外国語活動の実践 外国語活動におけるコミュニケーションを大切にした活動の工夫 1 単元名 5 年数で遊ぼう ~ How many?~ ( 教材 Hi,friends! 1 文部科学省) 2 目標 積極的に数を数えたり, 尋ねたりしようとす 1~20の数の言い方や数の尋ね方に慣れ親しむ 言語には, それぞれの特色があることを知 3 評価規準 コミュニケーションへの関心 意欲 態度 積極的に数を数えたり, 尋ねたりしてい 外国語への慣れ親しみ 1~20の数の言い方や尋ねる表現を聞いたり言ったりしてい 言語や文化に関する気付き 言語には, それぞれの特色があることに気付いてい 4 研究の重点との関わり (1) 意図的 計画的に言語活動を取り入れた単元構成の工夫本単元は, 英語で積極的に数を数えたり, 相手に数を尋ねたりするなどのコミュニケーション活動を通して, 外国語に慣れ親しむことをねらいとしてい本単元で取り上げる数は, これからたくさんの場面で使われていく数のうち, 1~20 であるが, ただ単に数を数えるのではなく, 歌やゲームなどを通して, その中で必然的に出てきた数に触れながら少しずつ使える範囲を広げていくようにすまた, じゃんけん の言い方や外国の数の数え方を日本と比べることで, 日本と外国との共通点や相違点について考えさせる機会とすることもでき数やじゃんけんは簡単な学習内容ではあるが, 世界の文化の多様性への認識を深め, さらに国際理解への興味関心を高めるものと考え子どもたちは, 1~10 までを順番に唱えることはできるが, 途中の数を尋ねられてもすぐには答えられない また, 11~20 の新しい単語を覚え, 慣れない英語を話すことに抵抗があることも考えられる そこで, キーナンバーゲームなどのゲームやチャンツなどを通して 1~20 を言ったり聞き取ったりする活動, How many? の問いに 1~20 で答える活動を繰り返し取り入れ, 楽しみながら新しい単語や表現に慣れていくことができるようにす少人数での活動となり, 一人の子どもが教師や外部講師と会話する機会は多くなるが, 活動の種類や交流の範囲となると限られてしまうので, 活動の内容や交流の場などを工夫していきたい (2) 言語環境の整備外国語活動を行う教室 (English room) を設置し, 学んだ表現や単語などをイラストとともに掲示したり, 映像 音声教材を活用したりするなど言語環境を整えていきたい
5 全体計画 ( 総時数 4 時間 ) 時 ね ら い 主な学習活動 評価規準と支援 1 1~10 の数の言い方 じゃんけんゲームをす 気付き に慣れ親しみ, 英語 指導者と英語でじゃんけん じゃんけんのしかた, 数の でのものの数え方の をし, 勝った数を数え 数え方など日本語との類似点 特徴に気付く 世界のいろいろな数の言い 相違点に気が付いてい 方を知 ( 行動観察 振り返りカード ) 絵を見て, 鉛筆や車などの 日本語と外国語の発音を聞 数を数え き比べることで, 類似点や Chant How many balls? 相違点に気付く時間を設け を歌う 2 1~10 の数の言い方 前時と同様に指導者と英語 慣れ に慣れ親しみ, 11~20 でじゃんけんをし, 勝った 1~20の数を聞いたり, の数の言い方や数の 数を前回と合わせて数え言ったりしてい 尋ね方を知 Chant How many balls ( 行動観察 振り返りカード ) を歌う Chant How many balls? キーナンバーゲームをす に慣れるように, 速さを変 How many? の表現を えて練習するようにす 使ったゲームをす 3 ゲームを通して Chant How many balls? を 慣れ 1~20 の数の言い方や 歌う 積極的に数を使ったゲーム 本 数の尋ね方に慣れ親 キーナンバーゲームをすをしようとしてい 時 しむ How many? 1 ~ 2 0 ( 行動観察 振り返りカード ) を使ったゲームを楽しむ 1~20の数え方に慣れる ように, いくつかのゲームを通して繰り返し言うようにす 4 積極的に数を数え Chant How many balls? を コミュニケーション たり, 尋ねたりしよ 歌う 進んで数を数えたり, 尋ね うとす 絵を見て数を予想し, 実際 たりしてい に数え ( 行動観察 振り返りカード ) 数に関するクイズを作 友達の思いに触れたり, 気 作成したクイズを出し合い, 持ちを理解したりすること 尋ねたり答えたりす ができるように意見交換の 時間を設け
