PowerPoint プレゼンテーション

Similar documents
標準的な健診・保健指導の在り方に関する検討会

Microsoft PowerPoint - 2.医療費プロファイル 平成25年度(長野県・・

平成 27 年 10 月 6 日第 2 回健康増進 予防サービス プラットフォーム資料 協会けんぽ広島支部の取り組み ~ ヘルスケア通信簿について ~ 平成 27 年 10 月全国健康保険協会広島支部 協会けんぽ 支部長向井一誠

肥満者の多くが複数の危険因子を持っている 肥満のみ約 20% いずれか 1 疾患有病約 47% 肥満のみ 糖尿病 いずれか 2 疾患有病約 28% 3 疾患すべて有病約 5% 高脂血症 高血圧症 厚生労働省保健指導における学習教材集 (H14 糖尿病実態調査の再集計 ) より

資料 6 広島市健康福祉局保健部保健医療課 元気じゃ健診 ( 特定健診 ) の受診に関する地域包括支援センターから地域住民への呼びかけについて 1. 趣旨 広島市は 全国平均に比べて 平均寿命は長いが 健康寿命は短くなっている また 広島市国民健康保険の 1 人当たり医療費は 政令市の中で最も高くな

-3- Ⅰ 市町村国保の状況 1 特定健康診査受診者の状況 平成 23 年度は 市町村国保 (41 保険者 )98,439 人の特定健康診査データの集計を行った 市町村国保の診者数は男性 女性ともに 歳の割合が多く 次いで 歳 歳の順となっている 男性 女性 総数

,995,972 6,992,875 1,158 4,383,372 4,380,511 2,612,600 2,612, ,433,188 3,330, ,880,573 2,779, , ,

大阪府医師国民健康保険組合 特定健康診査等実施第 2 期計画 ( 平成 25 年 7 月 1 日 ) 1. 計画策定の背景昭和 36 年の国民皆保険の成立により わが国の平均寿命は飛躍的に伸び 今や世界一の長寿国となった しかし 世界に冠たるこの国民皆保険制度は 平均寿命の伸びによる高齢化の急激な進

背景及び趣旨我が国は国民皆保険のもと世界最長の平均寿命や高い保健医療水準を達成してきた しかし 急速な少子高齢化や国民の意識変化などにより大きな環境変化に直面しており 医療制度を持続可能なものにするために その構造改革が急務となっている このような状況に対応するため 高齢者の医療の確保に関する法律に

ただ太っているだけではメタボリックシンドロームとは呼びません 脂肪細胞はアディポネクチンなどの善玉因子と TNF-αや IL-6 などという悪玉因子を分泌します 内臓肥満になる と 内臓の脂肪細胞から悪玉因子がたくさんでてきてしまい インスリン抵抗性につながり高血糖をもたらします さらに脂質異常症

特定健康診査及び特定保健指導に係る自己負担額の医療費控除の取扱いの一部変更について(厚生労働省健康局長、保険局長:H )

小松市医師会糖尿病連携推進協議会の取り組み 受診につなげる取り組み 1) 特定健診後 小松市からの受診勧奨 2) 地区別健康懇談会 等 3) 一般社団法人小松能美薬剤師会が主導した 薬局での血糖測定のモデル事業 合併症発症予防の取り組み 4) 診療所における栄養指導 運動指導の強化ー小松市の試みー

第三期特定健康診査等実施計画 ニチアス健康保険組合 最終更新日 : 平成 30 年 02 月 20 日

<4D F736F F D208CA792CA926D814093C192E88C928D4E90668DB88B7982D193C192E895DB8C928E7793B1>

<4D F736F F F696E74202D208E9197BF315F817582C782B182C582E0826C C B4C985E82C98AD682B782E98DEC8BC EF92868AD495F18D902E B8CDD8AB B83685D>

国民健康保険制度改革の施行に向けて

練馬区国保における糖尿病重症化 予防事業について 平成 29 年 3 月 6 日練馬区区民部国保年金課 1 東京都糖尿病医療連携協議会配布資料

平成22年度インフルエンザ予防接種費用補助実施要綱

第2期データヘルス計画について

死亡率 我が国における疾病構造 生活習慣病は死亡割合の約 6 割を占めている 我が国の疾病構造は感染症から生活習慣病へと変化 死因別死亡割合 ( 平成 24 年 ) 生活習

