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Transcription:

インスリン投与に関連した針刺し事故対策 テーマ選定理由 A 病院は 平成 23 年 1 月に新築移転され 職員にもやさしい病院 というコンセプトで建てられました 職員の安全が守られてこそ 患者に安全で質の高い医療の提供ができるため 医療従事者の健康を脅かす 針刺し 事故への遭遇は避けて通りたいと考えています 糖尿病患者へのインスリン投与に関連した針刺し事故に着目し TQM 活動として 感染管理認定看護師と糖尿病 看護認定看護師が対策を講じ 病院全体で進化したいと考え取り組みを行いました かわぐちひと 伊勢赤十字病院 医療安全推進室 川口仁 み美 活動計画表 2012 年 計画実施会合 項目 / 期間 5 月 6 月 7 月 8 月 9 月 10 月 11 月 12 月 主担 研修 22 日研修 5 日キックオフ 19 日研修 3 日研修 4 日研修 1 日大会 テーマ選定 全員 現状把握目標設定要因解析対策立案 川口 川口 山村 川口 山村 川口 山村 対策実施 川口 効果確認 全員 標準化 全員 現状把握 はじめに 過去 4 年間の針刺し事故報告書から 発生状況別に件数をグラフ化し 発生状況別にパレート図を作成 しました ( 現状把握 2) 1

現状把握 2 ( 針刺し事故報告書より ) ( 件 ) インスリン関連の針刺し事故事例発生状況 (%) 36 34 32 30 28 26 24 22 20 18 16 14 12 10 8 6 4 2 0 器使の用リ済キみャのッ注プ射 廃使棄用ま後でのか間ら ( 針器を材はのず分す解際時 ) 73% を防止することが可能 器使材用を中患者に 使器用材すをる患前者に が使放用置済たさみれのて器い材 100 80 60 40 20 0 使用済み注射器のリキャップ 使用後から廃棄までの間 器材の分解時が 73% を占めており これらの行動を改善 させることによって インスリン投与に関連した針刺し事故件数を 73% 防止できると考えました インスリン器具別に見てみると血糖測定器を除く マイジェクターとペン型インスリンの針刺し事故は 29 件で サーク ルメンバーで自由記述分を分析したところ 17 件はキーパー 2 を使用することで防止することができると考えました このことより 針刺し事故報告書から 看護師がキーパー 2 をベッドサイドに持っていかないことが問題である と仮説 を立てました そこで 一般病棟の看護師 345 名にアンケートを行いました アンケート対象者は 当院に勤務する病棟看護師 345 名 (ICU/CCU 緩和病棟 NICU/GCU 小児病棟を除く ) アンケート期間は H24 年 7/2~7/8 の 1 週間で (7/9 回収 ) 回収率は 37.4%(129/345 名 ) でした アンケート内容 Q1 インスリン投与の必要物品は 1 患者 1 トレイで準備していますか? Q2 採血の際 携帯用針廃棄容器を患者のベッドサイドまで持参していますか? Q3 血糖測定を行う際 携帯用針廃棄容器を患者のベッドサイドまで持参していますか? Q4 インスリン投与の際 携帯用針廃棄容器を持参していますか? Q5 ペン型インスリンをリキャップする時は 携帯用針廃棄容器のリキャップホールを使用していますか? Q6 ペン型インスリンは リキャップして廃棄していますか? Q7 インスリン専用注射器はリキャップせず廃棄していますか? Q8 過去に一度でもペン型インスリンまたは インスリン専用注射器によって 針刺し事故を起こしたことがありますか? アンケート結果から Q4インスリン投与の際 キーパー 2を持参していますか? という項目と Q5ペン型インスリンをリキャップする時は キーパー 2のリキャップホールを使用していますか? という項目で はい と答えた人に差があることに着目し 看護師がキーパー 2をベッドサイドに持っていかないことが問題である とした仮設に疑問が出てきました Q4では キーパー 2を持参している割合が 77% であるのに対し Q5のリキャップホールの使用割合は45% であっり キーパー 2を持参しても 32% がリキャップホールを使用していないことが推測されました 2

