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プロトコル 細胞 増殖 / 毒性酸化ストレス分子生物学細胞内蛍光プローブ細胞染色ミトコンドリア関連試薬細菌研究用試薬膜タンパク質可溶化剤ラベル化剤二価性試薬イオン電極 その他 機能性有機材料 タンパク質を定量したい 使用製品 -Proteostain- Protein Quantification

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Transcription:

製品情報 2006 年 10 月 20 日改訂 Fluo-4 NW Calcium Assay Kit(F36205 F36206) F36205 Fluo-4 NW Calcium Assay Kit (high-throughput) *for 100 microplates* F36206 Fluo-4 NW Calcium Assay Kit (starter pack with buffer) *for 10 microplates* ポイント 届いた製品はすぐに下記の条件下で保存してください : Component A:-20 C 以下 乾燥および遮光条件下 Component B:25 C 以下 乾燥条件下 Component C(Starter pack にのみ含まれます ):2 週間以内の保存は 6 C 以下 遮光条件下 長期の保存は -20 C 以下で遮光条件下をお勧め致します 励起 / 蛍光発光 :494/516 nm はじめに Fluo-4 AM は 蛍光性の Ca 2+ インジケーターであり ハイスループットスクリーニング (HTS) アプリケーションにおいて アゴニスト刺激性またはアンタゴニスト阻害性のカルシウムシグナル伝達の細胞内測定に広く使用されています 可視光波長での励起を利用し ( アルゴンイオンレーザー源が使用可能です ) 高感度で しかも Ca 2+ 結合による蛍光強度の増加が大きい Fluo-4 AM は G タンパク質共役受容体 (GPCR) の薬理学的および機能的な特性を明らかにするためのインジケーターとして最適です 1 またこのような Fluo- 4 AM の特長は Fluo-4 AM をマイクロプレートスクリーニングのみならず 顕微鏡観察やフローサイトメトリーといったアプリケーションにおいても魅力のある製品としています ホモジニアスな細胞ベースのカルシウムアッセイは 少ないステップ数 低い変動性 および非接着性細胞株を用いる実験において簡便なプロトコールを実現することから広く普及してきていますが このようなアッセイのほとんどは 一部の受容体システムと負の相互作用を示す消光色素の使用が組み込まれています 2 Molecular Probes の Fluo-4 NW(No-Wash) カルシウムアッセイキットは 当社独自の組成により洗浄ステップも消光色素も必要としません Fluo-4 NW アッセイは 洗浄ステップを伴う標準的な fluo-3 アッセイや fluo-4 アッセイ および消光色素を併用する Molecular Devices 社の Calcium 3 アッセイと比較して 大幅な蛍光強度の増加を実現しています 洗浄ステップを排除することで 標準的 fluo-4 アッセイに比べて変動性が低下し Z 値が向上すると同時に アッセイをより簡便で迅速にしています Fluo-4 NW インジケーターは ph が 7~7.5 のバッファー中で数時間は非蛍光性かつ安定であるため インジケーターの Ca 2+ 感受型への自然変換がバックグラウンド蛍光の大きな原因となることはありません また 培地成分によるベースライン蛍光への影響 ( 例えば エステラーゼ活性 研究対象の受容体とタンパク質との相互作用 またはフェノールレッド ) は インジケーター色素をウェルに加える前に培地を除去することで排除が可能です 細胞外蛍光を生じるもう 1 つの原因として 有機陰イオン輸送体によるインジケーターの細胞外への流出が挙げられます 一般的には プロベネシドを用いてこの輸送を阻害すること で ベースラインのシグナルを低下させることが可能です Fluo-4 NW Calcium Assay Kit には 当社が独自に合成した水溶性プロベネシドが付属しています 水溶性のプロベネシドはバッファーへの溶解が容易で 溶解に腐食性の 1 M NaOH を必要とする遊離酸型プロベネシドと比較して 安全に使用することが可能です Fluo-4 NW