石綿飛散防止小委員会 石綿含有建材成形板等について 平成 30 年 11 月 21 日一般社団法人 JATI 協会技術参与浅見琢也 一般社団法人 JATI 協会 1

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届出義務者の変更 何が変更になるの? 特定粉じん排出等作業 (*) の実施の届出義務者が 工事の施工者から工事の発注者又は自主施工者に変更になります * 吹付け石綿等が使用されている建築物等の解体 改造 補修作業注 ) 労働安全衛生法及び石綿障害予防規則に基づく届出義務者は変更になりません 解体等工

表2

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【確定版】石綿含有仕上塗

レベル 1 2 石綿届出対象 記入例 レ労働安全衛生法第 88 条第 3 項 労働安全衛生規則第 90 条第 5 号の2 の規定による計画の届出 石綿障害予防規則第 5 条第 1 項の規定による作業の届出 レ大気汚染防止法第 18 条の15 第 1 項の規定による作業実施の届出を行っております 石綿

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アスベスト ( 石綿 ) 点検マニュアル 1 アスベストとは 2 2 アスベストの危険性は 2 3 アスベストが原因で起こる病気とは 2 4 アスベストが使用禁止になった時期は 3 5 アスベストは どんなところで使われているか 3 6 建物のどこを調べればよいか 4 7 勤務先や自宅にアスベストが

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問題 4 次の記述の中で誤っているものを選びなさい 1 食品製造業 薬品製造業 金融業 医療関連 百貨店などでは 建築物による吹付け 石綿で中皮腫になり労災として業務上認定された事案が知られている 2 吹付け石綿のある建築物で中皮腫や肺がんを発症した方が 毎年労災保険で業務上の 疾病と認定されている

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1 大阪府の石綿対策の制度 1-1 建築物等の解体等工事に係る法 条例の主な規制内容 建築物の解体等工事 吹付け石綿 断熱材 保温材 被覆材 成形板 ( 石綿使用面積 1,000m 2 以上 ) 成形板 ( 石綿使用面積 1,000m 2 未満 ) 石綿無 着手前 着手中 事前調査条例条例条例条例

第1部厚生労働省における石綿ばく露防止の取組み

第1章 アスベストに関する基礎知識

特定建築材料以外の建築材料の石綿有無の判定 特定建築材料以外の建築材料には, 成形板やその他工作物に使われている材料がある これらに石綿が含ま れているか否かを以下により判定する 成形板 ⑴ 製造期間と商品による判定石綿含有成形板に関しては, 労働安全衛生法第


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テキスト第 2 版に基づく 表紙に凡例を表示済み調査者 = 建築物石綿含有建材調査者調査報告書 = 建築物石綿含有建材調査報告書 問題 1 次の記述の中で正しいものを選びなさい ( 選択肢 ) 1 石綿とは 細長い形状のケイ酸塩鉱物の総称である 2 石綿とは 繊維状のケイ酸鉱物の総称である 3 石綿

アスベスト(石綿)についてQ&A

1.1 阪神 淡路大震災環境省は 阪神 淡路大震災 ( 平成 7 年 1 月 17 日発生 ) の際に兵庫県及び神戸市の協力を得て 大気中の石綿濃度のモニタリング調査を実施した 当時の被災地における一般環境大気中 (17 地点 ) の石綿濃度の調査結果を表 R2.1 に 解体工事現場の敷地境界付近に

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2.2 分析対象の石綿の定義 平成 18 年 8 11 の厚 労働省通達 ( 基発第 号 ) では 綿とは, 繊維状を呈しているアクチノライト, アモサイト, アンソフィライト, クリソタイル, クロシドライト及びトレモライトをいうこと と定義されており, 分析対象の 綿は, 岩 を

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石綿含有成形板の解体等の作業(レベル3)における石綿粉じんばく露防止対策

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アスベスト対策に関する行政評価・監視_事前調査結果等の適切な掲示の確保