1 疾患別医療費札幌市国保の総医療費に占める入院医療費では 悪性新生物が 21.2% 循環器疾患が 18.6% となっており 循環器疾患では 虚血性心疾患が 4.5% 脳梗塞が 2.8% を占めています 外来医療費では 糖尿病が 7.8% 高血圧症が 6.6% 脂質異常症が 4.3% となっています

1. 趣旨 目的 香川県糖尿病性腎症等重症化予防プログラム 香川県医師会香川県糖尿病対策推進会議香川県国民健康保険団体連合会香川県 本県では 糖尿病患者の人口割合が全国上位にあり 糖尿病対策が喫緊 の課題となっている 糖尿病は放置すると網膜症や腎症 歯周病などの合 併症を引き起こし 患者の QOL

特定健康診査等実施計画

目次 1. 目的 2 2. 人工透析患者の年齢等の分析 3 性別 被保険者 被扶養者 3. 人工透析患者の傷病等の分析 8 腎臓病 併存傷病 平成 23 年度新規導入患者 4. 人工透析 健診結果 医療費の地域分析 13 二次医療圏別 1

事象 :2 健診項目の中で特定健診必須項目に未受診の項目が存在する 返戻事由健診結果データ異常備考検査項目エラー返戻コード 03 特定健診で必須となっている健診項目に実施されていない項目が存在します 別表: 特定健診項目存在チェックシート を参考に健診結果を入力してください 事象 :3 生活機能評価

3 対象者への案内の方法 当該年度の特定保健指導対象者全員 ( 基準では非該当だが 医療保険者の判断で特定保健指導対象となる方 も含む ) に対して 参加案内を郵送して 結果説明会を実施するとともに 特定保健指導における初回時面接を行います また 初回時面接未参加者に対しても 再度 特定保健指導の参

市原市国民健康保険 データヘルス計画書

第三期 特定健康診査等実施計画 ウシオ電機健康保険組合 平成 30 年 4 月

第3章「疾病の発症予防及び重症化予防 1がん」

はじめに

第2次「健康くるめ21」計画

このシートは 下記のから9のカテゴリーをチェック () することで 御社の健康づくりの現状と その先の取り組みを設定するための参考とすることができます 各カテゴリーの設問については できている 5 点 もう一歩 2 点 できていない 0 点で採点することで それぞれの項目における現状を点数で把握する

山梨県生活習慣病実態調査の状況 1 調査目的平成 20 年 4 月に施行される医療制度改革において生活習慣病対策が一つの大きな柱となっている このため 糖尿病等生活習慣病の有病者 予備群の減少を図るために健康増進計画を見直し メタボリックシンドロームの概念を導入した 糖尿病等生活習慣病の有病者や予備

特定健康診査等実施計画

< F2D8E ED28CA48F C8E862E6A7464>

Ⅰ 目標達成

特定健康診査等実施計画 ( 第二期 ) 三重交通健康保険組合 平成 25 年 7 月

(7)健診データの受領方法


データを正しく 活用していただくために 今回は 平成 23 年度に市町村国保で実施した特定健診結果のみ集計しています 今後 協会けんぽ沖縄支部の結果とあわせて 改めてデータ集を発行する予定です 1. 集計対象者 今回の集計対象者は 平成 23 年度に特定健康診査を受診した者 ( 市町村国保分のみ )

< 糖尿病療養指導体制の整備状況 > 療養指導士のいる医療機関の割合は増加しつつある 図 1 療養指導士のいる医療機関の割合の変化 平成 20 年度 8.9% 平成 28 年度 11.1% 本糖尿病療養指導士を配置しているところは 33 医療機関 (11.1%) で 平成 20 年に実施した同調査

特定健康診査等実施計画 東京スター銀行健康保険組合 平成 25 年 4 月

特定健康診査等実施計画 平成 20 年 3 月 水俣市国民健康保険

カテゴリー別人数 ( リスク : 体格 肥満 に該当 血圧 血糖において特定保健指導及びハイリスク追跡非該当 ) 健康課題保有者 ( 軽度リスク者 :H6 国保受診者中特定保健指導外 ) 結果 8190 リスク重なりなし BMI5 以上 ( 肥満 ) 腹囲判定値以上者( 血圧 (130 ) HbA1

