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スライド 1

2008年10月2日

Transcription:

コーナーを読んで単位取得を 日本医師会制度ハガキによる申告 0.5 単位 1カリキュラムコード 日本医師会制度は 昭和 62 年度に医師の自己教育 研修が幅広く効率的 に行われるための支援体制を整備することを目的に発足し 年間の学習成果を年度末 に申告することになっております これまでは 当コーナーの掲載論文をお読みいただき 各論文末尾の設問 に対し 巻末はがきでご回答された方には日医講座 5 単位を付与いたしてお りましたが 平成 22 年度に日本医師会制度が改正されたことに準じ 本誌 のの設問についても 出題の 6 割 5 問中 3 問 以上正解した方に 0.5 単位 1 カリキュラムコードを付与することに致しました つきましては 会員の先生方のご理解をいただき 今後ともハガキ回答による申告 に より一層ご参加くださるようお願い申し上げます なお 申告回数が多く 正解率が高い会員につきましては 年に 1 回粗品を進呈い たします ただし 該当者多数の場合は 成績により選出いたしますので予めご了承 ください 広報委員会 の設問に 答える ハガキ で回答 0.5 単位 1カリキュラムコード 付 与 0.5単位 1カリキュラム コード付与 117 617 粗 品 進 呈

難聴医療の最前線 琉球大学医学部附属病院耳鼻咽喉科我那覇章 論文要旨 近年 新たな人工聴覚器の登場により 様々な難聴の原因や程度に対する聴覚補償が可能となっている 従来より高度から重度感音難聴患者に対して行われている人工内耳手術は さらなる低年齢化や両耳手術の普及に伴い より良好なきこえや言語発達が可能になっている また 中耳に疾患がある伝音難聴や 混合性難聴に対する人工中耳も登場し これまで聴覚補償が困難であった難聴に対する治療戦略の幅も広がった 難聴の診断においても ゲノム解析技術の進歩により これまで原因不明であった難聴の原因を特定可能になりつつある 遺伝子診断は 難聴の予後や随伴症状 治療方針決定や 治療効果予測等に有用な情報を得られる可能性がある その他 次子や次世代の再発率など 遺伝カウンセリングにも有用な情報が得られるが 遺伝子診断やその結果の取り扱いについては 臨床遺伝専門医と連携して行うべきである はじめに 難聴は最も多い感覚器障害で 先天性難聴は約 1,000 出生に 1 ~ 2 人発生する 1,2) これは 本邦で施行されている新生児マス スクリーニングのいずれの対象疾患よりも発生頻度が高い また 70 歳以上の高齢者では 60% 以上に難聴を認めるとされる 3) 難聴医療は 機器や技術の進歩と共に 大きく変化している 近年の ゲノム解析技術の進歩は 従来原因不明であった難聴の原因遺伝子の特定を可能とし 診断や治療等に有用な情報をもたらしている 治療においても 人工内耳機器の進歩や 新たな人工聴覚器の登場により これまで聴力改善が困難であった難聴者にも聴覚補償の道が開かれ 聴覚障害者のノーマライゼーションを後押ししている 現在では先天聾の子供が健聴者と同じ学校に通ったり 音楽を楽しむことも可能となっている 本稿では 難聴医療の最前線と題し 人工聴覚器医療 ( 人工内耳と人工中耳 ) と 難聴の遺伝子診断について概説する 人工内耳 1) 難聴の種類と人工聴覚器音は空気振動として外耳 中耳 内耳へと伝わる 内耳では音の振動が電気信号に変換され その電気信号が聴神経を通り大脳へ伝わり 音として認識される 外耳や中耳の障害による難聴を 伝音難聴 と言い 軽度 ~ 中等度の難聴が生じる 中耳炎による難聴は伝音難聴の代表例であり 通常は治療により聴力改善が可能である 一方 内耳の障害による難聴を 感音難聴 と言い 難聴の程度は軽度から高度まで様々である 突発性難聴や ムンプス難聴 加齢に伴う難聴は感音難聴の代表例であり 治療による聴力回復は困難な場合が多い - 118(618)-

