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受講回数別にみた一次救命処置 Basic Life Support BLS 講習会の教育効果の検証 はじめに た 回答は過去の受講経験により 2004 年に自動体外式除細動器 Automated 1 2 回受講経験群 3 4 回受講経験群 5 External Defibrillator 以下 AED の一般市 回以上受講経験群の 4 群に群分けを行い 受講 民による使用が認められてから わが国では公 前後で比較した 各群は初回受講者 初回受講 共機関を中心に急速に AED の設置が進んだ 群 が 92 人 46.9 % 1 2 回 受 講 経 験 が あ 本学でも 2006 年以降 順次複数台の AED を全 る者 1 2 回受講経験群 が 70 人 35.7 % キャンパスに設置している AED の設置とと 3 4 回の受講経験がある者 3 4 回受講経 もに一次救命処置 Basic Life Support 以下 験群 が 19 人 9.7 % 5 回以上の受講経験者 BLS 講習を開始し 当初は消防署や日本赤十 5 回以上受講経験群 が 15 人 7.7 % であっ 字社が主催する 3 時間程度の講習を勧めてきた た 集計結果は χ 二乗検定を行い 残差分析 が 受講者の利便性を考慮し 現在は AED の で p<0.05 を有意差ありとした 統計解析には 使用方法を含む一次救命措置 BLS 講習を保健 SPSS 22.0 IBM Inc.USA を使用した 管理センター看護職が中心となり行っている 今回 講習による学習効果に関して 講習受講 結果 者に質問紙による調査を行い 講習の理解度と 講習受講経験と講習前の理解度の比較 手技に対する自信について検討した 1 講習前の理解度 AED の設置場所を知っ ているか 表 1 ① 対象と方法 AED の設置場所 は初回受講者群では ほ 2014 年度に当大学内で当保健管理センター とんど が 28 人 30.4 % 知らな が主催もしくは協力して実施した BLS 講習に い が 8 人 8.7 % と他群に対し有意に多かっ 参加した 237 名の内 調査の協力が得られた大 た p<0.05 5 回以上受講経験群では ほ 学生 135 名 教職員 61 名の計 名を対象とし とんど は 0 人であっ て 質問紙調査を行った 質問内容は 講習前 た は 9 人 60.0 % で他群 の BLS に対する理解度の調査として AED の に比べ有意に多かった p<0.05 2 設置場所をか 倒れている人の反 講習前の理解度 倒れている人の反応の確 認方法をか 表 1 ② 応の確認方法をか 呼吸の確認 方法をか 救急車の依頼方法を 倒れている人の反応の確認方法 は 知っ か 胸骨圧迫の方法を知ってい ている と回答した者は受講経験が多い群 るか AED の使用方法をか の ほど多い割合を示しており 3 4 回受講経 6 項目を設け 一部知ってい 験群では 16 人 84.2 % 5 回以上受講経験 る の 4 者 群 で は 15 人 100 % で あ っ た p<0.05 択一で回答を得た 講習後の理解度と手技への ではと回答した者が 自信に関する調査として 倒れている人の反応 36 人 39.1 % で 他群に比べ少なかった の確認ができるか 倒れている人の呼吸の確 p<0.05 認ができるか 救急車の依頼方法を知ってい 3 講習前の理解度 呼吸の確認方法を知って いるか 表 1 ③ るか 最寄の AED を取りにいくことができ るか 胸骨圧迫ができるか AED を使用 倒れている人の呼吸の確認方法 は初回 できるか の 6 項目を設け 自信がある 多 受講群では がでは 分できる 自信がないが行う 多分できな 他群に比べて少なく い できない の 5 者択一で回答してもらっ が 16 人 17.4 % で他群に比べて多かった 116

慶應保健研究 第 33 巻第 1 号 2015 表1 講習前の理解度 ① AED の設置場所をか 一部 39 42.4% 28 30.4% 度数 群内割合 17 18.5% - 1.3 3.6 10 14.3% 2.2 14 73.7% 1 5.3% 1.9-1.7 6 40.4% - 1.0-2.0-0.9 103 39 10 一部 42 45.7% 13 14.1% 1 1.1% 92 100% 3.0 2.3 23 32.9% 5 7.1% - 0.4-0.7 3 15.8% 0 0-1.8-1.5-0.5-1.3-0.6-0.2 5 回以上受講経験群 度数 群内割合 9 60.0% 8 8.7% 92 100% - 2.7 3 4 回受講経験群 度数 群内割合 4 21.1% 44 62.9% 1 2 回受講経験群 度数 群内割合 14 