資料 4-4 四輪車の加速走行騒音試験法の追加騒音規定 (ASEP) について
ECE R5-03 における追加騒音規定 (ASEP) 導入の検討 ECE R5-03 における ASEP 導入の背景 エンジンの電子制御化により 加速試験法に対し その試験条件のみ騒音レベルを下げることにより許容限度を満足し 試験条件を下回る又は上回る進入時のエンジン回転数又は速度からの加速では不適当に騒音レベルが大きくなることが起こりうる 試験条件の 50km/h での加速度を制御した例 ( 出典 )TNO VENOLIVA Report 2
また R5-03 Annex 3(ISO 362-) による試験条件は 高負荷 高エンジン回転数で発出される騒音は評価されず 高性能車の試験ギアがハイギヤになることも懸念された ( オランダはランアバウトの走行パターンから高加速度での評価を要求 ) ランアバウトの走行パターンの例 ドイツは R5-02 の基準を超過する車両の出現を懸念 ( 出典 )UN-ECE/WP29 ASEP IWG7 会議資料 (2007 年 5 月 2-23 日 ) ECE R5-03 では 新加速試験法の条件とは異なる回転数での騒音レベルが極端に大きくなる制御を サイクルディテクション (Cycle Detection) とし 自動車製造者にその適用を禁止するとともに 追加騒音規定 (Additional Sound Emission Provision) を導入する 3
ASEPの評価領域 ギヤ選定等 ASEPでのギヤ選定 MT ギヤ固定可能なAT 及びCVTの場合 :R5-03 Annex 3 試験時のiギヤからstまでギヤ固定不可能なAT 及びCVTの場合 :Dレンジ Annex 3 試験が ASEP で評価対象となるのは 以下の条件での全開加速試験 20 [km/h] v AA a wot 5.0 [m/s 2 ] 0. * (S n idle ) + n idle [rpm] n AA n BB 0.9 * S [rpm] 又は 2.0 * PMR -0.222 * S [rpm] のいずれか低い方 v BB 70 [km/h] ( いずれかのギヤ段で n BB 上限に到達する場合 ) 80 [km/h] ( その他の場合 ) エンジン回転数 [rpm] 2.0*PMR -0.222 *S 速 2 速 3 速 4 速 20 70 3 速の場合 ASEP の対象領域 ASEP の対象となる領域 ( イメージ ) 速度 [km/h] ASEP の対象は 内燃機関を有する M 及び N ただし 以下は適用除外とする HEV のうち内燃機関が直動軸に直結していないもの ( 発行後 5 年間暫定 ) ASEP の評価対象領域でエンジン回転数の変動が 0.5S 以内のもの ( ギヤ固定不可能な CVT を想定 ) N のうち エンジン排気量 660ccm 以下かつ GVW ベースの PMR が 35 以下のもの ( 軽トラックを想定 ) N のうち ペイロード ( 最大積載量 ) が 850kg 以上かつ GVW ベースの PMR が 40 以下のもの 4
ASEP 評価領域の検討経緯 上限回転数については ドイツが Fast Going Traffic Stream( 速い交通流への合流 ) における n 95 を分析し 上限脱出エンジン回転数を導出した ただし 低 PMR 車では実走行ではほとんど使用されないエンジン最高出力回転数に近づくため 最高出力回転数の 90% を上限とすることとした 騒音ピーク位置の無次元エンジン回転数 ; 2.26*pmr -0.29 00% 90% 80% 70% vehicles with manual transmission compact cars like Smart BB での脱出無次元エンジン回転数 ;2.6*pmr -0.29 n_norm_95_ave_in_use n_norm_95_high_in_use n_norm_i n_norm_max_bb' アイドルエンジン回転数の違いによる影響を排除 ; 2.0*pmr -0.222 (n - n_idle)/(s - n_idle) 60% 50% 40% 30% 20% 0% GTI class like VW Golf 0% 0 20 40 60 80 00 20 40 60 power to mass ratio in kw/t Fast Going Traffic Stream での加速時最高エンジン回転数の n 95 と PMR の関係 ( 出典 )UN-ECE/WP29 ASEP IWG 会議資料 (2005 年 月 7-8 日 ) 5
