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東日本大震災における施設の被災 3 東北地方太平洋沖地震の浸水範囲とハザードマップの比較 4

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たり 80mm 以上の雨 ) となり, 佐賀では 14:26 までの 1 時間に観測史上第 2 位の 91mm を記録した ( 図 9.2). 白石では 14:39 までの 1 時間に 72mm と 7 月の観測史上最大を記録した. その後, 全域で雨はいったん弱まったが, 夜遅くに再び南部を中心と

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あおぞら彩時記 2017 第 5 号今号の話題 トリオ : 地方勤務の先輩記者からの質問です 気象庁は今年度 (H 29 年度 )7 月 4 日から これまで発表していた土砂災害警戒判定メッシュ情報に加え 浸水害や洪水害の危険度の高まりが一目で分かる 危険度分布 の提供を開始したというのは本当ですか

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別添 中防災第 1 1 号 平成 29 年 5 月 31 日 各指定行政機関の長各指定公共機関の代表殿 中央防災会議会長 ( 内閣総理大臣 ) 安倍晋三 梅雨期及び台風期における防災態勢の強化について 貴殿におかれては 日頃から各般の施策を通じて災害対策の推進に御尽力をいただいているところであるが

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1. はじめに 平成 27 年 9 月関東 東北豪雨災害により 鬼怒川の下流部では堤防が決壊するなど 氾濫流による家屋の倒壊 流失や広範囲かつ長時間の浸水が発生した また これらに避難の遅れも加わり 近年の水害では類を見ないほどの多数の孤立者が発生した このようなことから 国土交通大臣から社会資本整

5-2 居住誘導区域の設定 居住誘導の基本方針を踏まえ 以下の居住誘導区域の設定の考え方に基づき 居住誘導区域を設 定します 居住誘導区域の設定の考え方 (1) 居住誘導区域に含めるエリア 居住誘導区域に含めないエリア 居住誘導区域に含めるエリア 1 都市機能誘導区域 居住誘導区域に含めないエリア

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水系名 : 那賀川河川名 : 那賀川 台風の接近 上陸に伴う洪水を対象とした 直轄河川管理区間沿川におけるの避難勧告発令等に着目したタイムライン ( 防災行動計画 )( 案 ) H 現在 時間経過は 平成 26 年台風 11 号を参考 49h 39h 33h 台風に関する徳島県気象

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新     聞:平成15年2月13日(木)夕刊以降解禁

高速かつ高精度な洪水シミュレータ「DioVISTA/Flood Simulator」を発売

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目 次 最上小国川 赤倉地区の 2015 年 9 月洪水の実態から 被害防止には河道改 修が最も効果的であることが あらためて明らかになった 1,2015 年 9 月 10 日赤倉雨量は1/50 年確率に近い豪雨であったが 洪水流量は1/11 年確率流量だった 2, 赤倉地区では外水被害と内水被害が

目次 1 降雨時に土砂災害の危険性を知りたい 土砂災害危険度メッシュ図を見る 5 スネークライン図を見る 6 土砂災害危険度判定図を見る 7 雨量解析値を見る 8 土砂災害警戒情報の発表状況を見る 9 2 土砂災害のおそれが高い地域 ( 土砂災害危険箇所 ) を調べたい 土砂災害危険箇所情報を見る

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(案)

プレゼンテーションタイトル

本編_淀川水系淀川右岸ブロック河川整備計画(変更)第2章.doc

                         平成19年6月  日

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資料1(第1回水害WG)

現行計画 ( 淀川水系河川整備計画 ): 川上ダム案 治水計画の概要 事業中の川上ダムを完成させて 戦後最大の洪水を 中下流部では ( 大臣管理区間 ) 島ヶ原地点の流量 3,000m 3 /s に対して 川上ダムで 200m 3 /s を調節し 調節後の 2,800m 3 /s を上野遊水地や河道

