FDA 医療機器ユニークデバイス識別規則の概要 理解の不一致を回避し情報を共有するために 一般財団法人流通システム開発センター黒澤康雄 何が世界で起きているか 世界の医療機器メーカーは 現在 製品識別 と データベース登録 の義務化という台風に直面している (1) IMDRF の推奨医療機器の製品仕様の日本米国欧州間の統合整合化を審議する GHTF(2012 年から IMDRF に改組織 :International Medical Device Regulatory Forum) が 2011 年 4 月に 医療機器ユニークデバイス識別ガイダンス を発行し バーコード識別表示と国家レベルの製品情報のデータベース登録の義務化を推奨するという内容を発表した その第一の目的は不具合機器を市場でいち早く特定 回収し 同等機器の代替えを推進し ユーザーの利用安全性や利便性を確保することにある (2) 米国 FDA の施行この IMDRF ガイダンスを基にして 米国 FDA が 2013 年 9 月に医療機器ユニークデバイス識別規制を公示し 今年 2014 年 9 月から規制が施行される (3) 欧州委員会が運用細則を作成中欧州でも豊胸手術用シリコンバッグの不良品流通が契機となり 欧州委員会 (EC) ヘルスケア & 消費局が規則案を現在作成中である 2012 年 9 月に欧州委員会ヘルスケア & 消費者指令局が UDI システム改正案を欧州議会に提案した 2013 年 4 月には EU 指令 (2013/172/EU) により 医療機器への UDI 対応について追加で推奨が公示された 2015 年から UDI 運用細則 の立法手続きが開始され 2018 年から UDI 運用細則 にもとづく施行がスタートする 現 IMDRF のユニークデバイス識別ガイダンスに基づく米国 FDA と欧州委員会の規制内容は 日本としても国際整合性の確保から避けられず いずれ国内の法制化が定められて国内の輸出メーカーだけでなく 近々に全ての医療機器メーカーとっての 基本ルール となるであろう アジア 中近東 南米諸国では FDA の認定機器は優遇され 各国規制をジャンプしてスムーズに承認取得が実行される FDA 認定品は一流品の証拠であり各国当局が受け入れるからである 国内メーカーとして輸出を含む長期のビジネス戦略があるならば 先駆的に働きかけて FDA と欧州ルールを 体験習得 することが必須となるはずである このことは国内市場の今後の伸長と アジア市場の急速な伸長を比較想像するだけでも容易に理解できるであろう FDA は医薬品でも 2015 年から義務化 1
製品のバーコード識別および製品情報データベース登録の義務化は医療機器に限定しない 世界の医療用医薬品でも義務化が目白押しである 米連邦政府はバーコード識別やデータベース登録 またメーカー 卸 病院 薬局間のサプライチェーンにおける追跡管理および遡及管理を実現させるために 2013 年 11 月に 医薬品サプライチェーン安全保障法 を公示した これは 2015 年 1 月から施行される強制法規である その狙いは偽造医薬品の製造と流通の排除 そして健康被害の防止である 昨年まで全米で約 20 の州政府が電子的な履歴規制を施行してきたが 州ごとにバラバラな規制は大手製薬メーカーの製造ラインや流通ネットワーク網を分断させるなどデメリットが大きいため 連邦全体で統合一貫した偽造医薬品対策法が成立することになった この安全保障法のポイントは 薬剤パッケージ ( 中箱 将来は個装も ) に個々に数値が違うランダム番号の二次元バーコードをメーカーに強制表示させ FDA の薬剤データベースと自動照合して 本物偽物の真贋判定を行い 偽造医薬品を排除する点にある 欧州では製薬団体連合会 (EFPIA) がメーカーとしての製品識別の自主規定を整備し 業界全体で利用できる業務モデルを 2013 年春に作成した 製品識別については 欧州の病院薬剤師会が 投薬投与時点のより正確なデータ管理を向上させたいとの業界合意にもとづいて 製薬メーカー団体に薬剤個装パッケージへのバーコード表示を強く要請している 個装パッケージのバーコード読取りによって 誰が いつ 何を 誰に どうする ( どうした ) というトレーサビリティのための明細データ管理が実現できるからである さらに世界各国の先進先端の医療機関の薬剤部や調剤薬局では 薬剤のバーコードを入荷 在庫 払い出し 調剤 混注 投与 使用実績業務に利用して患者安全をより高い精度で実現する取り組みが各方面で進められており 幾多の事例が報告されている 2013 年 11 月 27 日 連邦議会が 医薬品サプライチェーン安全保障法 