2012 年 7 月 1 日 ( 日 ) 2 日 ( 月 ) 17 回目 Ⅴ-020~021 バプテスマのヨハネの登場 バプテスマのヨハネの登場 ルカ 3:1~2 マコ 1:2~6 1. はじめに (1) 文脈の確認 1バプテスマのヨハネの誕生 2イエスの誕生 3イエスの幼少期 (2) 今日の箇所は

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2013 年 3 月 10 日 ( 日 ) 11 日 ( 月 ) 51 回目 Ⅵ-054 山上の垂訓 山上の垂訓 054 マタ 5:1~2 ルカ 6:17~19 1. はじめに (1) 呼び名について 1マタ 5:1~8:1 は 通常 山上の垂訓 ( 説教 ) と呼ばれる 2しかし この名称は 説教

4きょう取り上げる 3~5のパターンは ユダヤ的に解釈する必要がある 5イエス時代のユダヤ教のラビたちの旧約聖書引用法 * 直接引用とその成就 * その箇所の解釈ではなく 適用である * きょうの3~5 のパターンは すべて適用である 6マタイは 5 つの引用によってイエスのメシア性を証明しようとし

聖書に聞く会 ( 第 2 回 ) マルコによる福音書 1 章 1-8 節 2014 年 5 月 8 日 古本靖久 1 聖歌 60 番 ヨルダンのほとりヨハネはさけべり 2 お祈り 3 テキストの位置 今日の箇所はマルコ福音書のはじめの部分であり この福音書は何について書くのか決定づける所です 特に

ルカの福音書 3 章 バプテスマ - 神と人との接近 1A 主の道の用意 悔い改めのパブテスマ B 罪の赦しの説教 C 背景 1-6 1D 歴史 1-2 2D 聖書 3-6 2C 内容 D 神の怒り 7-9 2D 悔い改めにふさわしい実 C 目的 -

* ダニエル書 3 捕囚期後 (3) * ハガイ書 * ゼカリヤ書 * マラキ書 (5) 預言者たちが語ったメッセージの要約 1 神の主権と聖なるご性質 2 契約の民イスラエルの不従順の罪 3 悔い改めへの招き 4 迫り来る神の裁きと捕囚 5イスラエルの民を攻撃する周辺国への裁き 6 捕囚からのレム

2018 年 5 月 27 日 ( 日 ) 28 日 ( 月 ) 14 回 ペテロの第 2 のメッセージ (2) ペテロの第 2 のメッセージ (2) 使徒 3:17~26 1. はじめに (1) ペンテコステの日に教会が誕生した 1ペテロの第 1 回目のメッセージにより 3,000 人ほどの人たち

2011 年 10 月 16 日 ( 日 ) 17 日 ( 月 )42 ローマ人への手紙 11:25~36 拒否の解決 (3) イスラエルの救い 1. はじめに (1)10 月 13 日 ( 木 ) の日没から仮庵の祭りが始まった 1 第 7 の月の 15 日 満月 2 満月を眺めながら イスラエル

2017 年 2 月 21 日 ( 火 ) 60 分でわかる旧約聖書 (24) エレミヤ書 60 分でわかる旧約聖書 (24) エレミヤ書 1. はじめに (1) 預言者たちの中でのエレミヤの位置づけ 1 預言書を書いた預言者 (the writing prophet) * 王国が南北に分裂して以降

1:6 ここにひとりの人があって 神からつかわされていた その名をヨハネと言った 1:23 彼は言った わたしは 預言者イザヤが言ったように 主の道をまっすぐにせよと荒野で呼ばわる者の声 である 口語訳聖書 福音書縦観 ヨハネの出現 マタイ 3:1~6 マタイ 3:1~6 マルコ 1:1~6 ルカ

* ペリシテ人の古代都市ガザは 前 93 年に破壊され 前 57 年に再建された * この道路は ガザの遺跡を通過し 新ガザに至る荒野の道である 5 ピリポは その命令に従順に従った 2.27b~28 節 Act 8:27b すると そこに エチオピヤ人の女王カンダケの高官で 女王の財産全部を管理し

2013 年 3 月 24 日 ( 日 ) 25 日 ( 月 ) 52 回目 Ⅵ-054 八福の教え 八福の教え 054 マタ 5:3~12 ルカ 6:20~26 1. はじめに (1) 文脈の重要性 1 文脈を無視して 山上の垂訓のある言葉を取り出すことが余りにも多い 2イエスは 神の国の福音をも

創世記5 創世記2章4節b~25

* ユダヤ人の歴史家ヨセフスもまた同じような書き方をしている 5 テオピロは ルカの執筆活動を支援するパトロンであった可能性が高い 6 もしそうなら テオピロはローマ人クリスチャンであったと思われる (2)1~2 節は ルカの福音書の要約である 1 前の書 というのは ルカの福音書 のことである 2

