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新潟県保健環境科学研究所年報第 24 巻 2009 73 加工食品中の残留農薬分析法の検討 小林ゆかり, 土田由里子, 岩崎奈津美, 丹治敏英 Determination of Residual Pesticides in Processed Foods Yukari Kobayashi, Yuriko Tsuchida, Natsumi Iwasaki and Toshihide Tanji Keywords: 加工食品, 有機リン系農薬, カルバメート系農薬, GC/MS, 1 はじめに 2008 年 1 月に発生した中国産冷凍ギョウザによる有機リン系農薬中毒事件を契機に, 加工食品の安全性に対する関心が高まったことから, 新潟県においても加工食品中の残留農薬の調査を行うこととなった. 加工食品中の残留農薬の試験法については, 有機リン系農薬を対象に, 試料を無水硫酸ナトリウムで脱水しながら酢酸エチルで抽出して測定する方法が, 厚生労働省医薬食 1) 品局食品安全部基準審査課から示された. しかし, この方法では, 精製操作を行わないため分析機器が汚れやすく, 多くの試料を安定して測定するには問題があった. また, 2) 大垣らがゲル浸透クロマトグラフ (GPC) による精製方 法で良好な結果を得ているが, この方法は大量の溶媒が必要となる短所がある. 本研究では, 有機リン系農薬 42 種及びカルバメート系農 薬 7 種を対象に, 簡便な精製操作によって加工食品中の残留農薬を分析する方法を検討した. 2 試験方法 2.1 試料市販の冷凍ギョウザ及びレトルトカレーを用いた. 2.2 試薬等農薬標準品 : 和光純薬工業 ( 株 ), 林純薬工業 ( 株 ), 関東化学 ( 株 ),Dr.Ehrenstorfer GmbH 及びRiedel-de Haën 製の残留農薬試験用標準品を用いた. 有機溶媒等 : アセトン, 酢酸エチル及びメタノールは関東化学 ( 株 ) 製, ヘキサンは和光純薬工業 ( 株 ) 製の残留農薬試験用, その他は試薬特級を用いた. ミニカラム :VARIAN 製 MEGA BOND ELUT C18(1000mg) ( 以下,C18) 及びVARIAN 製 BOND ELUT PSA(500mg )( 以下,PSA) を用いた. 0.2μmフィルター :Waters 製 Acrodisc GHPを用いた. 2.3 装置及び測定条件 2.3.1 GC/MS 装置 :( 株 ) 島津製作所製 GCMS-QP5050A カラム :Agilent Technologies 製 DB-5MS(0.25mm i.d. 30m, 膜厚 0.25μm) プレカラム : ヒューズドシリカチューブ (2m) カラム温度 :50 (1min) 25 /min 125 (0min) 10 /min 300 (8.5min) 注入口温度 :250 インターフェース温度 :280 キャリアガス : 高純度ヘリウム,1.5mL/min 注入量 :2μL( スプリットレス ) イオン化法 :EI 測定モード :SIM 2.3.2 装置 : Waters 製 Micromass Quattro Premier XE 及び Acquity UPLC system カラム :Waters 製 XTerra MS C18(3.5μm,2.1 150mm) カラム温度 :40 注入量 :5μL 移動相 :(A)5mmol/L 酢酸アンモニウム溶液,(B) メタノール, グラジエント条件 :(B)5%(0min) 90%(15min) 90%(25min), 流速 :0.2mL/min イオン化法 :ESI( ポジティブ ) 測定モード :MRM キャピラリ電圧 :1kV イオン源温度 :120 2.4 試験溶液調製法 試験溶液調製法を図 1から3に示した.A 法 ( 図 1) は, 1) 厚生労働省の方法をもとに, アセトニトリル / ヘキサン分配による脱脂操作及びミニカラムによる精製操作を加えたものである. ミニカラムの選択にあたっては, 厚生労働 3) 4) 省の通知試験法及び吉岡らの方法を参考とし, 脂質等を除去するためにC18を, 色素や脂肪酸等を除去するためにPSAを用いた.B 法 ( 図 2) は,A 法における抽出からアセトニトリル / ヘキサン分配までの操作の短縮を試みたものである.C 法 ( 図 3) は,B 法での検討結果から, 精製条件の一部変更を行ったものである. 2.5 添加回収試験試料中 0.1μg/gとなるよう農薬混合標準液を添加し,2. 4 試験溶液調製法に示した方法で,n=3の併行試験を行った.