設計壁リフォーム標準施工法外壁リフォームモエンサイディング重ね張り工法モエンサイディングモエンサイディングセンターサイディング屋根リフォームセンタールーフアルマ8-1 適用条件 8 屋根リフォームの設計 1) 適合対象建築物昭和 56 年の建築基準法新耐震基準に適合する木造建築物 昭和 56 年 5

設計162 外壁リフォーム事前調査の方法標準施工法外壁リフォームモエンサイディング重ね張り工法モエンサイディング張り替え工法モエンサイディング張り替え工法 外張り断熱センターサイディング重ね張り工法設計屋根リフォームセンタールーフ重ね葺き工法アルマ重ね葺き工法参考資8-1 適用条件 8-2 屋根リフ

1. ヨドコウ外壁防耐火認定商品一覧表 認定内容 耐火構造 構造認定準耐火構造 防火構造 材料認定 商品名 1 時間 30 分 45 分 捨て張り工法 旧認定品の読替え仕様等 ( 内装材等必要 ) 不燃材料 準不燃材料 鉄骨下地 鉄骨下地 鉄骨下地 木造下地 鉄骨下地 鉄骨下地 木造下地 ヨド耐火パ

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アスベスト対策に関する行政評価・監視_レベル3のアスベスト含有建材の適切な処理の推進

アスベスト飛散防止対策マニュアル

別表 1 建築物の構造 建築物の状況 周辺状況 建築物に係る解体工事 木造 鉄骨鉄筋コンクリート造 鉄筋コンクリート造 鉄骨造 コンクリートブロック造 築年数年 棟数棟 周辺にある施設 住宅 商業施設 学校 病院 作業場所 作業場所 十分 不十分 搬出経路 障害物 有 無 前面道路の幅員 約 m 建


第2章 事務処理に関する審査指針

02(別紙1)調査対象施設種別

アスベスト飛散防止対策マニュアル

別添 1 日付 ( 鉄道事業者 ) 殿 労働局労働基準部 課長 鉄道車両等における石綿含有製品等の把握の徹底について ( 要請 ) 日頃は労働安全衛生行政に御協力いただき誠にありがとうございます さて 石綿をその重量の0.1% を超えて含有するすべての製品等は製造 輸入 譲渡 提供又は使用が禁止され

宅地建物取引業法施行規則の一部改正に伴う重要事項説明への追加

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石綿飛散漏えい防止対策徹底マニュアル 改訂版【1.01】修正追加入り

ロックウールMG 製品

表 1. 2 綿含有成形板の商品名と製造時期 国 交通省/経済産業省 綿 アスベスト 含有建材データベース 平成25年2月版 から引 綿の種類の項 綿 クリソタイル その他 茶 アモサイト クロシドライト 一般名 フレキシブル板 平板 軟質板 軟質フレキシブル板 その他 商品名 型番 品番 浅野フ

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豊洲新市場(仮称)建設工事 工事説明会

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改修の記録 資産除去債務の計上のための石綿使用有無の調査結果などの過去に実施した石綿に係る調査の結果が適切に提供される必要がある なお 特定建築材料における石綿の含有の考え方については 平成 18 年 9 月 5 日付け環水大大発第 号において 建築材料の製造若しくは現場施工にお

図 綿含有ロックウール吸音天井板 図 綿含有ビニール床タイル ⑴ 除去作業 順 事前準備 工事計画 要領書の作成 事前調査結果の掲示 除去作業時の表示 作業前清掃 養 生 準備作業 外周養生 作業場内部の足場 ステージ 組 脚 可搬式作業台等の設置 内部壁 天井 養生 湿

2 上記 1と同等以上の精度を有する分析方法として以下に掲げる方法 (1) 廃止前の平成 8 年 3 月 29 日付け基発第 188 号 建築物の耐火等吹付け材の石綿含有率の判定方法について の別紙の第 3の3の 位相差顕微鏡を使用した分散染色法による分散色の確認 による定性分析の方法 ( 以下 分