人工聴覚器は既存の手術による聴力改善が困 聴覚器である人工内耳について概説するととも 難で かつ 補聴器の効果に乏しい または に 年 2 月に本邦で薬事承認されたばか 補聴器を装用できない場合に適応となる 現 りの 人工中耳について紹介する 在 様々な難聴に対する人工聴覚器が存在する 図 1 内耳の障害により生じる感音難聴に対 2 人工内耳のしくみ する人工聴覚器としては 人工内耳や残存聴力 人工内耳は両耳の高度から重度の感音難聴の 活用型人工内耳がある 外耳 中耳の疾患によ うち 補聴器では会話できない難聴者に対する る伝音難聴あるいは混合性難聴に対する人工聴 人工聴覚器医療である 図 2 1985 年に本邦 覚器としては 人工中耳や 埋め込み型骨導補 初の人工内耳が行われてから 既に 30 年以上が 聴器などが開発され 本邦でも保険医療となっ 経過し 日本では 1 万人以上 世界では 25 万 ている なかでも 人工内耳は最も成功した人 人以上の難聴者が人工内耳手術を受けている 工聴覚器である 小児においては 早期に人工 人工内耳は手術で頭蓋骨や内耳に埋め込む体 内耳手術を行うほうが言語発達が良好であるこ 内部 インプラント と 耳に装着する体外部 とや 難聴者のノーマライゼーションの観点か スピーチプロセッサ から構成される 図 3 ら 人工内耳手術は低年齢化と共に両耳の人工 スピーチプロセッサは補聴器のような形状をし 内耳が増加している 本稿では 代表的な人工 ており 内蔵されたマイクロフォンが音を拾っ 図 1 難聴の種類と適応となる人工聴覚器 図 3 人工内耳のしくみ 図 2 難聴の程度と人工内耳 人工内耳は補聴器では会話ができない高度から重度の感音難聴が適応 119 619

た後 電気信号に変換する 変換された信号は 4 人工内耳の効果 送信コイルから体内部のインプラント 受信装 人工内耳の効果を術前に予測することは困難 置 に無線で送信される 受信装置に伝わった である 一般的に言語獲得後の失聴例のうち 信号により 蝸牛の中に埋め込んだ電極が電気 失聴期間が短い例では効果が高く 人工内耳の 信号を発生させる その電気信号が聴神経を介 調整後 使用を開始すると共に会話が可能にな して脳へと送られ 音として認識される 図 3 る患者もいる 一方 先天聾など 言語獲得前 4 蝸牛は部位により感じる音の周波数が異なる の失聴例では 早期に人工内耳を行えば言語獲 人工内耳は 12 22 個の電極 機種により電極 得に有利であるが 術後に継続したリハビリ 数が異なる を有しており 蝸牛内に埋め込ま が必要で 言葉がでるまでには約 1 年程度を要 れた各電極がスピーチプロセッサの指令により する 内耳奇形や広汎性発達障害等の重複する 蝸牛内の異なる部位を刺激することにより周波 合併症が無く 難聴のみが唯一の障害である場 数弁別を得ることが可能となっている 人工内 合は 教育可能性が高く 早期の人工内耳によ 耳機器は年々小型化し 体内部の頭蓋骨に埋め り言語獲得が期待できる 込む部分 受信装置 は 3.9 4.5mm と薄く 5 2004 年以降 当科において著者が携わった 蝸牛内に挿入する電極先端の太さは 0.4 mm 程 人 工 内 耳 手 術 は 78 例 90 耳 成 人 34 例 小 度である 児 44 例 になる 成人においては 27 例 約 80% が人工内耳により会話が可能となった 3 人工内耳の適応 小児においては術後 2 年以上経過観察し得た 2014 年に改定された日本耳鼻咽喉科学会に 重複障害を認めない 34 児中 25 児 73% が よる人工内耳の適応概要を表 1 にしめす 詳細 聴覚言語を獲得し普通小学校に通学している は日本耳鼻咽喉科学会のホームページ (http:// また 我々の小児人工内耳の報告 www.jibika.or.jp/members/iinkaikara/artificial_ も 手術時の年齢が低いほど言語発達が良好で inner_ear.html) を参照していただきたい 特に あり 難聴児の早期発見 早期聴覚補償が重要 小児人工内耳適応基準において 適応年齢が原 である 6 において 則 1 歳以上に引き下げられ 従来よりも早期か らの人工内耳が可能となった そのほか 両耳 5 人工内耳術後の他科治療や検査における注 の人工内耳手術の可能性についても言及した点 意点 や 難聴遺伝子診断を適応判断の一助とする文 言が加わった点で画期的な改定であった 人工内耳術後の患者に対し 通電する医療機 器を使用すると 体内に埋め込んだ人工内耳 が破損するばかりでなく 内耳を損傷し不可 表 1 小児人工内耳の適応 逆的に聴覚を失う可能性があるため 注意が 1. 手術年齢 適応年齢は原則1歳以上 体重8kg以上 必要である モノポーラ型電気メスは 鎖骨 2. 聴力 補聴効果と療育 1) 各種の聴力検査の上 以下のいずれかに該当する場合 i) 裸耳での聴力検査で平均聴力レベルが90dB以上 ii) 補聴器装用下の平均聴力レベルが45dBよりも改善 しない場合 iii) 補聴器装用下の最高語音明瞭度が50%未満の場合 2) 人工内耳の両耳装用が有用な場合にはこれを否定しない 3.例外的適応条件 1) 既知の 高度難聴を来しうる難聴遺伝子変異を有し かつ ABR等の検査にて音に対する反応が認められない場合 2) 低音部に残聴があるが中 高音部の聴取不能で構音 獲得に困難が予想される場合 より下 尾側 での使用は可能であるが 対 極板は使用部位よりも末梢側に貼る 胸部や 腹部の手術では大腿部に対極板を貼る べき である バイポーラの場合は 人工内耳体内 部から 1.5cm 以上離せば使用可能である その他 MRI 撮影においては注意が必要で ある 人工内耳の体内部は永久磁石を有してい るため MRI 撮影により体内部の磁石が移動す る可能性がある 現在 人工内耳の機種によっ ては 1.5 テスラまでの MRI は 体内に埋め込 120 620