74 新潟県保健環境科学研究所年報第 24 巻 2009 細切均一化した試料 10g 無水硫酸ナトリウム 90g 酢酸エチル 1 回目 100mL,2 回目 50mL 高速ホモジナイズ遠心分離 3000rpm 5 分間酢酸エチル層減圧濃縮, 窒素乾固アセトニトリル / ヘキサン分配ヘキサン30mL, ヘキサン飽和アセトニトリル30mL 2 回アセトニトリル層濃縮 ( ヘキサン層 脂肪量測定 ) 定容 4mL( アセトニトリル ) C18 精製アセトニトリル5mlコンディショニング抽出液 1mL 負荷, アセトニトリル3mL 溶出減圧濃縮, 窒素乾固溶解アセトン / ヘキサン (1:1) 2ml PSA 精製アセトン / ヘキサン (1:1)5mlコンディショニング試料液 2mLを負荷, アセトン / ヘキサン (1:1)10mL 溶出減圧濃縮, 窒素乾固定容 2.5mL( アセトン )(1mLが試料 1g 相当 ) GC/MS 0.2ml 分取窒素乾固定容 1mL( メタノール )(1mLが試料 0.2g 相当 ) 0.2μmフィルターろ過 細切均一化した試料 20g ヘキサン 25mL アセトニトリル 1 回目 50mL,2 回目 25mL 高速ホモジナイズ遠心分離 3000rpm 5 分間アセトニトリル層定容 100mL( アセトニトリル ) C18 精製アセトニトリル5mlコンディショニング抽出液 5mL 負荷, アセトニトリル / 水 (8:2)10mL 溶出脱水無水硫酸ナトリウム減圧濃縮, 窒素乾固溶解アセトン / ヘキサン (1:1) 2ml PSA 精製アセトン / ヘキサン (1:1)5mlコンディショニング試料液 2mLを負荷, アセトン / ヘキサン (1:1)20mL 溶出減圧濃縮, 窒素乾固定容 2mL( アセトン )(1mLが試料 0.5g 相当 ) GC/MS 0.2ml 分取窒素乾固定容 1mL( メタノール )(1mLが試料 0.1g 相当 ) 0.2μmフィルターろ過 図 3 試験溶液調製法 (C 法 ) 図 1 試験溶液調製法 (A 法 ) 細切均一化した試料 10g ヘキサン 25mL アセトニトリル 1 回目 50mL,2 回目 25mL 高速ホモジナイズ遠心分離 3000rpm 5 分間アセトニトリル層 ( ヘキサン層 脂肪量測定 ) 定容 100mL( アセトニトリル ) C18 精製アセトニトリル5mlコンディショニング抽出液 25mL 負荷, アセトニトリル2mL 溶出脱水無水硫酸ナトリウム減圧濃縮, 窒素乾固溶解アセトン / ヘキサン (1:1) 2ml PSA 精製アセトン / ヘキサン (1:1)5mlコンディショニング試料液 2mLを負荷, アセトン / ヘキサン (1:1)10mL 溶出減圧濃縮, 窒素乾固定容 2.5mL( アセトン )(1mLが試料 1g 相当 ) GC/MS 0.2ml 分取窒素乾固定容 1mL( メタノール )(1mLが試料 0.2g 相当 ) 2.6 試料マトリックスの影響の検討農薬が含まれない試料を用いて,2.4 試験溶液調製法に示した方法で調製した試験溶液に, 農薬混合標準液を添加し,2.5 添加回収試験における 100% に相当する濃度にしたもの ( 以下, マトリックス標準 ) を調製した. 通常の溶媒で調製した標準液 ( 以下, 溶媒標準 ) とマトリックス標準とを比較し, 試料マトリックスが測定に及ぼす影響について検討した. 3 結果と考察 3.1 脂肪抽出量の比較試料のサンプリング誤差を確認するためと, 抽出効率の参考とするため,A 法,B 法それぞれの抽出過程で得られるヘキサン層を濃縮乾固し, 脂肪量の測定を行った. 結果を表 1に示した. 表 1 ヘキサン層に抽出された脂肪量の比較 (n=5) 冷凍ギョウザ レトルトカレー 脂肪量 (mg/g) RSD 脂肪量 (mg/g) RSD A 法 96.8 1.56 41.4 1.60 B 法 92.1 3.30 41.8 1.37 0.2μm フィルターろ過 図 2 試験溶液調製法 (B 法 ) 脂肪量のばらつきは, 冷凍ギョウザのB 法で相対標準偏差 (RSD) が3.3% となった他は1.5% 前後であり,10gの試料量で十分サンプリング誤差を無視できることがわかった. A 法とB 法の脂肪量を比較すると, レトルトカレーではほ