4 これは皮肉である ヘロデは王のように振る舞い 墓穴を掘る (2) イエスと弟子たちの働きが 評判になっていた 1 それを耳にしたヘロデは 恐れを覚えた 2 罪責感から来る恐れである 2. ヘロデの結論 (14b~16 節 ) 人々は バプテスマのヨハネが死人の中からよみがえったのだ だから あん

2017 年 10 月 8 日 ( 日 ) 9 日 ( 月 ) 15 回さらにすぐれた契約 さらにすぐれた契約 ヘブル 8:1~13 1. はじめに (1) この手紙が書かれた理由を再確認する 1 信仰が後退しつつあった第 2 世代のメシアニック ジューたちへの励まし (2) ユダヤ教の 3 つの柱

2019 年 7 月 28 日 ( 日 ) 29 日 ( 月 ) 70 回 12 人の弟子たちの救い 12 人の弟子たちの救い 使徒 19:1~7 1. はじめに (1) 第三次伝道旅行が始まった 1 使 18:23~21:17( 紀元 53 年の春から 56 年の春 ) 2パウロは ひとりで出かけ

2012 年 1 月 22 日 ( 日 ) 23 日 ( 月 )54 ローマ人への手紙 15:4~13 希望から希望へ 1. はじめに (1) 文脈の確認 11~8 章が教理 29~11 章がイスラエルの救い 312~16 章が適用 (2)14:1~15:13 は 雑多な問題を扱っている 1 超道徳

創世記5 創世記2章4節b~25

2 イエスの戒めを守るなら イエスの愛に留まることになる (2) その教えを話した理由は 弟子たちが喜びに満たされるためである 1イエスは 自分が経験している喜びを弟子たちに与えようとしている 2イエスの喜びは 父なる神への従順 ( 喜ばせること ) によって生まれる 3ヘブ 12:2 Heb 12

2011 年 06 月 26 日 ( 日 ) 27 日 ( 月 )26 ローマ人への手紙 7:14~25 律法からの解放 (3) ロマ書 7 章クリスチャン 1. はじめに (1) 聖化 に関する 5 回目の学びである 1 最大の悲劇は 律法を行うことによって聖化を達成しようとすること 2この理解は

このメッセージは メシアの義とパリサイ人の義について学ぼうとするものである Ⅰ. 真の信仰者の特徴 (5:13~16) 1. 地の塩 (13 節 ) あなたがたは 地の塩です もし塩が塩けをなくしたら 何によって塩けをつけるのでしょう もう何の役にも立たず 外に捨てられて 人々に踏みつけられるだけで

神学総合演習・聖霊降臨後最終主日                  2005/11/16

2 奇跡 3 父 4 聖書 4. メッセージのゴール (1) イエスを誰だと言うか (2) イエスを信じる者の幸いとは何か このメッセージは イエスの業と主張について考えようとするものである Ⅰ. イエスと父は一体である (19~29 節 ) 1. 行動において まことに まことに あなたがたに告げ

Heb 11:7 信仰によって ノアは まだ見ていない事がらについて神から警告を受けたとき 恐れかしこんで その家族の救いのために箱舟を造り その箱舟によって 世の罪を定め 信仰による義を相続する者となりました (1) ノアは 神から警告を受けた 1 創 6:17 Gen 6:17 わたしは今 いの

としたこと それに対してイエスは 今は 止めないでほしい 正しい ことをすべて行うのは 我々にふさわしいことです ( マタイ 3 15) と 言って ヨハネから洗礼をお受けになったと伝えています しかしマルコ福音書は そういうことは何も伝えていません イエス は ユダヤの全地方から集まって来た大勢の

2011 年 07 月 17 日 ( 日 ) 18 日 ( 月 )29 ローマ人への手紙 8:12~17 聖化の力 ( 聖霊 )(3) 養子の霊 1. はじめに (1) 聖化 に関する 8 回目の学びである 最終回 1 最大の悲劇は 律法を行うことによって聖化を達成しようとすること 2この理解は ク

2017 年 7 月 2 日 ( 日 ) 3 日 ( 月 ) 1 回 ヘブル人への手紙のテーマ ヘブル人への手紙のテーマ ヘブル 1:1~3 1. はじめに (1) 著者 1いくつかの名が上げられてきた * パウロ * ルカ ( パウロがヘブル語で書いたものを ルカがギリシア語に翻訳した ) * バ

