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目次. バウンダリスキャン概要...2. バウンダリスキャン概要...2.2 バウンダリスキャン試験の原理...3.3 バウンダリスキャン対応デバイスについて...4 2.TEST ACCESS PORT(TAP)...6 2. 概要...6 2.2 TEST ACCESS PORT...6 3. バウンダリスキャン周辺回路...9 3. 概要...9 3.2 標準的な接続例...9 3.3 特殊な接続例...9 4.TAP コントローラ...2 4. TAP コントローラ概要...2 4.2 TAP コントローラの状態遷移...2 4.3 TAP コントローラの初期化...6 5. インストラクションレジスタ...8 5. インスラクションレジスタの構成...8 5.2 TAP コントローラのインストラクション...9 5.3 BYPASS INSTRUCTION...2 5.4 SAMPLE INSTRUCTION...2 5.5 PRELOAD INSTRUCTION...22 5.6 EXTEST INSTRUCTION...23 5.7 INTEST INSTRUCTION...25 5.8 RUNBIST INSTRUCTION...26 5.9 CLAMP INSTRUCTION...27 5. IDCODE INSTRUCTION...28 5. USERCODE INSTRUCTION...28 5.2 HIGHZ INSTRUCTION...28 6.TEST DATA レジスタ...3 6. TEST DATA レジスタの構成...3 6.2 バウンダリスキャンレジスタ...3 6.3 デバイス ID レジスタ...38 i

6.4 デザイン定義レジスタ...38 6.5 BYPASS レジスタ...38 7. バウンダリスキャン試験詳細...4 7. バウンダリスキャン試験例...4 7.2 インフラ試験...4 7.3 ベクタ試験...43 8. 試験パターン生成...46 8. 試験種別...46 8.2 出力イネーブル付きピンの影響...49 9. エラー要因の検出...5 9. エラー要因の種類...5 9.2 : 接続...52 9.3 :N 接続...54 9.4 N: 接続...56 9.5 N:N 接続...58 ii

Memo iii

第 章バウンダリスキャン概要 第 章 バウンダリスキャン概要

第 章バウンダリスキャン概要. バウンダリスキャン概要. バウンダリスキャン概要 バウンダリスキャンテストは 985 年にヨーロッパのJETAG(Joint European Test Action Group) によって最初に提案されました さらに986 年に米国企業のメンバが加わり 99 年に規格化されたのがIEEE std 49. -99 Standard Test Access Port and Boundary-Scan Architectureです この規格は 正式名称よりも その作業グループの名称であるJTAG(Joint Test Action Group) が 規格名称であるかのように使われていますが JTAGはあくまで作業グループの名称です バウンダリスキャンテストが制定された当初は 対応するデバイスが少なく 又 PCBの製造性がよい日本国内ではあまり普及しませんでした しかし 昨今ではデバイスパッケージの高密度化 ( 多ピン化 BGA 化 ) がすすみ バウンダリスキャンに対応するデバイスが増えてきました 又 CPUのインサーキットエミュレータ FPGAのプログラムインターフェースにもバウンダリスキャンが使用されるようになってきています IEEE std 49. Standard Test Access Port and Boundary-Scan Architectureは993 年 9 95 年 2 年に改訂されており 最新の規格はIEEEホームページ http://www.ieee.org を参照して下さい 2

第 章バウンダリスキャン概要.2 バウンダリスキャン試験の原理 バウンダリスキャンテストはPCB 上のバウンダリスキャン対応デバイスを一筆書き ( デイジーチェイン ) に接続し 外部からデバイスの入出力をコントロールすることで PCB 上のデバイスの試験を行なうものです 試験を行なうにはPCB に接続されたボードテスタ (PCやWS) からの4 本の信号で試験の実行が行なわれます ボードテスタからのTDi 信号はPCB 上のバウンダリスキャンデバイスのTDiピンに接続されTDoピンから出力されます TDoピンの信号は次のバウンダリスキャンデバイスのTDiに接続され 順番にPCB 上の全てのバウンダリスキャンデバイスを接続し 最後のデバイスからのTDoピンはボードテスタのTDoに接続されます 又ボードテスタからの TCK,T MS 信号はバス状に全てのバウンダリスキャンデバイスに接続されます バウンダリスキャンデバイスは外部 I/O ピンと内部論理との間にバウンダリスキャンセルが配置され TDi ピンからの信号とシフトレジスタを構成しており 適当なデータを入力することでバウンダリスキャンセルに接続された任意の出力ピンからデータを出力したり 入力ピンの状態をモニタすることが可能です PCB 上のバウンダリスキャン対応デバイスを一筆書き ( デイジーチェイン ) に接続することで ボードテスタから PCB 上のバウンダリスキャンデバイスの I/O ピンを制御可能となります PCB 上のあるネットの試験を行なう場合 そのネットに接続されたデバイスの出力ピンから L レベルを出力し そのネットに接続されたデバイスの入力ピンで L を検出し 引き続き出力ピンから H レベルを出力し デバイスの入力ピンで H を検出すればそのネットでの 2 つのデバイスは正常に接続されていると想定できます TDi TDi TDo TDi TDo TDi TDo TDi TDo TCK TMS TDo 図.2- バウンダリスキャン試験の原理 3

第 章バウンダリスキャン概要.3 バウンダリスキャン対応デバイスについて バウンダリスキャンデバイスはデバイス本来の内部ロジック機能の他にバウンダリスキャン試験機能を実現するためのレジスタとそのレジスタを制御するためのTAPコントローラが内蔵されています レジスタへのデータ設定やTAPコントローラの制御のためにTCK,TMS,TDi,TDo,TRST( オプション ) の5 本の信号が必要となります バウンダリスキャンレジスタ バウンダリスキャンレジスタ TAP コントローラ TDi TMS TCK Decorder インストラクションレジスタ Bypasレジスタ IDCODEレジスタ TDo 図.3- バウンダリスキャン内蔵レジスタ 4

第 2 章 Test Access Port(TAP) 第 2 章 Test Access Port (TAP) 5

第 2 章 Test Access Port(TAP) 2.Test Access Port(TAP) 2. 概要 TAP(Test Access Port) はバウンダリスキャンデバイスに実装される 汎用ポートで このポートを使って 様々なテスト機能を実現します TAPはTCK,TMS,TDI,TDOから構成され TRSTはオプションとなっています 2.2 Test Access Port () Test Clock Input(TCK) TCKはデバイス間を接続するシリアルデータパスのシステムクロックとして使用されます 全てのテスト オペレ-ションとスキャンオペレ-ションは このTCKに同期して行われます TCKは通常 5% デューティーの自走 CLKに接続されることが理想ですが 多くの場合 一定の期間停止したりするような状況があります IEEE Std 49.ではTC K が の状態で停止する場合 テストロジックの状態を保持し続けることが規定されています そしてクロックが再度動作を始めた場合 停止した状態から動作するようになっています TCKが の状態で停止した場合の動作の保証はオプションとなっています (2) Test Mode Select input(tms) テストロジックを制御する信号です この信号は テスト オペレ-ションをコントロ-ルするためにTAPでデコ-ドされます TAPの状態の変化は TCKの立ち上がりエッジでサンプリングされます TMS 信号がドライブされない間はハイレベルでなければならない為 回路デザインでプルアップすることを推奨します ( 通常 デバイス内部にプルアップ抵抗が内蔵されます ) これにより ノ-マルオペ-レション時は Test-Logic-Resetの状態が確保されます (3) Test Data Input(TDI) テストロジックに対して 命令やデ-タをシリアル入力する信号です この入力は 選択されたレジスタ ( インストラクションorデ-タレジスタ ) に TCKの立ち上がりに同期して入力されます TMS 信号がドライブされない間はハイレベルでなければならない為 ボードデザインでプルアップすることを推奨します ( 通常 デバイス内部にプルアップ抵抗が内蔵されます ) (4) Test Data Output(TDO) テストロジックからのデ-タをシリアル出力する信号です この出力は 選択されたレジスタ ( インストラクションorデ-タレジスタ ) から TCKの立ち上がりエッジでシフト アウトされます TDO 出力の変化は TCKの立ち下がりエッジまでは発生しません シフトオペレ-ション以外の場合は ハイインピ-ダンス状態となります このため ボードデザインにおいて TDIとTDOを接続するバウンダリスキャンチェインを構成するネットにはプルアップ抵抗を接続することを推奨します (5) Test Reset input(trst) TRSTはTAPコントローラの非同期リセットを入力します TRST に が入力されると非同期でTAPコントローラは Test-Logc-Reset 状態になります TRST 信号がドライブされない間はハイレベルでなければならない為 回路デザインでプルアップすることを推奨します ( 通常 デバイス内部にプルアップ抵抗が内蔵されます ) TRST デバイスのシステムリセットとは独立しています この為 バウンダリスキャン機能を使用しない場合 TRSTを 6

第 2 章 Test Access Port(TAP) にハード接続することでバウンダリスキャン機能をディスエーブル状態にできます バウンダリスキャン回路の動作を保証するために *TRSTが から に変化する間は TMSは の状態を保つことが推奨されます 7