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平成 3 1 年度 記者発表資料 平成 3 1 年 2 月 4 日九州地方整備局武雄河川事務所 災害時協力会社の公募について ~ 災害への迅速かつ的確な対応のため ~ 国土交通省武雄河川事務所では 災害時等における 迅速な被災状況の把握 円滑で的確な対応 を強化するため 事前に建設業等関係者の皆様と

宮城県災害時気象資料平成 30 年台風第 24 号による暴風と大雨 ( 平成 30 年 9 月 29 日 ~10 月 1 日 ) 平成 30 年 10 月 3 日仙台管区気象台 < 概況 > 9 月 21 日 21 時にマリアナ諸島で発生した台風第 24 号は 25 日 00 時にはフィリピンの東で


の洪水調節計画は 河川整備基本方針レベルの洪水から決められており ダムによる洪水調節効果を発揮する 遊水地案 は 遊水地の洪水調節計画は大戸川の河川整備計画レベルの洪水から決めることを想定しており 遊水地による洪水調節効果が完全には発揮されないことがある 瀬田川新堰案 は 瀬田川新堰の洪水調節計画は

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台風第 10 号による出水状況について 速報 国土交通省北海道開発局帯広開発建設部治水課平成 28 年 9 月 2 日

気象の概要 台風第 10 号の影響により 8 月 30 日から 31 日にかけて 十勝の広い範囲で大雨になりました 特に 札内川流域は激しい降雨に見舞われ 札内川ダム地点雨量観測所では 降り始めからの雨量が 507 mmを観測しました 速報値のため 数値は変わる可能性があります 台風経路図 ( 平成 28 年台風第 10 号 ) 降水の状況 図は日本気象協会資料から転載 気象レーダー 8 月 30 日 17 時 00 分 8 月 30 日 20 時 00 分

既往最高水位の比較平成 28 年 9 月 1 日現在 ( 速報値 ) 一連の台風等に伴う大雨により 水系既往最高水位と今回の洪水での水位を比較しました 水系では 全 21 基準観測所のうち 茂岩観測所等 12 箇所の水位が 観測史上最も高い水位となりました 既往最高水位との比較 河川 地点 日時 今回 水位 既往最高水位 水防団待機水位 氾濫注意水位 氾濫危険水位 計画高水位 共栄橋 9/1 23:50 144.01 143.76 143.50 144.30 145.40 146.72 芽室太 8/31 2:10 64.83 63.23 61.50 62.40-64.27 帯広 8/31 4:00 38.07 38.12 34.20 35.20 37.40 38.26 千代田 8/31 5:00 18.74 16.82 13.10 14.30-17.76 茂岩 8/31 11:00 12.68 10.07 6.20 6.90 10.90 11.63 大津 8/31 10:40 1.87 2.82 1.20 1.50-5.79 士幌共栄橋東橋音更旭橋芽室太千代田利別帯広東台 1 号橋札内止若千住 12 号橋南帯橋第二大川橋農野牛大平橋茂岩十勝太 上札内 8/31 1:30 249.44 248.73 248.80 249.30-250.37 第 2 大川橋 8/31 4:10 104.50 103.49 102.20 102.80 104.20 104.96 札内川 南帯橋 8/31 2:10 79.47 79.55 76.60 77.40-79.31 札内 8/31 4:10 36.70 36.33 34.50 35.10-37.15 音更川 士幌 8/31 13:30 207.19 206.99 206.10 206.50 207.90 209.32 音更 8/31 9:10 74.48 73.69 72.40 73.10 74.20 74.96 東橋 8/31 12:40 36.66 37.37 36.30 36.90 37.70 39.62 利別川 利別 8/31 9:40 15.51 14.58 12.00 12.60 14.60 15.94 士幌川 旭橋 8/31 5:50 30.19 29.64 28.00 28.60-30.33 途別川 千住 12 号橋 8/31 5:00 26.90 26.92 23.80 24.60 26.70 27.22 上札内 大津 猿別川 止若 8/31 7:10 20.28 18.18 15.60 16.10 19.60 20.54 十弗川 東台 1 号橋 8/31 5:40 16.54 17.25 14.10 15.30 17.80 17.78 牛首別川 農野牛 8/31 9:50 13.59 13.61 10.40 11.00-14.75 下頃辺川 太平橋 8/31 9:40 5.36 7.12 4.00 4.80 6.70 7.02 浦幌川浦幌 十勝太 8/31 9:10 3.20 3.67 2.00 2.50 3.20 4.05 赤字 : 既往最高水位を超過した箇所 速報のため 数値等は変わる可能性があります