2013年12月25日

1-1 解体工事物件事前調査シート

2

本試験は 本来は実際の建築物を使用して調査票の作成を行う試験であるが 実際の建築物を確保できない場合のみ 仮想の建築物と写真を使用して行っている 実際の建築物を使用するため 本来は 資料公開できない試験であるが 仮想の建築物と写真を使用する場合には 状況設定及び写真等の一部資料のみを公開する - 1

特殊モルタル設計価格

第4回 東日本大震災アスベスト対策合同会議

資料 4 H 検討会 木造庁舎計画 設計基準の熱負荷計算について (1) 木造建築物に使用する材料の熱定数表を下に示す 熱伝導率 容積比熱 材料名 λ cρ [W/(m K)] [kj/(m 3 K)] 複合金属サイディング 55% アルミ- 亜鉛めっき鋼板 45 3,600 + 硬質

内装モイス施工マニュアル1 1.

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CÓMO PENSAR

コンクリート下地仕上材の種類一般的な使用ボード類乾燥状態Ⅲ 2 石工事 タイル工事 建築接着工法編 2.1 陶磁器質タイル 石材用接着剤建築現場で手張り方式により陶磁器質タイル及び石材を張り付ける工事に用いられる接着剤は J IS A 5548 陶磁器質タイル用接着剤 に品質 性能が規定されており

なお 平成 28 年熊本地震の影響により 熊本県内の社会福祉施設等について は 現時点で調査の実施が困難であると考えられることから 今回の調査は対 象外とすることを申し添えます 記 社会福祉施設等における吹付けアスベスト ( 石綿 ) 等及びアスベスト ( 石綿 ) 含有保温材等使用実態調査の実施に

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飛散性アスベスト廃棄物の処理の手引き

建設業の 3R への取り組み 株式会社竹中工務店

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Taro-A:ホームページ版

CLT による木造建築物の設計法の開発 ( その 3)~ 防耐火性能の評価 ~ 平成 26 年度建築研究所講演会 CLTによる木造建築物の設計法の開発 ( その 3) ~ 防耐火性能の評価 ~ 建築防火研究グループ上席研究員成瀬友宏 1 CLT による木造建築物の設計法の開発 ( その 3)~ 防耐

グラスト Si 石材調の外観により高級感があり 落ち着きのある外観を兼ね備えた仕上げ材となります 色の種類 : 標準色 53 色他調色可 ( 注意 : 標準色以外の場合は限界色となる場合がございます ) 上塗材の特徴 : 高い耐候性を有し 防藻 防カビ剤を配合しており 長期にわたり美観を保ちます グ

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第2部石綿粉じん飛散防止処理技術の実例(その1)

概要 建築物の解体等 ( 改修 ) に伴う有害物質等の適切な取扱いパンフレット 建築物等には 多種多様の有害物質等が使用されている可能性があります 解体 改修工事等においてはこれらの有害物質等を適切に処理することが必要となります このパンフレットは 建築物等に有害物質等が使用されている場合の確認方法

工業会ホームページ原案

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性能基準 計算ルート 性能基準 計算ルート の評価フロー項目 床 壁 天井等は断熱材以外にも色々な材料で構成されていますので 各材料の熱伝導率と厚さで熱抵抗値を求 め それを合算して各部位のを逆算します 計算で求める方法が3種 あらかじめ示された構成の数値で求 める方法が2種あります 面積を拾う 詳

国土交通省告示第五百十五号

資料 5-1 防耐火に係る基準 資料の素案 第 1 章総則 ( 設計基準 ) 1.2 用語の定義 主要構造部 : 建築基準法第 2 条第 5 号による 耐火構造 : 建築基準法第 2 条第 7 号による 準耐火構造 : 建築基準法第 2 条第 7 の 2 号による 防火構造 不燃材料 : 建築基準法

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平成23年度 環境省環境研究総合推進費補助金

札幌市特定粉じん排出等作業 における飛散防止対策 マニュアルの改訂について 札幌市環境局環境都市推進部環境対策課 平成 30 年 (2018 年 )7 月 4 日 5 日 1