日本赤十字社健康保険組合特定健康診査等実施計画 Ⅰ 計画策定にあたって 1 背景及び趣旨我が国は国民皆保険のもと世界最長の平均寿命や高い保健医療水準を達成してきた しかし 急速な少子高齢化や国民の意識変化などにより大きな環境変化に直面しており 医療制度を持続可能なものにするために その構造改革が急務

スライド 1

宗像市国保医療課 御中

Microsoft Word - 1 糖尿病とは.doc

(6/5 19:00修正)資料3 標準的な健診・保健指導プログラム改定のポイント (2) (2)

小松市医師会 糖尿病連携推進協議会 の取り組み 小松市医師会糖尿病連携推進協議会湯淺豊司

■● 糖尿病

1 基本健康診査基本健康診査は 青年期 壮年期から受診者自身が自分の健康に関心を持ち 健康づくりに取り組むきっかけとなることを目的に実施しています 心臓病や脳卒中等の生活習慣病を予防するために糖尿病 高血圧 高脂血症 高尿酸血症 内臓脂肪症候群などの基礎疾患の早期発見 生活習慣改善指導 受診指導を実

第4章:施策と目標 2:生活習慣病の発症予防と重症化予防の徹底(3)糖尿病(4)COPD

NEW版下_健診べんり2016_01-12

近畿税理士国民健康保険組合 第二期特定健康診査等実施計画 ( 案 )

特定健康診査等実施計画 ( 第 2 期 ) ベルシステム 24 健康保険組合 平成 25 年 3 月 1 日

背景及び趣旨 我が国は国民皆保険のもと世界最長の平均寿命や高い保健医療水準を達成してきた しかし 急速な少子高齢化や国民の意識変化などにより大きな環境変化に直面しており 医療制度を持続可能なものにするために その構造改革が急務となっている このような状況に対応するため 高齢者の医療の確保に関する法律

保健事業実施計画書 ( データヘルス計画 ) 平成 30 年度 ~ 平成 35 年度 長野県医師国民健康保険組合

標準的な健診・保健指導の在り方に関する検討会


1 保健事業実施計画策定の背景 北海道の後期高齢者医療は 被保険者数が増加し 医療費についても増大している 全国的にも少子高齢化の進展 社会保障費の増大が見込まれる このような現状から 一層 被保険者の健康増進に資する保健事業の実施が重要となっており 国においても 保健事業実施計画 ( データヘルス

スライド 1

第2章

<4D F736F F D DC58F49817A91E F18C9F93A288CF88F589EF8E9197BF81698C A D096CA81698EC08E7B8FF38BB5816A B315D2E646F6378>

[ 原著論文 ] メタボリックシンドローム該当者の年齢別要因比較 5 年間の健康診断結果より A cross primary factors comparative study of metabolic syndrome among the age. from health checkup resu

平成 29 年 3 月改定 特定健康診査等実施計画 ( 第 2 期 ) 協和発酵キリン健康保険組合 平成 29 年 3 月

福井県糖尿病性腎症重症化予防プログラム福井県医師会福井県糖尿病対策推進会議福井県 1 趣旨 目的本プログラムは福井県医師会 福井県糖尿病対策推進会議および福井県の三者で策定し 県内の医療保険者 ( 以下 保険者 という ) が医療機関と連携して糖尿病性腎症等の重症化予防の対策が容易となるよう基本的な

特定健康診査等実施計画 豊田合成健康保険組合 平成 30 年 3 月

厚生労働省のメタボ政策について

新宮市国民健康保険第 2 期特定健康診査等実施計画 ( 平成 25 年度 ~ 平成 29 年度 ) 平成 25 年 4 月 新宮市国民健康保険

Microsoft Word - 特定健康診査等実施計画2期(YNK).docx

04-4-様式1-1★変更有

はじめに第1章基本方針第2章岐阜市の現状第3章第4章第二次ぎふ市民健康基本計画の評価今後の取り組み第5章効果的な推進体制第6章参考資料7 第 3 章岐阜市の現状 1 岐阜市の人口統計 (1) 人口の推移 本市の人口は 昭和 60 年以降 減少傾向にあったものの 平成 18 年柳津町との合併により 一

