水計画が立てられている. 畑地かんがいでは,10 年に 1 回の渇水を対象として計画が立て

<4D F736F F D208C46967B8CA78D5E A A92E88BE688E6907D8DEC90AC8E77906A E646F63>

東日本大震災における施設の被災 3 東北地方太平洋沖地震の浸水範囲とハザードマップの比較 4

Microsoft Word - 技術相談 魚道設計(関連資料 事務局案3)

道路橋の耐震設計における鉄筋コンクリート橋脚の水平力 - 水平変位関係の計算例 (H24 版対応 ) ( 社 ) 日本道路協会 橋梁委員会 耐震設計小委員会 平成 24 年 5 月

江南市雨水流出抑制基準

Microsoft PowerPoint - 宇治災害2

河川工学 -流出解析-

はじめに 宅地造成等規制法が昭和 36 年に制定されてからおよそ半世紀を経過しました この間 平成 18 年には同法制定以来初めての抜本改正が行われています この改正は 阪神 淡路大震災 ( 平成 7 年 ) 新潟県中越地震 ( 平成 16 年 ) などで被災例が多かった大規模盛土造成地に対応するの

資料 7-1 既存ボーリング調査結果 [ 本編 p.380,410 参照 ] 事業予定地内における既存のボーリング調査の調査地点は図 -1 に 調査結果は図 -2 に示すとおりであり 各調査地点の孔内水位は表 -1 のとおり GL-1.8~-1.0m 程度であ る 表 -1 事業予定地の地下水位 調

<4D F736F F D A6D92E894C A968795FB8E738E738A5889BB92B290AE8BE688E682CC926E8BE68C7689E682CC834B C98AD682B782E9895E97708AEE8F80>

資料 -5 第 5 回岩木川魚がすみやすい川づくり検討委員会現地説明資料 平成 28 年 12 月 2 日 東北地方整備局青森河川国道事務所

の洪水調節計画は 河川整備基本方針レベルの洪水から決められており ダムによる洪水調節効果を発揮する 遊水地案 は 遊水地の洪水調節計画は大戸川の河川整備計画レベルの洪水から決めることを想定しており 遊水地による洪水調節効果が完全には発揮されないことがある 瀬田川新堰案 は 瀬田川新堰の洪水調節計画は

砂防えん堤設計計算

2. 急流河川の現状と課題 2.1 急流河川の特徴 急流河川では 洪水時の流れが速く 転石や土砂を多く含んだ洪水流の強大なエネルギー により 平均年最大流量程度の中小洪水でも 河岸侵食や護岸の被災が生じる また 澪筋 の変化が激しく流路が固定していないため どの地点においても被災を受ける恐れがある

2章6節 雨水流出抑制施設 1/2

【参考資料】中小河川に関する河道計画の技術基準について

(Microsoft Word - 07_2_\214\366\211\200\213\346\210\346\220}-2.doc)

<4D F736F F D208BE38F428B5A95F181798EAD8E CA791E F A8CB48D CC816A2E646F63>

学識経験者による評価の反映客観性を確保するために 学識経験者から学術的な観点からの評価をいただき これを反映する 評価は 中立性を確保するために日本学術会議に依頼した 詳細は別紙 -2 のとおり : 現時点の検証の進め方であり 検証作業が進む中で変更することがあり得る - 2 -

<4D F736F F D DC58F4994C5817A904D945A90EC5F8DC4955D89BF92B28F912E646F63>

建築基準法第 43 条第 2 項第 2 号の規定による許可の同意の取扱い基準 平成 18 年 6 月 1 日東広島市建築審査会 建築基準法 ( 以下 法 という ) 第 43 条第 2 項第 2 号の規定により許可を行う場合, 次 に定める基準のいずれかに該当する建築物の敷地については, 建築審査会

日影許可諮問(熊野小学校)

<4D F736F F D20819B322D302D318E9197BF AD8DF489EF8B C8E862E646F63>

<4D F736F F F696E74202D208E518D6C8E9197BF325F94F093EF8AA98D CC94AD97DF82CC94BB92668AEE8F8082C98AD682B782E992B28DB88C8B89CA2E B8CDD8AB B83685D>