ご注意安全上の230 商品の選定施工基準かかる前に標準施工法施工方法納まり納まり位の納まり工法施工方法施工方法維持管理参考資料設計基準 施工に施工部材の木造下地の鉄骨下地のその他各部外張断熱装飾部材の軒天材の工事管理 9. 外張断熱工法 1 設計施工上のポイント 外張断熱工法については 住宅会社 設

また 建築工事市場単価フォローアップ要領 の3. 検討のための要件及び対応の内 3-4 本施行されている工種の急激な価格変動が認められた場合 の調査方法について フォローアップにおける定点調査の所要な変更を行った 内容は次回の定点調査は代表細目から全細目に変更することし 解りやすい表現とした 3.2

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住宅瑕疵担保履行制度のあり方に関する検討委員会報告書抜粋 1. 住宅紛争処理の仕組みと相談体制 今後の対応 前述のとおり 非評価 供託新築住宅 評価住宅でない既存住宅については 住まいるダイヤル ( 電話相談 ) は利用できるものの 専門家相談や住宅品質確保法 住宅瑕疵担保履行法に基づく住宅紛争処理

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目次 1. 設計ガイドライン パンフレットの必要性 2. 設計ガイドライン ( 案 ) について 3. パンフレット ( 案 ) について 4.ZEB の実現 普及に向けて ZEB:Net Zero Energy Buildings ( ネット ゼロ エネルギー ビル ) 1

目次 ( )

アスベストとは アスベストは 天然に産する繊維状けい酸塩鉱物で せきめん いしわた と呼ばれています ILO( 国際労働機関 ) の定義では 岩石を形成する鉱物の蛇紋石および角閃石グループに属する繊維状の無機酸塩 で クリソタイル ( 温石綿 白石綿 ) アモサイト ( 茶石綿 ) クロシドライト

Transcription:

石綿飛散防止小委員会 石綿含有建材成形板等について 平成 30 年 11 月 21 日技術参与浅見琢也 1

1. 特定建築材料以外の建材の種類 (1) 石綿含有建材の分類 一般的には レベル 1 2 3 と分類されている 但し 法的には レベル という用語は使用されていない 平成 17 年 建設業労働災害防止協会 建築物の解体等工事における石綿粉じんへのばく露防止マニュアル において使用された (2) 各レベルの製品 レベル 1 石綿含有吹付け材 レベル 2 石綿含有断熱材 石綿含有保温材 石綿含有耐火被覆材 ( 石綿含有吹付け材を除く ) レベル 3 その他の石綿含有成形板 ( 成形板等 ) レベル 1 及び 2 が特定建築材料に該当 2

参考 解体時の石綿粉じん飛散とレベル解体時の石綿粉じんの飛散は レベル だけでは決まらない! 解体方法 劣化状況等の影響がある 厚生労働省 石綿飛散漏洩防止対策徹底マニュアル [2.20 版 ] 参照 レベル製品の種類処理時の発じん性 レベル 1 石綿含有吹付け材著しく高い レベル 2 解体の方法 劣化状況等によっては 発じん量が増加 石綿含有保温材 断熱材 耐火被覆材 レベル 3 その他の石綿含有建材 ( 成形板等 ) 高い 比較的低い 3

(3) 特定建築材料以外の主な建材 ( 建築物で使用される材料 ) 1 石綿含有成形板の製品例 石綿含有スレート波板 ( 波形 ) スレート 波板 石綿含有スレートボード : フレキシブル板 平板など 石綿含有けい酸カルシウム板第一種 ケイカル板 珪 ( 硅 ) カル板 石綿含有パルプセメント板 石綿含有スラグせっこう板 石綿含有せっこうボード 石膏ボード プラスターボード (PB) 石綿含有ロックウール吸音化粧板 ( 岩綿吸音板 ) 石綿含有住宅屋根用化粧スレート 石綿含有窯業系サイディング 石綿含有押出成形セメント板 石綿含有フリーアクセスフロア材 石綿含有ビニル床タイル シート 石綿含有ソフト巾木 石綿含有セメント円筒 石綿含有耐火二層管 トミジ管 石綿二層管 4