Calcium Assay Kit は マイクロプレートおよび HTS 用に開発された製品で 接着性細胞および非接着性細胞のいずれのアッセイにもご使用いただけます 試薬 Fluo-4 NW dye mix(component A) 水溶性プロベネシド (Component B) アッセイバッファー ( 1 HBSS 20 mm HEPES ) (Component C Starter Pack にのみ付属 ) お客様にご用意いただくもの (high-throughput pack のみ ): 1.5 L の 1X ハンクス平衡塩 (HBSS)( 各 500 ml の GIBCO カタログ番号 14025-092 を 3 ユニット ) 30 ml の 1 M HEPES バッファー溶液 ( 各 20 ml の GIBCO カタログ番号 15630-106 を 2 ユニット ) Fluo-4 NW Calcium Assay Kit starter pack with buffer (F36206) には マイクロプレート 10 枚分に必要な量の試薬およびアッセイバッファー (Component C) が含まれています Fluo-4 NW Calcium Assay Kit for high throughput には マイクロプレート 100 枚分に必要な量の試薬が含まれていますが アッセイバッファーは含まれていません 一般的推奨事項 試薬は 実験当日に調製してください 試薬溶液を調製する際には Component A および Component B が完全に溶解していることを確認してください 試薬は 1 回当たり 1 枚 (starter pack) および 10 枚 (high-throughput kit) のマイクロプレートをアッセイできる量が含まれています お客様の実験に合わせてスケールアップを行ってください 色素ローディング溶液は調製当日しか使用することができませんので プレートの一部のみを用いた実験 (starter pack の場合 ) または 10 の倍数以外のプレート数を用いる実験 (high-throughput kit の場合 ) は推奨いたしません MP 36205 Fluo-4 NW Calcium Assay Kit

接着性細胞用の実験プロトコール A. 細胞の準備 1.1 接着性細胞を 96 または 384 ウェルのマイクロプレート (poly-d-lysine でコートしたプレートの使用を推奨します ) 内で コンフルエント近くまで培養します 当社で行った試験では M1WT3(CHO M1) 細胞株 (ATCC 番号 CRL- 1985) および GripTite 293 MSR(HEK293) 細胞株 ( インビトロジェン社カタログ番号 R795-07) を使用しました 96 ウェルのプレートでは CHO HeLa または 3T3 細胞を 1 ウェルあたり 30,000~40,000 細胞を播き 一晩培養させることが可能です HEK293 細胞は 1 ウェルあたり 40,000~ 50,000 個細胞を播き 1 晩培養させることが可能です 384 ウェルのプレートを使用する際には 1 ウェルあたりの細胞数を 96 ウェルの場合の 1/4 から 1/2 としてください B. 試薬の調製 High-throughput kit にはアッセイバッファーは含まれていません ( ステップ 1.2 参照 ) Starter pack をご使用の場合 アッセイバッファーは Component C として付属しますので ステップ 1.3 にお進みください 注意 :Component A を用いて調製した色素溶液は ( ステップ 1.4 参照 ) 調製した当日に使用してください 色素溶液のロスを最少に抑えるため プレート全体を用いる実験 (starter pack をご使用の場合 ) または 10 の倍数のプレート数を用いる実験 (high-throughput kit をご使用の場合 ) を推奨いたします 1.2 High-throughput kit をご使用の場合 お客様が実験に使用されるマイクロプレートの枚数 ( 最低 10 枚 ) に応じて 必要な量のアッセイバッファーを調製してください マイクロプレートが 10 枚ある場合 合計 150 ml のアッセイバッファーがあれば すべての試薬を調製することができます 3 ml の 1 M HEPES を 147 ml の 1 倍濃度の HBSS に添加して 150 ml のアッセイバッファーを調製してください 1.3 