出水の概要 年最大水位 (m) 昭和 56 年昭和 57 年昭和 58 年昭和 59 年昭和 60 年昭和 61 年昭和 62 年昭和 63 年平成元年平成 2 年平成 3 年平成 4 年平成 5 年平成 6 年平成 7 年平成 8 年平成 9 年平成 10 年平成 11 年平成 12 年平成 13 年平成 14 年平成 15 年平成 16 年平成 17 年平成 18 年平成 19 年平成 20 年平成 21 年平成 22 年平成 23 年平成 24 年平成 25 年平成 26 年平成 27 年平成 28 年 一連の台風等に伴う大雨により各河川で水位が上昇しました 特に台風第 10 号に伴う大雨により 帯広観測所では既往 2 番目の水位となりました また 茂岩観測所では既往最高の水位となりました 2 河川 4 観測所 ( ~ 芽室太 千代田 茂岩 札内川 ~ 南帯橋 ) で計画高水位を上回る水位を記録しました 7 河川 7 観測所 ( ~ 帯広 音更川 ~ 音更 札内川 ~ 第二大川橋 利別川 ~ 利別 途別川 ~ 千住 12 号橋 猿別川 ~ 止若 浦幌 ~ 十勝太 ) で氾濫危険水位を上回る水位を記録しました 7 河川 8 観測所 ( ~ 大津 音更川 ~ 士幌 札内川 ~ 上札内 札内 士幌川 ~ 旭橋 十弗川 ~ 東台 1 号橋 牛首別川 ~ 農野牛 下頃辺川 ~ 大平橋 ) で氾濫注意水位を上回る水位を記録しました 2 河川 2 観測所 ( ~ 共栄橋 利別川 ~ 東橋 ) で水防団待機水位を上回る水位を記録しました これを受け 帯広開発建設部は以下のとおり取り組みました なお 一連の台風においても同様に取り組みました 基準水位の超過を受け 8 月 30 日から河川管理施設のパトロールを開始しました (7 か所 ) 利別川 (1 か所 ) 牛首別川 (2 か所 ) では 排水施設が稼働し内水排除を実施しました 39 38 37 昭和 56 年 8 月洪水 37.54m 平成 28 年 8 月 ( 台風第 10 号 ) 38.07m 平成 28 年 8 月 ( 台風第 9 号 ) 35.49m 平成 28 年 8 月 ( 台風第 11 号 ) 33.79m 平成 28 年 8 月 ( 台風第 7 号 ) 34.74m 平成 23 年 9 月洪水 36.17m 36 35 34 33 32 31 30 ( 帯広観測所 ) 年最大水位 平成 28 年 流域図 速報のため 数値等は変わる可能性があります

浸水及び堤防の決壊箇所 札内川 利別川 音更川 猿別川において 畑地等が浸水及び堤防の決壊が発生しました 堤防の決壊 音更川KP21.2左岸 浸水被害なし 浸水 利別川KP9.0左岸 浸水約2ha 浸水 猿別川KP4.4左岸 浸水約200ha 堤防の決壊 浸水 札内川KP25.0左岸 浸水約50ha 堤防の決壊 札内川KP40.5左岸 浸水被害なし 速報のため 数値等は変わる可能性があります