(Microsoft Word -

ストレスチェック制度は 従業員 50 名以上の事業所が対象となっているため 中小企業の多くが適用外となっている そのような中小企業のメンタルヘルス対策の現状はいかがか 現在 宮城支部ではメンタルヘルス関連事業として セミナー 出前講座 カウンセリング事業を実施しているところであるが 申し込み状況等か

Microsoft Word - 44-第4編頭紙.doc

<4D F736F F F696E74202D208E9197BF C B68A888F4B8AB CE8DF48E9197BF88C42E707074>

第 3 期 特定健康診査等実施計画書 平成 30 年 4 月 長野県医師国民健康保険組合

特定健康診査等実施計画 ( 第 3 期 ) 三菱製紙健康保険組合 平成 30 年 4 月


2

現状分析による課題抽出のためのワークシート ( 高血圧 糖尿病 脂質異常症 ) 高血圧糖尿病脂質異常症 要介護認定を受けた被保険者の医療費の状況 ( 資料 :KDB システム 12 月末抽出分 ) 有病状況では糖尿病等の基礎疾患が約 6 割となっている 中分類別医療費 1 人当たり医療費が県と比較し

特定健康診査等実施計画 ( 第二期 : 平成 25 年度 ~ 平成 29 年度 ) リクルート健康保険組合 平成 25 年 4 月 1

目次 1. 基本事項... 1 (1) 計画策定の背景... 1 (2) データヘルス計画の位置づけ... 1 (3) 計画期間 北海道建設国民健康保険組合の特性把握... 2 (1) 被保険者の構成... 2 (2) 医療費の状況 これまでの取り組み... 6 (1

(この実施計画は「高齢者の医療の確保に関する法律」第19条の規定に基づき作成し、

<4D F736F F D C AB90748FC78F648FC789BB975C D834F E646F6378>

調書のの見方 新規 新規事業の実施 現行どおり 事業をする 充実 事業の充実 強化を図る 改善 事業の見直し 改善を図る 縮小 事業規模を縮小する 廃止 事業を廃止する 2

わが国における糖尿病と合併症発症の病態と実態糖尿病では 高血糖状態が慢性的に継続するため 細小血管が障害され 腎臓 網膜 神経などの臓器に障害が起こります 糖尿病性の腎症 網膜症 神経障害の3つを 糖尿病の三大合併症といいます 糖尿病腎症は進行すると腎不全に至り 透析を余儀なくされますが 糖尿病腎症

PowerPoint プレゼンテーション

Microsoft PowerPoint - 特定健診課題、要望.ppt

背景及び趣旨 我が国は国民皆保険のもと世界最長の平均寿命や高い保健医療水準を達成してきた し かし 急速な少子高齢化や国民の意識変化などにより大きな環境変化に直面しており 医 療制度を持続可能なものにするために その構造改革が急務となっている このような状況に対応するため 高齢者の医療の確保に関する

地域医療連携における 医師会の役割

健康ながさき21 (中間見直し版)

第三期 小平市国民健康保険 特定健康診査等実施計画 平成 30 年 3 月 小平市

特定健康診査等実施計画 ( 第 3 期 ) ベルシステム 24 健康保険組合 平成 30 年 3 月 1 日 ( 最終更新日 : 平成 30 年 7 月 27 日 )

Microsoft Word - データヘルス計画.doc

Microsoft PowerPoint - 100826上西説明PPT.ppt

計画改訂の趣旨 社会構造が大きく変化し 少子高齢化が進む中 生活環境の改善や医療の進歩などにより 平均寿命が延びている一方で 肥満や糖尿病などの生活習慣病が増加しており 健康づくりや疾病予防の重要性はますます高まっています 子どもから高齢者まで すべての県民が 健やかな生活をおくるために ヘルスプロ