を制定 2015 年 1 月 1 日から メーカーが取引履歴 取引情報 取引明細データを卸売業者に送付し メーカー は直接購買履歴を管理すること 2015 年 7 月 1 日から 流通業者が取引履歴 取引情報 取引明細データを受領すること 2016 年中 流通業者およびサードパーティ ロジステックス業者は連邦ライセンスを取得 2017 年 11 月 27 日から メーカーが製品に NDC ロット番号 有効期限 そしてシリアル番号を表示 2018 年 11 月 27 日から リ パッケージャーが NDC ロット番号 有効期限 そしてシリアル番号を表示 2019 年 11 月 27 日から 流通業者がロットレベルのトレーサビリティ管理を開始 2020 年 11 月 27 日から 調剤薬局がロットレベルのトレーサビリティ管理を開始 2023 年 11 月 27 日からパッケージ レベル ( 販売包装単位 ) のトレーサビリティを開始 FDA ユニークデバイス識別システム規則とは 以下 米国 FDA の医療機器に対するユニークデバイス識別システム規則を解説する Ⅰ.UDI システムの構築手順ユニークデバイス識別 (Unique Device Identification) システム規則は略称して UDI システム規則 と呼ばれる この規則は バーコード表示とデータベース登録を二本柱として成立している メーカーによる製品へのバーコード表示だけでなく その製品情報を FDA データベースセンターにデ 2
ータ登録することも課せられている メーカーはシステム的な準備対応が必要であるため 名称は UDI 規則ではなく UDI システム規則 と呼ばれる FDA はこの UDI システムを立ち上げるために 以下の 3 段階を経て メーカーの支援を受け UDI システムを完成させる予定である 1UDI 表示のデータ項目ラベルにバーコードで表示するデータ項目は 製品コード / 有効期限 / ロット番号 ( 製品によってはシリアル番号 ) である 製品コードは GS1 コード体系 HIBCC( 米国医療産業ビジネス情報協議会 : Health Industry Business Communications Council) のコード体系 または ICCBBA( 血液関係製品自動化 共有化国際協議会 :International Council for Commonality in Blood Banking Automation) のコード体系のうちのいずれかを使用する 国内では厚生労働省経済課通知 ( 平成 20 年 3 月 28 日 : 医政経発第 0328001 号 ) によって 既に GS1 コード体系が選択され 全国の医療機器メーカーでの GS1 コード体系はほぼ 100% の取得率となっている 次に有効期限 ロット番号を表示する インジケータ : 個装は 0 1 桁 中箱は 1 外箱は 2 GTIN コードとは 商品コード (14 桁 ) GS1 事業者コード : 流開センターが発番 貸与する 製品アイテムコード : メーカーにて設定する 9 桁 3 桁 チェックデジット 1 桁 計 14 桁 FDA では データベースセンターへのデータ登録に当たり 製品機器識別 と 製造機器識別 という 2 つの用語を定義しており 注意が必要である ひとつは 機器識別情報 (= 固定データ ) であり 他は 製造識別情報 (= 可変データ ) である 情報がいつも変わらないもの(= 固定 : 製造業者名 製品名 ) は 機器識別情報 であり その都度情報が変わるもの (= 可変 : 有効期限日 ロット番号 ) は製造に関係する 製造識別情報 となる 〇機器識別情報 (Device Identifier 略称 DI): いわゆる固定データ 機器があるかぎりデータ固定 具体的に製品コード (GTIN) 製造業者名 製品名 製造識別情報 (Production Identifier 略称 PI): いわゆる可変データ その都度データが変わる 具体的に有効期限 ロット番号 シリアル番号 2 表示するバーコード種類バーコードは GS1-128 バーコードである このバーコードシンボルは日米共通である GS1-128 バーコードの表示面積が足りない場合は 二次元シンボルのデータマトリックスで同じデータ項目 ( 製品コード 有効期限 ロット番号 ) を表示することとなる 医療機器によっては ロット番号でなく シリア 3