上限加速度は 当初タイヤスリップによる騒音の影響が大きくなるため 3[m/s 2 ] であったが 加速度の実態は~4[m/s 2 ] であるとの蘭の主張に基づき 5[m/s 2 ] とすることで決着 4,5 4,0 3,5 3,0 a,wot 2,5 2,0,5,0 0,5 2nd gear 3rd gear 4th gear targetline acceleration Part 2 awot,target Part 0,0 0 20 40 60 80 00 20 40 60 80 200 p/m (kw/t) PMR と a wot ( マイク前 50km/h) との関係 ( 出典 )UN-ECE/WP29 ASEP IWG TF3 資料 (2005 年 9 月 5-7 日 ) 上限脱出速度は メーカーの試験場における制約 ( 特に低出力車では加速に走行距離を要すること ) より 70[km/h] が提案されたが 独より 70[km/h] では上限回転数が実現されないことへの懸念から 80[km/h] とする修正提案がなされ 70[km/h] 以下においていずれかのギヤ段で上限脱出エンジン回転数に到達するものは上限脱出速度を 70km/h とし それ以外の場合は 80[km/h] とすることで決着 6
< 参考 > 実走行データ Annex3 試験条件と ASEP 試験条件の比較 JASIC(M,PMR=84.6) 2JASIC(M,PMR=27.3) ASEP 試験条件 市街地走行におけるエンジン回転数及び加速度頻度分布と Annex3 試験条件 ASEP 試験条件の比較 ( 実走行データについては 45<V<55[km/h] かつ α>0[m/s 2 ] のデータを解析 ) 7
ASEP 測定方法及び評価方法 ASEP 測定点 P: 進入車速 (v AA )20[km/h] 安定した加速度が得られない場合は 5[km/h] ずつ車速を上げる P4: 脱出車速 (v BB )70[km/h] 若しくは n BB 上限での速度 ( いずれかのギヤ段で n BB 上限に到達する場合 ) 又は 80[km/h]( その他の場合 ) P2: 脱出車速 (v BB ) P と P4 の脱出車速を 3 分割し P から /3 の車速 P3: 脱出車速 (v BB ) P と P4 の脱出車速を 3 分割し P から 2/3 の車速 認証機関の要求に応じた追加 2 点 (P6 P7) L WOT 追加 2 点 P3 P7 P4 v BB,2 = v BB, +/3*(v BB,4 - v BB, ) v BB,3 = v BB, +2/3*(v BB,4 - v BB, ) P6 P2 P Anchor Point (Annex 3 の L wot ) v BB, v BB,2 v BB,3 v 脱出速度 BB,4 ( 脱出上限回転数時速度 70[km/h] or 80[km/h]) 8
ASEP 評価法 ASEP- 測定点から回帰線勾配を計算し 各点が一定ライン以下となること (Slope 法 ) ASEP-2 測定データを 車速 加速度について L urban 相当とし Annex 3 の L urban との差分を評価 (L urban 法 ) メーカーが選択 ASEP-3 ECE R5-02( 現行規制 ) への適合確認 9
ASEP- Slope 法 全開加速騒音レベル (L wot ) [db] P ASEP 規制ライン P6 P2 マージン Anchor Point (Annex 3 の L wot ) P3 n BB _k, n BB _k,2 n BB _k,3 脱出エンジン回転数 (n BB ) [rpm] P7 P4 n BB _k,4 ASEPデータを測定 2 測定点 4 点 ( 任意点は含まず ) +Anchor Pointから回帰線勾配を導出回帰直線の勾配計算式 Slope k j 5 ( n j 5 j ( n n)( L j i n) 2 L) j; 試行またはanchor k; ギア段 5 5 L L j [db] n n j [rpm] 5 j 5 j Slope k は 最大で5dB/000rpm 3 Anchor Point+ マージンの点から2の勾配に補正係数を足して規制ラインを引くマージン MT: 2 + 規制値 L urban [db] AT: 3 [db] ( 固定 ) 任意点含め 測定データが規制ライン以下であること 0