特定健康診査等 ( 平成 30 年度 平成 35 年度 ) 背景 現状 基本的な考え方 No.1 No.2 No.3 No.4 No.5 No.6 事業所数が多く その健康課題も多岐にわたるため対策実施に当たっては事業所の協力が欠かせない 被保険者の特定健診受診率は 95% 前後であり 事業主健診は


Transcription:

協会けんぽ大阪支部の 平成 30 年度重点施策について ~ 保健事業の取組みについて ~ 第 2 期保健事業計画 ( データヘルス計画 ) 平成 30 年 5 月 7 日

大阪支部の課題 1 大阪支部の健診 保健指導 特定健診受診率 33.4% ( 全国 47 位 ) 全国平均 44.9% 特定保健指導実施率 5.3% ( 全国 45 位 ) 全国平均 12.5% 平成 27 年度実績 2 大阪府のがん検診受診率 胃がん検診 30.2% ( 全国 47 位 ) 大腸がん検診 29.8% ( 全国 47 位 ) 肺がん検診 32.3% ( 全国 47 位 ) 乳がん検診 35.7% ( 全国 47 位 ) 子宮がん検診 37.1% ( 全国 46 位 ) 厚生労働省 国民生活基礎調査 ( 平成 25 年度 ) より抜粋 1

大阪支部の課題 3 大阪支部の健診結果における検査指標からの課題 男性の LDL コレステロール値が全国平均より高い男性 126.7( 全国平均 125.4) 女性 123.5( 全国平均 124.6) 要因 1 就寝前 2 時間以内の夕食習慣の割合が全国と比べ高い男性 44.0%( 全国平均 40.1%) 女性 28.1%( 全国平均 24.7%) 要因 2 夕食後の間食の摂取割合が全国と比べ高い男性 16.6%( 全国平均 15.2%) 女性 22.4%( 全国平均 21.6%) 要因 3 野菜摂取率が低く摂取不足である男性全国 46 位 ( 目標量より 96g 不足 ) 女性全国 47 位 ( 目標量より 123g 不足 ) 12 平成 26 年度生活習慣病予防健診問診結果より算出 3 平成 28 年度国民健康 栄養調査結果概要 都道府県別野菜摂取量の平均値 より抜粋 2

大阪支部の課題 4 健診受診者のうち再検査等の判定者のうち医療機関への未受診の方が多い 35 歳以上で生活習慣病予防健診受診をされた方のうち 血圧 160/100mmHg 以上の対象者約 4,200 人医療未受診の方約 60% 空腹時血糖 126mg/dl 以上かつ HbA1c6.5% 以上の対象者約 5,000 人医療未受診の方約 50% 平成 27 年度生活習慣病予防健診結果および健診後のレセプトデータより算出 3

大阪支部の課題 5 疾病別の医療費総額上位 3 位 ( 加入者合計 ) 第 1 位高血圧性疾患 ( 構成比 6.0%) 第 2 位糖尿病 ( 構成比 4.25%) 第 3 位その他の内分泌 栄養 代謝疾患 ( 構成比 3.5%) 平成 27 年度大阪支部疾病別医療費より算出 6 腎不全患者への移行の約 45% は糖尿病の重症化が原因 腎不全の患者割合と医療費 協会けんぽ大阪支部 全患者数の 0.2% であるが その医療費は 20 倍の 4% を占める 国民健康保険 後期高齢者医療保険 患者割合が 0.5% に上昇し 医療費も 9% に上昇している 他疾患と比べても患者数における医療費の割合が高く 元々は生活習慣の逸脱が主な要因である また 保険者間の連携の視点でも 協会けんぽ加入者が透析治療継続の為 国民健康保険への移行も示唆され 対象者の治療に伴う QOL の低下や医療費の拡大が大阪府全体としても大きな問題点となっている 大阪がん循環器病予防センター 平成 27 年市町村国民健康保険及び協会けんぽにおける特定健診 特定保健指導のデータ分析並びに市町村国民健康保険 後期高齢者医療 及び協会けんぽにおける医療費データ分析 報告書参照 4

大阪支部の課題 大阪支部の課題 健診受診率 特定保健指導受診率が低いこと 健診を受診していても重症者が医療受診できていないこと 等があげられ その中でも 特に重症化すると治療により対象者の QOL に影響し 医療費の圧迫にも影響を与える糖尿病疾患が大阪支部の最も重要な健康課題と考える 5