( 対象区域 ) 第 5 地区計画の対象区域は 工業団地 ( 国母工業団地 南部工業団地 機械金属工業団地 ファッション工業団地 ( アリア ディ フィレンツェ ) をいう 以下同じ ) の区域内及び隣接地又は近接地 ( おおむね工業団地から500メートル以内 ) とする ( 区域の設定 ) 第 6

第 2 章横断面の構成 2-1 総則 道路の横断面の基本的な考え方 必要とされる交通機能や空間機能に応じて, 構成要素の組合せ と 総幅員 総幅員 双方の観点から検討 必要とされる道路の機能の設定 通行機能 交通機能アクセス機能 滞留機能 環境空間 防災空間 空間機能 収容空間 市街地形成 横断面構

第 4 章特定産業廃棄物に起因する支障除去等の内容に関する事項 4.1 特定支障除去等事業の実施に関する計画 (1) 廃棄物の飛散流出防止ア廃棄物の飛散流出防止対策当該地内への雨水浸透を抑制し 処分場からの汚染地下水の拡散防止を図るとともに 露出廃棄物の飛散流出防止を図るため 覆土工対策を実施する

<4D F736F F F696E74202D C CC89C88A B8CDD8AB B83685D>

根拠条項 第 131 条の 2 第 3 項 壁面線の指定等がある場合の高さ制限の例外認定 法令の定め第 131 条の 2 3 前面道路の境界線若しくはその反対側の境界線からそれぞれ後退して壁面線の指定がある場合又は前面道路の境界線若しくはその反対側の境界線からそれぞれ 後退して法第 68 条の 2

<93FA8CF590EC B290AE97768D6A8250>


宅地造成費の金額表

<30365F30305F8E9197BF365F C7689E682CC F5F >

Microsoft Word 本文(金栗).docx

八王子市雨水浸透施設設置基準 1. 目的この設置基準は 八王子市雨水浸透施設設置補助金交付要綱 ( 以下 要綱 という ) の雨水浸透施設の設置にあたり 必要な事項を定めることを目的とする 2. 用語の定義雨水浸透施設とは 屋根に降った雨水を浸透させる構造をもった次に掲げる施設をいう (1) 雨水浸

1. 市街化調整区域における地区計画ガイドライン策定の目的市街化調整区域は 市街化を抑制すべき区域であるとともに 豊かな自然環境を育成 保全すべき区域である そのため 都市計画法において開発行為や建築行為が厳しく制限されている 本市都市計画マスタープランにおいても 将来都市構造の基本的な考え方の一つ

開発行為等における雨水流出抑制方式の取扱いと解説・計算例

<4D F736F F F696E74202D E9197BF2D32817A92B489DF8D5E908591CE8DF E815B C A >

Microsoft Word - 土砂指導要綱.doc


Taro-水理計算.$td

L型擁壁 宅造認定 H=3 5m ハイ タッチウォール KN0202-石乱積み 透水層 止水コンクリート 敷モルタル 基礎コンクリート 土粒子止めフィルター 直高H3.0m超 最大5.0mの プレキャストL型擁壁 宅造法に基づく国土交通大臣認定取得商品です 社団法人全国宅地擁壁技術協会による工場認

IT1815.xls

出来形管理基準及び規格値 単位 :mm 編章節条枝番工種測定項目規格値測定基準測定箇所摘要 1 共通編 2 土工 3 河川 海岸 砂防土工 2 1 掘削工 法長 ç 基準高 ±50 ç<5m -200 ç 5m 法長 -4% 施工延長 40m( 測点間隔 25m の場合は 50m) につき 1 ヶ所

国土技術政策総合研究所 研究資料

様式第1号(第1条関係)

出来形管理基準及び規格値 単位 :mm 編章節条枝番工種測定項目規格値測定基準測定箇所摘要 1 共通編 2 土工 3 河川 海岸 砂防土工 2 1 掘削工 基準高 ±50 法長 l l<5m -200 l 5m 法長 -4% 施工延長 40m( 測点間隔 25m の場合は 50m) につき 1 箇所

水理学(水理学Ⅰ、水理学Ⅱの復習)