第 3 章バウンダリスキャン周辺回路 第 3 章 バウンダリスキャン周辺回路 8

第 3 章バウンダリスキャン周辺回路 3. バウンダリスキャン周辺回路 3. 概要 バウンダリスキャンテストはPCB 上のバウンダリスキャン対応デバイスを一筆書き ( デイジーチェイン ) に接続し 外部からデバイスの入出力をコントロールすることで PCB 上のデバイスの試験を行います 試験を行うにはPCBに接続されたボードテスタ (PCやWS) からの4 本の信号を用いて各デバイスのTAPコントローラを制御することにより 試験の実行が行なわれます 3.2 標準的な接続例 ボードテスタからの出力されるTDi 信号はPCB 上のバウンダリスキャンデバイスのTDiピンに接続されます TDoピンの信号は次のバウンダリスキャンデバイスのTDiに接続され 順番にPCB 上の全てのバウンダリスキャンデバイスを接続し 最後のデバイスからのTDoピンはボードテスタのTDoに接続されます 又ボードテスタからのTCK,TMS, (*TRST) 信号はバス状に全てのバウンダリスキャンデバイスに接続されます R R R R TDI TDI TDo TDI TDo TDI TDo TDI TDo TDo TMS TCK TMS TCK TMS TCK TMS TCK TMS TCK R R 図 3.2- 標準的な接続例 プルアップ抵抗について TDo 出力はインアクティブ状態ではHi-Zとなります TDiは内部プルアップ抵抗の内蔵が推奨されていますが ボード上のノイズ等を考慮すると TDi の入力信号にはオンボードのプルアップ抵抗を接続するほうがよいと思われます 3.3 特殊な接続例 JTAGポートを用いたデバッガをもつCPUや JTAGポートからプログラミングを行うPLDなどで シリアル接続に対応していない場合あります このような場合は TMS 信号を分けることで 異なるスキャンチェインを構成します 9

第 3 章バウンダリスキャン周辺回路 R TDI TDo TMS TMS TCK JTAG デバッガ機能付き CPU R TDI TDo TMS2 TMS TCK JTAG プログラミング FPGA R R R R TDI TDI TDo TDI TDo TDI TDo TDo TMS3 TMS TCK TMS TCK TMS TCK R TCK 図 3.3- 特殊な接続例

第 4 章 TAP コントローラ 第 4 章 TAP コントローラ

第 4 章 TAP コントローラ 4.TAP コントローラ 4. TAP コントローラ概要 TAPコントローラはTCKとTMS 信号の組み合わせで変化するステートマシンを持っています このステートマシンの状態遷移の中で データの入出力や インストラクションの入力 / 実行を制御します TDI R Test Data Register S E L TDo Instruction Register R R TMS TCK *TRST TAP Controller 図 4.- TAP コントローラの構成 4.2 TAPコントローラの状態遷移 TAPコントローラはTCKとTMS 信号からなるシーケンス回路で バウンダリスキャンデバイス内の全てのコントロールを行ないます その動作は以下のシーケンスマップで表現されます TMS 信号はTCKの立ち上がりエッジで取り込まれ その時のレベル( or ) でシーケンスが遷移します 又実行はTCKの立ち下がりエッジ又は立ち上がりエッジで変化します 2

第 4 章 TAP コントローラ TEST_LOGIC RESET RUN_TEST / ID L E SELECT_DR SCAN SELECT_IR SCAN CAPTURE_DR CAPTURE_IR SHIFT_DR SHIFT_IR EXIT_DR EXIT_IR PAUSE_DR PAUSE_IR EXIT2_DR EXIT2_IR UPDATE_DR UPDATE_IR 図 4.2- TAP コントローラの状態遷移 () Test Logic Reset Test Logic Reset はバウンダリスキャンステートのリセットステートです このステートでは チップのシステムロジックに対して影響を与えません 電源投入時やTRST 信号に L を入力することで このステートに遷移します 又 TMS 信号に H レベルを5CLK 間保つことで どのシーケンスステートから Test Logic Reset ステートに移るようになっています もし TCK 信号の立ち上がり時に ノイズ等の理由で TMS 信号に L レベルが入力され Test Logic Reset ステートから Run-Test/Idle に状態が遷移したとしても TMS 信号に H レベルが入力されれば TCK 信号の 3CLKで Test Logic Reset ステートに遷移します 又この状態遷移における Run-Test/Idle Select- DR-Scan Select-IR-Scan のステートではバウンダリスキャンテスト回路は有効にならず システムロジックには影響を与えません 3

第 4 章 TAP コントローラ (2) Run-Test/Idle Run-Test/Idle は試験の実行 または Test Logic Reset からの通過 (Idle) ステートです L レベルを保つことで無限にこのステートにとどまることができます ある特定のインストラクションが選択されているとき Run- Test/Idle ステートでバウンダリスキャンテスト回路が有効になります 例えば インストラクションレジスタにRUN BIST がセットされている場合 Run-Test/Idle ステートでチップの自己診断テストを行います (3)Select-DR-Scan データレジスタを制御するシーケンスへの移行を選択する一時的なステートです (4) Capture-DR Capture-DR ステートではTCKの立ち上がりエッジで 入力ピンに対しては ピンの状態をバウンダリスキャンセル内のシフトレジスタ (Test Data Register) に取り込む動作を行い 出力ピンに対しては内部ロジックが出力している状態をシフトレジスタに設定する動作を行います (5) Shift-DR Shift-DR ステートを実行すると TCKの立ち上がりエッジで シフトレジスタ (Test Data Register) 内のデータのビットシフトが実行され TDiからデータが取り込まれ シフトレジスタの最後のデータがTDoから出力されます 必要な回数分このステートを繰り返すことで テストパターンデータのセットや TDoからの試験結果の出力を行います (6) Exit-DR Exit-DR は Shift-DR 終了後 Updata-DR に移行するか Pause-DR に移行するかを選択する一時的なステートです このステートでは現在のインストラクションで選択された Test Data Register のデータは変化しません (7) Pause-DR Pause-DR はテストパターンデータのシフトを一時的に停止するためのステートです このステートでは現在のインストラクションで選択された Test Data Register のデータは変化しません (8) Exit2-DR Exit2-DR は Shift-DR に戻るか Update-DR に移行するかを選択する一時的なステートです このステートでは現在のインストラクションで選択された Test Data Register のデータは変化しません (9) Update-DR Update-DR では TCKの立ち下がりエッジで シフトレジスタの値を出力ラッチにセットします ()Selct-IR-Scan インストラクションレジスタを制御するシーケンスへの移行を選択する一時的なステートです ()Capture-IR Capture-IR を実行すると TCKの立ち上がりエッジで IRステータスワード ( デバイスに定義された固定パター 4

第 4 章 TAP コントローラ ン ) がインストラクションレジスタに設定されます (2)Shift-IR Shift-IR ステートを実行すると TCKの立ち上がりエッジで インストラクションレジスタ内のデータのビットシフトが実行され TDiからデータが取り込まれ 又シフトレジスタの最後のデータがTDoから出力されます 必要な回数分このステートを繰り返すことで インストラクションデータのセットや TDoからのIRステータスワードの取り出しを行います (3)Exit-IR Exit-IR は Shift-IR 終了後 Update-IR に移行するか Pause-IR に移行するかを選択する一時的なステートです (4)Pause-IR Pause-IR はインストラクションレジスタのシフトを一時的に停止するためのステートです このステートでは現在のインストラクションレジスタのデータは変化しません (5)Exit2-IR Exit2-IR は Shift-IR に戻るか Upudate-IR に移行するかを選択する一時的なステートです (6)Upudate-IR Upudate-IR はTCKの立ち下がりエッジで シフトレジスタの値をインストラクションレジスタにセットします インストラクションレジスタにセットされたインストラクションが 以後 実行されるインストラクションとなります TAPコントローラの状態遷移におけるTDoの出力状態を表 4.2-に示します 表 4.2- TDo の出力状態 状態 Test-Logic-Reset Run-Test/Idle Select-DR-Scan Select-IR-Scan Capture-IR Shift-IR Exit-IR Pause-IR Exit2-IR Update-IR Caputure-DR Shift-DR Exit-DR Pause-DR Exit2-DR Update-DR TDoから出力されるデータ Hi-Z Instructionデータ Hi-Z Test データ Hi-Z 5

第 4 章 TAP コントローラ 4.3 TAP コントローラの初期化 Std 49. ではTAPコントローラの初期化を行うために Power On Reset 回路の実装が要求されています 又非同期リセット信号として *TRST 信号の実装も可能です *TRST 信号はシステムロジックのリセット入力信号とは独立していなければなりません リセット回路のブロック図を以下に示します System Reset (Active Low) R Power On Reset 回路 [ ] & System Logic リセット入力 System Reset (Active Low) R & TAP Controller リセット入力 図 4.3- TAP コントローラのリセット回路 6