データヘルス計画の概要 上位目標 上位糖尿病にかかる被保険者 1 人当たりの医療費 を平成 27 年度実績 (7,626 円 ) 以下にする 目標設定レベル 上位目標重大な疾病の発症を防ぐ事業 (10 年先程度に成果を評価する目標 ) 中位目標 生活習慣病予防健診受診者のうち 空腹時血糖値 126mg/dl 以上かつ HbA1c6.5% 以上の者を 8.6% 以下にする 下位目標 中位目標検査値の改善を目指す目標 (6 年後に達成すべき目標 ) 下位目標生活習慣の改善 実施率の向上等上位目標を達成するための下位目標 (6 年後に達成すべき目標 ) 糖尿病性腎症重症化予防における医療受診者を 10% 以上にする 2 次勧奨対象者のうち医療機関受診者を 12% 以上にする 特定健診受診者数を平成 35 年度に 100 万人にする 特定保健指導実施者数を平成 35 年度に 65,000 人にする 6

データヘルス計画の取り組みイメージ 治療中 高 重症化予防対象者 ( 二次 高血圧 ) 糖尿病性腎症重症化対象者 健診リスク 低 重症化予防対象者 ( 一次 ) 特定保健指導対象者検査値正常者健診受診者 健診受診者のうち 健診リスクに応じて 特定保健指導 一定の検査値以上の方に対しては 重症化予防 として医療受診を勧奨し 検査値の改善を推進していくことで 加入者の健康を高めていく 重症化予防 では 血圧の検査値に応じて 一次受診勧奨 二次受診勧奨 を実施するとともに 血糖値の検査値に応じて 糖尿病性腎症重症化予防 の三本建てで取り組んでいく 7

平成 35 年度 (2023 年度 ) までの健診事業の計画値 受診者数 H28 年度 H29 年度 H30 年度 H31 年度 H32 年度 H33 年度 H34 年度 H35 年度 H35-H29 ( 単位 : 千人 ) 6 年間平均 生活健診 402.8 431.0 470.0 520.0 580.0 650.0 700.0 730.0 299.0 49.8 データ取得 53.3 57.0 68.0 80.0 105.0 115.0 120.0 130.0 73.0 12.2 本人計 456.1 488.0 538.0 600.0 685.0 765.0 820.0 860.0 372.0 62.0 家族計 80.5 86.2 101.0 108.0 116.0 124.0 132.0 140.0 53.8 9.0 合計 536.6 574.2 639.0 708.0 801.0 889.0 952.0 1,000.0 425.8 71.0 前年増減数 - 37.6 64.8 69.0 93.0 88.0 63.0 48.0 - - 前年比 - 107.0% 111.3% 110.8% 113.1% 111.0% 107.1% 105.0% 174.2% 109.7% 受診率 35.3% 37.8% 40.6% 45.2% 51.4% 57.4% 61.8% 65.3% 27.5% 4.6% 前年増減数 前年比 受診率は合計に対する数値 平成 29 年度は見込値 平成 35 年度の健診対象者数 (40 歳以上見込数 ) 本人 = 約 1,139 千人 家族 = 約 392 千人 合計 =1,532 千人 平成 35 年度末までに 国から目標化されている受診率 65.0% を基に計画値を作成 平成 35 年度末 100 万人の健診受診を目指す!! ( 現状 ) 大阪支部は 平成 28 年度まで全国で最下位の受診率となっている 8

健診受診者数を向上させるために 1 生活習慣病予防健診への切替え促進 1 既存健診機関のベースアップ 2 健診機関数の拡大 3 集団健診の企画拡大 4 新規適用事業所への受診勧奨 2 定期健康診断結果の協会けんぽへデータ提供促進 1 継続したデータ提供の確実な実施 2 委託事業によるデータ提供勧奨の実施 3 家族における特定健診の促進 1 府内施設受診の拡大 2 府内集団健診の企画拡大 3 他府県居住者への受診者数拡大 9