(1) 神殿の聖所と至聖所を分ける幕である 1 長さが約 18 メートル 厚さが約 10 センチ 2この幕の内側に入れたのは 大祭司だけである それも年に一度だけ 3 大祭司 アロンの家系 ケハテ氏族 レビ族 イスラエルの民 全人類 (2) この幕が 上から下まで真っ二つに裂けた 1 神の御手がこれ

1 パンの家 という意味 農業生産の豊かな地 ダビデの町とも呼ばれた 2ガリラヤのベツレヘムと区別するために ユダヤのベツレヘムと書かれている 年代 200 軒の家 クリスチャンとイスラム教徒が平和に住んでいる 4 今日 パレスチナ自治区 2 万 2 千人 クリスチャンは迫害に会っている

2010 年 2 月 21 日 ( 日 ) 22 日 ( 月 ) ハーベストフォーラム東京出エジプト記 13 出エジ 13 出エジプト記 9 章 13 節 ~10 章 29 節 最後の 3 つの災い 1. 文脈の確認 (1) エジプトに主からの 10 の災いが下る (2)10 の災いの記述は 考え抜

(1) イゼベル 彼にとっては ネバテの子ヤロブアムの罪のうちを歩むことは軽いことであった それどころか彼は シドン人の王エテバアルの娘イゼベルを妻にめとり 行ってバアルに仕え それを拝んだ (1 列 16:31) 1オムリの子アハブは イゼベルと結婚し バアル礼拝をイスラエルに導入した 2 預言者

2012 年 1 月 15 日 ( 日 ) 16 日 ( 月 )53 ローマ人への手紙 14:13~15:3 キリスト者の自由 1. はじめに (1) 文脈の確認 11~8 章が教理 29~11 章がイスラエルの救い 312~16 章が適用 (2)12 章は 基本的には教会内の行動についての勧めであ

2014 年 10 月 7 日 ( 火 ) 60 分で分かる創世記 60 分で分かる創世記 1. はじめに (1) 60 分で分かる〇〇 のシリーズを開始する 11 節 1 節の解説も重要であるが 鳥瞰図的な理解も必要である 2その場合重要なのは センス オブ プロポーション である (2) 創世記

5 節ごとに 洗礼者ヨハネ 殺される 6:14-15 ( そして ) イエス ( 彼 ) の名が知れ渡ったので ヘロデ王の耳にも入った 人々は言っていた 洗礼者ヨハネが死者の中から生き返ったのだ だから 奇跡を行う力が彼 ( のうち ) に働いている そのほかにも 彼はエリヤだ と言う人もいれば 昔

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2010 年 4 月 18 日 ( 日 ) 19 日 ( 月 ) ハーベストフォーラム東京出エジプト記 19 出エジ 19 出エジプト記 14 章 15 節 ~15 章 21 節 紅海を渡る 1. 文脈の確認 (1) イスラエルの民は 430 年後にエジプトを脱出した (2) エジプト脱出の記録は

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癒しの業と宣教 ( ルカ 4:38~44) 1) ルカ福音書講義 (23) 章 38 イエス 2) は会堂から立ちあがり シモンの家 3) に入った シモンのしゅうとめが 高熱 4) で苦しめられており 彼らは 5) 彼女のことをイエス 6) に願った 39 彼は彼女の枕

2. アウトライン (1) 過去の回顧 (1~4 章 ) (2) 律法の解説 (5~26 章 ) (3) 未来の展望 (27~30 章 ) (4) 指導者の交代 (31~34 章 ) 3. 結論 (1) 律法の本質 (2) イスラエルの将来 (3) 申命記とイエスの教え 申命記を通して イエスの教え

81 とガリラヤ 地 方 で 宣 教 が 開 始 されたと 記 しています による 福 音 書 では 宮 清 めされた 出 来 事 の 中 で イエスが 語 った 言 葉 に 反 発 して 2:14 そして 宮 の 中 に 牛 や 羊 や 鳩 を 売 る 者 たちと 両 替 人 たちがすわっているの

2012 年 2 月 26 日 ( 日 ) 27 日 ( 月 )59 ローマ人への手紙総まとめ 総まとめ 1. はじめに (1) 執筆の意図 1 使徒としての使命 * 所々 かなり大胆に書いた (15:15) 2 使徒としての奉仕の原則 * 他人の土台の上に建てない (15:20) * これまで ロ

集会祈願いつくしみ豊かな神よ あなたの栄光の輝きはすべての人を照らし 悲しみを喜びへと変えてくださいます 救いの道に招かれたわたしたちが キリストと一つに結ばれる日まで あなたの愛のうちに歩み続けることができますように 聖霊の交わりの中で あなたとともに世々に生き 支配しておられるみ子 わたしたちの