第 5 章インストラクションレジスタ 第 5 章 インストラクションレジスタ 7

第 5 章インストラクションレジスタ 5. インストラクションレジスタ 5. インスラクションレジスタの構成 インストラクションレジスタはバウンダリスキャンテストを実行するためのテストパターンの取り込みやテストの実行を指示するための命令コード ( インストラクション ) をセットするためのレジスタです インスラクションレジスタはTDIとTDOの間にあるシフトレジスタとそのデータを保持するレジスタから構成されます レジスタ長は最低 2ビットの大きさをもたなければなりません インスラクションレジスタ内のシフトレジスタは Test-Logic-Reset ステートで IDCODE の値 (IDCODEを持たない場合は BYPASS 命令 ) に初期化されます Update IR Instruction Register Test-Logic-Reset で初期化 IDCODE or BYPASS 図 5.- インスラクションレジスタの初期化 インスラクションレジスタ内のシフトレジスタは Capture-IR ステートで初期化されます その初期値はLSBの2ビット ( つまりTDO 側の2ビット ) が のパターンでなければなりません 他のビットは チップデザインで定義されます その値はBSDLファイルの INSTRUCTION_CAPTURE 属性で定義されます Update IR Instruction Register TDi IR Clock Shift Register TDo Capture-IR で初期化 INSTRUCTION_CAPTURE コード 図 5.-2 インスラクションレジスタの構成 TDIとTDOの間にあるシフトレジスタはTCKの立ち上がりエッジでシフトされます TDIから入力された全てのインストラクションデータのシフト動作後 Upudate-IR ステートの立ち下がりエッジでインスラクションレジスタにラッチされます 8

第 5 章インストラクションレジスタ 表 5.- インストラクションレジスタの状態 TAPコントローラの状態 シフトレジスタの値 インストラクションレジスタの値 Test-Logic-Reset 未定義 IDCODE ( 又はBYPASS 命令 ) Capture-IR LSBに 残りのビットはチッ 前の状態を保持 プデザインで定義された値をラッチ Shift-IR TDo 方向へのシフト動作 前の状態を保持 Exit-IR 前の状態を保持 前の状態を保持 Exit2-IR Pause-IR Update-IR 前の状態を保持 シフトレジスタの値をラッチ その他の状態 未定義 前の状態を保持 5.2 TAP コントローラのインストラクション インストラクションレジスタにセットされたインストラクションによって TAPコントローラはテストパターンデータの取り込みやテストの実行指示を行います TAPコントローラのインストラクションにはユーザーによって使用される Public I nstruction とデバイスベンダが使用する Private Instruction があります Public 命令はユーザーによって使用されるインストラクションで IEEE 49.でその動作が定義されています Public Instruction は BYPASS, SAMPLE, PRELOAD, EXTEST が定義されています 又オプションとして IDCODE, USERCODE, INTEST, RUNBIST が実装可能です 表 5.2- インストラクション Public/ Private Instruction バイナリコード 備考 Public BYPASS SAMPLE PRELOAD 必須 EXTEST IN TEST RUNBIST ベンダより提供 (CLAMP) ID COD E オプション USERCODE (HIGHZ) Private - - メーカー独自 Private 命令はデバイスベンダが 設計回路のテストや 製造試験のために使用する独自のインストラクションです その使用方法を公開する必要はなく 一般にユーザーが使用することはありません 9

第 5 章インストラクションレジスタ 5.3 Bypass Instruction Bypass 命令は Shift-DR ステートにおける動作で Bypass Register を選択します Bypass Register は TDi と TDo の間にある ビットのシフトレジスタです このレジスタを使用することにより バウンダリスキャンレジスタを通ることなく TDi から入力されたデータは 最短時間で TDo に出力されます Bypass インストラクションは Shift-DR ステートにおけるテストパターンデータを TDi から TDo にバイパスします インストラクションコードのオール の値が Bypass 命令のオペコードに予約されています 又オール の値とは別に オール 以外の値をとる事も許されていますが オール のコードは必ずBypass 命令に割り当てられなければなりません Bypass 命令が指定されている時 デバイスのシステムロジックの動作には影響を与えません 2

第 5 章インストラクションレジスタ 5.4 Sample Instruction Sample 命令を実行することで システムロジックに影響を与えることなく デバイスの入出力をモニタすることができます インストラクションレジスタにSample 命令が選択されると Update-DR ステートの TCK の立ち下がりエッジで 入 / 出力ピンの状態がバウンダリスキャンレジスタにラッチされます Sample 命令が指定されている時 デバイスのシステムロジックの動作には影響を与えません 図 5.4- にバウンダリスキャンレジスタと入 / 出力ピンの接続図を示します 入力ピン ( 次のバウンダリスキャンセルへ ) Shift Scan Out バウンダリスキャンセル SEL2 ( 次のバウンダリスキャンセルへ ) Shift Scan Out バウンダリスキャンセル SEL2 出力ピン SEL FF FF2 内部論理回路 SEL FF FF2 Shift_DR Mode Shift_DR Mode ClockDR (Capture & Shift) UpdateDR ClockDR (Capture & Shift) UpdateDR Shift ( 前のバウンダリスキャンセルから ) Scan In Shift ( 前のバウンダリスキャンセルから ) Scan In 図 5.4- Sample 命令の動作 Sample 命令が選択されると 入力ピンに接続されたバウンダリスキャンセルでは SELが入力ピンからの信号を選択し FF にラッチする準備を行います そして Capture-DR ステートのTCKの立ち上がりエッジで入力信号が シフトレジスタを構成するFFにラッチされ Update-DR ステートの TCK の立ち下がりエッジでFF2にラッチされます 出力信号に接続されたバウンダリスキャンセルでは 内部論理回路の出力 (= 出力ピンに出力しようとしている ) 値が同様にシフトレジスタを構成するFFとFF2にラッチされます Sample 命令はデバイスに対して必須命令で そのバイナリコードはデバイスベンダから提供されます Sample 命令での動作は外部からの信号が 内部のシフトレジスタにラッチされるだけで シフトレジスタのデータを TDo ピンから取り出すことはできません この動作を実現するのが Preload 命令です Preload 命令はS ELを切り換えてShift Scan Inの信号を選択することにより TDI からTDOに連なるシフトレジスタを構成します これらのことから Sample 命令は Preload 命令と同一コマンド (Sample/Preload 命令 ) で動作することが推奨されており 一般的に そのバイナリコードは同じ値が使用されています 2

第 5 章インストラクションレジスタ 5.5 Preload Instruction Preload 命令は TDI と TDO の間でバウンダリスキャンレジスタ間を結ぶのシフトレジスタを構成します インストラクションレジスタにPreload 命令が選択されると Capture-DR ステートのTCKの立ち上がりエッジで データノシフト動作を行います 最初のバウンダリスキャンレジスタはTDIピンからの信号がラッチされ 最後のバウンダリスキャンレジスタのデータはTDOピンから出力されます Preload 命令はシステムロジックに影響を与えることはありません 図 5.5- にバウンダリスキャンレジスタと入 / 出力ピンの接続図を示します 入力ピン ( 次のバウンダリスキャンセルへ ) Shift Scan Out バウンダリスキャンセル SEL2 ( 次のバウンダリスキャンセルへ ) Shift Scan Out バウンダリスキャンセル SEL2 出力ピン SEL FF FF2 内部論理回路 SEL FF FF2 Shift_DR Mode Shift_DR Mode ClockDR (Capture & Shift) UpdateDR ClockDR (Capture & Shift) UpdateDR Shift ( 前のバウンダリスキャンセルから ) Scan In Shift ( 前のバウンダリスキャンセルから ) Scan In 図 5.5- Preload 命令の動作 Preload 命令が選択されると セレクタ (SEL) は隣のバウンダリスキャンセルからの信号を選択し Capture-DR ステートのTCKの立ち上がりエッジでシフトレジタのシフト動作を行い Update-DR ステートの TCK の立ち下がりエッジでFF2にラッチされます Preload 命令は Extest 命令の為のテストパターンデータをバウンダリスキャンレジスタに設定する場合に使用されます Preload 命令によってテストパターンデータをバウンダリスキャンレジスタに設定した後 Extest 命令を実行すると バウンダリスキャンレジスタに設定した値が出力ピンから出力されます Sample 命令はデバイスに対して必須命令で そのバイナリコードはデバイスベンダから提供されます Preload 命令はSample 命令と組み合わせて動作します Sample 命令の動作に関しては 5.4 Sample In struction を参照してください 22