新潟県保健環境科学研究所年報第 24 巻 2009 75 とんど差がなかったが, 冷凍ギョウザではA 法に比べB 法での脂肪量がやや少ない結果となった. この原因の一つとして, 冷凍ギョウザをB 法で抽出したとき遠心分離後に沈殿物が再浮遊しやすく, ヘキサン層が回収しにくかったことが考えられる. この点を考慮すると,B 法でもA 法と大差な く脂肪の抽出が可能であり, 比較的脂溶性の高い農薬であっても問題なく液層に移行できると考えられた. 3.2 A 法,B 法による試験結果 8 種類の農薬について,A 法及びB 法による添加回収試験を行った結果を表 2に示した. 表 2 冷凍ギョウザ及びレトルトカレーを用いた添加回収試験結果 (A 法,B 法 ) 冷凍ギョウザ GC/MS 測定 測定 A 法 B 法 A 法 B 法 マトリックマトリックマトリックマトリック ス影響 ス影響 ス影響 ス影響 acephate 430.2 ( 10.70 ) 5.00 261.7 ( 7.54 ) 4.23 82.0 ( 5.14 ) 1.01 66.3 ( 3.28 ) 0.98 bendiocarb 112.3 ( 3.00 ) 1.22 111.8 ( 2.20 ) 1.23 87.9 ( 3.82 ) 1.00 89.6 ( 4.58 ) 1.03 carbaryl 102.9 ( 2.53 ) 1.05 106.7 ( 2.06 ) 1.16 84.3 ( 3.03 ) 1.00 90.2 ( 3.59 ) 1.00 edifenphos 157.2 ( 3.89 ) 1.69 174.6 ( 4.20 ) 2.03 74.4 ( 3.65 ) 0.93 81.4 ( 3.42 ) 0.91 malathion 148.8 ( 1.26 ) 1.66 164.5 ( 0.70 ) 1.80 83.5 ( 5.26 ) 0.99 88.6 ( 4.04 ) 0.99 methamidophos 112.4 ( 1.56 ) 1.05 121.6 ( 1.77 ) 1.72 80.6 ( 4.56 ) 0.96 62.5 ( 1.78 ) 1.02 pirimicarb 0.0 ( - ) 1.18 93.6 ( 5.32 ) 1.17 0.0 ( - ) 1.00 74.2 ( 7.24 ) 1.01 tolclofos-methyl 106.7 ( 0.75 ) 1.20 104.1 ( 2.55 ) 1.20 84.8 ( 7.04 ) 0.96 85.9 ( 2.12 ) 0.90 レトルトカレー GC/MS 測定 測定 A 法 B 法 A 法 B 法 マトリックマトリックマトリックマトリック ス影響 ス影響 ス影響 ス影響 acephate 159.0 ( 5.25 ) 1.94 456.0 ( 6.96 ) 7.13 97.4 ( 4.21 ) 1.00 72.6 ( 11.12 ) 0.96 bendiocarb 104.1 ( 4.92 ) 1.14 101.5 ( 3.50 ) 1.10 93.3 ( 2.95 ) 1.01 88.9 ( 2.29 ) 1.00 carbaryl 85.7 ( 10.15 ) 0.93 83.0 ( 2.49 ) 0.98 94.7 ( 1.84 ) 1.00 89.0 ( 2.37 ) 1.00 edifenphos 146.4 ( 1.95 ) 1.61 155.9 ( 2.63 ) 1.67 89.6 ( 0.43 ) 0.92 86.0 ( 2.00 ) 0.95 malathion 113.9 ( 2.51 ) 1.25 133.8 ( 6.15 ) 1.47 94.9 ( 4.10 ) 1.00 93.0 ( 5.67 ) 1.01 methamidophos 155.9 ( 4.27 ) 1.86 161.9 ( 1.52 ) 2.29 86.9 ( 3.50 ) 0.98 73.0 ( 11.41 ) 0.99 pirimicarb 0.0 ( - ) 1.08 83.1 ( 4.97 ) 0.97 0.0 ( - ) 1.01 83.5 ( 2.42 ) 0.99 tolclofos-methyl 94.6 ( 5.24 ) 1.07 90.7 ( 2.98 ) 1.02 91.1 ( 4.97 ) 1.01 89.4 ( 8.03 ) 1.04 注 ) = マトリックス標準のピーク面積 / 同一濃度の溶媒標準のピーク面積 A 法では, 冷凍ギョウザ, レトルトカレーともにピリミカルブのが0% となった. 