2017 年 2 月 5 日 ( 日 ) 6 日 ( 月 ) 22 回 イスラエルに対する戦い (2) イスラエルに対する戦い (2) 黙 12:7~17 1. はじめに (1) キリストの再臨の前に何が起こるかを見ている 110 章 ~14 章は 挿入箇所である * 物語の進展はなく 状況の説明が

このメッセージは 父なる神について考えようとするものである Ⅰ. 聖書が使用する比喩的言葉 1. 神という言葉について (1) ヘブル語でエロヒム ( エル ) ギリシア語でセオス 1 普通名詞 神々を指す言葉である 2 日本語の神も 多くの神々を指す言葉である 3 聖書の神は どういう神かを示す必

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2017 年 7 月 16 日 ( 日 ) 17 日 ( 月 ) 3 回 御使いに勝る御子 (2) 御使いに勝る御子 (2) ヘブル 2:1~9 1. はじめに (1) この手紙が書かれた理由を再確認する 1 信仰が後退しつつあった第 2 世代のメシアニック ジューたちへの励まし 2 彼らは 迫害と


牧会の祈り

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2017 年 8 月 13 日 ( 日 ) 14 日 ( 月 ) 7 回 第 2 の警告 (2) 第 2 の警告 (2) ヘブル 4:1~13 1. はじめに (1) この手紙が書かれた理由を再確認する 1 信仰が後退しつつあった第 2 世代のメシアニック ジューたちへの励まし 2 彼らは 迫害と誤

* オバデヤがヨエルやエレミヤよりも前の預言者であることを考えると 前者の可能性が高いと思われる * オバデヤ書は 前 845 年前後に執筆されたと考えてよいだろう 4オバデヤは 小預言書の 12 人の預言者の中で最初に登場する預言者である (4) オバデヤ書のテーマ 1イスラエルに敵対する不信仰な

3 章 蝮の裔よ ( ルカ 3:7~14) ルカ福音書講義 (15) そこで 彼から洗礼を受けよう 1) として出て来た民衆 2) に彼は言った 3) 蝮 の裔よ 4) 誰があなた方に 来るべき怒り 5) から逃れるように教えたのか 8 さ あ 悔い改め 6) にふさわしい

Rev 7:1 この後 私は見た 四人の御使いが地の四隅に立って 地の四方の風を堅く押さえ 地にも海にもどんな木にも 吹きつけないようにしていた (1) この後 私は見た 1 物事の時間的流れではなく ヨハネが見た幻の順番を示している 2この幻は 神の裁きが迫っていることを示唆している 3 地の四方

(3) まっすぐにしなさい 1 されば衰へたる手 弱りたる膝を強くし ( 文語訳 ) 2ギリシア語の アノルソオウ である 上げる まっすぐにする 強くする 3ルカ 13:13(18 年も病の霊につかれ 腰が曲がって 伸ばすことができない ) Luk 13:13 手を置かれると 女はたちどころに腰が

受胎告知 ( ルカ 1:26-38) ルカ福音書講義 (3) か月目 1 に み使いガブリエルが神からナザレ 2 という名のガリラヤの町に遣わされた 27 ダビデの家の出 3 でヨセフという名の男と婚約中 4 のおとめのもとにである おとめの名はマリヤ 5 といった

いでしょう (1)2 重の質問 1 弟子たちは いくつかのたとえ話とその解き明かしを聞いてきた 2ここでイエスは 弟子たちに考えるチャンスを与えている 3 弟子たちは 奥義としての王国 の性質について考え始める (2) イエスのたとえ話は 弟子たちが想像したものとは大いに異なる 1 種のたとえでは

(2) ロマ 7:1~6 の要約 1 律法の大原則 * 律法は 人に対して権限を持つ * 律法は 死んだ人には権限を持たない 2 結婚関係の例話 * 夫が生きている間は 結婚の律法によって制約されている * それを破れば 姦淫の女と呼ばれる * 夫が死ねば 結婚の律法から解放される * 再婚しても

3 仲介者としての祭司たちが存在していた (2) 新約時代の状態 1すべての信者が まことの聖所に入ることができる * 天の聖所で 神の臨在の前に出ることができる 2これは 万人祭司の教えである 3 訳文の比較 こういうわけですから 兄弟たち 私たちは イエスの血によって 大胆にまことの聖所に入るこ

1.1 節 Rev 14:1 また私は見た 見よ 小羊がシオンの山の上に立っていた また小羊とともに十四万四千人の人たちがいて その額には小羊の名と 小羊の父の名とがしるしてあった (1) ヨハネは キリストの再臨後の状況を見ている 1 実際にキリストの再臨が起こるのは 19 章になってからである