プロベネシドの 250 mm ストック溶液は 1 ml のアッセイバッファーを 1 バイアルのプロベネシド (Component B) に添加し 溶解するまでボルテックスして調製してください このストック溶液は 調製当日に使用しない場合は - 20 C 以下で 6 ヵ月間まで保存可能です 1.4 ご使用になるキットに応じて 色素ローディング溶液を下記に示す方法で調製してください : Starter pack:10 ml のアッセイバッファーと 100 µl のプロベネシドストック溶液を 1 ボトルの Component A に添加してください この 1 倍濃度の色素ローディング溶液は マイクロプレート 1 枚に使用するのに十分な量で プロベネシドの濃度は 2.5 mm です High-throughput kit:100 ml のアッセイバッファーと 1 ml のプロベネシドストック溶液を 1 ボトルの Component A に添加してください この 1 倍濃度の色素ローディング溶液は マイクロプレート 10 枚に使用するのに十分な量で プロベネシドの濃度は 2.5 mm です 注意 : 色素ローディング溶液は 1~2 分間激しく振とうまたはボルテックスし 必ず色素を完全に溶解してください 1.5 お客様が実験に用いられる受容体アゴニストの アッセイバッファー溶液 ( プロベネシド不含 ) を調製してください C. アッセイ 1.6 接着性細胞培養液から 培地を取り除いてください 培地の除去は ベースライン蛍光 特にエステラーゼ活性を排除するうえで非常に重要です 迅速かつ慎重に 100 µl の色素ローディング溶液を 96 ウェルのプレートの各ウェルに または 25 µl の色素ローディング溶液を 384 ウェルのプレートの各ウェルに添加してください 1.7 カルシウム反応を室温で測定する場合には ( ステップ 1.8) プレートを 37 C で 30 分間インキュベートし その後さらに 30 分間室温でインキュベートしてください 当社の実験では この温度と時間の組み合わせでインキュベーションして測定したところ 最良の結果が得られることが判明しています 反応を 37 C で測定する場合には プレートを 37 C で 30~45 分間インキュベートしてください ( 室温でさらにインキュベートする必要はありません ) これで プレートを実験に用いる準備が整いました 色素ローディング溶液をウェルから除去する必要はありません 1.8 蛍光光度計を 励起波長 494 nm 発光波長 516 nm に設定して 蛍光強度を測定してください アルゴンレーザーの 488 nm の線源が使用可能です 非接着性細胞用の実験プロトコール A. 細胞の準備細胞をペレット化する ( ステップ 2.3) ときは 事前に当日の実験に十分な量のアッセイバッファーを準備してください High-throughput kit にはアッセイバッファーは含まれません ( ステップ 2.1 参照 ) Starter pack をご使用の場合 アッセイバッファーは Component C として付属しますので ステップ 2.2 にお進みください 2.1 High-throughput kit をご使用の場合には お客様が実験に使用されるマイクロプレートの枚数 ( 最低 10 枚 ) に応じて 必要な量のアッセイバッファーを調製してください マイクロプレートが 10 枚ある場合 合計 150 ml のアッセイバッファーがあれば すべての試薬を調製することができます 3 ml の 1 M HEPES を 147 ml の 1 倍濃度の HBSS に添加して 150 ml のアッセイバッファーを調製してください 2.2 細胞培養フラスコから直接 細胞の密度を測定してください 96 ウェルのプレートで 1 ウェルあたり 125,000 384 ウェルのプレートで 1 ウェルあたり 31,250 の細胞数となるように培養液容量を算出してください ここに示した細胞密度は Jurkat 細胞株 (GeneBLAzer ムスカリン受容体 (M1) NFAT-bla Jurkat 細胞株 インビトロジェン社カタログ番号 K1051) を用いた実験で良好な結果が得られることが判明しています 例 : 細胞培養液密度 = 細胞 1.5 10 6 個 /ml 各マイクロプレートに必要な細胞数は (96 ウェルのプレートのウェル数を約 100 384 ウェルのマイクロプレートのウェル数を約 400 として概算した場合 ): 細胞 12,5000 個 