2 石綿含有成形板以外の製品例 石綿紡織品 ( 石綿布 石綿リボン 石綿糸他 含浸品含む ) 石綿含有接着剤 石綿含有ジョイントシート 石綿発泡体 石綿含有壁紙 石綿含有塗料 石綿含有パテ 3 石綿含有建築用仕上塗材の例 薄付け仕上塗材 セメントリシン 樹脂リシン等 厚付け仕上塗材 セメントスタッコ 樹脂スタッコ等 複層仕上塗材 セメント系吹付けタイル 水系エポキシタイル等 可とう形改修用仕上塗材 ( 軽量骨材仕上塗材 パーライト吹付 ひる石吹付け レベル 1) 5

(4) 特定建築材料以外の石綿含有建材の用途 * 建築物における主な施工部位の例 使用部位外壁 軒天屋根内壁 天井床煙突 石綿含有建築材料の種類 スレートボード スレート波板 窯業系サイディング 押出成形セメント板 けい酸カルシウム板第一種 建築用仕上塗材 スレート波板 住宅屋根用化粧スレート スレートボード スラグせっこう板 パーライト板 パルプセメント板 けい酸カルシウム板第一種石膏ボード ソフト巾木 建築用仕上塗材 壁紙ロックウール吸音天井板 ビニル床タイル シート フリーアクセスフロア材 セメント円筒 ダクト 配管ジョイントシート 紡織品 ( 含浸品含む ) 6

* 一般住宅外装 軒天 けい酸カルシウム板第一種スレートボード等 外壁 窯業系サイディング スレートボード * キッチン 壁 けい酸カルシウム板第一種スレートボード等 ( 化粧板 タイル貼りの下地材 ) 吊戸棚 けい酸カルシウム板第一種等 * ビル内装 天井 : けい酸カルシウム板第一種石膏ボード ロックウール吸音天井板 壁 : けい酸カルシウム板第一種石膏ボード スレートボード等 巾木 : ソフト巾木 床 : ビニル床タイル等 一般住宅外装 ( イメージ ) キッチン ( イメージ ) ビル内装 ( イメージ ) 7

* 工作物における主な施工部位の例 使用工作物 石綿含有材料の種類 水道管等石綿セメント管 ( 上下水道管 温泉管 ) 鉄道 トンネル ( 道路 ) プラント ボイラー 石綿含有スレートボード ( 駅舎壁 遮音板等 ) 石綿含有スレート波板 ( 駅舎屋根等 ) 石綿含有スレートボード石綿含有押出成形セメント板 石綿含有ジョイントシート ( シール材 ) 石綿紡織品 ( グランドパッキン 断熱材等 ) 8

4. 石綿含有成形板の使用例 (1) 主な石綿含有成形板の出荷量 1970 年 ~2001 年の出荷量についての調査結果 面積 ( 千m2 ) 重量 ( トン ) スレート波板 1,253,682 14,355,120 スレートボード 957,873 5,793,797 けい酸カルシウム板第一種 430,012 2,345,179 けい酸カルシウム板第二種 2,253 22,524 押出成形セメント板 60,300 3,316,500 パルプセメント板 77,723 466,400 スラグせっこう板 210,892 1,314,844 窯業系サイディング 120,450 1,579,000 住宅屋根用化粧スレート 760,300 13,582,000 ロックウール吸音天井板 144,457 666,422 出典 :( 一社 )JATI 協会 石綿含有建築材料廃棄物量の予測量調査結果報告書 9

(2) 石綿含有けい酸カルシウム板第一種の出荷量の推移 石綿無含有製品は 1986 年頃から販売されていた 1991 年 スレート協会及び耐火被覆板協会が団体規格を制定 これにより 石綿無含有製品 ( 原綿等不使用 ) の出荷増加 1995 年に制定された JIS A 5430 で製品規格等を規定 10