2017 年 6 月 11 日 ( 日 ) 12 日 ( 月 ) 39 回 新しいエルサレムの特徴 ( 後半 ) 新しいエルサレムの特徴 ( 後半 ) 黙 22:1~5 1. はじめに (1) 旧約聖書の預言のハイライトは メシア的王国である 1 黙示 20 章は メシア的王国が千年で終わることを啓

比喩:その他

2008 年 7 月 27 日 ( 日 ) 28 日 ( 月 ) ハーベストフォーラム東京創世記 8 創世記 8 創世記 3 章 14 節 ~24 節 アダム契約 イントロ : 1. 前回までの復習 (1) 創世記には 11 の区分 ( トルドット ) がある (2) 第 1のトルドットには 人類の

2.7~11 節 この 人 たちが 行 ってしまうと イエスは ヨハネについて 群 衆 に 話 しだされた あな たがたは 何 を 見 に 荒 野 に 出 て 行 ったのですか 風 に 揺 れる 葦 ですか でなかったら 何 を 見 に 行 ったのですか 柔 らかい 着 物 を 着 た 人 ですか

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24:24 それで わたしたちの仲間が数人 墓に行って見ますと 果して女たちが言ったとおりで イエスは見当りませんでした 24:25 そこでイエスが言われた ああ 愚かで心のにぶいため 預言者たちが説いたすべての事を信じられない者たちよ 24:26 キリストは必ず これらの苦難を受けて その栄光に入

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束の地カナンに入ることが許されなかった 9 死を前にして ヨシュアを後継者に任命し 120 歳でモアブのネボ山で死んだ 10 モーセという人は 地上のだれにもまさって非常に謙遜であった ( 民数記 12:3) 11 自分を しもべとして神の家全体のために忠実でした ( ヘフ ル 3:5) 新約聖書に

6ユダヤ人は 人種的 宗教的理由によって サマリヤ人を軽蔑した * ユダヤの格言 私の目が サマリヤ人を見ることがないように 7サマリヤ人も ユダヤ人を軽蔑し 敵対した * ユダヤ人がエルサレムから下ることは許したが 上ることは許さなかった 8 現代もサマリヤ人の子孫たちが存在している ( 千名以下

Ⅱ. 信仰生活の再建 : エズラの指導 (7~10 章 ) 1. エルサレムに到着するエズラ (7~8 章 ) 2. 民の罪を告白するエズラ (9 章 ) 3. 国を清めるエズラ (10 章 ) 結論 : 私たちへの適用 1. 悔い改めの力 2. みことばの力 エズラ記を通して リバイバルの原則につ

に知恵と英知と知識とあらゆる仕事において 神の霊を満たした (2~3 節 ) (1) ユダ部族のフル その子ウリ その子ベツァルエル 1フルとはモーセの手を両側から支えた 2 人のうちのひとり ( 出 17 章 ) 2フルの孫がベツァルエルである (2) 神の霊を満たした 1 知恵 (wisdom)

2011年度 牧羊者 第Ⅳ巻

牧会の祈り

ダニエル書は終末についてどのように語っているか No.2 御使いガブリエルが告げた 七十週 の預言 聖書箇所 9 章 20 節 ~27 節 はじめに 前回はダニエル書 2 章から バビロンの王ネブカデネザルの見た正夢に ついて学びました その正夢は終わりの日に起こることを示されたものでした ダニエル

1イエスがバプテスマを受けたとき 天が開かれて聖霊が鳩のように下った 2ここでは 天が開かれて再臨のメシアが地に下ってこられる 3 黙 4:1 では ヨハネを招くために天が開かれた 4ここでは キリストが地に下るために天が開いた (2) 白い馬に乗った方 1ローマ軍の将軍は 白い馬に乗った 2 再臨

2013 年 5 月 26 日 ( 日 ) 27 日 ( 月 ) 61 回目 Ⅵ-057 獄中のバプテスマのヨハネ (1) 1 投獄されたという事実は すでにマタ 4:12 で紹介されていた 2 投獄の理由は マタ 14:3~4 で解説される 実は このヘロデは 自分の兄弟ピリポの妻ヘロデヤのことで

(2) ケンクレヤにある教会に属していた 1コリントの南東 11 キロのところにある港町 2コリントの東の港としての役割を果たした アジア方面の交易のための港 * 西の港は カイオン 両港の間の距離は 8 キロ 3パウロは 第 2 回伝道旅行でここを訪れている 4 誓願が成就したのを記念して そこで

Taro-主日礼拝順序

お話 文芸思潮

に住む者に私たちの血の復讐をなさらないのですか (1) ここで場面は 地から天に移行する 1 大患難時代を通して継続している状況の描写である (2) ヨハネは キリストに対する信仰のゆえに殉教の死を遂げた人々の幻を見た 1 彼らは 祭壇の下にいた 2 旧約時代のいけにえの血が祭壇の土台に注がれたこと