100( または細胞 31,250 個 400) = 細胞 1.25 10 7 個 細胞 1.25 10 7 個細胞 1.5 10 6 個 /ml = 8.3 ml( 必要な培養液容量 ) 2.3 1,000 rpm( 約 200 g) で 3 分間遠心分離して 必要な量の培養液から細胞をペレット化してください 2.4 ペレットから培養液を除去し ペレットを細胞約 2.5 10 6 個 /ml(96 ウェルのプレートの場合は細胞 125,000 個 /50 µl 384 ウェルのプレートの場合は細胞 31,250 個 /12.5 µl) の密度となるように アッセイバッファーに再懸濁してください 細胞を再懸濁するのに必要なアッセイバッファーの容量は ご使用になるウェル数に 50 µl または 12.5 µl を乗じて算出することができます Fluo-4 NW Calcium Assay Kit 2

例 : 96 ウェルの場合は 50(µL/ ウェル ) 100( ウェル )= 5 ml 384 ウェルの場合は 12.5(µL/ ウェル ) 400( ウェル )= 5 ml 2.5 再懸濁した細胞を 1 ウェルあたり 50 µl または 12.5 µl の割合で ピペットを用いてマイクロプレートに移します 必要に応じて 細胞不含コントロールとして 同容量のアッセイバッファーのみをピペットでコントロール用ウェルに移します 2.6 プレートを 5%CO 2 条件下 37 C で 60 分間インキュベートし 細胞を定着させてください B. 試薬の調製注意 :Component A を用いて調製した色素溶液は ( ステップ 2.8 参照 ) 調製した当日に使用してください 色素溶液の廃棄量を最少に抑えるため プレート全体を用いる実験 (starter pack をご使用の場合 ) または 10 の倍数のプレート数を用いる実験 (high-throughput kit をご使用の場合 ) を推奨いたします 2.7 プロベネシドの 250 mm ストック溶液は 1 ml のアッセイバッファーを 1 バイアルのプロベネシド (Component B) に添加し 溶解するまでボルテックスして調製してください このストック溶液は 調製当日に使用しない場合 - 20 C 以下で 6 ヵ月間まで保存可能です 2.8 ご使用になっているキットに応じて 2 倍濃度の色素ローディング溶液を下記に示す方法で調製してください : Starter pack:5 ml のアッセイバッファーと 100 µl のプロベネシドストック溶液を 1 ボトルの Component A に添加してください この 2 倍濃度の色素ローディング溶液は マイクロプレート 1 枚に使用するのに十分な量で プロベネシドの濃度は 5 mm です High-throughput kit:50 ml のアッセイバッファーと 1 ml のプロベネシドストック溶液を 1 ボトルの Component A に添加してください この 2 倍濃度の色素ローディング溶液は マイクロプレート 10 枚に使用するのに十分な量で プロベネシドの濃度は 5 mm です 2.12 蛍光光度計を 励起波長 494 nm 発光波長 516 nm に設定して 蛍光強度を測定してください アルゴンレーザーの 488 nm 線源が使用可能です 代表的な結果 fluo-4 NW アッセイ 洗浄ステップを伴う標準的 fluo-4 アッセイ および Calcium 3 アッセイ (Molecular Devices 社 ) の直接比較を行うため CHO M1 細胞を最高濃度 (200nM) のカルバコールで刺激しました fluo-4 NW アッセイは 他のアッセイと比較して 有意に大きな蛍光の増強を示しました ( 図 1) fluo-4 NW アッセイでは 反応の増強と共にベースラインの蛍光の増加も見られましたが (fluo-4 NW アッセイでは約 26,000 RFU 他の 2 つのアッセイでは約 13,000 RFU) これはおそらく fluo-4 NW アッセイにおいて 色素の細胞ローディングが増加したことに起因するものと考えられます ベースライン蛍光は デジタル処理により容易に差し引くことが可能です HEK293 細胞および Jurkat 細胞においては CHO 細胞ほどの劇的な改善は見られませんでしたが fluo-4 NW アッセイでは Calcium 3 アッセイと比較して わずかな蛍光の増強と変動性の低下 および Z 値の若干の改善が見られました CHO M1 