んだ永久磁石を外科的に摘出することなく 撮 ノムの全塩基配列の解読に 13 年という時間と 影が可能となっている その場合でも MRI 30 億ドルの巨費を費やした 今では 遺伝子 撮影前に 体内に埋め込んだ永久磁石が移動し の塩基配列を高速に解析できる 次世代シーク ないように頭部に固定用の包帯を巻いた上で撮 エンサー 以下 NGS の登場により 数日 影することが推奨されている 人工内耳の種類 の時間と 1,000 ドル程度の費用で ヒトゲノ によっては体内部の磁石を取らずに MRI 撮影 ムの全塩基配列解析が可能となっている することが保証されていない機種もあるため 先天性難聴の半数以上は遺伝子が関与して 1,2 人工内耳術後の MRI 撮影に際しては 事前に いるとされ 耳鼻咽喉科にお問い合わせいただきたい 因遺伝子が報告されている 本邦においては 今では 100 以上の難聴の原 2012 年より先天性難聴の遺伝子診断が保険収 人工中耳 Vibrant Soundbridge : VSB 載され 現在は既知の 19 遺伝子 154 変異を 米国のシンフォニックス社が開発した人工聴 対象とした診断が保険医療として可能になって 覚器で 2003 年よりメドエル社の製品として いる 難聴の原因遺伝子が明らかになれば 難 発売されている 本邦においては 年 2 聴の重症度や予後予測 随伴症状の予測 治療 月に薬事承認され 新たな人工聴覚器に加わっ 選択や遺伝カウンセリングに有用な情報が得ら た 人工内耳が高度から重度の感音難聴に対す れる ただし 本遺伝子診断は既知の遺伝子変 る治療である一方で VSB は 中耳炎後遺症 異を対象としたものであるため 新規の遺伝子 など中耳に疾患がある伝音難聴や 中等度の混 変異による難聴は診断できない この保険医療 合性難聴が対象である 図 1 による遺伝子診断の診断率は約 30 40% とさ 人工中耳は 音声を受信し信号に変換する体 7 れている 以下に遺伝子診断が有用であった 外部と 信号を振動に変換し直接振動を内耳に 一例を提示する 伝える体内部から構成される 図 4 体外部 症 から入力された電気音響信号により 手術で 原因遺伝子 GJB2 c.235delc 埋め込まれた振動子が内耳に直接振動を伝える 経 事から 図 4 補聴器に比べて歪みが少なく 名前を呼んでも振り向かないことから難聴を 音質が良く 明瞭度の高い音を提供することが 疑われ 1 歳過ぎに当科を受診した 聴覚精査 できる の結果 両耳の重度感音難聴を認めた 図 5 例 3 歳の男児 第二子 1 歳の女児 第三子 過 第二子 III-2 図 5 が 幼稚園で 受診時は第三子 III-3 の出生前であり 親族 に難聴を認めず 図 5 母親は妊娠中に自分 が感冒に罹患したのが難聴の原因ではないかと 不安を感じていた 遺伝子診断の結果 GJB2 遺伝子の変異 c.235delc を認めた 図 6 ご両親には GJB2 遺伝子変異による難聴である こと GJB2 遺伝子変異による難聴例では比較 的人工内耳の効果が良い報告 8 があること 変 異のタイプから随伴症状が出現する可能性は低 図 4 人工中耳 Vibrant Soundbridge 模式図は内耳の正円窓部に振動子が留置された状態 振動子の振動は正円窓膜を通して内耳に伝わる い事 次子の再発率は約 1/4 である事などを遺 伝カウンセリングにおいて情報提供した その 後 第二子 III-2 は 2 歳過ぎに人工内耳埋 難聴の遺伝学的検査 遺伝子診断 込術を行った 図 7 遺伝子解析技術の進歩は著しく 2003 年に その後 次子 第三子 : III-3 出産の際 新 完了した ヒトゲノムプロジェクトは ヒトゲ 生児聴覚スクリーニングを受けた結果 両耳要 121 621