原因を調べるため,C18に農薬混合標準液 (0.1μg/mL)1mLを負荷し, 溶出条件を変えて溶出状況を調べたところ, ピリミカルブはアセトニトリルではC18から溶出しにくいことがわかった ( 図 4 ).A 法ではC18への負荷液量が少ないためピリミカルブが回収できなかったのに対し,B 法では負荷液量が25mLと多く, また抽出液に試料由来の水分が含まれていることもあってピリミカルブが回収できたと考えられる. 100 80 60 40 20 0 1 2 1 2 1 2 1 2 acephate carbaryl edifenphos pirimicarb 溶出液量 6~10mL 4~6mL 2~4mL 負荷 ~2mL 図 4 C18 からの各農薬の溶出 (1; アセトニトリル溶出 2; アセトニトリル / 水 (8:2) 溶出 ) 一方 B 法では,C18 精製の際に, 抽出液中の着色成分がミニカラム上部に留まらずに拡散, 溶出されてしまった. これは, ミニカラムに負荷する抽出液量がA 法に比べて多いことが原因と考えられた.B 法でC18 精製の効果を十分得るためには, ミニカラムへ負荷する抽出液の量を減らす必要があると考えられた. GC/MSとによる測定結果を比較すると,GC/MSによる測定では,A 法,B 法ともが100% を超える農薬が多かった. 特に, アセフェートは 400% を超える場合もあった. また, アセフェートやメタミドホスは, 標準溶液と試験溶液とで検出されたピークの保持時間がずれ, 同定に支障があった. 溶媒標準とマトリックス標準とを比較した場合も, ピーク面積の差や保持時間のずれが見られたことから, これらはいずれも試料マトリックスの影響によるものと考えられた. による測定では,B 法の冷凍ギョウザでアセフェート及びメタミドホスのが70% を若干下回ったほかは, 概ね良好な結果が得られた. 溶媒標準とマトリックス標準との測定結果にほとんど差はなく, 試料マトリックスの影響はほとんどないと考えられた. 3.3 C 法による試験結果前述の結果からB 法を一部変更したC 法について, 対象農薬を増やして検討した.C 法では, 試料の濃縮率をなるべ

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新潟県保健環境科学研究所年報第 24 巻 2009 77 表 3 冷凍ギョウザ及びレトルトカレーを用いた添加回収試験結果 (C 法 ) 冷凍ギョウザレトルトカレー ( 参考 ) 定量イオン及び定量下限 GC/MS 測定 測定 GC/MS 測定 測定 GC/MS ( RSD ) 補正後 ( RSD ) 補正後 ( RSD ) acephate 122.2 ( 2.75 ) 1.74 70.4 77.2 ( 3.85 ) 1.09 70.7 119.1 ( 16.13 ) 1.82 65.4 76.6 ( 13.14 ) 0.95 81.0 94 0.2 183.9 142.8 0.003 aldicarb 1 89.5 ( 1.98 ) 1.08 82.6 1 88.0 ( 3.12 ) 1.00 87.7 - - 208.1 115.4 0.002 bendiocarb 97.5 ( 5.15 ) 0.99 98.8 94.8 ( 3.63 ) 1.22 77.5 83.1 ( 2.64 ) 0.98 84.6 104.3 ( 1.92 ) 0.97 107.2 151 0.04 224.1 108.9 0.0004 butamifos 104.1 ( 2.73 ) 1.29 80.4 85.5 ( 4.23 ) 1.06 80.8 124.9 ( 6.74 ) 1.42 87.9 93.8 ( 2.01 ) 0.90 104.1 286 0.02 333.2 179.8 0.0003 cadusafos 108.3 ( 4.51 ) 1.44 75.4 82.0 ( 2.83 ) 1.04 78.6 112.2 ( 1.46 ) 1.45 77.4 93.3 ( 2.67 ) 0.95 98.5 159 0.008 271.1 130.5 0.0004 carbaryl 87.1 ( 5.53 ) 0.93 93.8 91.1 ( 3.57 ) 1.12 81.1 85.7 ( 6.09 ) 0.87 98.6 104.6 ( 3.22 ) 0.98 106.8 144 0.04 202.0 144.9 0.0006 chlorfenvinphos-e 