Annex 3 で測定したギヤ段のうちローギヤ側から st までのギヤ段全てを測定 評価 Anchor Point には Annex 3 のローギヤ側 ( ギヤ i) の全開加速のデータを使用 例 : MT 車で Annex 3 が 3rd と 4th の 2 ギヤから算出する場合 全開加速騒音レベル (L wot ) 3rd 2 4 3 ;3rd の全開加速 全開加速騒音レベル (L wot ) 2nd 4 3 2 ;2nd の全開加速 全開加速騒音レベル (L wot ) st 4 3 2 ;st の全開加速 脱出エンジン回転数 (n BB ) 脱出エンジン回転数 (n BB ) 脱出エンジン回転数 (n BB ) 基準点 (anchor point) =Annex3 の加速時騒音 L wot (3 rd )
ギヤ固定不可能な AT 及び CVT の場合のマージン 3dB の検討経緯 AT D レンジ試験は 種々のギア位置 車速が混在し ギア比が固定されている MT とは異なり 車速とエンジン回転数が連続リニアにならず 回帰分析をすると タイヤ騒音の影響等により本来の騒音勾配とは異なったものとなる 議論の結果 タイヤ騒音補正のために マージンを 3dB とすることで決着 00 80 90 P4:Vbb=78 km/h P4:Vbb=80 km/h Vehicle speed(vbb), km/h 80 70 60 50 40 30 P3 D(2nd) D(3rd) Annex3(D-range) Nmax(GRB49-03) P:Vaa=40.6 km/h 20 3000 3500 4000 4500 5000 5500 Engine speed(nbb), rpm 6000 6500 P2 Sound level, db(a) 75 70 65 P3 タイヤ騒音による差 D(2nd) D(3rd) Annex3(D-range) Nmax(GRB49-3) Regression Line Limit(+dB) P:Vaa=40.6 km/h 60 3000 3500 4000 4500 5000 5500 Engine speed(nbb), rpm 6000 6500 AT 車での測定事例 (ASEPデータベース) ( 出典 )UN-ECE/WP29 ASEP IWG5 会議資料 (2009 年 5 月 4-5 日 ) 2 P2
ASEP-2 L urban 法 ASEP は L urban からの期待値との乖離を確認すること すなわち 出力 ( 加速 ) 欠如又は音源変化により騒音変化の非線形性が無いことを検証することが目的である Slope 法はエンジン回転数レンジをパラメーターとしてみているが 車速 加速度は それぞれの測定点で異なる ASEP データを車速 加速度について L urban 相当として算出される騒音レベル (L urban_asep ) が L urban +3dB 以下であること L urb_meas_asep 車外騒音レベル [db(a)] L wot_ ASEP L urb_meas_ ASEP L crsrep Annex3 測定定常レヘ ル 緩加速相当騒音レヘ ル α urb b a 加速度補正 α wot_asep ASEP 測定加速レヘ ル 加速度 [m/s 2 ] 市街地加速相当騒音レベル [db(a)] L urb とのレベル差 3dB 以内 Vaa 20km/h 2 4 ex.50km/h 50km/h 4 3 ex.60km/h ex.70km/h Lurb (=Annex3) V BB 脱出時の車速 [km/h] 3
L urban 法の算定フロー ASEP 測定データ (α WOT_ASEP L WOT_ASEP ) ASEP 測定 (Slope 法と同じ測定点 ) L wot_asep a urban 相当の騒音レベル (L urb_meas_asep ) 計算 車外騒音レベル [db(a)] L urb_meas _ASEP a_urban 相当レヘ ル計算値 (a urb, L urb_meas_asep ) 加速度補正係数 ;kp _ASEP を計算 kp _ASEP =-(a urban / a wot_asep ) 左図の a/b L crsrep a urb a wot_asep 2a_urban 相当騒音レベル ;L urb_meas_asep を計算 Annex3 測定データ (0, Lcrsrep ) ASEP では定常走行騒音を測定しない b a 加速度 a wot [m/s 2 ] L urb_meas_asep = L WOT_ASEP kp _ASEP *(L WOT_ASEP L crsrep ) awot_asep < a urban の試行は評価しない 4