4. 石綿無含有建材一覧表 (1) 石綿無含有建材一覧表について 石綿無含有製品の情報があれば 石綿有無の調査において有効との提案があり ( 旧 ) 日本石綿協会が関係団体及びメーカーの協力を得てまとめた 掲載する石綿無含有建材は 石綿なし の判断に対して安全サイドとすることにし 4 条件を満足するものを回答していただくよう 調査を行った 11

(2) 一覧表に登録するための 4 条件 1 原材料に 石綿 ( 繊維状を呈するアクチノライト アモサイト アンソフィライト クリソタイル クロシドライト及びトレモライト ) を意図的に使用 1) しない建材 2 原材料に 石綿を有する副産物 ( 端材等 ) を使用していない建材 3 原材料に 天然鉱物 ( タルク セピオライト バーミキュライト 天然ブルーサイト及び蛇紋岩 ) を使用していないか 使用していたとしても原材料の配合比や分析結果等から 石綿含有率が定量下限以下 2) であることが確認された建材 4 石綿含有建材を製造する設備と別系列で製造された建材 1) ここでいう 石綿を意図的に使用 とは 石綿であることが判っており かつ 石綿の特性を認め その特性を製品設計に取り入れ 利用することをいう 2) 定量限界以下 とは 現在のアスベスト含有分析精度から 建材の石綿含有率を正確に確認できないものの 分析上の限界値以下 (0.1% 以下 ) であることが確認できているものを含む 12

(3) 公表中止の理由 掲載している一製品について確認した結果 4 条件のすべてには適合しないことが判明 全データについて確認を行った結果 2 及び 3 の条件に適合しない製品が少数ある 4 の条件に適合しない可能性のある製品がある 但し これらの全ての製品が石綿を 0.1 重量 % を超えて含有しているかは不明 一部の製品についてはメーカーがホームページで石綿を使用していないと公表している 再調査も検討したが 下記により 公開を中止した 1) 条件に関するメーカーの理解が必要であること ( およそ10 年前のことであるので 前述 4 条件を厳密に判断する証拠が乏しいことなどによりメーカーの情報と異なる場合がある ) 2) メーカーでも情報を発信している商品が多いこと 3) 吹付け材は 現地で商品名を確認できないので 情報が役立てにくいこと 4) 第 3 者による保証ではないこと 13

4. 特定建築材料以外の解体時の飛散防止 (1) 解体の基本的な考え方 * 成形板 ( 外装材 ) 原則として 湿潤化した後 手ばらしで原形のまま撤去する スレート波板 住宅屋根用化粧スレートの葺き替え工事では従前から主に実施されている フックボルト スレート波板の施工状況出典 :( 株 ) エーアンドエーマテリアル社カタログ 方法 石綿粉じんの飛散が少ない 撤去する部分の高さ以上まで養生シートを設置する 鳥取県パンフレット 石綿が使用された建築物などを解体等するときの規制について 参照 14

* 成形板 ( 内装材 ) 原則として 湿潤化後 手ばらしで原形のままの撤去が望ましいが 破砕等が必要な例が多い ロックウール吸音天井板 ( 捨て張り工法 : 石膏ボードに接着 ) ビニル床タイル 接着剤 耐火間仕切り 開口部 ( 窓 ドア ダクト等 ) の閉鎖及び目張りを実施集じん機付きの工具の使用 ( 状況により ) 集じん機による作業場内の石綿粉じん濃度の低下 作業後の粉じんの持ち出しにも注意が必要 下地材 ( 軽量鉄骨 ) 石膏ボード ロックウール吸音天井板 ロックウール吸音天井板捨て張り工法のモデル ビニル床タイルの撤去 ( 出典 : 環境省 建築物等の解体に係る石綿飛散防止対策マニュアル ) 15

* 建築用仕上塗材 建築物の改修 解体時における石綿含有建築用仕上塗材からの石綿粉じん飛散防止処理技術指針 (( 国研 ) 建築研究所 日本建築仕上材工業会 ) が参考にできる ( 一財 ) 日本建築センターの建設技術審査証明 ( 建築技術 ) を取得している工法もある 16