荷主及び運送業の元請の事業者の皆さまへ 過労運転 過重労働の防止及び安全運行の確保等のために 宮城では 約 1,300 の貨物自動車運送事業場において 約 32,000 人の労働者 ( 出所 : 平成 18 年事業所 企業統計調査 ( 総務省 )) が働いており 貨物自動車運送事業者 ( 以下 運送

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(2) 事業者は 安全衛生方針に基づき 交通労働災害防止に関する事項を含む安全衛生目標を設定し 当該目標において一定期間に達成すべき到達点を明らかにするとともに 労働者に周知すること (3) 事業者は 安全衛生目標を達成するため 一定の期間を限り 次に掲げる交通労働災害防止に関する事項を含む安全衛生

資料 6 平成 29 年度 荷主実態調査 報告書 ( 速報版 ) 平成 30 年 2 月 国土交通省東北運輸局

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5) 輸送の安全に関する教育及び研修に関する具体的な計画を策定し これを適確に実施する こと ( 輸送の安全に関する目標 ) 第 5 条前条に掲げる方針に基づき 目標を策定する ( 輸送の安全に関する計画 ) 第 6 条前条に掲げる目標を達成し 輸送の安全に関する重点施策に応じて 輸送の安全を確 保

乗務記録(運転日報)

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乗務員に対する指導監督 1. 国土交通大臣が告示で定めるとことにより ( 貨物自動車運送事業者が事 業用自動車の運転者に対して行う指導及び監督の方針 ( 平成 付け 国土交通省告示第 1366 号 ) 運転者に対し事業用自動車の運行の安全を確 保するために必要な運転の技術及び法令に基

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貨物自動車運送事業のモデル三六協定およびその届 様式第 9 号 ( 第 17 条関係 ) 時間外労働休日労働に関する協定届 事業の種類 事業の名称 事業の所在地 ( 電話番号 ) 貨物自動車運送事業 新宿運輸株式会社 新宿区西新宿 ( ) 延長することができる時間

安全管理規程

イドライン が策定されたところです こうした中 平成 30 年 6 月 29 日に第 196 回通常国会で成立した 働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律 ( 以下 働き方改革関連法 という ) に基づく改正後の労働基準法において 建設業については 平成 31 年 4 月の法施行から5

労働時間の適正な把握のために.indd

作業時間の短縮等による拘束時間の削減 鳥取県 1. 実施者の概要 発着荷主企業 : 荷主組合 A 社酪農家で組織した専門農協 乳製品の製造販売等を実施 実運送事業者 A 社 B 社 C 社 D 社実運送事業者 A 社 : 鳥取県が本社 荷主組合 A の製品輸送を担当実運送事業者 B 社 : 鳥取県が


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025 of 訪問介護員のための魅力ある就労環境づくり

自動車のエネルギー消費効率の算定等に関する省令に規定する国土交通大臣が告示で定める方法 ( 平成十八年三月十七日国土交通省告示第三百五十号 ) (10 15モード燃費値及びJC08モード燃費値の算定方法) 第一条自動車のエネルギー消費効率の算定等に関する省令 ( 昭和 54 年通商産業省 運輸省令第

一部改正一部改正一部改正一部改正一部改正 国自総第 122 号国自貨第 31 号国自整第 39 号平成 16 年 6 月 30 日平成 17 年 12 月 8 日平成 18 年 5 月 26 日平成 18 年 9 月 15 日平成 19 年 5 月 1 日平成 20 年 3 月 31 日 各地方運輸

過去 10 年間の業種別労働災害発生状況 ( 大垣労働基準監督署管内 ) 令和元年 4 月末現在年別 H22 H23 H24 H25 H26 H27 H28 H29 H30 H31 対前年比全産業 % (6

乗務途中点呼 ( 中間点呼 ) 管理者は 乗務前及び乗務後に点呼のいずれも対面で行うことができない乗務を行う者に対し 当該点呼のほかに 当該乗務の途中において少なくとも 1 回電話その他の方法により点呼を行い 次の事項について報告を求め 車両の安全を確保するために必要な指示をしなければならないものと

一般社団法人送電線建設技術研究会関西支部社会保険等の加入促進計画 1. はじめに 平成 27 年 4 月 24 日制定 建設産業においては 健康保険 厚生年金保険及び雇用保険 ( 以下 社会保険等 という ) の 1 法定福利費を適正に負担しない企業が存在し 技能労働者の医療 年金など いざというと