Taro-2016 礼拝週報 2.14

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子たちも オリーブ山から神殿を眺めて これはまあ 何とみごとな石でしょう 何とすばらしい建物でしょう ( マルコ 13:1) と感嘆の声を挙げました しかし イエス様は この大きな建物を見ているのですか 石がくずされずに 積まれたままで残ることは決してありません ( マルコ 13:2) と言われたの

な声で私に呼びかけるのが聞こえたあの初めの声が言った ここに上れ この後 必ず起こる事をあなたに示そう (1) ヨハネは 7 つの教会への手紙の啓示を聞いた後 天の御座の幻を見た 1 その後 私は見た とは 時間の流れを示す言葉である (2) 招きの言葉がかかった 1 一つの開いた門があった * ヨ

善いサマリア人のたとえ

聖書 : ピリピ 3:1~3 説教題 : 神の御霊による礼拝 日時 :2017 年 2 月 26 日 ( 朝拝 ) ピリピ人への手紙第 3 章に入ります この手紙は全部で 4 章からなっていますので 今日から後半部に入ることになります パウロは 最後に 私の兄弟たち と始めます この手紙はまだ半分ま

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一人だったと伝統的に語り継がれている ) 二人には約束の相続人である ボアズという息子がいた ラハブは外国人の売春婦であったが 信仰によって 神聖な約束の系図の中に用いられた ルツ : マタイの福音書 1:5( ルツ 4:8-22) ルツもまた モアブ人の若い女 つまり外国人であった ユダヤ人の夫が

(1) 千年王国の最後に サタンが底知れぬ所から再び解き放たれる 1 その理由は 再び人類を試すためである 2 神は 人類がいかに堕落しているかを証明される (2) 千年王国にも罪は存在する 1 千年王国が始まった時点では 未信者は存在しない 2 千年王国では ほぼ理想に近いような生活環境が実現する

《 耕地を開拓せよ 》 羽石兄  ‘05

B2 神はどのようなお方か 1Chro.29:10-12 Dt.10:12-13 Ps.95:1-7 B3 イエス キリストはどのようなお方か John.14:8-10 Mk.6:31-56 John.10:30-33 Heb.2: John.4:2-3 2John.7-10 B4 三位

Heb 11:23 信仰によって モーセは生まれてから 両親によって三か月の間隠されていました 彼らはその子の美しいのを見たからです 彼らは王の命令をも恐れませんでした (1) この節は モーセの信仰ではなく モーセの両親の信仰を記録している 1 彼らは その子の美しいのを見た * ギリシア語で ア

存在する 弟子訓練は 人が思考 感情 行動において よりキリストに似た者となることを手助けするプロセスである このプロセスは 人が新しく生まれたときから始まり 残る生涯中続くものである このキリストを わたしたちは宣べ伝えており すべての人がキリストに結ばれて完全な者となるように 知恵を尽くしてすべ

현장 전도를 위한 1단계 전도훈련교재 4

イエスさまの公的な活動は 2 年から 3 年と言われます その短い時間の中で人々に与えた影響は 考えられないほど大きいものでした ここに今日 わたしたちが集まって礼拝しているのも そのせいです けれどもその 2 年ないし 3 年のイエスさまの活動はずっと順調であったわけではありません イエスを愛し慕

ヘブル人への手紙1章

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2016 年 10 月 2 日 ( 日 ) 3 日 ( 月 ) 7 回 フィラデルフィアの教会 フィラデルフィアにある教会 黙 3:7~13 1. はじめに (1) 黙示録の 3 区分 1 黙 1:19 は 黙示録を 3 区分している Rev 1:19 そこで あなたの見た事 今ある事 この後に起こ

2000 年は二日です ですからこちらも 遅い! と言えるほど 時は経っていないと言えます もちろん 1000 年イコール一日と言われているのではなく 一日のようだと言われていますので 単純計算できる話ではないのですが 先ほど引用した詩篇 90 篇 4 節では 私たちの時間のはかなさ 些細さという側

表 1 新約聖書早見表イエス キリストの生涯降誕から最後の 1 週間まで 紀元前 紀元 冬 出来事 旅 8 9 説教 奇跡 たとえ モルモン書 年代は大まかなものです

Transcription:

ルカ 3:1~2 マコ 1:2~6 1. はじめに (1) 文脈の確認 1バプテスマのヨハネの誕生 2イエスの誕生 3イエスの幼少期 (2) 今日の箇所は それから約 18 年後のこと 1ヨハネ登場の年代 (A.T. ロバートソンの 20) * マコ 1:1 〇ルカ 3:1~2 2ヨハネの人物像とそのメッセージ ( 21) 〇マコ 1:2~6 * マタ 3:1~6 * ルカ 3:3~6 2. アウトライン (1) ヨハネ登場の年代 ( ルカ 3:1~2) (2) 預言の成就 ( マコ 1:2~5) (3) ヨハネの風貌 ( マコ 1:) 3. メッセージのゴール ( 実に多くの適用がある ) (1) 福音の歴史性 (2) バプテスマの意味 (3) 忍耐の必要性 このメッセージは 福音の始まりについて学ぼうとするものである Ⅰ. ヨハネ登場の年代 ( ルカ 3:1~2) 1.1~2a 節 皇帝テベリオの治世の第十五年 ポンテオ ピラトがユダヤの総督 ヘロデがガリラヤの国主 その兄弟ピリポがイツリヤとテラコニテ地方の国主 ルサニヤがアビレネの国主であり アンナスとカヤパが大祭司であったころ 1

(1) ルカは歴史家である 1 当時は 支配者の統治年によって年代を確定した 2これは 当時の歴史家たちの一般的な手法である 3ルカは 6 種類の情報を列挙している 2.6 種類の情報 (1) 皇帝テベリオの治世の第十五年 1アウグストの次の皇帝 2A.D.11 年から 2 年間 アウグストと共同統治 3 恐らく A.D.26 年であろう 4テベリオは悪名高い皇帝である 5 次に彼が選んだ皇帝はカリギュラで さらに悪名高い (2) ポンテオ ピラトがユダヤの総督 1 彼は 5 代目のユダヤ総督である (A.D.26~36 年 ) 21961 年 カイザリヤで彼の名を刻んだ記念碑が発見された (3) ヘロデがガリラヤの国主 1ヘロデ大王の息子 ヘロデ アンテパスのことである 2 彼は ガリラヤの国主であった (4 年 B.C.~A.D.36 年 ) 3バプテスマのヨハネを投獄する人物である 4 国主は 王よりもランクの低い地位のことである (4) その兄弟ピリポがイツリヤとテラコニテ地方の国主 1 ヘロデ ピリポは アンテパスの腹違いの兄弟である 2 彼は ガリラヤの北に領地を持った (4 年 B.C.~A.D.34 年 ) (5) ルサニヤがアビレネの国主であり 1 アビレネは さらに北方 シリアに位置する (6) アンナスとカヤパが大祭司であったころ 1アンナスは 元大祭司である (A.D.6~15 年 ) 2 引退しても 大祭司は終身職であるため 大祭司という称号が付く 3カヤパはアンナスの義理の息子である (A.D.18~36 年 ) 4 実権はアンナスが握っていた 2

3.2b 節 神のことばが 荒野でザカリヤの子ヨハネに下った (1) ザカリヤの子ヨハネ 1ルカは 1 章で説明した内容を前提に この箇所を書いている 2ザカリヤの職業は 祭司であった (2) 当時ヨハネはおよそ 30 歳になっていた 1 祭司の息子は 30 歳で活動を開始した 2 旧約時代 祭司は 30 歳から奉仕を始める (3) 神のことばが 下った 1ルカはヨハネを預言者として理解している 2ルカ 1:76 の成就 ( ザカリヤの預言 ) 幼子よ あなたもまた いと高き方の預言者と呼ばれよう 主の御前に先立って行き その道を備え 3エレ 1:2 アモンの子 ユダの王ヨシヤの時代 その治世の第十三年に エレミヤに 主 のことばがあった * ホセ 1:1 ミカ 1:1 ハガ 1:1 など参照 4バプテスマのヨハネは 旧約最後の預言者である Ⅱ. 預言の成就 ( マコ 1:2~5) 1.2~3 節 預言者イザヤの書にこう書いてある 見よ わたしは使いをあなたの前に遣わし あなたの道を整えさせよう 荒野で叫ぶ者の声がする 主の道を用意し 主の通られる道をまっすぐにせよ そのとおりに (1) マルコの福音書で唯一の旧約聖書からの引用 ( イエスのことばを除く ) 1マルコの福音書の読者は ローマ人である (2) イザ 40:3 の成就 荒野に呼ばわる者の声がする 主の道を整えよ 荒地で 私たちの神のため に 大路を平らにせよ 3