第 5 章インストラクションレジスタ 5.6 Extest Instruction Extest 命令はデバイスが搭載されるボードレベルの試験を行うための命令です Extest 命令を実行することで バウンダリスキャンレジスタにセットされたデータがデバイスの出力ピンに出力され 入力ピンの状態がバウンダリスキャンンセル内のシフトレジスタにセットされます 入力ピン バウンダリスキャンセル ( 次のバウンダリスキャンセルへ ) Shift Scan Out SEL2 ( 次のバウンダリスキャンセルへ ) Shift EXTESTの Scan Out 実行で選択バウンダリスキャンセル SEL2 出力ピン SEL FF FF2 内部論理回路 SEL FF FF2 Shift_DR Mode Shift_DR Mode ClockDR (Capture & Shift) UpdateDR 入力データの取り込み ClockDR (Capture & Shift) UpdateDR Shift ( 前のバウンダリスキャンセルから ) Scan In Shift ( 前のバウンダリスキャンセルから ) Scan In 図 5.6- Extest 命令の動作 (Capture-DR ステート ) 入力ピン バウンダリスキャンセル ( 次のバウンダリスキャンセルへ ) Shift Scan Out SEL2 ( 次のバウンダリスキャンセルへ ) Shift EXTESTの Scan Out 実行で選択バウンダリスキャンセル SEL2 出力ピン SEL FF FF2 内部論理回路 SEL FF FF2 Shift_DR Mode Shift_DR Mode ClockDR (Capture & Shift) UpdateDR Shift ( 前のバウンダリスキャンセルから ) Scan In シフトレジスタを構成 ClockDR (Capture & Shift) UpdateDR Shift ( 前のバウンダリスキャンセルから ) Scan In 図 5.6-2 Extest 命令の動作 (Shift-DR ステート ) 23

第 5 章インストラクションレジスタ 入力ピン ( 次のバウンダリスキャンセルへ ) Shift Scan Out バウンダリスキャンセル SEL2 ( 次のバウンダリスキャンセルへ ) Shift EXTESTの Scan Out 実行で選択バウンダリスキャンセル SEL2 出力ピン SEL FF FF2 内部論理回路 SEL FF FF2 Shift_DR Mode Shift_DR Mode ClockDR (Capture & Shift) UpdateDR ClockDR (Capture & Shift) UpdateDR シフトレジスタデータの取り込み Shift ( 前のバウンダリスキャンセルから ) Scan In Shift ( 前のバウンダリスキャンセルから ) Scan In 図 5.6-3 Extest 命令の動作 (Update-DR ステート ) Extest 命令が選択されると セレクタ (SEL2) はバウンダリスキャンレジスタ (FF2) の出力を選択し バウンダリスキャンレジスタ (FF2) に保持されている値を出力ピンから出力します 又 Capture-DR ステートのTCKの立ち上がりエッジでシフトレジタ (FF) に入力信号の状態がラッチされ Shift-DR ステートでシフト動作を行うことで 入力ピンの状態を取り出すことができます 又 Update-DR ステートの TCK の立ち下がりエッジでシフトレジタ (FF) の状態がバウンダリスキャンレジスタ (FF2) にラッチされます これらのExtest 命令の動作から ボードテスト時の最初の Extest 命令の実行の前には (Sample/)Preload 命令を実行して バウンダリスキャンレジスタにデータをセットしなければならないことがわかります Extest 命令をセットするとセレクタ (SEL2) がバウンダリスキャンレジスタ (FF2) の出力を選択し バウンダリスキャンレジスタ (FF2) に保持されている値を出力ピンから出力するからです 一般的なボード試験の流れは以下のようになります.(Sample/)Preload 命令をインストラクションレジスタにセット 2. 試験パターンをTDIから入力しバウンダリスキャンレジスタにセット 3.Extest 命令を実行 ( 出力ピンから試験パターンが出力される ) 4.Sample/Preload 命令をインストラクションレジスタにセット 5.TDOからバウンダリスキャンレジスタのデータを取り出す 6. 取り出したデータを解析 Extest 命令はデバイスに対して必須命令で そのバイナリコードはデバイスベンダから提供されます 注意 :Extest 命令を実行すると デバイスの内部論理回路の正常性は保証されません Extest 命令を実行した後に 内部論理回路を動作させる場合 システムリセットが必要となる場合があります 24

第 5 章インストラクションレジスタ 5.7 Intest Instruction Intest 命令 ( オプション ) はデバイス内部回路の試験を実現します 試験パターンはTDIからシリアル入力されバウンダリスキャンレジスタにセットされたデータを使用します このためIntest 命令による試験はスタティック試験に限られます ( ダイナッミックな試験はできません ) また入力されるシステムクロックに対してCLK 毎に動作確認を行うため デバイスのシングルステップ動作が可能であることが必要となります 入力ピン ( 次のバウンダリスキャンセルへ ) Shift Scan Out INTESTの実行で選択バウンダリスキャンセル SEL2 バウンダリスキャンセル 内部論理回路出力の取り込み ( 次のバウンダリスキャンセルへ ) Shift Scan Out SEL2 出力ピン SEL FF FF2 内部論理回路 SEL FF FF2 Shift_DR Mode Shift_DR Mode ClockDR (Capture & Shift) UpdateDR ClockDR (Capture & Shift) UpdateDR Shift ( 前のバウンダリスキャンセルから ) Scan In Shift ( 前のバウンダリスキャンセルから ) Scan In 図 5.7- Intest 命令の動作 (Capture-DR ステート ) 入力ピン ( 次のバウンダリスキャンセルへ ) Shift INTES Tの Scan Out 実行で選択バウンダリスキャンセル SEL2 バウンダリスキャンセル ( 次のバウンダリスキャンセルへ ) Shift Scan Out SEL2 出力ピン SEL FF FF2 内部論理回路 SEL FF FF2 Shift_DR Mode Shift_DR Mode ClockDR (Capture & Shift) UpdateDR ClockDR (Capture & Shift) UpdateDR シフトレジスタを構成 Shift ( 前のバウンダリスキャンセルから ) Scan In Shift ( 前のバウンダリスキャンセルから ) Scan In 図 5.7-2 Intest 命令の動作 (Shift-DR ステート ) 25

第 5 章インストラクションレジスタ 入力ピン バウンダリスキャンセル ( 次のバウンダリスキャンセルへ ) Shift INTES Tの Scan Out 実行で選択 SEL2 バウンダリスキャンセル ( 次のバウンダリスキャンセルへ ) Shift Scan Out SEL2 出力ピン SEL FF FF2 内部論理回路 SEL FF FF2 Shift_DR Mode Shift_DR Mode ClockDR (Capture & Shift) UpdateDR シフトレジスタデータの取り込み ClockDR (Capture & Shift) UpdateDR Shift ( 前のバウンダリスキャンセルから ) Scan In Shift ( 前のバウンダリスキャンセルから ) Scan In 図 5.7-3 Intest 命令の動作 (Update-DR ステート ) Intest 命令が選択されると セレクタ (SEL2) はバウンダリスキャンレジスタ (FF2) の出力を選択し バウンダリスキャンレジスタ (FF2) に保持されている値を内部論理回路に出力します 又 Capture-DR ステートのTCKの立ち上がりエッジでシフトレジタ (FF) に内部論理回路出力の状態がラッチされ Shift-DR ステートでシフト動作を行うことで 入力ピンの状態を取り出すことができます 又 Update-DR ステートの TCK の立ち下がりエッジでシフトレジタ ( FF) の状態がバウンダリスキャンレジスタ (FF2) にラッチされます Intest 命令はオプション命令で そのバイナリコードはデバイスベンダから提供されます 注意 : Intest 命令を実行すると デバイスの内部論理回路の正常性は保証されません Intest 命令を実行した後に 内部論理回路を動作させる場合 システムリセットが必要となる場合があります 5.8 Runbist Instruction Runbist 命令 ( オプション ) はデバイスに組み込まれた自己診断テスト (BIST:Built In Self Test) を実行します 自己診断テストではIntest 命令よる試験と違って シングルステップ動作や 複雑なパターンの設定は必要ありません Runbist 命令の実行シーケンスは以下のようになります. 自己診断テスト実行前にバウンダリスキャンレジスタに設定すべきデータがある場合は (Sample/)Preload 命令を用いて 必要なデータをセットします 2.(Sample/)Preload 命令をインストラクションレジスタにセット 26