れている者 個人事業所で5 人以上の作業員が記載された作業員名簿において 健康保険欄に 国民健康保険 と記載され 又は ( 及び ) 年金保険欄に 国民年金 と記載されている作業員がある場合には 作業員名簿を作成した下請企業に対し 作業員を適切な保険に加入させるよう指導すること なお 法人や 5 人

事業計画の新旧記載事項及び添付書類 事業計画新旧対照表記載事項 1. 営業所の名称及び位置 2. 営業所に配置する事業用自動車の種別及び事業用自動車の種別毎の数 3. 休憩 睡眠施設の位置及び収容能力 4. 車庫の位置及び収容能力 添付書類 1. 新設する営業所の事業用自動車の運行管理の体制を記載し

目的このガイドライン 実施事項の一覧は平成 24 年に国土交通省が策定した 輸送の安全を確保するための貸切バス選定 利用ガイドライン に準拠した内容となります 関係者 利用者と貸切バス事業者が お互いの事業活動をする上で欠かすことのできないパートナーであることを理解し その協力体制の確立により法令等

Microsoft Word - QA.doc

目 次 Ⅰ. 調査概要 2 Ⅱ. 回答事業者の概要 3 Ⅲ. 取引状況 ( 実運送の売上高が一番高い輸送品目 ) 8 Ⅳ. 料金 運賃収受 全般 24 Ⅴ. 適正取引推進に係る 各ガイドライン 31 1

(積極性書式-1)事故防止マニュアル等を活用している

一般乗合旅客自動車運送事業者 ( 以下 乗合事業者 という ) が一般乗合旅客自動車運送事業 ( 以下 乗合事業 という ) の用に供する事業用自動車 ( 以下 乗合車両 という ) を用いて一般貨物自動車運送事業を行う場合において 350 キログラム以上の貨物を運送する場合における一般貨物自動車運

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Taro 地震通達.jtd

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について 良好であれば積込みの都度 ( もしくは良等 ) を必ず記載しなければなりません 2 休憩 仮眠をした場合にあっては その地点及び日時 は タコグラフを使用している両の場合は チャート紙上の休憩 仮眠した該当箇所に 休憩 ( もしくは仮眠 ) との表示と 場所 を記入することで運転日報への記

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1 趣旨このガイドラインは 日本国内の公道 ( 道路交通法 ( 昭和 35 年法律第 105 号 ) 第 2 条第 1 項第 1 号に規定する 道路 をいう 以下同じ ) において 自動走行システム ( 加速 操舵 制動のうち複数の操作を一度に行い 又はその全てを行うシステムをいう 以下同じ ) を

スライド 1

事務連絡 平成 29 年 10 月 25 日 建設業団体の長殿 国土交通省土地 建設産業局建設業課長 平成 28 年熊本地震の被災地域での建設工事等における 予定価格の適切な設定等について 公共工事の予定価格の設定については 市場における労務及び資材等の最新の実勢価格を適切に反映させつつ 実際の施工

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発地着地はい作出庫仕分け入庫仕分けラベル貼り等附帯業務料 検収 検品検収 検品はい作業荷待ち棚入れ造り正附帯業務の内容 ( 種類 ) を明確化改待機時間間料トラック運送の運賃 料金の新しいルールについて ( 平成 29 年 11 月 4 日から実施 ) 〇 運賃 と 料金 の区別を明確化 運送の対価

2. 使用者は 労働者を解雇しようとする場合においては 少なくとも30 日前にその予告をしなければならない 30 日前に予告をしない使用者は 30 日分以上の平均賃金を支払わなければならない 但し 天災事変その他やむを得ない事由のために事業の継続が不可能となった場合又は労働者の責に帰すべき事由に基づ

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有限会社汐見運輸 ( 法人番号 ) 代表者真坂典雄 北海道勇払郡むかわ町汐見 438 本社営業所 北海道勇払郡むかわ町汐見 438 平成 29 年 6 月 27 日及び平成 29 年 7 月 4 日 運行管理者特別講習未受講を端緒として監査を実施 18 の違反が認めら