114.2 ( 4.08 ) 1.34 85.2 88.4 ( 3.63 ) 1.03 86.2 123.8 ( 6.44 ) 1.45 85.2 96.0 ( 2.52 ) 0.96 100.0 269 0.03 359.1 126.6 0.003 chlorfenvinphos-z 103.3 ( 4.16 ) 1.50 68.8 89.7 ( 4.51 ) 0.97 92.1 124.0 ( 3.71 ) 1.43 86.7 98.9 ( 2.39 ) 0.95 104.1 269 0.02 359.1 126.6 0.003 chlorpyrifos 96.5 ( 8.49 ) 1.20 80.3 71.8 ( 2.11 ) 1.08 66.5 102.3 ( 4.84 ) 1.29 79.4 80.2 ( 3.44 ) 0.98 81.7 314 0.01 351.9 199.7 0.0005 chlorpyrifos-methyl 111.9 ( 2.61 ) 1.40 79.7 89.8 ( 7.46 ) 1.12 80.4 118.7 ( 3.13 ) 1.48 80.1 90.7 ( 3.91 ) 0.89 101.6 286 0.003 323.9 124.5 0.001 cyanophos 121.9 ( 3.41 ) 1.56 78.0 2 133.4 ( 1.70 ) 1.81 73.7 2 243 0.01 244.0 101.4 0.03 diazinon 103.0 ( 5.29 ) 1.39 74.1 85.3 ( 2.44 ) 1.14 75.0 104.8 ( 5.31 ) 1.40 75.0 90.6 ( 1.82 ) 0.93 97.8 179 0.008 305.1 168.7 0.0002 dichlorvos 36.8 ( 12.78 ) 1.29 28.6 2 36.5 ( 26.85 ) 1.25 29.2 2 185 0.006 220.3 108.9 0.01 dimethoate 180.9 ( 1.51 ) 2.41 75.1 89.7 ( 1.39 ) 1.15 78.2 181.3 ( 6.28 ) 2.62 69.1 97.6 ( 8.30 ) 0.97 101.0 87 0.05 230.1 124.6 0.001 dimethylvinphos-e 125.0 ( 2.81 ) 1.45 86.5 87.1 ( 8.87 ) 1.08 80.6 142.0 ( 3.09 ) 1.81 78.4 94.2 ( 3.97 ) 0.89 105.7 295 0.02 333.1 126.7 0.003 dimethylvinphos-z 102.7 ( 6.68 ) 1.35 75.9 82.7 ( 1.58 ) 1.06 78.3 137.2 ( 4.58 ) 1.45 94.9 90.5 ( 5.00 ) 0.92 98.0 295 0.02 333.1 126.7 0.003 edifenphos 165.3 ( 4.26 ) 2.10 78.9 82.9 ( 2.72 ) 1.02 81.1 179.3 ( 7.42 ) 2.40 74.7 95.5 ( 1.16 ) 0.93 102.5 310 0.02 311.2 282.9 0.0005 EPN 124.3 ( 8.64 ) 1.47 84.5 92.1 ( 7.05 ) 1.00 92.6 136.3 ( 5.93 ) 1.62 84.3 93.3 ( 9.77 ) 1.05 88.5 157 0.01 324.1 156.5 0.007 ethiofencarb 135.7 ( 12.44 ) 2.30 59.0 58.8 ( 10.15 ) 1.08 54.3 166.0 ( 2.44 ) 2.42 68.6 76.9 ( 8.10 ) 0.93 82.5 107 0.03 226.1 106.7 0.0008 ethion 128.2 ( 8.22 ) 1.74 73.7 82.3 ( 2.31 ) 1.03 79.7 134.8 ( 5.14 ) 1.85 73.0 93.1 ( 1.86 ) 0.88 105.4 231 0.008 385.0 198.8 0.0003 ethoprophos 117.3 ( 4.54 ) 1.38 85.2 84.8 ( 2.32 ) 1.04 81.4 123.7 ( 3.83 ) 1.42 86.9 