平成 35 年度 (2023 年度 ) までの保健指導事業の計画値 実施者数 H28 年度 H29 年度 H30 年度 H31 年度 H32 年度 H33 年度 H34 年度 H35 年度 H35-H29 ( 単位 : 人 ) 6 年間平均 協会 4,916 6,391 7,000 7,000 6,500 6,000 6,000 5,600-791 -132 委託 3,001 3,901 9,600 18,000 27,200 37,000 47,000 57,000 53,099 8,850 本人計 7,917 10,292 16,600 25,000 33,700 43,000 53,000 62,600 52,308 8,718 家族計 354 460 815 1,000 1,300 1,600 2,000 2,400 1,940 323 合計 8,271 10,752 17,415 26,000 35,000 44,600 55,000 65,000 54,248 9,041 前年増減数 - 2,481 6,663 8,585 9,000 9,600 10,400 10,000 - - 前年比 - 130.0% 162.0% 149.3% 134.6% 127.4% 123.3% 118.2% 604.5% 135.8% 実施率 8.5% 10.3% 15.0% 20.2% 23.9% 27.3% 31.5% 35.4% 25.1% 4.2% 前年増減数 前年比 受診率は合計に対する数値 平成 29 年度は見込値 平成 35 年度の保健指導対象者数 ( 見込数 ) 健診受診者の目標数に対応した見込数本人 = 約 172,000 人 家族 = 約 12,000 人 合計 =184,000 人 平成 35 年度末までに 国から目標化されている実施率 35.0% を基に計画値を作成 平成 35 年度末 65,000 人の特定保健指導実施 ( 完了者 ) を目指す!! ( 現状 ) 大阪支部は 平成 28 年度全国で 42 位の実施率となっている 10

特定保健指導対象者の判定基準 Ⅰ A 腹囲 : 男性 85cm 以上 女性 90cm 以上 B 腹囲 : 男性 85cm 未満 女性 90cm 未満かつ BMI 25 以上 Ⅱ 追加リスク 1 血糖 空腹時血糖値 100mg/dl 以上またはHbA1c5.6% 以上 (NGSP 値 ) 2 血中脂質 中性脂肪 150mg/dl 以上またはHDLコレステロール40mg/dl 未満 3 血圧 収縮期血圧 130mmHg 以上または拡張期血圧 85mmHg 以上 4 喫煙 1~3のリスクが1つでもある場合にリスクとして追加 特定保健指導のタイプが決定 動機づけ支援 Ⅰ-A Ⅱ でリスクが 1 つ Ⅰ-B Ⅱ でリスクが 1~2 つ 積極的支援 Ⅰ-A Ⅱ でリスクが 2 つ Ⅰ-B Ⅱ でリスクが 3 つ以上 初回面接 初回面接 継続支援 3 か月後支援 3 か月後支援 11

特定保健指導を向上させるために 1 大阪支部保健指導員による効率的な保健指導の実施 1 初回面談を主とし 継続支援は外部専門機関に委託する割合を高め 業務効率化を図ることで中断率を下げ評価件数の向上を行う 2 専門機関の委託による活用 1 外部専門機関における委託量の増大により保健指導数の拡大を図る 2 外部専門機関の複数契約により保健指導数の量的拡大を図る 3 特定保健指導契約機関の契約数の拡大と体制整備への助言 1 平成 30 年度から制度改正された健診当日の保健指導実施の緩和により 健診機関に健診当日実施のための指導を行うとともに保健指導機関としての契約増大を図る 2 既存保健指導機関に対しては 健診当日実施に向けた体制整備の働きかけを行う 4 事業所への保健指導受け入れの勧奨 1 対象者 50 名以上の事業所および健康宣言事業所で保健指導実施件数が低い事業所に保健指導受け入れ勧奨を行う 12