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Microsoft Word 年度評価シート.docx

平成27年度事業計画書


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第 1 回自動車運送事業のホワイト経営の 見える化 検討会 検討の目的 日時 : 平成 30 年 6 月 11 日 ( 月 ) 10:00~12:00 場所 : 合同庁舎 3 号館 8 階自動車局第一 第二会議室 運転者としての就職を希望する求職者が就職先を選ぶ際や 荷主 旅行業者等が取引先を選ぶ際

資料 7-1 特殊車両の通行に関する指導取締要領の一部改正について 国土交通省関東地方整備局道路部交通対策課 1 (1) 特殊車両通行許可制度 2

企業 メリット : 1 労働者が社内では得られない知識 スキルを獲得することができる 2 優秀な人材の獲得 流出の防止ができ 競争力が向上する 3 労働者が社外から新たな知識 情報や人脈を入れることで 事業機会の拡大につながる 留意点 : 1 必要な就業時間の把握 管理や健康管理への対応 労働者の職

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事務連絡平成 30 年 10 月 26 日 各都道府県消防防災主管課東京消防庁 各指定都市消防本部 } 殿 消防庁予防課 外国人来訪者や障害者等が利用する施設における災害情報の伝達及び避難誘導に関するガイドライン のリーフレットの配布について 2020 年東京オリンピック パラリンピック競技大会が開

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軽井沢スキーバス事故対策検討委員会について

パイロット事業の取組課題と取組内容 (1) 取組課題 1 集荷 配送の経路等の見直しによる全体の拘束時間の削減 取組内容 ストックポイントの設定 倉庫の集約 集荷 配送外部委託の活用など 発荷主側又は着荷主側での集荷 荷卸しの箇所数の削減 ( 山形 静岡 奈良 愛媛 福岡 熊本 ) 集荷と長距離輸送

て 労働者派遣契約書に休業手当等の支払いに要する費用を確保するための費用負担等に関する事項を記載していないもの (1 派遣元事業所 ) ウ派遣料金額の明示派遣労働者に対して 書面の交付 ファクシミリを利用してする送信又は電子メールの送信の方法により労働者派遣に関する料金の額を明示していないもの (5

Taro-許可処理方針(公示H27.3)

4 研修について考慮する事項 1. 研修の対象者 a. 職種横断的な研修か 限定した職種への研修か b. 部署 部門を横断する研修か 部署及び部門別か c. 職種別の研修か 2. 研修内容とプログラム a. 研修の企画においては 対象者や研修内容に応じて開催時刻を考慮する b. 全員への周知が必要な

建設工事従事者の安全及び健康の確保に 関する三重県計画 平成 31 年 4 月 三重県

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別紙 1. 各営業所に配置する事業用自動車の種別ごとの数 (1) 普通自動車 所属営業所 ( 新 ) ( 旧 ) 普通 小型 けん引被けん引 計 普通 小型 けん引被けん引 計 品川営業所 5 5 千代田営業所 5 5 営業所営業所 合 計 (2) 霊柩自動車所属営業所 ( 新 )

1 適用範囲 対象事業場 対象となる事業場は 労働基準法のうち労働時間に係る規定 ( 労働基準法第 4 章 ) が適用される 全ての事業場です 対象労働者 対象となる労働者は 労働基準法第 41 条に定める者及びみなし労働時間制が適用される労働者 ( 事業場外労働を行う者にあっては みなし労働時間制

第 1 章総則 ( 目的 ) 第 1 条この規程は 運行管理者 ( 以下 管理者 という ) が事業用自動車 ( 以下 車両 という ) の運行の安全管理及び事業遂行に必要な運転者及び運転の補助に従事する従業員 ( 以下 乗務員 という ) の指導監督についての職務並びに必要な権限について定め もっ

- 2 - 改正後改正前別表第3(事業用自動車等の定期点検基準)(第二条第五条関係)別表第3(事業用自動車等の定期点検基準)(第二条関係) 点検時期12 月ごと点検時期12 月ごと3月ごと3月ごとの点検に次3月ごと3月ごとの点検に次点検箇所の点検を加えたもの点検箇所の点検を加えたもの(略)(略)(略

1 運送保険とは 運送保険とは 日本国内を陸上輸送 航空輸送 フェリー輸送および河川 湖沼輸送を含みます される貨物が 輸送途中で遭遇する偶然の事故に よって生じた損害をお支払いする保険です このような偶然な事故に備えて貴社におかれましても 当社の運送保険 をご検討いただきたく ご案内申し上げます