(3)3 つの預言をひとつにまとめて引用している 1 出 23:20 マラ 3:1 イザ 40:3 2 同じテーマの預言をまとめ 代表的な預言者の預言として引用する 3 荒野体験 が共通したテーマになっている 4マルコはこれらの預言を メシアに適用している 2.4 節 バプテスマのヨハネが荒野に現れて 罪の赦しのための悔い改めのバプテスマを宣べ伝えた (1) 罪の赦しのための悔い改めのバプテスマ 1バプテスマによって罪が赦されるわけではない 2 罪の赦しに関係したバプテスマ という意味である 3 悔い改めとは 心の方向転換のこと 4 悔い改めと罪の赦しが バプテスマに先行する 3.5 節 そこでユダヤ全国の人々とエルサレムの全住民が彼のところへ行き 自分の罪を告白して ヨルダン川で彼からバプテスマを受けていた (1) ユダヤ的誇張法が使用されている 1ヨハネの影響が広範囲に及んだことを表している 2 出て行き は 能動態の未完了形 継続した動作 3 バプテスマを受けていた は 受動態の未完了形 継続した動作 (2) 場所は ヨルダン川 1ヨシュアに率いられた民が 約束の地に入る際にこの川を渡った 2 預言者エリヤが活躍した地である 3ユダヤ人には 霊的遺産が遺されている地である (3) 自分の罪を告白して 1 イスラエルの歴史を知るユダヤ人は 民族的罪と自らの罪を認識していた 2 神の評価 判断に同意すること Ⅲ. ヨハネの風貌 ( マコ 1:6) 4

1.6 節 ヨハネは らくだの毛で織った物を着て 腰に皮の帯を締め いなごと野蜜を食べていた (1) 衣装 1らくだの皮ではなく らくだの毛で織った上着である 2 腰に皮の帯 ( ガードル ) を締めていた (2) 常食 1 いなご 乾燥させたいなご レビ 11:22 で許可されている 2 野蜜 岩の割れ目に蜂の巣があった 2. 預言者エリヤの風貌 (1)2 列 1:8 彼らが 毛衣を着て 腰に皮帯を締めた人でした と答えると アハズヤは それはティシュベ人エリヤだ と言った (2) バプテスマのヨハネは 意図的にエリヤ的風貌を真似た 1 エリヤは 神の民に悔い改めを迫る預言者である 2 バプテスマのヨハネの奉仕も 神の民に悔い改めを迫るものである 結論 : 1. 福音の歴史性 (1) ルカは 救済の歴史を世界史の中に位置づけようとした 1 年代だけなら テベリオの治世の第 15 年だけで十分である 2それ以外の 5 つの要素は 当時の政治状況の要約である 3イエスの公生涯は 非常に複雑な政治状況の中で始まった (2) イエスの公生涯は から始まる 1 使 1:22 すなわち ヨハネのバプテスマから始まって 私たちを離れて天に上げられた日までの間 いつも私たちと行動をともにした者の中から だれかひとりが 私たちとともにイエスの復活の証人とならなければなりません 2 使 10:37 13:24~25 参照 5

(3) 福音記者たちは 正直に 率直に 創作の手を加えずに書いている 1これらのことは 私たちが誕生するはるか前に起こった 2 不安になって 創作の手を加える必要はない 3 書かれていることを そのまま受け取ればよい 2. バプテスマの意味 (1) 基本的意味は 一体化である 1バプテスマのヨハネとの一体化 2そのメッセージとの一体化 3バプテスマのヨハネが示すメシアを信じる (2) ユダヤ教の洗礼との比較 1 清めのための洗礼 ( 洗い ) とは異なる * 自分で水に入る * 繰り返し実行する * クムランのエッセネ派の洗礼も これと同じである 2 異邦人がユダヤ教に改宗する際の洗礼とも異なる * 自分で水に入る 3ヨハネの洗礼の新しさ * ユダヤ人にこの洗礼を命じた * 他の人によって洗礼が施される * 内面の変化が前提になっている (3) クリスチャンの洗礼 1 内面の変化 ( 新生体験 ) が前提になっている 2 洗礼は救いの条件ではない 3 他の人によって施される 4 一度限りでよい 3. 忍耐の必要性 (1) マラキからバプテスマのヨハネまで 約 400 年以上が経過している 1 バプテスマのヨハネの誕生から 約 30 年が経過している (2) 詩 37:7 主 の前に静まり 耐え忍んで主を待て おのれの道の栄える者に対して 悪意 6

を遂げようとする人に対して 腹を立てるな (3)1 ペテ 1:12 彼らは それらのことが 自分たちのためではなく あなたがたのための奉仕であるとの啓示を受けました そして今や それらのことは 天から送られた聖霊によってあなたがたに福音を語った人々を通して あなたがたに告げ知らされたのです それは御使いたちもはっきり見たいと願っていることなのです 1 預言者たちは 自らの預言したことの成就を見ることなしに死んでいった (4) 私たちへの教訓 1 忍耐は 神の主権への応答である 2 祈りの答えは 時には 待て であり時には 否 である 3それでも 私たちは神を信じる 7