第 5 章インストラクションレジスタ 3.TAPコントローラの状態遷移を Run-Test/Idle 状態にすることで デバイスに組み込まれた自己診断テストが実行されます 4. デバイスに定義されている継続時間が経過した後 Shift-DR ステートでシフト動作を行うことで TDOから自己診断テストの結果を取り出す ( 継続時間及び診断結果はBSDLファイルの RUNBIST_EXECUTION 属性で定義されます ) 自己診断テストに必要なCLKには システムCLKが使用される構成と TCK 信号が用いられる構成があります システムCLKが使用される場合は外部ピンが直接内部論理回路に入力されます この場合 Run-Test/Idle 状態でT CK を入力する必要はありません 自己診断テストのCLKにTCK 信号が使用される場合 Run-Test/Idle を保持するように TCK を入力する必要があります 自己診断テスト中 デバイスからの出力ピンの状態は 2つの方法が定義されています ) 出力ピンには バウンダリスキャンレジスタの値が出力される 2) 出力ピンは ディスエーブル状態 (Hi-Z) とする 出力ピンの状態をどちらにするかは BSDLファイルの RUNBIST_EXECUTION 属性で定義されます Runbist 命令はオプション命令で そのバイナリコードはデバイスベンダから提供されます 注意 : Runbist 命令を実行すると デバイスの内部論理回路の正常性は保証されません Runbist 命令を実行した後に 内部論理回路を動作させる場合 システムリセットが必要となる場合があります 5.9 Clamp Instruction Clamp 命令 行います は Preload 命令によって設定されたバウンダリスキャンレジスタの値を出力し かつバイパス動作を 通常 バウンダリスキャン試験において 試験対象外のデバイスはバイパス動作にして 試験パターンの削減を図ります しかし バイパス動作対象のデバイスに対して外部ピンを特定のレベルに固定設定しなければならない場合があります このような場合 Preload 命令で出力するデータをバウンダリスキャンレジスタに設定し,Extest 命令を実行しなければなりません (Bypass 命令は デバイスのシステムロジックの動作及びその入出力には影響を与えない為 ) しかし この方法では Preload 命令によるテストパターンは膨大な大きさになる可能性があります このような場合 Clamp 命令 ( オプション ) が適しています Clamp 命令は Preload 命令によって設定されたバウンダリスキャンレジスタの値を出力し かつバイパスレジスタを選択することで バイパス動作を行います Clamp 命令の実行は以下のようになります.(Sample/)Preload 命令をインストラクションレジスタにセット 2. デバイスからの出力パターンをTDIから入力しバウンダリスキャンレジスタにセット 3.Clamp 命令を実行 ( 出力ピンから出力パターンが出力され かつバイパス動作になる ) Clamp 命令はオプション命令で そのバイナリコードはデバイスベンダから提供されます 27

第 5 章インストラクションレジスタ 注意 : Clamp 命令を実行すると デバイスの内部論理回路の正常性は保証されません Clamp 命令を実行した後 に 内部論理回路を動作させる場合 システムリセットが必要となる場合があります 5. IDCODE Instruction IDCODE 命令は デバイスの IDCODE の読み取りを行います IDCODE 命令が設定されると Capture-DR ステートのTCKの立ち上がりエッジでデバイスのIDCODEが IDC ODEレジスタにロードされ Shift-DR ステートでシフト動作を行うことで IDCODEレジスタの状態を取り出すことができます IDCODE 命令が指定されている時 デバイスのシステムロジックの動作には影響を与えません Test Logic Reset 状態でIDCODE 命令がインストラクションレジスタに設定されます Test Logic Reset ステートに続く Shift-DR ステートでシフト動作を行うことで IDCODEを読み出すことができます IDCODE 命令はオプション命令で そのバイナリコードはデバイスベンダから提供されます 5. UserCode Instruction UserCode 命令はデバイスメーカー独自の32ビット- 識別コードの読み取りを行います UserCode 命令が設定されると Capture-DR ステートのTCKの立ち上がりエッジでデバイスの UserCode が UserCode レジスタにロードされ Shift-DR ステートでシフト動作を行うことで UserCode レジスタの状態を取り出すことができます UserCODE 命令が指定されている時 デバイスのシステムロジックの動作には影響を与えません UserCode 命令はオプション命令で そのバイナリコードはデバイスベンダから提供されます 5.2 HIGHZ Instruction HIGHZ 命令は 内部論理回路からの全ての出力をディスエーブル状態にします HIGHZ 命令が実行されると 3ステート出力は Hi-Z 状態になります 2ステート出力は ドライブ状態のままですが インアクティブ状態をもつ出力 ( 例えばオープンコレクタ出力等 ) は インアクティブ状態になります HIGHZ 命令はオプション命令で そのバイナリコードはデバイスベンダから提供されます 注意 : Clamp 命令を実行すると デバイスの内部論理回路の正常性は保証されません Clamp 命令を実行した後に 内部論理回路を動作させる場合 システムリセットが必要となる場合があります 28

第 6 章 Test Data レジスタ 第 6 章 Test Data レジスタ 29

第 6 章 Test Data レジスタ 6.Test Data レジスタ 6. Test Data レジスタの構成 命令コードを格納するインストラクションレジスタに対して 命令コードから制御されるレジスタの総称を Test Data レジスタと呼んでいます Test Data レジスタに必須のレジスタとして バイパスレジスタとバウンダリスキャンレジスタが定義されており オプションとしてデバイスIDレジスタとデザイン定義レジスタがあります バウンダリスキャンレジスタ デバイス ID ンレジスタ SEL デザイン定義レジスタ - From TDi To TDo デザイン定義レジスタ -N バイパスレジスタ Clock 図 6.- Test Data レジスタ構成図 3

第 6 章 Test Data レジスタ 6.2 バウンダリスキャンレジスタ バウンダリスキャンレジスタは外部ピンと内部論理回路との間に配置され その動作はTAPコントローラによって制御されます 又それぞれのバウンダリスキャンレジスタはシリアルに接続され シフトレスタを構成しています TAPコントローラの制御のもとで TDiから入力されたデータをバウンダリスキャンレジスタ取り込んだり バウンダリスキャンレジスタのデータをTDoにシフトアウトしたりします B/S B/S B/S B/S B/S 内部論理回路 B/S B/S B/S B/S B/S TAP コントローラ B/S : バウンダリスキャンレジスタ 図 6.2- バウンダリスキャンレジスタの配置 バウンダリスキャンレジスタには それぞれの用途に対して BC_ から BC のセルタイプが定義されています 表 6.2- バウンダリスキャンレジスタのセルタイプ セルタイプ 用途 備考 BC_ 汎用的に使用可能 BC_ Ooutput, Input BC_2 Ooutput INTESTはサポートしない BC_3 Input, Internal BC_4 Input, Observe, Clock, Internal BC_5 Control 入力 BC_6 Bidirectional BC_7に置き換え BC_7 Bidirectional BC_8 Bidirectional INTESTはサポートしない BC_9 Ooutput BC_ Ooutput INTESTはサポートしない 3

第 6 章 Test Data レジスタ BC_ このセルタイプは Std49. で定義されている全ての値 (Dont Care も含めて ) をキャプチャできる仮想的なセ ルタイプです BC_ 2ステートの全てのインストラクションに対応したセルタイプです Shift Scan Out ( 次のバウンダリスキャンレジスタへ ) 入力ピン SEL 内部論理入力 SEL Flip Flop Flip Flop Mode Shift_DR ClockDR UpdateDR Shift Scan In ( 前のバウンダリスキャンレジスタから ) 図 6.2-2 BC_ 入力セル構成 Shift Scan Out ( 次のバウンダリスキャンレジスタへ ) 内部論理出力 SEL 出力ピン SEL Flip Flop Flip Flop Mode Shift_DR ClockDR UpdateDR Shift Scan In ( 前のバウンダリスキャンレジスタから ) 図 6.2-3 BC_ 出力セル構成 32

第 6 章 Test Data レジスタ BC_2 SAMPLE, PRELOAD, EXTEST, RUNBIST に対応したセルタイプです このタイプは INTEST に対応 していません Shift Scan Out ( 次のバウンダリスキャンレジスタへ ) 入力ピン SEL 内部論理入力 Mode SEL Flip Flop Flip Flop Shift_DR ClockDR UpdateDR Shift Scan In ( 前のバウンダリスキャンレジスタから ) 図 6.2-4 BC_2 入力セル構成 Shift Scan Out ( 次のバウンダリスキャンレジスタへ ) 内部論理出力 SEL 出力ピン Mode SEL Flip Flop Flip Flop Shift_DR ClockDR UpdateDR Shift Scan In ( 前のバウンダリスキャンレジスタから ) 図 6.2-5 BC_2 出力セル構成 33

第 6 章 Test Data レジスタ BC_3 入力ピンと内部モニタに使用されるセルタイプです Shift Scan Out ( 次のバウンダリスキャンレジスタへ ) 入力ピン SEL 内部論理入力 SEL Flip Flop Mode Shift_DR ClockDR Shift Scan In 前のバウンダリスキャンレジスタから ) 図 6.2-6 BC_3 入力セル構成 BC_4 内部モニタに使用されるセルタイプです Shift Scan Out ( 次のバウンダリスキャンレジスタへ ) 外部入力 内部論理入力 SEL Flip Flop Shift_DR ClockDR Shift Scan In ( 前のバウンダリスキャンレジスタから ) 図 6.2-7 BC_4 入力セル構成 34

第 6 章 Test Data レジスタ BC_5 出力ピンを制御するための入力ピンに使用されるセルタイプです Boundary Scan Cell (Ex:BC_6) 出力 Pin Shift Scan Out ( 次のバウンダリスキャンレジスタへ ) Output Enable PIn SEL SEL SEL Flip Flop Flip Flop Mode *Intest Shift_DR ClockDR UpdateDR ShiftScan In ( 前のバウンダリスキャンレジスタから ) 図 6.2-8 BC_5 入力セル構成 BC_6 双方向ピンの為のセルタイプです Std49.-2ではBC_7の使用を推奨しています Shift Scan Out ( 次のバウンダリスキャンレジスタへ ) 内部論理出力 SEL Boundary Scan Cell (Ex:BC_5) 入出力 Pin Mode SEL SEL Flip Flop Flip Flop SEL Mode2 Mode3 内部論理入力 & Mode4 Shift_DR ClockDR UpdateDR Shift Scan In ( 前のバウンダリスキャンレジスタから ) 図 6.2-9 BC_6 入力セル構成 35