輸送安全方針 当社では 輸送の安全を確保する為に 以下の通り基本方針を定める 1 安全最優先 2 法令 社内規定 業務ルールの遵守 3 事故原因の徹底究明による再発事故防止活動 4 運輸安全マネジメント体制の継続的改善 PDCA の確実な実施 5 協力会社への有効性ある教育指導 本方針は 社内外に開

業務災害補償2019.indd

ドライブレコーダーにより記録すべき情報及びドライブレコーダーの性能要件を定める告示 ( 平成 28 年 11 月 17 日国土交通省告示 1346 号 ) ( 総則 ) 第一条一般貸切旅客自動車運送事業者が 旅客自動車運送事業運輸規則 ( 昭和 31 年運輸省令第 44 号 ) 第 38 条第 1

目次 問 1 労使合意による適用拡大とはどのようなものか 問 2 労使合意に必要となる働いている方々の 2 分の 1 以上の同意とは具体的にどのようなものか 問 3 事業主の合意は必要か 問 4 短時間労働者が 1 名でも社会保険の加入を希望した場合 合意に向けての労使の協議は必ず行う必要があるのか

2. 様式の改正については平成 25 年 4 月 1 日付けで行う予定としているが 4 月以降も当面の間は改正前の様式を引き続きご利用できること 3. 改正後の新様式で届出を行う場合の記載方法等については別添 1 改正前の様式で届出を行う場合の記載方法については別添 2のとおりリーフレットを作成した

国土入企第 5 4 号 平成 31 年 2 月 22 日 建設業団体の長殿 国土交通省土地 建設産業局長 技能労働者への適切な賃金水準の確保について 技能労働者の確保 育成のためには 適切な賃金水準の確保等による処遇改善が極めて重要です 国土交通省においては これまでの 6 度にわたる公共工事設計労

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社会保険未加入企業の減点措置の厳格化に係る運用 新基準による受付時期及び再審査に係る運用 ( 参考 ) 関係通達 事務連絡 版 重要 経営事項審査の審査基準の改正について平成 24 年 5 月 1 日改正 ( 同年 7 月 1 日施行 ) に係る関東地方整備局の運用等 1 国土交通省関

ください 5 画像の保存 取扱い防犯カメラの画像が外部に漏れることのないよう 一定のルールに基づき慎重な管理を行ってください (1) 取扱担当者の指定防犯カメラの設置者は 必要と認める場合は 防犯カメラ モニター 録画装置等の操作を行う取扱担当者を指定してください この場合 管理責任者及び取扱担当者

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(2) 総合的な窓口の設置 1 各行政機関は 当該行政機関における職員等からの通報を受け付ける窓口 ( 以下 通報窓口 という ) を 全部局の総合調整を行う部局又はコンプライアンスを所掌する部局等に設置する この場合 各行政機関は 当該行政機関内部の通報窓口に加えて 外部に弁護士等を配置した窓口を

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貨物自動車運送事業法の改正 ( 概要 ) 改正の目的 経済活動 国民生活を支えるトラック運送業の健全な発達を図るため規制の適正化を図るほか その業務について 平成 36 年度から時間外労働の限度時間が設定される (= 働き方改革法施行 ) こと等を踏まえ その担い手である運転者の不足により重要な社会

事業者が行うべき措置については 匿名加工情報の作成に携わる者 ( 以下 作成従事者 という ) を限定するなどの社内規定の策定 作成従事者等の監督体制の整備 個人情報から削除した事項及び加工方法に関する情報へのアクセス制御 不正アクセス対策等を行うことが考えられるが 規定ぶりについて今後具体的に検討

労働災害は、様々な事業や業種で行われる作業に伴って発生しているが、その一つに荷役作業に伴う労働災害がある

データ連携配車システム

別紙(例 様式3)案

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資料 2 ホワイト物流 推進会議 構成員名簿 ( 有識者 ) 野尻 俊明 流通経済大学学長 ( 座長 ) 齊藤 実 神奈川大学教授 高岡 美佳 立教大学教授 ( 荷主 物流業界関係者 ) 井阪 隆一 ( 一社 ) 日本経済団体連合会審議員会副議長 運輸委員長 (( 株 ) セブン & アイ ホールデ