20.0% 3.6 44 χ p< 0.05 対 他群 test p< 0.05 5 回以上受講経験群 対 他群 χtest 2.2 2 2.9% 70 100% 19 100% 15 100% ②倒れている人の反応の確認方法をか 度数 群内割合 36 39.1% - 4.2 1 2 回受講経験群 度数 群内割合 41 58.6% 0.7 3 4 回受講経験群 度数 群内割合 16 84.2% 2.7 5 回以上受講経験群 度数 群内割合 15 100% 3.6-2.9 108 68 一部 38 41.3% 16 17.4% 1.7 2.8 27 38.6% 5 7.1% 18 p< 0.05 3 4 回受講経験群 対 1 2 回受講経験群 χtest p< 0.05 5 回以上受講経験群 対 1 2 回受講経験群 χtest p< 0.05 対 他群 χtest 0.1 1 1.4% 70 100% 0.4 19 100% 15 100% - 0.4 2 ③呼吸の確認方法をか 度数 群内割合 35 38.0% - 3.7 1 2 回受講経験群 度数 群内割合 37 52.9% 0.2 3 4 回受講経験群 度数 群内割合 15 78.9% 5 回以上受講経験群 度数 群内割合 15 100% - 1.2-1.4 2.5 1.1 1 1.4% 70 100% - 0.5 19 100% - 0.7 3.9-3.0-1.4-0.6 102 69 21 4 0.7 4 21.1% 3 3.3% 92 100% p< 0.05 対 他群 χtest p< 0.05 3 4 回受講経験群 対 1 2 回受講経験群 χtest p< 0.05 5 回以上受講経験 対 他群 χtest 117 15 100%

受講回数別にみた一次救命処置 Basic Life Support BLS 講習会の教育効果の検証 ④救急車の依頼方法をか 度数 群内割合 1 2 回受講経験群 度数 群内割合 一部 57 62.0% 29 31.5% 6 6.5% 92 100% - 3.8 3.2 1.6 56 80.0% 12 17.1% 2 2.9% 1.3-0.6 1 5.3% - 1.8-0.9 2.4-2.1-0.8 146 41 3 4 回受講経験群 度数 群内割合 18 94.7% 2.1 5 回以上受講経験群 度数 群内割合 15 100% 70 100% 19 100% 15 100% 8 p< 0.05 3 4 回受講経験群 対 1 2 回受講経験群 χ test p< 0.05 5 回以上受講経験 対 他群 χtest ⑤胸骨圧迫の方法をか 一部 31 33.7% 19 20.7% 1.5 4.2 23 32.9% 2 2.9% 度数 群内割合 38 41.3% - 4.4 1 2 回受講経験群 度数 群内割合 43 61.4% 5 回以上受講経験群 度数 群内割合 14 93.3% 4 4.3% 92 100% 1.0 2 2.9% 70 100% 1.0-2.7 1 5.3% 19 100% - 2.4 1 6.7% - 2.0-1.4 3.4 丰 0.8 3 4 回受講経験群 度数 群内割合 18 94.7% 2.9 113 56 21 χ p< 0.05 対 他群 test p< 0.05 1 2 回受講経験群 対 χtest p< 0.05 3 4 回受講経験群 対 1 2 回受講経験群 χtest 丰 p< 0.05 5 回以上受講経験群 対 他群 χtest - 0.1-0.8 15 100% - 0.7 6 ⑥ AED の使用方法をか 一部 32 34.8% 21 22.8% 8 8.7% 92 100% - 2.5 4.5 17 24.3% 2 2.9% - 0.5-2.9 3 15.8% 度数 群内割合 31 33.7% - 6.2 1 2 回受講経験群 度数 群内割合 50 71.4% 3.0 3 4 回受講経験群 度数 群内割合 16 84.2% 2.5 19 100% - 1.7 3.5-2.4-1.5-0.9 112 52 23 9 p< 0.05 対 他群 χ test p< 0.05 1 2 回受講経験群 対 χtest p< 0.05 3 4 回受講経験群 対 1 2 回受講経験群 χtest 丰 p< 0.05 5 回以上受講経験群 対 他群 χtest 1 1.4% 70 100% 5 回以上受講経験群 度数 群内割合 15 100% 丰 2.6 118-1.0 15 100%