台風 10 号による北海道水系札内川被災状況について 1 十勝地方では 8 月 30 日から 31 日にかけて台風第 10 号の影響による大雨に見舞われ 札内川上流の札内川ダム雨量観測所で降り始めからの雨量が 507mm( 速報値 ) を観測しました 札内川 KP25.0 左岸で約 200m にわたり堤防が決壊しました 約 50ha が浸水し 家屋や倉庫 民間発電事業者のソーラー発電施設が被災しました ( 人的被害なし ) 8 月 31 日 14 時 30 分より札内川の緊急復旧工事を開始し 9 月 7 日 24 時 00 分に完了しました 流域 被害地域 ( 帯広市中島町 ) KP25.0 左岸決壊 (31 日 5:20 頃確認 ) 発令状況避難準備情報 30 日 20:00 避難勧告 31 日 2:30 決壊箇所約 200m 戸蔦別川右岸決壊 ( 道管理区間 ) 氾濫流 浸水範囲 ( 約 50ha) 緊急復旧工事の状況 ( 仮締切工 ) 9 月 1 日 5 時 01 分撮影 速報のため 数値等は変わる可能性があります

台風 10 号による北海道水系札内川被災状況について 2 決壊箇所 ソーラー発電施設 浸水範囲 決壊箇所 ( ドローンによる空撮 8 月 31 日 8:51 撮影 )

帯広開発建設部の対応 排水機場の稼働状況 帯広開発建設部では 浸水被害を防ぐために 10 箇所の排水施設を稼働し 内水を排除しました 8 9 利別川 十 5 2 1 勝川 4 7 6 10 左図 1~10 稼働した排水機場一覧 No. 河川名 市町村名排水機場名 稼働時間 1 豊頃町 育素多排水機場 約 80 時間稼働 2 豊頃町 茂岩市街裏救急排水施設 約 12 時間稼働 3 利別川 池田町 池田排水機場 約 11 時間稼働 4 豊頃町 下牛首別排水機場 約 87 時間稼働 5 豊頃町 農野牛救急排水施設 約 61 時間稼働 6 豊頃町 寒々平救急排水施設 約 42 時間稼働 7 豊頃町 寒々救急排水施設 約 42 時間稼働 8 牛首別川 豊頃町 石神救急排水施設 約 6 時間稼働 9 牛首別川 豊頃町 牛首別救急排水施設 約 15 時間稼働 10 帯広市 帯広排水機場 約 39 時間稼働 3 利別川 育素多排水機場 池田排水機場 樋門の操作洪水が住宅地や畑地等に逆流するのを防止するため 計 64 か所で樋門操作を行いました この地図は 国土地理院長の承認を得て 同院発行の数値地図 25000( 地図画像 ) を複製したものである ( 承認番号平 25 情複 第 506 号 ) 帯広排水機場 河川巡視 砂防施設巡視帯広河川事務所及び池田河川事務所職員が 昼夜を問わず河川を巡視し 地域の安全確保に努めました 洪水監視 24 時間体制で雨量及び水位を監視し 地域を守るために水防警報を発信しました 樋門箇所の点検橋からの河川内点検砂防施設の点検 災害対応記録状況 洪水予測システム操作状況

治水事業の効果 河道を掘削し 洪水の流れる断面積を大きくし 水位を下げる取組を各河川で進めています 例えば では 帯広市街部に向かって下流から河道掘削等を進めておりますが 平成 19 年に千代田新水路が完成し 音更町相生中島地区の河道掘削もおおむね完了しています 今回の出水では 相生中島地区の河道掘削によりおおむね 1.5m 程度水位を低減させ 計画高水位を上回らずにすんだと想定されます 仮に河道掘削が実施されず もし決壊した場合は約 600ha が浸水したと想定されます 相生中島地区 (KP52.6 付近 ) 位置図 音更川相生中島地区 オホーツク海日本海流域太平洋 相生中島地区の高水敷を掘削し 洪水時の水位低下を図っています 実施前 A A 河道掘削実施区間 実施後 A 河道掘削実施区間 A 札内川 H13 年 8 月出水 H26 年撮影 河道掘削を実施しなかった場合に想定される被害 凡例 S37.8 出水による氾濫実績 今回の出水で河道掘削を実施しなかった場合の想定氾濫 水位 (m) 相生中島地区 (KP52.6 付近 ) 38.0 A 水位低減効果約 1.5m( 推定値 ) A 36.0 34.0 32.0 30.0 掘削を行わなかった場合の最高水位 ( 推定値 ) 計画高水位 (H.W.L) 今回出水における最高水位 H=32.2m 28.0 想定浸水面積 : 約 600ha (KP52.6 地点が決壊したと想定 ) 26.0 24.0 22.0 現在の河道断面 ( 掘削後 ) 河道掘削以前の河道断面 速報のため 数値等は変わる可能性があります