6 授業の実際 (3/4) (1) ねらい ゲームを通して 1~20 の数の言い方や数の尋ね方に慣れ親しむ (2) 学習の展開 学習活動教師の支援 評価 1 はじめのあいさつをす 楽しく明るい雰囲気で学習を進められるように笑 2 チャンツで表現の確認や練習 をす Chant How many balls? 顔で元気よくあいさつす 全体であいさつをした後, 個別にもあいさつをす 慣れてきたので他の単語に変えてチャンツを行った デジタル教材を活用し, リズムに乗って楽しく歌う ことができるようにす 3 本時のめあてをつかみ, 数を 楽しく交流できるように, コミュニケーションの 使ったゲームを楽しむ 友達と数のゲームを楽しもう! 1 キーナンバーゲーム をす 聞いた数を大きな声で言っ てい ポイントを意識するようにアドバイスす 1 ~ 2 0 までの数字を繰り返し聞き, 練習できる 聞きまちがえてお手つきをように 聞く 話す が同時にできるゲームを す 2 キャンディーつかみ取りゲ ーム をす 片手で一番多くのキャンディーをつかんだ人が勝ち 指定された数に一番近い人が勝ち など, 条件を変えて行った 折り紙で作ったキャンディーを使った 取り入れ モデルを示し, ゲームのやり方が理解できるよう にす 数を数える際には, 英語で数えるように助言す ゲームの中で, How many? 1 ~ 20 のやりと りがたくさんできるようにす キーナンバーも子どもたちが順に選択 ドキドキ感をもって耳に集中
3 をさがせゲーム をす How many? 1~20 のやりとりを楽しんでい Hello Thank you など 知っている英語を積極的に 使ってい コミュニケーションのポイントや新たにできるよ 4 本時の振り返りをすうになったことを確認したり, 気付いたことを記 入したりすることができるような振り返りカード を準備す もっているカードの数が多い人を探すゲーム 集めたカードの合計点数を競うゲーム を楽しんだ 参観の先生たちにも協力していただいた 積極的に数を使ったゲームをしようとしてい ( 行動観察 振り返りカード ) 5 終わりのあいさつをす 次の時間の見通しがもてるようにす 頑張りを認め, 笑顔であいさつをす 7 成果と課題 (1) 成果意図的 計画的に言語活動を取り入れた単元構成の工夫チャンツやゲームを通して, 段階を踏みながら 1 ~ 20 を言ったり聞き取ったりする活動, How many? の問いに 1 ~ 20 で答える活動を何回も繰り返し行うことができ, 楽しみながら単語や表現に慣れ親しむことができた 単元の最後には,6 年生へ向けて 種平小学校 How many? クイズ ( 学校にあるパソコンの数, 校庭の桜の木の数, スクールバスの座席数等 ) を作り, クイズで交流することができた 自分たちの身近にあるものにも目を向け外国語活動に生かすことができ, 喜んで活動する様子が見られた 交流の場を広げるために,5 6 年生で一緒に活動する機会を多くもつようにした インタビューゲームなどを通してより多くの友達とコミュニケーションをとることで, 単語や会話のモチーフにも慣れ, 楽しく活動することができた
言語環境の整備イングリッシュルームを設置し, あいさつや, いろいろな言葉 ( 動物, 道具, 色, 曜日等 ) を掲示したことで, 常に目にすることができ, 授業中も活用している姿が見られた また, 大画面のテレビとコンピュータの常時接続が可能になり, デジタル教材を有効に活用することができた 毎年 2 回, 国際教養大の学生が種平小学校を訪問する交流会があり, ペアになった学生に学校を案内したり, 一緒に給食を食べたり, お手紙交換をしたりするなどの交流をしている 各国の言語に触れ, 国の紹介をしてもらったり, 一緒にゲームをしたりすることをいつも楽しみにしてい今年度は, 国際教養大に行く機会をもつことができ, 校舎や立派な図書館を見学して学生気分を味わったり, What is your name? ゲーム を通して多くの学生と交流したりすることができた (2) 課題少人数のため, 一人の子どもが教師や外部講師と会話する機会は多くなるが, 人数の多い学級ではできる活動が制限されてしまったり, 交流の範囲が狭くなってしまったりするので, 多様な活動内容や交流の場などを更に工夫していきたい 振り返りカードには, 学習の態度面のチェックと気付きなどを自由記述で記録する形式にしていたが,1 時間の重点が分かるような振り返りの工夫が必要であ国際教養大生との交流は, 異文化交流ができるとても良い機会なので, 体験的な学習などを工夫し, 外国語活動を更に充実したものにしていきたい ( 文責大塚仁美 )