ル番号を表示する場合もある 3UDI を適用する方法 UDI はリコール時の機器の特定や迅速正確な回収を実現させるために 医療機器本体及び機器 材料の使用単位に表示する その運用はユーザーである卸売業 医療機関ではなく製造業者によって構築維持される 具体的にはヒトが目で判別できる文字 あるいは GS1-128 バーコードや 2 次元データマトリックス等 自動認識技術で表示される FDA はこれらの表示技術の選択はメーカー側に任せており FDA は技術中立の立場のため 表示の具体的技術については指定しない 4データベースの登録方法メーカーは最小データセット ( 各機器の最少単位ごとに製造業者名 型式番号 機能 サイズ等 ) を FDA データベースセンターに登録する このデータベースは グローバル UDI データベース と呼ばれ 略称は GUDID である 付加情報としては アレルギー情報の有無 操作互換性 再利用の可否 洗浄滅菌方法 取扱い説明へのサイト情報等を登録する メーカーによる製品データベースの登録方法は 1Web から FDA サイトに入力する方法 2HL7 ( 医療情報交換のための標準規約 HL7 は Health Level Seven の略 医療情報システム間の ISO-OSI 第 7 層アプリケーション層 ) に由来する ) 3GDSN(Global Data Synchronaization Network: グローバルデータ同期化ネットワーク ) の 3 つの利用方法があり メーカーが選択する 4
UDI 義務化のスケジュール UDI 義務化のスケジュールと留意事項は 2014 年 5 月時点において下記の状況である 2011 年 9 月に GHTF が UDI ガイダンスを刊行し 世界の規制当局に推奨を行った 2012 年 2 月に GHTF が IMDRF に吸収統合されて UDI 規制が検討された 2012 年 7 月にはFDAがUDI 規則案を公開し コメントを募集し規則案の内容調整を行った 別途 欧州委員会が 2013 年 4 月に医療機器 UDI 規制の推薦文書を発表し 2013 年 9 月に医療機器 UDI 規則が公示された 1 年後の 2014 年 9 月には施行され クラスⅢ 機器 ( 命にかかわる重篤な製品 ) はバーコードで UDI を表示し データベースセンターに登録しなければならない 2015 年 9 月からは生命支援装置 生命維持装置にバーコードで UDI を表示し データベースセンターに登録しなければならない 2016 年 9 月から上記以外のクラスⅡ 機器 ( 健康被害発生が予測されるがクラスⅢ 程ではない製品 ) はバーコードで UDI を表示し データベースセンターに登録しなければならない 2018 年 9 月からクラスⅠ 機器 ( 重大な健康被害発生はないが法や規制に違反している製品 ) を含む残り全ての機器にバーコードで UDI を表示し データベースセンターに登録しなければならない このようにハイリスク機器から順次施行され FDA は 2018 年に機器全体の表示とデータベース登録の義務化を完了させたいとしている 5
2013 年 9 月 24 日 UDI 最終規則の公示 規則公示直後 ~ 発行機関である GS1, HIBCC,ICCBBA 等からの FDA への認定申請の受付開始 ( 注 1 2 3) 企業からの UDI 表示の例外または代替え要請の受付開始 2014 年 9 月 24 日 ( 規則公表 1 年後 ) クラスⅢ 機器 ( ラベル及びパッケージに UDI を表示しグローバル UDI データベース ( 注 4) に登録する ) クラスⅢスタンドアローンソフトに UDI 表示 ( 注 5) 2015 年 9 月 24 日 ( 規制公表 2 年後 ) 埋込機器 生命維持装置 延命装置 ( ラベル及びパッケージに UDI を表示しグローバル UDI データベースに登録する ) 生命維持装置 延命装置のスタンドアローンソフトは UDI 表示 生命維持置 延命装置で 複数回再処理して使用される装置は UDI の永久的表示を義務化 埋込機器への永久的な表示は適用外 単回使用機器の永久的表示は適用外 2016 年 9 月 24 日 ( 規則公表 3 年後 ) 上記以外のクラスⅡ 機器 ( ラベル及びパッケージに UDI を表示 グローバル UDI データベースに登録する ) クラス Ⅱ 機器のスタンドアローンソフトに UDI 表示 クラス Ⅲ で複数回再処理して使用される機器は UDI の永久的な表示を義務化 単回使用機器の永久的表示は適用外 2018 年 9 月 24 日 ( 規則公表 5 年後 ) クラスⅢ Ⅱ Ⅰ 機器に分類されていない残り全ての機器 ( ラベル及びパッケージに UDI を表示しグローバル UDI データベースに登録する ) クラスⅠ 