治水事業の効果 河道を掘削し 洪水の流れる断面積を大きくし 水位を下げる取組を各河川で進めています 例えば では 帯広市街部に向かって下流から河道掘削等を進めておりますが 平成 19 年に千代田新水路が完成し 音更町相生中島地区の河道掘削もおおむね完了しています 今回の出水では 千代田新水路により 新水路分流点でおおむね 2.9m 程度水位を低減させ 計画高水位を上回らずにすんだと想定されます 仮に河道掘削が実施されず もし決壊した場合は約 1400ha が浸水したと想定されます 千代田新水路分流点 (KP45.0 付近 ) オホーツク海日本海流域太平洋 位置図 音更川千代田新水路札内川 千代田新水路により 洪水時の水位低下を図っています 実施中 A A H12 年撮影 実施後 A 千代田新水路 A H26 年撮影 河道掘削を実施しなかった場合に想定される被害 凡例 S37.8 出水による氾濫実績 今回の出水で河道掘削を実施しなかった場合の想定氾濫 水位 (m) 31.0 29.0 27.0 25.0 23.0 21.0 千代田新水路分流点 (KP45.0 付近 ) A 水位低減効果約 2.9m( 推定値 ) A 掘削を行わなかった場合の最高水位 ( 推定値 ) 今回出水における最高水位 H=22.0m 計画高水位 (H.W.L) 想定浸水面積 : 約 1400ha (KP46.8 地点が決壊したと想定 ) 19.0 17.0 15.0 現在の河道断面 ( 掘削後 ) 千代田新水路完成前の河道断面 速報のため 数値等は変わる可能性があります

治水事業の効果 では 昭和 40 年 ~ 平成 18 年にかけて 下流部において河道の断面を大きくして洪水時の水位低下を図る浚渫事業を実施しました H28.8 洪水では 中下流部において計画高水位を上回ったものの 下流部においては浚渫事業により堤防高から概ね 1.6m 程度水位を低減させ 堤防の越水を防止することができたと想定されます 仮に浚渫事業が実施されず KP30 付近で堤防が決壊した場合は 左岸側で約 2,000ha 約 1,430 戸 右岸側で約 1,160ha 約 60 戸が浸水したと想定されます 浚渫事業の概要 A A 想定される被害 日本海 オホーツク海 流域 太平洋 H26 年撮影 浚渫実施区間 ポンプ船による浚渫 洪水時の水位上昇を抑え 洪水流を短時間に安全に流下させるため 昭和 40 年代より 下流部においてポンプ船を使用した河道の浚渫を行った 右岸側決壊時 推定浸水戸数 : 約 60 戸推定浸水面積 : 約 1,160ha 池田町 左岸側決壊時 推定浸水戸数 : 約 1,430 戸推定浸水面積 : 約 2,000ha 豊頃大橋 水位低減効果約 1.6m( 推定値 ) 計画高水位 (H.W.L) 掘削を行わなかった場合の最高水位 今回出水における最高水位 KP33 付近 浚渫 (H18 完了 ) 茂岩橋 H26 年撮影 浚渫前の河道断面 現在の河道断面 ( 浚渫後 ) 豊頃町