L urb_meas_asep L urb_meas_asep 3L urb と L urb_meas_asep の差 ;L urb_norm 算出 L urb_norm =L urb_meas_asep - L urb 市街地加速相当騒音レベル [db(a)] 3dB 以内 L urb_asep = L urb とのレベル差 Vaa 20km/h 2 ex.50km/h 4 50km/h 3 ex.60km/h 4 ex.70km/h Lurb (=Annex3) L urb_norm V BB 脱出時の車速 [km/h] 4 脱出車速 50km/h に補正し ASEP 成績値 ; L urb_asep 算出 L urb_asep =L urb_norm - 0.5*(V BB_ASEP - 50) ASEP 測定時の脱出車速 L urb_asep 3dB で ASEP は適合 5
ASEP-3 ECE R5-02 適合確認 R5-03 により旧基準である R5-02 よりも騒音レベルが増大しないことを確認することが目的 Annex 3 及び ASEP- の Slope から R5-02 において高性能車として定義される 6km/h 相当の騒音レベルが一定の基準値に入っているか評価する 車外騒音レベル [db(a)] 評価するギア段 MT 車 AT CVT 車 ( ギア固定可で 5 段以下 ) :3rd AT CVT 車 ( ギア固定可で 6 段以上 ) : 4th AT 車 ( ギア固定なし ): Annex3 に従う 基準値 Lwot(i)= L anchor_k Vaa 20km/h 2 n ref_k 3 60km/h 4 70km/h 50 6km/h のエンジン回転回転数をギア比から計算 n ref_k 脱出エンジン回転数 N BB [rpm] 評価値の算出 Annex3L wot(i) を ASEP Slope 法で求めた勾配を利用し 6km/h 相当に補正する L ref = L anchor_k + Slope k * (n ref_k - n anchor_k ) / 000 AT( ギア固定なし ) は補正なし 基準値 76dB(A) : 2 3 以外 278dB(A) : 高性能車 +AT(5 段以上 ) 379dB(A) : 高性能車 + MT(5 段以上 ) < 高性能力車の条件 > 最大出力 > 40kW 最大出力 / 最大質量 > 75kW/t 6
ASEP 適用除外の検証ギヤ固定不可のCVT 車 CVT 車では 速度に関わらず決まったエンジン回転数領域が使用される傾向にある ASEPキャンペーンデータを元に ASEP WGにおいても検証したところ 新試験法条件 (V PP =50km/h) でのエンジン回転数と比べ 他の速度でもエンジン回転数に大きな差が見られなかった Vehicle speed(vbb), km/h 00 90 80 70 60 50 40 車速を変化させても エンジン回転数の変化が少なく タイヤ騒音による影響のみが大きくなる 85 D-range Annex3(D) P4:Vbb=80 km/h D-range Annex3(D) Nbb_max 80 Nbb_max P3 75 Regression Line P2 P3 70 P2 P:Vaa=20 km/h Sound level, db(a) P4:Vbb=80 km/h P:Vaa=20 km/h 30 2000 3000 4000 5000 6000 Engine speed(nbb), rpm 65 2000 3000 4000 5000 6000 Engine speed(nbb), rpm CVT 車でのエンジン回転数 速度及び騒音レベル測定事例 (ASEP データベース ) ( 出典 )UN-ECE/WP29 ASEP IWG5 会議資料 (2009 年 5 月 4-5 日 ) 7
エンジン排気量 660ccm 以下かつ GVW ベースの PMR が 35 以下の N 軽トラックは Annex3 試験でのエンジン回転数が ASEP 上限脱出エンジン回転数を超えており ASEP 評価は不要とした Annex3 試験脱出エンジン回転数と ASEP 8
ペイロード ( 最大積載量 ) が 850kg 以上かつ GVW ベースの PMR が 40 以下の N ペイロードの大きい N は Annex3 試験でのエンジン回転数が ASEP 上限脱出エンジン回転数に近いことから ASEP 評価は不要とした 不適当に騒音を発出しうる領域が狭い ASEP 上限脱出エンジン回転数 Anchor N 車両での ASEP 試験結果 (IG 3-02) 9