極端な悲観相場の修正へ 業績の下方修正リスクも織り込み 日米経済指標に注目
1. 日経平均株価と株価指標 円 25,000 24,000 23,000 22,000 (18/10/2) 24,448.07 (18/12/3) 22,698.79 25 日移動平均線 75 日移動平均線 200 日移動平均線 (19/4/24) 22,362.92 (19/7/25) 21,823.07 (19/9/19) 22,255.56 21,000 20,000 19,000 18,000 倍 17.0 16.0 15.0 14.0 13.0 12.0 11.0 10.0 20,971.93 (18/10/26) 18,948.58 (18/12/26) 実績 PBR( 右軸 ) 予想 PER( 左軸 ) 20,289.64 (19/6/4) 20,173.76 (19/8/26) (19/10/4) 予想 PER 12.21 倍実績 PBR 1.07 倍 18/9/3 11/5 19/1/10 3/13 5/21 7/19 9/19 注 : データは日次で 最終は2019 年 10 月 4 日 予想 PERは日経平均加重平均 PER 実績 PBRは日経平均加重平均 PBR 出所 :QUICK Workstationより いちよし証券作成 1 1.50 1.40 1.30 1.20 1.10 1.00 0.90 0.80 倍 年月日
今週 (10 月 7 日 ~10 月 11 日 ) の東京株式市場は 極端な悲観相場の修正が期待されます 1 日に発表された 9 月の米 ISM 製造業景況指数が好不況の境目の 50 を 2 カ月連続で割り込み 約 10 年ぶりの低水準だったことに加えて 2 日発表の ADP 全米雇用リポートが雇用の伸び悩みを示しことで米景気が後退するとの懸念が一段と強まりました NY ダウは 2 日まで 2 営業日で 838 ドル下落しました こうした米国株式相場の下落に加え 米国が欧州連合 (EU) に対して年間で最大 75 億ドル相当の産品に報復関税を課すことを表明したことで欧米の貿易摩擦激化への懸念も強まり 3 日の日経平均は 436 円安と 8 月 2 日以来約 1 カ月ぶりの下げ幅となりました 週末 4 日は 前日に発表された 9 月の米 ISM 非製造業景況指数の悪化を受けた利下げ期待の高まりから米国株式相場が 3 営業日ぶりに反発したことが好感される一方 外国為替市場で円相場が 1 ドル=107 円を割り込んだことが相場の重荷となりました 日経平均の終値は前日比 68 円高の 2 万 1,410 円でした 週明けは 先週末 4 日の米国株式相場が上昇したことが好感されそうです 9 月の米雇用統計 ( 失業率が 3.5% 非農業部門雇用者数は前月比 13.6 万人増 ) を受けて米経済に対する極端な悲観論が後退する一方で 米利下げ観測が高まっており 投資家のリスク回避姿勢が和らいだことは日本株にも追い風と思われます また 週後半は 10~11 日に米中の閣僚級貿易協議が行われる予定であり 協議への関心が高まるのではないでしょうか 2
2.2019 年度企業業績見通し 大企業 全産業 (9 月調査日銀短観 ) 単位 :% 売上高経常利益純利益 製造業 0.4( 0.6) 10.2( 2.2) 2.1( 1.0) 非製造業 0.9( 0.7) 4.8( 3.4) 2.5( 5.1) 全産業 0.7( 0.7) 7.4( 2.9) 2.3( 3.1) 注 : 前年度比増減率 ( ) は前回比の修正率 2019 年 10 月 1 日公表出所 : 日本銀行 いちよし経済研究所ユニバース銘柄単位 :% 売上高経常利益純利益 製造業 3.1 3.9 4.2 非製造業 5.9 7.6 13.7 全産業 5.0 3.2 6.5 注 : 対象は 539 社 前年度比増減率 2019 年 9 月 18 日現在出所 : いちよし経済研究所 3
1 日に発表された日銀短観では 大企業 全産業の 2019 年度業績見通しが前回から下方修正され 経常利益が前年度比 7.4% 減となりました 米中貿易摩擦の激化などの影響で製造業の経常利益は前期比 2 桁の減益ですが 大幅に悪化するとみていたことから比べれば下方修正は小幅だったと思われます 消費関連を中心に今週から 2019 年 3~ 8 月期の決算発表が本格化し 下旬からは 4~9 月期の決算発表が始まります 今回の日銀短観で ある程度の企業業績の下方修正は相場に織り込みが進んでいるように思われます こうしたなか いちよし経済研究所のユニバース銘柄をみると 2019 年度の業績は非製造業の収益伸長により 全産業としては 3.2% 経常増益の見通しであり 業績良好な中小型の企業群に注目したいと思います 4
3. 今週の経済指標 イベント 発表日項目前回 今回予想 7 日 ( 月 ) ( 日 )8 月景気動向指数 ( 一致指数 CI 速報値 ) 99.7 99.4 前回比 8 日 ( 火 ) ( 日 )9 月景気ウォッチャー調査 ( 現状判断 DI) 42.8 - - 9 日 ( 水 ) ( 米 ) 米連邦公開市場委員会 (FOMC) 議事要旨 (9 月 17~18 日開催分 ) - - - 10 日 ( 木 ) 11 日 ( 金 ) ( 日 )8 月機械受注 ( 船舶 電力除く民需 前月比 %) 6.6 2.0 ( 米 )9 月 CPI( 食品 エネルギー除く 前月比 %) 2.4 2.4 ( 日 ) 株価指数オプション 10 月物 SQ 算出日 - - - ( 米 )10 月ミシガン大消費者態度指数 ( 速報値 ) 93.2 92.0 注 1: 前回比の矢印は前回と今回予想の改善 上昇が赤色 横ばいが黄色 悪化 下落が青色注 2: 予定はすべてを網羅しているわけではありません 発表予定日は現地日時です出所 :Bloomberg などより いちよし証券作成 5
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