治水事業の効果 排水ポンプにより農地等の浸水被害を軽減 排水ポンプ場や排水門等の河川管理施設の操作や 市町村からの要請に基づく排水ポンプ車等の派遣により 内水被害の軽減に取り組みました 水系 10 箇所の排水施設により 内水 ( 河川に排水できずにはん濫した水 ) を河川に排水しました 位置図 オホーツク海 池田排水機場が無かった場合の浸水想定範囲 ( 平成 28 年 8 月台風 10 号 ) 利別川 日本海 流域 太平洋 池田排水機場 池田排水機場 排水機場とは 大雨で河川の水位が上昇すると 住宅地や農地から河川への自然排水が困難になり 内水氾濫を起こす場合があります その様な場合 ポンプで内水を強制的に河川に排水し 被害を軽減する施設です 浸水想定範囲 A= 約 30ha 河川 市街地 池田排水機場

治水事業の効果 排水ポンプにより農地等の浸水被害を軽減 排水ポンプ場や排水門等の河川管理施設の操作や 市町村からの要請に基づく排水ポンプ車等の派遣により 内水被害の軽減に取り組みました 水系 10 箇所の排水施設により 内水 ( 河川に排水できずにはん濫した水 ) を河川に排水しました 位置図 オホーツク海 育素多排水機場が無かった場合の浸水想定範囲 ( 平成 28 年 8 月台風 10 号 ) 日本海 流域 利別川 太平洋 育素多別排水機場 浸水想定範囲 A=200ha 育素多排水機場 排水機場とは 大雨で河川の水位が上昇すると 住宅地や農地から河川への自然排水が困難になり 内水氾濫を起こす場合があります その様な場合 ポンプで内水を強制的に河川に排水し 被害を軽減する施設です 河川 市街地 育素多排水機場 速報のため 数値等は変わる可能性があります

治水事業の効果 排水ポンプにより農地等の浸水被害を軽減 排水ポンプ場や排水門等の河川管理施設の操作や 市町村からの要請に基づく排水ポンプ車等の派遣により 内水被害の軽減に取り組みました 水系 10 箇所の排水施設により 内水 ( 河川に排水できずにはん濫した水 ) を河川に排水しました 位置図 オホーツク海 下牛首別排水機場が無かった場合の浸水想定範囲 ( 平成 28 年 8 月台風 10 号 ) 日本海 流域 利別川 太平洋 下牛首別排水機場 下牛首別排水機場 浸水想定範囲 A=100ha 排水機場とは 大雨で河川の水位が上昇すると 住宅地や農地から河川への自然排水が困難になり 内水氾濫を起こす場合があります その様な場合 ポンプで内水を強制的に河川に排水し 被害を軽減する施設です 河川 市街地 下牛首別排水機場

治水事業の効果 施設効果事例 直轄砂防事業 ( 戸蔦別川第 1 号砂防堰堤 ) 災害発生日 : 平成 28 年 8 月 29 日 ~31 日 ( 台風第 10 号 ) 降雨状況 : 総雨量 530mm (8 月 28 日 17 時 ~31 日 20 時 戸蔦別雨量観測所 ) 時間最大雨量 41mm (8 月 30 日 23 時 ) 状況 : 戸蔦別川の戸蔦橋水位流量観測所では 8 月 30 日の24 時に最大水位 188.98mを観測し 1 時間あたりの最大水位上昇量は8 月 30 日の14 時に18cmを観測しました 戸蔦別川では 砂防堰堤や床固工群による砂防施設の整備によって 土砂と流木を捕捉し下流域への土砂災害を未然に防止しました 速報のため 数値等は変わる可能性があります 保全対象市街地 戸蔦別雨量観測所 砂防基準点 戸蔦別川第 1 号砂防堰堤 直轄砂防区域位置図 平面図 防災ヘリ ほっかい による点検 ( 平成 28 年 9 月 1 日撮影 ) 戸蔦別川第 1 号砂防堰堤 戸蔦別川 戸蔦別川 戸蔦別川第 1 号床固工 捕捉された土砂 戸蔦別川 平常時 ( 平成 26 年 7 月 4 日撮影 ) 砂防施設による土砂の捕捉効果 ( 平成 28 年 9 月 2 日 ) 砂防施設による土砂の捕捉効果 ( 平成 28 年 9 月 1 日 )