2 図微小要素の流体の流入出 方向の断面の流体の流入出の収支断面 Ⅰ から微小要素に流入出する流体の流量 Q 断面 Ⅰ は 以下のように定式化できる Q 断面 Ⅰ 流量 密度 流速 断面 Ⅰ の面積 微小要素の断面 Ⅰ から だけ移動した断面 Ⅱ を流入出する流体の流量 Q 断面 Ⅱ は以下のように

Transcription:

第 5 節 小規模開発に伴う調整池設計基準 目的この基準は 5ha 未満の開発によって開発区域の流出機構が変化し 洪水時に流出量が増加し 既存の河川 水路等の排水施設に流下能力がない場合に設置される調整池についての技術的基準を定めるものである 調整池の洪水調節方式調整池の洪水調整方式は 原則として自然放流方式 ( 穴あきダム ) とする 3 多目的利用調整池は 公園 運動場施設等として多目的に利用することができるものとする ただし 公園 運動場等を管理する市町村の同意がなければ多目的利用はできないものとする なお 多目的利用に当たっては以下の事項に留意して行うものとする () 調整池としての機能に支障が生じないよう導入施設や植樹に配慮すること () 導入施設の利用機能確保のため 灌水頻度やその継続時間に配慮するとともに 利用者の安全確保のため避難通路等を配置すること (3) 調整池の管理者と導入する施設の管理者の間で 機能及び安全衛生上等の管理内容を定めておくこと (4) 調整池の多目的利用にあたっての計画 設計及び管理については 宅地開発に伴い設置される洪水調節 ( 整 ) 池の多目的利用指針 ( 案 ) ( 建設省建設経済局昭和 6 年 ) によるものとする 4 計画対象降雨調整池の洪水調節容量を算定するために用いる降雨規模は/30 年超過確率とし これより下流河川の計画年超過確率が大きい場合 または 下流が人口集中地区 (DID 地区 主に市街化区域 ) の場合は /50 年超過確率とする 5 洪水調整容量の算定算定方法は 次の その その のどちらの方法でもかまわない その 調整池の洪水調節容量は 宅地開発の行われた後における洪水のピーク流量の値を 宅地開発の行われる前におけるピーク流量の値まで調節するために必要とする容量を持つことを基本とし 次の条件を満足しなければならない () 洪水の規模が年超過確率で /3または/5 洪水までは 宅地開発後における洪水のピーク流量の値を 調整池下流の現状における流下能力の値まで調節すること - 6 -

() 洪水の規模が年超過確率で/30または/50の洪水に対して宅地開発後における洪水ピーク流量の値を 開発前のピーク流量の値まで調整すること (3) 調整池下流の流下能力の値が 開発前年超過確率 /3または/5 洪水のピーク流量の値より大きい場合は その流下能力の値に相当する開発前の洪水の年超過確率をもって上記 () の年超過確率 /3または/5に代えるものとする () の解説下流河川の流下能力をまず算定し { 流下能力 = 洪水ピーク流量 } として この洪水のピーク流量に見合う年超過確率を算定する この年超過確率が/3または/5より大きい場合 たとえば /0 年超過確率であったとすると () の/3または/5を/ 0に読み代える つまり () は /0 年超過確率による開発後の洪水ピーク流量を/ 0 年超過確率による開発前の洪水ピーク流量 (= 下流流下能力 ) まで調整することとなる その 洪水の規模が年超過確率で /30または/50 以内の全ての洪水について 宅地開発後 における洪水のピーク流量の値を 調整池下流の流下能力の値まで調節するとした場合 の調整池の洪水調整容量は /30または/50 確率降雨強度曲線を用いて求める次のVの 値を最大とするような容量をもって その必要調節容量とすることができるものとする rc V= (ri - )*ti*f*a* 360 ここで V : 必要調節容量 [ m3 ] f : 開発後の流出係数 A : 流域面積 [ha] rc: 調整池下流の流下能力の値に対応する降雨強度 [mm/hr] ri: /30 確率降雨強度曲線上の任意の継続時間 tiに対応する降雨強度 ti: 任意の継続時間 [sec] [mm/hr] 360 rc=qpc* f * A ここに rc : 調整池下流流下能力に対応した降雨強度 [mm/hr] Qpc : 調整池下流の代表地点における流下能力 [ m3 /s] f : 開発後の流出係数 A : 当該地点の流域面積 [ha] である - 7 -