90.9 ( 3.96 ) 0.89 102.3 158 0.01 243.1 130.6 0.002 etrimfos 123.5 ( 4.72 ) 1.61 76.7 87.1 ( 1.77 ) 1.05 83.2 124.4 ( 6.78 ) 1.55 80.2 91.1 ( 1.27 ) 0.93 97.7 292 0.01 293.1 124.6 0.0002 fenitrothion 124.8 ( 5.38 ) 1.76 70.8 2 164.1 ( 6.63 ) 2.26 72.5 2 277 0.03 278.0 124.7 0.05 fenobucarb 118.5 ( 1.20 ) 1.31 90.5 92.5 ( 4.69 ) 1.14 81.3 131.1 ( 5.65 ) 1.38 95.1 99.3 ( 3.89 ) 0.95 104.1 121 0.004 208.2 94.6 0.0004 fensulufothion 149.4 ( 6.69 ) 1.71 87.1 93.4 ( 1.93 ) 1.12 83.2 153.8 ( 3.74 ) 2.01 76.5 99.1 ( 2.92 ) 0.98 101.5 292 0.01 309.1 156.7 0.001 fenthion 107.1 ( 5.65 ) 1.35 79.6 87.2 ( 2.63 ) 1.09 80.2 121.4 ( 2.89 ) 1.61 75.6 92.3 ( 6.70 ) 0.99 93.5 278 0.006 279.0 168.7 0.003 fosthiazate 143.1 ( 2.60 ) 1.83 78.2 95.2 ( 2.95 ) 1.15 82.6 170.7 ( 5.34 ) 2.14 79.7 102.2 ( 6.00 ) 0.97 104.9 195 0.08 284.1 103.5 0.001 isofenphos 117.0 ( 6.21 ) 1.51 77.5 85.3 ( 3.13 ) 1.07 79.4 130.9 ( 5.69 ) 1.61 81.5 94.8 ( 0.11 ) 0.92 103.2 255 0.04 346.2 244.9 0.0002 isofenphos-oxon 111.7 ( 5.49 ) 1.65 67.8 90.6 ( 2.70 ) 1.08 83.8 164.3 ( 4.29 ) 1.99 82.8 94.6 ( 4.41 ) 0.91 103.4 229 0.02 330.2 200.8 0.001 malathion 117.8 ( 8.91 ) 1.78 66.2 89.2 ( 5.22 ) 1.12 79.6 135.3 ( 6.17 ) 1.61 83.8 99.6 ( 2.47 ) 0.96 104.1 173 0.03 331.2 98.6 0.0008 methamidophos 106.7 ( 0.78 ) 1.34 79.9 75.3 ( 4.42 ) 1.09 69.1 85.3 ( 17.29 ) 1.25 68.0 74.8 ( 10.49 ) 0.97 76.8 94 0.05 141.8 93.5 0.0009 methidathion 151.6 ( 5.15 ) 2.08 72.8 92.6 ( 3.14 ) 1.14 81.1 175.9 ( 7.95 ) 2.37 74.1 99.9 ( 3.62 ) 0.93 107.0 145 0.03 303.0 144.6 0.001 oxamyl 3 88.7 ( 3.19 ) 1.19 74.5 3 90.0 ( 14.83 ) 0.99 91.2 72 0.08 237.2 71.6 0.0004 parathion 124.2 ( 3.39 ) 1.50 82.8 2 129.5 ( 4.68 ) 1.58 82.1 2 291 0.02 292.0 235.9 0.09 parathion-methyl 146.3 ( 3.46 ) 1.86 78.7 1 170.7 ( 7.20 ) 2.12 80.4 1 263 0.02 - - - phenthoate 106.7 ( 4.61 ) 1.36 78.4 90.2 ( 2.12 ) 1.09 82.7 126.7 ( 5.53 ) 1.58 80.1 96.9 ( 2.79 ) 0.93 104.0 274 0.01 321.1 162.7 0.0005 phorate 