重症化予防事業 (1 次 2 次勧奨 ) 事業 勧奨対象者の条件一次勧奨 収縮期血圧拡張期血圧空腹時血糖 HbA1c(NGSP 値 ) 160mmHg 以上 100mmHg 以上 126mg/dl 以上 6.5% 以上 上記検査値は 日本人間ドック学会における要治療 要精検の基準値および協会けんぽの生活習慣病予防健診における要治療の基準値 HbA1c 検査数値は 25 年度からの国際基準である NGSP 値による判定値 勧奨対象者の条件二次勧奨 収縮期血圧拡張期血圧空腹時血糖 HbA1c(NGSP 値 ) 180mmHg 以上 110mmHg 以上 160mg/dl 以上 8.4% 以上 上記血圧に関する検査値は 日本高血圧学会における Ⅲ 度高血圧判定値であり 血糖に関する検査値は 日本糖尿病学会における 血糖コントロール指標と評価 が 不可 の値 勧奨対象者数 受診者目標数 一次勧奨対象者数 : 年間約 20,000 人 ( 内 二次勧奨対象者数 : 年間約 5,000 人 ) 医療受診者数 : 対象者の 12% 以上 13

重症化予防事業 (1 次 2 次勧奨 ) 事業 1 健診日当日 血圧値 (180/110mmHg 以上 ) の対象者には 健診日に受診勧奨と特定保健指導受診の勧奨を行う 健診機関への受診勧奨の協力依頼を実施し 600 人受診に繋げる 2 協会けんぽ本部より 1 次勧奨対象者には勧奨文書を送付 勧奨後 未受診者には支部より電話支援を実施し 医療機関への受診勧奨を行う (28 年度健診結果では 1 次勧奨対象者は 20,018 人 2 次勧奨対象者は 5,558 人 ) 支部内保健師の受診勧奨で 50 人受診し検査値の改善に繋げる 3H31 年以降は薬剤師会とも連携し 血糖コントロール不良者への内服指導も行っていく 内服コントロール不良者に服薬支援ができるように茨木市薬剤師会と連携し 薬剤師による服薬管理不良者の指導を実施体制を整え 大阪府内全域に広げていく 4 健康保険委員のセミナーで 糖尿病 禁煙 の情報の周知を行う 健康保険委員等の糖尿病予防セミナーを 30 回実施する 最終年度は禁煙セミナーを 30 回実施する 5 健康相談のイベント参加時に血圧測定を実施 参加者に 禁煙 パンフレットの配布による啓発を実施する 年 3 回のイベントの健康相談開設時に血圧測定の実施 禁煙 パンフレットを配布する 14

糖尿病性腎症重症化予防事業 勧奨対象者の条件 次の A または B に該当する者 A: 空腹時血糖が 126mg/dl 以上 または HbA1C が 6.5% 以上かつ尿蛋白 1+ 以上 B: 空腹時血糖が 126mg/dl 以上 または HbA1C が 6.5% 以上かつ egfr60 未満 勧奨対象者数 受診者目標数 勧奨対象者数 : 年間約 3,000 人医療受診者数 : 対象者の10% 以上 事業の取り組み 1 医療受診勧奨 外部委託機関より勧奨対象者に受診案内を送付し 電話勧奨により医療受診勧奨および保健指導の受け入れを勧奨する 保健指導 保健指導プログラム受け入れ者に対して 受診する医療機関と連携し 受診内容も確認しながら保健指導を実施する また 継続支援の都度 保健指導の報告書を医療機関にフィードバックすることで その後の医療受診による検査値の改善を高めていく 医師会等との連携 効果的な重症化予防とするためには 医師等の連携が不可欠なことから 関係団体である大阪府医師会や大阪府と連携を密に行い 必要な協議会や研修会の場への参加による事業説明 広報協力等について連携していく 15

糖尿病性腎症重症化予防事業 事業の取り組み 2 原疾患である糖尿病を予防するために ポピュレーションアプローチとして高血糖のリスク 糖尿病の 3 大合併症 ( 腎症 網膜症 神経障害 ) の情報提供と受診勧奨を実施する < メールマガジン作成 > 大阪支部のメールマガジンで糖尿病 ( 腎症を含む ) の受診勧奨を目的とした メールマガジンを作成し 配信する < 健康講座のセミナー実施 > 事業所を対象に年 120 回 外部委託によるセミナーを実施し情報提供を行い 従業員の健康意識啓発により 事業所全体の健康度を高めていきます <BDHQ を用いたセミナーの実施 > BDHQ を用いたセミナーを 30 回実施し 翌年の事業所カルテの血糖値に改善する BDHQ とは 参加者の過去 1 か月の食事摂取状況を把握 分析しおおよその栄養素摂取状況に応じて食事指導を行うものです 16