第 6 章 Test Data レジスタ BC_7 双方向ピンの為のセルタイプです Shift Scan Out ( 次のバウンダリスキャンレジスタへ ) 内部論理出力 SEL Boundary Scan Cell 入出力 Pin Mode SEL SEL Flip Flop Flip Flop SEL Mode2 Mode3 内部論理入力 Shift_DR ClockDR UpdateDR Shift Scan In ( 前のバウンダリスキャンレジスタから ) 図 6.2- BC_7 入力セル構成 BC_8 INTESTをサポートしない 双方向ピンの為のセルタイプです Shift Scan Out ( 次のバウンダリスキャンレジスタへ ) 内部論理出力 SEL Boundary Scan Cell (Ex:BC_2) 入出力ピン Mode SEL Flip Flop Flip Flop 内部論理入力 Shift_DR ClockDR UpdateDR Shift Scan In ( 前のバウンダリスキャンレジスタから ) 図 6.2- BC_8 入出力セル構成 このタイプは Std49.-2 版で Standard VHDL Package に追加されました 36

第 6 章 Test Data レジスタ BC_9 INTESTとSAMPLE 命令時 内部論理からの出力またはEXTESTの出力信号をモニタするセルフモニタ出力のセルタイプです このタイプはStd49.-2 版で Standard VHDL Package に追加されました Shift Scan Out ( 次のバウンダリスキャンレジスタへ ) 内部論理出力 SEL 出力 Pin SEL SEL Flip Flop Flip Flop Mode2 Mode Shift_DR ClockDR UpdateDR Shift Scan In ( 前のバウンダリスキャンレジスタから ) 図 6.2-2 BC_9 出力セル構成 BC_ INTEST 命令をサポートしない出力信号をモニタするセルフモニタ出力のセルタイプです このタイプはStd49. -2 版で Standard VHDL Package に追加されました Shift Scan Out ( 次のバウンダリスキャンレジスタへ ) 内部論理出力 SEL 出力 Pin Mode SEL Flip Flop Flip Flop Shift_DR ClockDR UpdateDR Shift Scan In ( 前のバウンダリスキャンレジスタから ) 図 6.2-3 BC_ 出力セル構成 37

第 6 章 Test Data レジスタ 6.3 デバイス ID レジスタ デバイスIDレジスタは デバイスメーカーによって組み込まれたデバイスの情報 ( デバイスID) を保持しています デバイスIDは Version 情報 Part Number, Manufacture IDから構成されます デバイスIDレジスタは IDCOD E 命令が選択されたとき Capture-DRステートの立ち上がりエッジでTDoから出力されます MSB 3 28 27 2 Version Part Number Manufacture Identify (4 Bit) (6 Bit) ( Bit) LSB 固定 図 6.3- デバイス ID レジスタのビットマップ インスラクションレジスタは Test-Logic-Reset ステートで IDCODE 命令 (IDCODEを持たない場合は BYP ASS 命令 ) に初期化されます IDCODE 命令が設定された場合 Test-Logic-Reset ステートに続く Shfit-DR ステートで TDoからは IDCODEの LSB( ) が出力され BYPASS 命令が設定された場合 が出力されます この動作は, ターゲットボードに搭載されているデバイスが IDCODE を持つかどうかの自動判定に使用されます デバイスIDレジスタのアクセスは デバイス内部論理の動作には影響を与えません 6.4 デザイン定義レジスタ デザイン定義レジスタは デバイスメーカーによるデバイス特有の試験 ( 自己診断テストやスキャンパス試験等 ) をサポートするために実装されます これらのレジスタはパブリックとして定義される必要はありません 6.5 Bypassレジスタ Bypassレジスタは テストパターンデータのシフト動作をバイパスする為のレジスタで TDi と TDo 間にビットのレジスタで構成されます インスタラクションレジスタに Bypass 命令がセットされると バイパスレジスタは Captur e-drステートの立ち上がりエッジで にリセットされます インスラクションレジスタは Test-Logic-Reset ステートで IDCODE 命令 (IDCODEを持たない場合は BYP ASS 命令 ) に初期化されます IDCODE 命令が設定された場合 Test-Logic-Reset ステートに続く Shfit-DR ステートで TDoからは IDCODEの LSB( ) が出力され BYPASS 命令が設定された場合 が出力されます この動作は, ターゲットボードに搭載されているデバイスが IDCODE を持つかどうかの自動判定に使用されます デバイス ID レジスタのアクセスは デバイスのシステムロジックの動作には影響を与えません 38

第 7 章バウンダリスキャン試験詳細 第 7 章 バウンダリスキャン試験詳細 39

第 7 章バウンダリスキャン試験詳細 7. バウンダリスキャン試験詳細 7. バウンダリスキャン試験例 バウンダリスキャン試験の詳細を説明するにあたって 例として以下の回路を用いた試験を考えます TMS TCK SN74BCT8244a-JT SN74BCT8374a-JT TDi G 2G 2 TMS 3 TCK 4 TDi TDo xoe 24 xoe2 2 TMS 3 TCK 4 TDi TDo CLK 24 xoe TDo A A2 A3 A4 2 3 4 5 A A2 A3 A4 Y Y2 Y3 Y4 23 22 2 2 23 22 2 2 D D2 D3 D4 Q Q2 Q3 Q4 2 3 4 5 Q 2Q 3Q 4Q 2A 2A2 2A3 2A4 7 8 9 A2 A22 A23 A24 Y2 Y22 Y23 Y24 9 7 6 5 9 7 6 5 D5 D6 D7 D8 Q5 Q6 Q7 Q8 7 8 9 5Q 6Q 7Q 8Q CLK OEN 図 7.- バウンダリスキャン試験回路例 上記の回路におけるバウンダリスキャンレジスタのセルのつながりは SN74BCT8244とSN74BCT8374のBSD Lファイル定義より以下の図のようになります SN74BCT8244 SN74BCT8374 A23 A24 D7 D8 A22 Y D6 Q A2 Y2 D5 Q2 A4 Y3 D4 Q3 A3 Y4 D3 Q4 A2 Y2 D2 Q5 A Y22 D Q6 xoe2 Y23 xoe Q7 xoe Y24 CLK Q8 TDi TDo 図 7.-2 バウンダリスキャンレジスタ接続図 4

un/idle第 7 章バウンダリスキャン試験詳細 7.2 インフラ試験 インフラ試験は試験を行なうための制御信号 (TCK,TMS,TDi,TDo) の正常性を確認するための試験です インフラ試験はインストラクションキャプチャワードをチェックすることで行います インストラクションキャプチャワードとは TA Pコントローラに対して CAPTURE_IR を実行時に インストラクションレジスタに設定されるデバイスに特有な値 ( 下位 2ビットが 他のビットは各デバイスで異なる ) のことで その値はBSDLファイルに定義されています インフラ試験のタイミングチャートを以下に示します TCK H H H H H H TMS RS CSSSSSSSSSSSSSSSSE RSUTueeahhhhhhhhhhhhhhhhxpenllpiiidstiiiiiiiiiiiiiitatTeeccuffffffffffffffffttttttttttTettrtttttttIeeLseRsotDIIIIIIIIIIIIIIIIIItg/RRIRRRRRRRRRRRRRRRRRiIRcdSSRlccaeeannsetSample/Preload TDiからのデータ入力データ入力の最後 TDi は2 個目の Shift_IR のビットは Exit_IR から入力する に重なる TDo H L L L L L L H H L L L L L L H 8374 の Instraction_Capture Code 8244 の Instraction_Capture Code 図 7.2- インフラ試験タイミングダイアグラム Test Logic Rsetの後 図 2.3-のTAPコントローラの状態遷移図に基づいてTMSに を入力すると RU N_TEST/IDLE SELECT_DR_SCAN SELECT_IR_SCAN CAPTURE_IR へ遷移します CAPTURE_IRへ遷移した時にスキャンチェイン上の全てのバウンダリスキャンデバイスでインストラクションキャプチャワードがインストラクションレジスタにラッチされます () その後 スキャンチェインを構成するデバイスのインストラクションレジスタの合計回数 SHIFT_IRを実行することでTDoからインストラクションキャプチャワードが出力されます (2) SN74BCT8244 SN74BCT8374 内部論理 内部論理 SHIFT_IR でインストラクションキャプチャワードが出力される (2) TDi Tap Controller TDo TDi Tap Controller TDo CAPTURE_IR が実行されるとインストラクションキャプチャワードがラッチされる () Cont. Cont. TMS TCk 図 7.2-2 インフラ試験解説 4