メールマガジン 事業用自動車安全通信 第 477 号 (H ) =はじめに= このメールマガジンは 国土交通省において収集した事業用自動車に関する事故情報等のうち重大なものについて 皆様に情報提供することにより その内容を他山の石として各運送事業者における事故防止の取り組みに活用していた

初任運転者に対する指導内容 ( 座学 ) 菰野東部交通株式会社 指導教育の内容 事業用自動車の安全な運転に関する基本的事項 道路運送法その他の法令に基づき運転者が遵守すべき事項及び交通ルール等を理解させるとともに 事業用自動車を安全に運転するための基本的な心構えをしゅうとくさせる ( 事業用自動車に

者が負う民事上の安全配慮義務の履行であり そのために必要な心身の状態の情報を適正に収集し 活用する必要がある 一方 労働者の個人情報を保護する観点から 現行制度においては 事業者が心身の状態の情報を取り扱えるのは 労働安全衛生法令及びその他の法令に基づく場合や本人が同意している場合のほか 労働者の生

23 歳までの育児のための短時間勤務制度の制度普及率について 2012 年度実績の 58.4% に対し 2013 年度は 57.7% と普及率は 0.7 ポイント低下し 目標の 65% を達成することができなかった 事業所規模別では 30 人以上規模では8 割を超える措置率となっているものの 5~2

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別紙 1. 各営業所に配置する事業用自動車の種別ごとの数 (1) 普通自動車 所属営業所 ( 新 ) ( 旧 ) 普通小型けん引被けん引 計 普通小型けん引被けん引 計 営業所営業所営業所営業所合計 (2) 霊柩自動車所属営業所 ( 新 ) ( 旧 ) 宮型洋型バン型バス型計宮型洋型バン型バス型計営

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Q&A 集 Q1 社会保険等とは何か A1 社会保険等とは 健康保険 ( 協会けんぽ 健康保険組合等 ) 厚生年金保険 及び雇用保険をいいます Q2 国民健康保険組合に加入しているが 社会保険等未加入建設業者となるのか A2 法人や常時 5 人以上の従業員を使用する国民健康保険組合に加入している建設

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Transcription:

荷主及び運送業の元請の事業者の皆さまへ 過労運転 過重労働の防止及び安全運行の確保等のために 宮城では 約 1,300 の貨物自動車運送事業場において 約 32,000 人の労働者 ( 出所 : 平成 18 年事業所 企業統計調査 ( 総務省 )) が働いており 貨物自動車運送事業者 ( 以下 運送事業者 といいます ) 等による労働基準関係法令 自動車運転者の労働時間等の改善のための基準 ( 平成元年労働省告示第 7 号 以下 改善基準告示 といいます ) 及び 貨物自動車運送事業の事業用自動車の運転者の勤務時間及び乗務時間に係る基準 ( 平成 13 年国土交通省告示第 136 5 号 ) 等を遵守する必要があります しかしながら 貨物自動車運送事業においては 依然として労働基準関係法令及び改善基準告示等の違反が高い割合で生じており トラック運転者の長時間労働の実態が認められることから 運送事業者等において 関係法令や改善基準告示等に則した運行をするための取組がなされております このリーフレットは 荷主及び運送業の元請の事業者 ( 以下 荷主 元請事業者 といいます ) の皆さまに 運送の発注等取引上の都合により労働基準関係法令及び改善基準告示等を遵守した運行に支障が生じないようにご配慮 をお願いすることを目的に作成したものです ( 配慮していただく事項は 2 ページ参照 ) トラック運転者の過重労働や過労運転を防止し 安全な運行及び円滑な物流を確保するため 荷主 元請事業者の皆さまのご理解とご協力をお願いします ( 違反率 件数 ) 100 90 宮城における違反率及び交通労働災害件数等の推移 ( 平成 17 年 ~ 平成 21 年 ) 87.3 86.7 85.2 91.8 80 70 60 50 40 30 20 10 69.3 60.0 39 10 29 72.7 44 1 43 62.2 36 6 30 77.8 79.6 交通労働災害による死亡件数 ( 内数 )( 件 ) 交通労働災害による休業 (4 日以上 ) 件数 ( 件 ) 労働基準関係法令の違反率 (%) 改善基準告示の違反率 (%) 26 2 23 2 24 21 0 平成 17 平成 18 平成 19 平成 20 平成 21 出所 : 宮城労働局調べ ( 年 ) 東北運輸局 宮城労働局 1