6 洪水のピーク流量洪水のピーク流量は 合理式によるものとし 次式によるものとする Qp = *f*r*a 360 ここに Qpc : 洪水のピーク流量 ( m3 /s) f : 流出係数 r : 洪水到達時間内の平均降雨強度 (mm/hr) A : 流域面積 (ha) 7 洪水到達時間合理式に用いる洪水到達時間は 洪水時の雨水が流域から河道へ入るまでの時間 ( 流入時間 ) と流量計算地点まで河道を流れ下る時間 ( 流下時間 ) との和とするが 洪水到達時間を0 分としてもかまわない 8 流出係数 流出率 開発前 山林 畑 0.60 田 0.75 住宅地 0.90 開発後 ゴルフ場 運動場 0.80 住宅地 0.90 9 計画対象降雨調整池の洪水調節容量を算定するために用いる計画対象降雨については 降雨強度 - 継続時間曲線 ( 以下 確率降雨強度曲線 という ) によって求めるものとする 高知県土木部河川課発行の主要観測所の確率降雨強度曲線より 開発区域に最も近い観測所の曲線式を用いること 降雨波形は 後方集中型とする ( 河川課ホームページ参照 ) 0 設計堆積土砂調整池の設計堆積土砂は 工事施行中は70~40m3 /ha/ 年とし 工事施工期間が 年未満の場合でも 年を下回らないこととする 法第 36 条による完了後は.5m3 /ha/ 年の沈砂池を残置し 管理者が排土その他の維持管理に努めること 洪水吐き調整池には 洪水を処理するための洪水吐きを設けるものとする 洪水吐きは 00 年に 回起こるものと想定される当該調整池の最上流部の流量 (00 年の. 倍 ) の. 倍以上の流量を放流しうるものとする (00 年の.44 倍 ) - 8 -

放流管放流管の設計流量は 洪水吐き で算定された流量の. 倍とし 放流管に内圧のかからないように放流管出口が下流水位以下にならないように出口高を決定すること 管径は60cm 以上とし 管長が50m 以上の場合は 00cm 以上とする また 放流管は鉄筋コンクリート造りとし ヒューム管 高外圧管等のプレキャスト管を用いる場合でも 全管長にわたって鉄筋コンクリートで巻くものとする 放流管は 不等沈下等による破損を防止するため 0m 間隔程度ごとに継手を設けなければならない 継手構造は可撓性の止水板を用いて水密性を保つものとし その周辺は鉄筋コンクリートカラーで囲み カラー本体との間及び本体の突合せ部には 伸縮性のある目地材を填充して 漏水を生じないよう処理しなければならない さらに 放流管の両端部には遮水壁を取付るものとし 管中間には管長 0~5mの間隔で管の全周にわたる遮水壁 ( うなぎ止めと称される ) を設けて 放流管の外壁に沿う浸透流の発生を防止する この遮水壁は放流管の本体と一体構造のものとする 3 流入口 ( 調整口 : オリフィス ) 流入口の円形及び矩形の 辺は0cm 以上とし 流入口周辺にはチリ避けスクリーンを設置すること 4 ダムの高さダムの最大堤高は原則として5m 以下とする 5 維持管理面からの設計上留意すべき事項 () 美観の向上を図るようにすること () 不慮の事故に備え 必要に応じ調整池周辺に防護柵 標識等を設置すること (3) 調整池内の堆積土砂を搬出できる構造とすること (4) 排水管 余水吐き等は 流水 塵埃 土砂により閉塞しない構造とすること - 9 -

6 許容放流量 ( 下流河川の流過能力 ) 洪水調節容量は許容放流量に支配される 許容放流量は一般に調整池下流河川の流過能力によって決定される 下流河川の流下能力には 縦横断測量図を用い マニングの平均流速公式によって求める 3 V= * R * I Q = A * V ここに V : 流速 [m/s] : 粗度係数 R : 径深 (=A/P)[m] I : 河床勾配 ( 分数又は少数 ) A : 流水断面積 [ m ] P : 潤辺長 [m] Q : 流量 [ m3 /s] 粗度係数 は 対象とする水路の状況により 次の値を標準として用いる 一般河道または素掘水路 = 0.03 ~ 0.035 護岸を施した河道 = 0.03 三面張河道 = 0.05 トンネルまたはボックス = 0.03 7 計算方法 () 算定方法 その 省略 防災調節池等技術基準( 案 ) を参照すること - 0 -