機器のスタンドアローンソフトに UDI 表示 クラス Ⅱ で複数回再処理して使用される機器は UDI の永久的な表示を義務化 単回使用機器の永久的表示は適用外 2020 年 9 月 24 日 ( 規則公表 7 年後 ) クラスⅠ 機器およびクラスⅢ Ⅱ Ⅰ 機器に分類されていない残り全ての機器で 複数回再処理して使用される機器は UDI の永久的な表示を義務化 単回使用機器の永久的表示は適用外 FDA 医療機器 UDI 規則の施行スケジュール表 ( 注 1)GS1 : シ ーエスワンとは企業コード番号発行 バーコード表示 電子データ交換利用推進の世界 112 ヶ国加盟の非営利組織 世界全体の会員数 : 約 130 万企業 ( 注 2)HIBCC:Health Industry Business Communication Council 米国のヘルス産業ビジネス情報化協議会の略称 呼び名は ヒビック 米国内約 2400 会員 欧州地域約 600 会員 世界計約 3000 会員 ( 注 3)ICCBBA: International Council for Commonality in Blood Banking Automation 血液関係製品の自動化 共有化の国際協議会 ( 注 4) グローバル UDI データベース : 米国 FDAが管轄する医療機器データベースの名称 ( 略称 :GUDID) ( 注 5) スタンドアローンソフトウェア : 機器を稼働させるための独立したソフトウェアのこと UDI 情報は起動画面に明細情報を表示すること 供給される情報媒体 (DVD, CD 等 ) の個装 中箱 外箱にも UDI 情報 バーコードを表示すること 6
UDI 規則の留意事項 FDA による医療機器 UDI 規則についてのまとめは下記の通りである (1) 有効期限の日付表示 すべて数字にする 配列 YYYY-MM-DD( 年 4 桁月 2 桁日 2 桁 ) ISO 規格 日にちの区切りとして - ( ハイフン ) を入れる 例 2018-12-31 (2)UDIの表示 UDIの表示は機器識別子 ( 略称 DI: Device Identifier) と製造識別子 ( 略称 PI: Production Identifier) で構成される 機器識別子 ( 略称 DI: Device Identifier): いわゆる固定情報 機器があるかぎりデータ不変 具体的には製品コード (GTIN) 製造業者名 製造識別子 ( 略称 PI: Production Identifier): いわゆる可変情報 その都度データが変わる 具体的には有効期限 ロット番号 シリアル番号 (3) クラスⅠ 機器への表示項目クラスI 機器には 製造識別子 ( 略称 PI ) つまり有効期限 ロット番号 シリアル番号を表示する必要がない ただし 機器識別子 ( 略称 DI) である製品コード (GTIN) は表示が必要 (4) ダイレクトマーキング Direct Markingの耐用年数の考え方医療機器自体の耐用年数が決まっていれば 耐用期間はダイレクトマーキングも同様の耐用にすると ( ここでは ) 解釈できる 医療機器の耐用年数 = ダイレクトマーキングの耐用年数 (5) スタンドアローンソフトウェアへのUDI 表示方法スタンドアローンソフトウェアをUDI 識別する場合 該当医療機器のプログラム起動時の開始表示画面にヒトが視認できる文字列としてUDI 情報を表示する バーコードは表示画面に不要 画面表示例 : 製品名称ソフトウェア名称ソフトウェアの製品コードソフトウェアのバージョン番号等 (6) スタンドアローンソフトウェアの包装へのUDI 表示方法生命維持装置 延命装置 クラスⅢ Ⅱ Ⅰ 機器のスタンドアローンソフトウェアがCD DVD USBメモリーなど記録媒体で供給する場合は その個装 中箱 外箱にUDI 情報 バーコードを表示する 7
(7) キット製品へのUDI 表示キット製品の中に収納されたキットを構成する機器の包装へのUDI 表示は不要である 機器 A,B,C,D 個々には UDI 表示が不要 A キット製品の全体パッケージ ( 外装箱 ) に UDI 表示が必要 C B D (8) コンビネーションプロダクト ( 医薬品と医療機器などが同梱された製品 ) のUDI 表示コンビネーションプロダクト ( 医薬品と医療機器などが同梱された製品 ) は その構成機器へのUDI 表示は不要とする コンビネーションプロダクトの全体パッケージ ( 外装箱 ) にはUDI 表示必要 例 : プレフィールドシリンジ 薬剤塗布型ステント / バルーン 抗菌剤塗布型カテーテル (9) クラスⅢ Ⅱ Ⅰ 機器で複数回再処理して使用する機器本体へのUDI 永久表示複数回再処理 ( 清浄 消毒 滅菌を含む ) する機器本体にはUDIを永久表示する 例 : 鋼製器具本体に1レーザーダイレクトマーキング 2ドットピンダイレクトマーキングで二次元シンボルのデータマトリックスを表示する データマトリックス表示例 ( ドットピン方式 ) データマトリックス表示例 ( 枠内部 ) ( レーザー方式 ) ダイレクトマーキングの除外となる製品は 1か所に据付けられた後移動することのない機器 体外診断用医薬品等ダイレクトマーキングの除外となる製品は その除外情報をメーカーが 設計履歴ファイル に記載することが求められる FDA 連邦広報によって UDI 表示の除外 / 代替手段について 8
の申請手続き手順は明文規定されている (10) 生命維持装置 延命装置で複数回再処理して使用される装置はUDIの永久表示が必要 (11) 埋込み機器 ( インプラント機器 ) へのUDI 表示適用は免除される 埋込み機器 ( インプラント機器 ) 本体へのUDIの永久表示は不要 最終規則で免除された 例ペースメーカー本体 人工骨本体 人工関節本体 個装 中箱 外箱のUDI 表示 バーコード表示は必要 (12) 単回使用機器 ( シングルユースデバイス : 略称 SUD) の永久的なUDI 表示は除外される 単回使用機器に対しては 以下の3 条件をクリアすればUDI 表示とデータベース登録が除外される 1ひとまとまりの梱包として流通させられるもの 2その梱包された状態で 使用まで梱包状態から取り出さないもの 使用 とは 臨床現場における医療機器の開封使用であり 物流仕分け 梱包の小分けのための梱包の開封使用ではない 3 個別に流通させることを目的としていないもの ブランド名 GMDN 名称 カタログ番号 製造識別子 : ロット番号 単回使用 サイズ 製造識別子 : 有効期限 機器入数 保管条件 取扱条件 ラベラー名称と実住所 サポートコンタクト先情報 医療機器 UDI (DI & PI) 9
医療機器メーカーの準備について FDA は個別独自に UDI 規制を実施するのではなく それまでの国際医療機器整合化会議 (GHTF) 及びその後に設立された国際医療機器規制当局フォーラム(IMDRF) での充分な討議を経て UDI の義務化を行った その意味で 国内メーカーは国際整合の確保の視点から そして米国向け製品輸出対応においては 充分に配慮する必要がある また GS1 本部のワーキング活動や表示仕様によって最終対応が決まるので 医療機器メーカーはこの点に関しても充分なフォローが必要となってくる 国内業界の UDI への対応上の留意点 この FDA の医療機器本体へのバーコード表示とデータ登録の義務化は 日本と欧州の米国向け輸出メーカーにとって表示対応が急務であることは勿論であるが さらに医療機器の国際互換性や整合性の観点から わが国医療機器業界全体も整合性を確保し 不具合製品の特定 拡散防止 回収 そして情報収集等をバーコードや電子タグを利活用して正確かつ迅速に行なうことが求められる 現在 国内では医療機器の個装 中箱 外箱パッケージに対する標準バーコード表示は通知されているが 医療機器本体への表示は通知されていない 国際整合性の確保の意味から 繰り返し洗浄滅菌して再使用される医療機器も同様の直接マーキング表示の義務化が求められる 国内の手術部の先生 臨床工学技士など 医療機関関係者は医療機器本体への直接表示を強く求めている 欧米製品にバーコード表示があり わが国の医療機器に表示がないという状況になれば 安全管理上の優劣は明らかであると共に 米国製品と日本製品を比較した時 その販売上の不利益も考えられる したがって業界全体が医療機器本体へのラベル表示および手術機器へのダイレクトマーキング表示の標準化 システム化を推進する必要がある 一方 中国 韓国 台湾 香港でも米国 FDA 規制にならい 同様の標準化を行政が支援しており 国内メーカーとして国際競争を有利に展開するためにも迅速な対応が求められている 医療は個々に特性があり個別の価値があり これは肯定され是認されるものであるが 業務システムの根幹 基盤要素である製品コード体系やバーコード表示や製品データベース等が個別任意独自では 結局のところ医療機関がシステム開発 維持に多大の費用コストをかけることにもなり 結局は日本全体の医療費支出を さらに押し上げる原因にもなろう 基本要件である製品コード バーコード 製品データベースの標準化をさらに推進し 特に医療機関が導入を拡大し 医療機器業界がシステム化をスマートに推進することが肝要である 以上 10