トラック運転者の過労運転 過重労働の防止等のため 荷主 元請事業者の皆さまは 次の事項に配慮していただきますようお願いします ( 平成 22 年 9 月 17 日 荷主 元請事業者の団体の皆さまへ協力要請 ) 運送事業者が労働基準法に定める労働時間等の規定のほか 改善基準告示等に定める拘束時間や運転時間の限度を遵守した運行計画を立てられるように 発注条件をあらかじめ明確にした計画的 合理的な発注を行うこと なお 高速道路の利用が交通労働災害防止に効果があることを踏まえ 高速道路の利用について配慮すること 運送貨物の量を増やすよう依頼する場合 適正な運行計画が確保され 過積載運行とならないようにすること 到着時間の遅延が見込まれる場合 荷主 元請事業者は 安全運行が確保されるよう到着時間の再設定やルート変更等を行い 遅延に対するペナルティ付与を行わないよう柔軟に対応すること 荷積み 荷卸し作業の遅延により予定時間に出発できない場合 到着時間の再設定を行う等 適正な走行計画を確保するための措置を講ずるとともに 荷役作業が開始されるまでの間 貨物車両が荷主の敷地内で待機できるようにすること 荷積み 荷卸し作業時に トラック運転者が荷台又は荷の上から墜落 転落する労働災害が多発しているので 構内において安全に荷の積み卸し作業ができるように 関係設備の設置に配慮すること 運送契約においては 適正な運賃を設定すること ( 燃料サーチャージ制含む ) 2

改善基準告示の概要等 トラック運転者の労働条件の改善を図るために策定されている改善基準告示の概要は以下のとおりです 宮城 1 日の拘束時間 13 時間 1 時間 45 分 4 時間 1 時間 3 時間 30 分 45 分 2 時間 東京 ルール通りの運行 本社 出発 積込み 作業 運転休憩運転荷卸し運転 営業所 到着 計画にない荷待ち 時間が発生 当日 積込む量を増や すよう指示があった 大幅な遅延により到着を急ぐあまり 連続運転 4 時間から 30 分の運転離脱ができない まして休憩する時間すらとれない 積込む量が増えた分 荷 卸し時間が長くなった ルールが守られていない運行 本社 出発 休憩荷待ち時間積込み作業運転運転なし 荷卸し 運転 営業所 到着 宮城 1 時間 4 時間 2 時間 15 分 7 時間 30 分 2 時間 15 分 2 時間 1 日の拘束時間 19 時間 東京 項目内容 拘束時間 ( 1 参照 ) 休息期間 ( 2 参照 ) 運転時間 連続運転時間 1 箇月 293 時間以内 1 日原則 13 時間以内最大 16 時間以内 (15 時間超えは 1 週 2 回まで ) 1 日の休息期間は 継続 8 時間以上 1 日の運転時間は 2 日平均で9 時間以内 1 週間の運転時間は 2 週間ごとの平均で 44 時間以内運転開始後 4 時間以内又は4 時間経過直後に 30 分以上の休憩等を確保することにより 運転を中断しなければならない (1 回につき 10 分以上 かつ 合計 30 分以上とすることも可 ) 終業始業終業始業 休息期間 拘束時間 休息期間 労働時間 時間外労働時間休日労働時間を含む 休憩時間 ( 仮眠時間を含む ) 作業時間 ( 運転 整備等 ) 手待ち時間 ( 荷待ち等 ) 1 拘束時間 とは 始業時刻から終業時刻までをいい 運転や荷役作業を行う時間 手待ち時間 ( 例えば トラックが現場へ到着し 荷積みや荷卸しを始める時刻まで待機している時間などをいいます 手待ち時間も労働時間です ) 及び休憩時間を合計したものです 2 休息期間 とは 勤務と次の勤務の間の時間で 睡眠時間を含む労働者の生活時間として 労働者にとって全く自由な時間をいいます 3

交通労働災害防止のためのガイドライン における配慮等の概要 改善基準告示等とあいまって 交通労働災害の防止を図ることを目的に 交通労働災害防止のためのガイドライン ( 平成 20 年 4 月 3 日付け基発第 0403001 号 ) が策定されています 交通労働災害防止のためのガイドライン は 荷主からの要求の受容度が高い場合 交通労働災害等が発生しやすくなる とされた調査結果等を踏まえ 荷主 元請事業者の皆さまに 荷主 元請事業者による配慮等 を求めています 荷主 元請事業者の皆さまにおかれましては 次の事項等 交通労働災害防止を考慮した適切かつ安全な運行の確保のため必要な事項について 運送事業者と協働して取り組むよう努めてください 荷主 元請事業者の都合による急な貨物の増量による過積載運行を防止すること 到着時間の遅延が見込まれる場合 改善基準告示等を遵守した安全運行が確保されるよう 到着時間の再設定 ルート変更等を実施すること 改善基準告示等に違反し安全な走行が確保できない可能性が高い発注を行わないこと 積込 荷卸し作業の遅延により予定時間に出発できない場合 到着時間の再設定等を行うとともに 荷主の敷地内で待機できるようにすること なお 実施に当たっては 国土交通省作成の 安全運行パートナーシップ ガイドライン ( 5ページ参照 ) を参考としてください 平成 21 年の交通事故による死亡災害の概要は 貨物自動車運送業における死亡災害 ( その 1) のとおりです また 長時間にわたる過重な労働は 脳血管疾患及び虚血性心疾患等 ( 以下 脳 心臓疾 患 という ) の発症と関連があるとされています 平成 21 年 貨物自動車運送業において 脳 心臓疾患により労災認定された事案の概要は 貨物自動車運送業における死亡災害 ( そ の 2) のとおりです 貨物自動車運送業における死亡災害 ( その1) 発生月 年代 性別 発生状況の概要 4 30 歳代 男性 被災者は 帰社のため貨物自動車を運転していたが 途中のカーブを直進し 道路脇の電柱に激突して死亡した 7 30 歳代 男性 被災者は 貨物自動車による運送業務に従事していたが 対向車線にはみ出し 道路近くの橋脚に激突して死亡した 貨物自動車運送業における死亡災害 ( その2) 発生月 年代 性別 発生状況の概要 5 40 歳代 男性 被災者は 集荷のため貨物自動車を運転していたが 途中の交差点で交通事故を起こし 病院への搬送中に死亡した その後 死亡原因は脳 心臓疾患であったことが判明 出所 : 宮城労働局調べ ~ 貨物自動車運送業における死亡災害事例 ~ 過重労働による健康障害防止については 全産業の事業者の皆さまに対策を実施していただく必要があります その概要は厚生労働省ホームページ ( アドレス http://www.jaish.gr.jp/information/mental/h21_kaj_all.pdf) から閲覧できます 4

安全運行パートナーシップ ガイドラインの概要 ( 抄 ) 趣旨 目的 貨物自動車運送事業法 ( 平成元年法律第 83 号 ) における安全確保については 運送事業者に第一義的責任があるものの 荷主からの無理な運行依頼等 荷主の行き過ぎた行動が貨物自動車運送事業者の安全運行を阻害する一要因にもなっていることが指摘されています 平成 19 年 5 月 国土交通省では トラック事業者の安全運行の確保を目的とし 荷主 元請事業者と実運送事業者との望ましい共同関係を構築するための 安全運行パートナーシップ ガイドライン が策定されています 1 荷主側で 運送する貨物の量を増やすような急な依頼があった場合 適正な運行計画が確保され 過積載運行にならないよう 関係者が協力して取組む 2 到着時間の遅延が見込まれる場合 荷主 元請事業者は安全運行が確保されるよう到着時間の再設定 ルート変更等を行う また 到着時間の遅延に対するペナルティ付与にあたっては柔軟に対応する 3 荷主 元請事業者は 実運送事業者に対して安全運行が確保できない可能性が高い運行依頼は行わない なお 無理な運行が予見される場合 到着時間の見直し等を行うなど協力して安全運行を確保する 4 荷主 元請事業者は 積込 荷卸し作業の遅延により予定時間に出発できない場合 到着時間の再設定を行い 適正な運行計画を確保するための措置を講ずるとともに 貨物車両が敷地内待機できる措置を講ずる 5 安全運行の確保に向け 協力して安全推進活動に取組むとともに 安全運行パートナーシップ ルールとして各種課題について具体的な改善方策を取入れてルール化する 6 安全運行パートナーシップを確立するため 基本方針 目標の共有化 人材の育成 確保と実施体制の整備等を行う 安全運行パートナーシップの取組例 急な積荷の増加には適切な運行計画の確保と過積載の有無を確認 計画的な配車要請 積込みブースの増設等による手持ち時間の削減 安全運行を確保するためのマニュアル化を行い 関係者が共有化 やむを得ない到着時間の遅れに対してペナルティを緩和 予定時刻に出発できない 到着時間の遅れが見込まれる場合には 到着時間の再設定 ルート変更等を検討 5