慶應保健研究 第 33 巻第 1 号 2015 p<0.05 は 3 4 回受講経 験群では 16 人 84.2 % 5 回以上受講経験 験群で 15 人 78.9 % 5 回以上受講群では 群では 15 人 100 % と経験を重ねた群では 15 人 100 % で 他群に比べ有意に多かっ 有意に多かった p<0.05 た p<0.05 4 受講経験と講習後の理解度の比較 講習前の理解度 救急車の依頼方法を知っ ているか 表 1 ④ 1 救急車の依頼方法 は各群ともに 知ら 5 講習後の理解度 倒れている人の反応の確 認ができるか 図 1 ない は 0 であった 3 4 回受講経験群 倒れている人の反応の確認 は初回受講 5 回以上受講経験群では他群に比べ 知って 群では 多分できない が 4 人 4.3 % と いる が有意に多かった p<0.05 他群に対し多かった 自信がある は 5 回 講習前の理解度 胸骨圧迫の方法を知って 以上受講経験群で他群より有意に多く 9 人 いるか 表 1 ⑤ 60.0 % だった p<0.05 胸骨圧迫の方法 はでは ほ 2 とんど が 19 人 20.7 % で他群に 講習後の理解度 倒れている人の呼吸の確 認ができるか 図 2 比べて多かったが 1 2 回受講経験群では 倒れている人の呼吸の確認 は初回受講 は 2 人 2.9 % と他群 群では 自信がある が 13 人 14.1 % で他 に比べて少なかった p<0.05 群より有意に少ないのに対し p<0.05 5 は受講経験を重ねた群ほど多い割合を示し 回以上受講経験群では 9 人 60.0 % で他群 3 4 回受講経験群では 18 人 94.7 % 5 回 より多かった p<0.05 以上受講経験群では 14 人 93.3 % でそれぞ 3 れ他群に比べて有意に多かった p<0.05 6 講習後の理解度 胸骨圧迫ができるか 統計的有意差は認めなかったが 胸骨圧 講習前の理解度 AED の使用方法を知っ 迫 は初回受講者を含む複数回受講群でも 5 ているか 表 1 ⑥ 10 が 多分できない と回答していた AED の使用方法は が初回 4 講習後の理解度 その他 受講群では 31 人 33.7 % で他群に比べ有意 AED が使用できるか 救急車の依頼方 に少ない p<0.05 のに対し 1 2 回受講 法 最寄りの AED を取りに行く は各群 経 験 群 で は 50 人 71.4 % 3 4 回 受 講 経 間で統計的有意差を認めなかった 5 回以上受講経験群 60.0% 40.0% 31.6% 3 4 回受講経験群 20.0% 1 2 回受講経験群 15.8% 52.6% 21.4% 58.6% 4.3% 17.4% 0 20 自信がある 28.3% 50.0% 40 多分できる 60 自信がないが行う 80 多分できない p<0.05 対 他群 χtest p<0.05 5 回以上受講経験群 対 他群 χtest 図1 講習後の理解度 倒れている人の意識の確認ができるか 119 100(%) できない

受講回数別にみた一次救命処置 Basic Life Support BLS 講習会の教育効果の検証 5 回以上受講経験群 60.0% 3 4 回受講経験群 40.0% 15.8% 63.2% 21.1% 1.4% 1 2 回受講経験群 21.4% 44.3% 32.9% 5.4% 14.1% 0 20 自信がある 48.9% 31.5% 40 多分できる 60 自信がないが行う 80 多分できない 100(%) できない p<0.05 対 他群 χtest p<0.05 5 回以上受講経験群 対 他群 χtest 図2 講習後の理解度 倒れている人の呼吸の確認ができるか 考察 用方法に関しては公共機関で目にすることも多 当センターでは AED をキャンパスに導入し く 存在や使用目的は知っていても 実際に触 て以降 AED の使用方法を含めた BLS 講習を れた体験がないとその使用方法はイメージがつ 定期的に行い その効果について検討してき きにくいことが考えられ 講習前の た 当初は消防署や日本赤十字による講習だっ では が他の項目よりも少なかっ たが 受講者の利便性などにも配慮し 当セン た ター看護職による 30 45 分程度の実技を含め 講習後 に AED の使用方法を問 た講習とし受講者は 2011 年までにのべ 800 人以 うと半数以上が 自信がある 多分できる 上となった と回答していた 短時間の講習ではあるが 特に学内の AED の設置場所 1 2 を印象付けるために講習時に AED 設置場所の AED の使用方法の習得に重点を置き 全ての 写真を用いるなど講習内容も適宜見直してき 参加者がデモ機を実際に触る実習形式の講習に た したことで も AED の使用を習得 受講前の理解度の比較では 受講経験が多い したという意識を持ったことが考えられる こ ほど事前の知識は と回答した者 のため 繰り返し受講することで手技が定着 が多い傾向を認めた しかし し 自信へつながることが推測された 初回受 と回答した内容項目には差があり 救急車の 講者に対する変化同様 実習を伴う講習は受講 依頼方法 ではでも は 者の知識や手技の上達を図るだけでなく 