第 7 章バウンダリスキャン試験詳細 TDoから出力されるインストラクションキャプチャワードをデバイス毎に比較することで バウンダリスキャン制御信号 (TCK,TMS.TDi,TDo) の接続不良を検出することができます スキャンチェイン上のデバイスでバウンダリスキャン制御信号に接続不良があった場合 接続不良のデバイスとTDiポートの間のデバイスのインストラクションキャプチャワードの比較は全てエラーとなります IC IC2 IC3 IC4 IC5 TDi TDi TDo TDi TDo TDi TDo TDi TDo TDi TDo TMS TCK TDo 接続不良のあるデバイス (IC3) と TDi ポート間のデバイス (IC,IC2,IC3) は全てエラーを検出する 接続不良のあるデバイス (IC3) と TDo ポート間のデバイス (IC4,IC5) は正常を検出する 図 7.2-3 インフラ試験結果解析 42

第 7 章バウンダリスキャン試験詳細 7.3 ベクタ試験ベクタ試験はバウンダリスキャンチェイン上のデバイス間のネットの正常性を試験します 試験のシーケンスは以下のようになります ()Test Logic Rset の後 インストラクションレジスタに Sample/Preload 命令のデータをセットします ( 図 3.3- (a)) これにより TDi から入力されたデータが バウンダリスキャンレジスタにシフトし終えるまで出力ピンからバウンダリスキャンレジスタのデータは出力されません (2)Shift_DR を実行して出力ピンから出力するテストデータを TDi からシリアル入力します ( 図 3.3-(b)) (3) 目的のデータをバウウンダリスキャンレジスタにセットしたら インストラクションレジスタに EXTEST 命令のデータをセットします ( 図 3.3-(c)) これにより バウウンダリスキャンレジスタにセットされた値が外部ピンに出力されます (4) 次に Capture_DR を実行し 入力ピンの状態をバウウンダリスキャンレジスタに取り込みます 更に Shift_DR を実行してバウウンダリスキャンレジスタの値をシフトさせ TDo からシリアル出力します ( 図 3.3-(d)) (5) 取り込んだ値から 出力ピンから出力した値と対応する入力ピンの値を比較し ネットの正常性を確認します 図 3.- の回路で SN74BCT8244a-JT の A4 ピンから H を出力 ( 他の出力ピンは L を出力 ) し 対応する入力ピン (SN74BCT8374a-JT の D4 ピン ) から H を検出するパターンを考えてみます TCK TMS TDi TDo TestLogicResetH H H H H H UpdateIRExitIRShiftIRShiftIRShiftIRShiftIRShiftIRShiftIRShiftIRShiftIRShiftIRShiftIRShiftIRShiftIRShiftIRShiftIRShiftIRShiftIRCaptureIRSelectIRScanSelectDRScanL H L L L L L L L H L L L L L L 8374 のインストラクションレジスタへ Sample/Preload 命令のデータセット 8244 のインストラクションレジスタへ Sample/Preload 命令のデータセット (a)sample/preload 命令の実行 43

第 7 章バウンダリスキャン試験詳細 44 TCK TMS TDi TDo UpdateDRExitDRShiftDRShiftDRShiftDRShiftDRShiftDRShiftDRShiftDRShiftDRShiftDRShiftDRShiftDRShiftDRShiftDRShiftDRShiftDRShiftDRShiftDRShiftDRShiftDRShiftDRShiftDRShiftDRShiftDRShiftDRShiftDRShiftDRShiftDRShiftDRShiftDRShiftDRShiftDRShiftDRShiftDRShiftDRShiftDRShiftDRCaptureDRSelectDRScanL L L L L L L L L L L L L L L L L L 8374 のバウンダリスキャンレジスタへのデータセット 8244 のバウンダリスキャンレジスタへのデータセット L L L L L L L L L L L L H L L L L L (Q8 Q7 Q6 Q5 Q4 Q3 Q2 Q D8 D7 D6 D5 D4 D3 D2 D xoe CLK) (Y24 Y23 Y22 Y2 Y4 Y3 Y2 Y A24 A23 A22 A2 A4 A3 A2 A xoex OE2) 8244 の出力ピン部分 (b) テストデータのセット ( 続き ) TCK TMS TDi TDo UpdateIRExitIRShiftIRShiftIRShiftIRShiftIRShiftIRShiftIRShiftIRShiftIRShiftIRShiftIRShiftIRShiftIRShiftIRShiftIRShiftIRShiftIRCaptureIRSelectIRScanSelectDRScanL L L L L L L L 8374 のインストラクションレジスタへ EXTEST 命令のデータセット 8244 のインストラクションレジスタへ EXTEST 命令のデータセット L L L L L L L L (c)extest 命令の実行 ( 続き ) (d) バウンダリスキャンレジスタデータの取り込み ( 続き ) 図 7.3- ベクタ試験タイミングダイアグラム TCK TMS TDi TDo UpdateDRExitDRShiftDRShiftDRShiftDRShiftDRShiftDRShiftDRShiftDRftDRftDRftDRftDRftDRftDRftDRftDRftDRftDRftDRftDRftDRftDRftDRftDRftDRftDRftDRftDRftDRftDRftDRftDRShiftDRShiftDRShiftDRShiftDRShiftDRCaptureDRSelectDRScanShiShiShiShiShiShiShiShiShiShiShiShiShiShiShiShiShiShiShiShiShiShiShiShi8374 の入力ピン部分 H H H H H H H H L L L L H L L L L H L L L L L L L L H H H H L H L L L L (Q8 Q7 Q6 Q5 Q4 Q3 Q2 Q D8 D7 D6 D5 D4 D3 D2 D xoe CLK)(Y24 Y23 Y22 Y2 Y4 Y3 Y2 Y A24 A23 A22 A2 A4 A3 A2 A xoe xoe2 ) 8374 のバウンダリスキャンレジスタのデータ取り込み 8244 のバウンダリスキャンレジスタのデータ取り込み

第 8 章試験パターン生成 第 8 章 試験パターン生成 45

第 8 章試験パターン生成 8. 試験パターン生成 8. 試験種別 バウンダリスキャン試験はインフラ試験とベクタ試験の2 種類の試験があります インフラ試験は試験を行なうための制御信号 (TCK,TMS,TDi,TDo) の正常性を確認する試験です インフラ試験がパスするとベクタ試験が可能となります ベクタ試験はバウンダリスキャンチェインを構成するデバイス間でのネットの試験を行なうものです () インフラ試験インフラ試験はインストラクションキャプチャワードをチェックすることで行います インストラクションキャプチャワードとは TAPコントローラに対して CAPTURE_IR を実行時に インストラクションレジスタに設定されるデバイスに特有な値 ( 下位 2ビットが 他のビットは各デバイスで異なる ) のことで その値はBSDLファイルに定義されています (2) ベクタ試験ベクタ試験はバウンダリスキャンチェインを構成するデバイス間でのネットの正常性を確認します ネットの正常性を確認するためには ネットの出力ピンから, のパターンを出力し 対応する入力ピンで出力した値をチェックすることで正常性を確認します ベクタ試験は以下の4つの試験パターンの組み合わせからエラー検出を行います (a)all L 試験被試験対象の全てのネットの全ての出力ピンから L レベルを出力し 入力ピンをモニタした結果と比較を行ないます 一つのネットに対して 複数の出力 ( 入出力 ) ピンが存在する場合 出力信号が衝突する為 バスコンフリクトによるエラーの可能性がある場合は [ ツール ]-[ オプション ] で この機能は無効にしてください L L L L L Hi-z Hi-z L 図 8.- ALL L 試験 46

第 8 章試験パターン生成 (b)all H 試験被試験対象の全てのネットの全ての出力ピンから H レベルを出力し 入力ピンをモニタした結果と比較を行ないます 一つのネットに対して 複数の出力 ( 入出力 ) ピンが存在する場合 出力信号が衝突する為 バスコンフリクトによる部品の破壊の可能性がある場合は [ ツール ]-[ オプション ] で この機能は無効にしてください H H H H H H H H 図 8.-2 ALL H 試験 (c) SET H 試験被試験対象ネット以外の出力ピンには L を出力しておき 被試験対象ネットの出力ピンから H レベルを出力 ( 複数の出力 ( 入出力 ) ピンがある場合 ネット内の他の出力ピンは L に 入出力ピンはHi-Zにセットされる ) することで 試験対象ネットの正当性を調査します L H L L L H L L 対象となるピンにだけ H を出力 図 8.-3 SET H 試験 (d)set L 試験被試験対象ネット以外の出力ピンには L を出力しておき 被試験対象ネットの出力ピンから H レベルを出力 ( 複数被試験対象ネット以外の出力ピンには H を出力しておき 被試験対象ネットの出力ピンから L レベルを 47

第 8 章試験パターン生成 出力 ( 複数の出力 ( 入出力 ) ピンがある場合 ネット内の他の出力ピンは L に 入出力ピンはHi-Zにセットされる ) することで 試験対象ネットの正当性を調査します H L H H H L H H 対象となるピンにだけ L を出力 図 8.-4 SET L 試験 48

第 8 章試験パターン生成 8.2 出力イネーブル付きピンの影響 出力イネーブル付きピン (3ステートピン) の試験を行なう場合 注意が必要です 出力イネーブル付きピン (3ステートピン ) は通常 バス接続されており その出力は出力イネーブル信号によって厳密に制御されています バウンダリスキャン試験で バスになったネットに対して複数の出力ピンから同時に値を出力した場合 バスコンフリクトが発生し ベクタ試験でエラーになる可能性があります H H バスコンフリクト L L 図 8.2- 出力イネーブル付きピンの影響 49