() 算定方法 その 簡便法 rc Vc = ( ri - ) * 60 * ti *fr * A * () 360 a ri = () ti + b ここに Vc : 容量 [ m3 ] ri : 任意降雨継続時間 tiの降雨強度 [mm/hr] rc : 下流許容放流量に相当する降雨強度 [mm/hr] ti : 任意の降雨継続時間 [mi] fr : 流出率 ( 暫定施設基準においては流出係数 ) A : 流域面積 [ha] a,b,: 降雨強度曲線式の定数 本式による計算は任意 tiに対するviを求め最大となる値をもって必要調節容量とするつもりであり () 式に () 式を代入した (3) 式の dv dt =0となるtiによって与えられる a rc Vi = ( - ) * 60 * ti * f * A * (3) ti + b 360 いま (3) 式の定数項を除いて整理した (4) 式を dy = 0として微分すると (5) 式のよう dt になる a rc y = ( - ) * t (4) t + b dy a {( t + b ) - * t } rc dt = - = 0 (5) ( t + b ) (5) 式をt = Xとおいて整理すると (6) 式の 次式となる rc rc rc * X + { ( ) * b + a ( - )} X + b ( * b - a ) = 0 (6) すなわち 最大容量 Vを与えるtは (6) 式の根 Xより (7) 式によって求められる t = X (7) この t を (3) 式に代入することによって必要調節量が算出される - -

8 計算例地域 : 高知広域都市計画区域下流河川の計画超過確率 :/50 年 B: 開発区域外で調整池に流入する区域 ( 山林 :0.5ha) B: 開発区域で調整池に流入する区域 ( 山林 :.3ha) B+T ( 田 :0.5ha) C: 開発区域で調整池に C: 畑 :0.ha T: 調整池開発区域 :B+T+C=.0ha 流入しない区域 調整池への流入区域 :B+T+B=.3ha P00 流域 α=0ha.0.0.0 勾配 i = 5% 三面張河道 = 0.05 P00 流域 α=7ha.0 S=:0.5.0.0 勾配 i = 5% 護岸を施した河道 = 0.03 流出係数 区域 現 況 開発後 B+T( 山林 ).3ha (0.6 ) (0.9) ( 田 )0.5ha (0.75) (0.9) B ( 山林 )0.5ha (0.6 ) (0.6) C ( 畑 )0.ha (0.6 ) (0.9) - -

() 下流の流下能力の算定 P00 断面積 :A=.0*.0=.0 m勾配 :I=0.05 潤辺長 :P=.0+.0+.0=3.0 m 粗度係数 :=0.05 径深 :R=A/P=(/3) m V = * R /3 * I / Q = A * V =.0 * * (/3) /3 * (0.05) / = 4.30 m3 /s 0.05 P00 断面積 :A=(.0+.0)/*.0=.5 m勾配 :I=0.05 潤辺長 :P=.0+.0*.8*=3.36 m 粗度係数 :=0.03 径深 :R=A/P=.5/3.36=0.4635 m Q =.5 * * (0.4635) /3 * (0.05) / = 5.9 m3 /s 0.03 比流量 ( 各測点での比流量 ) q00 = 4.30 / 0 ha = 0.430 m3 /s/ha q00 = 5.9 / 7 ha = 0.305 m3 /s/ha < q00 () 開発後のピーク流量 Bの区域は開発区域外ではあるが調整池に流入する区域であるので 0.5ha*0.6+.0ha*0.9 f = = 0.84 0.5ha+.0ha /5 の確率年雨量 784.4 784.4 I = = = 8. mm/h ( = r ) t + 6. 0 + 6. t: 河道流入流下時間 = 0 miとする Q = * f * r * A = * 0.84 * 8. *.5 = 0.747m3 /s 360 360 比流量 0.747 /.5 ha = 0.99 m3 /s/ha < 0.305 m3 /s/ha - 3 -