実際 なく 一部 とし どの受講群も に BLS や AED の使用が必要になった時に行動 90 % 以上が または 一部知っ に移せるような内容の講習を提供することが重 ている であった しかし AED の使用方法 要と考えられた では群ごとにばらつきを認め では 呼吸の確認方法は 自信がある と回答した は他群に比べ少なかったが 1 者が 1 2 回受講経験群 3 4 回受講経験群 2 回受講経験群 3 4 回受講経験群 5 回 でも他の手技に比べ少なかった の 以上受講経験群では が多かった 5 人 5.4 % は 多分できない と回答していた 救急車を呼ぶ方法は BLS 講習に限らず一般に このため 受講者が手技の習得が難しいと感じ 広く普及した知識であり 講習前に十分習得で ている項目と考えられた 統計的有意差は認め きていたものと考えられる 一方 AED の使 なかったが 胸骨圧迫に関しては初回受講者を 120

慶應保健研究 第 33 巻第 1 号 2015 結語 含む複数回受講群でも 5-10 が 多分できな い と回答しており 呼吸の確認方法と同様に BLS 講習の事前理解度は受講経験により差が 受講者にとって難しいと感じる手技といえる あり 経験が多い群ほど理解度が高かった これらの手技の習得が困難だと受講者が感じて 呼吸の確認方法 は受講経験が多い群でも いる手技に関して 講習に重点を置く必要があ 自信がある がと回答した者が少なく 講習 る 廣瀬らは 胸骨圧迫と AED 使用に重点を 内容に重点をおく必要がある BLS 講習は複数 置いた非医療従事者向けの 45 分程度の講習の 回を継続的に受講することで理解が深まり自信 効果と繰り返し受講することの必要性を述べて が付くと推測され 継続的に受講できるような いる 当センターの講習も AED 使用に重点を 環境整備が必要である 3 置き 45 分程度としていることから同様の効果 が見込まれる また 繰り返し受講による知識 の定着が不可欠である 講習前の知識も AED 文献 の設置場所を除く全ての設問に対し 3 4 回 1 小坂桃子 藤井香 久根木康子 他 キャンパス 内における Basic Life Support BLS 講習の効 受講経験群と 5 回以上受講経験群では 70 % 以 果 第 2 報 慶 應 保 健 研 究 上が と回答していた このこと 2011 29 1 53-56 から 3 回以上の受講により知識と手技が定着 2 清奈帆美 藤井香 高橋綾 他 大学生に求めら すると考えられた AED の設置場所について れる BLS-Basic Life Support 講習についての検討 各国での BLS 教育事情を踏まえて 慶應保健研究 の設問は講習会ではキャンパス内での設置場所 2012 30 1 95-99 が多いことから キャンパス内 1 ヶ所でいいの 3 廣瀬智也 石見拓 呉聖人 他 大学病院に勤 で必ず AED を取りにいけるように AED の設 務する非医療従事者を対象とした 簡易型心肺蘇生 講習会の有効性の検討 第 2 報 受講前後におけ 置場所を覚えてほしいと指導している この る胸骨圧迫手技の変化 日本臨床救急医学会雑 ため が 5 回以上受講経験群で 誌 60.0 % 3 4 回受講経験群 21.1 % であったが 4 丸 川 征 四 郎 AED 普 及 の 現 状 と 課 題 特 集 一部 が 5 回受講群で 40.0 3 救急医療を救う 公衆衛生 74 12 1014-1017 2010 4 回受講経験群で 73.7 % であり 90 以上が 5 丸川征四郎 長谷敦子 横田裕行 他 平成23 AED の設置箇所を一箇所以上知っており 講 年度厚生労働科学研究費補助金 習の目標を達成していた 循環器疾患 糖 尿病等生活習慣疾病総合研究事業 現在 わが国では 44 万 7 千台以上の AED が 平成23年度総 括研究報告書循環器疾患等の救命率向上に資す る効果的な救急蘇生法の普及啓発に関する研究 設置されている AED は心停止から 3 分以内 http://aed-hyogo.sakura.ne.jp/wpm/archivepdf/ に使用することで 40 % 近い社会復帰率が得ら 23/1.pdf cited2014-01-26 れるが 使用が 1 分遅れるごとに 9 % 減少する とされている 4 5 このため心停止時には 5 分 以内に使用できることが望ましい しかし ほ とんどの人は BLS や AED を実際に使用したこ とはない そこで いざ使用の必要が生じたと きには 知識や講習の経験がある者が積極的に リーダーシップをとり 救命率を上げる必要が ある そのために講習を繰り返し継続的に受講 してもらうとともに 繰り返し受講しやすいよ うな環境を今後も整えていく必要がある 2014 17 1 18-24 121