細胞におけるカルバコールに対する用量反応に関しては 3 つのいずれのアッセイにおいても同様の EC 50 が得られたことから 薬理学的作用が一貫していることが示唆されました ( 図 2) 各データセットから 4 パラメーターフィットによって求めた EC 50 は fluo-4 NW アッセイでは 22.6 nm 標準的 fluo-4 アッセイでは 15.9 nm Calcium 3 アッセイでは 19.7 nm でした HEK293 細胞をカルバコールで刺激したときの EC 50 は fluo-4 NW アッセイでは 13.6 µm 標準的 fluo- 4 アッセイでは 14.1 µm Calcium 3 アッセイでは 19.0 µm でした Jurkat 細胞においてカルバコールをアゴニストとして用いた実験では fluo-4 NW アッセイを用いて測定した EC 50 は 13 nm Calcium 3 アッセイを用いて測定した EC 50 は 12 nm でした fluo-4 NW アッセイに含まれる水溶性のプロベネシドは 従来用いられてきた遊離酸型プロベネシドと比較してより簡便で安全であり また細胞からの色素の流出を効率的に阻害することが示されました ( 図 3) 注意 : 色素ローディング溶液は 1~2 分間激しく振とうまたはボルテックスし 必ず色素を完全に溶解してください 2.9 お客様が実験に用いられる受容体アゴニストの アッセイバッファー溶液 ( プロベネシド不含 ) を調製してください C. アッセイ 2.10 細胞の入ったマイクロプレートをインキュベーターから取り出し 50 µl の 2 倍濃度の色素ローディング溶液を 96 ウェルのプレートの各ウェルに または 12.5 µl の 2 倍濃度の色素ローディング溶液を 384 ウェルのプレートの各ウェルに添加してください 2.11 カルシウム反応を室温で測定する場合には ( ステップ 2.12) プレートを 37 C で 30 分間インキュベートし その後さらに 30 分間室温でインキュベートしてください 当社の実験では この温度と時間の組み合わせでインキュベーションして測定したところ 最良の結果が得られることが判明しています 反応を 37 C で測定する場合には プレートを 37 C で 30~45 分間インキュベートしてください ( 室温でさらにインキュベートする必要はありません ) これで プレートを実験に用いる準備が整いました 色素ローディング溶液をウェルから除去する必要はありません 図 1.fluo-4 NW アッセイ 標準的 fluo-4 アッセイ および Calcium 3 アッセイを用いた蛍光反応測定値の比較 M1 ムスカリン性受容体を安定的に発現している CHO 細胞を poly-d-lysine でコーティングした 96 ウェルのプレート上で培養しました fluo-4 NW アッセイおよび Calcium 3 アッセイは製造者の取扱説明書に記載された指示に従って使用し 標準的 fluo-4 アッセイは色素ローディング溶液を除去するための洗浄ステップを伴う方法を用いて 4 µm の濃度で使用しました いずれのアッセイにおいても 細胞は 37 C で 30 分間ローディングし その後さらに 30 分間室温でインキュベートしました 200 nm のカルバコールで細胞を刺激し FlexStation II 384 蛍光リーダー (Molecular Devices 社 ) を用いて反応を測定しました ベースラインを差し引いた 4 点の測定値の平均値をプロットしました Fluo-4 NW Calcium Assay Kit 3

図 2.CHO M1 細胞におけるカルバコールの用量反応曲線 図 3.2.5 mm のプロベネシドを用いた色素流出の阻害 CHO M1 細胞は 色素ローディング溶液中 37 C で 60 分間インキュベートし プロベネシドの作用を増強させました CHO M1 細胞のカルシウム放出は 20 nm のカルバコールにより誘発しました fluo-4 NW アッセイにおける 4 点の測定値 ( ベースラインを差し引かない値 ) の平均値をプロットしました 参考文献 1. Cell Calcium 27, 97 (2000); 2. Biotechniques 34, 164 (2003). 製品リスト現在の価格は 当社のウェブサイトまたはカスタマーサービス部から入手いただけます カタログ番号製品名サイズ Fluo-4 NW Calcium Assay Kit 4

Fluo-4 NW Calcium Assay Kit 5