荷主団体の長への協力要請 ( 平成 22 年 9 月 17 日 ) 東北運輸局長 宮城労働局長 貨物自動車運送事業における過労運転 過重労働の防止及び安全運行の確保等について ( 協力要請 ) 時下 ますますご清栄のこととお喜び申し上げます 日頃より 運輸行政及び労働行政にご理解とご協力をいただき 厚く御礼申し上げます さて 貨物自動車運送事業者 ( 以下 運送事業者 といいます ) については 労働基準関係法令及び道路運送関係法令の遵守のみならず 労働時間等の労働条件の向上を図ることを目的とした 自動車運転者の労働時間等の改善のための基準 ( 平成元年労働省告示第 7 号 以下 改善基準告示 といいます ) 及び過労運転の防止を目的とした 貨物自動車運送事業の事業用自動車の運転者の勤務時間及び乗務時間に係る基準 ( 平成 13 年国土交通省告示第 1365 号 ) 等を遵守する必要があります しかしながら 貨物自動車運送事業においては 依然として労働基準関係法令及び改善基準告示等の違反が高い割合で生じており トラック運転者の長時間労働の実態が認められることから 運送事業者等において 関係法令や改善基準告示等に則した運行をするための取組がなされております 労働時間管理や運行管理は運送事業者の基本的な責務でありますが 運送の発注等取引上の都合により改善基準告示等を遵守した運行に支障が生じる場合があるとともに 荷主 ( 運送業の元請の事業者 を含みます ) の行き過ぎた行動が安全運行を阻害する要因の1つとされています 長時間労働にわたる過重な労働は 健康障害の発生のおそれや家庭生活に影響があるばかりでなく 過労運転による交通事故の原因ともなりえます つきましては 貴職におかれましては 貴団体傘下の会員各社に対し 別添のリーフレットを活用するなどして 下記事項についての更なる指導をお願いいたします 記 1 トラック運転者の労働時間等に関し 労働基準法に定める労働時間等の規定のほか 改善基準告示等に定め る拘束時間や運転時間の限度についても遵守することが必要であること 2 次の事項に配慮していただくこと (1) 運送事業者が上記 1の労働時間等を遵守した運行計画を立てられるように 発注条件をあらかじめ明確にした計画的 合理的な発注を行うこと なお 高速道路の利用が交通労働災害防止に効果があることを踏まえ 高速道路の利用について配慮すること (2) 運送貨物の量を増やすよう依頼する場合 適正な運行計画が確保され 過積載運行とならないようにすること (3) 到着時間の遅延が見込まれる場合 荷主 元請事業者は 安全運行が確保されるよう到着時間の再設定やルート変更等を行い 遅延に対するペナルティ付与を行わないよう柔軟に対応すること (4) 荷積み 荷卸し作業の遅延により予定時間に出発できない場合 到着時間の再設定を行う等 適正な走行計画を確保するための措置を講ずるとともに 荷役作業が開始されるまでの間 貨物車両が荷主の敷地内で待機できるようにすること (5) 荷積み 荷卸し作業時に トラック運転者が荷台又は荷の上から墜落 転落する労働災害が多発しているので 構内において安全に荷の積み卸し作業ができるように 関係設備の設置に配慮すること (6) 運送契約においては 適正な運賃を設定すること ( 燃料サーチャージ制含む ) 貨物自動車運送事業の団体の要請 ( 要請文の添付略 ) も行っております 本リーフレットは 東北運輸局 宮城労働局が作成したものですが お問合せにつきましては まずは宮城労働局労働基準部監督課 ( 電話 022-299-8 838) までご連絡いただきますようお願いいたします 6