(3) 開発前の洪水の年超過確率の算出 0.5ha*0.6+0.ha*0.6+.3ha*0.6+0.5ha*0.75.575 f = = = 0.63 0.5ha+0.ha+.3ha+0.5ha.5ha 360 * 0.63 * r *.0ha = 0.305 m3 /s/ha r = 0.305 * 360 * 0.63 *.0 = 74mm/h 74mm/h に対する雨量強度式を算出することとなる 今回は /50 年超過確率雨量強度式に対用するので t=0 mi とすると 485.9 485.9 I = = = 73.3mm/h t +.6 0 +.6 360 * 0.63 *73 *.0 = 0.303 m3 /s/ha 算定方法 その では /50 年超過確率雨量の開発後のピーク流量を /50 年超過確率雨量の開発前のピーク流量まで調整すればよい ( 下流の流下能力 Qpc) /50 年以下の雨量については考えなくてよいことになる - 4 -

(4) 算定方法 その による必要調節量 Qpc = 0.305 *.5ha - * 0.9 *73.3 * 0. = 0.676 m3 /s 流下能力 360 360*Qpc 360 * 0.676 rc = = = 6.0 mm/h 流下能力に対応した降雨強度 f*a 0.84 * (.5-0.) 485.9 6.0 V = ( - ) * 60 * t * 0.84 *.3 * t +.6 360 485.9 6.0 = ( - ) * 0.3 * t t +.6 485.9 6.0 y = ( - ) * t とすると t +.6 485.9 {( t +.6 ) - 3 * t dy 4 } 6.0 dt = - = 0 ( t +.6 ) 485.9 {( X +.6 ) - 3 4 * X } 6.0 - = 0 ( X +.6 ) 6.0 6.0 3 X + { * *.6 + 485.9 * ( - )} X 4 6.0 +.6 ( *.6-485.9 ) = 0 63X + 588.85X - 75783. = 0-588.85 + ( 588.85 ) - 4 * 63 * ( - 75783. ) X = = 4.3 * 63 4/3 4/3 X = t t = X = ( 4.3 ) = 70.4 分 継続時間 485.9 6.0 V = { - } * 0.3 * 70.4 ( 70.4 ) +.6 = 94.4 m3 必要調節容量 - 5 -

(5) 調整池の設計 A = 450 m とすると オリフィスの設計 Qpc = 0.676 m3 /s.84m h =.05m h = 94.4 / 450 =.05 m 0.4 Q =C * a* g*h 0.4 Q 0.676 a = = = 0.777 C* g*h 0.6* * 9.8 *.05 a = 0.777 =0.4 m オリフィスは 0.4m * 0.4mとする 洪水吐きの設計 /00 年確率雨量 (/00 年確率雨量の. 倍 ) 5436. 5436. I = *. = *. = 3.8 mm/hr = r t + 3.5 0 + 3.5 Q = * f * r * A *. = 360 360 * 0.84 * 3.8 *.3 *. =.44 m3 /s 0.70 Q = 3 *C*B* g*h 3/ 0.90 h = 0.5mとすると 0.70 3Q 3 *.44 B= 3/ = 3/ =.30 m *C* g*h * 0.6 * * 9.8 *(0.5) B =.30m 洪水吐きの越流部の幅は (0.70 + 0.90 + 0.70) とする 堆砂部の設計設計堆砂量 =.5m3 / 年 * ha *.3ha = 3.45 m3 h = 3.45 / 450 = 0.0 m 堆積部の深さは0.0mとする - 6 -

放流管の設計 Q =.44 *. =.78m3 /s 管径 800mmとすると Q = A * V = A * * R /3 * I / A = (0.80 * π) / 4 P = 0.8 * π R = A / P = 0.00 = 0.05 I = 3% とすると (0.80) Q = * π) * *(0.00) /3 * (0.03) / =.985 m3 /s>.78 m3 /s 4 0.05 調整池の設計調整池有効面積 450mを確保するためには 洪水吐き面積を考慮する必要がある A = 450m + ( 0.90 * 0.70 ) = 450.63 m 辺を0mとすると 450.63 / 0.00 =.53 mとなる 調整池平面図.53 0.70 0.00 0.90 A A A-A 断面 0.50 余裕高.05 管径 0.80 I=3% 0.4*0.4 0.0-7 -