図 5 家系図と聴力両親 (II-1, II-2) は正常聴力 第二子 (III-2) と第三子 (III-3) に重度難聴を認める 図 6 遺伝子解析結果 (A) 罹患者 (III-2) の次世代シークエンサーによる解析結果 (Integrative genomics viewer images) GJB2 遺伝子の一塩基欠失 (c.235delc) のホモ接合変異を認める (B) 健聴同胞 (III-1) の直接シークエンス法による遺伝子解析結果 遺伝子変異を認めない (C) 難聴患児 (III-2) の直接シークエンス法による遺伝子解析結果 GJB2 遺伝子の一塩基欠失 (c.235delc) のホモ接合変異を認める (D, E) 父親 (D) と母親 (E) の直接シークエンス法による遺伝子解析結果 GJB2 遺伝子のヘテロ接合変異を認める - 122(622)-

図 7 人工内耳手術 A. 術前に 体外部 と体内部のダミー を用いて体内部の埋め込む位置を決定する B. 皮切デザイン 点線 C. 側頭部の頭蓋骨に人工内耳体内部を固定するための窪みを作成 する D. 人工内耳の電極を正円窓から内耳に入れている様子 E. 人工内耳の電極を蝸牛に挿入後 体内部インプラント を側頭部に固定した状態 F. 術中レントゲン 本症例では両耳に人工内耳を埋め込んだ 両耳の蝸牛に挿入した人工内耳電極 が確認できる 精査であったため 生後 2 ヵ月時に当科を受診 いて有用な情報となるとともに 次子 第三子 した 遺伝子診断の結果は 兄 第二子 ; III- においては 第二子における遺伝子診断の結果 2 と同じ GJB2 の遺伝子変異を認めた 聴覚精 から 難聴の可能性を考慮して対応した結果 査の結果 両耳の重度感音難聴を認めた 第三 第二子よりも早期の聴覚補償を行い得た 両児 子 III-3 は 1 歳過ぎに人工内耳埋込術を行っ とも 言語発達は良好であるが より早期に診 た 第二子 第三子共に聴覚言語を獲得し 普 断 人工内耳手術が行われた第三子は第二子と 通小学校に通学している 比較して より良好な言語発達を認めている 症例解説 劣性遺伝形式の難聴では しばしば親族内に 本難聴例に認めた GJB2 遺伝子は最も頻度の 難聴者を認めないことも多い 本家系も第三子 高い先天性難聴の原因遺伝子として全世界で広 III-3 出生前は 第二子 III-2 以外に家系 く知られている GJB2 遺伝子は細胞間伝達を 内に難聴者を認めていない このように 家系 行うギャップ結合タンパク コネキシン 26 を 内に難聴者がいないということは必ずしも遺伝 コードし 内耳に発現が確認されている 9,10 一 性難聴を否定するものではない また 保護者 般的には 常染色体劣性遺伝形式による難聴で は過去のイベント 本家系では母親の妊娠中の 難聴のみが症状である非症候群性難聴の原因遺 感冒罹患 が難聴の原因であると思い込みがち 伝子である 難聴は中等度から重度難聴が多く であるが 実際に遺伝子解析を行うと 遺伝的 遺伝子変異により表現型 難聴の重症度 が予 な原因が明らかになる事は少なくない 遺伝子 測できる場合があり 人工内耳の決定にも重要 解析により原因が明らかになれば 保護者や親 な情報になる 本家系では 遺伝子診断が最初 族の精神的不安や葛藤 偏見を和らげられる場 の難聴児 第二子 の人工内耳の適応決定にお 合もある 123 623