99.3 ( 2.29 ) 1.47 67.4 71.9 ( 4.34 ) 0.95 75.8 112.3 ( 5.11 ) 1.43 78.4 81.5 ( 17.50 ) 1.03 79.3 260 0.01 261.0 198.8 0.005 phosalone 220.5 ( 11.09 ) 2.54 86.7 91.4 ( 1.60 ) 1.08 85.0 193.9 ( 6.63 ) 2.71 71.6 99.0 ( 1.49 ) 0.99 100.4 182 0.02 368.1 181.8 0.0004 phosmet 280.6 ( 6.24 ) 4.65 57.5 107.7 ( 7.66 ) 1.37 78.7 319.9 ( 6.16 ) 5.57 55.4 108.2 ( 15.34 ) 1.36 79.5 160 0.02 318.0 159.7 0.001 pirimicarb 118.3 ( 2.53 ) 1.43 82.7 93.2 ( 5.48 ) 1.18 78.8 121.0 ( 4.02 ) 1.36 88.9 96.8 ( 4.76 ) 0.95 101.4 166 0.002 239.2 71.6 0.0002 pirimiphos-methyl 116.3 ( 0.79 ) 1.44 80.7 86.0 ( 0.24 ) 1.03 83.8 125.2 ( 3.88 ) 1.59 78.7 90.3 ( 2.79 ) 0.94 95.9 290 0.01 306.1 163.8 0.0002 profenofos 111.3 ( 1.84 ) 1.46 76.5 77.9 ( 4.75 ) 1.00 77.8 159.4 ( 8.26 ) 1.77 90.2 84.5 ( 2.32 ) 0.93 90.9 339 0.05 375.0 304.9 0.0004 prothiofos 80.4 ( 3.23 ) 1.44 55.7 63.0 ( 7.02 ) 1.09 57.8 83.4 ( 5.89 ) 1.53 54.4 62.8 ( 12.15 ) 1.01 62.4 309 0.02 345.0 240.8 0.01 pyraclophos 283.0 ( 6.40 ) 3.30 85.7 87.8 ( 3.15 ) 1.11 79.5 267.5 ( 2.90 ) 3.71 72.2 96.8 ( 0.94 ) 0.89 109.3 360 0.02 361.2 256.9 0.0002 pyridaphenthion 177.5 ( 9.03 ) 2.07 85.7 88.3 ( 3.70 ) 1.06 83.5 101.5 ( 9.69 ) 1.51 67.3 93.5 ( 4.42 ) 0.88 105.9 340 0.02 341.1 188.8 0.0008 quinalphos 110.0 ( 4.44 ) 1.52 72.6 86.2 ( 2.73 ) 1.04 82.8 123.3 ( 3.57 ) 1.46 84.6 94.1 ( 4.29 ) 0.90 104.1 146 0.02 299.1 146.5 0.0005 terbufos 93.9 ( 8.31 ) 1.37 68.4 69.3 ( 20.24 ) 1.14 60.8 104.3 ( 7.63 ) 1.61 64.9 67.2 ( 15.60 ) 1.04 64.7 231 0.004 289.0 56.6 0.002 thiometon 110.8 ( 8.57 ) 1.53 72.6 1 116.1 ( 7.33 ) 1.68 69.1 1 88 0.007 - - - tolclofos-methyl 107.1 ( 4.57 ) 1.32 80.9 91.8 ( 7.74 ) 1.07 85.6 115.5 ( 5.31 ) 1.40 82.4 95.5 ( 4.83 ) 0.93 102.8 265 0.002 301.0 174.7 0.002 補正後 ( RSD ) 補正後 定量イオン 定量下限 (μg/ml) フ リカーサーイオン フ ロタ クトイオン 定量下限 (μg/ml) 注 ) = マトリックス標準のピーク面積 / 同一濃度の溶媒標準のピーク面積補正後 = / 定量下限 ;S/N=10 となる濃度 1; 標準品のピークが確認できなかった 2; 感度不足のため定量困難だった 3; 試験溶液の妨害ピークのため定量できなかった