第 9 章エラー要因の検出 第 9 章 エラー要因の検出 5

第 9 章エラー要因の検出 9. エラー要因の検出 9. エラー要因の種類 エラーには以下のような要因が考えられます 要因 : ネットのVccへのショートネットがVccへショートしているため ネット上のレベルがVccに固定されている状態です 要因 2: ネットのGNDへのショートネットがGNDへショートしているため ネット上のレベルがGNDに固定されている状態です 要因 3: 出力ピン接続不良ネットに対する出力ピンの接続不良 ( はんだ不良によるピンの浮き等 ) です 要因 4: 入力ピン接続不良ネットに対する入力ピンの接続不良 ( はんだ不良によるピンの浮き等 ) です 要因 5: ネットの他信号へのショートはんだ不良等の要因により ネット上のどこかの位置で他のネットにショートしている状態です 要因 6: ネットの異常ネット上のどこかの位置でネットが切断されている状態です ネットパターンの切断やネットとビアの接続不良などの要因が考えられます 5

第 9 章エラー要因の検出 9.2 : 接続 : 接続の場合は出力位置から検出位置のどこでエラーがあるのか判断できないため 要因 ( 出力ピン接続不良 ) と要因 2( 入力ピン接続不良 ) の違いの判断はつきません 又入力信号が ( L 又は H に ) 固定になった場合 要因 3 及び要因 4(GND 又はVccにショートしている ) なのか 要因 ( 出力ピンの浮き等 ) によって入力信号が固定となっているのかの判断はつきません ( 入力オープン時の入力信号値の認識は条件により異なります ) Vcc (a)gnd にショート (b) Vcc にショート (c) 出力ピンの接触不良 (d) 入力ピンの接触不良 (e) 他ネットとショート (f) ネットの異常 図 9.2- : 接続エラー要因 52

第 9 章エラー要因の検出 : 接続の場合 エラー要因の判断は 以下の様になります 表 9.2- : 接続エラー要因の判断 項 試験結果 判断 図 入力値 = L 固定の場合 対象となるネットがGndに接地している (a) 出力ピンの接続不良 ( ピンの浮き ) (c) 入力ピンの接続不良 ( ピンの浮き ) (d) ネットの異常 ( パターンの切断 ビアの不良等 ) (f) 2 入力値 = H 固定の場合 対象となるネットがVccにショートしている (b) 出力ピンの接続不良 (c) 入力ピンの接続不良 (d) ネットの異常 ( パターンの切断 ビアの不良等 ) (f) 3 * 出力値 入力値 他のネットへのショート (e) *: 入力開放により発振している場合が想定されますが 可能性は低いと考えられます 53

第 9 章エラー要因の検出 9.3 :n 接続 :n 接続の場合はエラーの場所により要因 2( 入力ピン接続不良 ) が検出される場合があります :n 接続されている入力ピンの一部だけがエラーを検出し 他の入力ピンは 正常値の場合 エラーを検出した入力ピンが異常であると判断できます Vcc (a)gnd にショート (b) Vcc にショート (c) 出力ピンの接触不良 (d) 入力ピンの接触不良 54

第 9 章エラー要因の検出 (e) 他ネットとショート (f) ネットの異常 図 9.3- :n 接続エラー要因 :n 接続の場合 エラー要因の判断は 以下のようになります 項 試験結果 ( ネット内 ) 全入力ピン値 = L 固定の場合 2 全入力ピン値 = H 固定の場合 表 9.3- :n 接続のエラー要因判断 判断 対象となるネットが Gnd に接地している 出力ピンの接続不良 ( ピンの浮き ) 全入力ピンの接続不良 * ( ピンの浮き ) ネットの異常 ( パターンの切断 ビアの不良等 ) 対象となるネットが Vcc にショートしている 出力ピンの接続不良 ( ピンの浮き ) 全入力ピンの接続不良 * ( ピンの浮き ) ネットの異常 ( パターンの切断 ビアの不良等 ) 3 入力ピン値 = L 固定と L 固定となった入力ピンの接続不良 (d) 入力ピン値 L 固定が混在する場合 ネットの異常 ( パターンの切断 ビアの不良等 ) (f) 4 入力ピン値 = H 固定と H 固定となった入力ピンの接続不良 (d) 入力ピン値 H 固定が混在する場合 ネットの異常 ( パターンの切断 ビアの不良等 ) (f) 5 出力ピン値 入力ピン値の場合 他のネットへのショート (e) 図 (a) (c) (d) (f) (b) (c) (d) (f) *: 可能性はありますが 可能性は低いと考えられます *2: 出力ピンがフロートのため 各入力信号が不定状態となり入力値が一致しないと予想できます 55

第 9 章エラー要因の検出 9.4 n: 接続 n: 接続の場合, 多くは出力ピンがHi-Z 制御される回路となります 試験の方法はつの出力ピンから値を出力し 他の出力ピンはHi-Z 状態にします この場合 エラーの場所により要因 ( 入力ピン接続不良 ) が検出される場合があります ある特定の出力ピンから値を出力した場合のみ入力ピンでエラーを検出し 他の出力ピンの試験では 正常であった場合 エラーを検出した出力ピンが異常であると判断できます Vcc (a)gnd にショート (b) Vcc にショート (c) 出力ピンの接触不良 (d) 入力ピンの接触不良 56

第 9 章エラー要因の検出 (e) 他ネットとショート (f) ネットの異常 図 9.4- n:接続エラー要因 n: 接続の場合 エラー要因の判断は 以下のようになります 表 9.4- n: 接続エラー要因判断 項 試験結果 判断 図 入力値の全パターン= L 固定の場合 対象となるネットがGndに接地している (a) 入力ピンの接続不良 ( ピンの浮き ) (d) 全出力ピンの接続不良 * ( ピンの浮き ) (c) ネットの異常 ( パターンの切断 ビアの不良等 ) (f) 2 入力値の全パターン= H 固定の場合 対象となるネットがVccにショートしている (b) 入力ピンの接続不良 ( ピンの浮き ) (d) * 全出力ピンの接続不良 ( ピンの浮き ) (c) ネットの異常 ( パターンの切断 ビアの不良等 ) (f) 3 出力に対する正常入力値と異常入力値 異常パターンを検出した出力ピンの接続不良 (c) が混在する場合 ネットの異常 ( パターンの切断 ビアの不良等 ) (f) 4 上記以外のエラーを検出した場合 他のネットへのショート (e) *: 可能性はありますが 可能性は低いと考えられます 57

第 9 章エラー要因の検出 9.5 n:n 接続 n:n 接続の場合,:n 接続とn: 接続の組み合わせと考えられます 試験の方法はn: 接続と同様 つの出力ピンから値を出力し 他の出力ピンはHi-Z 状態にします この場合 エラーの場所により要因 ( 入力ピン接続不良 ) が検出される場合があります ある特定の出力ピンから値を出力した場合のみ入力ピンでエラーを検出し 他の出力ピンの試験では 正常であった場合 エラーを検出した出力ピンが異常であると判断できます Vcc (a)gndにショート (b) Vcc にショート (c) 出力ピンの接触不良 (d) 入力ピンの接触不良 58

第 9 章エラー要因の検出 (e) 他ネットとショート (f) ネットの異常 図 9.5- n: n接続エラー要因 n:n 接続の場合 エラー要因の判断は 以下のようになります 表 9.5- n:n 接続エラー要因判断 項試験結果判断図 全入力ピン値 = L 固定の場合 2 全入力ピン値 = H 固定の場合 対象となるネットが Gnd に接地している 全入力ピンの接続不良 ( ピンの浮き ) * (a) (d) 全出力ピンの接続不良 ( ピンの浮き ) * ( c) ネットの異常 ( パターンの切断 ビアの不良等 ) 対象となるネットが Vcc にショートしている 入力ピンの接続不良 ( ピンの浮き ) * 全出力ピンの接続不良 ( ピンの浮き ) * ネットの異常 ( パターンの切断 ビアの不良等 ) 3 同一ネットの複数の入力ピンに対して L 固定となった入力ピンの接続不良 (d) 入力ピン値 = L 固定と 入力ピン値 L 固定が混在する場合 ネットの異常 ( パターンの切断 ビアの不良等 ) (f) 4 同一ネットの複数の入力ピンに対して入 H 固定となった入力ピンの接続不良 (d) 力ピン値 = H 固定と 入力ピン値 H 固定が混在する場合 ネットの異常 ( パターンの切断 ビアの不良等 ) (f) 5 特定の出力ピンからのパターンで全ての 異常パターンを検出した出力ピンの接続不良 (c) 入力ピンが異常を検出した場合 ネットの異常 ( パターンの切断 ビアの不良等 ) (f) 6 上記以外のエラーを検出した場合 他のネットへのショート (e) (f) (b) (d) (c) (f) 59

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