沖縄県における難聴遺伝子解析研究沖縄県は島嶼環境であるため 稀な劣性遺伝形式の難聴が集積しやすい 著者は 98 難聴遺伝子をターゲットとした難聴遺伝子解析パネルを作成し NGS を用いた遺伝子解析研究を行っている 我々の研究において 沖縄県 ( 特に宮古島 ) に 常染色体劣性遺伝形式の難聴が集積していることを明らかにするとともに 本土とは異なる遺伝子変異が集積していることを明らかにした 11) また 沖縄県出身の難聴患者 79 家系 ( 症候群性難聴 41 家系 非症候群性難聴 38 家系 ) に対し NGS を用いて遺伝子解析を行った結果 症候群性難聴の 83%(34/41 家系 ) 非症候群性難聴の 45%(17/38 家系 ) において原因と考えられる遺伝子変異を同定した 原因遺伝子変異を同定した症例の 43% (22/51 家系 ) において 保険医療による遺伝子診断では原因を特定できない 新規変異が関与していた その一方で 全体の 35% において 原因遺伝子変異を特定できなかった 著者は 今後の難聴遺伝子診断戦略として 全エクソーム解析を含めた段階的な診断システムを立ち上げており 今後の診断率の向上が期待される 遺伝子診断と結果の取り扱い難聴の遺伝子診断については 2013 年に日本聴覚医学会より 難聴の医療現場で 主治医が十分な説明を行い 同意を得た後に実施する 難聴のカウンセリングおよび遺伝カウンセリングが共に実施できることが望ましい と提言されている 遺伝子診断は疾患の原因解明や予後予測以外に 次世代における再発率など 遺伝カウンセリングにも有用な情報が得られるが 実施に際しては臨床遺伝専門医との連携を行うべきである おわりに 難聴医療の最前線と題して 人工聴覚器医療と難聴の遺伝子診断について概説した 難聴は目に見えない障害であるため 傍からは分かりにくいが 放置すると様々な障害を続発するた め 適切な聴覚補償が不可欠である 人工聴覚器医療や遺伝子解析技術の進歩により これまで困難であった難聴の原因解明や予後予測 難聴の克服が可能となりつつある 耳鼻咽喉科学会沖縄県地方部会では今後も最新医療の提供を含む難聴医療に積極的に取り組んで参りますので 関係諸兄からのご支援をお願いして本稿を終了致します 参考文献 1. Morton CC, Nance WE: Newborn hearing screening: a silent revolution. The N Eng J Med. 354:2151?2164, 2006. 2. Smith RJ et al.: Sensorineural hearing loss in children. Lancet. 365:879?890, 2005. 3. Pacala JT, Yueh B: Hearing deficits in the older patient: I didn t notice anything. JAMA 307:1185-94, 2012. 4. von Békésy G: Travelling waves as frequency analysers in the cochlea. Nature 225:1207-9, 1970. 5. Yoshinaga-Itano C et al.: Language of early- and later-identified children with hearing loss. Pediatrics 102:1161-71, 1998. 6. 与座要, 他 : 小児人工内耳術後コミュニケーションモードに影響を与える要因の検討. Audiology Japan 59:224-231, 2016. 7. Mori K et al.: Social health insurance-based simultaneous screening for 154 Mutations in 19 Deafness Genes Efficiently Identified Causative Mutations in Japanese Hearing Loss Patients. PLoS One Sep 14;11(9): e0162230, 2016. 8. Fukushima K et al.: Better speech performance in cochlear implant patients with GJB2-related deafness. Int J Pediatr Otorhinolaryngol 62:151-7, 2002. 9. Bruzzone R et al.: Connections with connexins: the molecular basis of direct intercellular signaling. Eur J Biochem 238:1-27, 1996. 10. Kikuchi T et al.: Gap junction systems in the rat vestibular labyrinth: immunohistochemical and ultrastructural analysis. Acta Otolaryngol 114:520-8, 1994. 11. Ganaha A et al.: Pathogenic substitution of IVS15 + 5G > A in SLC26A4 in patients of okinawa islands with enlarged vestibular aqueduct syndrome or Pendred syndrome. BMC Med Genet. 2013 May 24;14:56, 2013. - 124(624)-

Q U E S T I O N 次の問題に対し ハガキ 本巻末綴じ でご回答い ただいた方で6割 5問中3問 以上正解した方に 日 医講座0.5単位 1カリキュラムコード 72. 成長 発達の障害 を付与いたします 問題 次の設問 1 5 に対して か でお答え下 さい 問 1 人工内耳は伝音難聴に対する人工聴覚 器医療である 問 2 人工中耳は伝音難聴や中等度混合難聴 に対する人工聴覚器医療である 問 3 人工内耳術後は 体のいかなる部位で も電気メスの使用は禁忌である 問 4 親族に難聴者がいなければ遺伝性の難 聴である可能性は無い 問 5 遺伝子診断は臨床遺伝専門医と連携を とって行うべきである 125 625