アンケート結果より Q4 キーパー 2 持参の有無 77 はい いいえ Q5 45 リキャップ ホール使用 の有無 0% 20% 40% 60% 80% 100% キーパー 2 を持参しても 32% が リキャップホールを使用していない 目標設定キーパー 2 のリキャップホールに着目し 看護師の 70% 以上がキーパー 2のリキャップホールを使用する と目標設定しました 要因解析フィッシュボーンにて リキャップホールを使用しないことについて 要因解析を行い この中で出てきた重要要因である 携帯用針廃棄容器をもっていかないことについても 要因解析を行いました リキャップホールの存在を知らなかった 知識不足 器材の問題 使いにくい 看護師 リキャップホールの使い方を知らなかった 経験不足 携帯用廃棄容器を持っていかない 使用したことがない 置いてある場所がわからない 容器を側においていない 携帯用針廃棄容器を持参しているが 使用していない 誤った認識 病棟で見かけない リキャップホールを使用しない システム 環境 3

4 携帯用針廃棄容器を持っていかない看護師環境システム器材の問題習慣化されていない誤った認識ワゴンに乗せてある廃棄容器に廃棄ペン型は蓋があるから針刺ししない近いところに廃棄容器があり捨てている場所をとる忘れる血糖測定は廃棄容器とセットされているが インスリンはないリキャップしてトレイに入れて持ち帰る患者のベッドサイドにおいてあるその場で外さないからかさばるからトレイに廃棄かさばるからトレイに廃棄容器が少ないベッドサイドに持っていく荷物が増えるから携帯用針廃棄容器を使用しないトレイに入れて白ペールまで持ち帰る重要要因の検証重要要因検証方法結果考察判定知識不足アンケートリキャップホールの使い方がわからない 知らない学習会や勉強会などで正しい知識の提供 技術指導を行うことで改善が期待できる 経験不足アンケートリキャップホールを使った事がない誤った認識アンケート手でリキャップしても針刺ししないだろう携帯用針廃棄容器を持参しているが 使用していないアンケートトレイに入れて ナースステーションで廃棄携帯用針廃棄容器を持参しているため リキャップホールの使用方法が理解できたら改善が期待できる 習慣化されていない ( 携帯用針廃棄容器を持参すること ) アンケート忘れる針の廃棄について 知識を提供することで改善が期待できる 習慣化されるようインスリン投与に必要な物品をセット化する 器材の問題アンケート使いにくい かさばる 少ないを理由に持っていかない容器を変更することで改善が期待できる

Q5 Q4 対策立案 効果の確認 指導前 キーパー 2 持参の有無 後 指導前 指導前 n =36 回収率 75% 指導後 n=31 回収率 65% はい いいえ リキャップ後ホール使用の有無 0% 20% 40% 60% 80% 100% ** **P<0.01 Q4 はキーパー 2 持参の有無については指導前と指導後では 差はありませんでしたが Q5 のリキャップホール使用 の有無については指導前後で有意な差がありました 看護師の 40% に行動変容が見られ 86,6% がリキャップホー 5

ルを使用しているという結果となり目標を達成し 有形効果があったと考えています 無形効果として 初回のアンケート実施後 A B 病棟を含むすべての病棟で インスリン関連の針刺し事故は発生していません また 波及効果として TQM 活動を行うことで インスリン関連の針刺し事故に対する意識が高まったと考えています 標準化と管理の定着 教育 何をなぜ誰がいつどこでどうする 1 リキャップホールの使用手順書を 周知させるため 感染管理認定看護師が 年 2 回 師長会議およびサイボウズで 配布および配信する 2 リキャップホールが活用されているか 知識の確認をするために 感染管理認定看護師が 針刺し事故後の初診時に 内科外来で 事故状況を確認する 3 リキャップホールを 正しく使用しているか ICT リンクナースが 年 1 回 各病棟で チェックリスト を使用し チェックする 4 リキャップホールの使用方法を 周知させるため 感染管理認定看護師と糖尿病認定看護師が 年 2 回 入職者への研修会で 教育する 反省と今後の課題院内で採用されているものを使って 対策を実施出来たことがよかったと考えています また 全活動を通して 身近なところでタイミングを捉え 内科医師 産業医と話し合いを重ねることができました さらに 会合の際には 医療安全の視点からディスカッションし メンバー全員で改善活動に取り組むことができたと考えています 今後の課題について 本来の目標は針刺し事故件数を減少させることであり 継続的に評価を行う必要があります 今回の取り組みで キーパー 2のリキャップホールを使用する という目標は達成されましたが 針刺し事故対策においては 最善の方法ではありません インスリン製剤の針の形状やリキャップしなければ廃棄できない携帯用針廃棄容器など 消費者では解決できない問題が残っています 今後も糖尿病分野 感染管理分野が連携し 医療機器メーカーへの提言を行うなどの活動が必要と考えています 6